JP6820770B2 - コンクリート部材補強方法 - Google Patents

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Description

本発明は、コンクリート部材補強方法に関する。
地震時等においてせん断耐力が不足することが予想される既設の鉄筋コンクリート部材に対しては、せん断補強を行う必要がある。このような既設コンクリート部材のせん断補強方法としては、コンクリート部材に対して補強部材挿入孔を形成し、この補強部材挿入孔にせん断補強部材を挿入するとともに充填材を充填する方法がある。
前記せん断補強方法では、有底の補強部材挿入孔に所定の圧力により充填材を注入するのが一般的である。一方、補強部材挿入孔が貫通孔の場合には、充填材が漏れ出すことが無いように、いずれか一方の孔口を遮蔽した状態で充填材を注入する必要がある。例えば、特許文献1では、せん断補強部材の端部に形成された定着部材により孔口を遮蔽した状態で、定着部材に形成された注入孔から補強部材挿入孔に充填材を注入している。
なお、せん断補強を行った場合であっても、例えば、コンクリート部材に曲げ耐力が不足することが予想される場合には、増厚コンクリート部をさらに形成する場合がある。増厚工法は、既設のコンクリート部材の表面に鉄筋を配筋するとともにコンクリートを打設することで、コンクリート部材の断面寸法を大きくするものである(例えば、特許文献2参照)。
特許第3700980号公報 特開平10−237825号公報
せん断補強方法と増厚工法とを併用する場合において、せん断補強部材の端部を既設コンクリート部材の表面から突出させて増厚部分に挿入すれば、増厚部分に配筋するせん断補強鉄筋を省略あるいは削減することができるため、施工時の手間および材料費の低減化を図ることができる。
しかし、せん断補強部材を既設コンクリート部材から突出させると、補強部材挿入孔の孔口をせん断補強部材の定着部材によって遮蔽することができなくなるため、充填材を注入する際に孔口から充填材が漏れ出してしまう。
このような観点から、本発明は、被補強対象物であるコンクリート部材を貫通させた状態で補強部材を配設する場合であっても、充填材を補強部材挿入孔内に密実に充填することを可能としたコンクリート部材補強方法を提案することを課題とする。
前記課題を解決するために、本発明のコンクリート部材補強方法は、既設コンクリート部材を貫通する補強部材挿入孔を形成する削孔工程と、前記補強部材挿入孔の背面側孔口を第一蓋材により遮蔽する遮蔽工程と、前記補強部材挿入孔に補強部材を貫通させるとともに前記補強部材挿入孔に充填材を充填する充填工程と、前記第一蓋材を撤去する蓋材撤去工程と、前記既設コンクリート部材の前面および背面に、増厚コンクリートを形成する増厚工程とを備えるものである。前記充填工程では、前記補強部材の基端部を前記補強部材挿入孔の前面側孔口から突出させるとともに前記補強部材の先端部を前記背面側孔口から突出させ、前記増厚工程では、前記補強部材の基端部または先端部を巻き込んだ状態でコンクリートを打設する。
かかるコンクリート部材補強方法によれば、第一蓋材により補強部材挿入孔を遮蔽しているため、貫通孔である補強部材挿入孔内に充填材を密実に充填することができる。増厚コンクリート部には、補強部材が定着されるため、既設コンクリート部材との一体性を確保する。ここで、本明細書の補強部材とは、鉄筋やせん断補強部材を含むものとする。
前記充填工程は、前記補強部材挿入孔に充填材を充填する充填作業と、前記充填作業の後に前記補強部材を当該補強部材挿入孔に挿入する補強部材挿入作業とを備えているのが望ましい。
前記第一蓋材の内部に前記補強部材挿入孔の背面側孔口に連通するように設けられた凹状の空間が形成されている場合には、前記充填作業において前記空間を前記充填材で充填するのが望ましい。こうすることで、補強部材を挿入する際に、補強部材挿入孔内に第一蓋材側から空気が入り込むことを防止するとともに、補強部材挿入孔内の充填材が第一蓋材の内部の空間に漏出することを防止することができる。
前記充填工程では、前記充填材が充填された補強部材挿入孔内において前記補強部材の先端を前記第一蓋材に当接させた状態で、前記補強部材挿入孔の前面側孔口を第二蓋材により遮蔽する前面遮蔽作業と、前記第一蓋材を貫通させて前記補強部材の先端部を前記補強部材挿入孔の背面側孔口から突出させる蓋材貫通作業と、前記補強部材挿入孔に充填材を追加注入する追加注入作業とを行うのが望ましい。この場合には、前記蓋材撤去工程において前記第一蓋材とともに前記第二蓋材を撤去する。このようにすれば、補強部材を蓋材に通す際に充填材が漏れ出した場合であっても、追加注入によって密実に充填することができる。追加注入をする際には、補強部材挿入孔の前面側孔口および背面側孔口が遮蔽されているため、充填材の漏出が防止され、ひいては充填材を密実に充填することができる。
前記補強部材には、線材と、前記線材の両端にそれぞれ形成された前記線材の断面形状よりも大きな外形形状の定着部材とを備えるものを使用してもよい。このとき、前記第一蓋材には、前記線材の外径以下の内径の貫通孔が形成された第一ゴム板と、先端側の前記定着部材を挿通可能な貫通孔が形成された第一鋼板と、平板である第二鋼板とが前記既設コンクリート部材側から順に積層されたものを使用すればよい。この第一蓋材によれば、第一鋼板および第二鋼板によって、第一ゴム板を押えているため、充填材の注入時の圧力によって、第一ゴム板が変形することを防止し、ひいては密実性を確保することができる。なお、前記蓋材貫通作業では、前記第二鋼板を撤去した後、前記補強部材を押し込むことで、補強部材が第一蓋材を貫通する。
また、前記第二蓋材には、前記線材の外径以下の内径の貫通孔が形成された第二ゴム板と、前記線材の外径と同程度の幅の切欠きが板の中央部から外縁まで形成された第三鋼板とが前記既設コンクリート部材側から順に積層されたものを使用すればよい。この第二蓋材を使用する場合には、前記前面遮蔽作業において前記第二ゴム板の貫通孔に前記補強部材を挿通させた状態で、前記補強部材を前記補強部材挿入孔に挿入するとともに、前記第二ゴム板を前記既設コンクリート部材の前面に当接させ、前記第二ゴム板の前面に前記第三鋼板を添設することで、充填材の注入圧によって第二ゴム板の変形を抑制し、ひいては充填材の漏出を防止することができる。
第一蓋材が、補強部材挿入孔の背面側孔口に連通するように設けられた凹状の空間を形成する有底の筒状部材を備えている場合には、前記充填作業において、前記補強部材の先端部を前記筒状部材に挿入するとともに前記筒状部材内に前記充填材を充填する。こうすることで、補強部材挿入孔を貫通するように補強部材を配設した場合であっても、補強部材挿入孔内に充填材を密実に充填することができる。
本発明のコンクリート部材補強方法によれば、被補強対象物であるコンクリート部材を貫通した状態で補強部材を配設する場合であっても、充填材を補強部材挿入孔内に密実に充填することが可能となる。
本発明の実施形態に係る既設コンクリート部材の補強構造を示す断面図である。 せん断補強部材を示す斜視図である。 (a)は第一の実施形態に係るコンクリート部材補強方法の各工程を示すフローチャート、(b)は充填工程の各作業を示すフローチャートである。 第一の実施形態に係るコンクリート部材補強方法の各工程を示す断面図であって、(a)は削孔工程、(b)は遮蔽工程、(c)は充填工程である。 第一の実施形態に係る第一蓋材を示す図であって、(a)は斜視図、(b)は分解斜視図である。 第一の実施形態に係る第二蓋材を示す図であって、(a)は斜視図、(b)は分解斜視図である。 コンクリート部材補強方法の各工程を示す断面図であって、(a)は図4(c)に続く充填工程、(b)は蓋材撤去工程、(c)増厚工程である。 第二の実施形態に係る蓋材を示す斜視図である。 第二の実施形態に係るコンクリート部材補強方法の各工程を示す断面図であって、(a)は削孔工程、(b)は遮蔽工程、(c)は充填工程である。 図9に続くコンクリート部材補強方法の各工程を示す断面図であって、(a)および(b)は蓋材撤去工程、(c)増厚工程である。
<第一の実施形態>
本実施形態では、図1に示すように、既設コンクリート部材1にせん断補強部材(補強部材)2を配設するとともに、増厚コンクリート部3を増設するコンクリート部材補強方法について説明する。本実施形態の既設コンクリート部材1は、鉄筋コンクリート製の壁部材である。なお、既設コンクリート部材1は、壁に限定されるものではなく、例えば、柱、梁等であってもよい。
せん断補強部材2は、既設コンクリート部材1に格子状に配筋された既設の横筋および縦筋(図示せず)の中央(より具体的には、上下の横筋と左右の縦筋とで囲まれた領域の中央)に配置する。なお、既設コンクリート部材1に配設するせん断補強部材2の本数および配置(配設ピッチ)は限定されるものではなく、例えば、せん断補強部材2の縦間隔を横筋の配筋ピッチと同じにしてもよいし、2倍以上にしてもよい。同様に、せん断補強部材2の横間隔は、縦筋の配筋ピッチと同じにしてもよいし、2倍以上にしてもよい。また、せん断補強部材2の配置は格子状に配筋された横筋および縦筋の中央に限定されるものではない。
せん断補強部材2は、図2に示すように、線材21と、線材21の先端部および基端部にそれぞれ設けられている当該線材21の断面形状よりも大きな形状の先端定着部材22および基端定着部材23とから構成されている。なお、せん断補強部材2は、増厚コンクリート部3内において、所定の定着長を確保することができれば、両端またはいずれか一方の定着部材を省略してもよい。なお、定着部材を省略する場合における線材21の端面の形状は限定されるものではなく、例えば、線材に軸方向に対して直交する面が形成(寸切)されていてもよいし、線材の軸方向に対して傾斜する面が形成されていてもよい。図1に示すように、増厚コンクリート部3内に配設されたせん断補強部材2の先端定着部材22および基端定着部材23は、所定の被りコンクリート厚を確保している。
本実施形態では、線材21として鋼棒が使用されている。なお、線材21を構成する材料は限定されるものではなく、例えば、異形鉄筋やネジ鉄筋等であってもよい。図1に示すように、線材21は、既設コンクリート部材1の厚さよりも大きな長さを有している。
先端定着部材22および基端定着部材23は、鋼製プレートを線材21の先端に摩擦圧接により固定することで形成されている。なお、先端定着部材22および基端定着部材23の形成方法は限定されるものではなく、例えば溶接してもよいし、ナットを利用して螺合してもよい。また、先端定着部材22および基端定着部材23を構成する材料は鋼製プレートに限定されるものではなく、例えば、線材21の端部に螺合されたナット等であってもよい。また、線材21の先端を熱した状態で軸方向に打撃あるいはプレスすることにより定着部材(こぶ状部分)を形成してもよい。また、先端定着部材22および基端定着部材23は、線材21を折り曲げることにより形成されたフックであってもよい。さらに、先端定着部材22および基端定着部材23を構成する材料は金属等に限定されるものではない。
本実施形態の先端定着部材22は、線材21の外径よりも大きな直径の円形の板材からなる。なお、先端定着部材22の形状は限定されるものではなく、例えば、矩形やその他の多角形であってもよい。一方、基端定着部材23は、先端定着部材22よりも大きな形状の矩形の板材からなる。なお、基端定着部材23の形状は限定されるものではなく、例えば、円形、楕円形、小判形、または、矩形以外の多角形であってもよい。なお、先端定着部材22と基端定着部材23とは、同一形状であってもよい。
増厚コンクリート部3は、既設コンクリート部材1の前面11および背面12にそれぞれ形成する。増厚コンクリート部3には、図示しない鉄筋が埋設されているとともに、既設コンクリート部材1の前面11および背面12から突出したせん断補強部材2の先端部および基端部を巻き込んでいる。なお、増厚コンクリート部3に埋設される鉄筋の鉄筋径や配設ピッチ等は限定されるものではなく、適宜決定すればよい。また、増厚コンクリート部3は、無筋コンクリートであってもよい。
本実施形態のコンクリート部材補強方法は、図3(a)に示すように、削孔工程S1、遮蔽工程S2、充填工程S3、蓋材撤去工程S4および増厚工程S5を備えている。
削孔工程S1では、図4(a)に示すように、既設コンクリート部材1に補強部材挿入孔4を形成する。補強部材挿入孔4は、既設コンクリート部材1の前面11から背面12に至る貫通孔である。
補強部材挿入孔4は、既設コンクリート部材1の施工時の配筋図や非破壊試験の情報をもとに、穿孔時に既設の鉄筋に損傷を与えることの無いように、横間隔は縦筋と同間隔で、縦間隔は横筋と同間隔で、両鉄筋で囲まれた領域の中央に形成する。補強部材挿入孔4の穿孔作業は、既設コンクリート部材1の前面11側から背面12側に向けて既設コンクリート部材1の表面に略垂直に行う。補強部材挿入孔4の穿孔に使用する穿孔手段は限定されるものではなく、例えば、コア・ドリル等を使用すればよい。
補強部材挿入孔4は、せん断補強部材2の先端定着部材22を挿通可能な内径を有している。すなわち、補強部材挿入孔4の内径は、先端定着部材22の外径以上の大きさである。本実施形態では、補強部材挿入孔4の前面側孔口41の一部を切欠くことで、追加注入用溝43を形成しておく。なお、追加注入用溝43の形状寸法は限定されるものではなく、適宜決定すればよい。
遮蔽工程S2では、図4(b)に示すように、補強部材挿入孔4の背面側孔口42を第一蓋材5により遮蔽する。本実施形態の第一蓋材5は、図5(a)に示すように、第一ゴム板51と、第一鋼板52と、第二鋼板53とが積層されて構成されている。第一ゴム板51、第一鋼板52および第二鋼板53は、正面視正方形の板材である。
第一ゴム板51は、補強部材挿入孔4の背面側孔口42に第一蓋材5を設置した際に、既設コンクリート部材1の背面12に当接する板材である。図5(b)に示すように、第一ゴム板51の中央部には、第一貫通孔54が形成されている。第一貫通孔54は、せん断補強部材2の線材21の外径以下の内径を有している。すなわち、第一ゴム板51は、せん断補強部材2を第一貫通孔54に貫通させた際に、線材21の外面に密着するように構成されている。第一貫通孔54の周囲には、複数の切り込み55が放射状に形成されている。切り込み55の深さは、第一貫通孔54の中心から切り込み55の先端(底部)までの長さがせん断補強部材2の先端定着部材22の半径と同等となるように設定されている。すなわち、せん断補強部材2を貫通させる際に、切り込み55によって第一貫通孔54の周囲がめくれて押し広げられるため、先端定着部材22を第一貫通孔54に通すことが可能となる。なお、切り込み55の形状等は限定されるものではない。また切り込み55は、必要に応じて形成すればよく、省略してもよい。第一ゴム板51には、第一貫通孔54を省略して切り込み55のみを形成してもよい。第一ゴム板51には、第一貫通孔54を挟んで対向する位置に一対のボルト孔56,56が形成されている。本実施形態では、第一ゴム板51の対角に位置する角部にボルト孔56,56を形成するが、ボルト孔56の配置は限定されるものではない。また、ボルト孔56の数は限定されるものではなく、例えば、各角部(計4カ所)にそれぞれボルト孔56を形成してもよい。
第一鋼板52は、第一ゴム板51に積層された鋼板である。第一鋼板52の既設コンクリート部材1側の面は第一ゴム板51に当接する。第一鋼板52の板厚は、補強部材挿入孔4内に充填材を追加注入する際の注入圧により変形が生じない大きさとする。なお、第一鋼板52の板厚の設定方法は限定されるものではない。第一鋼板52の中央部には、第一貫通孔54の直径よりも大きな直径で、かつ、せん断補強部材2の先端定着部材22を挿通可能な第二貫通孔57が形成されている。第二貫通孔57の形状寸法は、先端定着部材22を挿通可能であれば限定されるものではないが、本実施形態では、先端定着部材22の直径以上の内径を有する円形とする。第一鋼板52には、第一ゴム板51のボルト孔56の位置に対応して、ボルト孔56が形成されている。すなわち、第一鋼板52には、一対のボルト孔56,56が、対角に位置する角部に形成されている。
第二鋼板53は、第一鋼板52に積層される板材である。第二鋼板53の既設コンクリート部材1側の面は第一鋼板52に当接する。すなわち、既設コンクリート部材1側から順に、第一ゴム板51と、第一鋼板52と、第二鋼板53とが積層されている。第二鋼板53は、第二貫通孔57を遮蔽可能な平板である。第二鋼板53の板厚は、補強部材挿入孔4内に充填材を充填する際の注入圧で変形が生じない大きさとする。なお、第二鋼板53の板厚の設定方法は限定されるものではなく、例えば、第一鋼板52と第二鋼板53とを重ね合わることで、充填材の注入圧によって変形が生じない板厚にしてもよい。第二鋼板53には、第一ゴム板51および第一鋼板52のボルト孔56の位置に対応して、ボルト孔56が形成されている。すなわち、第二鋼板53には、一対のボルト孔56,56が、対角に位置する角部に形成されている。
補強部材挿入孔4の背面側孔口42を遮蔽する際には、第一ゴム板51を既設コンクリート部材1の背面12に添設させた状態で、第一ゴム板51、第一鋼板52および第二鋼板53のボルト孔56を挿通させたボルトBを既設コンクリート部材1に締着する。
充填工程S3では、補強部材挿入孔4にせん断補強部材2を貫通させるとともに補強部材挿入孔4に充填材6を充填する。本実施形態の充填工程S3は、図3(b)に示すように、充填作業S31、補強部材挿入作業S32、前面遮蔽作業S33、蓋材貫通作業S34、および、追加注入作業S35を備えている。
充填作業S31では、図4(b)に示すように、補強部材挿入孔4に充填材6を充填する。充填材6の注入は、補強部材挿入孔4内に注入パイプ(図示せず)を挿入し、補強部材挿入孔4の底部(背面側孔口42側)から行う。充填材6の補強部材挿入孔4の底部から注入すると、充填材6の圧力によって注入パイプが前面11側に押し戻されるため、充填材6の注入は、注入パイプの先端が前面側孔口41に到達するまで行う。なお、充填作業S31では、第一蓋材5内に形成された空間(第一貫通孔54および第二貫通孔57)内にも充填材6を充填する。また、充填作業S31は、補強部材挿入作業S32を実施した後に行ってもよい。
補強部材挿入作業S32では、図4(c)に示すように、充填材6が充填された補強部材挿入孔4にせん断補強部材2を挿入する。せん断補強部材2は、先端定着部材22が第一蓋材5に当接するまで挿入する。このとき、せん断補強部材2には、第二蓋材7の第二ゴム板71を予め装着しておく。せん断補強部材2を補強部材挿入孔4に挿入すると、既設コンクリート部材1の前面11に第二ゴム板71が当接する。ここで、本実施形態の第二蓋材7は、図6(a)に示すように、第二ゴム板71と第三鋼板72とが積層されてなる。第二ゴム板71および第三鋼板72は、正面視正方形の板材である。
第二ゴム板71は、補強部材挿入孔4の前面側孔口41に第二蓋材7を設置した際に、既設コンクリート部材1の前面11に当接する板材である。図6(b)に示すように、第二ゴム板71の中央部には、第三貫通孔73が形成されている。第三貫通孔73は、せん断補強部材2の線材21の外径以下の内径を有している。すなわち、第三貫通孔73にせん断補強部材2を貫通させると第二ゴム板71がせん断補強部材2に装着される。このとき、線材21の外面に第三貫通孔73の内面が密着する。第三貫通孔73の周囲には、複数の切り込み74が放射状に形成されている。複数の切り込み74のうちの少なくとも一部は、第三貫通孔73を挟んで対向する切り込み74の先端(底部)同士の間隔が、せん断補強部材2の基端定着部材23の幅(短辺の幅)と同等以上となる深さを有している。すなわち、第二ゴム板71は、せん断補強部材2に装着する際およびせん断補強部材2から撤去する際に、切り込み74によって基端定着部材23を挿通させることが可能に構成されている。なお、切り込み74の形状等は限定されるものではなく、基端定着部材23の形状に応じて適宜決定すればよい。また切り込み74は、必要に応じて形成すればよく、省略してもよい。
第二ゴム板71には、第三貫通孔73の近傍(本実施形態では第三貫通孔73の下側)に追加注入孔75が形成されている。追加注入孔75は、第二ゴム板71を貫通している。追加注入孔75は、第二蓋材7を補強部材挿入孔4の前面側孔口41に設置した際に、追加注入用溝43と重なるように形成されている。第二ゴム板71には、第三貫通孔73を挟んで対向する位置に一対のボルト孔76,76が形成されている。本実施形態では、第二ゴム板71の対角に位置する角部にボルト孔76,76を形成するが、ボルト孔76の配置は限定されるものではない。また、ボルト孔76の数は限定されるものではなく、例えば、各角部(計4カ所)にそれぞれボルト孔76を形成してもよい。
第三鋼板72は、第二ゴム板71に積層された鋼板である。第三鋼板72の既設コンクリート部材1側の面は第二ゴム板71に当接する。すなわち、既設コンクリート部材1側から順に、第二ゴム板71と、第三鋼板72とが積層されている。第三鋼板72の板厚は、補強部材挿入孔4内に充填材を追加注入する際の注入圧で変形が生じない大きさとする。第三鋼板72には、線材の外径と同程度の幅の切欠き77が板の中央部から外縁まで形成されている。第三鋼板72には、第二ゴム板71のボルト孔76の位置に対応してボルト孔76が形成されている。すなわち、第三鋼板72の対角に位置する角部には、一対のボルト孔76,76が形成されている。なお、第三鋼板72には、必要に応じて切欠き77の底部(第三鋼板72の中央部)の近傍に追加注入孔75が形成されていてもよい。
前面遮蔽作業S33では、図7(a)に示すように、補強部材挿入孔4の前面側孔口41を第二蓋材7により遮蔽する。本実施形態では、充填材6が充填された補強部材挿入孔4内にせん断補強部材2を挿入する際に既設コンクリート部材1の前面11に配設された第二ゴム板71の前面に第三鋼板72を添設することにより前面側孔口41を遮蔽する。このとき、せん断補強部材2が切欠き77に入り込むように、第三鋼板72を上から落とし込むことにより、第三鋼板72を配設する。なお、第三鋼板72は、せん断補強部材2の横側からスライドさせてもよいし、せん断補強部材2の下側から押し上げることにより配設してもよい。なお、第二蓋材7は、必要に応じて設置すればよい。第二蓋材7を省略する場合には、前面側孔口41を適宜遮蔽するのが望ましい。
蓋材貫通作業S34では、図7(a)に示すように、せん断補強部材2の先端部を、補強部材挿入孔4の背面側孔口42から突出させる。蓋材貫通作業S34は、充填材6が流動性を失う前に行う。まず、第二鋼板53を撤去し、次に、せん断補強部材2の基端側を先端側に押し込む。これにより、先端定着部材22が第一ゴム板51および第一鋼板52を貫通し、せん断補強部材2の先端部が第二鋼板53から突出する。このとき、せん断補強部材2の基端部は、第二蓋材7から突出した状態となっている。せん断補強部材2の先端に付着した充填材6は撤去する。
追加注入作業S35では、補強部材挿入孔4に充填材6を追加注入する。充填材6を追加注入することにより、せん断補強部材2を補強部材挿入孔4内に挿入する際やせん断補強部材2を貫通させた際等に補強部材挿入孔4内に入り込んだ空気を排出する。充填材6の追加注入は、第二蓋材7の追加注入孔75から充填材6を注入することにより行う。本実施形態では、第三鋼板72の切欠き77を挿通させた注入パイプ(図示せず)を第二ゴム板71の追加注入孔75に設置した状態で、充填材6を圧入する。
蓋材撤去工程S4では、図7(b)に示すように、第一蓋材5および第二蓋材7を撤去する。第一蓋材5および第二蓋材7の撤去は、充填材6に所定の強度が発現してから行う。
増厚工程S5では、図7(c)に示すように、既設コンクリート部材1の前面11および背面12に、増厚コンクリート部3,3を形成する。増厚コンクリート部3は、既設コンクリート部材1の前面11および背面12に図示しない鉄筋を配筋するとともに型枠を設置した後、コンクリートを打設することにより形成する。このとき、既設コンクリート部材1の前面11および背面12から突出したせん断補強部材2の基端部または先端部を巻き込んだ状態でコンクリートを打設する。
本実施形態のコンクリート部材補強方法の作用効果は、下記の通りである。
既設コンクリート部材1を貫通したせん断補強部材2が増厚コンクリート部3に定着されるため、既設コンクリート部材1のせん断補強および曲げ耐力補強が同時に行われる。
第一蓋材5により補強部材挿入孔4を遮蔽した状態で充填材6を充填するため、貫通孔である補強部材挿入孔4内に充填材6を密実に充填することができる。また、せん断補強部材2を補強部材挿入孔4に挿入する際に空気が入り込んだ場合であっても、充填材6を追加注入することで、密実性を維持することができる。
第一蓋材5の内部に形成された空間(第一貫通孔54および第二貫通孔57)に充填作業において充填材6を充填しておくため、せん断補強部材2を挿入する際に補強部材挿入孔4内に第一蓋材5側から空気が入り込むことを防止することができる。第一蓋材5に対し、第一鋼板52および第二鋼板53が積層されているため、充填材6の注入圧によって第一ゴム板51が変形することを防止あるいは最小限に抑えることができ、ひいては補強部材挿入孔4に充填材6を密実に充填することができる。また、第二鋼板53を撤去すれば、第一ゴム板51および第一鋼板52を貫通させた状態で、せん断補強部材2を補強部材挿入孔4内に配設することができる。その後、補強部材挿入孔4に充填材6を追加注入する際には、第一ゴム板51に第一鋼板52が添設されているため、第一ゴム板51の変形を抑制することができ、ひいては充填材6の漏出を防止することができる。
せん断補強部材2を貫通させる際に、第二蓋材7によって補強部材挿入孔4の前面側孔口41を遮蔽しているため、充填材6の漏出を防止し、ひいては補強部材挿入孔4内の密実性を維持することができる。第二蓋材7は、第二ゴム板71の前面に第三鋼板72を添設されているため、追加注入時やせん断補強部材2を押し込む際の充填材6の圧力によって第二ゴム板71の変形を抑制し、ひいては充填材6の漏出を防止することができる。
せん断補強部材2を貫通する際に、せん断補強部材2に充填材6が引きずられることで前面側孔口41付近に空隙が生じた場合であっても、追加注入により密実性が確保される。
<第二の実施形態>
本実施形態では、第一の実施形態と同様に、既設コンクリート部材1にせん断補強部材2を配設するとともに、増厚コンクリート部3を増設するコンクリート部材補強方法について説明する。本実施形態のコンクリート部材補強方法では、補強部材挿入孔4の背面側孔口42を遮蔽する第一蓋材5として、図8に示すように、有底の筒状部材(筒体58)を備えたものを使用する点で、第一の実施形態のコンクリート部材補強方法と異なっている。なお、本実施形態の既設コンクリート部材1、せん断補強部材2および増厚コンクリート部3の詳細は、第一の実施形態で示した内容と同様なため、詳細な説明は省略する。
本実施形態のコンクリート部材補強方法は、削孔工程S1、遮蔽工程S2、充填工程S3、蓋材撤去工程S4および増厚工程S5を備えている(図3(a)参照)。
削孔工程S1では、図9(a)に示すように、既設コンクリート部材1に補強部材挿入孔4を形成する。削孔工程S1の詳細は、第一の実施形態で示した内容と同様なため、詳細な説明は省略する。
遮蔽工程S2では、図9(b)に示すように、補強部材挿入孔4の背面側孔口42を第一蓋材5により遮蔽する。本実施形態の第一蓋材5は、図8に示すように、筒体58と基板59とを備えている。筒体58は、先端が遮蔽された有底の筒状部材である。筒体58の基端は、基板59の板面に固定されている。基板59は、矩形状の板材である。基板59の中央部には、図示しない貫通孔が形成されている。貫通孔の縁部分には、筒体58が固定されている。基板59には、2つのボルト孔56,56が形成されている。本実施形態では、貫通孔(筒体58)の左右にボルト孔56が1つずつ形成されている。一方のボルト孔56は横長の長孔(基板59の長手方向に沿って長い長孔)であって、他方のボルト孔56は縦長の長孔(基板59の短手方向に沿って長い長孔)である。なお、ボルト孔56は必ずしも長穴である必要はない。また、長孔の方向も限定されるものではない。補強部材挿入孔4の背面側孔口42を遮蔽する際には、基板59のボルト孔56を挿通させたボルトBを既設コンクリート部材1に締着する。
充填工程S3では、図9(c)に示すように、せん断補強部材2を補強部材挿入孔4に挿入するとともに筒体58内に充填材6を充填する。本実施形態では、せん断補強部材2を補強部材挿入孔4に挿入した後、補強部材挿入孔4に充填材6を充填する。なお、充填材6は、せん断補強部材2を挿入する前に補強部材挿入孔4に充填してもよい。せん断補強部材2は、先端定着部材22の端面が筒体58の底面に当接するまで挿入する。充填材6の注入は、補強部材挿入孔4内に注入パイプ(図示せず)を挿入し、筒体58の底部から行う。充填材6を底部から注入すると、充填材6の圧力によって注入パイプが前面11側に押し戻されるため、充填材6の注入は、注入パイプが前面側孔口41に到達するまで行う。充填材6の充填は、補強部材挿入孔4の前面側孔口41を蓋材により遮蔽した状態で行ってもよい。
蓋材撤去工程S4では、図10(a)に示すように、第一蓋材5を撤去する。第一蓋材5の撤去は、充填材6に所定の強度が発現してから行う。第一蓋材5を撤去したら、せん断補強部材2の先端部(既設コンクリート部材1から突出している部分)の周囲に付着した充填材6を撤去して、図10(b)に示すように、線材21の一部および先端定着部材22を露出させる。なお、せん断補強部材2の先端部に付着した充填材6は、必要に応じて撤去すればよい。
増厚工程S5では、図10(c)に示すように、既設コンクリート部材1の前面11および背面12に、増厚コンクリート部3,3を形成する。増厚コンクリート部3は、既設コンクリート部材1の前面11および背面12に図示しない鉄筋を配筋した後、コンクリートを打設することにより形成する。このとき、既設コンクリート部材1の前面11および背面12から突出したせん断補強部材2の基端部または先端部を巻き込んだ状態でコンクリートを打設する。
本実施形態のコンクリート部材補強方法の作用効果は次の通りである。
既設コンクリート部材1を貫通したせん断補強部材2が増厚コンクリート部3に定着されるため、既設コンクリート部材1のせん断補強および曲げ耐力補強が同時に行われる。
第一蓋材5により補強部材挿入孔4の背面側孔口42を遮蔽した状態で充填材6を充填するため、貫通孔である補強部材挿入孔4内に充填材6を密実に充填することができる。また、せん断補強部材2を補強部材挿入孔4に挿入する際に空気が入り込んだ場合であっても、充填材6を追加注入することで、密実性を維持することができる。第一蓋材5にせん断補強部材2の先端部を挿入するとともに充填材6を充填するため、補強部材挿入孔4内に充填材6を密実に充填することができる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、実施形態に限られず、前記の各構成要素については、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、適宜変更が可能である。
例えば、蓋材(第一蓋材5および第二蓋材7)の構成は前記各実施形態で示したものに限定されるものではない。例えば、充填材6を充填する際の注入圧に対して変形することのない耐力を有し、なおかつ、せん断補強部材2を貫通させることが可能であれば、1枚のゴム板により蓋材を構成してもよい。この場合には、先端定着部材22を当接させることによって、ゴム板の開口部分(貫通孔や切り込み55)を遮蔽した状態で充填材6を圧入するのが望ましい。
また、蓋材は、ゴム板と平板の鋼板とが組み合わされたものであってもよい。この蓋材を使用する場合には、充填作業の際には、ゴム板と鋼板とを積層させておき、蓋材貫通作業の際に鋼板を撤去すればよい。
また、第一蓋材5として、せん断補強部材2を貫通させることが可能となるように、貫通孔54,57が予め形成されたものを採用したが、蓋材に打撃等の衝撃を加えることにより貫通孔が形成されるものを採用してもよい。すなわち、充填作業の際には、補強部材挿入孔4を遮蔽しており、蓋材貫通作業の際には、貫通孔が形成されることが可能な蓋材を採用してもよい。
追加注入用溝43に変えて、補強部材挿入孔4に通じる追加注入用の注入孔を既設コンクリート部材1に形成してもよい。
前記実施形態では、補強部材としてせん断補強部材2を使用したが、補強部材挿入孔4に挿入する補強部材はせん断補強部材2に限定されるものではない。補強部材は、例えば、鉄筋、PC鋼材、形鋼材等であってもよい。
1 既設コンクリート部材
2 せん断補強部材(補強部材)
21 線材
22 先端側定着部材
23 基端側定着部材
3 増厚コンクリート部
4 補強部材挿入孔
41 背面側孔口
42 前面側孔口
43 追加注入用溝
5 第一蓋材
51 第一ゴム板
52 第一鋼板
53 第二鋼板
54 第一貫通孔
55 切り込み
56 ボルト孔
57 第二貫通孔
58 筒体
59 基板
6 充填材
7 第二蓋材
71 第二ゴム板
72 第三鋼板
73 第三貫通孔
74 切り込み
75 追加注入孔
76 ボルト孔
S1 削孔工程
S2 遮蔽工程
S3 充填工程
S4 蓋材撤去工程
S5 増厚工程
S31 充填作業
S32 補強部材挿入作業
S33 前面遮蔽作業
S34 蓋材貫通作業
S35 追加注入作業

Claims (4)

  1. 既設コンクリート部材を貫通する補強部材挿入孔を形成する削孔工程と、
    前記補強部材挿入孔の背面側孔口を第一蓋材により遮蔽する遮蔽工程と、
    前記補強部材挿入孔に補強部材を貫通させるとともに前記補強部材挿入孔に充填材を充填する充填工程と、
    前記第一蓋材を撤去する蓋材撤去工程と、
    前記既設コンクリート部材の前面および背面に、増厚コンクリート部を形成する増厚工程と、を備えるコンクリート部材補強方法であって、
    前記充填工程では、
    前記充填材が充填された補強部材挿入孔内において前記補強部材の先端を前記第一蓋材に当接させた状態で、前記補強部材挿入孔の前面側孔口を第二蓋材により遮蔽する前面遮蔽作業と、
    前記補強部材の基端部を前記補強部材挿入孔の前面側孔口から突出させるとともに、前記補強部材の先端部を前記第一蓋材を貫通させて前記補強部材挿入孔の背面側孔口から突出させる蓋材貫通作業と、
    前記補強部材挿入孔に充填材を追加注入する追加注入作業と、を行い、
    前記蓋材撤去工程では、前記第一蓋材とともに前記第二蓋材を撤去し、
    前記増厚工程では、前記補強部材の基端部または先端部を巻き込んだ状態でコンクリートを打設し、
    前記補強部材が、線材と、前記線材の両端にそれぞれ形成された前記線材の断面形状よりも大きな外形形状の定着部材とを備えており、
    前記第一蓋材は、
    前記線材の外径以下の内径の貫通孔が形成された第一ゴム板と、
    先端側の前記定着部材を挿通可能な貫通孔が形成された第一鋼板と、
    平板である第二鋼板と、が前記既設コンクリート部材側から順に積層されてなり、
    前記蓋材貫通作業では、前記第二鋼板を撤去した後、前記補強部材を押し込むことを特徴とする、コンクリート部材補強方法。
  2. 前記補強部材が、線材と、前記線材の両端にそれぞれ形成された前記線材の断面形状よりも大きな外形形状の定着部材とを備えており、
    前記第二蓋材は、
    前記線材の外径以下の内径の貫通孔が形成された第二ゴム板と、
    前記線材の外径と同程度の幅の切欠きが中央部から外縁まで形成された第三鋼板とが前記既設コンクリート部材側から順に積層されてなり、
    前記前面遮蔽作業は、前記第二ゴム板の貫通孔に前記補強部材を挿通させた状態で、前記補強部材を前記補強部材挿入孔に挿入するとともに、前記第二ゴム板を前記既設コンクリート部材の前面に当接させる作業と、
    前記第二ゴム板の前面に前記第三鋼板を添設する作業と、を備えていることを特徴とする、請求項1に記載のコンクリート部材補強方法。
  3. 既設コンクリート部材を貫通する補強部材挿入孔を形成する削孔工程と、
    前記補強部材挿入孔の背面側孔口を第一蓋材により遮蔽する遮蔽工程と、
    前記補強部材挿入孔に補強部材を貫通させるとともに前記補強部材挿入孔に充填材を充填する充填工程と、
    前記第一蓋材を撤去する蓋材撤去工程と、
    前記既設コンクリート部材の前面および背面に、増厚コンクリート部を形成する増厚工程と、を備えるコンクリート部材補強方法であって、
    前記第一蓋材の内部に、前記補強部材挿入孔の前記背面側孔口に連通するように設けられた凹状の空間が形成されており、
    前記充填工程は、
    前記補強部材挿入孔および前記空間に充填材を充填する充填作業と、
    前記充填作業の後に前記補強部材を当該補強部材挿入孔に挿入する補強部材挿入作業と、を備えていて、
    前記充填工程では、前記補強部材の基端部を前記補強部材挿入孔の前面側孔口から突出させるとともに前記補強部材の先端部を前記背面側孔口から突出させ、
    前記増厚工程では、前記補強部材の基端部または先端部を巻き込んだ状態でコンクリートを打設することを特徴とする、コンクリート部材補強方法。
  4. 前記第一蓋材が、前記空間を形成する有底の筒状部材を備えており、
    前記充填工程では、前記補強部材の先端部を前記筒状部材に挿入するとともに前記筒状部材内に前記充填材を充填することを特徴とする、請求項3に記載のコンクリート部材補強方法。
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