JP4165736B2 - 粘着シート用下塗剤組成物及び粘着シート - Google Patents

粘着シート用下塗剤組成物及び粘着シート Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ゴム系粘着剤をポリエステル系基材に塗布して粘着シート又は粘着テープ(以下、本発明では、特に粘着シート又は粘着テープと明記しない限り、粘着シート、粘着テープ及び粘着フィルムのいずれか一方又は双方を包含する用語として「粘着シート」を用いる。)を形成するために使用される下塗剤組成物と、それを用いてなるポリエステル系基材とゴム系粘着剤層とを有する粘着シートに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、粘着シートや粘着テープに使用される粘着剤を形成する成分としては、天然ゴム等を主成分とし、各種用途、目的に応じて様々な粘着付与樹脂を混合した各種糊質のゴム系粘着剤が多く使用されている。
【0003】
一方、粘着剤層を支持する基材としては、粘着シートや粘着テープの用途に応じて種々のものが採用されているが、そのなかでも合成樹脂製のもの、特にポリエステル樹脂からなるものは、力学的強度、耐薬品性、絶縁性等の性能が優れることに加え、比較的安価であり、性能とコストのバランスがとれていることから古くから多用されている。
【0004】
しかしながら、ポリエステルからなる基材は、粘着剤、特にゴム系粘着剤との親和性が乏しいため、粘着剤の配合処方によっては、例えば、粘着テープを巻き戻す際に次層のテープ背面側に粘着剤が移行したり、マスキング用テープや養生用テープなどに用いた場合、不要になって再剥離させる際に被着体に“糊残り”が生じて被着体を汚染したりする問題があった。
【0005】
そこで、これらの問題点を解決するために、基材に対する投錨効果を大きくするなどの接着性を高める試みがなされている。即ち、ポリエステル基材の粘着剤が塗布される面に、コロナ放電処理を施したり、ポリメタクリル酸メチルをグラフト化した天然ゴムを主成分とした下塗剤層を設けたりする手段が採られてきたが、何れも十分な効果が得られていないのが現状である。
【0006】
また、基材の粘着剤が塗布される面にポリエステル樹脂との親和性に優れる下塗剤とゴム系粘着剤との親和性に優れる下塗剤を二層設ける方法(USP3,197,326)等が行われてきたが、下塗剤塗布作業が2工程必要である等、汎用性に欠ける面があった。
【0007】
更に、従来の下塗剤には、塩化ビニリデン、クロロプレンゴム、塩素化ゴム系の接着剤等を利用したハロゲン元素を含む下塗剤も用いられてきたが、使用済みの粘着テープを焼却する際、ダイオキシン等の環境に有害な物質を排出するという問題点も存在していた。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、ポリエステル系基材に対する粘着剤層の密着性を向上させる手段として、基材−粘着剤層間に、ハロゲン元素を含まない下塗剤層を一層のみ設けることにより、基材と粘着剤層との密着性が強固で、長期間経過しても密着効果が低下しない粘着シートを提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成できる本発明は、ポリエステル樹脂(第1成分)と、カルボキシル基を含有する(メタ)アクリル酸エステルを主成分とする共重合体(第2成分)、ポリ(メタ)アクリル酸エステルグラフト化ゴム(第3成分)、アミノ基を含有したシランカップリング剤(第4成分)の4成分を含有する組成物からなる、ポリエステル系基材とゴム系粘着剤層を有する粘着シート用の下塗剤組成物に関するものである。
【0010】
また、本発明は、ポリエステル系基材面に前記下塗剤組成物からなる層と、該下塗剤層上にゴム系粘着剤層、特にアミノ基を含有するシランカップリング剤を添加した天然ゴムを主体するエラストマーからなるゴム系粘着剤層を有する粘着シートに関するものである。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の下塗剤組成物は、ポリエステル樹脂(第1成分)、カルボキシル基を含有する(メタ)アクリル酸エステルを主成分とする共重合体(第2成分)、ポリ(メタ)アクリル酸エステルグラフト化ゴム(第3成分)及びアミノ基を含有するシランカップリング剤(第4成分)の少なくとも4成分を含有する組成物からなる。
【0012】
本発明の粘着シートは、基本的には、ポリエステル樹脂系基材/前記特定の成分からなる下塗剤層/前記特定成分からなる粘着剤層、の三層構造を有しており、場合によっては、基材背面に離型剤層を形成したものや粘着剤層側にライナーを有するものも包含している。
【0013】
本発明は、粘着シート用の下塗剤組成物中にポリエステル樹脂を配合して、ポリエステル基材と強固な密着性が得られるようにし、又、同様に、該下塗組成物中にアミノ基を含有するシランカップリング剤を配合してゴム系粘着剤層との強固な密着性が得られるようにしたことが重要な特徴である。
【0014】
本発明の粘着シートに使用するポリエステル基材としては特に制限はなく、ポリエチレンテレフタレート(PET)やポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリエチレンナフタレート(PEN)等のポリエステル素材によって形成されているフィルム、クロス、不織布等の単独又はこれらの複合体、ポリエステルと他の素材との複合体 (例えばPET/スフの混紡布等) 等が挙げられる。
【0015】
本発明の粘着シート用下塗剤組成物に、第1構成成分として用いられるポリエステル樹脂に特に制限はないが、下塗剤組成物は有機溶剤を用いて構成されるため、例えば、比較的低分子量の熱可塑性の飽和又は不飽和の共重合ポリエステル樹脂等、トルエンや酢酸エチル、メチルエチルケトン等の汎用の有機溶剤に可溶であることが求められる。
【0016】
本発明の下塗剤組成物には、第2成分としてカルボキシル基を含有する(メタ)アクリル酸エステルを主成分とする共重合体を使用する。この共重合体は、(メタ)アクリル酸エステルを主成分とし、これにカルボキシル基を含むモノマーを必須成分とし、更に必要に応じて他のモノマー、例えば、酢酸ビニル、アクリロニトリル、スチレン、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、2−メチロールエチルアクリルアミド等を1種又は2種以上を共重合することにより得られる。
【0017】
上記(メタ)アクリル酸エステルとしては、例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸2−エチルエキシル、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸イソオクチル、(メタ)アクリル酸ノニル、(メタ)アクリル酸イソノニル等が挙げられる。
【0018】
上記のカルボキシル基を含むモノマーとしては特に限定されないが、例えば、(メタ)アクリル酸、クロトン酸、フマル酸、イタコン酸、(無水)マレイン酸等が挙げられ、これらは単独又は2種類以上を併用して、通常は1〜20質量部程度の割合で他のモノマーと共重合される。
【0019】
上記第2成分であるアクリル系ポリマー中には、イソシアネート化合物、酸無水物、アミン化合物、エポキシ化合物、金属キレート類、アジリジン化合物等の架橋剤を含んでも構わない。
【0020】
本発明の下塗剤組成物には、第3成分として、天然ゴムとアクリル系ポリマーの両方と混和性があるポリ(メタ)アクリル酸エステルをグラフト化した天然ゴムや合成ゴムが混合される。これら成分は、各単独で使用しても2種以上を併用してもよい。
【0021】
上記ポリエステル樹脂(第1成分)、カルボキシル基含有アクリルポリマー(第2成分)及びポリ(メタ)アクリル酸エステルグラフト化ゴム(第3成分)に加えて、本発明の下塗剤組成物には、下塗剤中の上記第2成分や第3成分とのカップリング反応による下塗剤層の強化と、粘着剤側との反応による両層間の密着性の向上を目的として、第4成分としてアミノ基を含むシランカップリング剤が配合される。
【0022】
前記下塗剤組成物における各成分の構成比率は、質量部で、ポリエステル樹脂:アクリル系ポリマー:ポリ(メタ)アクリル酸エステルグラフト化ゴム=1:0.2〜2:0.5〜3程度であることが好ましい。この配合物の固形分100質量部に対して、シランカップリング剤は5〜50質量部程度添加されるが、好ましくは20〜30質量部である。
【0023】
前記下塗剤組成物は、ポリエステル樹脂、ポリ(メタ)アクリル酸エステルグラフト化ゴム、アクリル系ポリマーをトルエン、メチルエチルケトン、酢酸エチル等の有機溶剤に溶解した後、シランカップリング剤を添加・攪拌して調製される。溶剤希釈前にシランカップリング剤を添加すると、アクリル系ポリマーなどがゲル化する可能性がある。なお、本発明の下塗剤組成物における固形分濃度は、通常、1〜20質量%であり、グラビアコーター、キスコーター等で、厚みが通常0.1〜2μm程度となるように塗布されるが、塗工方法に関しては特に限定されない。
【0024】
本発明の下塗剤組成物に対しては、粘着剤層を形成する成分として、アミノ基を含むシランカップリング剤を添加した天然ゴムを主成分とするエラストマーからなるゴム系粘着剤が使用されることが好ましい。
【0025】
上記下塗剤組成物の構成成分であるシランカップリング剤とゴム系粘着剤に添加されるシランカップリング剤は、その構造中にアミノ基を含んでいる、N−(β−アミノエチル)γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、 N−(β−アミノエチル)γ−アミノプロピルトリメキシシラン,N−(β−アミノエチル)γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン及びγ−アミノプロピルトリエトキシシランであり、下記構造式を有する化合物群からなる。
【0026】
2N-C24-NH-C36-SiCH3(OCH32
2N-C24-NH-C36-Si(OCH33
2N-C24-NH-C36-Si(OC253
2N-C36-Si(OCH33
2N-C36-Si(OC253
【0027】
下塗剤層とゴム系粘着剤層に含まれる各シランカップリング剤は、下塗剤層のアクリルポリマー中に共重合されているカルボキシル基や、ゴム系粘着剤層がカルボキシル基等の官能基を含有するゴムを含む粘着剤層である場合には該官能基と反応して下塗剤層や粘着剤層の強度を向上させ、又、両層のシランカップリング剤同士が反応して下塗剤層と粘着剤層との密着性を向上させる等の作用をする。
【0028】
本発明の粘着シートに用いられるゴム系粘着剤に添加されるシランカップリング剤の添加量は、天然ゴムを含むエラストマー100質量部に対して0.1〜30質量部であるが、通常好ましくは1〜20質量部、更に好ましくは2〜8質量部である。
【0029】
上記粘着剤層中のエラストマーは、50質量%以上が天然ゴムである。天然ゴムの含有量が50質量%未満の時には、前述したシランカップリング剤添加量の最大範囲でも十分な密着効果や凝集力を発現することが困難である。
【0030】
天然ゴム以外のエラストマーとしては、例えば、スチレンブタジエンゴム、ブチルゴム、イソプレンゴム、ブタジエンゴム及びスチレン・イソプレンブロックコポリマー等の合成ゴムを、天然ゴムと同量以下の範囲で単独又は2種以上の混合物で使用してもよい。天然ゴム以外のエラストマー成分で、カルボキシル基など官能基を含有しているゴムを使用した場合には、シランカップリング剤による反応効果が高いため、天然ゴムが50質量%以下でも凝集力や基材との密着効果が低下せず天然ゴムが必須成分ではなくなるが、天然ゴムや上記他の合成ゴムの如き汎用材料でないため、コストが上がる可能性がある。また、その場合には、極性の高い官能基濃度が増加し、特性的にバランスのとれた天然ゴム本来の粘着特性が損なわれる可能性もある。
【0031】
本発明の粘着シートに用いられるゴム系粘着剤は、エラストマー100質量部に対して、少なくとも粘着付与樹脂が20〜200質量部の範囲で含まれることが好ましい。粘着付与樹脂としては、ロジン、ロジンエステル等のロジン系樹脂、テルペン樹脂、芳香族変性テルペン樹脂、水添テルペン樹脂、テルペンフェノール等のテルペン系樹脂、脂肪族系石油樹脂、芳香族系石油樹脂、共重合系石油樹脂、脂環属系石油樹脂、クマロン・インデン樹脂、ピュア・モノマー系樹脂等の重合系樹脂、フェノール系樹脂、キシレン樹脂等の縮合系樹脂等があり、これらのうち1種又は2種以上を組み合わせて使用することができるが、樹脂の種類によっては下塗効果の低いものもある。また、粘着付与樹脂の添加量が20質量部以下の時は粘着特性が不足し、200質量部以上の時には粘着剤としての柔軟性が不足する。
【0032】
また、上記ゴム系粘着剤には、必要に応じて、パラフィン系プロセスオイル等の鉱油、液状ポリイソプレン等の液状ゴム、エステル系可塑剤、植物性油等を含む軟化剤や、芳香族第二級アミン系、モノフェノール系、ビスフェノール系、ポリフェノール系、ベンツイミダゾール系、亜燐酸系等の老化防止剤を1種又は2種以上を併用して使用してもよい。軟化剤の使用により初期粘着性を向上させることができ、老化防止剤により熱劣化や酸化劣化を防止することができる。
【0033】
また、粘着層の補強性向上に効果が望めるカーボンブラック、シリカ、クレー、水酸化金属などの充填剤を単独又は2種以上を併用して用いてもよい。これらの充填剤の中には、シランカップリング剤との反応が可能なものがあり、充填剤の使用により粘着剤層の凝集力の向上が期待できる場合がある。
【0034】
上記ゴム系粘着剤は、反応性フェノール樹脂、硫黄、チウラム類等の硫黄化合物、マレイミド等の加硫剤で加硫して用いてもよい。架橋或いは加硫して用いた方が、再剥離用途や耐熱クリープ性が要求される用途に対しては好ましいが、多用すると粘着剤層と下塗剤層間の密着性に対して、阻害を起こす場合がある。
【0035】
このようにして製造されたゴム系粘着剤の塗工方法は、特に限定されるものではないが、例えば、ロールコーターやリバースコーター等で上記基材上の下塗り剤上に塗布され、加熱して溶剤を揮発させることにより本発明の粘着シートが得られる。粘着剤層の厚みは通常5〜60μmであり、好ましくは10〜40μm程度である。
【0036】
本発明の粘着シートを製造する際、上記下塗剤と粘着剤が塗布される面の反対側(シート背面側)に、必要に応じ離型剤を塗布してもよいが、離型剤の種類によっては(例えば、エポキシ基等の官能基を含有しているシリコーン系等)、粘着剤中のアミノ基含有シランカップリング剤と反応して、離型効果が発現せず重剥離化する可能性がある。
【0037】
【作用】
本発明の粘着シート用下塗剤組成物は、成分としてポリエステル樹脂(第1成分)が配合されているので、粘着シートのポリエステル系基材と下塗剤層の間で強固な密着性が実現される。
また、下塗剤組成物中のポリ(メタ)アクリル酸エステルグラフト化ゴム(第3成分)とゴム系粘着剤の高い親和性によって、粘着剤層と下塗剤層とのより高い密着性が得られる。さらに、ゴム系粘着剤中にアミノ基を分子構造にもったシランカップリング剤が含まれていると、下塗剤組成物におけるアクリルポリマー(第2成分)中のカルボキシル基と該シランカップリング剤とが結合すると共に、両層のシランカップリング剤同士が結合することによって下塗剤層と粘着剤層の相互間で高い密着効果が得られる。
【0038】
下塗剤組成物の成分として添加されるシランカップリング剤は、塗布された下塗剤層と粘着剤層両方の凝集力を向上させる効果も同時に有しているため、各層内部での凝集破壊を防止する効果もある。
【0039】
また、本発明による下塗剤組成物は、クロロプレン系接着剤、塩化ビニリデン系接着剤等、下塗剤の構成成分として従来多用されていた含ハロゲン化合物を使用していないので、環境に負荷となるダイオキシン等を放出させる原因物質となることもない。
【0040】
【実施例】
以下、本発明を実施例で更に具体的に説明するが、本発明はこれら実施例によって限定されるものではない。なお、実施例中において表現する「部」は質量部を、「%」は質量%を示している。
【0041】
実施例1
(下塗剤組成物の調製)
第1成分のポリエステル樹脂として、熱可塑性飽和共重合ポリエステル樹脂〔東レ(株)製、ケミットK−1089〕を用い、20質量%トルエン溶液として使用した。また、第2成分として、アクリル酸2−エチルヘキシル90部、アクリル酸10部、重合開始剤としてベンゾイルパーオキサイド1部を酢酸エチルに溶解し、窒素雰囲気下、65℃で6時間反応させて得られたアクリル系ポリマー(固形分30%)を、トルエンで希釈して固形分10%溶液として使用した。第3成分として、素練りを行ってウォーレス可塑度30としたポリメタクリル酸メチルグラフト化天然ゴム(マレーシアゴム研究所製造、ヘベアプラスMG30)を、トルエンに溶解して10%溶液として用いた。トルエン100部、メチルエチルケトン50部の混合溶剤に、上記ポリエステル樹脂溶液21部、アクリルポリマー溶液15部、ポリメタクリル酸メチルグラフト化天然ゴム溶液75部を混合・攪拌した後、第4成分としてアミノ基含有シランカップリング剤〔信越化学工業(株)製、KBM603〕を3.5部添加・攪拌して下塗剤組成物とした。
【0042】
(基材への下塗剤組成物の塗布)
基材として、厚み38μmのポリエステルフィルム〔東レ(株)製、ルミラーS−10〕を用い、その片面にグラビアコーターにより上記下塗剤組成物の乾燥後の塗布量が1.3〜1.7g/m2となるように塗布し、70℃の温度で2分間乾燥を行った。
【0043】
(粘着剤の調製)
天然ゴム100部と酸化亜鉛10部との混練物(ウォ−レス可塑度30)、アミノ基含有シランカップリング剤〔信越化学工業(株)製、KBM603〕5部、粘着付与樹脂〔日本ゼオン(株)製、クイントンR100〕80部、加硫剤としてジペンタメチレンチウラムテトラスルフィド〔大内新興化学工業(株)製、ノクセラーTRA〕0.5部、ジブチルジチオカルバミン酸亜鉛〔大内新興化学工業(株)製、ノクセラーBZ〕1.7部をトルエンなどの溶剤に溶解・分散して、ゴム系粘着剤とした。
【0044】
(粘着テープの製造)
上記ゴム系粘着剤配合溶液を、上記基材の下塗剤層が形成された面に、ロールコーターで厚みが30μmになるように塗布し、140℃×2分乾燥の後、巻取ることにより目的の粘着テープを製造した。
【0045】
比較例1
実施例1の下塗剤組成物にシランカップリング剤(第4成分)を使用しない以外は、実施例1と同様に下塗剤組成物を調製し、実施例1と同様の基材と粘着剤組成物を使用して粘着テープを製造した。
【0046】
比較例2
実施例1の下塗剤組成物にポリエステル樹脂(第1成分)を使用しない以外は、実施例1と同様に下塗剤組成物を調製し、実施例1と同様の基材と粘着剤組成物を使用して粘着テープを製造した。
【0047】
比較例3
実施例1の下塗剤組成物にポリ(メタ)アクリル酸エステルグラフト化ゴム(第3成分)を使用しない以外は、実施例1と同様に下塗剤組成物を調製し、実施例1と同様の基材と粘着剤組成物を使用して粘着テープを製造した。
【0048】
比較例4
テープ基材として実施例1で使用したのと同じ38μm厚のポリエステルフィルムの片面に、下塗剤組成物を塗布する代わりにコロナ放電処理を行ったものを使用する以外は、実施例1と同様に粘着テープを製造した。粘着剤を塗布する前に確認したコロナ放電処理の度合いは、ヌレ試薬を用いて測定したところ、60dyn/cmであった。
【0049】
比較例5
アミノ基含有シランカップリング剤〔信越化学工業(株)製、KBM603〕を配合しなかった以外は実施例1と同様の粘着剤組成物を使用して粘着テープを製造した。
【0050】
(試験方法)
次に、本発明の下塗剤及び粘着テープの有効性を示すため、上記各実験例で作製した粘着テープを用いて、基材と粘着剤層との密着性の評価を行った。試験方法としては、作製した粘着テープ試料(幅:10mm、長さ:約50mm)を各サンプルにつき2片準備し、それぞれの粘着面同士を接着させて離す操作を、2回/1秒の間隔で繰り返し、基材からの粘着剤層の剥がれ具合を観察することにより評価を行った。極めて密着性がよく、20回以上行っても粘着剤層が殆どめくれないものを◎、10回以上行って多少粘着剤層が基材から剥がれるが、大きくはめくれないものを○、比較的基材から剥がれやすいが5回以上行わないと粘着剤層がめくれないものを△、5回未満の操作で、基材から粘着剤層が大きく取られるものを×とした。
表1に、実施例及び各比較例の粘着テープの試験結果を示す。
【0051】
【表1】
Figure 0004165736
【052】
【発明の効果】
以上のように、本発明の下塗剤組成物を有する粘着シート又は粘着テープは、前記成分よりなるゴム系粘着剤層との組み合わせにより、ポリエステル基材から粘着剤層が剥がれにくく、粘着テープ又は粘着シートとしての品質の優れたものであり、用途範囲を拡大させるものである。

Claims (9)

  1. ポリエステル樹脂(第1成分)、カルボキシル基を含有する(メタ)アクリル酸エステルを主成分とする共重合体(第2成分)、ポリ(メタ)アクリル酸エステルグラフト化ゴム(第3成分)及びアミノ基を含有するシランカップリング剤(第4成分)の少なくとも4成分を含有する組成物からなるポリエステル系基材とゴム系粘着剤層を有する粘着シート用下塗剤組成物。
  2. 前記第1成分としてのポリエステル樹脂は、有機溶剤に可溶な熱可塑性の飽和又は不飽和の共重合ポリエステル樹脂から選ばれたものであることを特徴とする請求項1記載の粘着シート用下塗剤組成物。
  3. 前記第4成分としてのアミノ基を含有するシランカップリング剤は、N−(β−アミノエチル)γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−(β−アミノエチル)γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−(β−アミノエチル)γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン及びγ−アミノプロピルトリエトキシシランから選ばれることを特徴とする請求項1又は2に記載の粘着シート用下塗剤組成物。
  4. ポリエステル系基材と、請求項1〜3のいずれか1項に記載の粘着シート用下塗組成物から形成されている下塗剤層と、該下塗剤層上に形成されているゴム系粘着剤層を有する粘着シート。
  5. 前記ゴム系粘着剤層が、天然ゴムを含んだエラストマーからなるゴム系粘着剤を含有する層である請求項4記載の粘着シート。
  6. 前記ゴム系粘着剤層が、カルボキシル基含有イソプレンゴムを含む粘着剤層である請求項4又は5に記載の粘着シート。
  7. 前記ゴム系粘着剤層が、アミノ基を含むシランカップリング剤が添加された粘着剤層である請求項4、5又は6に記載の粘着シート。
  8. 前記アミノ基を含有するシランカップリング剤は、N−(β−アミノエチル)γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−(β−アミノエチル)γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−(β−アミノエチル)γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン及びγ−アミノプロピルトリエトキシシランから選ばれることを特徴とする請求項7記載の粘着シート。
  9. 前記基材が、ポリエステルフィルム、ポリエステルクロス及びポリエステル不織布から選ばれたポリエステル樹脂単体又はポリエステル樹脂を含む複合体からなる基材であることを特徴とする請求項4〜8のいずれか1項に記載の粘着シート。
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