JP4284038B2 - 銅高含有酵母及びその製造方法、銅高含有酵母破砕物、並びに、食品 - Google Patents

銅高含有酵母及びその製造方法、銅高含有酵母破砕物、並びに、食品 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、銅を高濃度に含有し、銅欠乏による貧血、心臓疾患等を改善し得る流動食等の経口経管栄養組成物、食品素材等として好適な銅高含有酵母、銅高含有酵母破砕物、及び該銅高含有酵母の新規な製造方法、並びに、該銅高含有酵母又は該銅高含有酵母破砕物を含む流動食、飲料等の食品に関する。
【0002】
【従来の技術】
銅は、近時の厚生労働省が発表したデータによると成人での1日の必要量としては1.8mg(最大9mg)とされており、生体内で欠乏すると、貧血や心臓疾患等を引き起こす可能性がある。このため、銅を効率良く生体内に摂取・吸収することができ、銅欠乏による貧血、心臓疾患等を改善し得る流動食、飲料等の安全な食品素材の開発が必要である。一方、酵母は古くから人類が食品素材として利用しており、例えば、ビール酵母が食物繊維、ビタミンあるいはミネラル分の供給源としても用いられてきた。特に菌体内に銅を取り込ませた酵母又はその破砕物は、銅を補強した食品素材として、かつ銅の吸収効率に優れた安全な食品素材として利用可能であると考えられる。
しかしながら、従来の銅含有酵母における銅含有量は低いため、銅欠乏による貧血、心臓疾患等を改善し得る流動食、飲料等の安全な食品素材としての用途には利用できなかった。
このため、銅を効率良く生体内に摂取・吸収することができ、銅欠乏による貧血、心臓疾患等を改善し得る流動食、飲料等の安全な食品素材として好適な銅高含有酵母又は銅高含有酵母破砕物、及び該銅高含有酵母又は銅高含有酵母破砕物を用いた流動食、飲料等の食品、並びに、前記銅高含有酵母を効率的に製造可能な銅高含有酵母の製造方法の開発が望まれている。
ミネラルの中でも銅に着目し、高濃度に銅を含有する銅高含有酵母及びその効率的な製造に関する技術は未だ提供されていないのが現状である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、このような要望に応え、現状を打破し、従来における前記問題を解決し、以下の目的を達成することを課題とする。即ち、本発明は、銅を高濃度に含有し、流動食、飲料等の経口経管栄養組成物、食品素材等として好適であり、しかも添加した食品の風味等を損なうことがない銅高含有酵母及び銅高含有酵母破砕物、該銅高含有酵母を銅利用率と対糖収率(増殖率)とを高度に両立して製造可能である銅高含有酵母の製造方法、並びに、流動食、飲料等の各種の食品を提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するための手段は、以下の通りである。即ち、
<1> 菌体における銅含有量が乾燥菌体当たり500質量ppm以上であることを特徴とする銅高含有酵母である。
<2> 菌体が、洗浄液中の銅濃度が1質量ppm以下となるまで25℃のイオン交換水で洗浄した菌体である前記<1>に記載の銅高含有酵母である。
<3> 顕微鏡観察下で未破砕菌体がなくなるまで破砕し、沈殿画分を得た後、洗浄液中の銅濃度が1質量ppm以下となるまで25℃のイオン交換水で洗浄した前記沈殿画分における乾燥菌体当たりの銅含有量が、破砕を行う前の菌体における乾燥菌体当たりの銅含有量の70質量%以上である前記<1>又は<2>に記載の銅高含有酵母である。
<4> 食用酵母である前記<1>から<3>のいずれかに記載の銅高含有酵母である。
<5> 培養液の総液量に対する銅の添加量が50〜450質量ppmとなるようにして酵母を流加培養することにより得られる前記<1>から<4>のいずれかに記載の銅高含有酵母である。
<6> 前記<1>から<5>のいずれかに記載の銅高含有酵母の破砕物を少なくとも含むことを特徴とする銅高含有酵母破砕物である。
<7> 銅高含有酵母が食用酵母である前記<6>に記載の銅高含有酵母破砕物である。
<8> 銅高含有酵母の破砕物が乾燥物である前記<6>又は<7>に記載の銅高含有酵母破砕物である。
<9> 銅高含有酵母の破砕物が液状物である前記<6>又は<7>に記載の銅高含有酵母破砕物である。
<10> 培養液の総液量に対する銅の添加量が50〜450質量ppmとなるようにして酵母を流加培養することを特徴とする銅高含有酵母の製造方法である。
<11> 前記<1>から<5>のいずれかに記載の銅高含有酵母を少なくとも含むことを特徴とする食品である。
<12> 前記<6>から<9>のいずれかに記載の銅高含有酵母破砕物を少なくとも含むことを特徴とする食品である。
【0005】
本発明においては、更に以下の手段も好ましい。
<13> 銅利用率が30質量%以上であり、かつ対糖収率が100質量%以上である前記<1>から<5>のいずれかに記載の銅高含有酵母である。
<14> 顕微鏡観察下で未破砕菌体がなくなるまで破砕し、沈殿画分を得た後、洗浄液中の銅濃度が1質量ppm以下となるまで25℃のイオン交換水で洗浄した前記沈殿画分における乾燥菌体当たりの銅含有量が、破砕を行う前の菌体における乾燥菌体当たりの銅含有量の70質量%以上であることを特徴とする銅高含有酵母である。
<15> 破砕が、0.5mm径のビーズをチェンバーに50容量%充填したダイノミルを用いて行われる前記<3>及び<14>のいずれかに記載の銅高含有酵母である。
<16> 銅含有量が乾燥菌体当たり1000〜10000質量ppmである前記<1>から<5>及び<13>から<15>のいずれかに記載の銅高含有酵母である。
<17> 銅含有量が乾燥菌体当たり2500〜6500質量ppmである前記<1>から<5>及び<13>から<16>のいずれかに記載の銅高含有酵母である。
<18> 食用酵母が、パン酵母、ビール酵母、ワイン酵母、清酒酵母及び味噌醤油酵母から選択される前記<5>に記載の銅高含有酵母である。
<19> 食用酵母が、Saccharomyces cerevisiae である前記<5>又は<18>に記載の銅高含有酵母である。
<20> 食品に添加されて用いられる前記<1>から<5>及び<13>から<19>のいずれかに記載の銅高含有酵母である。
<21> 食品が流動食及びパンから選択される前記<20>に記載の銅高含有酵母である。
<22> 銅利用率が50質量%以上であり、かつ対糖収率が125質量%以上である前記<1>から<5>及び<13>から<21>のいずれかに記載の銅高含有酵母である。
【0006】
<23> 破砕物が、0.5mm径のビーズをチェンバーに50容量%充填したダイノミルを用いた破砕により得られる前記<6>から<9>のいずれかに記載の銅高含有酵母破砕物である。
<24> 食用酵母が、パン酵母、ビール酵母、ワイン酵母、清酒酵母及び味噌醤油酵母から選択される前記<7>に記載の銅高含有酵母破砕物である。
<25> 食用酵母が、Saccharomyces cerevisiae である前記<7>に記載の銅高含有酵母破砕物である。
【0007】
<26> 銅を100〜350質量ppm添加する前記<10>に記載の銅高含有酵母の製造方法である。
<27> 銅を100〜250質量ppm添加する前記<10>に記載の銅高含有酵母の製造方法である。
<28> 流加培養が流加連続培養及び流加バッチ培養の少なくともいずれかである前記<10>及び<26>から<27>のいずれかに記載の銅高含有酵母の製造方法である。
<29> 培養後、更に銅以外のミネラル成分を含有する溶液中で非増殖的に培養を行う前記<10>及び<26>から<28>のいずれかに記載の銅高含有酵母の製造方法である。
【0008】
本発明の銅高含有酵母、銅高含有酵母破砕物及び食品は、銅含有量が高く、菌体や破砕物を洗浄しても銅含有量が低下することがないため、流動食、飲料等の経口経管栄養組成物、食品素材、各種の食品等として好適に用いられる。
本発明の銅高含有酵母の製造方法においては、特定の条件による流加培養により、銅利用率と対糖収率(増殖率)とを高度に両立しつつ、銅高含有酵母が効率的に製造される。
【0009】
【発明の実施の形態】
本発明の銅高含有酵母は、菌体における銅含有量が乾燥菌体当たり500質量ppm以上である。該菌体が、洗浄液中の銅濃度が1質量ppm以下となるまで25℃のイオン交換水で洗浄した菌体であっても、該菌体における銅含有量は、乾燥菌体当たり500質量ppm以上であり、洗浄後においても銅含有量が高く維持される。該銅高含有酵母における銅含有量としては、該銅高含有酵母を銅強化食品素材等として用いる場合には多いほど好ましいが、該銅高含有酵母の効率的に製造する観点からは、乾燥菌体当たり1000〜10000質量ppmであるのが好ましく、銅利用率と対糖収率(増殖率)とを良好なレベルに両立して銅高含有酵母を効率的に製造する観点からは、乾燥菌体当たり2500〜6500質量ppmであるのがより好ましい。
なお、前記菌体における銅含有量は、公知の方法で測定することができ、例えば原子吸光法により測定することができる。
【0010】
前記菌体の洗浄は、前記菌体の表面に付着した銅を除去する目的で25℃のイオン交換水を用いて行い、その洗浄液中の銅濃度が1質量ppm以下となるまで繰返し行う。一般的には、25℃のイオン交換水で3回以上洗浄すると前記菌体表面に付着しているだけで該菌体内に取り込まれていない銅を十分に除去することができる。
なお、前記洗浄液の銅濃度は、公知の方法で測定することができ、例えば、原子吸光法により測定することができる。
【0011】
前記銅高含有酵母としては、更に、顕微鏡観察下で未破砕菌体がなくなるまで破砕し、沈殿画分を得た後、洗浄液中の銅濃度が1質量ppm以下となるまで25℃のイオン交換水で洗浄した前記沈殿画分における乾燥菌体当たりの銅含有量が、破砕を行う前の菌体における乾燥菌体当たりの銅含有量の70質量%以上であるのが、破砕菌体を食品素材等として利用する観点からは好ましく、80質量%以上であるのがより好ましく、90質量%以上であるのが特に好ましい。本発明の銅高含有酵母は、その破砕物の固形分(沈殿画分)の銅含有量が洗浄後であっても高く維持される点に特徴がある。
【0012】
なお、前記破砕の方法としては、顕微鏡観察下で未破砕菌体がなくなればよく、特に制限はなく目的に応じて適宜選択することができ、例えば、物理的破砕処理であってもよいし、化学的破砕処理であってもよく、具体的には、0.5mm径のビーズをシリンダーに50容量%充填したダイノミルを用いる方法などが好適に挙げられる。
前記ダイノミルとしては、特に制限はなく目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、WAB社製のDynomill Model Type KDLなどが挙げられ、前記シリンダーの容量としては、特に制限はなく目的に応じて適宜選択することができるが、例えば実験的には0.6リットル程度である。前記銅高含有酵母の懸濁液(30%(w/v))の前記ダイノミルにおける前記シリンダー内への流速としては、例えば2.16リットル/時間程度が好ましい。また、前記銅高含有酵母の前記ダイノミルにおける前記シリンダー内での滞在時間としては、10分間程度が好ましい。なお、前記破砕の前に、イオン交換水で前記ダイノミルにおける前記シリンダー内を予め洗浄しておくのが好ましい。また、前記顕微鏡観察下での未破砕菌体の有無は、適宜サンプリングをして顕微鏡観察を行うことにより確認することができる。
【0013】
また、本発明の銅高含有酵母は、顕微鏡観察下の未破砕菌体がなくなるまで破砕し、沈殿画分を得た後、洗浄液中の銅濃度が1質量ppm以下となるまで25℃のイオン交換水で洗浄した前記沈殿画分における銅含有量が、乾燥菌体当たり70質量ppm以上であり、該銅高含有酵母を銅強化食品素材等として用いる場合には多いほど好ましいが、該銅高含有酵母の効率的に製造する観点からは、乾燥菌体当たり700〜7000質量ppmであるのが好ましく、銅利用率と対糖収率(増殖率)とを良好なレベルに両立して銅高含有酵母を効率的に製造する観点からは、乾燥菌体当たり1750〜4550質量ppmであるのがより好ましい。
なお、前記破砕の方法としては上述の通りであり、また、前記菌体における銅含有量は、公知の方法で測定することができ、例えば原子吸光法により測定することができる。
【0014】
本発明の銅高含有酵母は、銅以外に、更にその他のミネラル成分を含有していてもよく、該ミネラル成分としては、特に制限はなく目的に応じて適宜選択することができ、例えば、亜鉛、鉄、マグネシウム、マンガン等が挙げられる。これらのミネラル成分は、該銅高含有酵母中に、1種単独で含まれていてもよいし、2種以上含まれていてもよく、また、含まれている濃度としては、目的に応じて異なり一概に規定することはできないが一般に高濃度であるのが好ましい。
【0015】
本発明の銅高含有酵母は、前記銅を菌体内部において保持しており、洗浄を行っても該銅は除去されず菌体内部に保持されたままであるので、食品素材等として用いた場合、添加した食品の風味等を損なうことがなく、しかも前記銅を高濃度含有しているので、食品素材等として好適である。
【0016】
前記銅高含有酵母としては、食品素材等としての用いる場合には、食用酵母であるのが特に好ましい。
前記食用酵母としては、特に制限はなく公知のものの中から選択することができ、パン酵母、ビール酵母、ワイン酵母、清酒酵母及び味噌醤油酵母から選択されるのが好ましく、パン酵母であるのが特に好ましい。
【0017】
前記食用酵母の菌株としては、サッカロミセス(Saccharomyces)属、トルロプシス(Torulopsis)属、ミコトルラ(Mycotorula)属、トルラスポラ(Torulopsis)属、キャンディダ(Candida)属、ロードトルラ(Rhodotorula)属、ピキア(Pichia)属などが挙げられる。
【0018】
前記食用酵母の菌株の具体例としては、Saccharomyces cerevisiaeSaccharomyces carlsbergensisSaccharomyces uvarumSaccharomyces rouxiiTorulopsis utilisTorulopsis candidaMycotorula japonicaMycotorulalipolyticaTorulaspora delbrueckiiTorulopsis fermentatiCandidasakeCandida tropicalisCandida utilisHansenula anomalaHansenula suaveolensSaccharomycopsis fibligeraSaccharomyces lipolyticaRhodotorula rubraPichia farinosa、などが挙げられる。
これらの中でも、Saccharomyces cerevisiaeSaccharomyces carlsbergensisが好ましく、Saccharomyces cerevisiae が特に好ましい。
【0019】
本発明の銅高含有酵母の用途としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、食品に添加されて用いられる食品素材、飼料、餌料等としての用途が好ましく、前記食品素材としての用途が特に好ましい。本発明の銅高含有酵母を用いることにより、銅高含有食品、銅高含有飼料、銅高含有餌料等が得られる。このとき、銅高含有酵母は、菌体が破砕されない状態のまま使用されてもよいし、破砕された状態で使用されてもよく、また、乾燥された状態で使用されてもよいし、生菌乃至未乾燥の状態で使用されてもよい。
【0020】
なお、この前記銅高含有酵母が破砕された破砕物が本発明の銅高含有酵母破砕物である。前記銅高含有酵母破砕物の態様としては、用途等に応じて適宜選択することができ、例えば、乾燥物のみの態様(破砕物から液状物を除去し、スプレードライ等により乾燥したものなど)であってもよいし、固形物のみの態様(破砕物から液状物を除去したものなど)であってもよいし、液状物のみの態様(破砕物から固形分を除去したものなど)であってもよく、あるいはこれらを含む態様(破砕しただけのものなど)であってもよい。なお、前記銅高含有破砕物の調製は、特に制限はなく、公知の装置等を用い公知の方法に従って行うことができる。
【0021】
本発明の銅高含有酵母は、本発明の銅高含有酵母の製造方法により好適に製造することができる。
本発明の銅高含有酵母の製造方法においては、培養液に銅を添加して酵母を流加培養する。
【0022】
前記培養液に添加する銅の量としては、培養液の総液量に対し、0質量ppm超1000質量ppm以下添加することが必要であり、50〜450質量ppm添加することが好ましく、100〜350質量ppm添加することがより好ましく、100〜250質量ppm添加することが特に好ましい。
なお、前記培養液に添加する銅の量は、公知の方法で測定することができ、例えば、原子吸光法により測定することができる。
【0023】
前記培養液に添加する銅の量が、0超1000質量ppm以下であると、菌体内に銅をある程度効率的に取り込ますことができ、50〜450質量ppmであると、銅利用率を30質量%以上かつ対糖収率を120質量%以上とすることができ、即ち銅利用率(銅の菌体内取込率)をあまり低下させることなく対糖収率の悪化もある程度抑制することができ、100〜350質量ppmであると、その効果が顕著であり、100〜250質量ppmであると、銅利用率を50質量%以上かつ対糖収率を125質量%以上とすることができ、即ち前記銅利用率を低下させることなく対糖収率の悪化を効果的に抑制することができ、銅利用率と対糖収率(増殖率)とを良好なレベルで両立させることができる。
【0024】
上述した培養液に添加する銅の量は、該培養液の総液量に対する量であり、培地(初発培地)と流加液(流加した量)との合計量に対する添加量(質量ppm)を意味する。本発明においては、流加液中に銅を添加させておき、これを前記培地中に流加することにより、培養液(菌体を含む培地)中の銅濃度を制御することができる。
なお、流加液中の銅の添加量としては、培養液の総液量に対する銅の添加量が上述の範囲内となる限り特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
【0025】
前記銅は、前記培養液中、前記流加液中に化合物として添加されるのが好ましく、該化合物としては、微生物が栄養源として利用可能であれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、無機化合物であってもよいし、有機化合物であってもよく、例えば、硫酸銅、塩化銅、グルコン酸銅、クエン酸銅、酢酸銅などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
【0026】
前記培養に用いる培地としては、特に制限はなく、目的に応じて公知のものの中から適宜選択することができ、炭素源、窒素源等を含んでいてもよい。
【0027】
前記流加培養の方法としては、例えば、流加連続培養、流加バッチ培養などが挙げられる。
【0028】
前記流加培養に用いる流加液としては、特に制限はなく、目的に応じて公知のものの中から適宜選択することができるが、例えば、廃糖蜜などが好適に挙げられる。なお、流加液は、適宜、培地成分を含んでいてもよい。
【0029】
前記培養を行う酵母としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、前記食用酵母が好適に挙げられ、該食用酵母の菌株の属及び具体例としては、上述の通りのものが挙げられる。該酵母は、1種単独で培養してもよいし、2種以上を培養してもよい。
【0030】
前記酵母の前記培地への接種量としては、特に制限はなく適宜決定することができるが、通常5質量%程度である。
【0031】
前記培養は、ジャーファーメンターを用いて好適に行うことができ、このときのジャーファーメンターにおける条件としては、特に制限はなく適宜決定することができるが、例えば、培養温度としては28〜33℃程度であり、培養時間としては1〜120時間程度であり、pHとしては4〜7程度であり、通気量としては0〜5vvm程度であり、攪拌速度としては100〜700rpm程度である。
【0032】
本発明においては、前記培養における銅利用率が30質量%以上であるのが好ましく、50質量%以上であるのがより好ましく、対糖収率が120質量%以上であるのが好ましく、125質量%以上であるのがより好ましい。
【0033】
前記銅利用率が、30質量%以上であると、培養液上清に含まれる銅の量を少なくすることができ環境への影響が少なく、また、酵母中に銅を高濃度に含有させることができ、50質量%以上であると、その効果が顕著である点で好ましい。
なお、前記銅利用率は、例えば、培養液中に添加した銅の総質量(g)に対する、該培養液中の酵母を、洗浄液中の銅濃度が1質量ppm以下となるまで25℃のイオン交換水で洗浄した後、湿式灰化し、原子吸光法にて定量した該酵母に含有される銅の質量(g)の百分率を求めることにより算出することができる。
【0034】
前記対糖収率が、120質量%以上であると、大きな増殖阻害を受けておらず増殖効率としては十分であり、125質量%以上であると、その効果が顕著である点で好ましい。
なお、前記対糖収率は、例えば、前記培地(初発培地)及び前記流加液中の糖分の合計量(g)に対する、培養液中の酵母の増殖菌体量(g)の百分率を求めることにより算出することができる。
【0035】
なお、前記本発明の銅高含有酵母の製造方法においては、前記流加培養により本発明の銅高含有酵母を得た後、必要に応じて前記その他のミネラル成分を該銅高含有酵母中に高濃度に含有させることができる。
前記銅高含有酵母に前記その他のミネラル成分を高濃度に含有させる方法としては、特に制限はないが、例えば、該その他のミネラル成分を含有する溶液中で非増殖的に攪拌培養又は振とう培養する方法などが挙げられる。
【0036】
本発明の銅酵母の製造方法においては、本発明の銅高含有酵母を、前記銅利用率と前記対糖収率(増殖率)とを良好なレベルに両立して製造することができる。
【0037】
本発明の食品は、本発明の銅高含有酵母及び銅高含有酵母破砕物の少なくともいずれかを含む。
前記食品としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、流動食、パン、ビスケット,クラッカー等の製菓、水産加工品、食肉加工品、麺類、味噌等の調味料、加工野菜製品、ジュース等の飲料、アイスクリーム等の氷菓、健康食品等が特に好ましい。
【0038】
前記食品中の前記銅高含有酵母及び/又は前記銅高含有酵母破砕物の添加量としては、厚生労働省が策定した国民栄養所要量第6改訂(一日の許容上限摂取量である9mgを超えない範囲として)の範囲内に調整し、用途、目的等に応じて適宜選択することができる。
【0039】
【実施例】
以下、本発明の実施例を説明するが、本発明はこれらの実施例に何ら限定されるものではない。
【0040】
(実施例1及び比較例1)
水1リットル、第一リン酸ナトリウム(NaHPO・2HO)2.8g、尿素12g及びパン酵母(オリエンタル酵母工業(株)製、レギュラーイースト)50gの湿菌体を3リットル容のジャーファーメンター内に収容させ、このジャーファーメンター内に、廃糖蜜(25質量%糖濃度)560mlに硫酸銅(CuSO・5HO)を添加したものを流加液として連続的に流加し、前記パン酵母を流加培養にて培養した。
【0041】
培養条件は、温度を30℃、時間を14時間、通気量を2リットル/分、攪拌速度を650rpmとし、前記ジャーファーメンター中に初めから添加されていた銅の量(ここでは「0」)と、該ジャーファーメンター中に流加された流加液としての前記廃糖蜜中の銅の量との合計量、即ち前記培養液中に添加した銅の総量が、0質量ppm、50質量ppm、100質量ppm、250質量ppm、450質量ppm、500質量ppm、1000質量ppmとそれぞれなるように7種の流加培養を行った。
【0042】
この7種の流加培養について、培養終了後の乾燥菌体当たりの銅含有量(質量ppm)と、銅利用率(質量%)と、対糖収率(質量%)とを評価した。
【0043】
なお、前記培養終了後の乾燥菌体当たりの銅含有量(質量ppm)は、以下のようにして測定した。即ち、培養終了後、酵母の菌体を、遠心分離(3000g×5分)して集菌し、イオン交換水で6回洗浄した。このとき、洗浄液中の銅濃度は1質量ppm以下であった。イオン交換水で3回程度洗浄した時点で洗浄液中の銅濃度は1質量ppm以下となった。そして、洗浄後の菌体を湿式灰化(400℃、30分間)し、原子吸光分光光度計(島津製作所製、AA−6200)を用いて原子吸光法により銅を定量することにより行った。
前記銅利用率(質量%)は、培養液中に添加した銅の総量(g)に対する、前記培養終了後の乾燥菌体当たりの銅含有量(g)の百分率を求めることにより算出した。
前記対糖収率(質量%)は、前記ジャーファーメンター中にはじめから添加されていた糖の量(ここでは「0」)と、該ジャーファーメンター中に流加された流加液としての前記廃糖蜜中の糖の量との合計量、即ち前記培養液中に添加した糖の総量(g)に対する、培養液中の酵母の増殖菌体量(g)の百分率を求めることにより算出した。
【0044】
結果としては、培養液の総液量に対し、銅を全く添加しない比較例1の場合(検出せず(ND))には、培養終了後の酵母の菌体内には銅は殆ど含まれていなかった。
一方、培養液の総液量に対し、銅を50質量ppm添加した場合には、対糖収率は130.0質量%であり、銅を全く添加しない比較例1の場合の135.0質量%と略同等の良好な結果を示したが、培養終了後の酵母の菌体内における銅含有量及び銅利用率は、銅を100質量ppm、250質量ppm添加した場合に比しやや低くなる傾向が観られた。
これに対し、培養液の総液量に対し、銅を100質量ppm、250質量ppm添加した場合には、対糖収率はそれぞれ128.0質量%、126.0質量%であり良好なレベルを維持しつつ、培養終了後の酵母の菌体内における銅含有量がいずれも1000質量ppmを超え(銅を250質量ppm添加した場合には3000質量ppm弱もの銅含有が観られた)、銅利用率も50質量%を超え、いずれも高いレベルに維持された。
培養液の総液量に対し、銅を450質量ppm添加した場合には、銅を100質量ppm、250質量ppm添加した場合に比し、培養終了後の酵母の菌体内における銅含有量は多くなるものの、銅利用率及び対糖収率がやや低下する傾向が観られた。
培養液の総液量に対し、銅を500質量ppm、1000質量ppm添加した場合には、培養終了後の酵母の菌体内における銅利用率及び対糖収率のいずれもが大きく低下する傾向が観られた。
【0045】
(実施例2)
水13リットル、第一リン酸ナトリウム(NaHPO・2HO)28.1g、尿素120g、及びパン酵母(オリエンタル酵母工業(株)製、レギュラーイースト)500gの湿菌体を30リットル容のジャーファーメンター内に収容させ、このジャーファーメンター内に、廃糖蜜(35質量%糖濃度)4リットルに硫酸銅(CuSO・5HO)を添加したものを流加液として連続的に流加し、前記パン酵母を流加培養にて培養した。
【0046】
培養条件は、温度を30℃、14時間、通気量を16リットル/分、攪拌速度を600rpmとし、前記ジャーファーメンター中に初めから添加されていた銅の量(ここでは「0」)と、該ジャーファーメンター中に流加された流加液としての前記廃糖蜜中の銅の量との合計量、即ち前記培養液中に添加した銅の総量が250質量ppmとなるように流加培養を行った。
【0047】
この流加培養について、培養終了後の乾燥菌体当たりの銅濃度(質量ppm)と、銅利用率(質量%)と、対糖収率(質量%)とを実施例1と同様に評価し、その評価結果を表1に示した。
【0048】
【表1】
Figure 0004284038
【0049】
なお、前記培養終了後の乾燥菌体当たりの銅含有量(質量ppm)を測定するに当たっては、集菌した酵母をイオン交換水で10回洗浄した。このとき、洗浄液中の銅濃度は1質量ppm以下であった。25℃のイオン交換水で3回程度洗浄した時点で洗浄液中の銅濃度は1質量ppm以下となった。
【0050】
(実施例3)
実施例1における「廃糖蜜流加終了時の銅濃度」が「250ppm」である場合において得られた銅高含有酵母について、以下の破砕処理を行ったこと以外は、実施例1と同様にし、実施例1と同様の評価を行った。
即ち、0.5mm径のビーズをダイノミル(WAB社製のDynomill Model Type KDL)におけるシリンダーに50容量%充填した。なお、前記シリンダーの容量は0.6リットルである。そして、銅高含有酵母の破砕の前に、イオン交換水で前記シリンダー内を予め洗浄した。次に、得られた銅高含有酵母を前記シリンダー内に流入させた。このときの流速は2.16リットル/時間とし、該銅高含有酵母の前記シリンダー内での滞在時間は10分間とした。また、前記顕微鏡観察下での未破砕菌体の有無は、適宜サンプリングをして顕微鏡観察を行うことにより確認した。
その結果、得られた銅高含有酵母の破砕物について、実施例1と同様にして、洗浄液中の銅濃度が1質量ppm以下となるまで25℃のイオン交換水で洗浄した破砕菌体における乾燥菌体当たりの銅含有量を算出したところ、2490質量ppmであり、破砕を行う前の菌体における乾燥菌体当たりの銅含有量に対し85質量%であり、破砕菌体中にも高濃度で銅が含有されていることを確認した。
【0051】
なお、前記破砕処理によって得られた銅高含有酵母の破砕物を、パンに添加して銅強化パンを製造した。該銅強化パンにおける前記銅高含有酵母の破砕物の添加量は、原料となる小麦粉に対して0.3質量%(ベーカーズ%)とした。
また、前記破砕処理によって得られた銅高含有酵母の破砕物を、液状物と固形物とに分離し、該液状物をジュースに添加して銅強化ジュースを製造した。該銅強化ジュースにおける前記液状物の添加量は0.05質量%とした。また、該固形物を乾燥して乾燥物として、ビスケットに添加して銅強化ビスケットを製造した。該銅強化ビスケットにおける前記乾燥物の添加量は、原料となる小麦粉に対して0.3質量%(ベーカーズ%)とした。
【0052】
【発明の効果】
本発明によると、従来における前記問題を解決することができ、銅を高濃度に含有し、流動食、飲料等の経口経管栄養組成物、食品素材等として好適であり、しかも添加した食品の風味等を損なうことがない銅高含有酵母及び銅高含有酵母破砕物、該銅高含有酵母を銅利用率と対糖収率(増殖率)とを高度に両立して製造可能である銅高含有酵母の製造方法、並びに、流動食、飲料等の各種の食品を提供することができる。

Claims (2)

  1. 菌体における銅含有量が乾燥菌体当たり500質量ppm以上である銅高含有酵母の製造方法であって、
    培養液の総液量に対する銅の添加量が50〜450質量ppmとなるようにして、廃糖蜜に硫酸銅を添加した流加液を用い、28〜33℃で、1〜120時間、酵母を流加攪拌培養することを特徴とする銅高含有酵母の製造方法。
  2. 培養液の総液量に対する銅の添加量が100〜350質量ppmとなるようにして酵母を流加攪拌培養する請求項1に記載の銅高含有酵母の製造方法。
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