JP6111614B2 - シリコンウェーハの熱処理方法 - Google Patents

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Description

本発明は、チョクラルスキー法により製造したシリコン単結晶インゴットをスライスして得られたシリコンウェーハのスリップ転位を抑制することのできる熱処理方法に関する。
半導体集積回路等のICデバイスを作製するためのウェーハとしては、主にチョクラルスキー法(以下CZ法という)によって育成したシリコン単結晶インゴットをスライスし、研磨等を施して作製したシリコン単結晶ウェーハ(以下シリコンウェーハという)が用いられている。
CZ法により製造されたシリコン結晶中には、石英製の坩堝を使用していることから酸素が少なからず混入する。この酸素は結晶製造中及び切断・基板加工された後のデバイス製造工程での熱処理中に析出物となることが知られている。
酸素析出物がデバイス活性領域にある場合、デバイス歩留まりを低下させる要因となるが、その一方で基板内部に酸素析出物が形成された場合は重金属汚染種に対するゲッタリング能力の改善効果をもたらす。これらの観点から、シリコン基板中の酸素析出物の量を制御(酸素析出特性の制御)することは極めて重要である。
従来、この酸素析出特性の制御は、シリコン結晶製造時において結晶中の酸素濃度を制御することや、基板に長時間の熱処理を施すことにより行われてきた。しかし、シリコン単結晶の成長軸方向に対して同一の酸素濃度であっても、結晶製造時の熱履歴の影響によって成長軸方向の酸素析出特性は均一ではなく、これを均一にするには長時間の熱処理が必要であり、生産性が低かった。
これに対し、所望の酸素析出特性を有するシリコンウェーハを得るために、CZ法により製造されたシリコンウェーハ中の酸素濃度を制御することなく、急速加熱・急速冷却装置(Rapid Thermal Annealer:以下、RTA装置という)を使用して熱処理を行う熱処理方法が知られている(特許文献1参照)。
この方法によれば、酸素濃度が14ppma(日本電子工業振興協会(JEIDA)規格)以下の低酸素濃度であるにもかかわらず、ウェーハ中に酸素析出の元となる核、つまり内部欠陥としての酸素析出物密度が3×10個/cm以上とゲッタリングサイトとして必要と思われるレベルの酸素析出核を持ったシリコンウェーハが得られるという優れた点がある一方で、RTA装置を使用することによりスリップ転位が入りやすい問題がある。
RTA装置はシリコンウェーハを装置内の支持部で支持し、その後シリコンウェーハを赤外線ランプ等により急速加熱する熱処理装置である。RTA装置を用いた熱処理において、ウェーハ中心部は急加熱されやすく冷却されにくい。一方、エッジ部は加熱されにくく急冷却がされやすい傾向がみられる。そのため、熱膨張と熱収縮が異なることで熱応力が発生し、これが原因でエッジ部にスリップ転位が発生すると考えられる。
上記のようなスリップ転位を低減することを目的とした熱処理方法として、例えば、シリコンウェーハに、窒素の割合を1〜50容量%とした窒素とアルゴンの混合ガス雰囲気下で、温度1150〜1350℃で1〜60秒間熱処理を施すことでスリップ転位とCOP(Crystal Originated Particle)を同時に低減する手法がある(特許文献2参照)。
現在、主流となっている直径300mmのシリコンウェーハから今後、直径450mmの大口径ウェーハが主流となることが期待されているが、ウェーハ径が大きくなるほど、すなわち面積が大きくなるほど中心部とエッジ部の熱履歴はより大きな差異が発生する。
そのためにより高度なスリップ転位の抑制が重要な課題となる。
一方、基板の温度均一性の対策としてRTA装置を改善する方法も検討されてきた。
例えば、特許文献3には、基板に亘る温度均一性を改善するように急速加熱処理中に基板を支持するエッジリングの温度を制御する装置が提案されている。
しかしながら、面積が広い直径300mm・直径450mmのシリコンウェーハは厚さが1mm以下であるために、上記のようにエッジリングで基板を支持する装置では、シリコンウェーハが自重変形で反りやダレが発生する。このためにエッジ部の温度調整は困難である。
更に、ウェーハの自重変形でウェーハ外周部のエッジリングと接触する一部分にウェーハ重量とエッジリングの高熱部の影響が集中するために、スリップ転位が入りやすい。
シリコンウェーハの支持は周辺部をサセプタで支持する方法よりも、裏面を複数のサポートピンで支持する方法が望ましい。
特開2000−31150号公報 特開2002−110685号公報 特開2008−182228号公報 特公平3−61634号公報
シリコンウェーハの製造プロセスにおいて、テイアドロップと呼ばれる微小な凹みが発生することが知られており、下地シリコン単結晶基板の主表面を(100)面から特定方向に微小な傾きをもつように調整することによって、このテイアドロップの発生を抑制できることが知られている(特許文献4参照)。これにより、1枚のウェーハから得られるICなどの良品収率が向上する。
上記特定方向への傾きが調整されたシリコン単結晶基板は、例えば、(100)面に近い主表面をもつシリコン単結晶ウェーハであり、該主表面が[100]軸に対し[011]方向又は[0−1−1]方向に角度θ、[01−1]方向又は[0−11]方向に角度φだけ傾斜したものである。また、角度θ、φは5’≦θ≦2°、φ≦10’、又は5’≦φ≦2°、θ≦10’である。
本発明者の調査によって、特に、上記した特許文献4に記載されたシリコン単結晶ウェーハに対してRTA装置を用いた熱処理を行うと、ウェーハのエッジ部の特定の部位にスリップ転位が集中することが判明した。更に、本発明者がこのスリップ転位について調査したところ、スリップ転位の発生は以下に記載する原因によるものであることが判明した。
図2に示すように、上記引用文献4における加工後のシリコンウェーハでは、シリコン結晶製造時の結晶中心軸22と、加工後のシリコンウェーハの中心は一致しない。このウェーハのノッチを時計の12時の方向とした場合、エッジ部の領域B(時計の1時の方向)ではシリコン結晶製造時の結晶中心軸22との距離は近い。一方、エッジ部の領域A(時計の7時の方向)ではシリコン結晶製造時の結晶中心軸22との距離は遠くなる。この結晶を加工して得られるすべてのシリコンウェーハにはこの傾向が見られる。
この領域Aは、結晶の製造プロセスで最も早く冷却されるために、シリコン結晶に多くの点欠陥が含まれたり、極度に低酸素濃度になることがある。酸素濃度が低い領域はウェーハの強度が周囲に比べて低く、熱応力が集中しやすい。このような領域はデバイス製造プロセスにおいて繰り返し熱処理が行われていることで、点欠陥が線欠陥・面欠陥・バルク欠陥へと広がることでスリップ転位が発生しやすい。
本発明は前述のような問題に鑑みてなされたもので、エッジ部の特定位置の強度を向上してスリップ転位の発生を抑制することができるシリコンウェーハの熱処理方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明によれば、石英製のチャンバーにシリコンウェーハを収容し、前記シリコンウェーハの両主表面を主表面用加熱ランプで加熱することで熱処理を行うシリコンウェーハの熱処理方法であって、前記シリコンウェーハの両主表面を前記主表面用加熱ランプで加熱すると同時に、前記シリコンウェーハのエッジ部の特定位置を前記シリコンウェーハの側面方向からエッジ部用加熱ランプで加熱することを特徴とするシリコンウェーハの熱処理方法が提供される。
このような熱処理方法であれば、エッジ部用加熱ランプで加熱することによりエッジ部の特定位置の強度を向上してスリップ転位の発生を抑制しつつ、主表面用加熱ランプで加熱することによりデバイス製造プロセスにおいて十分なゲッタリングサイトとなる酸素析出物を形成できる。
このとき、前記シリコンウェーハとして、主表面が[100]軸に対し(100)面から[011]方向又は[0−1−1]方向に角度θだけ傾斜するとともに、[01−1]方向又は[0−11]方向に角度φだけ傾斜したものを用い、前記シリコンウェーハに形成されたノッチの位置を12時の方向としたとき、前記シリコンウェーハのエッジ部の特定位置を7時方向の位置とすることができる。この時、前記θ、φは、5’≦θ≦2°、φ≦10’、又は5’≦φ≦2°、θ≦10’を満たすようにすることができる。
このようにすれば、主表面が上記のように傾斜したシリコンウェーハに熱処理を行う場合、特に強度が低いエッジ部の上記7時方向の位置をエッジ部用加熱ランプによって加熱でき、この位置の領域の強度を向上できる。
またこのとき、前記熱処理を、窒素の割合を1〜50容量%とした窒素とアルゴンの混合ガス雰囲気下で、温度1150〜1350℃で1〜60秒間行うことが好ましい。
このように、熱処理雰囲気に窒素を1容量%以上含有することにより、デバイス製造プロセスにおいて十分なゲッタリングサイトとなる酸素析出物を確実に形成でき、窒素を50容量%以下とすれば、スリップ転位の発生を抑制できるとともに表面に窒化膜が形成されるのを防ぐことができる。また、温度を1150℃以上とすれば、ゲッタリングサイトの形成やCOPの除去が不十分になることもなく、温度を1350℃以下とすれば、スリップ転位や金属汚染の発生を抑制できる。また、生産性(スループット)を考慮して熱処理時間は60秒以下とすることが好ましい。
本発明では、シリコンウェーハの熱処理において、シリコンウェーハのエッジ部の特定位置をシリコンウェーハの側面方向からエッジ部用加熱ランプで加熱するので、エッジ部用加熱ランプで加熱することによりエッジ部の特定位置の強度を向上してスリップ転位の発生を抑制しつつ、主表面用加熱ランプで加熱することによりデバイス製造プロセスにおいて十分なゲッタリングサイトとなる酸素析出物を形成できる。
熱処理装置を用いて本発明のシリコンウェーハの熱処理方法を実施する様子を説明する説明図である。 本発明のシリコンウェーハの熱処理方法で用いるシリコンウェーハの一例を説明する説明図である。 実施例、比較例で用いたエッジ部の強度の測定装置の概略を示した図である。 実施例、比較例において評価したシリコンウェーハのサンプルを説明する説明図である。
以下、本発明について実施の形態を説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
上記したように、シリコンウェーハを用いたデバイス製造プロセスにおいて、繰り返し熱処理が行われることでシリコンウェーハのエッジ部の特定位置にスリップ転位が発生するという問題がある。そこで、本発明者はこのような問題を解決すべく鋭意検討を重ねた。その結果、エッジ部の特定位置にスリップ転位が発生する原因は、この位置の強度が周囲に比べて低く、熱応力が集中しやすいためであることを見出した。さらに、所望の酸素析出特性を有するシリコンウェーハを得るために行う熱処理において、同時にそのエッジ部の特定位置をシリコンウェーハの側面方向からエッジ部用加熱ランプで加熱すれば、生産性を低下させることなく、そのエッジ部の特定位置の強度を向上でき、その結果、スリップ転位を抑制できることに想到し、本発明を完成させた。
まず、本発明のシリコンウェーハの熱処理方法で用いることができる熱処理装置について説明する。ここで挙げる熱処理装置は、シリコンウェーハを急速加熱・急速冷却できる熱処理装置(RTA装置)の代表例である熱放射によるランプ加熱装置である。
図1の(A)に示すように、熱処理装置10は、石英製のチャンバー11を有し、このチャンバー11内でシリコンウェーハ18を熱処理するようになっている。シリコンウェーハ18の両主表面への加熱は、チャンバー11の上下からシリコンウェーハ18の両主表面に対向するように配置された主表面用加熱ランプ12によって行う。この主表面用加熱ランプ12はそれぞれ独立に供給される電力を制御できるようになっている。
このチャンバー11のガスの導入側にはガス導入口19が設けられ、ガスの排気側には、オートシャッター13が装備され、外気を封鎖している。オートシャッター13には、ゲートバルブによって開閉可能に構成される不図示のウェーハ挿入口が設けられている。また、オートシャッター13にはガス排気口20が設けられており、炉内雰囲気を調整できるようになっている。
そして、シリコンウェーハ18は石英トレイ14に形成された3点支持部15の上に載置される。石英トレイ14のガス導入口側には、石英製のバッファ16が設けられており、ガス導入口19から導入されたガスがシリコンウェーハ18に直接当たるのを防ぐことができる。
また、チャンバー11には不図示の温度測定用特殊窓が設けられており、チャンバー11の外部に設置されたパイロメータ17により、その特殊窓を通してウェーハ18の温度を測定することができる。
熱処理装置10は、更にシリコンウェーハ18のエッジ部の特定領域の強度向上を目的としたエッジ部用加熱ランプ21有している。図1(B)は図1(A)の熱処理装置を上方から見た上面図である。エッジ部用加熱ランプ21は、図1(B)に示すように、エッジ部用加熱ランプ21近傍のエッジ部の領域Aをシリコンウェーハ18の側面方向から加熱できるもので、主表面用加熱ランプ12とは独立した熱処理パターンで加熱が可能である。
次に、本発明のシリコンウェーハの熱処理方法について、上記したような熱処理装置10を用いた場合を例として、以下に説明する。
まず、熱処理装置10に隣接して配置されるウェーハハンドリング装置(不図示)によってシリコンウェーハ18をウェーハ挿入口(不図示)からチャンバー11内に入れ、石英トレイ14上に載置した後、オートシャッター13を閉める。この際、図1(B)に示すように、シリコンウェーハ18のエッジ部における強度が低い領域Aがエッジ部用加熱ランプ21の近傍の位置になるように載置する。
次に、主表面用加熱ランプ12に電力を供給し、シリコンウェーハ18を1150〜1350℃の所定温度に昇温する。これと同時に、エッジ部用加熱ランプ21に電力を供給し、シリコンウェーハ18のエッジ部の領域Aを、例えば、1150〜1350℃の所定温度に昇温する。エッジ部用加熱ランプ21による領域Aの加熱温度は、主表面用加熱ランプ12によるシリコンウェーハ18の全体の温度よりも0〜100℃の範囲内で高いことが望ましい。この際、目的の温度になるまでに要する時間は例えば20秒程度である。
次に、その温度において所定時間保持することにより、シリコンウェーハ18に高温熱処理を加えることができる。所定時間経過し高温熱処理が終了したら、シリコンウェーハ18の温度を下げる。この降温も例えば20秒程度で行うことができる。最後に、ウェーハハンドリング装置によってウェーハ18を取り出すことにより、熱処理を完了する。
上記した本発明のシリコンウェーハの熱処理方法において、シリコンウェーハ18の両主表面全体には主表面用加熱ランプ12によるRTA処理の効果が与えられる。これにより、ウェーハのバルク部にはデバイス製造プロセスにおいて十分なゲッタリングサイトとなる酸素析出物を形成できる。これに加え、シリコンウェーハ18のエッジ部の領域Aは、主表面用加熱ランプ12と、特にエッジ部用加熱ランプ21による熱処理で特に強いRTA処理の効果が与えられる。これにより、領域Aの強度を向上できる。
本発明のシリコンウェーハの熱処理方法では、強度が低い領域Aの強度を向上できるので、例えば図2に示すような主表面を(100)面から特定方向に傾けたシリコン単結晶ウェーハに好適に適用できる。
領域Aは結晶の製造プロセスで最も早く急冷される部位であるため、スリップ転位やワレの原因となるシリコン結晶の点欠陥が多い。この部位をエッジ部用加熱ランプ21により熱処理することにより点欠陥の数が大幅に減少する。また、炉内の窒素ガスと接する領域Aの最表面部のシリコンでは、シリコン+窒素+点欠陥の熱処理による化学反応が起きて生成物ができる。この生成物は後工程のデバイスプロセスなどで線欠陥・面欠陥が発生しても、それら欠陥の成長・拡大を抑制する効果がある。このような要因によりシリコンウェーハ18のエッジ部の領域Aの強度は向上する。
以下、本発明の実施例及び比較例を示して本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
(実施例)
図2に示すような、主表面が[100]軸に対し、(100)面から[011]方向に2°、[01−1]方向に10’だけ傾斜した直径300mm、格子間酸素濃度16ppma(JEIDA)のシリコンウェーハを40枚用意した。このうちの20枚に本発明のシリコンウェーハの熱処理方法に従って熱処理を施し、熱処理の前後のウェーハエッジ部の強度を評価した。
熱処理は、図1に示した熱処理装置を用いて行い、熱処理の雰囲気は濃度を60容量%としたアルゴン(Ar)ガスと、濃度を40容量%とした窒素ガスとの混合ガスとした。
主表面用加熱ランプ12によりシリコンウェーハを1180℃の所定の温度に昇温した。そして、エッジ部用加熱ランプ21によりシリコンウェーハのエッジ部の領域Aを1250℃に昇温した。熱処理時間を30秒とした。
ここで、ウェーハエッジ部の強度の測定装置及び測定方法について簡単に説明する。強度の測定は図3に示すような落錘式衝撃破壊試験機を用いた。
強度測定装置100は、装置ベース101上に単軸スライダ式ロボット102が建てられており、スライダー103には電磁磁石104がセットされ、円柱打撃ピン105(クロム鋼)が磁力で吸着されている。衝撃破壊試験では、スライダー103を上下させ、任意の高さから円柱打撃ピン105を落下させることが可能である。
シリコン片保持治具106の上には、ポリカーボネート製のカバー107が設置されている。カバー107の底の穴からシリコン片Wが露出しており、落下してきた円柱打撃ピン105が激突するように設計されている。
ここでは、「定落下重量でのステアケース法の原理を利用した落錘式衝撃破壊試験」を行って、ステアケース法による解析を行った(詳細は特開2012−114254号公報参照)。
ステアケース法はストレスの水準を上下させて、各水準に区分して破壊の有無から衝撃破壊強度を統計解析する手法である。サンプルの破壊の有無と衝撃力分布からステアケース法の計算で「50%衝撃破壊エネルギ(E50)・50%衝撃破壊エネルギの標準偏差(SE)」を求める。
熱処理後の1枚のシリコンウェーハの領域A及び領域B(図2参照)からサンプルを得た。サンプルは、図4に示すように、シリコン片保持治具106に合う大きさの形状をマジックペンなどで記入し、ヘキ開を利用してこの形状に割り出すことで得ることができる。ここで、図4中のαは30°とした。
これらのサンプルをシリコン片保持治具106に保持させて落錘式衝撃破壊試験を行った。
その結果、領域Aの衝撃強度は以下の測定結果となった。
50%衝撃破壊エネルギ(E50)=0.068J
50%衝撃破壊エネルギの標準偏差(SE)=0.011J
また、領域Bの衝撃強度は以下の測定結果となった。
50%衝撃破壊エネルギ(E50)=0.061J
50%衝撃破壊エネルギの標準偏差(SE)=0.013J
(比較例)
エッジ部用加熱ランプを有さず主表面用加熱ランプ12のみでシリコンウェーハを加熱する熱処理装置を用いた従来のシリコンウェーハの熱処理方法に従って実施例で用意した40枚のシリコンウェーハのうち他の20枚に熱処理を施し、実施例と同様に評価した。
その結果、領域Aの衝撃強度は以下の測定結果となった。
50%衝撃破壊エネルギ(E50)=0.041J
50%衝撃破壊エネルギの標準偏差(SE)=0.017J
また、領域Bの衝撃強度は以下の測定結果となった。
50%衝撃破壊エネルギ(E50)=0.059J
50%衝撃破壊エネルギの標準偏差(SE)=0.015J
実施例、比較例における領域Aの破壊された破壊強度の分布から、母平均の検定(有意水準0.05)を行うと母平均に有意差が見られた。また、正規性の検定(x適合度検定)より破壊強度の分布は、正規分布とみなされた。特に実施例の領域Aの50%衝撃破壊エネルギ(E50)は、比較例に比べて1.6倍以上の強度が確認された。また、実施例において、領域Aと領域Bの破壊された破壊強度の分布からは、母平均の検定(有意水準0.05)を行うと母平均に有意差は見られなかった。
以上により、実施例は比較例と比べ、ウェーハエッジ部の強度が全体的に高くなり、かつ均一化されることから特定の部位への熱応力集中が起こりにくく、スリップ転位を抑制できると言える。
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本発明の技術的範囲に包含される。
10…熱処理装置、 11…チャンバー、 12…主表面用加熱ランプ、
13…オートシャッター、 14…石英トレイ、 15…支持部、
16…バッファ、 17…パイロメータ、 18…シリコンウェーハ、
19…ガス導入口、 20…ガス排気口、 21…エッジ部用加熱ランプ、
22…シリコン結晶製造時の結晶中心軸、
100…強度測定装置、 101…装置ベース、 102…単軸スライダ式ロボット、
103…スライダー、 104…電磁磁石、 105…円柱打撃ピン、
106…シリコン片保持治具、 107…カバー。

Claims (2)

  1. 石英製のチャンバーにシリコンウェーハを収容し、前記シリコンウェーハの両主表面を主表面用加熱ランプで加熱することで熱処理を行うシリコンウェーハの熱処理方法であって、
    前記シリコンウェーハの両主表面を前記主表面用加熱ランプで加熱すると同時に、前記シリコンウェーハのエッジ部の特定位置を前記シリコンウェーハの側面方向からエッジ部用加熱ランプで加熱し、
    前記シリコンウェーハとして、主表面が[100]軸に対し(100)面から[011]方向又は[0−1−1]方向に角度θだけ傾斜するとともに、[01−1]方向又は[0−11]方向に角度φだけ傾斜したものを用い、
    前記θ、φは、5’≦θ≦2°、φ≦10’、又は5’≦φ≦2°、θ≦10’を満たし、
    前記シリコンウェーハに形成されたノッチの位置を12時の方向としたとき、前記シリコンウェーハのエッジ部の特定位置を7時方向の位置とすることを特徴とするシリコンウェーハの熱処理方法。
  2. 前記熱処理を、窒素の割合を1〜50容量%とした窒素とアルゴンの混合ガス雰囲気下で、温度1150〜1350℃で1〜60秒間行うことを特徴とする請求項1に記載のシリコンウェーハの熱処理方法。
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