JP5610625B2 - コンクリート躯体の剪断補強構造及び剪断補強工法並びに剪断補強材 - Google Patents
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この構成によれば、挿入孔内のカプセルを剪断補強材で破って定着材を挿入孔と剪断補強材との間に充填する際に、剪断補強材の頭部及び凸部でカプセルの破断材料を孔奥に押し込み、カプセルの材料が挿入孔の途中部分で定着材と挿入孔周壁との間に残存することを防止することができる。更に、剪断補強材の打撃だけで、凸部間の凹部から定着材を挿入孔と剪断補強材との間の間隙にスムーズに流して充填することができる。これにより、コンクリート躯体の剪断補強を確実に行うことができる。
この構成によれば、頭部を基部よりも大径とすることにより、凸部間の凹部から基部の周囲へと定着材をより一層スムーズに流し、より十分な厚さで充填することができる。また、首下アール部により、エア溜まりの発生を防止して定着材を隙間無く充填することができる。これにより、コンクリート躯体の剪断補強をより一層確実に行うことができる。
この構成によれば、剪断補強材の向きに配慮せずに挿入孔に打設することができて施工管理を容易化することができると共に、先端部と後端部の頭部で剪断補強材の定着度を高めることができる。
この構成によれば、挿入孔内のカプセルを剪断補強材で破って定着材を挿入孔と剪断補強材との間に充填する際に、剪断補強材の頭部及び凸部でカプセルの破断材料を孔奥に押し込み、カプセルの材料が挿入孔の途中部分で定着材と挿入孔周壁との間に残存することを防止することができる。更に、剪断補強材の打撃だけで、凸部間の凹部から定着材を挿入孔と剪断補強材との間の間隙にスムーズに流して充填することができる。これにより、コンクリート躯体の剪断補強を確実に行うことができる。
この構成の剪断補強材を剪断補強構造に用いることにより、挿入孔内のカプセルを剪断補強材で破って定着材を挿入孔と剪断補強材との間に充填する際に、剪断補強材の頭部に形成した凸部でカプセルの破断材料を孔奥に押し込み、カプセルの材料が挿入孔の途中部分で定着材と挿入孔周壁との間に残存することを防止することができる。更に、剪断補強材の打撃だけで、凸部間の凹部から定着材を挿入孔と剪断補強材との間の間隙にスムーズに流して充填することができる。これにより、コンクリート躯体の剪断補強を確実に行うことができる。
次に、本発明による実施形態のコンクリート躯体の剪断補強構造及び剪断補強工法について説明する。
ここで、凸部24が形成されている頭部22を有する剪断補強材20による実施形態のコンクリート躯体の剪断補強構造と、凸部24が形成されている頭部22を有しない剪断補強材(先端は長手方向に対して垂直面に形成)によるコンクリート躯体の剪断補強構造の強度比較試験の結果を図5に示す。
本明細書開示の発明は、各発明や実施形態の構成の他に、適用可能な範囲で、これらの部分的な構成を本明細書開示の他の構成に変更して特定したもの、或いはこれらの構成に本明細書開示の他の構成を付加して特定したもの、或いはこれらの部分的な構成を部分的な作用効果が得られる限度で削除して特定した上位概念化したものを含むものである。そして、下記変形例も包含する。
Claims (5)
- コンクリート躯体の補強面に形成される長孔状の挿入孔と、
前記挿入孔に打撃だけで打設される棒状の剪断補強材と、
前記挿入孔に配置される筒状のカプセルから前記剪断補強材の打設による破断で流出し、前記挿入孔と前記剪断補強材との間の空隙に充填される定着材とを備え、
前記剪断補強材の打設方向の先端部に先端の略平坦面から前記剪断補強材の基部側に向かってテーパ状に拡径する頭部若しくは先端が略球面の頭部が形成され、前記頭部の前記テーパの部分若しくは前記略球面の部分より前記基部側で径方向に突出する凸部が周方向に所定間隔を開けて放射状に複数形成され、前記凸部の先端を結ぶ外径が前記挿入孔の内径よりも若干小さくなるように形成されていると共に、
前記カプセルの破断した材料が、前記挿入孔の孔奥に押し込まれるように配置されることを特徴とするコンクリート躯体の剪断補強構造。 - 前記剪断補強材の前記頭部が前記剪断補強材の基部よりも大径に形成され、
前記頭部と前記基部との境目に首下アール部が形成されていることを特徴とする請求項1記載のコンクリート躯体の剪断補強構造。 - 前記剪断補強材の後端部に、前記先端部の頭部と同一の大きさで同形状の頭部が形成されていることを特徴とする請求項1又は2記載のコンクリート躯体の剪断補強構造。
- コンクリート躯体の補強面に長孔状の挿入孔を形成する工程と、
定着材が収容されている筒状のカプセルを前記挿入孔に挿入配置する工程と、
打設方向の先端部に先端の略平坦面から前記剪断補強材の基部側に向かってテーパ状に拡径する頭部若しくは先端が略球面の頭部が形成され、前記頭部の前記テーパの部分若しくは前記略球面の部分より前記基部側で径方向に突出する凸部が周方向に所定間隔を開けて放射状に複数形成され、前記凸部の先端を結ぶ外径が前記挿入孔の内径よりも若干小さくなるように形成されている棒状の剪断補強材を前記挿入孔に打撃だけで打設することにより、前記カプセルを破断して前記定着材を流出させ、前記挿入孔と前記剪断補強材との間の空隙に前記定着材を充填すると共に、前記カプセルの破断した材料を前記挿入孔の孔奥に押し込む工程と、
を備えることを特徴とするコンクリート躯体の剪断補強工法。 - コンクリート躯体の補強面に形成される長孔状の挿入孔と、前記挿入孔に打撃だけで打設される棒状の剪断補強材と、前記挿入孔に配置される筒状のカプセルから前記剪断補強材の打設による破断で流出し、前記挿入孔と前記剪断補強材との間の空隙に充填される定着材とを備え、前記カプセルの破断した材料が、前記挿入孔の孔奥に押し込まれるように配置されるコンクリート躯体の剪断補強構造で用いられる剪断補強材であって、
前記剪断補強材の打設方向の先端部に先端の略平坦面から前記剪断補強材の基部側に向かってテーパ状に拡径する頭部若しくは先端が略球面の頭部が形成され、前記頭部の前記テーパの部分若しくは前記略球面の部分より前記基部側で径方向に突出する凸部が周方向に所定間隔を開けて放射状に複数形成され、前記凸部の先端を結ぶ外径が前記挿入孔の内径よりも若干小さくなるように形成されていることを特徴とする剪断補強材。
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