JP7134057B2 - コンクリート壁の補強用の補強部材 - Google Patents
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Description
例えば、コンクリート壁に補強用孔を削孔したのち、補強用孔に充填材を充填し、補強用孔に補強部材を挿入し、充填材を硬化させることにより、補強部材とコンクリート壁とを結合させ、コンクリート壁のせん断力を補強する工法が提案されている。
しかしながら、単に充填材を細長い補強用孔に充填するのでは、充填の際に充填材に混入した空気を抜くことが難しく、補強用孔に充填された充填材には部分的に隙間が生じる場合がある。
補強用孔に充填された充填材に隙間が生じた状態で硬化すると、補強部材とコンクリート壁との結合強度が低下するため、コンクリート壁の補強強度を確保する上で改善の余地がある。
そこで、本出願人は、補強用孔への充填材の充填工程、補強用孔への補強部材の挿入工程の後に、前記補強用孔に充填された充填材を圧縮する圧縮工程を行なう工法を提案している。
一方、充填材に部分的に生じていた隙間を閉塞する作業は、回転板を回すことでなされ、この作業は充填材の半乾きの状態で行なわれる。
そのため、回転板の回転に伴って補強部材が多少回転し、充填材を効果的に圧縮する上で不利があった。
また、先の出願によれば、補強部材の回転を阻止する補強用孔の構造も開示されているものの、このような構造の補強用孔を削孔するには特別の削孔機を使わなければならず、現場において簡単に削孔することができない。
本発明はこのような事情に鑑みなされたものであり、その目的は、補強用孔に充填した充填材を確実に圧縮でき、補強部材とコンクリート壁との結合強度を向上させ、コンクリート壁の補強強度を確保する上で有利なコンクリート壁の補強用の補強部材を提供することにある。
請求項2記載の発明は、前記充填材圧縮用ロッドと前記筒状部材とは同軸上に配置されていることを特徴とする。
請求項3記載の発明は、前記筒状部材の外周面は、前記補強用孔の内周面に近接する寸法で形成され、前記充填材圧縮用ロッドの前記基部側に位置する前記筒状部材の端部に、前記基部側に至るにつれて次第に外径が小さくなる円錐面部が設けられていることを特徴とする。
請求項4記載の発明は、前記筒状部材の内周面と外周面には凹凸形状が形成されていることを特徴とする。
請求項5記載の発明は、前記筒状部材の外周面と内周面には、前記筒状部材の軸心方向と平行する方向に延在する凸部と凹部とが周方向に交互に並べられて形成されていることを特徴とする。
請求項6記載の発明は、前記充填材圧縮用ロッドの軸心に対して前記筒状部材の軸心は偏心していることを特徴とする。
請求項7記載の発明は、コンクリート壁の補強用孔に挿入され前記補強用孔に充填された充填材と共に前記コンクリート壁を補強するコンクリート壁の補強用の補強部材であって、前記補強部材は、充填材圧縮用ロッドと圧縮用回転部材と定着部材とロッド回転阻止部とを含んで構成され、前記充填材圧縮用ロッドは、前記補強用孔に挿入される先部とその反対の基部とを有し、前記基部に雄ねじが形成され、前記圧縮用回転部材は、前記補強用孔の内周面にその外周部が近接する外径を有しその中心に前記雄ねじに螺合する雌ねじが貫通形成され、前記定着部材は、前記充填材圧縮用ロッドの先端に取着され、前記ロッド回転阻止部は、前記定着部材寄りの前記充填材圧縮用ロッドの先部に設けられ前記充填材圧縮用ロッドの外周面に間隔をおいて前記充填材圧縮用ロッドの長手方向に延在する複数の羽根板で構成されていることを特徴とする。
そのため、充填材が圧縮され空気溜まりの空気や充填材の内部に残る空気が抜けて充填材に部分的に生じていた隙間が解消され、充填材の充填率が高まり、補強用孔に充填された充填材の強度を高めて密実なものとすることができ、その結果、補強部材とコンクリート壁との結合強度を向上させ、コンクリート壁の補強強度を確保する上で有利となる。
請求項2~6記載の発明によれば、請求項1の効果を高める上でより有利となる。
請求項7記載の発明によれば、複数の羽根板により充填材に対する付着面積が増大し、充填材圧縮用ロッドの回転を阻止する上で有利となる。また、充填材圧縮用ロッドが回転しようとすると、複数の羽根板が充填材を押しのける方向に動くことになるので、複数の羽根板に抵抗が発生し、充填材圧縮用ロッドの回転を阻止する上でより有利となる。
したがって、圧縮用回転部材の回転時における充填材圧縮用ロッドの回転を阻止する有利となり、補強部材とコンクリート壁との結合強度を向上させ、コンクリート壁の補強強度を確保する上で有利となる。
以下、本発明の実施の形態を図面にしたがって説明する。
図1(A)~(C)に示すように、コンクリート壁の補強用の補強部材12(以下単に補強部材12という)は、後述するコンクリート壁10の補強用孔14(図2、図3参照)に挿入され補強用孔14に充填された充填材16と共にコンクリート壁10を補強するものである。
補強部材12は、充填材圧縮用ロッド18と、圧縮用回転部材20(図4参照)と、定着部材22と、ロッド回転阻止部24とを含んで構成されている。
充填材圧縮用ロッド18は、充填材16と共にコンクリート壁10の補強強度を確保するに足る剛性を有する材料で形成され、このような材料として例えば、鋼材や繊維強化樹脂などの従来公知の様々な材料が採用可能である。
本実施の形態では、充填材圧縮用ロッド18として、予め全長にわたって雄ねじ1806が形成されたねじ節鉄筋を用いている。
なお、本実施の形態では、補強すべきコンクリート壁10の厚さは、例えば、100cm程度であり、補強用孔14の内径は5cm程度、深さは90cm程度、充填材圧縮用ロッド18の直径は1cm~2cm程度、補強部材12の全長は85cm程度である。これらの寸法は、補強すべきコンクリート壁10の厚さに対応して適宜変更される。
本実施の形態では、圧縮用回転部材20は、補強用孔14に挿入可能で補強用孔14をほぼ閉塞する大きさの外径を有しその中心に補強部材挿通孔2602が形成された閉塞板部26と、閉塞板部26と同軸上に配置され雄ねじ1806に螺合可能な雌ねじ2802を有するナット部28との切り離された2つの部材で構成されている。
なお、このような圧縮用回転部材20の構成は上述の構造に限定されず、従来公知の様々な構造が採用可能である。
このように圧縮用回転部材20が切り離された2つの部材で構成されている場合、後述する圧縮工程において、閉塞板部26の補強部材挿通孔2602に補強部材12が挿通され、ナット部28は閉塞板部26の補強用孔14の開口14A側に配置されて雌ねじ2802が雄ねじ1806に螺合され、ナット部28を回転させることで、閉塞板部26は補強部材12の軸方向に沿って補強用孔14の底部14B側に移動する。
定着部材22は充填材圧縮用ロッド18の断面形状よりも大きく、かつ、補強用孔14に挿入可能な断面形状を有している。
本実施の形態では、定着部材22は円板状を呈しており、定着部材22と充填材圧縮用ロッド18は同軸上に位置している。
筒状部材30は、補強用孔14の内周面1402に対向する外周面3002と充填材圧縮用ロッド18の外周面1810に対向する内周面3004とを有している。
本実施の形態では、筒状部材30は円筒状を呈する円筒面部30Aで構成され、したがって、筒状部材30の外周面3002と内周面3004は共に円筒面状を呈している。
本実施の形態では、支持部材32は、充填材圧縮用ロッド18の外周面1810と筒状部材30の内周面3004を接続する複数(4つ)のステー3202で構成されている。
複数のステー3202は、充填材圧縮用ロッド18の軸心方向から見て周方向に90度の間隔をおいて設けられ、それらステー3202は、充填材圧縮用ロッド18の半径方向に延在している。
複数のステー3202により筒状部材30は、充填材圧縮用ロッド18と同軸上に配置されている。
なお、本実施の形態では、コンクリート壁10が、地中に埋設されることにより鉄道用の地下トンネルを構成するボックスカルバートの側壁10である場合について説明する。
なお、本発明は、掘割道路、擁壁や橋梁アバット、橋脚などの従来公知の様々なコンクリート構造物を構成する側壁10や底壁、天井壁などの壁部に適用可能である。
補強用孔14の長さは、補強部材12の全長よりも若干大きい寸法とされる。
穿孔装置としては、ドリル装置、コアボーリング装置、ウォータジェット穿孔装置など従来公知の様々な装置が使用可能である。
次に、図2(B)に示すように、補強部材12を充填材圧縮用ロッド18の先部1802、すなわち、定着部材22およびロッド回転阻止部24から各補強用孔14に挿入し、不図示の治具を用いて定着部材22を補強用孔14の底部14B(底面)に押し付けた状態とする(挿入工程)。
充填材16としては、コンクリート、モルタル、あるいは、接着剤が使用可能である。
これにより、補強部材12は、充填材圧縮用ロッド18の基部1804を除いて充填材16によって埋設される。
すなわち、充填材16は、充填材圧縮用ロッド18の外周面1810と補強用孔14の内周面1402との間に充填される。
また、充填材16は、ロッド回転阻止部24において、円筒面部30Aの内周面3004と充填材圧縮用ロッド18の外周面1810との間に充填されると共に、円筒面部30Aの外周面3002と補強用孔14の内周面1402との間に充填される。
また、充填材16は、定着部材22の周囲に充填される。
すなわち、閉塞板部26の補強部材挿通孔2602に充填材圧縮用ロッド18を挿通し、次いで、ナット部28の雌ねじ2802を充填材圧縮用ロッド18の雄ねじ1806に螺合させる。
ナット部28の雌ねじ2802と雄ねじ1806を螺合することで閉塞板部26により補強用孔14が閉塞され、次に、図3(B)に示すように、ナット部28を回転させることで閉塞板部26を充填材圧縮用ロッド18の軸方向で補強用孔14の底部14B側に移動させ、充填材16を圧縮する(圧縮工程)。
これにより、補強用孔14の上部に形成された空気溜まりや充填材16の内部の空気が補強用孔14から排出され、補強用孔14内で充填材16が密に圧縮される。
したがって、上述の不図示の治具を用いて圧縮工程において補強部材12を補強用孔14に対して押さえつけておき、これにより、圧縮用回転部材20の充填材圧縮用ロッド18の軸方向に沿った移動により充填材16に対して圧力を確実に加えることができる。
本実施の形態では、圧縮用回転部材20の回転に伴って充填材圧縮用ロッド18が回転しようとすると、充填材圧縮用ロッド18の外周面1810と補強用孔14の内周面1402との間に充填された充填材16による抵抗(付着抵抗)に加え、円筒面部30Aの内周面3004と充填材圧縮用ロッド18の外周面1810との間に充填された充填材16による抵抗(付着抵抗)と、円筒面部30Aの外周面3002と補強用孔14の内周面1402との間に充填された充填材16による抵抗(付着抵抗)との双方が生じるため、充填材圧縮用ロッド18の回転を阻止する抵抗力として十分に機能する。
そのため、圧縮用回転部材20の回転に伴う補強部材12の回転が阻止され、圧縮用回転部材20を確実に補強用孔14の底部14B側に移動させることができ、補強用孔14に充填した充填材16を確実に圧縮することができる。
そこで、開口14A側の補強用孔14の内部に、図3(C)に示すように、修復材34を充填することで充填材圧縮用ロッド18の基部1804および補強部材12を埋設する(修復工程)。
このように修復材34で充填材圧縮用ロッド18の基部1804および圧縮用回転部材20を埋設すると、充填材圧縮用ロッド18の基部1804および圧縮用回転部材20の劣化や腐食の防止を図る上で有利となる。
また、側壁10の外側面1002の補強用孔14が埋設され平坦面とされることで、外側面1002の美観の向上を図る上で有利となる。
修復材34としては、エポキシ樹脂を用いることができる。エポキシ樹脂は防水性に優れているため、補強部材12を構成する充填材圧縮用ロッド18の腐食、劣化を防止する上で有利となる。
また、修復材34として、コンクリートやモルタルを用いても良い。コンクリートやモルタルは耐熱性、耐火性に優れているため、火災が想定される環境下において耐久性を確保する上で有利となる。
そのため、充填材16が圧縮され空気溜まりの空気や充填材16の内部に残る空気が抜けて充填材16に部分的に生じていた隙間が解消され、充填材16の充填率が高まり、補強用孔14に充填された充填材16の強度を高めて密実なものとすることができ、その結果、補強部材12と側壁10との結合強度を向上させ、側壁10の補強強度を確保する上で有利となる。
また、以上の効果を補強部材12にロッド回転阻止部24と圧縮用回転部材20を設けるといった簡単な構成により確実に達成でき、側壁10の補強強度を低コストで向上させる上で有利となる。
次に、図5(A)~(C)、図6を参照して第2の実施の形態について説明する。なお、以下の実施の形態においては、第1の実施の形態と同様の部分、部材については第1の実施の形態と同様の符号を付してその説明を省略する。
第2の実施の形態は、第1の実施の形態の変形例であり、ロッド回転阻止部24の形状が第1の実施の形態と異なっている。
図6に示すように、筒状部材30の外周面3002は、補強用孔14の内周面1402に近接する寸法で形成されている。
図5(A)~(C)に示すように、充填材圧縮用ロッド18の基部1804側に位置する筒状部材30の円筒面部30Aの端部に、基部1804側に至るにつれて次第に外径が小さくなる円錐面部30Bが設けられている。
すなわち、筒状部材30の円筒面部30Aの外径を大きくするほど、充填材16に対する円筒面部30Aの内周面3004および外周面3002の接触面積すなわち付着面積を増大し、圧縮用回転部材20の回転時における充填材圧縮用ロッド18の回転を阻止する上で有利となる。
一方、筒状部材30の円筒面部30Aの外径を大きくするほど、円筒面部30Aの外周面3002と補強用孔14の内周面1402との間の環状空間の径方向の寸法が小さくなることから充填材16が環状空間に入り込みにくくなり、充填材16を環状空間の全域にわたって確実に充填する上で不利となる。
このような場合、円筒面部30Aの端部に円錐面部30Bを設けておくと、補強部材12が挿入された補強用孔14に充填された充填材16は、筒状部材30の外周面3002と補強用孔14の内周面1402との間の径方向の寸法が小さくなった環状空間に円滑に導かれ、確実に充填される。
したがって、第2の実施の形態によれば、円筒面部30Aの内周面3004および外周面3002に対する充填材16の付着面積を増大させ、圧縮用回転部材20の回転時における充填材圧縮用ロッド18の回転を阻止する上で有利となり、補強部材12と側壁10との結合強度を向上させ、側壁10の補強強度を確保する上で有利となる。
次に、図7(A)、(B)を参照して第3の実施の形態について説明する。
第3の実施の形態は、第1の実施の形態の変形例であり、筒状部材30の内周面3004と外周面3002に複数の凸部38Aや凹部38Bからなる凹凸形状38を形成したものである。
このような第3の実施の形態によれば、第1の実施の形態と同様の効果が奏されることは無論のこと以下の効果が奏される。
複数の凹凸形状38により円筒面部30Aの内周面3004および外周面3002に対する充填材16の付着面積を増大させ、圧縮用回転部材20の回転時における充填材圧縮用ロッド18の回転を阻止する上で有利となり、補強部材12と側壁10との結合強度を向上させ、側壁10の補強強度を確保する上で有利となる。
この第3の実施の形態は、第1、第2の実施の形態に適用される。
次に、図8(A)、(B)を参照して第4の実施の形態について説明する。
第4の実施の形態は、第1の実施の変形例であり、筒状部材30の形状が第1の実施の形態と異なっている。
筒状部材30の外周面3002と内周面3004には、筒状部材30の軸心方向と平行する方向に延在する凸部36Aと凹部36Bとが周方向に交互に並べられて形成されている。
本実施の形態では、凸部36Aと凹部36Bは共に湾曲面で形成されている。
第4の実施の形態によれば、第1の実施の形態と同様の効果が奏されることは無論のこと以下の効果が奏される。
筒状部材30の外周面3002および内周面3004に凸部36Aと凹部36Bとを形成したので、第1の実施の形態に比べて充填材16に対する筒状部材30の外周面3002および内周面3004の付着面積が増大し、圧縮用回転部材20の回転時における充填材圧縮用ロッド18の回転を阻止する上で有利となる。
また、圧縮用回転部材20の回転により充填材圧縮用ロッド18が回転しようとすると、筒状部材30の外周面3002および内周面3004の凸部36Aと凹部36Bが充填材16を押しのける方向に動くことになるので、凸部36Aと凹部36Bにこれによる抵抗が発生し、圧縮用回転部材20の回転時における充填材圧縮用ロッド18の回転を阻止する上でより有利となる。
したがって、補強部材12と側壁10との結合強度を向上させ、側壁10の補強強度を確保する上でより有利となる。
この第4の実施の形態は、第1、第2、第3の実施の形態に適用される。
次に、図9(A)、(B)、図10を参照して第5の実施の形態について説明する。
第5の実施の形態は、第1の実施の変形例であり、補強部材12は、第1の実施の形態と同様に、充填材圧縮用ロッド18と、圧縮用回転部材20と、定着部材22と、ロッド回転阻止部24とを備え、第1の実施の形態と異なって充填材圧縮用ロッド18の軸心に対して筒状部材30の軸心が偏心している。
第5の実施の形態によれば、第1の実施の形態と同様の効果が奏されることは無論のこと以下の効果が奏される。
図10に示すように、補強用孔14の軸心に対して、補強用孔14に挿入された筒状部材30の円筒面部30Aの軸心が偏心している。
そのため、補強用孔14の内周面1402と円筒面部30Aの外周面3002との距離、および、円筒面部30Aの内周面3004と充填材圧縮用ロッド18の外周面1810との距離が、充填材圧縮用ロッド18の周方向において変化している。
したがって、圧縮用回転部材20の回転時に筒状部材30が回転しようとすると、充填材16との接触による付着抵抗に加え、筒状部材30は円筒面部30Aの外周面3002に位置する充填材16と円筒面部30Aの内周面3004に位置する充填材16を押しのける方向に動くことになるので、これによる抵抗が筒状部材30に発生し、圧縮用回転部材20の回転時における充填材圧縮用ロッド18の回転を阻止する上で有利となり、補強部材12と側壁10との結合強度を向上させ、側壁10の補強強度を確保する上で有利となる。
なお、この第5の実施の形態は、第1~第4の実施の形態の全てに適用可能である。
次に、図11(A)、(B)を参照して第6の実施の形態について説明する。
第6の実施の形態は、ロッド回転阻止部24の構造が第1の実施の形態と異なっている。
第6の実施の形態では、ロッド回転阻止部24が複数の羽根板40で構成されている。
それら羽根板40は、定着部材22寄りの充填材圧縮用ロッド18の先部1802に充填材圧縮用ロッド18の外周面1810に間隔をおいて取着され、充填材圧縮用ロッド18の長手方向に延在している。
各羽根板40の高さは、補強用孔14の内周面1402の内径よりも小さい寸法で形成されている。
第6の実施の形態によれば、第1の実施の形態と同様に、複数の羽根板40により充填材16に対する付着面積が増大し、圧縮用回転部材20の回転時における充填材圧縮用ロッド18の回転を阻止する上で有利となる。
また、圧縮用回転部材20の回転により充填材圧縮用ロッド18が回転しようとすると、複数の羽根板40が充填材16を押しのける方向に動くことになるので、複数の羽根板40に抵抗が発生し、圧縮用回転部材20の回転時における充填材圧縮用ロッド18の回転を阻止する上でより有利となる。
したがって、補強部材12と側壁10との結合強度を向上させ、側壁10の補強強度を確保する上でより有利となる。
なお、第3の実施の形態の凹凸形状38は、この第6の実施の形態に適用可能である。
12 補強部材
14 補強用孔
1402 内周面
16 充填材
18 充填材圧縮用ロッド
1802 先部
1804 基部
1806 雄ねじ
20 圧縮用回転部材
22 定着部材
24 ロッド回転阻止部
26 閉塞板部
28 ナット部
2802 雌ねじ
30 筒状部材
3002 外周面
3004 内周面
30A 円筒面部
30B 円錐面部
32 支持部材
36A 凸部
36B 凹部
38 凹凸形状
38A 凸部
38B 凹部
40 羽根板
Claims (7)
- コンクリート壁の補強用孔に挿入され前記補強用孔に充填された充填材と共に前記コンクリート壁を補強するコンクリート壁の補強用の補強部材であって、
前記補強部材は、充填材圧縮用ロッドと圧縮用回転部材と定着部材とロッド回転阻止部とを含んで構成され、
前記充填材圧縮用ロッドは、前記補強用孔に挿入される先部とその反対の基部とを有し、前記基部に雄ねじが形成され、
前記圧縮用回転部材は、前記補強用孔の内周面にその外周部が近接する外径を有しその中心に前記雄ねじに螺合する雌ねじが貫通形成され、
前記定着部材は、前記充填材圧縮用ロッドの先端に取着され、
前記ロッド回転阻止部は、前記補強用孔の内周面に対向する外周面と前記充填材圧縮用ロッドの外周面に対向する内周面とを有する筒状部材と、前記筒状部材を前記充填材圧縮用ロッド上で支持する支持部材とを含んで構成されている、
ことを特徴とするコンクリート壁の補強用の補強部材。 - 前記充填材圧縮用ロッドと前記筒状部材とは同軸上に配置されている、
ことを特徴とする請求項1記載のコンクリート壁の補強用の補強部材。 - 前記筒状部材の外周面は、前記補強用孔の内周面に近接する寸法で形成され、
前記充填材圧縮用ロッドの前記基部側に位置する前記筒状部材の端部に、前記基部側に至るにつれて次第に外径が小さくなる円錐面部が設けられている、
ことを特徴とする請求項2記載のコンクリート壁の補強用の補強部材。 - 前記筒状部材の内周面と外周面には凹凸形状が形成されている、
ことを特徴とする請求項1~3の何れか1項記載のコンクリート壁の補強用の補強部材。 - 前記筒状部材の外周面と内周面には、前記筒状部材の軸心方向と平行する方向に延在する凸部と凹部とが周方向に交互に並べられて形成されている、
ことを特徴とする請求項1~4の何れか1項記載のコンクリート壁の補強用の補強部材。 - 前記充填材圧縮用ロッドの軸心に対して前記筒状部材の軸心は偏心している、
ことを特徴とする請求項1~5の何れか1項記載のコンクリート壁の補強用の補強部材。 - コンクリート壁の補強用孔に挿入され前記補強用孔に充填された充填材と共に前記コンクリート壁を補強するコンクリート壁の補強用の補強部材であって、
前記補強部材は、充填材圧縮用ロッドと圧縮用回転部材と定着部材とロッド回転阻止部とを含んで構成され、
前記充填材圧縮用ロッドは、前記補強用孔に挿入される先部とその反対の基部とを有し、前記基部に雄ねじが形成され、
前記圧縮用回転部材は、前記補強用孔の内周面にその外周部が近接する外径を有しその中心に前記雄ねじに螺合する雌ねじが貫通形成され、
前記定着部材は、前記充填材圧縮用ロッドの先端に取着され、
前記ロッド回転阻止部は、前記定着部材寄りの前記充填材圧縮用ロッドの先部に設けられ前記充填材圧縮用ロッドの外周面に間隔をおいて前記充填材圧縮用ロッドの長手方向に延在する複数の羽根板で構成されている、
ことを特徴とするコンクリート壁の補強用の補強部材。
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