JP6108929B2 - 医療機器用樹脂多孔質体及びその製造方法 - Google Patents

医療機器用樹脂多孔質体及びその製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、医療機器用樹脂多孔質体及びその製造方法に関する。
従来、多孔化技術により、孔形、孔径、空孔率等が異なる多様な樹脂多孔質体が製造され、樹脂の種類や孔の形状、孔径、空孔率等に応じて様々な用途に利用されている。例えば、発泡ポリスチレン、発泡ポリウレタン等の樹脂発泡体は、軽量構造材、断熱材、緩衝材等として使用されている。また、ナノメートルオーダーの孔径を有する樹脂多孔質膜は、分離膜、透過膜、2次電池のセパレーターや血液透析膜等として使用されている。
例えば特許文献1には、高い空孔率を保ちつつ、孔径の大きい高分子多孔質体の製造方法が開示されている。特許文献1によれば、非水溶性高分子材料に、水溶性高分子を含有する気孔形成剤を分散させてなる成形材料を、該非水溶性高分子材料が熱溶融し、かつ該気孔形成剤の一部又は全部が熱溶融する温度で成形し、冷却して充実成形体を得、次いで該充実成形体中の気孔形成剤を水で溶出させることで高分子多孔質体を形成している。
樹脂多孔質体は、用途によっては機械的強度が求められるが、樹脂のみで構成される樹脂多孔質体はその要求を満たさない場合が多い。一般的に、成形体の機械的強度を向上させる方法としては、繊維等の強化材を成形体に充填する方法がある。
しかし、特許文献1に記載のように、気孔形成剤を水で溶出させる方法では、通常の強化材を充填しても多孔質体内部に連通性の高い気孔を均一に形成させることは困難であり、十分な強度が得られにくかった。
セルロースナノファイバーは、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、エラストマー、ゴムなどの高分子化合物(以下、これらを総称して「樹脂」という。)の補強材として使用されている。
例えば特許文献2には、ゴム成分中にセルロースナノファイバーを含むゴム組成物が開示されている。
ところで、フッ素を含む熱可塑性樹脂(フッ素樹脂)、エラストマー(フッ素エラストマー)、ゴム(フッ素ゴム)は、耐薬品性や摺動性などに優れているので、医療機器、自動車、産業機械、OA機器、電気電子機器等の幅広い分野で使用されている。特にフッ素エラストマーやフッ素ゴムは適度な弾性を有するので、柔軟性を必要とする成形体の材料として好適に用いられる。
しかし、フッ素を含むこれらの樹脂は、他の樹脂に比べると強度が低い。そのため、フッ素を含む樹脂に補強材を配合して強度を高めることもある。
特開2006−257275号公報 特開2009−263417号公報
しかしながら、樹脂、特にフッ素を含む樹脂にセルロースナノファイバーを配合した樹脂組成物は、セルロースナノファイバーの分散性が悪かった。そのため、セルロースナノファイバーによる補強効果が十分に得られなかった。さらに、樹脂組成物を多孔質体としても、多孔質体内部に気孔を均一に形成させることが困難であり、十分な強度が得られにくかった。
また、セルロースナノファイバーを補強材として配合した多孔質体は必ずしも耐熱性が十分ではなく、耐熱性の面でも改良の余地があった。
本発明は、上記事情を鑑みてなされたもので、耐熱性が高く、高強度な樹脂多孔質体及びその製造方法を提供することを目的とする。
本発明は以下の態様を有する。
[1]セルロースナノファイバーの水酸基が、フッ素原子が結合した炭素原子が2つ以上である化学構造を有する修飾基により修飾されている修飾セルロースナノファイバーを、フッ素を含む樹脂中に含有する、医療機器用樹脂多孔質体。
[2]前記修飾セルロースナノファイバーが、平均重合度が600〜30000であり、アスペクト比が20〜10000であり、平均直径が1〜800nmであり、Iβ型結晶を有するセルロースナノファイバーの水酸基が前記修飾基により修飾されている修飾セルロースナノファイバーである、[1]に記載の医療機器用樹脂多孔質体。
[3]前記修飾セルロースナノファイバーが、2θの範囲を0°〜30°とするX線回折パターンが、14°≦2θ≦18°に1つ又は2つのピークと、20°≦2θ≦24°に1つ又は2つのピークとを有し、他にはピークを有さないセルロースナノファイバーの水酸基が前記修飾基により修飾されている修飾セルロースナノファイバーである、[2]に記載の医療機器用樹脂多孔質体。
[4]前記樹脂がエラストマー又はゴムである、[1]〜[3]のいずれか一項に記載の医療機器用樹脂多孔質体
[5]セルロースナノファイバーの水酸基が、フッ素原子が結合した炭素原子が2つ以上である化学構造を有する修飾基により修飾されている修飾セルロースナノファイバーと、フッ素を含む樹脂と、気孔形成剤とを含有する樹脂組成物を調製する調製工程と、該樹脂組成物を成形する成形工程と、成形工程で得られた成形体から前記気孔形成剤を溶出させる工程とを有する、医療機器用樹脂多孔質体の製造方法。
本発明によれば、耐熱性が高く、高強度な樹脂多孔質体及びその製造方法を提供することができる。
セルロースナノファイバーのX線回折分析結果である。
「樹脂多孔質体」
本発明の樹脂多孔質体は、修飾セルロースナノファイバーを樹脂中に含有するものである。
以下、樹脂多孔質体に含まれる各成分について説明する。
<修飾セルロースナノファイバー>
本発明で用いる修飾セルロースナノファイバーは、セルロースナノファイバーの水酸基が修飾基により修飾(水酸基の水素原子が修飾基で置換)されている。
修飾基は、フッ素原子が結合した炭素原子が2つ以上である化学構造を有する。
水酸基が修飾されることで修飾セルロースナノファイバーの耐熱性が高まるため、これを含有する樹脂多孔質体の耐熱性も向上する。
修飾セルロースナノファイバーは、熱分解温度が330℃以上であることが好ましく、350℃以上であることがより好ましい。330℃以上の熱分解温度は、従来のセルロースナノファイバーにはない高いものである。修飾基の化学構造が、フッ素原子が結合した炭素原子を2つ以上有する構造であれば、修飾セルロースナノファイバーの熱分解温度が330℃以上になりやすい。
また、フッ素原子が結合した炭素原子が2つ以上である化学構造を有する修飾基により水酸基が修飾された修飾セルロースナノファイバーは、修飾前のセルロースナノファイバー(以下、「未修飾セルロースナノファイバー」という。)に比べて、ファイバー表面に存在する水酸基が減少しているため、ファイバー間の水素結合による強い密着が抑制されている。そのため樹脂中での修飾セルロースナノファイバーの分散の均一性が向上し、優れた補強効果を発揮する。加えて、修飾セルロースナノファイバーは分散性が良好であるため、多孔質体内部に気孔を均一に形成させることができる。よって、修飾セルロースナノファイバーを含有する樹脂多孔質体の強度も向上する。特に、フッ素を含む樹脂に本発明の修飾セルロースナノファイバーを配合すれば、フッ素を含む樹脂に対する修飾セルロースナノファイバーの親和性が高まるため、修飾セルロースナノファイバーの補強効果がより効果的に発揮され、多孔質体の強度がより向上する。
なお、修飾基の化学構造が、フッ素原子が結合した炭素原子を1つ有する構造の場合は、樹脂中で修飾セルロースナノファイバーが十分に分散せず、十分な補強効果が得られない。加えて、多孔質体内部に気孔を均一に形成させることが困難となる。よって、多孔質体の強度も不十分となる。
セルロースナノファイバーの修飾率、つまり修飾セルロースナノファイバー中の全体の水酸基(修飾されている水酸基と修飾されていない水酸基との合計)のうち、修飾されている水酸基の割合は、0.01〜50%であることが好ましく、20〜40%であることがより好ましい。
修飾率は、元素分析により得られた炭素、水素、酸素の元素割合から算出できる。
未修飾セルロースナノファイバーの平均重合度は、600〜30000であることが好ましく、600〜5000であることがより好ましく、800〜5000であることがさらに好ましい。平均重合度が600以上であれば、十分な補強効果が得られる。一方、平均重合度が30000以下であれば、混練時に粘性が高くならず、樹脂と混練しにくいといった問題点が生じにくい。
補強効果の観点から、未修飾セルロースナノファイバーのアスペクト比は、20〜10000であることが好ましく、20〜2000であることがより好ましい。アスペクト比が20以上であれば、十分な補強効果が得られる。一方、アスペクト比が10000以下であれば、修飾セルロースナノファイバーを含有した樹脂組成物の成形性が良好となる。また、アスペクト比が上記範囲内であれば、修飾セルロースナノファイバーは、分子同士の絡まりや網目構造が強固となり、樹脂多孔質体の機械的強度がより向上する。
なお、本発明において「アスペクト比」とは、未修飾セルロースナノファイバーにおける平均繊維長と平均直径の比(平均繊維長/平均直径)を意味する。
未修飾セルロースナノファイバーの平均直径は、1〜800nmであることが好ましく、1〜300nmであることがより好ましく、1〜100nmであることがさらに好ましい。平均直径が1nm以上であれば、製造コストがかからない。一方、平均直径が800nm以下であれば、アスペクト比が低下しにくく、その結果、安価で十分な補強効果が得られる。
未修飾セルロースナノファイバーの平均直径及び平均繊維長は、走査電子顕微鏡(SEM)により測定できる。例えば、未修飾セルロースナノファイバーが分散した分散液を基板上にキャストしてSEMで観察し、得られた1枚の画像当たり20本以上の繊維について直径と長さの値を読み取り、これを少なくとも3枚の重複しない領域の画像について行い、最低30本の繊維の直径と長さの情報を得る。得られた繊維の直径のデータから平均直径を算出し、長さのデータから平均繊維長を算出することができ、数平均繊維長と平均直径との比からアスペクト比を算出することができる。
未修飾セルロースナノファイバーは、Iα型、Iβ型のセルロースの両方が好適に使用できる。木綿などの高等植物由来セルロースはIβ型結晶成分が多いが、バクテリアセルロースの場合はIα型結晶成分が多い。未修飾セルロースナノファイバーとしては、Iβ型結晶を有するものでもよいし、Iα型結晶を有するものでもよいが、Iβ型結晶を主成分とするものの方が、樹脂に対する補強効果が高い点から好ましい。
Iβ型結晶を有する未修飾セルロースナノファイバーは、図1に示されるように、2θの範囲を0°〜30°とするX線回折パターンが、Iβ型結晶特有のパターンを示す。該パターンは、14°≦2θ≦18°に1つ又は2つのピークと、20°≦2θ≦24°に1つ又は2つのピークとを有し、他にはピークを有さないことが好ましい。
(修飾セルロースナノファイバーの製造方法)
本発明で用いる修飾セルロースナノファイバーは、フッ素原子が結合した炭素原子が2つ以上である化学構造を有する修飾基で、上述した未修飾セルロースナノファイバーの水酸基を修飾することで得られる。
未修飾セルロースナノファイバーの水酸基の修飾は、未修飾セルロースナノファイバーに修飾剤を反応させることにより実施できる。
修飾方法としては、水酸基と反応し得るものであればよく、例えばエーテル化反応、エステル化反応、アリル化反応、シアノエチル化反応、アセタール化反応、ウレタン化反応などが挙げられる。これらの中でも、簡便で効率がよい点から、エーテル化反応、エステル化反応、ウレタン化反応が特に好ましい。
なお、目的のフッ素原子が結合した炭素原子を有する構造を一段階で水酸基に修飾できない場合は、中間体を作製してから修飾してもよい。
修飾剤としては、水酸基と反応し得るものであり、かつ水酸基を修飾して修飾基となったときに、フッ素原子が結合した炭素原子が2つ以上である化学構造を有するものであれば特に制限されないが、例えばエーテル化反応により修飾する場合はエーテル化剤を用い、エステル化反応により修飾する場合はエステル化剤を用いる。
エーテル化剤としては、例えばアルキルエーテル化剤、シリルエーテル化剤などが挙げられる。
アルキルエーテル化剤としては、例えば炭素数が2以上であるアルキル基のうち、少なくとも2つの炭素原子に結合した水素原子の一部または全部がフッ素原子に置換されたフルオロアルキル基を有するハロゲン化アルキル(ペンタフルオロエチルクロライド、n−ヘプタフルオロプロピルクロライド等);前記フルオロアルキル基を有する炭酸ジアルキル(パーフルオロジエチルカーボネート等);前記フルオロアルキル基を有する硫酸ジアルキル(パーフルオロジエチルサルフェイト等);炭素数が2以上であるアルキレン基のうち、少なくとも2つの炭素原子に結合した水素原子の一部または全部がフッ素原子に置換されたフルオロアルキレン基を有するアルキレンオキサイド(ヘキサフルオロプロピレンオキサイド等)などが挙げられる。
シリルエーテル化剤としては、例えば炭素数が2以上であるアルコキシ基のうち、少なくとも2つの炭素原子に結合した水素原子の一部または全部がフッ素原子に置換されたフルオロアルコキシ基を有する有機ケイ素化合物(2,2,2−トリフルオロエトキシトリメチルシラン、2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロポキシトリメチルシラン、2,2,3,3,4,4,4−ヘプタフルオロブトキシトリメチルシラン、2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロポキシトリエチルシラン、2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロポキシジメチルエチルシラン等);シリルトリフルオロメタンスルホネート(tert−ブチルジメチルシリルトリフルオロメタンスルホネート等)などが挙げられる。
エステル化剤としては、例えば炭素数が2以上であるアルキル基のうち、少なくとも2つの炭素原子に結合した水素原子の一部または全部がフッ素原子に置換されたフルオロアルキル基を有するカルボン酸(ペンタフルオロプロピオン酸、ヘプタフルオロブタン酸等);前記フルオロアルキル基を有するカルボン酸無水物(ペンタフルオロプロピオン酸無水物、ヘプタフルオロブタン酸無水物等);前記フルオロアルキル基を有するカルボン酸ハロゲン化物(ペンタフルオロプロピオン酸クロライド、ヘプタフルオロブタン酸クロライド等)などが挙げられる。
上述したエーテル化剤を用いれば、修飾基として、少なくとも2つの炭素原子に結合した水素原子の一部または全部がフッ素原子に置換されたフルオロアルキル基、フルオロアルキレン基、フルオロアルコキシ基が導入される。
また、上述したエステル化剤を用いれば、修飾基として、少なくとも2つの炭素原子に結合した水素原子の一部または全部がフッ素原子に置換されたフルオロアルキルカルボニル基が導入される。
また、ウレタン化反応により未修飾セルロースナノファイバーの水酸基を修飾する場合は、イソシアネートを有するフッ素化合物等の修飾剤で直接水酸基を修飾してもよいが、中間体を作製してから修飾してもよい。例えば2−メタクリロイルオキシエチルイソシアネートなどのイソシアネートとアクリル基の両方を有する化合物を未修飾セルロースナノファイバーの水酸基と反応させ中間体を作製した後、得られた中間体のアクリル基と、修飾剤としてアクリル基とフッ素原子が結合した炭素原子を両方有する構造を持つ化合物とを反応させるのが好ましい。
アクリル基とフッ素原子が結合した炭素原子を両方有する構造を持つ化合物としては、フルオロアルキル基を有するアルコールの(メタ)アクリル酸エステル((メタ)アクリル酸1H,1H,2H,2H−ヘプタデカフルオロデシル、(メタ)アクリル酸2,2,2−トリフロロエチル、(メタ)アクリル酸2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロピル、(メタ)アクリル酸2,2,3,3−テトラフルオロプロピル、(メタ)アクリル酸2,2,3,4,4,4−ヘキサフルオロブチル、(メタ)アクリル酸1H,1H,5H−オクタフルオロペンチル、(メタ)アクリル酸1H,1H,7H−ドデカフルオロヘプチル、(メタ)アクリル酸1H,1H,9H−ヘキサデカフルオロノニル等)などが挙げられる。
修飾剤としては、上述したエーテル化剤、エステル化剤、アクリル基とフッ素原子が結合した炭素原子を両方有する構造を持つ化合物に限定されず、例えば含フッ素系ポリマーを用いてもよい。
含フッ素ポリマーは、フッ素原子が結合した炭素原子を2つ以上有するモノマーを重合することで得られる。このようなモノマーとしては、例えば上述したフルオロアルキル基を有するアルコールの(メタ)アクリル酸エステルなどが挙げられる。
未修飾セルロースナノファイバーの修飾は、未修飾セルロースナノファイバーを含む溶液中に上述した修飾剤を添加し、反応させることにより実施できる。また、上述したように、中間体を作製してから修飾剤を添加して反応させてもよい。
修飾剤の使用量は、未修飾セルロースナノファイバーの所望の修飾率に応じて設定される。
未修飾セルロースナノファイバーと修飾剤との反応条件は、特に限定されるものではなく、公知のエーテル化反応、エステル化反応、ウレタン化反応等の反応条件に準ずればよい。
未修飾セルロースナノファイバーの修飾を行った後の処理液をろ過することにより、処理液中の修飾セルロースナノファイバーを回収できる。
未修飾セルロースナノファイバーとしては、市販品を用いてもよいし、公知の製造方法により製造したものを用いてもよい。
以下に、未修飾セルロースナノファイバーの製造の一例について説明する。
未修飾セルロースナノファイバーは、公知の方法により製造できる。例えば、含セルロース原料に、機械的せん断、化学的処理等の解繊処理を施すことにより製造できる。
含セルロース原料としては、特に限定されないが、リンター、綿、麻などの天然セルロース原料;クラフトパルプ、サルファイトパルプなどの木材化学処理パルプ;セミケミカルパルプ;古紙またはその再生パルプ等が挙げられる。コスト面、品質面、環境面から、木材化学処理パルプ、木材化学処理パルプが好ましく、平均重合度の高いリンターがより好ましい。含セルロース原料の形状は特に限定されないが、機械的せん断の容易さ、化学的処理における溶媒の浸透促進の観点から、含セルロース原料を適宜粉砕してから用いることが好ましい。
解繊処理には、機械的せん断、化学的処理のいずれも利用できる。化学的処理としては、N−メチルモルフォリン−N−オキシド(NMMO)法、銅アンモニア溶液法、イオン液体法、テトラアルキルアンモニウムアセテートと非プロトン性極性溶媒を含む溶液法等が挙げられる。
未修飾セルロースナノファイバーの製造方法としては、イオン液体や、テトラアルキルアンモニウムアセテートと非プロトン性極性溶媒を含む溶液を用いる方法が好ましい。この方法によれば、結晶化度が高く、アスペクト比の大きい未修飾セルロースナノファイバーの作製が可能となる。かかる未修飾セルロースナノファイバーは補強効果が高く、該未修飾セルロースナノファイバーを修飾した修飾セルロースナノファイバーを含有する樹脂多孔質体の強度向上効果に優れる。例えばアスペクト比が大きい未修飾セルロースナノファイバーは、分子同士の絡まりや網目構造が強固となるため、樹脂多孔質体に優れた機械的強度を付与する。
イオン液体を用いた未修飾セルロースナノファイバーの製造方法は、イオン液体を含む溶液(以下、処理液)中で含セルロース原料を解繊処理する工程を含む。
具体的には、処理液に含セルロース原料を添加し、撹拌すると、含セルロース原料が膨潤、溶解して未修飾セルロースナノファイバーが得られる。このときの処理液中のイオン液体の種類や濃度、撹拌条件、処理時間等を調節することで、未修飾セルロースナノファイバーの解繊度、結晶化度等を調節することができる。解繊度が高いほど、処理液中に含まれる未修飾セルロースナノファイバーの直径が小さくなる。このとき、機械せん断、粉砕、研磨、ホモジナイズ、超音波処理等の従来公知の手段を併用することもできる。これらの手段は1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
処理液に用いるイオン液体としては、例えば、下記一般式(I)で表されるものが挙げられる。
Figure 0006108929
式(I)中、Rは炭素数1〜4のアルキル基であり、Rは炭素数1〜4のアルキル基またはアリル基であり、Xはハロゲン、擬ハロゲン、炭素数1〜4のカルボキシレート、またはチオシアネートである。
前記式(I)で表されるイオン液体としては、塩化1−ブチル−3−メチルイミダゾリウム、臭化1−ブチル−3−メチルイミダゾリウム、塩化1−アリル−3−メチルイミダゾリウム、臭化1−アリル−3−メチルイミダゾリウム、臭化1−プロピル−3−メチルイミダゾリウム等が挙げられる。
イオン液体のみで含セルロース原料を解繊処理することも出来るが、溶解力が高すぎて微細繊維まで溶解してしまうおそれがある場合、処理液としては、イオン液体と有機溶剤を含有する溶液を使用することが好ましい。
イオン液体に添加する有機溶剤は、イオン液体との相溶性、セルロースとの親和性、イオン液体との混合後の未修飾セルロースナノファイバーの溶解性、粘度などを考慮し適宜選択すればよいが、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、1−メチル−2−ピロリドン、ジメチルスルフォキサイド、アセトニトリル、メタノール、エタノールから選ばれる少なくとも1種が好ましい。これらの有機溶剤の共存により、セルロースの微細繊維間へのイオン液体の浸透が促進される。またイオン液体による微細繊維の結晶構造の破壊を防ぐことができる。
前記処理液中のイオン液体の含有量は、含セルロース原料、イオン液体、有機溶剤の種類に依存するため適宜調整すればよいが、膨潤、溶解能力の観点から、20質量%以上が好ましい。特に、含セルロース原料に対する溶解力の高い有機溶剤を用いる場合には30質量%以上がより好ましい。メタノールなどのアルコール溶媒では、含セルロース原料に対する溶解力は低いため、イオン液体の含有量は50質量%以上であることが好ましく、より好ましくは70質量%以上である。
前記処理液に対する含セルロース原料の添加量は、添加前の処理液の質量を100質量%とした場合、0.5〜30質量%の範囲にあることが好ましい。経済的な効率の観点から0.5質量%以上が好ましく、1質量%以上がより好ましい。解繊度の均一性の観点から30質量%以下が好ましく、20質量%がより好ましい。
解繊処理の処理温度は特に限定されるものではなく、含セルロース原料を膨潤し微細繊維間の結合物を軟化・溶解できるための適切な温度を選択すればよいが、通常は20〜120℃がよい。20℃未満であると、処理速度が低い、処理液の粘度が高い等により解繊効果が低くなるおそれがある。そのため、解繊の工程が別途必要になってくる。120℃を超えると、ナノファイバーまで溶解してしまい、ナノファイバーにダメージを与える、ナノファイバーの収率が低くなる等のおそれがある。
上記のようにして解繊処理を行った後の処理液を、ろ過や遠心分離やその他公知の分離法を行うことにより、処理液中の未修飾セルロースナノファイバーを回収できる。
前記処理液中で、解繊処理と並行して、または解繊処理後に、セルロースナノファイバーの修飾を行ってもよい。
並行して行う場合も、処理液中の修飾セルロースナノファイバーをろ過や遠心分離やその他公知の分離法により回収できる。
なお、化学的処理で、イオン液体やイオン液体と有機溶剤を含有する溶液の代わりに、テトラアルキルアンモニウムアセテートと非プロトン性極性溶媒を含む溶液を用いても、イオン液体と同様に補強効果に優れたセルロースナノファイバーが得られる。
テトラアルキルアンモニウムアセテートにおけるアルキル基としては、炭素数3〜6のアルキル基が好ましい。テトラアルキルアンモニウムアセテートにおけるアルキル基の炭素数が3〜6である場合、セルロースを十分に膨潤および/または部分溶解することができる。
テトラアルキルアンモニウムアセテートの具体例としては、テトラプロピルアンモニウムアセテート、テトラブチルアンモニウムアセテート、テトラペンチルアンモニウムアセテート、テトラヘキキルアンモニウムアセテート等が挙げられる。中でも、テトラブチルアンモニウムアセテートがより好ましい。テトラアルキルアンモニウムアセテートとしては、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
非プロトン性極性溶媒としては、アミド系溶媒、スルホキシド系溶媒およびピリジン系溶媒から選ばれる少なくとも1種が好ましい。
具体的には、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジエチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジエチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、N−メチル−2−ピロリドン、N,N’−ジメチルプロピレン尿素、N,N’−ジメチルエチレン尿素、テトラメチル尿素、テトラエチル尿素、N,N,N’N’−テトラメチル尿素、ピリジン、4−メチルピリジン、2,6−ジメチルピリジン、2,4,6−トリメチルピリジン、およびこれらの誘導体等が挙げられる。中でも、N,N−ジエチルアセトアミドが好ましい。非プロトン性極性溶媒としては、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
非プロトン性極性溶媒を用いることにより、セルロースナノファイバー間への溶液の浸透が促進され、解繊を効率よく行うことができる。また、セルロースナノファイバーの結晶構造の破壊も防止できる。
本発明の樹脂多孔質体は、上述した修飾セルロールナノファイバーを1種単独で含有していてもよいし、結晶化度、結晶構造、修飾基の種類や修飾率等が異なる2種以上を含有していてもよい。
<樹脂>
樹脂多孔質体中の樹脂の種類としては、熱可塑性樹脂であっても熱硬化性樹脂であってもよい。具体的には、植物性由来樹脂、二酸化炭素を原料とした樹脂、ABS樹脂、ポリエチレンやポリプロピレン等のアルキレン樹脂、スチレン樹脂、ビニル樹脂、アクリル樹脂、アミド樹脂、アセタール樹脂、カーボネート樹脂、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、イミド樹脂、ユリア樹脂、シリコーン樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、エステル樹脂、アクリル樹脂、アミド樹脂、フッ素樹脂、スチロール樹脂、エンジニアリングプラスチックなどを例示できる。また、エンジニアリングプラスチックとしては、ポリアミド、ポリブチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリアセタール、変性ポリフェニレンオキサイド、変性ポリフェニレンエーテル、ポリフェニレンサルファイド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルスルホン、ポリスルホン、ポリアミドイミド、ポリエーテルイミド、ポリイミド、ポリアリレート、ポリアリルエーテルニトリルなどが好適に用いられる。これらの中でも、フッ素樹脂は耐薬品性や摺動性に優れるため、ポリカーボネートは衝撃強度が強いため、特に好ましい。
これら熱可塑性樹脂や熱硬化性樹脂は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
また、樹脂としては、上述した熱可塑性樹脂や熱硬化性樹脂以外にも、エラストマーやゴムなど、変形が容易な弾性体を用いることができる。
エラストマーとしては、例えばウレタン系エラストマー、スチレン系エラストマー、エステル系エラストマー、塩化ビニル系エラストマー、オレフィン系エラストマー、ニトリル系エラストマー、ポリアミド系エラストマーなどが挙げられる。
ゴムとしては、例えば天然ゴム、イソプレンゴム、ブタジエンゴム、1,2−ポリブタジエンゴム、スチレン−ブタジエンゴム、クロロプレンゴム、ニトリルゴム、ブチルゴム、エチレン−プロピレンゴム、クロロスルホン化ポリエチレン、アクリルゴム、エピクロルヒドリンゴム、シリコーンゴム、ウレタンゴムなどが挙げられる。
これらエラストマーやゴムは、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
上述したエラストマーやゴムの中でも、耐薬品性や摺動性が要求される樹脂多孔質体を製造する場合には、フッ素を含むエラストマー(フッ素エラストマー)やフッ素を含むゴム(フッ素ゴム)が好ましい。具体的には、フッ化ビニリデン−四フッ化エチレン−プロピレン共重合体、フッ化ビニリデン−四フッ化エチレン−六フッ化プロピレン共重合体、フッ化ビニリデン−六フッ化プロピレン共重合体などのフッ化ビニリデンとこれと共重合可能な少なくとも一種の他のエチレン性不飽和単量体との含フッ素共重合体;テトラフルオロエチレン−プロピレン共重合体;テトラフルオロエチレン−パーフルオロビニルエーテル共重合体;フルオロシリコーン系ゴムなどが挙げられる。これらの中でも、耐熱性と耐薬品性がより向上することから、テトラフルオロエチレン−プロピレン共重合体が好ましい。
<他の成分>
本発明の樹脂多孔質体は、その他、フィラー、難燃剤、難燃助剤、酸化防止剤、離形剤、着色剤、分散剤、受酸剤、過酸化物、架橋剤、過酸化物加硫−架橋剤等の添加剤を含有してもよい。
フィラーとしては、例えばカーボン繊維、ガラスファイバー、クレー、酸化チタン、シリカ、タルク、炭酸カルシウム、チタン酸カリウム、マイカ、モンモリロナイト、硫酸バリウム、バルーンフィラー、ビーズフィラー、カーボンナノチューブなどを使用できる。
難燃剤としては、ハロゲン系難燃剤、窒素系難燃剤、金属水酸化物、リン系難燃剤、有機アルカリ金属塩、有機アルカリ土類金属塩、シリコーン系難燃剤、膨張性黒鉛などを使用できる。
難燃助剤としては、ポリフルオロオレフィン、酸化アンチモンなどを使用できる。
酸化防止剤としては、リン系酸化防止剤やフェノール系酸化防止剤などを使用できる。
離型剤としては、高級アルコール、カルボン酸エステル、ポリオレフィンワックス、ポリアルキレングリコールなどを使用できる。
着色剤としては、カーボンブラックやフタロシアニンブルーなど、任意の着色剤を使用できる。
分散剤としては、セルロースナノファイバーが樹脂に分散できるものであればよく、アニオン性、カチオン性、ノニオン性又は両性の界面活性剤、高分子型分散剤を使用でき、これらを併用してもよい。
受酸剤としては、酸化カルシウム、酸化マグネシウム、酸化鉛などを使用できる。
過酸化物としては、2,5−ジメチル−2,5−ジ(tert−ブチルパーオキシ)ヘキサン、(1,1,4,4−テトラメチルテトラメチレン)ビス(tert−ブチルパーオキサイド)などを使用できる。
過酸化物加硫−架橋剤としては、トリ(メタ)アリルイソシアヌレート、イソシアヌレートなどを使用できる。
架橋剤としては、公知の加硫剤を用いることができるが、例えばパーオキサイド系加硫剤、ポリオール系加硫剤、アミン系加硫剤などが挙げられる。
パーオキサイド系加硫剤としては、ジクミルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(tert−ブチルパーオキシ)ヘキサン、(1,1,4,4−テトラメチルテトラメチレン)ビス(tert−ブチルパーオキサイド)などを使用できる。
ポリオール系加硫剤としては、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン等のビスフェノールAFタイプなどを使用できる。
アミン系加硫剤としては、ヘキサメチレンジアミンカーバメート、N,N−ジシンナミリデン−1,6−ヘキサンジアミンなどを使用できる。
加硫剤としては、上記の中でも、多孔質体を医療用チューブなどの医療機器に用いたときの人体への影響や、滅菌処理時の耐薬品性を考慮すると、パーオキサイド系加硫剤が特に好ましい。
<樹脂多孔質体の製造方法>
樹脂多孔質体は公知の方法により製造でき、例えば、相分離法、抽出法、化学処理法、延伸法、照射エッチング法、融着法、発泡法などを単独または組み合わせて用いて製造できる。これらの方法の中でも、樹脂(特にエラストマーやゴム)の気孔径を容易に調整できる点から、抽出法が好ましい。
以下、抽出法を用いた樹脂多孔質体の製造方法の一例について説明する。この例の製造方法は、下記調製工程と成形工程と溶出工程とを有する。
(調製工程)
調製工程は、上述した修飾セルロールナノファイバーと、樹脂とを含有する樹脂組成物を調製する工程である。抽出法により樹脂多孔質体を製造する場合、修飾セルロールナノファイバー及び樹脂に、気孔形成剤を添加して樹脂組成物を調製する。また、必要に応じて上述した他の成分や後述する水溶性高分子を樹脂組成物に配合してもよい。
修飾セルロースナノファイバーの配合量は、樹脂100質量部に対して、1〜100質量部が好ましく、3〜50質量部がより好ましい。修飾セルロースナノファイバーの配合量が上記範囲内であれば、高強度で連通性の高い樹脂多孔質体が得られやすくなる。
樹脂としては、エラストマー又はゴムが好ましく、耐薬品性や摺動性に優れる樹脂多孔質体が得られる点で、フッ素を含むエラストマー又はフッ素を含むゴムが特に好ましい。
気孔形成剤としては、例えば、塩化物塩、硫酸塩、炭酸塩などの水溶性無機塩が挙げられる。具体的には、塩化マグネシウム、塩化ナトリウム 、塩化カリウム、塩化カルシウム、硫酸マグネシウム、硫酸ナトリウム、硫酸カリウム、硫酸カルシウム、炭酸ナトリウムなどが挙げられる。これら気孔形成剤は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
気孔形成剤の配合量は、樹脂組成物100体積%に対して、55〜80体積%が好ましく、60〜75体積%がより好ましい。気孔形成剤の配合量が上記範囲内であれば、高強度で連通性の高い樹脂多孔質体が得られやすくなる。
樹脂組成物には、本発明の効果を損なわない範囲内であれば、流動性の向上を目的として水溶性高分子が含まれていてもよい。
水溶性高分子としては、例えば、ポリビニルアルコール、エチレンオキシド、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、エチルヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、メチルヒドロキシプロピルセルロース、ポリエチレングリコール、ポリビニルメチルエーテル、カルボキシビニル重合体、ポリアクリル酸ナトリウムなどが挙げられる。これら水溶性高分子は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
水溶性高分子の配合量は、気孔形成剤との質量比(気孔形成剤:水溶性高分子)が99:1〜3:2となる量が好ましい。質量比が上記範囲内であれば、樹脂多孔質体中の気孔形成が容易となる。
樹脂組成物は、修飾セルロールナノファイバーと、樹脂と、気孔形成剤と、必要に応じて水溶性高分子や他の成分とを混合装置(例えば二本ロールミル、バンバリーミキサー、ダウミキサー(ニーダー)等)を用いて均一に混合することで得られる。また、必要に応じて、混合後に加熱処理を行ってもよい。加熱処理時の加熱温度や加熱時間は、選定材料に応じて適宜選択する。
(成形工程)
成形工程は、調製工程により得られた樹脂組成物を成形して成形体を得る工程である。
成形方法としては特に制限されず、一般の有機合成ゴムと同じく、プレス成形、押出し成形、カレンダー成形、インジェクション成形等の方法を用いることができる。
また、必要に応じて、成形後に加熱処理を行って二次加硫してもよい。加熱処理時の加熱温度や加熱温度は、選定材料に応じて適宜選択する。
(溶出工程)
溶出工程は、成形工程により得られた成形体から気孔形成剤を溶出させる工程である。
気孔形成剤を溶出させる方法としては、成形体を水に浸漬させる方法が挙げられる。成形体を水に浸漬させることで、気孔形成剤が水中に溶出する。
水の温度は特に制限されず、通常は室温(例えば25℃程度)であるが、水温を上げることで気孔形成剤の水への溶出時間を短縮することができる。
さらに、浸漬時に超音波等の振動を与えることでも、溶出時間の短縮が可能となる。
<作用効果>
以上説明した本発明の樹脂多孔質体は、上述した修飾セルロースナノファイバーを樹脂中に含有するものである。修飾セルロースナノファイバーは、フッ素原子が結合した炭素原子が2つ以上である化学構造を有する修飾基により水酸基が修飾されているので、耐熱性に優れる。また、ファイバー間の水素結合による強い密着が抑制されるので、樹脂中での修飾セルロースナノファイバーの分散の均一性が向上し、優れた補強効果を発揮する。
このように、本発明の樹脂多孔質体は、耐熱性及び補強効果に優れた修飾セルロースナノファイバーを含有する。しかも該修飾セルロースナノファイバーは分散性が良好であるため、多孔質体内部に気孔を均一に形成させることができる。よって、本発明の樹脂多孔質体は耐熱性及び強度の面で優れている。
また、本発明の樹脂多孔質体の製造方法では、成形工程の後に、得られた成形体から気孔形成剤を溶出する(溶出工程)。気孔形成剤が溶出した後、気孔内壁を修飾セルロースナノファイバーが補強するため、樹脂多孔質体は強度に優れると考えられる。
また、未修飾セルロースナノファイバーの水酸基を修飾する修飾基の化学構造が、フッ素原子が結合した炭素原子を2つ以上有する構造である。よって、フッ素樹脂、フッ素エラストマー、フッ素ゴムなどのフッ素を含む樹脂に修飾セルロースナノファイバーを配合すれば、フッ素を含む樹脂に対する修飾セルロースナノファイバーの親和性が高まるため、修飾セルロースナノファイバーの補強効果がより効果的に発揮され、より高強度な樹脂多孔質体が得られる。
<用途>
本発明の樹脂多孔質体は、耐熱性に優れ、高い強度を有するので、耐熱性及び強度が要求される用途に特に好適である。
さらに、樹脂多孔質体に含まれる樹脂がフッ素樹脂、フッ素エラストマー、フッ素ゴムなどのフッ素を含む樹脂であれば、樹脂多孔質体に耐薬品性や摺動性も付与される。よって、カテーテル、内視鏡用処置具チューブ、内視鏡可撓管等の医療用チューブ;注射針、耳鼻科用ノズル等の医療用パイプなどの医療機器としての使用も好適となる。
以下、実施例および比較例により本発明をさらに具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
ただし、実施例4、5は参考例である。
「実施例1」
<未修飾セルロースナノファイバー(A−1)の製造>
ハサミで3mm角に切断したろ紙(東洋濾紙株式会社製、ADVANTEC(登録商標)のFILTER PAPER)15gを200mlのフラスコに入れ、さらにN,N−ジメチルアセトアミド50mlと、イオン液体として塩化1−ブチル−3−メチルイミダゾリウム60gを加え、攪拌した。次に、さらに硫酸水溶液を加え、攪拌した後、ろ過し、固形物を洗浄した。これをホモジナイザーで処理することにより、未修飾セルロースナノファイバー(A−1)を得た。
<修飾セルロースナノファイバー(B−1)の製造>
未修飾セルロースナノファイバー(A−1)1gをピリジンに加え、これにペンタフルオロプロピオン酸無水物16gを加えて、60℃で反応させた。反応物を遠心分離した後、得られた固形物を洗浄、乾燥させ、未修飾セルロースナノファイバー(A−1)の水酸基が修飾基で修飾された修飾セルロースナノファイバー(B−1)(修飾率30%)を得た。該修飾基の化学構造は、フッ素原子が結合した炭素原子を2つ有する構造である。
<樹脂組成物及び樹脂多孔質体の製造>
樹脂としてフッ素ゴム(デュポンエラストマー株式会社製、「Viton GLT」)100質量部と、修飾セルロースナノファイバー(B−1)10質量部と、受酸剤として酸化カルシウム3質量部と、過酸化物(日油株式会社製、「パーヘキサ25B−40」)3質量部と、過酸化物加硫−架橋剤(デュポンエラストマー株式会社製、「DiaK #7」)3質量部と、硫酸ナトリウム(高杉製薬株式会社製、「無水、試薬一級」)200質量部とをバンバリーミキサーを用いて混合し、修飾セルロースナノファイバー(B−1)を含有する樹脂組成物を得た(調製工程)。
得られた樹脂組成物を170℃で10分間熱プレスし、厚さ1.5mmのシート状物とした後、200℃で4時間の加熱処理を行って二次加硫し、成形体を得た(成形工程)。
得られた成形体を水(25℃)に24時間浸漬させた後(溶出工程)、乾燥させて、シート状の樹脂多孔質体を得た。
「実施例2」
<修飾セルロースナノファイバー(B−2)の製造>
2−メタクリロイルオキシエチルイソシアネートおよびジメチルホルミアミドの1:1混合液に、ジブチルスズラウレートを添加し、さらに実施例1と同様にして製造した未修飾セルロースナノファイバー(A−1)1gを加えて、40℃で反応させた。反応物を遠心分離した後、得られた固形物を洗浄、乾燥させ、未修飾セルロースナノファイバー(A−1)を前処理した。
別途、アクリル酸1H,1H,2H,2H−ヘプタデカフルオロデシルをジメチルホルムアミドに溶解させ、さらに2.2’アゾビスイソブチロニトリルを加えて溶解させた。これに、前処理した未修飾セルロースナノファイバー(A−1)1gを加え、70℃で10分間反応させた。反応物を遠心分離した後、得られた固形物を洗浄、乾燥させ、未修飾セルロースナノファイバー(A−1)の水酸基が修飾基で修飾された修飾セルロースナノファイバー(B−2)(修飾率20%)を得た。該修飾基の化学構造は、フッ素原子が結合した炭素原子を8つ以上有する構造である。
<樹脂組成物及び樹脂多孔質体の製造>
修飾セルロースナノファイバー(B−1)に代えて、修飾セルロースナノファイバー(B−2)を用いた以外は、実施例1と同様にして樹脂組成物を製造し、シート状の樹脂多孔質体を得た。
「実施例3」
<修飾セルロースナノファイバー(B−3)の製造>
ナタデココ(株式会社フジッコ製、平均重合度:3000、平均アスペクト比:1000、平均直径:70nm)を乾燥して、バクテリアセルロースを得た。
該バクテリアセルロースを未修飾セルロースナノファイバー(A−2)として用いた以外は実施例1と同様にして、未修飾セルロースナノファイバー(A−2)の水酸基が修飾基で修飾された修飾セルロースナノファイバー(B−3)(修飾率40%)を得た。該修飾基の化学構造は、フッ素原子が結合した炭素原子を2つ有する構造である。
<樹脂組成物及び樹脂多孔質体の製造>
修飾セルロースナノファイバー(B−1)に代えて、修飾セルロースナノファイバー(B−3)を用いた以外は、実施例1と同様にして樹脂組成物を製造し、シート状の樹脂多孔質体を得た。
「実施例4」
<樹脂組成物及び樹脂多孔質体の製造>
樹脂としてエチレン−プロピレンゴム(JSR株式会社製、「EP51」)100質量部と、修飾セルロースナノファイバー(B−1)10質量部と、架橋剤(日油株式会社製、「パークミルD」)1質量部と、硫酸ナトリウム200質量部とをバンバリーミキサーを用いて混合し、修飾セルロースナノファイバー(B−1)を含有する樹脂組成物を得た(調製工程)。
得られた樹脂組成物を150℃で10分間熱プレスし、厚さ1.5mmのシート状物とした後、150℃で20分の加熱処理を行って二次加硫し、成形体を得た(成形工程)。
得られた成形体を水(25℃)に24時間浸漬させた後(溶出工程)、乾燥させて、シート状の樹脂多孔質体を得た。
「実施例5」
<樹脂組成物及び樹脂多孔質体の製造>
予めジクロロメタンに溶解させたポリカーボネート(帝人化成株式会社製、「パンライト L−1225L」)100質量部と、修飾セルロースナノファイバー(B−1)10質量部と、硫酸ナトリウム150質量部とをジクロロメタン中で混合し、乾燥させ、修飾セルロースナノファイバー(B−1)を含有する樹脂組成物を得た(調製工程)。
得られた樹脂組成物を260℃で30秒間熱プレスし、厚さ1.5mmのシート状物とし、これを成形体とした(成形工程)。
得られた成形体を水(25℃)に24時間浸漬させた後(溶出工程)、乾燥させて、シート状の樹脂多孔質体を得た。
「比較例1」
<樹脂組成物及び樹脂多孔質体の製造>
微結晶セルロース(メルク株式会社製、平均重合度:250、平均アスペクト比:10、直径:1〜10μmが混在)を未修飾セルロースナノファイバー(A−3)として用いた。
修飾セルロースナノファイバー(B−1)に代えて、未修飾セルロースナノファイバー(A−3)を用いた以外は、実施例1と同様にして樹脂組成物を製造し、シート状の樹脂多孔質体を得た。
「比較例2」
<樹脂組成物及び樹脂多孔質体の製造>
ナタデココ(株式会社フジッコ製、平均重合度:3000、平均アスペクト比:1000、平均直径:70nm)を乾燥して得られたバクテリアセルロースを未修飾セルロースナノファイバー(A−2)として用いた。
修飾セルロースナノファイバー(B−1)に代えて、未修飾セルロースナノファイバー(A−2)を用いた以外は、実施例1と同様にして樹脂組成物を製造し、シート状の樹脂多孔質体を得た。
「比較例3」
<修飾セルロースナノファイバー(B−4)の製造>
未修飾セルロースナノファイバー(A−2)1gをピリジンに加え、これにトリフルオロ酢酸無水物16gを加えて、60℃で反応させた。反応物を遠心分離した後、得られた固形物を洗浄、乾燥させ、未修飾セルロースナノファイバー(A−2)の水酸基が修飾基で修飾された修飾セルロースナノファイバー(B−4)(修飾率10%)を得た。該修飾基の化学構造は、フッ素原子が結合した炭素原子を1つ有する構造である。
<樹脂組成物及び樹脂多孔質体の製造>
修飾セルロースナノファイバー(B−1)に代えて、修飾セルロースナノファイバー(B−4)を用いた以外は、実施例1と同様にして樹脂組成物を製造し、シート状の樹脂多孔質体を得た。
「比較例4」
<樹脂組成物及び樹脂多孔質体の製造>
修飾セルロースナノファイバー(B−1)に代えて、未修飾セルロースナノファイバー(A−3)を用いた以外は、実施例4と同様にして樹脂組成物を製造し、シート状の樹脂多孔質体を得た。
「比較例5」
<樹脂組成物及び樹脂多孔質体の製造>
修飾セルロースナノファイバー(B−1)に代えて、未修飾セルロースナノファイバー(A−3)を用いた以外は、実施例5と同様にして樹脂組成物を製造し、シート状の樹脂多孔質体を得た。
「測定・評価」
実施例1〜3及び比較例1〜3で用いた未修飾セルロースナノファイバーについて、以下に示す方法により平均重合度、アスペクト比、平均直径を測定し、結晶構造を解析した。結果を表1に示す。
また、実施例1〜3及び比較例3で得られた修飾セルロースナノファイバーと、比較例1、2で用いた未修飾セルロースナノファイバーについて、以下に示す方法により耐熱性を評価した。結果を表1に示す。
なお、実施例4、5で用いた未修飾セルロースナノファイバー及び修飾セルロースナノファイバーは、実施例1と同じであるため、測定および評価は省略した。また、比較例4、5で用いた未修飾セルロースナノファイバーは、比較例1と同じであるため、測定および評価は省略した。
(1)平均重合度の測定
未修飾セルロースナノファイバーの平均分子量を粘度法(参考文献:Macromolecules,18,2394−2401,1985)により求めた。
(2)アスペクト比、平均直径の測定
未修飾セルロースナノファイバーの平均直径(数平均繊維径)及び平均繊維長(数平均繊維長)は、SEM解析により評価した。詳細には、未修飾セルロースナノファイバー分散液をウェーハ上にキャストしてSEM観察し、得られた1枚の画像当たり20本以上の繊維について繊維径と繊維長の値を読み取り、これを少なくとも3枚の重複しない領域の画像について行い、最低30本の繊維径と繊維長の情報を得た。得られた繊維径のデータから平均直径を算出した。また、繊維長のデータから平均繊維長を算出し、平均繊維長と平均直径との比から平均アスペクト比(平均繊維長/平均直径)を算出した。
(3)結晶構造の解析(XRD)
未修飾セルロースナノファイバーの結晶構造は、粉末X線回折装置Rigaku Ultima IVを用いて分析した。
分析結果から、2θの範囲を0°〜30°とするX線回折パターンが、14°≦2θ≦18°に1つ又は2つのピークと、20°≦2θ≦24°に1つ又は2つのピークとを有し、他にはピークを有さない場合にはIβ型の結晶型であると判断し「○」とした。そうでない場合には「×」と判定した。
(4)耐熱性の評価
修飾セルロースナノファイバー又は未修飾セルロースナノファイバーの熱分解温度を、熱分析装置THERMO plus TG8120を用いて測定した。縦軸に質量減少率、横軸に温度をプロットしたグラフを描き、大きく質量減少する時の接線と質量減少前の接線との交点の温度を熱分解温度とした。熱分解温度が高いほど、耐熱性に優れる。
Figure 0006108929
表1に示すとおり、修飾セルロースナノファイバー(B−1)、(B−2)、(B−3)は、熱分解温度が高く、耐熱性に優れていた。
一方、未修飾セルロースナノファイバー(A−2)、(A−3)、及び修飾セルロースナノファイバー(B−4)は、実施例1〜3に比べると熱分解温度が低かった。
次に、実施例1〜5及び比較例1〜5で得られたシート状の樹脂多孔質体について、以下に示す方法により強度及び耐熱性を評価した。結果を表2、3に示す。
(5)強度比の測定
JIS K 6251に準拠し、オートグラフAG−X PLUS(株式会社島津製作所製)を用いて、引張強度を測定した。
引張強度の値を「実施例1と比較例1」、「実施例2と比較例2」、「実施例3と比較例3」、「実施例4と比較例4」、「実施例5と比較例5」でそれぞれ比較し、実施例の値が比較例の値の1.4倍以上の場合には「◎」、実施例の値が比較例の値の1.1倍以上1.4倍未満の場合には「○」、実施例の値が比較例の値の1.1倍未満の場合には「×」と判定した。
(6)耐熱性の評価
樹脂多孔質体を260℃30秒で0.3mmの厚さにプレスしたシート状成形体の外観を目視にて観察した。DICカラーガイドDIC−647よりも全体的に色が薄い場合を「○」、濃い場合を「×」と判定した。
Figure 0006108929
Figure 0006108929
表2、3に示すとおり、実施例1〜5で得られた樹脂多孔質体は、強度が高く、耐熱性に優れていた。これらの結果より、修飾セルロースナノファイバーが、樹脂多孔質体の補強効果に優れることが示された。
一方、比較例1〜5で得られた成形体は、強度が低く、耐熱性にも劣っていた。

Claims (5)

  1. セルロースナノファイバーの水酸基が、フッ素原子が結合した炭素原子が2つ以上である化学構造を有する修飾基により修飾されている修飾セルロースナノファイバーを、フッ素を含む樹脂中に含有する、医療機器用樹脂多孔質体。
  2. 前記修飾セルロースナノファイバーが、平均重合度が600〜30000であり、アスペクト比が20〜10000であり、平均直径が1〜800nmであり、Iβ型結晶を有するセルロースナノファイバーの水酸基が前記修飾基により修飾されている修飾セルロースナノファイバーである、請求項1に記載の医療機器用樹脂多孔質体。
  3. 前記修飾セルロースナノファイバーが、2θの範囲を0°〜30°とするX線回折パターンが、14°≦2θ≦18°に1つ又は2つのピークと、20°≦2θ≦24°に1つ又は2つのピークとを有し、他にはピークを有さないセルロースナノファイバーの水酸基が前記修飾基により修飾されている修飾セルロースナノファイバーである、請求項2に記載の医療機器用樹脂多孔質体。
  4. 前記樹脂がエラストマー又はゴムである、請求項1〜3のいずれか一項に記載の医療機器用樹脂多孔質体。
  5. セルロースナノファイバーの水酸基が、フッ素原子が結合した炭素原子が2つ以上である化学構造を有する修飾基により修飾されている修飾セルロースナノファイバーと、フッ素を含む樹脂と、気孔形成剤とを含有する樹脂組成物を調製する調製工程と、該樹脂組成物を成形する成形工程と、成形工程で得られた成形体から前記気孔形成剤を溶出させる溶出工程とを有する、医療機器用樹脂多孔質体の製造方法。
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