JP2004051723A - 粘着シート用下塗剤組成物及び粘着シート - Google Patents
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Abstract
【課題】ハロゲン元素を含まない下塗剤層を設けることにより、ゴム系粘着剤層とポリエステル系基材との密着性を強固にした粘着テープを提供する。
【解決手段】第1成分としてポリエステル樹脂、第2成分としてカルボキシル基を含有するポリイソプレンゴム及び第3成分としてアミノ基を含有するシランカップリング剤の3成分を必須成分として含有することを特徴とする、ポリエステル系基材とゴム系粘着剤層を有する粘着シート用の下塗剤組成物、及びポリエステル系基材上に該下塗剤組成物層とゴム系粘着層を有する粘着シート。
【選択図】 なし
【解決手段】第1成分としてポリエステル樹脂、第2成分としてカルボキシル基を含有するポリイソプレンゴム及び第3成分としてアミノ基を含有するシランカップリング剤の3成分を必須成分として含有することを特徴とする、ポリエステル系基材とゴム系粘着剤層を有する粘着シート用の下塗剤組成物、及びポリエステル系基材上に該下塗剤組成物層とゴム系粘着層を有する粘着シート。
【選択図】 なし
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、基材シート又はテープに粘着剤を塗布する際に使用される下塗剤と、それを用いてなる粘着シート又は粘着テープに関するものである(以下、本明細書においては、「粘着シート」、「粘着テープ」及び「粘着フィルム」のいずれかを称して、単に「粘着シート」ともいう。)。
【0002】
【従来の技術】
従来、粘着シートや粘着テープに使用される粘着剤としては、天然ゴム等を主成分としたゴム系粘着剤が汎用され、用途、目的に応じて、様々な粘着付与樹脂を混合することにより、各種糊質の粘着層を有する粘着シートや粘着テープが製造されている。
【0003】
一方、粘着剤層を支持する基材としては、粘着シートや粘着テープの用途に応じて種々のものが採用されているが、そのなかでも合成樹脂製のもの、特にポリエステル樹脂系基材は、力学的強度、耐薬品性、絶縁性等の性能が優れることに加え、比較的安価であり、性能とコストのバランスがとれていることから古くから多用されている。
【0004】
しかしながら、このポリエステル系基材は、粘着剤、特にゴム系粘着剤との親和性が乏しいために、粘着剤の配合処方や基材構成によっては、粘着テープを巻き戻す際に次層の基材背面側に粘着剤が移行したりする問題が発生することがあった。また、マスキング用テープや養生用テープなどに用いる場合、不要になって再剥離させる際に被着体に糊残りが生じて、被着体を汚染する等の問題が発生することがあった。
【0005】
これらの問題点を解決するために、基材に対する投錨効果を大きくすることが試みられている。即ち、ポリエステル基材の粘着剤が塗布される面に、コロナ放電処理を行ったり、ポリウレタン系材料やポリメタクリル酸メチルをグラフト化した天然ゴム、環化ゴム等を主成分とした下塗剤層を設けたりする等の手段が採られてきたが、殆どの場合、基材との密着効果が不十分であり、粘着剤の配合処方によっては密着効果が大きく異なる下塗剤も存在していた。
【0006】
また、基材の粘着剤が塗布される面にポリエステル樹脂との親和性に優れる下塗剤とゴム系粘着剤との親和性に優れる下塗剤を二層設ける方法(米国特許第3,197,326号明細書)等が行われてきたが、下塗剤塗布作業が2工程必要である等、汎用性に欠ける面があった。
【0007】
更に、従来の下塗剤のなかには、ポリ塩化ビニリデン、クロロプレンゴム、塩素化ゴム系接着剤等を利用したハロゲン元素を含む下塗剤も用いられてきたが、使用済みの粘着テープを焼却する際、ダイオキシンなど環境に有害な物質を排出するという問題点も存在していた。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、基材、特にポリエステル系基材に対するゴム系粘着剤層の密着性を向上させる手段として、基材と粘着剤層間にハロゲン元素を含まない下塗剤層を一層のみ設けることにより、ゴム系粘着剤層とポリエステル系基材との密着性を強固にした粘着テープもしくは粘着シートを提供することを目的とするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、これらの目的を達成するために鋭意検討した結果、下塗剤層を、ポリエステル樹脂(第1成分)と、カルボキシル基を含有するポリイソプレンゴム(第2成分)及びアミノ基を含有するシランカップリング剤(第3成分)の3成分を少なくとも必須成分して含有する下塗剤組成物を使用して形成し、さらに粘着剤層を、カルボキシル基含有ポリイソプレンゴムを添加し、好ましくは、さらにアミノ基含有シランカップリング剤を添加した天然ゴム又は合成イソプレンゴムを主体としたエラストマーからなるゴム系粘着剤によって形成することによって上記目的が達成されることを見出し、本発明に到達した。
【0010】
本発明は、以下の各発明を包含する。
なお、本発明において、「粘着シート」という用語は、特にシート体、フィルム体又はテープ体であると明記されていない限り、粘着シート、粘着フィルム及び粘着テープと称されているものを全て包含する用語として使用されている。
【0011】
(1)第1成分としてポリエステル樹脂、第2成分としてカルボキシル基を含有するポリイソプレンゴム及び第3成分としてアミノ基を含有するシランカップリング剤の3成分を必須成分として含有することを特徴とする粘着シート用下塗剤組成物。
【0012】
(2)前記粘着シートは、基材がポリエステル系シートであり、粘着剤層がゴム系粘着剤であることを特徴とする、(1)記載の粘着シート用下塗剤組成物。
【0013】
(3)前記第1成分と第2成分の配合割合は質量比で、第1成分:第2成分=1:1〜20であることを特徴とする、(1)又は(2)に記載の粘着シート用下塗剤組成物。
【0014】
(4)前記第3成分としてのアミノ基を含有するシランカップリング剤の配合割合は、前記第1成分と第2成分の合計100質量部に対して、5〜50質量部であることを特徴とする、(1)、(2)又は(3)に記載の粘着シート用下塗剤組成物。
【0015】
(5)前記第1成分としてポリエステル樹脂は、有機溶剤に可溶な熱可塑性の飽和又は不飽和の共重合ポリエステル樹脂から選ばれたものであることを特徴とする、(1)〜(4)のいずれか1項に記載の粘着シート用下塗剤組成物。
【0016】
(6)前記第2成分としてのカルボキシル基を含有するポリイソプレンゴムは、イソシアネート化合物、酸無水物、アミン化合物、エポキシ化合物、金属キレート類、アジリジン化合物から選ばれる架橋剤を含有することを特徴とする、(1)〜(5)のいずれか1項に記載の粘着シート用下塗剤組成物。
【0017】
(7)前記第3成分としてのアミノ基を含有するシランカップリング剤は、少なくとも構造中にアミノ基を有するシラン化合物から選ばれることを特徴とする、(1)〜(6)のいずれか1項に記載の粘着シート用下塗剤組成物。
【0018】
(8)前記アミノ基を含有するシランカップリング剤は、N−(β−アミノエチル)γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン,N−(β−アミノエチル)γ−アミノプロピルトリメトキシシラン,N−(β−アミノエチル)γ−アミノプロピルトリエトキシシラン,γ−アミノプロピルトリメトキシシラン及びγ−アミノプロピルトリエトキシシランから選ばれることを特徴とする(7)記載の粘着シート用下塗剤組成物。
【0019】
(9)ポリエステル系基材と、(1)〜(8)のいずれか1項に記載の粘着シート用下塗剤組成物から形成されている下塗剤層と、該下塗剤層上に形成されているゴム系粘着剤層からなる粘着シート。
【0020】
(10)前記ゴム系粘着剤層は、天然ゴム及び/又は合成イソプレンゴムとからなるエラストマー成分を50質量%以上含有する層であることを特徴とする(9)記載の粘着シート。
(11)前記エラストマー成分は、カルボキシル基含有イソプレンゴムを該エラストマー成分中に5〜30質量%含有することを特徴とする(10)記載の粘着シート。
【0021】
(12)前記ゴム系粘着剤層は、アミノ基含有シランカップリング剤を含有する層であることを特徴とする(9)〜(11)のいずれか1項に記載の粘着シート。
【0022】
(13)前記エラストマー成分中に、合成イソプレンゴム以外の合成ゴムを45質量%以下の量で含有することを特徴とする(9)〜(12)のいずれか1項に記載の粘着シート。
【0023】
(14)前記ゴム系粘着剤層は、前記エラストマー成分100質量部に対して粘着付与樹脂を20〜200質量部含有することを特徴とする(9)〜(13)のいずれか1項に記載の粘着シート。
【0024】
(15)前記ゴム系粘着剤層は、パラフィン系プロセスオイルなどの鉱油類、液状ポリイソプレンゴムなどの液状ゴム、ポリエステル系可塑剤などの可塑剤、植物性油などの軟化剤及び芳香族第二級アミン系、モノフェノール系、ポリフェノール系、ベンゾイミダゾール系、亜リン酸系などの老化防止剤、反応性フェノール樹脂、硫黄、チウラム類等の硫黄化合物やマレイミド等の加硫剤から選ばれる少なくとも1種を含有することを特徴とする(9)〜(14)のいずれか1項に記載の粘着シート。
【0025】
(16)前記基材が、ポリエステル樹脂単体又はポリエステル樹脂を含む複合体からなるフィルム、クロス及び不織布から選ばれる1種であることを特徴とする(9)〜(15)のいずれか1項に記載の粘着シート。
【0026】
【発明の実施の形態】
以下、本発明をさらに詳細に説明する。本発明の粘着シートは、ポリエステル樹脂系基材/前記特定の組成物からなる下塗剤層/ゴム系粘着剤層の三層構造を有しており、場合によっては、基材背面に離型剤層を形成したものや、粘着剤層側にライナーを有するものも包含している。
【0027】
本発明に使用するポリエステル系基材としては特に制限はなく、ポリエチレンテレフタレート(PET)やポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリエチレンナフタレート(PEN)等のポリエステル素材によって形成されているフィルム、クロス、不織布等の単独又はこれらの複合体、ポリエステルと他の素材との複合体(例えばPET/スフの混紡布等)等が挙げられる。
【0028】
本発明の下塗剤組成物に、第1成分として用いられるポリエステル樹脂には特に制限はないが、下塗剤組成物は有機溶剤を介して配合されるため、トルエンや酢酸エチル、メチルエチルケトン等の一般的な有機溶剤に可溶であることが求められる。
【0029】
本発明の下塗剤組成物には、第2成分としてカルボキシル基を含有するポリイソプレンゴムを使用する。この成分は、粘着剤中の天然ゴムや一般の合成イソプレンゴム系エラストマーと基本的に同じポリイソプレン骨格からなることから、ゴム系粘着剤との相溶性がよく、更には、架橋剤等との反応が可能な官能基(カルボキシル基)を有している。
上記第2成分であるカルボキシル基を含有するポリイソプレンゴム中には、イソシアネート化合物、酸無水物、アミン化合物、エポキシ化合物、金属キレート類、アジリジン化合物等の架橋剤が予め含まれていても構わない。
【0030】
上記ポリエステル樹脂(第1成分)、カルボキシル基含有のポリイソプレンゴム(第2成分)を混合した配合物には、上記第2成分としてのカルボキシル基を含有するポリイソプレンゴムと反応して下塗剤層を強化し、また、ゴム系粘着剤側に好適に配合されるカルボキシル基含有のポリイソプレンゴムとの反応を促進して下塗剤層と粘着剤層の層間密着強度を向上させる第3成分としてアミノ基を有するシランカップリング剤が含まれている。
【0031】
下塗剤組成物の各成分の構成比率は、質量比でポリエステル樹脂:カルボキシル基含有のポリイソプレンゴム=1:1〜20程度が好ましく、更に好ましくは1:5〜10程度である。この配合物の固形分100質量部に対して、シランカップリング剤が5〜50質量部程度添加されるが、好ましくは10〜30質量部、更に好ましくは15〜25質量部程度である。
【0032】
上記下塗剤の調製方法に特に制限はないが、ポリエステル樹脂、カルボキシル基含有のポリイソプレンゴムをトルエン、メチルエチルケトン、酢酸エチル等の有機溶剤に溶解した後、シランカップリング剤を添加、攪拌して調製することができる。なお、有機溶剤に溶解する前にシランカップリング剤を添加すると、温度環境などによっては、カルボキシル基含有のポリイソプレンゴム等がゲル化する場合があるので注意を要する。
本発明の下塗剤の固形分濃度は、通常、1〜20質量%程度であり、グラビアコーター、キスコータ一等で、厚みが通常0.1〜2μm程度となるように塗布されるが、塗工方法に関しては特に限定されるものではない。
【0033】
本発明の下塗剤組成物に使用されるシランカップリング剤とゴム系粘着剤に添加されるシランカップリング剤は、少なくとも構造中にアミノ基を含む下式で示されるシラン化合物であり、N−(β−アミノエチル)γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン,N−(β−アミノエチル)γ−アミノプロピルトリメトキシシラン,N−(β−アミノエチル)γ−アミノプロピルトリエトキシシラン,γ−アミノプロピルトリメトキシシラン及びγ−アミノプロピルトリエトキシシランから選ばれる。
【0034】
H2N−C2H4−NH−C3H6−SiCH3(OCH3)2
H2N−C2H4−NH−C3H6−Si(OCH3)3
H2N−C2H4−NH−C3H6−Si(OC2H5)3
H2N−C3H6−Si(OCH3)3
H2N−C3H6−Si(OC2H5)3
【0035】
本発明の粘着シートに用いられる粘着剤は、カルボキシル基含有のイソプレンゴムを含有することが好ましい。該カルボキシル基含有イソプレンゴムの含有量は、天然ゴム又は合成イソプレンゴムとカルボキシル基含有イソプレンゴムを含むエラストマー全体に対して5〜30質量%とするのが好ましい。5質量%未満では、シランカップリング剤による下塗剤層と粘着剤層との反応による密着効果が充分に得られない。また、30質量%を越えると極性の高いカルボキシル基濃度が増加し、特性的にバランスのとれたイソプレンゴム系粘着剤本来の粘着特性が損なわれる可能性がある。
【0036】
本発明の粘着シートに用いられるゴム系粘着剤中のエラストマーは50質量%以上が天然ゴム又は合成イソプレンゴムであり、カルボキシル基含有イソプレンゴムを含めたエラストマー100質量部に対して少なくとも粘着付与樹脂が20〜200質量部の範囲で含まれることが望ましく、特に50〜150質量部含まれていることが好ましい。
【0037】
天然ゴム又は合成イソプレンゴムの含有量が50質量%未満の時には、粘着剤に配合するカルボキシル基含有イソプレンゴムとの混和性や下塗剤に配合するカルボキシル基含有イソプレンゴムとの接着性が低下して、充分な密着効果が得られない場合がある。また、粘着付与樹脂の添加量が20質量部未満の時は粘着特性が不足し、200質量部以上の時には粘着剤としての柔軟性が不足する。
【0038】
粘着付与樹脂としては、ロジン、ロジンエステル等のロジン系樹脂、テルペン樹脂、芳香族変性テルペン樹脂、水添テルペン樹脂、テルペンフェノール等のテルペン系樹脂、脂肪族系石油樹脂、芳香族系石油樹脂、共重合系石油樹脂、脂環属系石油樹脂、クマロン・インデン樹脂、ピュア・モノマー系樹脂等の重合系樹脂、フェノール系樹脂、キシレン樹脂等の縮合系樹脂等があり、これらのうち1種又は2種以上を組み合わせて使用することができる。本発明では、粘着剤中に配合する粘着付与樹脂に関しては、殆どの種類の樹脂で高い密着効果が得られるが、天然ゴムや合成イソプレンゴムと極端に相溶性が悪く、混合しても粘着剤として成立しないような樹脂では、高い密着効果が得られない場合がある。
【0039】
天然ゴム、合成イソプレンゴム以外のエラストマーとしては、例えばスチレンブタジエンゴム、ブチルゴム、ブタジエンゴム及びスチレン・イソプレンブロックコポリマー等の合成ゴムが、天然ゴム又は合成イソプレンゴムとカルボキシル基含有イソプレンゴムを含むエラストマーの配合量に従って45質量%以下の範囲で単独又は2種以上の混合物として使用してもよい。
【0040】
また、上記ゴム系粘着剤には、必要に応じて、パラフィン系プロセスオイル等の鉱油、液状ポリイソプレン等の液状ゴム、ポリエステル系可塑剤、植物性油等を含む軟化剤や、芳香族第二級アミン系、モノフェノール系、ビスフェノール系、ポリフェノール系、ベンゾイミダゾール系、亜燐酸系等の老化防止剤を1種又は2種以上を併用して使用してもよい。軟化剤の使用により初期粘着性を向上させることができ、老化防止剤により熱劣化、酸化劣化を防止することができる。また、シリカ、水酸化金属など種類によっては粘着層の補強性向上に効果が望めるものもあるので、シランカップリング剤との反応が期待できるシリカ、アルミナ、クレー、水酸化金属などの充填剤を単独又は2種以上を併用して用いてもよい。
【0041】
上記ゴム系粘着剤は、反応性フェノール樹脂、硫黄、チウラム類等の硫黄化合物、マレイミド等の加硫剤で加硫して用いてもよい。加硫して用いた方が、再剥離用途や耐熱クリープ性が要求される用途に対しては好ましいが、これらの使用に関しては任意である。
【0042】
また、カルボキシル基と反応が見込める、イソシアネート化合物、アミン化合物、金属キレート類、エポキシ化合物等の架橋剤を併用して用いても構わないが、多用すると粘着剤層と下塗剤層間の密着性に対して阻害を起こす場合も考えられる。
【0043】
本発明の粘着シートに用いるゴム系粘着剤の調製方法は、特に限定されるものではないが、例えば、適当な可塑度に素練りした天然ゴムや合成ゴム、又は必要に応じて無機充填剤等を混練した混合物と、カルボキシル基含有イソプレンゴムをトルエンなどの有機溶剤に溶解して、粘着付与樹脂とシランカップリング剤を加え、場合により、加硫剤、無機充填剤、老化防止剤、軟化剤等を加えて攪拌し、これらを溶解・分散して調製する。
【0044】
このようにして調製された粘着剤の塗工方法は、特に限定されるものではないが、例えば、ロールコーターやリバースコーター等で上記ポリエステル系基材に塗布し、加熱して溶剤を揮発させることにより本発明の粘着シートが得られる。粘着剤層の厚みは、通常5〜60μmであるが、好ましくは10〜40μm程度が一般的な粘着テープや粘着シートとして望ましい。
【0045】
本発明の粘着テープを製造する際、上記下塗剤と粘着剤が塗布される面の反対側(テープ背面側)に、必要に応じ離型剤を塗布することができる。しかし、離型剤の種類によっては(例えばエポキシ基等の官能基を含有しているシリコーン系等)、粘着剤中のアミノ基含有シランカップリング剤と離型剤に含まれる官能基が反応して離型性が本来のものよりも低下する場合もある。
【0046】
【作用】
本発明の粘着シートは、下塗剤形成成分としてポリエステル樹脂を使用しているので、ポリエステル系基材との間で強固な密着性を具現化することができる。また、下塗剤形成成分のカルボキシル基含有のイソプレンゴムとゴム系粘着剤の高い親和性を利用して、粘着剤層と下塗剤層との高い密着性を実現する。更には、下塗剤と粘着剤両方に添加されているカルボキシル基を含んだイソプレンゴム中のカルボキシル基同士を、アミノ基を分子構造内に有するシランカップリング剤が結合させ、各種の粘着付与剤で調製した様々な糊質の粘着剤に対して、高い密着効果を発現することが可能となる。下塗剤形成成分として添加されるシランカップリング剤は、塗布された下塗剤層と粘着剤層両方の凝集力や耐溶剤性、耐熱性等を向上させる効果も同時に有しているため、下塗剤層内部での破壊を防止する効果や、粘着テープ又は粘着シート自体の実用性能をも向上させることができる。
【0047】
また、本発明による下塗剤は、クロロプレン系接着剤、塩化ビニリデン系接着剤等、下塗剤構成成分として従来多用されてきた含ハロゲン化合物を使用していないので、環境に負荷となるダイオキシン等を放出させたりすることもない。
【0048】
【実施例】
以下、本発明を実施例で更に具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例によって限定されるものではない。なお、実施例中において「部」及び「%」は「質量部」及び「質量%」を示すものである。
【0049】
実施例1
(下塗剤組成物の調製)
第1成分のポリエステル樹脂として、熱可塑性飽和共重合ポリエステル樹脂〔東レ(株)製「ケミットK−1089」〕を用い、20%トルエン溶液として使用した。また、第2成分として、カルボキシル基含有の液状イソプレンゴム〔(株)クラレ製「クラプレンLIR410」〕をトルエンに溶解して50%溶液として用いた。トルエン200部、メチルエチルケトン130部の混合溶剤に、上記ポリエステル樹脂溶液21部、上記カルボキシル基含有液状イソプレンゴム溶液45部、を混合、攪拌した後、第3成分としてアミノ基含有シランカップリング剤〔信越化学工業(株)製「KBM603」〕を5.5部添加し、攪拌して下塗剤とした。
【0050】
(基材への下塗剤の塗布)
基材として、厚み38μmのポリエステルフィルム〔東レ(株)製「ルミラーS−10」〕を用い、その片面にグラビアコーターにより上記下塗剤の乾燥後の塗布量が1.3〜1.7g/m2となるように塗布し、70℃の温度で2分間乾燥を行った。該下塗剤は、配合当日に塗布を行った。
【0051】
(粘着剤組成物の調製)
天然ゴム100部と酸化亜鉛10部との混練物(ウォーレス可塑度30)88部、カルボキシル基含有の液状イソプレンゴム〔(株)クラレ製「クラプレンLIR410」〕20部、アミノ基含有シランカップリング剤〔信越化学工業(株)製「KBM603」〕5部、石油系粘着付与樹脂〔日本ゼオン(株)製、「クイントンR100」〕90部をトルエンに溶解、分散して粘着剤を調製し、上記基材に下塗剤層が形成された面に、ロールコーターで乾燥後の厚みが30μmになるように塗布し、150℃×2分乾燥の後、巻取ることにより目的の粘着テープを調製した。
【0052】
実施例2
実施例1の粘着剤において、アミノ基含有シランカップリング剤〔信越化学工業(株)製「KBM603」〕5部を添加しない以外は、実施例1と同様に粘着剤を調製し、実施例1と同様に粘着テープを調製した。
【0053】
実施例3
カルボキシル基を含有するポリイソプレンゴムを配合しなかった以外は、実施例1と同様の材料を用いて粘着剤を調製し、実施例1と同様の下塗剤層を有する基材に塗布して粘着テープを調製した。
【0054】
実施例4
天然ゴム100部と酸化亜鉛10部との混練物(ウォーレス可塑度30)88部、カルボキシル基含有の液状イソプレンゴム〔クラレ(株)製「クラプレンLIR410」〕20部、アミノ基含有シランカップリング剤〔信越化学工業(株)製「KBM603」〕5部、テルペン系(α−ピネン)粘着付与樹脂〔ヤスハラケミカル(株)製、YSレジンA800〕90部をトルエンに溶解、分散して粘着剤を調製し、上記基材に下塗剤層が形成された面に、ロールコーターで乾燥後の厚みが30μmになるように塗布し、150℃×2分乾燥の後、巻取ることにより目的の粘着テープを調製した。
【0055】
実施例5
天然ゴム100部と酸化亜鉛10部との混練物(ウォーレス可塑度30)88部、カルボキシル基含有の液状イソプレンゴム〔クラレ(株)製・クラプレンLIR410〕20部、アミノ基含有シランカップリング剤〔信越化学工業(株)製「KBM603」〕5部、ロジン系粘着付与樹脂〔荒川化学工業(株)製、ペンセルD125〕90部をトルエンに溶解・分散して粘着剤を調製し、上記基材に下塗剤層が形成された面に、ロールコーターで乾燥後の厚みが30μmになるように塗布し、150℃×2分乾燥の後、巻取ることにより目的の粘着テープを調製した。
【0056】
比較例1
第1成分のポリエステル樹脂としての熱可塑性飽和共重合ポリエステル樹脂〔東レ(株)製「ケミットK−1089」〕の20%トルエン溶液を使用しない以外は、実施例1と同様の材料を用いて下塗り剤組成物を調製し、実施例1と同様の基材の下塗剤層として使用し、実施例1と同様の材料を用いて粘着テープを製造した。
【0057】
比較例2
第2成分としてのカルボキシル基を含有するポリイソプレンゴムを配合しなかった以外は、実施例1と同様の材料を用いて下塗剤組成物を調製し、実施例1と同様の基材の下塗剤層として使用し、実施例1と同様に粘着テープを調製した。
【0058】
比較例3
第3成分としてのアミノ基含有シランカップリング剤〔信越化学工業(株)製「KBM603」〕を配合しなかった以外は、実施例1と同様の材料を用いて下塗剤組成物を調製し、実施例1と同様の基材の下塗剤層として使用し、実施例1と同様に粘着テープを調製した。
【0059】
(試験方法)
次に、本発明の下塗剤を使用した粘着テープの有効性を示すため、上記各実施例及び比較例で調製した粘着テープ用いて基材と粘着剤層との密着性の評価を行い、粘着特性との照合を行った。評価結果は、表1に示す。
【0060】
(基材と粘着剤層との密着性評価=下塗効果)
試験方法としては、調製した粘着テープ試料(幅:10mm、長さ:約50mm)を各サンプルにつき2片準備し、それぞれの粘着面同士を接着させて離す操作を、2回/1秒の間隔で繰り返し、基材からの粘着剤層の剥がれ具合を観察することにより評価を行った。
【0061】
◎:極めて密着性がよく、20回以上行っても粘着剤層が殆どめくれない
○:10回以上行って多少粘着剤層が基材から剥がれるが、大きくはめくれない
△:比較的基材から剥がれやすいが5回以上行わないと粘着剤層がめくれない
×:5回未満の操作で、基材から粘着剤層が大きく取られる
【0062】
(粘着特性)
1)粘着力:JIS C−2107−1999
2)タック:JIS Z−0237−2000(角度20°)
3)保持力:JIS C−2237−1999(荷重100g、温度160℃)
【0063】
【表1】
【0064】
【発明の効果】
以上のように、本発明の粘着テープもしくは粘着シートは、前記3成分を必須成分として含有する下塗剤層とゴム系粘着剤層との組み合わせにより、系統が異なる各種粘着付与樹脂による異なる糊質の各粘着剤に対しても、ポリエステル基材から粘着剤層が剥がれにくい強固な密着性を示していることから、用途目的に応じて多様な粘着特性の粘着テープ又は粘着シートを供給することが可能となり、用途範囲を拡大させることができる。
【発明の属する技術分野】
本発明は、基材シート又はテープに粘着剤を塗布する際に使用される下塗剤と、それを用いてなる粘着シート又は粘着テープに関するものである(以下、本明細書においては、「粘着シート」、「粘着テープ」及び「粘着フィルム」のいずれかを称して、単に「粘着シート」ともいう。)。
【0002】
【従来の技術】
従来、粘着シートや粘着テープに使用される粘着剤としては、天然ゴム等を主成分としたゴム系粘着剤が汎用され、用途、目的に応じて、様々な粘着付与樹脂を混合することにより、各種糊質の粘着層を有する粘着シートや粘着テープが製造されている。
【0003】
一方、粘着剤層を支持する基材としては、粘着シートや粘着テープの用途に応じて種々のものが採用されているが、そのなかでも合成樹脂製のもの、特にポリエステル樹脂系基材は、力学的強度、耐薬品性、絶縁性等の性能が優れることに加え、比較的安価であり、性能とコストのバランスがとれていることから古くから多用されている。
【0004】
しかしながら、このポリエステル系基材は、粘着剤、特にゴム系粘着剤との親和性が乏しいために、粘着剤の配合処方や基材構成によっては、粘着テープを巻き戻す際に次層の基材背面側に粘着剤が移行したりする問題が発生することがあった。また、マスキング用テープや養生用テープなどに用いる場合、不要になって再剥離させる際に被着体に糊残りが生じて、被着体を汚染する等の問題が発生することがあった。
【0005】
これらの問題点を解決するために、基材に対する投錨効果を大きくすることが試みられている。即ち、ポリエステル基材の粘着剤が塗布される面に、コロナ放電処理を行ったり、ポリウレタン系材料やポリメタクリル酸メチルをグラフト化した天然ゴム、環化ゴム等を主成分とした下塗剤層を設けたりする等の手段が採られてきたが、殆どの場合、基材との密着効果が不十分であり、粘着剤の配合処方によっては密着効果が大きく異なる下塗剤も存在していた。
【0006】
また、基材の粘着剤が塗布される面にポリエステル樹脂との親和性に優れる下塗剤とゴム系粘着剤との親和性に優れる下塗剤を二層設ける方法(米国特許第3,197,326号明細書)等が行われてきたが、下塗剤塗布作業が2工程必要である等、汎用性に欠ける面があった。
【0007】
更に、従来の下塗剤のなかには、ポリ塩化ビニリデン、クロロプレンゴム、塩素化ゴム系接着剤等を利用したハロゲン元素を含む下塗剤も用いられてきたが、使用済みの粘着テープを焼却する際、ダイオキシンなど環境に有害な物質を排出するという問題点も存在していた。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、基材、特にポリエステル系基材に対するゴム系粘着剤層の密着性を向上させる手段として、基材と粘着剤層間にハロゲン元素を含まない下塗剤層を一層のみ設けることにより、ゴム系粘着剤層とポリエステル系基材との密着性を強固にした粘着テープもしくは粘着シートを提供することを目的とするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、これらの目的を達成するために鋭意検討した結果、下塗剤層を、ポリエステル樹脂(第1成分)と、カルボキシル基を含有するポリイソプレンゴム(第2成分)及びアミノ基を含有するシランカップリング剤(第3成分)の3成分を少なくとも必須成分して含有する下塗剤組成物を使用して形成し、さらに粘着剤層を、カルボキシル基含有ポリイソプレンゴムを添加し、好ましくは、さらにアミノ基含有シランカップリング剤を添加した天然ゴム又は合成イソプレンゴムを主体としたエラストマーからなるゴム系粘着剤によって形成することによって上記目的が達成されることを見出し、本発明に到達した。
【0010】
本発明は、以下の各発明を包含する。
なお、本発明において、「粘着シート」という用語は、特にシート体、フィルム体又はテープ体であると明記されていない限り、粘着シート、粘着フィルム及び粘着テープと称されているものを全て包含する用語として使用されている。
【0011】
(1)第1成分としてポリエステル樹脂、第2成分としてカルボキシル基を含有するポリイソプレンゴム及び第3成分としてアミノ基を含有するシランカップリング剤の3成分を必須成分として含有することを特徴とする粘着シート用下塗剤組成物。
【0012】
(2)前記粘着シートは、基材がポリエステル系シートであり、粘着剤層がゴム系粘着剤であることを特徴とする、(1)記載の粘着シート用下塗剤組成物。
【0013】
(3)前記第1成分と第2成分の配合割合は質量比で、第1成分:第2成分=1:1〜20であることを特徴とする、(1)又は(2)に記載の粘着シート用下塗剤組成物。
【0014】
(4)前記第3成分としてのアミノ基を含有するシランカップリング剤の配合割合は、前記第1成分と第2成分の合計100質量部に対して、5〜50質量部であることを特徴とする、(1)、(2)又は(3)に記載の粘着シート用下塗剤組成物。
【0015】
(5)前記第1成分としてポリエステル樹脂は、有機溶剤に可溶な熱可塑性の飽和又は不飽和の共重合ポリエステル樹脂から選ばれたものであることを特徴とする、(1)〜(4)のいずれか1項に記載の粘着シート用下塗剤組成物。
【0016】
(6)前記第2成分としてのカルボキシル基を含有するポリイソプレンゴムは、イソシアネート化合物、酸無水物、アミン化合物、エポキシ化合物、金属キレート類、アジリジン化合物から選ばれる架橋剤を含有することを特徴とする、(1)〜(5)のいずれか1項に記載の粘着シート用下塗剤組成物。
【0017】
(7)前記第3成分としてのアミノ基を含有するシランカップリング剤は、少なくとも構造中にアミノ基を有するシラン化合物から選ばれることを特徴とする、(1)〜(6)のいずれか1項に記載の粘着シート用下塗剤組成物。
【0018】
(8)前記アミノ基を含有するシランカップリング剤は、N−(β−アミノエチル)γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン,N−(β−アミノエチル)γ−アミノプロピルトリメトキシシラン,N−(β−アミノエチル)γ−アミノプロピルトリエトキシシラン,γ−アミノプロピルトリメトキシシラン及びγ−アミノプロピルトリエトキシシランから選ばれることを特徴とする(7)記載の粘着シート用下塗剤組成物。
【0019】
(9)ポリエステル系基材と、(1)〜(8)のいずれか1項に記載の粘着シート用下塗剤組成物から形成されている下塗剤層と、該下塗剤層上に形成されているゴム系粘着剤層からなる粘着シート。
【0020】
(10)前記ゴム系粘着剤層は、天然ゴム及び/又は合成イソプレンゴムとからなるエラストマー成分を50質量%以上含有する層であることを特徴とする(9)記載の粘着シート。
(11)前記エラストマー成分は、カルボキシル基含有イソプレンゴムを該エラストマー成分中に5〜30質量%含有することを特徴とする(10)記載の粘着シート。
【0021】
(12)前記ゴム系粘着剤層は、アミノ基含有シランカップリング剤を含有する層であることを特徴とする(9)〜(11)のいずれか1項に記載の粘着シート。
【0022】
(13)前記エラストマー成分中に、合成イソプレンゴム以外の合成ゴムを45質量%以下の量で含有することを特徴とする(9)〜(12)のいずれか1項に記載の粘着シート。
【0023】
(14)前記ゴム系粘着剤層は、前記エラストマー成分100質量部に対して粘着付与樹脂を20〜200質量部含有することを特徴とする(9)〜(13)のいずれか1項に記載の粘着シート。
【0024】
(15)前記ゴム系粘着剤層は、パラフィン系プロセスオイルなどの鉱油類、液状ポリイソプレンゴムなどの液状ゴム、ポリエステル系可塑剤などの可塑剤、植物性油などの軟化剤及び芳香族第二級アミン系、モノフェノール系、ポリフェノール系、ベンゾイミダゾール系、亜リン酸系などの老化防止剤、反応性フェノール樹脂、硫黄、チウラム類等の硫黄化合物やマレイミド等の加硫剤から選ばれる少なくとも1種を含有することを特徴とする(9)〜(14)のいずれか1項に記載の粘着シート。
【0025】
(16)前記基材が、ポリエステル樹脂単体又はポリエステル樹脂を含む複合体からなるフィルム、クロス及び不織布から選ばれる1種であることを特徴とする(9)〜(15)のいずれか1項に記載の粘着シート。
【0026】
【発明の実施の形態】
以下、本発明をさらに詳細に説明する。本発明の粘着シートは、ポリエステル樹脂系基材/前記特定の組成物からなる下塗剤層/ゴム系粘着剤層の三層構造を有しており、場合によっては、基材背面に離型剤層を形成したものや、粘着剤層側にライナーを有するものも包含している。
【0027】
本発明に使用するポリエステル系基材としては特に制限はなく、ポリエチレンテレフタレート(PET)やポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリエチレンナフタレート(PEN)等のポリエステル素材によって形成されているフィルム、クロス、不織布等の単独又はこれらの複合体、ポリエステルと他の素材との複合体(例えばPET/スフの混紡布等)等が挙げられる。
【0028】
本発明の下塗剤組成物に、第1成分として用いられるポリエステル樹脂には特に制限はないが、下塗剤組成物は有機溶剤を介して配合されるため、トルエンや酢酸エチル、メチルエチルケトン等の一般的な有機溶剤に可溶であることが求められる。
【0029】
本発明の下塗剤組成物には、第2成分としてカルボキシル基を含有するポリイソプレンゴムを使用する。この成分は、粘着剤中の天然ゴムや一般の合成イソプレンゴム系エラストマーと基本的に同じポリイソプレン骨格からなることから、ゴム系粘着剤との相溶性がよく、更には、架橋剤等との反応が可能な官能基(カルボキシル基)を有している。
上記第2成分であるカルボキシル基を含有するポリイソプレンゴム中には、イソシアネート化合物、酸無水物、アミン化合物、エポキシ化合物、金属キレート類、アジリジン化合物等の架橋剤が予め含まれていても構わない。
【0030】
上記ポリエステル樹脂(第1成分)、カルボキシル基含有のポリイソプレンゴム(第2成分)を混合した配合物には、上記第2成分としてのカルボキシル基を含有するポリイソプレンゴムと反応して下塗剤層を強化し、また、ゴム系粘着剤側に好適に配合されるカルボキシル基含有のポリイソプレンゴムとの反応を促進して下塗剤層と粘着剤層の層間密着強度を向上させる第3成分としてアミノ基を有するシランカップリング剤が含まれている。
【0031】
下塗剤組成物の各成分の構成比率は、質量比でポリエステル樹脂:カルボキシル基含有のポリイソプレンゴム=1:1〜20程度が好ましく、更に好ましくは1:5〜10程度である。この配合物の固形分100質量部に対して、シランカップリング剤が5〜50質量部程度添加されるが、好ましくは10〜30質量部、更に好ましくは15〜25質量部程度である。
【0032】
上記下塗剤の調製方法に特に制限はないが、ポリエステル樹脂、カルボキシル基含有のポリイソプレンゴムをトルエン、メチルエチルケトン、酢酸エチル等の有機溶剤に溶解した後、シランカップリング剤を添加、攪拌して調製することができる。なお、有機溶剤に溶解する前にシランカップリング剤を添加すると、温度環境などによっては、カルボキシル基含有のポリイソプレンゴム等がゲル化する場合があるので注意を要する。
本発明の下塗剤の固形分濃度は、通常、1〜20質量%程度であり、グラビアコーター、キスコータ一等で、厚みが通常0.1〜2μm程度となるように塗布されるが、塗工方法に関しては特に限定されるものではない。
【0033】
本発明の下塗剤組成物に使用されるシランカップリング剤とゴム系粘着剤に添加されるシランカップリング剤は、少なくとも構造中にアミノ基を含む下式で示されるシラン化合物であり、N−(β−アミノエチル)γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン,N−(β−アミノエチル)γ−アミノプロピルトリメトキシシラン,N−(β−アミノエチル)γ−アミノプロピルトリエトキシシラン,γ−アミノプロピルトリメトキシシラン及びγ−アミノプロピルトリエトキシシランから選ばれる。
【0034】
H2N−C2H4−NH−C3H6−SiCH3(OCH3)2
H2N−C2H4−NH−C3H6−Si(OCH3)3
H2N−C2H4−NH−C3H6−Si(OC2H5)3
H2N−C3H6−Si(OCH3)3
H2N−C3H6−Si(OC2H5)3
【0035】
本発明の粘着シートに用いられる粘着剤は、カルボキシル基含有のイソプレンゴムを含有することが好ましい。該カルボキシル基含有イソプレンゴムの含有量は、天然ゴム又は合成イソプレンゴムとカルボキシル基含有イソプレンゴムを含むエラストマー全体に対して5〜30質量%とするのが好ましい。5質量%未満では、シランカップリング剤による下塗剤層と粘着剤層との反応による密着効果が充分に得られない。また、30質量%を越えると極性の高いカルボキシル基濃度が増加し、特性的にバランスのとれたイソプレンゴム系粘着剤本来の粘着特性が損なわれる可能性がある。
【0036】
本発明の粘着シートに用いられるゴム系粘着剤中のエラストマーは50質量%以上が天然ゴム又は合成イソプレンゴムであり、カルボキシル基含有イソプレンゴムを含めたエラストマー100質量部に対して少なくとも粘着付与樹脂が20〜200質量部の範囲で含まれることが望ましく、特に50〜150質量部含まれていることが好ましい。
【0037】
天然ゴム又は合成イソプレンゴムの含有量が50質量%未満の時には、粘着剤に配合するカルボキシル基含有イソプレンゴムとの混和性や下塗剤に配合するカルボキシル基含有イソプレンゴムとの接着性が低下して、充分な密着効果が得られない場合がある。また、粘着付与樹脂の添加量が20質量部未満の時は粘着特性が不足し、200質量部以上の時には粘着剤としての柔軟性が不足する。
【0038】
粘着付与樹脂としては、ロジン、ロジンエステル等のロジン系樹脂、テルペン樹脂、芳香族変性テルペン樹脂、水添テルペン樹脂、テルペンフェノール等のテルペン系樹脂、脂肪族系石油樹脂、芳香族系石油樹脂、共重合系石油樹脂、脂環属系石油樹脂、クマロン・インデン樹脂、ピュア・モノマー系樹脂等の重合系樹脂、フェノール系樹脂、キシレン樹脂等の縮合系樹脂等があり、これらのうち1種又は2種以上を組み合わせて使用することができる。本発明では、粘着剤中に配合する粘着付与樹脂に関しては、殆どの種類の樹脂で高い密着効果が得られるが、天然ゴムや合成イソプレンゴムと極端に相溶性が悪く、混合しても粘着剤として成立しないような樹脂では、高い密着効果が得られない場合がある。
【0039】
天然ゴム、合成イソプレンゴム以外のエラストマーとしては、例えばスチレンブタジエンゴム、ブチルゴム、ブタジエンゴム及びスチレン・イソプレンブロックコポリマー等の合成ゴムが、天然ゴム又は合成イソプレンゴムとカルボキシル基含有イソプレンゴムを含むエラストマーの配合量に従って45質量%以下の範囲で単独又は2種以上の混合物として使用してもよい。
【0040】
また、上記ゴム系粘着剤には、必要に応じて、パラフィン系プロセスオイル等の鉱油、液状ポリイソプレン等の液状ゴム、ポリエステル系可塑剤、植物性油等を含む軟化剤や、芳香族第二級アミン系、モノフェノール系、ビスフェノール系、ポリフェノール系、ベンゾイミダゾール系、亜燐酸系等の老化防止剤を1種又は2種以上を併用して使用してもよい。軟化剤の使用により初期粘着性を向上させることができ、老化防止剤により熱劣化、酸化劣化を防止することができる。また、シリカ、水酸化金属など種類によっては粘着層の補強性向上に効果が望めるものもあるので、シランカップリング剤との反応が期待できるシリカ、アルミナ、クレー、水酸化金属などの充填剤を単独又は2種以上を併用して用いてもよい。
【0041】
上記ゴム系粘着剤は、反応性フェノール樹脂、硫黄、チウラム類等の硫黄化合物、マレイミド等の加硫剤で加硫して用いてもよい。加硫して用いた方が、再剥離用途や耐熱クリープ性が要求される用途に対しては好ましいが、これらの使用に関しては任意である。
【0042】
また、カルボキシル基と反応が見込める、イソシアネート化合物、アミン化合物、金属キレート類、エポキシ化合物等の架橋剤を併用して用いても構わないが、多用すると粘着剤層と下塗剤層間の密着性に対して阻害を起こす場合も考えられる。
【0043】
本発明の粘着シートに用いるゴム系粘着剤の調製方法は、特に限定されるものではないが、例えば、適当な可塑度に素練りした天然ゴムや合成ゴム、又は必要に応じて無機充填剤等を混練した混合物と、カルボキシル基含有イソプレンゴムをトルエンなどの有機溶剤に溶解して、粘着付与樹脂とシランカップリング剤を加え、場合により、加硫剤、無機充填剤、老化防止剤、軟化剤等を加えて攪拌し、これらを溶解・分散して調製する。
【0044】
このようにして調製された粘着剤の塗工方法は、特に限定されるものではないが、例えば、ロールコーターやリバースコーター等で上記ポリエステル系基材に塗布し、加熱して溶剤を揮発させることにより本発明の粘着シートが得られる。粘着剤層の厚みは、通常5〜60μmであるが、好ましくは10〜40μm程度が一般的な粘着テープや粘着シートとして望ましい。
【0045】
本発明の粘着テープを製造する際、上記下塗剤と粘着剤が塗布される面の反対側(テープ背面側)に、必要に応じ離型剤を塗布することができる。しかし、離型剤の種類によっては(例えばエポキシ基等の官能基を含有しているシリコーン系等)、粘着剤中のアミノ基含有シランカップリング剤と離型剤に含まれる官能基が反応して離型性が本来のものよりも低下する場合もある。
【0046】
【作用】
本発明の粘着シートは、下塗剤形成成分としてポリエステル樹脂を使用しているので、ポリエステル系基材との間で強固な密着性を具現化することができる。また、下塗剤形成成分のカルボキシル基含有のイソプレンゴムとゴム系粘着剤の高い親和性を利用して、粘着剤層と下塗剤層との高い密着性を実現する。更には、下塗剤と粘着剤両方に添加されているカルボキシル基を含んだイソプレンゴム中のカルボキシル基同士を、アミノ基を分子構造内に有するシランカップリング剤が結合させ、各種の粘着付与剤で調製した様々な糊質の粘着剤に対して、高い密着効果を発現することが可能となる。下塗剤形成成分として添加されるシランカップリング剤は、塗布された下塗剤層と粘着剤層両方の凝集力や耐溶剤性、耐熱性等を向上させる効果も同時に有しているため、下塗剤層内部での破壊を防止する効果や、粘着テープ又は粘着シート自体の実用性能をも向上させることができる。
【0047】
また、本発明による下塗剤は、クロロプレン系接着剤、塩化ビニリデン系接着剤等、下塗剤構成成分として従来多用されてきた含ハロゲン化合物を使用していないので、環境に負荷となるダイオキシン等を放出させたりすることもない。
【0048】
【実施例】
以下、本発明を実施例で更に具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例によって限定されるものではない。なお、実施例中において「部」及び「%」は「質量部」及び「質量%」を示すものである。
【0049】
実施例1
(下塗剤組成物の調製)
第1成分のポリエステル樹脂として、熱可塑性飽和共重合ポリエステル樹脂〔東レ(株)製「ケミットK−1089」〕を用い、20%トルエン溶液として使用した。また、第2成分として、カルボキシル基含有の液状イソプレンゴム〔(株)クラレ製「クラプレンLIR410」〕をトルエンに溶解して50%溶液として用いた。トルエン200部、メチルエチルケトン130部の混合溶剤に、上記ポリエステル樹脂溶液21部、上記カルボキシル基含有液状イソプレンゴム溶液45部、を混合、攪拌した後、第3成分としてアミノ基含有シランカップリング剤〔信越化学工業(株)製「KBM603」〕を5.5部添加し、攪拌して下塗剤とした。
【0050】
(基材への下塗剤の塗布)
基材として、厚み38μmのポリエステルフィルム〔東レ(株)製「ルミラーS−10」〕を用い、その片面にグラビアコーターにより上記下塗剤の乾燥後の塗布量が1.3〜1.7g/m2となるように塗布し、70℃の温度で2分間乾燥を行った。該下塗剤は、配合当日に塗布を行った。
【0051】
(粘着剤組成物の調製)
天然ゴム100部と酸化亜鉛10部との混練物(ウォーレス可塑度30)88部、カルボキシル基含有の液状イソプレンゴム〔(株)クラレ製「クラプレンLIR410」〕20部、アミノ基含有シランカップリング剤〔信越化学工業(株)製「KBM603」〕5部、石油系粘着付与樹脂〔日本ゼオン(株)製、「クイントンR100」〕90部をトルエンに溶解、分散して粘着剤を調製し、上記基材に下塗剤層が形成された面に、ロールコーターで乾燥後の厚みが30μmになるように塗布し、150℃×2分乾燥の後、巻取ることにより目的の粘着テープを調製した。
【0052】
実施例2
実施例1の粘着剤において、アミノ基含有シランカップリング剤〔信越化学工業(株)製「KBM603」〕5部を添加しない以外は、実施例1と同様に粘着剤を調製し、実施例1と同様に粘着テープを調製した。
【0053】
実施例3
カルボキシル基を含有するポリイソプレンゴムを配合しなかった以外は、実施例1と同様の材料を用いて粘着剤を調製し、実施例1と同様の下塗剤層を有する基材に塗布して粘着テープを調製した。
【0054】
実施例4
天然ゴム100部と酸化亜鉛10部との混練物(ウォーレス可塑度30)88部、カルボキシル基含有の液状イソプレンゴム〔クラレ(株)製「クラプレンLIR410」〕20部、アミノ基含有シランカップリング剤〔信越化学工業(株)製「KBM603」〕5部、テルペン系(α−ピネン)粘着付与樹脂〔ヤスハラケミカル(株)製、YSレジンA800〕90部をトルエンに溶解、分散して粘着剤を調製し、上記基材に下塗剤層が形成された面に、ロールコーターで乾燥後の厚みが30μmになるように塗布し、150℃×2分乾燥の後、巻取ることにより目的の粘着テープを調製した。
【0055】
実施例5
天然ゴム100部と酸化亜鉛10部との混練物(ウォーレス可塑度30)88部、カルボキシル基含有の液状イソプレンゴム〔クラレ(株)製・クラプレンLIR410〕20部、アミノ基含有シランカップリング剤〔信越化学工業(株)製「KBM603」〕5部、ロジン系粘着付与樹脂〔荒川化学工業(株)製、ペンセルD125〕90部をトルエンに溶解・分散して粘着剤を調製し、上記基材に下塗剤層が形成された面に、ロールコーターで乾燥後の厚みが30μmになるように塗布し、150℃×2分乾燥の後、巻取ることにより目的の粘着テープを調製した。
【0056】
比較例1
第1成分のポリエステル樹脂としての熱可塑性飽和共重合ポリエステル樹脂〔東レ(株)製「ケミットK−1089」〕の20%トルエン溶液を使用しない以外は、実施例1と同様の材料を用いて下塗り剤組成物を調製し、実施例1と同様の基材の下塗剤層として使用し、実施例1と同様の材料を用いて粘着テープを製造した。
【0057】
比較例2
第2成分としてのカルボキシル基を含有するポリイソプレンゴムを配合しなかった以外は、実施例1と同様の材料を用いて下塗剤組成物を調製し、実施例1と同様の基材の下塗剤層として使用し、実施例1と同様に粘着テープを調製した。
【0058】
比較例3
第3成分としてのアミノ基含有シランカップリング剤〔信越化学工業(株)製「KBM603」〕を配合しなかった以外は、実施例1と同様の材料を用いて下塗剤組成物を調製し、実施例1と同様の基材の下塗剤層として使用し、実施例1と同様に粘着テープを調製した。
【0059】
(試験方法)
次に、本発明の下塗剤を使用した粘着テープの有効性を示すため、上記各実施例及び比較例で調製した粘着テープ用いて基材と粘着剤層との密着性の評価を行い、粘着特性との照合を行った。評価結果は、表1に示す。
【0060】
(基材と粘着剤層との密着性評価=下塗効果)
試験方法としては、調製した粘着テープ試料(幅:10mm、長さ:約50mm)を各サンプルにつき2片準備し、それぞれの粘着面同士を接着させて離す操作を、2回/1秒の間隔で繰り返し、基材からの粘着剤層の剥がれ具合を観察することにより評価を行った。
【0061】
◎:極めて密着性がよく、20回以上行っても粘着剤層が殆どめくれない
○:10回以上行って多少粘着剤層が基材から剥がれるが、大きくはめくれない
△:比較的基材から剥がれやすいが5回以上行わないと粘着剤層がめくれない
×:5回未満の操作で、基材から粘着剤層が大きく取られる
【0062】
(粘着特性)
1)粘着力:JIS C−2107−1999
2)タック:JIS Z−0237−2000(角度20°)
3)保持力:JIS C−2237−1999(荷重100g、温度160℃)
【0063】
【表1】
【0064】
【発明の効果】
以上のように、本発明の粘着テープもしくは粘着シートは、前記3成分を必須成分として含有する下塗剤層とゴム系粘着剤層との組み合わせにより、系統が異なる各種粘着付与樹脂による異なる糊質の各粘着剤に対しても、ポリエステル基材から粘着剤層が剥がれにくい強固な密着性を示していることから、用途目的に応じて多様な粘着特性の粘着テープ又は粘着シートを供給することが可能となり、用途範囲を拡大させることができる。
Claims (15)
- 第1成分としてポリエステル樹脂、第2成分としてカルボキシル基を含有するポリイソプレンゴム及び第3成分としてアミノ基を含有するシランカップリング剤の3成分を必須成分として含有することを特徴とする、ポリエステル系基材とゴム系粘着剤層を有する粘着シート用下塗剤組成物。
- 前記第1成分と第2成分の配合割合は質量比で、第1成分:第2成分=1:1〜20であることを特徴とする、請求項1記載の粘着シート用下塗剤組成物。
- 前記第3成分としてのアミノ基を含有するシランカップリング剤の配合割合は、前記第1成分と第2成分の合計100質量部に対して、5〜50質量部であることを特徴とする、請求項1又は2に記載の粘着シート用下塗剤組成物。
- 前記第1成分としてのポリエステル樹脂は、有機溶剤に可溶な熱可塑性の飽和又は不飽和の共重合ポリエステル樹脂から選ばれたものであることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1項に記載の粘着シート用下塗剤組成物。
- 前記第2成分としてのカルボキシル基を含有するポリイソプレンゴムは、イソシアネート化合物、酸無水物、アミン化合物、エポキシ化合物、金属キレート類、アジリジン化合物から選ばれる架橋剤を含有することを特徴とする、請求項1〜4のいずれか1項に記載の粘着シート用下塗剤組成物。
- 前記第3成分としてのアミノ基を含有するシランカップリング剤は、少なくとも構造中にアミノ基を有するシラン化合物から選ばれることを特徴とする、請求項1〜5のいずれか1項に記載の粘着シート用下塗剤組成物。
- 前記アミノ基を含有するシランカップリング剤は、N−(β−アミノエチル)γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン,N−(β−アミノエチル)γ−アミノプロピルトリメトキシシラン,N−(β−アミノエチル)γ−アミノプロピルトリエトキシシラン,γ−アミノプロピルトリメトキシシラン及びγ−アミノプロピルトリエトキシシランから選ばれることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の粘着シート用下塗剤組成物。
- ポリエステル系基材と、請求項1〜7のいずれか1項に記載の粘着シート用下塗剤組成物から形成されている下塗剤層と、該下塗剤層上に形成されているゴム系粘着剤層からなる粘着シート。
- 前記ゴム系粘着剤層は、カルボキシル基含有イソプレンゴムと、天然ゴム及び/又は合成イソプレンゴムとからなるエラストマー成分を50質量%以上含有する層であることを特徴とする請求項8記載の粘着シート。
- 前記エラストマー成分中のカルボキシル基含有イソプレンゴムの含有量は5〜30質量%であることを特徴とする請求項8又は9に記載の粘着シート。
- 前記エラストマー成分中に、合成イソプレンゴム以外の合成ゴムを45質量%以下の量で含有することを特徴とする請求項8〜10のいずれか1項に記載の粘着シート。
- 前記ゴム系粘着剤層は、N−(β−アミノエチル)γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン,N−(β−アミノエチル)γ−アミノプロピルトリメトキシシラン,N−(β−アミノエチル)γ−アミノプロピルトリエトキシシラン,γ−アミノプロピルトリメトキシシラン及びγ−アミノプロピルトリエトキシシランから選ばれる少なくとも1種のアミノ基含有シラン化合物を含有することを特徴とする請求項8〜11のいずれか1項に記載の粘着シート。
- 前記ゴム系粘着剤層は、前記エラストマー成分100質量部に対して粘着付与樹脂を20〜200質量部含有することを特徴とする請求項8〜12のいずれか1項に記載の粘着シート。
- 前記ゴム系粘着剤層は、鉱油類、液状ゴム、可塑剤、軟化剤及び老化防止剤がら選ばれる少なくとも1種を含有することを特徴とする請求項8〜13のいずれか1項に記載の粘着シート。
- 前記基材が、ポリエステル樹脂単体又はポリエステル樹脂を含む複合体からなるフィルム、クロス及び不織布から選ばれる1種であることを特徴とする請求項8〜14のいずれか1項に記載の粘着シート。
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