JP6393588B2 - 既存建物補強方法 - Google Patents

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本発明は、既存建物補強方法に関する。
例えば、既存建物における柱の鉄筋コンクリート巻き立て補強においては、上下階に跨る柱梁仕口部分の補強も必要となる場合がある。この場合には、柱梁仕口部分に上下方向に貫通する開口部を設けて補強工事を行うため、上下階のそれぞれに、期間を一致させて作業空間を確保する必要があった。このため、上下階に入居するテナントが異なる場合には、両者に都合のよい工事期間の確保が難しく、工事日程の調整が問題であった。
既存建物の上下階に跨る柱を補強する技術には、例えば特許文献1がある。
特許文献1には、鉄筋コンクリート柱の周囲に、間隔Hを保持して複数の囲い鋼板を設け、鉄筋コンクリート柱と囲い鋼板との間隔H内にグラウト材を注入する構成が記載されている。このとき、グラウト材が注入された間隔H内には、複数の曲げ補強用軸方向筋が各階層を貫通させて設けられる。
特開2008−240368号公報
特許文献1には、曲げ補強用軸方向筋の具体的な施工方法は記載されていないものの、特許文献1に記載の曲げ補強用軸方向筋を、建築物の各階層を貫通させるには、上下階に作業空間を確保する必要がある。このため、上下階に入居する両テナントに都合のよい工事期間を確保しなければならず、工事日程の調整の困難さは改善されていない。
本発明は、上記事実に鑑み、隣接する空間に跨る構造部材の補強工事を、それぞれの空間毎に独立して進められる既存建物補強方法を提供することを目的とする。
請求項1に記載の発明に係る既存建物補強方法は、隣接する第1空間と第2空間に跨って設けられた第1構造部材と、前記第1構造部材と交差する方向に形成され、前記第1空間と前記第2空間を区画する第2構造部材と、を備えた既存建物の前記第1構造部材の耐震補強方法であって、先行補強する前記第1空間において、第1鉄筋の先端に継手部材を取り付け、前記継手部材の先端を前記第2構造部材へ当接させてコンクリートを増し打ちして前記第1構造部材を補強する工程と、先行補強の終了後、前記第2空間の側から前記第2構造部材を斫り、前記継手部材を露出させ、前記継手部材に第2鉄筋を挿入し、コンクリートを増し打ちして前記第1構造部材を補強する工程と、を有することを特徴としている。
請求項1に記載の発明によれば、先行補強する第1空間において、第1鉄筋の先端に継手部材を取り付け、継手部材の先端を第2構造部材に当接させた状態で、コンクリートを増し打ちする。これにより、第1空間の側からのみの工事で、第1空間側の第1構造部材の耐震補強が完成する。
続いて、第2空間において、第2構造部材を斫って継手部材を露出させ、継手部材に第2鉄筋を挿入して、第1鉄筋と第2鉄筋を連結する。その状態で、コンクリートを増し打ちする。これにより、第2空間の側からのみの工事で、第2空間側の第1構造部材の耐震補強が完成する。この結果、第2構造部材を貫通して連結される第1鉄筋と第2鉄筋により、第1構造部材を補強することができる。
即ち、隣接する第1空間と第2空間に跨る第1構造部材の補強工事を、第1空間と第2空間のそれぞれにおいて、別個独立に進めることができる。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の既存建物補強方法において、前記第1鉄筋及び前記第2鉄筋は、外周面にオネジが設けられたネジ鉄筋であり、前記継手部材は、内周面に前記オネジと螺合するメネジが設けられた機械式継手であることを特徴としている。
請求項2に記載の発明によれば、接続部が目視で確認しづらい作業環境でも、機械式継手とすることで、ネジ鉄筋とされた第2鉄筋を機械式継手にねじ込む際のねじ込み動作で、連結の良否を確認しながら連結できる。これにより、第2鉄筋と継手部材を、確実に連結することができる。
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の既存建物補強方法において、前記第1構造部材は柱、前記第2構造部材はスラブであり、前記第1空間は上階空間、前記第2空間は下階空間であり、前記ネジ鉄筋の下端部に取付けられた前記機械式継手の先端を前記スラブに当接させ、前記上階空間の前記柱にコンクリートを増し打ちして補強することを特徴としている。
請求項3に記載の発明によれば、例えば、上階の柱の補強において、下階にある柱梁仕口部まで補強する必要がある場合には、先ず、先行補強する上階の柱の補強において、上階空間で、ネジ鉄筋の下端部に機械式継手を取り付け、機械式継手の先端をスラブに当接させた状態で、上階の柱の周囲にコンクリートを増し打ちする。これにより、上階空間の側からのみの工事で、上階の柱を耐震補強することができる。
次に、下階空間において、スラブを斫り機械式継手を露出させる。露出させた機械式継手にネジ鉄筋を挿入し、上階と下階のネジ鉄筋同士を連結した状態にして、柱梁仕口部へコンクリートを増し打ちする。
これにより、スラブを貫通して連結される上階と下階のネジ鉄筋により、上階の柱を耐震補強することができる。
本発明は、上記構成としてあるので、隣接する空間に跨る構造部材の補強工事を、それぞれの空間毎に独立して進められる既存建物補強方法を提供することができる。
(A)は本発明の第1実施形態に係る既存建物補強方法の下階の柱を先行補強した場合の手順を示す正面図であり、(B)は柱梁仕口部の鉛直方向部分断面図である。 (A)は本発明の第1実施形態に係る既存建物補強方法の上階の柱を後行補強した場合の手順を示す正面図であり、(B)は柱梁仕口部の鉛直方向部分断面図である。 (A)は本発明の第2実施形態に係る既存建物補強方法の上階の柱を先行補強した場合の手順を示す正面図であり、(B)は柱梁仕口部の鉛直方向部分断面図である。 (A)は本発明の第2実施形態に係る既存建物補強方法の下階の柱を後行補強した場合の手順を示す正面図であり、(B)は柱梁仕口部の鉛直方向部分断面図である。 (A)は本発明の第3実施形態に係る既存建物補強方法の下階の柱を先行補強した場合の手順を示す正面図であり、(B)は柱梁仕口部の鉛直方向部分断面図である。 (A)は本発明の第3実施形態に係る既存建物補強方法の上階の柱を後行補強した場合の手順を示す正面図であり、(B)は柱梁仕口部の鉛直方向部分断面図である。 本発明の第3実施形態に係る既存建物補強方法の完成状態を示す柱梁仕口部の鉛直方向部分断面図である。 本発明の第4実施形態に係る既存建物補強方法の完成状態を示す柱梁仕口部の鉛直方向部分断面図である。 (A)は本発明の第5実施形態に係る既存建物補強方法の第1空間の梁を先行補強した場合の補強部の水平方向断面図であり、(B)は第2空間の梁を後行補強した場合の補強部の水平方向断面図である。
(第1実施形態)
図1(A)、(B)、図2(A)、(B)を用いて、第1実施形態に係る既存建物補強方法について説明する。
本実施形態は、既存建物10の、下階の柱12と上階の柱12を、鉄筋コンクリート巻き立て補強する場合への適用例である。
ここに、図1(A)は、下階の柱12の補強方法を示す正面図であり、図1(B)は、柱梁仕口部の鉛直方向部分断面図である。図2(A)は、上階の柱12の補強方法を示す正面図であり、図2(B)は、柱梁仕口部の鉛直方向部分断面図である。
図1(A)に示すように、既存建物補強方法は、既存建物10において、スラブ14を挟んで隣接する下階空間(第1空間)16と、上階空間(第2空間)18において、補強工事が行われる。下階空間16と上階空間18を貫通して、補強対象の柱(第1構造部材)12が設けられている。また、既存建物10には、柱12と直交(交差)して、鉄筋コンクリート製のスラブ(第2構造部材)14が形成されている。スラブ14で下階空間16と上階空間18が区画されている。
本実施形態では、先ず、下階空間16において、柱12の外周部を鉄筋コンクリート巻き立て補強した後、上階空間18において、柱12の外周部を鉄筋コンクリート巻き立て補強する。
先ず、図1(A)、(B)に示すように、先行補強する下階空間16において、柱12の周囲に、二点鎖線で示す仮囲い42で囲まれた作業空間16Sを確保する。このとき、上階空間18は、下階空間16の耐震補強工事の影響を受けないので、通常の営業を行うことができる。
下階空間16の作業空間16Sにおいて、柱12の周囲に補強用鉄筋20を取り付ける。また、外周面にネジが設けられたネジ鉄筋(第1鉄筋)26の一方の先端(上端)に、内周面にネジが設けられた機械式継手(継手部材)24を取り付ける。即ち、ネジ鉄筋26の先端を機械式継手24の一端側にねじ込んで固定する。
この状態で、機械式継手24の他端をスラブ14の下面に当接させる。このとき、機械式継手24の内部にコンクリート等が入り込まないように、先端面をテープ等で覆っておくのが望ましい。また、ネジ鉄筋26を、機械式継手24の他端をスラブ14の下面に当接させたまま、柱12の外周に沿わせて、柱12に取付けられた補強用鉄筋20に固定する。この状態でコンクリート22を増し打ちする。増し打ちコンクリート22の上端部には、無収縮モルタル44を充填する。
これにより、下階空間16の側からのみの工事で、下階の柱12の巻き立て補強が完成する。柱12は、耐震補強されて補強済柱13となる。
続いて、図2(A)、(B)を用いて上階空間18における耐震補強工事を説明する。
下階空間16での先行補強の終了後、上階空間18において、柱12の周囲に、二点鎖線で示す仮囲い46で囲まれた作業空間18Sを確保する。このとき、下階空間16は、上階空間18の耐震補強工事の影響を受けないので、通常の営業を行うことができる。
上階空間18の作業空間18Sにおいて、スラブ14を斫り、機械式継手24の上端部を露出させる。続いて、機械式継手24にネジ鉄筋(第2鉄筋)28を上方からねじ込む。これにより、機械式継手24を介してネジ鉄筋26とネジ鉄筋28が連結される。
これと平行して、補強用鉄筋20を、柱梁仕口部を含む柱12の外周面に取付ける。ネジ鉄筋28は、補強用鉄筋20に固定する。この状態で、上階の柱12にコンクリート22を増し打ちして、上階の柱12を耐震補強する。
これにより、上階空間18の側からのみで、機械式継手24を介してネジ鉄筋26とネジ鉄筋28が連結され、スラブ14を貫通する柱12を耐震補強することができる。
即ち、隣接する下階空間16と上階空間18に跨る、柱12の耐震補強工事を、下階空間16と上階空間のそれぞれにおいて、別個独立に進めることができる。
本補強方法においては、ネジ鉄筋26、28として、外周面にオネジが設けられた鉄筋が用いられ、機械式継手24として、内周面にオネジと螺合するメネジが設けられた継手が用いられている。これにより、ネジ鉄筋26とネジ鉄筋28の接続部が、目視で確認しづらい作業環境でも、機械式継手24を採用することで、ネジ鉄筋28を機械式継手24にねじ込む際のねじ込み動作で、連結の良否を確認しながら連結できる。
この結果、ネジ鉄筋26とネジ鉄筋28を、柱梁仕口部で確実に連結することができる。即ち、複数階に跨り連続する柱12の巻き立て補強を、各階毎に独立して、確実に行うことができる。
なお、本実施形態では、上下階にそれぞれ設けられた補強用鉄筋20の連結を、柱梁仕口部において、ネジ鉄筋26、28、及び機械式継手24で連結した場合について説明した。しかし、これに限定されることはなく、例えば、外周面にオネジが設けられていない鉄筋と、内周面にメネジが設けられていない継手を用いて、継手に鉄筋を挿入した状態でグラウト等を充填し、継手を介して上下階の鉄筋を接合する連結構成であってもよい。
(第2実施形態)
図3(A)、(B)、図4(A)、(B)を用いて、本発明の第2実施形態に係る既存建物補強方法について説明する。本実施形態は、上階の柱12を先行補強し、下階の柱12を、その後補強する場合の適用例である。
本実施形態は、上階空間18を先行補強し、下階空間16を後行補強する点において第1実施形態と相違する。相違点を中心に説明する。
ここに、図3(A)は、上階の柱12の補強方法を示す正面図であり、図3(B)は、柱梁仕口部の鉛直方向部分断面図である。図4(A)は、下階の柱12の補強方法を示す正面図であり、図4(B)は、柱梁仕口部の鉛直方向部分断面図である。
先ず、図3(A)、(B)に示すように、先行補強する上階空間18において、ネジ鉄筋28の先端に機械式継手24を取り付け、機械式継手24の先端を下方へ向けて、スラブ14へ当接させる。補強用鉄筋20にネジ鉄筋28を固定した後、上階の柱12の周囲にコンクリートを増し打ちする。これにより、上階空間18の側からのみの工事で、上階側の柱12の耐震補強が完成する。耐震補強された柱12は補強済柱13となる。
続いて、図4(A)、(B)に示すように、下階空間16において、耐震補強工事を実行する。先行補強の終了後、下階空間16の側からスラブ14を斫り、機械式継手24の先端を露出させる。続いて、機械式継手24に、下方からネジ鉄筋26をねじ込む。機械式継手24を介してネジ鉄筋26とネジ鉄筋28が連結される。
その後、補強用鉄筋20にネジ鉄筋26を固定し、柱12の周囲にコンクリート22を増し打ちする。スラブ14の貫通部へ充填される無収縮モルタル44の充填状況は、中点確認用チューブで確認される。これにより、下階側の柱12が耐震補強される。耐震補強された柱12は補強済柱13となる。
この結果、下階空間16の側からのみで、機械式継手24を介してネジ鉄筋26とネジ鉄筋28が連結され、スラブ14を貫通する柱12を耐震補強することができる。
即ち、隣接する下階空間16と上階空間18に跨る柱12の補強工事を、下階空間16と上階空間18のそれぞれにおいて、別個独立に進めることができる。
他の構成は、第1実施形態と同じであり説明は省略する。
(第3実施形態)
図5(A)、(B)〜図7を用いて、本発明の第3実施形態に係る既存建物補強方法について説明する。本実施形態は、柱12の補強は上階のみで、下階の柱12は補強せず、柱梁仕口部のみを補強する場合への適用例である。
本実施形態は、下階の柱12を補強しない点において第1実施形態と相違する。相違点を中心に説明する。
先ず、図5(A)、(B)〜図7を用いて、下階を先行補強し、上階をその後補強する場合について説明する。
ここに、図5(A)は下階の柱12の補強方法を示す正面図であり、図5(B)は柱梁仕口部の鉛直方向部分断面図である。図6(A)は上階の柱12の補強方法を示す正面図であり、図6(B)は柱梁仕口部の鉛直方向部分断面図である。図7は補強工事の完成状態を示す柱梁仕口部の鉛直方向部分断面図である。
図5(A)、(B)に示すように、先ず、先行補強する下階空間16において、機械式継手24にネジ鉄筋48の先端をねじ込み、機械式継手24の先端をスラブ14の下面へ当接させる。その後、補強用鉄筋20にネジ鉄筋48を固定し、柱梁仕口部の近くの柱12の外周にコンクリート22を増し打ちする。
これにより、下階空間16の側からのみの工事で柱梁仕口部が耐震補強される。本実施形態では、下階の柱12は、柱梁仕口部の付近のみが耐震補強され補強済柱50となる。
続いて、図6(A)、(B)に示すように、上階空間18において、補強工事を実行する。即ち、先行補強の終了後、上階空間18の側からスラブ14を斫り、機械式継手24を露出させる。その後、機械式継手24にネジ鉄筋28を上方からねじ込む。補強用鉄筋20にネジ鉄筋28を固定した後、柱12の周囲にコンクリート22を増し打ちする。
これにより、上階空間18の側からのみで、機械式継手24を介してネジ鉄筋48とネジ鉄筋28が連結され、スラブ14を貫通する柱12を補強することができる。即ち、上階の柱12の巻き立て補強において、下階の柱梁仕口部まで補強する必要がある場合には、隣接する下階空間16と上階空間18に跨る柱12の補強工事を、下階空間16と上階空間18のそれぞれにおいて、別個独立に進めることができる。
なお、図7の柱梁仕口部の鉛直方向部分断面図に示すように、柱12の側面に、梁58が接合されているときは、ネジ鉄筋28の下端を梁58に、上方から埋め込んで固定すればよい。
また、上階を先行補強し、下階をその後補強する場合は、基本的に、記述した下階を先行補強した場合と、上下階の補強工事を入れ替えればよい。
他の構成は、第1実施形態と同じであり説明は省略する。
(第4実施形態)
図8を用いて、本発明の第4実施形態に係る既存建物補強方法について説明する。本実施形態は、増設壁32の幅が下部の梁30の幅より大きいため、梁30を補強する必要が生じた場合への適用例である。
本実施形態は、下階の梁30を補強する点において第1実施形態と相違する。相違点を中心に説明する。
なお、図8は耐震補強後の鉛直方向断面図を示している。本実施形態においても、上述したように、上階空間18、又は下階空間16のいずれから補強工事を進めてもよい。
例えば、下階空間16から先行補強する場合には、先ず、先行補強する下階空間16において、補強用のネジ鉄筋54の先端に機械式継手24を取り付ける。また、機械式継手24の先端をスラブ14の下面へ当接させる。ネジ鉄筋54は、梁30の側面に沿って補強用鉄筋20に固定される。この状態でコンクリート22を増し打ちする。
これにより、下階空間16の側からの工事で、梁30の側面が補強される。
続いて、上階空間18において、増設壁32の構築工事を実行する。このとき、増設壁32は、梁30に、接着系のアンカーボルト56を打ち込んで、補強用鉄筋を梁30に固定する。一方、梁30からはみ出た幅方向の部分は、梁30の側面に設けられた補強部に支持させる。このとき、上階空間18の側からスラブ14を斫り、機械式継手24の先端を露出させる。その後、継手部材24にネジ鉄筋(壁筋)28を上方からねじ込み、ネジ鉄筋28を補強用鉄筋20に固定する。最後に、コンクリート22を打設して増設壁32が完成する。
これにより、上階空間18の側からのみで、機械式継手24を介してネジ鉄筋54とネジ鉄筋28が連結される。この結果、スラブ14を貫通して増設壁32を構築することができる。
なお、上階空間18に増設壁32を先行補強し、下階空間16の梁30をその後補強する場合も可能である。この場合には、機械式継手24は、上階空間18の側から下方へ向けて設けられ、先端をスラブ14へ当接させる位置となる。
他の構成は、第1実施形態と同じであり説明は省略する。
(第5実施形態)
図9(A)、(B)の水平方向断面図を用いて、本発明の第5実施形態に係る既存建物補強方法について説明する。本実施形態は、同一階において、間仕切り壁36を貫通して、梁34の側面を耐震補強する場合への適用例である。
本実施形態は、下階の梁を補強する点において第1実施形態と相違する。相違点を中心に説明する。
先ず、図9(A)に示すように、先行補強する間仕切り壁36で仕切られた室内空間(第1空間)38において、ネジ鉄筋26の先端に機械式継手24を取り付け、機械式継手24の先端を間仕切り壁36へ当接させる。補強鉄筋20とネジ鉄筋26を梁34の側面に固定して、梁34の側面にコンクリート22を増し打ちする。
これにより、室内空間38の側からのみの工事で、梁34の補強が完成する。
続いて、図9(B)に示すように、室内空間(第2空間)40において補強工事を実行する。先行補強の終了後、室内空間40の側から間仕切り壁36を斫り、機械式継手24の先端を露出させる。機械式継手24にネジ鉄筋28を横方向からねじ込み、補強鉄筋20とネジ鉄筋26を梁34の側面に固定して、梁34の側面にコンクリート22を増し打ちする。
これにより、室内空間40の側からのみで、機械式継手24を介してネジ鉄筋26とネジ鉄筋28が連結される。この結果、間仕切り壁36を貫通する梁34を補強することができる。即ち、隣接する室内空間38と室内空間40に跨る梁34の補強工事を、室内空間38と室内空間40のそれぞれにおいて、別個独立に進めることができる。
この結果、本実施形態においては、室内空間38で補強工事をしているときは、隣接する室内空間40は、補強工事の影響を受けないので通常営業が可能である。また、室内空間40で補強工事をしているときは、隣接する室内空間38は、補強工事の影響を受けないので通常営業が可能である。
なお、室内空間40を先行して耐震補強し、その後、室内空間38を耐震補強する補強方法でもよい。他の構成は、第1実施形態と同じであり説明は省略する。
10 既存建物
12 柱(第1構造部材)
13 補強柱
14 スラブ(第2構造部材)
16 下階空間(第1空間)
18 上階空間(第2空間)
20 補強用鉄筋
22 コンクリート
24 機械式継手(継手部材)
26、48 ネジ鉄筋(第1鉄筋)
28、52 ネジ鉄筋(第2鉄筋)
32 振動吸収手段(振動吸収手段)
34 梁(第1構造部材)
36 間仕切り壁(第2構造部材)
38 室内空間(第1空間)
40 室内空間(第2空間)

Claims (3)

  1. 隣接する第1空間と第2空間に跨って設けられた第1構造部材と、前記第1構造部材と交差する方向に形成され、前記第1空間と前記第2空間を区画する第2構造部材と、を備えた既存建物の前記第1構造部材の耐震補強方法であって、
    先行補強する前記第1空間において、第1鉄筋の先端に継手部材を取り付け、前記継手部材の先端を前記第2構造部材へ当接させてコンクリートを増し打ちして前記第1構造部材を補強する工程と、
    先行補強の終了後、前記第2空間の側から前記第2構造部材を斫り、前記継手部材を露出させ、前記継手部材に第2鉄筋を挿入し、コンクリートを増し打ちして前記第1構造部材を補強する工程と、
    を有する既存建物補強方法。
  2. 前記第1鉄筋及び前記第2鉄筋は、外周面にオネジが設けられたネジ鉄筋であり、
    前記継手部材は、内周面に前記オネジと螺合するメネジが設けられた機械式継手である
    請求項1に記載の既存建物補強方法。
  3. 前記第1構造部材は柱、前記第2構造部材はスラブであり、
    前記第1空間は上階空間、前記第2空間は下階空間であり、
    前記ネジ鉄筋の下端部に取付けられた前記機械式継手の先端を前記スラブに当接させ、前記上階空間の前記柱にコンクリートを増し打ちして補強する
    請求項2に記載の既存建物補強方法。
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