JP6110711B2 - コンクリート躯体、その耐震補強工法、及びこの工法に用いられる治具 - Google Patents

コンクリート躯体、その耐震補強工法、及びこの工法に用いられる治具 Download PDF

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Description

本発明は、コンクリート躯体、その耐震補強工法、及びこの工法に用いられる治具に関する。
コンクリート躯体は、例えば、図11に示すような鉄筋構造が埋設されているが、同図のY方向の配筋が不足するため、耐震補強が施されることがある。そして、構造物の擁壁やカルバートなど施工面が限定されているコンクリート躯体に耐震補強が必要とされる場合、例えば、特許文献1、2に開示されているような施工が行われている。まず、コンクリート躯体の施工面から長孔状の削孔を複数形成し、この削孔の各々に棒状の剪断補強材を挿入する。続いて、削孔と剪断補強材との間の空隙にモルタル等の定着材を充填して、剪断補強を行っていた。こうした剪断補強筋の施工法では、できるだけ長い削孔を形成し、この削孔に対応した長い補強筋を埋設したり、あるいは、表面に補強用の鋼板を設置して補強筋と連結することが、補強効果を高めると考えられてきた。また、特許文献3には、美観上或いは供用上の問題から補強鉄筋が表面に突出しないようにした構造も開示されている。
特開2012−102492 特開2003−113673 特開2005−200827
ところで、上記のように設置された剪断補強筋の後端部は、施工面付近に位置している。すなわち、剪断補強筋と後端部と、コンクリート壁の壁面との間には、わずかに化粧モルタルが詰められているにすぎない。そのため、剪断補強筋の増設によって、コンクリート躯体全体が剛構造となってしまう。したがって、終局的な強度は上がっても、剪断強度とともに曲げ強度も上がってしまい靭性に欠けるという問題が生じる。その結果、構造として粘りがなく、図12に示すように、コンクリート躯体に作用する応力が、ある応力に達するまでは破壊しないが、突然、剪断破壊するおそれがある。このような剪断破壊が生じると、構造物全体が崩落する可能性がある。これに対して、コンクリート躯体に靱性があると、剪断破壊に先行して曲げ破壊が生じるが、曲げ破壊ではコンクリート躯体がねじ曲げられて徐々に局部的に壊れていくものの、全体が一気に崩落することは避けられるため、結果として、人命に係るような甚大な被害が生じるのを避けることはできる。
本発明は、上記問題を解決するためになされたものであり、剪断破壊に先行し、曲げ破壊を生じさせることができるコンクリート躯体、その耐震補強工法、及びこの工法に用いられる治具を提供することを目的とする。
本発明に係るコンクリート躯体は、対向する第1の面及び第2の面を有するコンクリート壁と、前記コンクリート壁内に埋設される鉄筋構造と、前記コンクリート壁の前記第1の面から第1の距離をおいた第1の位置と、前記第2の面から第2の距離をおいて第2の位置との間で、棒状に延び、前記コンクリート壁内で分散して埋設された複数の剪断補強筋と、を備えている。
この構成によれば、コンクリート壁の内部に埋設された剪断補強筋が、コンクリート壁の両壁面から所定の距離をあけて設けられている。すなわち、剪断補強筋の両端部とコンクリート壁の壁面との間に、いわゆる「かぶり」が設けられている。したがって、コンクリート躯体全体が剛構造となるのを防止することができる。その結果、コンクリート躯体の曲げ強度を向上させることなく、剪断強度のみを向上することができる。そのため、例えば、設計レベル以上の地震が発生したとき、コンクリート躯体には剪断破壊が生じることなく、曲げ破壊を先行させることができる。この曲げ破壊により、地震エネルギを吸収することができ、コンクリート躯体全体の終局的な耐震性能を向上させることができる。すなわち、曲げ破壊が先行して、剪断破壊を防止できるため、重量物の落下、崩落を回避することができる。その結果、設計を上回る巨大地震に対してもコンクリート躯体全体の崩落を避けることができ、コンクリート躯体としてのある程度の性能を維持することができる。
上記コンクリート躯体において、前記鉄筋構造は、種々の構造にすることができるが、例えば、前記コンクリート壁内の前記第1の位置に埋設され、格子状に形成された第1の鉄筋体と、前記コンクリート壁内の前記第2の位置に埋設され、格子状に形成された第2の鉄筋体と、で構成することができる。そして、この場合、前記各剪断補強筋は、前記第1の鉄筋体及び第2の鉄筋体の格子の内部に配置することができる。
本発明に係るコンクリート躯体の耐震補強工法は、対向する第1の面及び第2の面を有するコンクリート壁、及び当該コンクリート壁に埋設された鉄筋構造を備えるコンクリート躯体に対して削孔を形成するステップであって、前記コンクリート壁の前記第1の面に、前記第2の面から第2の距離をおいた第2の位置まで延びる複数の削孔を形成するステップと、前記各削孔に、前記第1の面から第1の距離をおいた第1の位置と、前記第2の位置と、の間で延びる棒状の剪断補強筋をそれぞれ挿入するステップと、を備えている。
上記補強工法においては、前記剪断補強筋を、前記削孔に挿入するステップに先立って、前記各削孔に、定着材を供給するステップをさらに備えることができる。
このとき、前記定着材は、破断可能な容器に収容された状態で、前記各削孔に供給することができる。そして、前記剪断補強筋を前記削孔に挿入するステップにおいて、前記剪断補強筋が前記容器を破壊し、前記定着材を前記削孔内に充填させることができる。
前記鉄筋構造は、種々の構造にすることができるが、例えば、格子状に形成された第1及び第2の鉄筋体を備えることができる。そして、前記第1の鉄筋体を、前記コンクリート壁内の前記第1の位置に埋設し、前記第2の鉄筋体を、前記コンクリート壁内の前記第2の位置に埋設することができる。
本発明に係る治具は、上述したいずれかの耐震補強工法に使用される治具であって、第1の端部及び第2の端部を有し、当該両端部の間で延びる貫通孔が形成された本体部と、前記第2の端部側から前記貫通孔に進退自在に挿入され、前記第1端部側で支持される剪断補強筋を打撃可能な打撃部材と、を備え、前記打撃部材は、前記第1端部から、前記第1の距離だけ突出可能に構成されている。
この構成によれば、打撃部材により剪断補強筋を打撃して削孔内に挿入する際に、打撃部材が、本体部の第1端部から、第1の距離だけ突出するように構成されている。すなわち、打撃部材は、第1の距離以上に削孔側に移動しないので、剪断補強筋の後端部が、コンクリート壁の第1の面から第1の距離だけ離れて位置するように埋め込むことができる。したがって、「かぶり」を正確に確保することができる。
上記治具において、前記打撃部材は、前記貫通孔の前記第2の端部側から突出し、当該突出部にストッパを取付けることができる。そして、前記ストッパが、前記第2の端部に係合することで、前記打撃部材が、前記第1の端部から、前記第1の距離よりも突出するのを制限することができる。
本発明によれば、剪断破壊に先行し、曲げ破壊を生じさせることができる。
本実施形態に係る、耐震補強がなされたコンクリート躯体の平面図である。 図1の正面図である。 図1の側面図である。 剪断補強筋の埋設状態を示す拡大図である。 剪断補強筋の施工方法を示す断面図である。 剪断補強筋の施工方法を示す断面図である。 曲げ破壊を説明する図である。 剪断補強筋の他の例を示す側面図である。 剪断補強筋の施工に用いる治具の使用方法を説明する図である。 本発明の適用対象の例を示す図である。 コンクリート躯体の例を示す斜視図である。 剪断破壊を説明する図である。
以下、本発明に係るコンクリート躯体の一実施形態について、図面を参照しつつ説明する。本実施形態では、垂直に延びる地盤の表面に配置されたコンクリート躯体に耐震補強を施す場合について説明する。図1は本実施形態に係る、耐震補強がなされたコンクリート躯体の平面図、図2は図1の正面図、図3は図1の側面図である。なお、以下では、説明の便宜のため、コンクリート躯体において、地盤側を「先端側」、地盤とは反対側を「後端側」と、称することがある。
<1.コンクリート躯体の構造>
図1〜図3に示すように、本実施形態に係るコンクリート躯体1は、垂直に延びる地盤Sの表面に形成されるものであり、コンクリート壁2と、その内部に埋設される鉄筋構造3とで、構成されている。以下、コンクリート壁2の壁面については、地盤側を背面(第2の面)、それとは反対側を表面(第1の面)と称することとし、表面が施工面となる。鉄筋構造は、コンクリート壁2の表面側に配置される第1鉄筋体41と、背面側に配置される第2鉄筋体42と、これらを連結する連結筋43とで構成されている。第1鉄筋体41は、上下方向に延びる複数の主筋411と、これと直交し水平方向に延びる複数の副筋412とを備え、これらが格子状に連結されることで構成されている。この第1鉄筋体41は、コンクリート壁2の表面から概ね第1の距離L1をあけて、面方向(XZ方向)に延びるように配置されている。この第1の距離L1をあけた、鉄筋体が配置されていない領域が、いわゆる「かぶり」に相当する。そして、コンクリート壁2の表面から第1の距離L1の位置を、第1の位置P1と称することとする(図4参照)。
第2の鉄筋体42も同様に構成されており、上下方向に延びる複数の主筋421と、これと直交し水平方向に延びる複数の副筋422とを備え、これらが格子状に連結されることで構成されている。この第2鉄筋体42は、コンクリート壁2の背面から第2の距離L2をあけて、面方向(XZ方向)に延びるように配置されている。この第2の距離L2をあけた、鉄筋体が配置されていない領域も、「かぶり」に相当する。そして、コンクリート壁2の背面から第2の距離L2の位置を、第2の位置P2と称することとする(図4参照)。ここでは、第1の距離L1と第2の距離L2とを同じ距離としているが、この距離は施工状況に応じて適宜変更可能である。「かぶり」の距離は、好適には主筋などの鉄筋体が設けられる位置と同じであり、即ち、第1の位置P1はコンクリート躯体1における主筋411の鉄筋芯位置に相当し、第2の位置P2は主筋421の鉄筋芯位置に相当する。また、第1鉄筋体41と第2鉄筋体42とは、複数の連結筋43で連結されている。連結筋43は、コンクリート壁2の厚み方向に延びるように棒状に形成されており、各鉄筋体41、42の格子の交差部分同士を連結する。
さらに、このコンクリート躯体1には、耐震補強のために、複数の剪断補強筋5が埋設されている。図1〜図3に示すように、剪断補強筋5は、棒状に形成され、コンクリート壁2の厚み方向に延びるように埋設されている。埋設される位置は、概ね、第1鉄筋体41及び第2鉄筋体42における格子の内部である。すなわち、第1鉄筋体41及び第2鉄筋体42と干渉しないような位置に埋設される。
図4は、剪断補強筋の埋設状態を示す拡大図である。同図に示すように、剪断補強筋5は、表面に所定形状のリブを有する異形鉄筋で構成されている。また、先端が45°にカットされた鋭利な形状となっている。このように形成された剪断補強筋5は、コンクリート壁2の表面から厚み方向に形成された削孔21内に挿入されるものであり、同じく削孔21内に供給されたモルタル定着材によって、削孔21内に固定される。また、剪断補強筋5は、第1鉄筋体41と第2鉄筋体42との間で延びるように配置される。すなわち、コンクリート壁2内の第1の位置P1と第2の位置P2との間の距離Tが、剪断補強筋の長さに相当する。但し、このような剪断補強筋5の先端側及び後端側に「かぶり」が形成されていればよいため、剪断補強筋5の長さは、図示のものよりも短くてもよい。例えば、剪断補強筋の長さは、その径の6倍とすることができる。なお、削孔21の長さDは、第1の距離L1と剪断補強筋5の長さTの合計となる。
<2.コンクリート躯体の耐震補強工法>
次に、コンクリート躯体の耐震補強工法について説明する。ここで対象となるのは、既設のコンクリート躯体1であり、上述したように、連結筋43によって連結された第1及び第2鉄筋体41,42が埋設されたコンクリート躯体1である。以下、図5及び図6を参照しつつ、耐震補強のための、剪断補強筋5の埋設について説明する。
まず、図5(a)に示すように、コアドリル6をコンクリート壁2の表面にセットし、削孔を行う。但し、削孔を行うドリルは特には限定されず、ハンマードリルなどを用いることもできる。削孔を行う位置は、上述したように、両鉄筋体41,42の格子の内部である。そして、図5(b)に示すように、第2の位置P2に達するまで削孔21を形成する。削孔21の形成が完了すると、清水を削孔21内で循環させ、削孔21内を洗浄する。
次に、モルタルカプセル7を準備する。このモルタルカプセル7は、紙、不織布などの水が浸入可能な親水性の材料で形成された袋に、モルタル粉を収容したものであり、棒状に形成されている。そして、モルタルカプセル7を約2〜5分間、水に浸漬する。これにより、水が袋の内部に進入し、モルタル粉との水和反応が生じる。水和反応によって生成される粘土状のモルタル定着材は硬化が始まるので、上記時間が経過後には、手際よくモルタルカプセル7を削孔21内に挿入する。図5(c)に示すように、モルタルカプセル7は棒状に形成されているため、削孔21に沿って一列に、削孔21が埋まるまでモルタルカプセル7を挿入する。
これに続いて、図6(a)に示すように、ハンマードリル8の先端に剪断補強筋5を取り付け、剪断補強筋5の後端部を打撃しながら、削孔21内に剪断補強筋5を打ち込む。これにより、剪断補強筋5の鋭利な先端部が削孔21内のカプセル7を破壊しながら、削孔21に進入していく。こうして、剪断補強筋5は、図6(b)に示すように、その先端が削孔21の奥端部(第2の位置P2)に達するまで打ち込まれる。この過程で、破壊されたカプセル7からは粘土状のモルタル定着材が削孔21内で剪断補強筋5の外周面全体に回り込み、剪断補強筋5の前進によってモルタル定着材が削孔21内で攪拌される。これにより、モルタル定着材が剪断補強筋5の外周面と削孔21の内壁面との間に充填され、剪断補強筋5が削孔21内で定着する。
こうして削孔21に定着した剪断補強筋5の後端部は、第1の位置P1にあり、この後端部とコンクリート壁2の表面との間の領域が「かぶり」となるが、削孔21内のこの領域にはモルタル定着材が充填される。そして、削孔21からあふれた余分なモルタル定着材は左官仕上げによって除去する。モルタル定着材が不足する場合には、別途モルタル定着材を削孔21に充填する。こうして、図6(c)に示すように、施工が完了する。
<3.特徴>
以上のように、本実施形態によれば、コンクリート壁2の内部に埋設された剪断補強筋5が、コンクリート壁2の両壁面から所定の距離をあけて設けられている。すなわち、剪断補強筋5の両端部とコンクリート壁2の壁面との間に、鉄筋が埋設されていない、いわゆる「かぶり」が設けられている。したがって、コンクリート躯体1全体が剛構造となるのを防止することができる。その結果、コンクリート躯体1の曲げ強度を向上させることなく、剪断強度のみを向上することができる。そのため、例えば、設計レベル以上の地震が発生したときには、図7に示すように、コンクリート躯体1には剪断破壊が生じることなく、曲げ破壊を先行させることができる。この曲げ破壊により、地震エネルギを吸収することができ、コンクリート躯体1全体の終局的な耐震性能を向上させることができる。すなわち、曲げ破壊が先行して、剪断破壊を防止できるため、重量物の落下、崩落を回避することができる。その結果、設計を上回る巨大地震に対してもコンクリート躯体1全体の崩落を避けることができ、コンクリート躯体1としてのある程度の性能を維持することができる。
<4.変形例>
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない限りにおいて、種々の変更が可能である。例えば、剪断補強筋5の構成は、上述したものに限定されず、種々の変更が可能である。例えば、図8(a)に示すように、先端が円錐状に形成された剪断補強筋5を用いることもできる。また、図8(b)に示すように、表面に雄ねじが形成された剪断補強筋5を用いることもできる。すなわち、剪断補強筋5の先端形状や表面の形状は、特には限定されない。
また、定着材は、剪断補強筋5を削孔21内で定着できる限りは、特には限定されず、また、カプセルに入ったものを使用しなくてもよい。
上記実施形態では、ハンマードリル8によって剪断補強筋5を削孔内に挿入したが、これも特には限定されない。その他の例として、例えば、図9に示すような治具を用いることもできる。図9(a)に示すように、この治具9は、貫通孔が形成された筒状の本体部91を有する。本体部91において、削孔21と対向する第1の端部には削孔21の径よりも大きい大径部92が設けられている。そして、貫通孔には、第1の端部から剪断補強筋5を挿入可能となっている。
また、本体部91の貫通孔には、円柱状の打撃部材93が進退可能に挿通されている。打撃部材93は、第1の端部とは反対側の、本体部91の第2の端部から突出している。そして、この突出部分には貫通孔よりも大きい環状のストッパ94が取付けられている。また、打撃部材93の外周面には、ストッパ94と第2の端部との間でバネ95が巻き付けられている。これにより、打撃部材93はバネ95に抗して押し込まれ、押し込む力が解除されると、初期位置に戻るようになっている。また、打撃部材93が押し込まれると、その先端部は、第1の端部から突出するが、その突出する長さは、図9(d)に示すように、上述した第1の距離L1と同じになっている。
次に、このような構成された治具9を用いて、剪断補強筋5を施工する方法について説明する。まず、図9(a)に示すように、剪断補強筋5の一部を削孔21に挿入する。そして、図9(b)に示すように、剪断補強筋5の後端部に治具9の本体部91を取付ける。このとき、剪断補強筋5の後端部は、第1の端部から貫通孔に挿入される。この状態で、図9(c)に示すように、打撃部材93の後端部をハンマードリル8に連結したり、手ハンマーなどで打撃する。これにより、打撃部材93は剪断補強筋5の後端側を打撃し、削孔21内へ押し遣る。このとき、本体部91には、大径部92が設けられているため、本体部91は削孔21に入り込むことなく、コンクリート壁2の表面に当接した状態となる。
打撃部材93はバネ95に抗して押し込まれ、剪断補強筋5を削孔21内へ押し遣るが、このとき、図9(d)に示すように、打撃部材93の先端部は本体部91から突出し、コンクリート躯体1内の第1の位置P1まで達する。しかし、打撃部材93にはストッパ94が設けられているため、これが第2の端部に当接することで、打撃部材93は第1の位置P1よりも先端側に移動することはない。そのため、打撃部材93に押し込まれる剪断補強筋5は、後端部が第1の位置P1にあるように押し込まれる。したがって、剪断補強筋5の後端側に「かぶり」を確実に設けることができる。
上記実施形態では、地盤Sの表面に配置されたコンクリート躯体1の耐震補強工法について説明したが、対象となるコンクリート躯体は、これに限定されない。例えば、図10(a)に示すような、地中に埋設されているボックスカルバートや、図10(b)に示すような、土壌面に対して配置された擁壁などに適用することができる。すなわち、補強を行うにあたって施工面が限定されるようなコンクリート躯体に対して適用することができる。
また、コンクリート躯体自体も上記実施形態に限定されない。上記実施形態では、コンクリート壁2の中に2つの鉄筋体41,42を埋設したコンクリート躯体1を例にしたが、鉄筋体を含む鉄筋構造は、特には限定されず、例えば、鉄筋体が1つであってもよいし、3以上あってもよい。また、各鉄筋体も格子状でなくてもよく、主筋のみで構成されていてもよい。
また、コンクリート壁2の第1の面及び第2の面は、必ずしも厚み方向で対向する面でなくてもよく、厚み方向とは異なる方向(例えば、長手方向)で対向する面であってもよい。
1 コンクリート躯体
2 コンクリート壁
21 削孔
41 第1鉄筋体
42 第2鉄筋体
43 連結筋
5 剪断補強筋
9 治具
91 本体部
93 打撃部剤
94 ストッパ
L1 第1の距離
L2 第2の距離
P1 第1の位置
P2 第2の位置

Claims (6)

  1. 対向する第1の面及び第2の面を有するコンクリート壁、及び当該コンクリート壁に埋設された鉄筋構造を備えるコンクリート躯体に対して削孔を形成するステップであって、
    前記コンクリート壁の前記第1の面に、前記第2の面から第2の距離をおいた第2の位置まで延びる複数の削孔を形成するステップと、
    治具を用いて、前記各削孔に、前記第1の面から第1の距離をおいた第1の位置と、前記第2の位置と、の間で延びる棒状の剪断補強筋をそれぞれ挿入するステップと、
    を備え
    前記治具は、
    第1の端部及び第2の端部を有し、当該両端部の間で延びる貫通孔が形成された本体部と、
    前記第2の端部側から前記貫通孔に進退自在に挿入され、前記第1端部側で支持される剪断補強筋を打撃可能な打撃部材と、
    を備え、
    前記打撃部材は、前記第1端部から、前記第1の距離だけ突出可能に構成されている、コンクリート躯体の耐震補強工法。
  2. 前記剪断補強筋を、前記削孔に挿入するステップに先立って、
    前記各削孔に、定着材を供給するステップをさらに備えている、請求項に記載のコンクリート躯体の耐震補強工法。
  3. 前記定着材は、破断可能な容器に収容された状態で、前記各削孔に供給され、
    前記剪断補強筋を前記削孔に挿入するステップにおいて、前記剪断補強筋が前記容器を破壊し、前記定着材を前記削孔内に充填させる、請求項に記載のコンクリート躯体の耐震補強工法。
  4. 前記鉄筋構造は、格子状に形成された第1及び第2の鉄筋体を備え、
    前記第1の鉄筋体は、前記コンクリート壁内の前記第1の位置に埋設され、
    前記第2の鉄筋体は、前記コンクリート壁内の前記第2の位置に埋設されている、請求項からのいずれかに記載のコンクリート躯体の耐震補強工法。
  5. 請求項からのいずれかに記載の耐震補強工法に使用される治具であって、
    第1の端部及び第2の端部を有し、当該両端部の間で延びる貫通孔が形成された本体部と、
    前記第2の端部側から前記貫通孔に進退自在に挿入され、前記第1端部側で支持される剪断補強筋を打撃可能な打撃部材と、
    を備え、
    前記打撃部材は、前記第1端部から、前記第1の距離だけ突出可能に構成されている、治具。
  6. 前記打撃部材は、前記貫通孔の前記第2の端部側から突出し、当該突出部にストッパが取付けられており、
    前記ストッパが、前記第2の端部に係合することで、前記打撃部材が、前記第1の端部から、前記第1の距離よりも突出するのが制限される、請求項に記載の治具。
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