JP6109152B2 - 易剥離性粘着フィルム及び金属板の加工方法 - Google Patents

易剥離性粘着フィルム及び金属板の加工方法 Download PDF

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Description

本発明は、シリコンウェハやガラスウェハ等の被着体をダイシングするための仮固定用シートとして、或いは、金属板のエッチング時のキャリアシートとして好ましく用いられる易剥離性粘着フィルムに関する。
セラミックコンデンサやシリコンウェハ、ガラスウェハ等の半導体用材料等について加工時における割れを防止するために、仮固定用として易剥離性を有する粘着フィルム(以下、易剥離性粘着フィルムという)をウェハに貼着し、仮固定したウェハに研磨やダイシング等の加工を施した後、光や熱などの外部エネルギーの付加により粘着フィルムの粘着力を低下させてウェハから剥離するという方法が採用されている。
また、易剥離性粘着フィルムは、金属板のエッチングのキャリアシートとしても用いられる。例えば、ステンレス等の金属板に易剥離性粘着フィルムを貼り付け、金属板に対し所望の形状となるようにエッチング処理を施し、必要に応じて金属板上に下引き塗布液を塗布し、金属板を所望の転写物に転写する。
このような粘着フィルムとしては、例えば特許文献1〜3に記載されたものが挙げられる。これら先行技術には、粘着層に、電離放射線照射により粘着力が低下する電離放射線硬化型粘着剤用いることにより易剥離性が得られることが開示されている。
特開平2−187478号公報 特開2002−343747号公報 特開2005−236082号公報
ここで、特許文献1〜3で挙げたような粘着フィルムでは、上述のように金属エッチング用途において、金属板上に下引き塗布液を塗布する際に、塗布液中の溶剤成分が粘着フィルム上に飛び散り当該粘着フィルムを侵食し、粘着層と基材との密着性が低下して粘着層の塗膜剥離が生じるため、金属板を転写物へ転写する際等の作業性が低下することがある。
かかる塗膜剥離を防止するため、基材と粘着層との間に密着性を高める下引層を設けることが考えられる。その場合、下引層としては、粘着層に用いられている電離放射線硬化型粘着剤の接着前粘着力を低下させないために熱硬化型樹脂を用いることが好ましいが、通常下引き層として使用されている熱硬化型樹脂では、基材と下引き層、及び下引き層と粘着層との密着性を保持しつつ、耐溶剤性にも優れた粘着フィルムを得ることが困難であった。
本発明は、かかる事情に鑑み、基材上に、下引層、電離放射線硬化型粘着剤を含む易剥離性粘着層を順に有する粘着フィルムに関し、基材と下引層との密着性、下引き層と易剥離性粘着層との密着性を保持しつつ、耐溶剤性にも優れる易剥離性粘着フィルムを提供することを目的とする。
本発明者はこのような問題に対し、下引層に特定の樹脂及び硬化剤を含むものとすることにより、基材と下引層との密着性、下引層と易剥離性粘着層との密着性を保持しつつ、耐溶剤性に優れるものとすることができることを見出し、本発明に至ったものである。
即ち本発明の易剥離性粘着フィルムは、透明樹脂フィルム上に、下引層と、易剥離性粘着層とが順に積層されてなるものであって、下引層はアミン系硬化剤及び酸価が10〜100mgKOH/gのカルボキシル基含有樹脂を含み、易剥離性粘着層は電離放射線硬化型粘着剤を含むことを特徴とするものである。
また本発明の易剥離性粘着フィルムは、好ましくは、易剥離性粘着層が、イソシアネート系硬化剤をさらに含むことを特徴とするものである。
また本発明の易剥離性粘着フィルムは、好ましくはイソシアネート系硬化剤に含まれるイソシアネート基のモル数に対する、アミン系硬化剤に含まれるアジリジニル基のモル数の割合が、1.5〜15であることを特徴とするものである。
また本発明の易剥離性粘着フィルムは、好ましくは、下引層が、カルボキシル基含有樹脂100重量部に対し、前記アミン系硬化剤を3〜30重量部含有することを特徴とするものである。
また本発明の易剥離性粘着フィルムは、好ましくは、アミン系硬化剤が3官能アジリジン化合物であることを特徴とするものである。
また本発明の金属板の加工方法は、A)金属板に、本発明の易剥離性粘着フィルムの易剥離性粘着層を有する面を貼り合わせる工程、B)金属板に貼着した易剥離性粘着フィルムに電離放射線を照射し、易剥離性粘着層を硬化させる工程、C)金属板の易剥離性粘着フィルムを有する面とは反対面にマスクを形成し、前記金属板をエッチング液に浸し前記マスクが形成されていない部分の金属板を除去する工程、D)金属板からマスクを除去し、易剥離性粘着フィルムを剥離する工程、を含むことを特徴とするものである。上記工程B)と工程C)は、いずれを先行してもよい。
本発明の易剥離性粘着フィルムによれば、基材と下引層との密着性、下引き層と易剥離性粘着層との密着性を保持しつつ、耐溶剤性に優れるものとすることができる。よって、当該易剥離性粘着フィルムはシリコンウェハやガラスウェハ等の被着体をダイシングするための仮固定用シートとして、或いは、金属エッチング時のキャリアシートとして好適に用いられる。
本発明の易剥離性粘着フィルムは、透明樹脂フィルム上に、下引層と、易剥離性粘着層とが順に積層されてなるものであって、前記下引層は、アミン系硬化剤及び酸価が10〜100mgKOH/gのカルボキシル基含有樹脂(以下、単にカルボキシル基含有樹脂という場合もある)を含み、前記易剥離性粘着層は、電離放射線硬化型粘着剤を含むことを特徴とするものである。以下、易剥離性粘着フィルムの各構成要素の実施の形態について説明する。
本発明に用いられる透明樹脂フィルムとしては、例えばポリエチレンナフタレート、ポリカーボネート、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン、ポリメチルペンテン、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリブタジエン、ポリウレタン、ポリスチレン、トリアセチルセルロース、アクリル、ポリ塩化ビニル、ノルボルネン化合物などのプラスチックフィルムが挙げられる。また、重合体構成単位としてカルボキシル基を有する化合物を含む重合体フィルムあるいはこれと汎用重合体フィルムとの積層体を用いることもできる。透明樹脂フィルムの厚みとしては、2〜300μm、さらには、10〜125μmとするのが好ましい。
なお、本発明の易剥離性粘着フィルムは、後述するように電離放射線の照射により易剥離性粘着層の粘着力が低下するものであるため、かかる粘着力の低下機構が阻害されないように、透明樹脂フィルムのJIS K7375:2008に基づく全光線透過率が50%以上のもの、好ましくは80%以上のものを用いることが好ましい。
次に、下引層は、アミン系硬化剤及び酸価が10〜100mgKOH/gのカルボキシル基含有樹脂を含むものである。アミン系硬化剤は、下引層中のカルボキシル基含有樹脂と架橋して下引層の耐溶剤性を向上させる。また酸価が10〜100mgKOH/gのカルボキシル基含有樹脂は後述する易剥離性粘着層中の電離放射線硬化型粘着剤及びイソシアネート系硬化剤とも反応し、これにより下引層と易剥離性粘着層との密着性をも向上させることになる。また、下引層中に酸価が10〜100mgKOH/gのカルボキシル基含有樹脂を含むことで、透明樹脂フィルムとの密着性も向上することになる。
ここで、アミン系硬化剤としては、エチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン等の脂肪族ポリアミン、イソホロンジアミン、1,3−ビスアミノメチルシクロヘキサン等の脂環族ポリアミン、ジアミノジフェニルメタン、ジアミノジフェニルスルフォン等の芳香族ポリアミン、直鎖状ジアミン、テトラメチルグアニジン、トリエタノールアミン、ピペリジン、ピリジン、ベンジルジメチルアミン等の2級アミン類または3級アミン類、ダイマー酸とジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン等のポリアミンとを反応させて得たポリアミドアミン、メラミン、アジリジン基(エチレンイミン)を持つアジリジン化合物などを用いることができる。特に、アジリジン化合物が好適である。
アジリジン化合物としては、例えば1官能アジリジン化合物(例えば、アジリジン、2−メチルアジリジン、2−エチルアジリジン、2,2−ジメチルアジリジン、2,3−ジメチルアジリジン、2−フェニルアジリジン等)、2官能アジリジン化合物(例えば、ネオペンチルグリコールジ(β−アジリジニルプロピオネート)、4,4’−イソプロピリデンジフェノールジ(β−アジリジニルプロピオネート)、4,4’−メチレンジフェノールジ(β−アジリジニルプロピオネート)等)、3官能アジリジン化合物(例えば、テトラメチロールメタン−トリ−(β−アジリジニルプロピオネート)、トリメチロールプロパントリス(β−アジリジニルプロピオネート)、グリセリルトリス(β−アジリジニルプロピオネート)、等)、4官能アジリジン化合物(例えば、テトラアジリジニルメタキシレンジアミン、テトラアジリジニルメチルパラキシレンジアミン、テトラメチルプロパンテトラアジリジニルプロピオネ−ト等)、6官能アジリジン化合物(例えば特開2003−104970号に記載のもの)が挙げられる。これらの中でも3官能アジリジン化合物を用いることが下引き層の耐溶剤性を向上させる観点から好ましい。上述したアミン系硬化剤は単独で、或いは2種以上を組み合わせて用いることもできる。
酸価が10〜100mgKOH/gのカルボキシル基含有樹脂とは、分子内に少なくとも1つのカルボキシル基を有している樹脂をいい、具体的には(メタ)アクリル系共重合体、ビニル系共重合体、ポリウレタン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂等が挙げられ、これらを単独で又は2種類以上を組み合わせて使用することもできる。これらの中でも、透明樹脂フィルムと下引層との密着性の観点から、ポリエステル系樹脂が好適に用いられる。
酸価が10〜100mgKOH/gのポリエステル系樹脂としては、例えばポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリアリレート、ポリエチレンナフタレート、エチレン−テレフタレート−イソフタレート共重合体等のポリエステル系樹脂が挙げられる。これら樹脂は一種を単独で用いてもよく、二種以上を組合せて(例えば、二種以上の混合体として)用いることもできる。ポリエステル系樹脂の酸価は、好ましくは20〜80mgKOH/gとする。
酸価が10〜100mgKOH/gのカルボキシル基含有樹脂とアミン系硬化剤との含有割合としては、カルボキシル基含有樹脂100重量部に対してアミン系硬化剤を3〜30重量部含有することが好ましい。アミン系硬化剤を3重量部以上含有させることにより、易剥離性粘着フィルムの耐溶剤性の向上、及び下引層と易剥離性粘着層との密着性をより十分なものとすることができる。また、30重量部以下含有させることにより、塗料の保存安定性が低下するのを防止でき、下引層と透明樹脂フィルムとの密着性が低下するのを防止することができる。上述したカルボキシル基含有樹脂とアミン系硬化剤との含有割合は、好適には5〜20重量部とする。
また、下引層には、粒子を含有させることが好ましい。下引層中に粒子を含有させることで当該下引層表面に凹凸形状が形成され、かかる凹凸形状が易剥離性粘着層の界面に入り組み被着体への投錨効果が発揮されることになる。それにより、被着体への初期粘着力がさらに向上される。このような粒子としては、アクリル系樹脂粒子、シリコーン系樹脂粒子、ナイロン系樹脂粒子、スチレン系樹脂粒子、ポリエチレン系樹脂粒子、ベンゾグアナミン系樹脂粒子、ウレタン系樹脂粒子等の樹脂粒子や、シリカ、クレー、タルク、炭酸カルシウム、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、珪酸アルミニウム、酸化チタン、合成ゼオライト、アルミナ、スメクタイト等の無機粒子が挙げられる。
粒子の粒子径は、限定されるものではないが、平均粒子径で0.3μm〜12μmが好ましく、0.7μm〜6μmがより好ましい。また粒子の含有量は、下引層の樹脂100重量部に対し0.1重量部〜10重量部であることが好ましく、0.5重量部〜5重量部であることがより好ましい。なお、「粒子径」とは、コールターカウンター法で測定される粒子体積を球に換算して算出したものをいう。
また、下引層には、本発明の機能を阻害しない範囲内において、アルキルエーテル化アミノホルムアルデヒド樹脂、ポリイソシアネート類、ブロックイソシアネート類等の架橋剤、ポリアニリン類、ポリチオフェン類、ポリピロール類、ポリフラン類、ポリアセチレン類、ポリフェニレン類、ポリフェニレンビニレン類、ポリアセン類ポリチオフェンビニレン類等の帯電防止剤、消泡剤、防滑剤、防腐剤、防錆剤、pH調整剤、酸化防止剤、上述した粒子以外の顔料、染料、滑剤などを適宜含有させることもできる。
下引層の厚みは、特に限定されないが、基材と易剥離性粘着層との接着性を高めるために、0.2μm〜10μmが好ましく、0.5μm〜5μmがより好ましい。
次に、易剥離性粘着層は、電離放射線硬化型粘着剤を含むものである。電離放射線硬化型粘着剤は、電離放射線(紫外線または電子線)の照射前は、金属板等の被着体にしっかりと貼られ、照射後はエッチング液に浸されても剥離することなく、かつ、エッチング液の侵食を防ぐものでなくてはならない。
このような易剥離性粘着層を構成する電離放射線硬化型粘着剤としては、主としてアクリル系共重合体及び電離放射線重合性化合物から形成されてなるものである。
アクリル系共重合体としては、アクリル酸またはメタクリル酸のエステルを主な構成単位とする単独重合体または、アクリル酸またはメタアクリル酸あるいはそのエステルあるいはその酸アミド等及びそのほかの共重合性コモノマーとの共重合体またはこれらの重合体の混合物である。そのモノマー及びコモノマーとして例えばアクリル酸もしくはメタアクリル酸のアルキルエステル、例えばメチルエステル、エチルエステル、ブチルエステル、2−エチルヘキシルエステル、オクチルエステル、グリシジルエステル、ヒドロキシメチルエステル、2−ヒドロキシエチルエステル、ヒドロキシプロピルエステル及びアクリル酸もしくはメタアクリル酸のアミド及びN−置換アミド例えばN−ヒドロキシメチルアクリル酸アミドもしくはメタアクリル酸アミドなどが挙げられる。
また、電離放射線重合性化合物としては、アクリレート基等の炭素−炭素二重結合を有する官能基を一分子中に2個以上含有する化合物である。アクリレート基は、電離放射線に対して比較的高反応性を示すことや、また、多様なアクリル系粘着剤を選択できる等、反応性や作業性の観点から好ましいからである。炭素−炭素二重結合を一分子中に2個以上含有する電離放射線重合性化合物としては、例えば、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールモノヒドロキシ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、1,4−ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオール(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル酸と多価アルコールとのエステル化物、エステルアクリレートオリゴマー、2−プロペニル−3−ブテニルシアヌレート、イソシアヌレート、イソシアヌレート化合物等が挙げられる。これらの電離放射線重合性化合物は、単独又は2種以上を混合して使用することができる。
易剥離性粘着層における電離放射線重合性化合物の配合量としては、選択した化合物の種類によって異なってくるので一概にいえないが、例えば、電離放射線硬化型粘着剤中のアクリル系共重合体100重量部に対して、0.5〜200重量部程度であり、なかでも、1〜50重量部程度がより好ましい。電離放射線重合性化合物の配合量が、アクリル系共重合体の配合量に対して多くなりすぎると、低分子量物質の含有量が多くなり、易剥離性粘着層としての形状及び性能が維持しにくくなっていく傾向がある。また、電離放射線重合性化合物の配合量が、アクリル系共重合体の配合量に対して少なすぎると、電離放射線を照射しても、易剥離性粘着層のタックが残りすぎ、粘着フィルムを剥離する際に、金属板等の被着体に糊残りしてしまう可能性がある。
また、易剥離性粘着層は、電離放射線として紫外線照射によって硬化させて使用する場合には、光重合開始剤、光重合促進剤、紫外線増感剤等の添加剤を用いることが好ましい。
光重合開始剤としては、アセトフェノン、ベンゾフェノン、ミヒラーケトン、ベンゾイン、ベンジルメチルケタール、ベンゾイルベンゾエート、α−アシルオキシムエステル、チオキサンソン類等が挙げられる。
また、光重合促進剤は、硬化時の空気による重合障害を軽減させ硬化速度を速めることができるものであり、例えば、p−ジメチルアミノ安息香酸イソアミルエステル、p−ジメチルアミノ安息香酸エチルエステルなどがあげられる。また、紫外線増感剤としては、n−ブチルアミン、トリエチルアミン、トリ−n−ブチルホスフィン等が挙げられる。
また、易剥離性粘着層には、イソシアネート系硬化剤を含ませることがより好ましい。易剥離性粘着層中にイソシアネート系硬化剤を含有することで、易剥離性粘着層形成時に電離放射線硬化型粘着剤と架橋して易剥離性粘着層の塗膜強度が向上するだけでなく、下引層中のカルボキシル基含有樹脂とも架橋するため、易剥離性粘着層と下引層との密着性も向上することになる。
イソシアネート系硬化剤としては、2以上のイソシアネート基を有する多官能化合物であればよく、例えば、ジフェニルメタンジイソシアネート、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、フェニレンジイソシアネート、1,5−ナフチレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、トルイレンジイソシアネートなどの芳香族ジイソシアネート;ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネートなどの脂肪族又は脂環式ジイソシアネートが挙げられる。
電離放射線硬化型粘着剤とイソシアネート系硬化剤との含有割合については、電離放射線硬化型粘着剤100重量部に対してイソシアネート系硬化剤を0.1〜10重量部とすることが好ましい。イソシアネート系硬化剤を0.1重量部以上含有させることにより、下引層と易剥離性粘着層との密着性をより十分なものとすることができる。また、10重量部以下含有させることにより、電離放射線照射前における粘着力を保持することができる。
また、易剥離性粘着層中のイソシアネート系硬化剤に含まれるイソシアネート基のモル数に対する、下引層中のアミン系硬化剤に含まれるアジリジニル基のモル数の割合(モル比)が、1.5〜15であることが好ましい。イソシアネート基に対するアジリジニル基のモル比をこのような範囲内とすることにより、イソシアネート系硬化剤とヒドロキシル基含有樹脂との架橋と、アミン系硬化剤とヒドロキシル基含有樹脂との架橋とのバランスが好適となり、下引層の耐溶剤性が特に優れたものにできるだけでなく、下引層と易剥離性粘着層との密着性もより向上させることができる。
さらには、このような易剥離性粘着層は、必要に応じて、アルキルエーテル化メラミン化合物などの他の架橋剤、粘着付与剤(例えば、ロジン誘導体樹脂、ポリテルペン樹脂、石油樹脂、油溶性フェノール樹脂など)、可塑剤、充填剤、老化防止剤などの添加剤を適宜含ませても良い。
易剥離性粘着層の厚みは、特に限定されないが、抜き加工適正及びエッチング液の浸透を防止するという観点から、5μm〜100μm、好ましくは7μm〜50μm、さらに好ましくは10μm〜30μmである。
また、本発明で用いられる粘着フィルムは、取り扱い性の観点から、易剥離性粘着層の表面にセパレータが設けられていることが好ましい。このようなセパレータとしては、特に限定されないが、例えばポリエチレンラミネート紙や、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリエステル、ポリカーボネート、トリアセチルセルロース、ポリ塩化ビニル、アクリル、ポリスチレン、ポリアミド、ポリイミド、塩化ビニリデン−塩化ビニル共重合体等のプラスチックフィルムや、前記プラスチックフィルムの一方の面に離型処理を施したものなどが挙げられる。
セパレータの厚みは、特に限定されないが、取り扱い性を考慮すると10μm〜250μm、好ましくは20μm〜125μm、さらに好ましくは30μm〜100μmのものが使用される。
以上のような本発明の易剥離性粘着フィルムを製造する方法としては、例えば、上述した下引層を構成する材料を混合して下引層塗布液とし、従来公知のコーティング方法、例えば、バーコーター、ダイコーター、ブレードコーター、スピンコーター、ロールコーター、グラビアコーター、フローコーター、スプレー、スクリーン印刷などによって透明樹脂フィルム上に塗布した後、必要に応じて乾燥させ、次いで易剥離性粘着層を構成する材料を混合して易剥離性粘着層塗布液とし、同様に従来公知のコーティング方法によって当該下引層上に塗布した後、必要に応じて加熱、乾燥させることで得られる。また、必要に応じて上述したセパレータを当該易剥離性粘着層に貼り合せる。
また、例えば、透明樹脂フィルムの一方の面に、上記と同様にして下引層を形成し、これと並行してセパレータ上に上記と同様にして易剥離性粘着層を形成した後、透明樹脂フィルムの下引層が形成された面と、セパレータの易剥離性粘着層が形成された面とを貼り合わせることにより、本発明の易剥離性粘着フィルムを得ることができる。
なお、以上の説明では、本発明の易剥離性粘着フィルムの製造方法の一例について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えばセパレータ上に易剥離性粘着層、下引層、透明樹脂フィルムを順に形成することにより作製してもよい。
また、易剥離性粘着フィルムの製造方法に関し、下引層塗布液に含まれる酸価が10〜100mgKOH/gのカルボキシル基含有樹脂と易剥離性粘着層塗布液に含まれるイソシアネート系硬化剤とを架橋させ、下引層と易剥離性粘着層との密着性を十分なものとする観点から、下引層及び易剥離性粘着層は、両者が貼り合わさる前に、下引層におけるカルボキシル基含有樹脂とアミン系硬化剤との反応及び易剥離性粘着層における電離放射線硬化型樹脂とイソシアネート系硬化剤との反応が、それぞれ完結してしまわないことが好ましい。
本発明の易剥離性粘着フィルムは、一般的な粘着フィルムとして使用することができる。特に、ガラス、シリコン等の半導体用材料を加工する際の仮固定用の粘着フィルムや、金属板をエッチングする際のキャリアシートとして、好適であり、加工時やエッチング時に基材と易剥離性粘着層との密着性を維持することができ、その作業性を良好にすることができる。
以下、本発明の易剥離性粘着フィルムの使用態様の一つである金属板の加工方法について、説明する。すなわち、本発明の金属板の加工方法は、A)金属板に、本発明の易剥離性粘着フィルムの易剥離性粘着層を有する面を貼り合わせる工程、B)易剥離性粘着フィルムを貼着した面に電離放射線を照射し、易剥離性粘着層を硬化させる工程、C)金属板の易剥離性粘着フィルムを有する面とは反対面にマスク部材を貼り合わせ、前記金属板をエッチング液に浸し前記マスク部材のマスクされていない部分の金属板を除去する工程、D)金属板からマスク部材及び易剥離性粘着フィルムを剥離する工程を含む。易剥離性粘着層硬化工程B)と金属板除去工程C)は、いずれを先行してもよい。
また本発明の金属板の加工方法は、さらに、金属板除去工程C)の後に、E)金属板に下引き塗布液を塗布し、金属板を所望の転写物に転写する工程、を含むことができる。この場合、転写工程E)は、工程D)においてマスク部材を剥離後、易剥離性粘着フィルムを剥離する前に行うことが好ましい。また易剥離性粘着層硬化工程B)は、易剥離性粘着フィルムを剥離する前であれば、転写工程E)後に行ってもよいし、金属板除去工程C)の前又は金属板除去工程C)と転写工程E)との間に行ってもよい。
本発明の金属板の加工方法は、金属板をエッチングする際のキャリアシートとして、本発明の易剥離性粘着フィルムを用いることが特徴であり、各工程で用いる材料や各工程の条件は、金属加工の目的や用途に応じて、慣用の材料や処理条件を採用することができる。例えば、マスク部材は、シート状の部材のみならず、フォトレジストの塗膜であってもよいし、エッチング液やエッチング条件は、対象とする金属の種類や厚みに応じて適宜変更される。
本発明のように、透明樹脂フィルム上に下引層と易剥離性粘着層とが順に積層されてなる易剥離性粘着フィルムであって、下引層にアミン系硬化剤及び酸価が10〜100mgKOH/gのカルボキシル基含有樹脂を含み、易剥離性粘着層に電離放射線硬化型粘着剤を含む構成を採用することで、例えば金属エッチング用途で用いる際に耐溶剤性に優れるものとなるため、当該易剥離性粘着フィルムの塗膜剥離がなく、取扱い性に優れたものとなる。したがって、このような金属エッチングのキャリア用としてだけではなく、セラミックコンデンサやシリコンウェハ、ガラスウェハ等の半導体用材料等の加工用途としても好適に用いることができる。
以下、実施例により本発明をさらに詳細に説明する。なお、本実施例において「部」、「%」は、特に示さない限り重量基準である。
1.易剥離性粘着フィルムの作製
[実施例1]
透明樹脂フィルムとして厚み100μmのポリエチレンテレフタレートフィルム(ルミラーS10:東レ社)の一方の面に、下記処方の下引層用塗布液をバーコーター法により塗布し、厚み0.5μmの下引層を形成した。次いで、当該下引層上に下記処方の易剥離性粘着層用塗布液をバーコーター法により塗布し、厚み25μmの易剥離性粘着層を形成し、下引層及び易剥離性粘着層を加熱、乾燥させた。次いで、当該易剥離性粘着層上にセパレータ(厚み25μm、ポリエチレンナフタレートフィルム、MRF:三菱化学ポリエステルフィルム社)の離型処理面を貼り合わせ、実施例1の易剥離性粘着フィルムを作製した。
<実施例1の下引層用塗布液>
・ポリエステル系樹脂 100部
(UR1700:東洋紡績社、酸価:26mgKOH/g、固形分100%)
・アミン系硬化剤 29部
(TAZO:相互薬工社、固形分30%)
・粒子(シリコーン樹脂粒子、平均粒子径:3μm) 1.1部
(トスパール130:モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ社)
・希釈溶剤 942部
<実施例1の易剥離性粘着層用塗布液>
・電離放射線硬化型粘着剤 100部
(コーポニールN7271:日本合成化学社、固形分40%)
・イソシアネート系硬化剤 0.55部
(コロネートL45E:日本ポリウレタン社、固形分45%)
・重合開始剤 1.4部
(イルガキュア184:BASF社、固形分100%)
・希釈溶剤 38部
[実施例2]
実施例1の下引層用塗布液中に含まれる粒子を除いた以外は実施例1と同様にして、実施例2の易剥離性粘着フィルムを作製した。
[実施例3]
実施例1の下引層用塗布液中に含まれるアミン系硬化剤の重量部を6.6部とし、粒子を除いた以外は実施例1と同様にして、実施例3の易剥離性粘着フィルムを作製した。
[実施例4]
実施例1の下引層用塗布液中に含まれるアミン系硬化剤の重量部を107部とし、粒子を除いた以外は実施例1と同様にして、実施例4の易剥離性粘着フィルムを作製した。
なお実施例1〜4において、易剥離性粘着層中のイソシアネート系硬化剤に含まれるイソシアネート基に対する、下引層中のアミン系硬化剤に含まれるアジリジニル基のモル比は、いずれも1.5〜15の範囲内である。
[比較例1]
実施例1の下引層用塗布液中に含まれるアミン系硬化剤を除いた以外は実施例1と同様にして、比較例1の易剥離性粘着フィルムを作製した。
[比較例2]
実施例1の下引層用塗布液を下記処方の下引層用塗布液に変更した以外は、実施例1と同様にして、比較例2の易剥離性粘着フィルムを作製した。
<比較例2の下引層用塗布液>
・ポリエステル系樹脂 100部
(アクリットER20:大成化工社、酸価:2mgKOH/g、固形分40%)
・イソシアネート系硬化剤 4.9部
(タケネートD110N:三井化学社、固形分60%)
・希釈溶剤 225部
[比較例3]
比較例2の下引層用塗布液に、二官能基アクリレートモノマー(カヤラッドR-167、日本化薬社、固形分100%)を9重量部追加した以外は、比較例2と同様にして、比較例3の易剥離性粘着フィルムを作製した。
[比較例4]
実施例1の下引層用塗布液を下記処方の下引層用塗布液に変更した以外は、実施例1と同様にして、比較例4の易剥離性粘着フィルムを作製した。
<比較例4の下引層用塗布液>
・ポリエステル系樹脂 100部
(バイロン200:東洋紡績社、酸価:2mgKOH/g、固形分100%)
・アミン系硬化剤 29部
(TAZO:相互薬工社、固形分30%)
・希釈溶剤 932部
2.評価
(1)密着性
実施例1〜4及び比較例1〜4の易剥離性粘着フィルムからそれぞれセパレータを剥離して易剥離性粘着層を露出させ、透明樹脂フィルム側からメタルハライドランプにより400mJ/cm2の紫外線を照射して、電離放射線硬化型粘着剤を硬化させた。その後、当該易剥離性粘着フィルムについてJIS−K5400 1990における碁盤目テープ法に基づき測定して評価した。碁盤目部分が1個も剥離しなかったものを「○」、碁盤目部分が5個未満で剥離してしまったものを「△」、碁盤目部分が5個を超えて剥離してしまったものを「×」とした。測定結果を表1に示す。
(2)耐溶剤性(液滴評価)
実施例1〜4及び比較例1〜4易剥離性粘着フィルムからそれぞれセパレータを剥離して易剥離性粘着層を露出させ、透明樹脂フィルム側からメタルハライドランプにより400mJ/cm2の紫外線を照射して、電離放射線硬化型粘着剤を硬化させた。その後、当該易剥離性粘着層表面にトルエンを数滴滴下した。滴下後5分間放置したが、当該易剥離性粘着層を観察し、端部に剥がれが生じなかったものを「○」、2分以上5分未満放置したが、当該易剥離性粘着層を観察し、端部に剥がれが生じなかったものを「△」、滴下直後に端部に剥がれが生じたものを「×」とした。測定結果を表1に示す。
(3)耐溶剤性(ラビング評価)
また、(2)に並行して、上述のように電離放射線硬化型粘着剤を硬化させた後、当該易剥離性粘着層表面を、トルエンを染み込ませたウエスにて10往復擦り、当該易剥離性粘着層を観察した。当該易剥離性粘着層の端部に剥がれが生じなかったものを「○」、剥がれが生じたものを「×」とした。評価結果を表1に示す。
Figure 0006109152
表1の結果から明らかなように、実施例1〜4の易剥離性粘着フィルムは、透明樹脂フィルム上に、アミン系硬化剤及び酸価が10〜100mgKOH/gのカルボキシル基含有樹脂を含む下引層と、電離放射線硬化型粘着剤を含む易剥離性粘着層とを順に有するものであるため、碁盤目剥離評価が良好で基材と下引層との密着性、及び下引層と易剥離性粘着層との密着性に優れるものであった。また、トルエンを用いた耐溶剤性試験にも優れるものであった。
特に、実施例1及び実施例2の易剥離性粘着フィルムは、カルボキシル基含有樹脂100重量部に対してアミン系硬化剤が2〜30重量部の割合で含有されていたため、特に下引層と易剥離性粘着層との密着性及び耐溶剤性に優れるものであった。
また、実施例1と実施例2を比較すると、実施例1の易剥離性粘着フィルムは下引層が粒子を含んでいるため、粒子によって形成された表面凹凸形状が粘着層に対して投錨効果を発揮し、実施例2よりも下引層と易剥離性粘着層との密着性、並びに、初期粘着性にも優れるものであった。
一方、比較例1の易剥離性粘着フィルムは、下引層にアミン系硬化剤が含まれないものであったため、基材と下引層との密着性、及び下引層と易剥離性粘着層との密着性に劣り、トルエンを用いた耐溶剤性試験にも劣るものであった。
また、比較例2の易剥離性粘着フィルムは、下引層にアミン系硬化剤の代わりにイソシアネート系硬化剤を用いたものであるが、比較例1に対し、基材と下引層との密着性、及び下引層と易剥離性粘着層との密着性とを改善することができなかった。
比較例3の易剥離性粘着フィルムは、基材と下引層との密着性、及び下引層と易剥離性粘着層との密着性を向上させるために、アミン系硬化剤ではなく、二官能基アクリレートモノマーを用いたものであるが、アミン系硬化剤を用いた実施例に比べ、基材と下引層との密着性、及び下引層と易剥離性粘着層との密着性に劣り、また、トルエンを用いた耐溶剤性試験にも劣るものであった。
また、比較例4の易剥離性粘着フィルムは、アミン系硬化剤及びカルボキシル基含有樹脂を有するものであったが、カルボキシル基含有樹脂の酸価が10mgKOH/g未満であったため、下引層と易剥離性粘着層との密着性に劣り、トルエンを用いた耐溶剤性試験にも劣るものであった。

Claims (8)

  1. 透明樹脂フィルム上に、下引層と、易剥離性粘着層とが順に積層されてなる易剥離性粘着フィルムであって、
    前記下引層は、アミン系硬化剤及び酸価が10〜100mgKOH/gのカルボキシル基含有樹脂を含み、
    前記易剥離性粘着層は、電離放射線硬化型粘着剤およびイソシアネート系硬化剤を含み、
    前記イソシアネート系硬化剤および前記アミン系硬化剤によって前記カルボキシル基含有樹脂が架橋していることを特徴とする易剥離性粘着フィルム。
  2. 前記イソシアネート系硬化剤に含まれるイソシアネート基のモル数に対する、前記アミン系硬化剤に含まれるアジリジニル基のモル数の割合が、1.5〜15であることを特徴とする請求項に記載の易剥離性粘着フィルム。
  3. 前記下引層は、前記カルボキシル基含有樹脂100重量部に対し、前記アミン系硬化剤を1.9832.1重量部含有することを特徴とする請求項1または2に記載の易剥離性粘着フィルム。
  4. 前記下引層は、粒子をさらに含むことを特徴とする請求項1〜3何れか1項に記載の易剥離性粘着フィルム。
  5. 前記アミン系硬化剤は、3官能アジリジン化合物であることを特徴とする請求項1〜4何れか1項に記載の易剥離性粘着フィルム。
  6. A)金属板に、請求項1〜5何れか1項記載の易剥離性粘着フィルムの易剥離性粘着層を有する面を貼り合わせる工程、
    B)金属板に貼着した易剥離性粘着フィルムに電離放射線を照射し、易剥離性粘着層を硬化させる工程、
    C)金属板の易剥離性粘着フィルムを有する面とは反対面にマスクを形成し、前記金属板をエッチング液に浸し前記マスクが形成されていない部分の金属板を除去する工程、
    D)金属板からマスクを除去し、易剥離性粘着フィルムを剥離する工程、
    を含むことを特徴とする金属板の加工方法。
  7. B)の工程を、C)の工程の後に行うことを特徴とする請求項6に記載の金属板の加工方法。
  8. D)の工程において、金属板からマスクを除去した後、易剥離性粘着フィルムを剥離する前に、
    E)金属板を被転写物に転写する工程を含むことを特徴とする請求項6又は7に記載の金属板の加工方法。
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