JP6108512B1 - 吊り足場及びその設置方法 - Google Patents
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Abstract
Description
より詳細には、高架橋、高架道路、高架鉄道等の橋梁に落下防護工として取付けられる吊り足場及びその設置方法に関するものである。
このような吊り足場は、地組(地上での組立)した後、吊り上げ装置により吊り上げて所定位置に設置していた。
例えば、特許文献1(特許5097313号公報)には、索条によって吊り足場を高所作業レベルに上昇され、吊り足場を地組し且つ複数の横架材によって足場板を横架材の下側に懸下すべく、足場板を横架材に解放可能に連結するとともに、高所作業レベルにおいて横架材を撤去すべく足場板及び横架材の連結を解放する懸吊具と、
高所作業レベルに上昇された足場板を懸吊する懸吊手段とを有する吊り足場が記載されている。
このため、特許文献1の吊り足場は、作業床を形成するための多数の足場板と、その足場板の上側に水平に配置された複数の横架材と、足場板を横架材の下側に懸架するための懸吊具と、横架材を揚重機の索条によって吊り上げるための吊り金具とから構成されている。
また、この開口部は足場板懸吊部材を挿通するためにも利用されるようになっており、吊り上げ完了時まで開口部の閉塞や全体の養生(足場板上へのシート掛けなど)ができず、作業の安全上の問題点があった。
(1)本発明の吊り足場は、
吊り上げ装置に連結された吊りフックによって上昇され、
高所作業レベルで建設物に取付けられる吊り足場であって、
単パネルの上面に取り付けられた単クランプと、
前記単クランプに取り付けられた単管と、
前記単管を介し複数の単パネルが面状に連結一体化されたブロックパネルと、
前記単管の上方に前記単管と平行に配設され、U字型連結部材を介して前記単管と連結された吊り材Bと、
前記吊り材Bの上方に前記吊り材Bと直交に配設され、直交金具を介して前記吊り材Bと連結された吊り材Aと、を備え、
吊り上げ装置によって吊り上げ高所作業レベルに上昇され、
吊りフックを介して前記建設物の下方に吊り下げ固定されることを特徴とする。
(2)本発明の吊り足場は、上記(1)において、
前記単パネルには、その上面略中央にネジ穴が1つ穿設されており、
当該ネジ穴に単クランプが取り付けられていることを特徴とする。
(3)本発明の吊り足場は、上記(1)、(2)において、
前記U字型連結部材の2枚の対向板の間隔は、吊り材Bを挿入しやすくするため、その上方に形成される開放部に向かって徐々に広くなっていることを特徴とする。
(4)本発明の吊り足場の設置方法は、
地上に設置した組立架台上で昇降可能な吊り足場を地組し、
吊り上げ装置に連結された吊りフックによって前記地組した吊り足場を上昇させ、
高所作業レベルで建設物に取付ける吊り足場の設置方法であって、
前記組立架台上での地組に際して、
単パネルの上面に単クランプを取り付け、
前記単クランプに単管を取り付け、
前記単管を介し、複数の単パネルを面状に連結一体化してブロックパネルとし、
前記単管の上方に、U字型連結部材を介して連結した吊り材Bを前記単管と平行に配設し、
前記吊り材Bの上方に、直交金具を介して吊り材Bと直交して連結した前記吊り材Aを配設して、吊り足場を構成し、
前記吊り足場を吊り上げ装置によって高所作業レベルに上昇させた後、
吊りフックを介して前記建設物の下方に吊り下げ固定することを特徴とする。
そのため、吊り上げ前(足場地組時)に単パネルに開口部が設けられていても開口部をあらかじめ閉塞することができ、足場へのシートの敷設など全体の養生も可能となり、作業安全性を保つことができる。
以下、添付図面を参照して、本発明の実施形態について詳細に説明する。
図1は、本発明の吊り足場10の全体構成を示す説明図であり、(a)は平面図であり、(b)は(a)のA−A断面図である。
図1の説明図に示すように、地上に設置した組立架台50上で昇降可能な吊り足場10を地組し、吊り上げ装置51に連結された吊りフック52によって上昇させ、高所作業レベル53で建設物54に取付けて、作業用の足場として用いるものである。
組立架台50上での地組に際しては、まずは、単パネル11の上面にクランプ部材である単クランプ12を取り付け、その単クランプ12に補助パイプである単管13を取り付ける。
単パネル11には、単パネル11を単管13に連結するための単クランプ取り付け用のネジ孔11aが穿設されている。
その後、単管13を介し、複数の単パネル11を縦横方向面状に連結一体化したブロックパネル15とする。
複数の単パネル11をフレーム枠11b内に縦横方向に配置して連結して大面積のブロックパネル15とする。
さらに、このブロックパネル15を複数連結して広面積のブロックパネルとすることもできる。
そして、単管13の上方に、U字型連結部材16を介して連結した吊り材Bを単管13と平行に配設し、吊り材Bの上方に、直交金具17を介して、吊り材Bと直交して連結した吊り材Aを配設して吊り足場10とする。
さらに、吊り足場10を吊り上げ装置51によって上方に吊り上げ、高所作業レベル53に上昇させた後、吊りフック52を介して建設物54の下方に吊り下げ固定する。
なお、図1(b)に示すように、吊り足場10には、養生ネットなどを張設する朝顔仮止めチェーンや朝顔が取り付けられている。
図2の断面図に示すように、小面積の単パネル11の上面の略中央には、単クランプ12の雄ネジをネジ込み固定するためのネジ穴11aが1つ設けられていて、そのネジ穴11aに単クランプ12が取り付けられている。
なお、単パネル11に設けられるネジ穴の数は複数個であってもよく、単クランプ12を取り付けるネジ穴は適宜決定される。
そして、単パネル11の上面に配設された断面円形状の単管13が、単クランプ12に挟持されて取り付けられている。
なお、単管13は、図1(b)では上下方向に配設されている。
この単管13を介することによって、単パネル11の1枚1枚が面状に連結一体化されて、大面積のブロックパネル15が構成される。
単管13の上方には、上方に対向板を有し下方に湾曲部を備えた、断面U字状のU字型連結部材16を介して連結した吊り材Bが、単管13と平行になるように配設されている。
なお、吊り材Bは、足場パネル10の縦幅寸法(図1(a)に示す上下方向)と概ね同等の長さを有する角パイプである。
次に、吊り材Bの上方には、直交金具17を介して連結された吊り材Aが配設されている。
吊り材Aは、吊り材Bと直交状態となるように直交金具17によって配設される。
このようにして、地上の組立架台50上において吊り足場10が地組される。
なお、吊り材A、Bは、角形鋼管や構造用鋼管などを使用することができるが、トラス状ビーム、H形鋼、C形鋼等も使用することができる。
図3(a)に示すように、単パネル11に単クランプ12をネジ込み固定して取り付けた単管13と単パネル11との隙間に、U字型連結部材16を横方向に寝かして2枚の対向板の一方を挿通させ、対向板16aの間に形成された開放部16bを上方に向けて起こし、U字型連結部材16の湾曲部16cを単管13と接触させる(図3(b)、(c))。
図3(d)に示すように、U字型連結部材16の対向板16aの間に、開放部16bから吊り材Bを挿入する。
なお、U字型連結部材16の上方(図3(d)に示す状態)の開放部16bにおける対向板16aの間の幅は、吊り材Bを挿入しやすくするため、上方に向かって徐々に広くなっている。
次に、U字型連結部材16の対向板16aおよび吊り材Bに設けられた貫通孔k内にボルト16dを挿通してナット締めし、U字型連結部材16を単管13内に固定する(図3(e))。
これにより、ブロックパネル15、単管13、吊り材Bとが一体的に連結される。
なお、ボルト16bには朝顔仮止めチェーン(図1(b)参照)をつないでもよい。
図4に示すように、吊り材Bの上方に、直交金具17を介して吊り材Aが配設される。
吊り材Aは、直交金具17を用いることによって、吊り材Bと直交して連結される。
なお、吊り材Aは、足場パネル10の横幅寸法(図1(a)に示す横方向)と概ね同等の長さを有する角パイプである。
吊り材Aと吊り材Bとを直交して連結する直交金具17について説明する。
図5(a)は、直交金具17を示す斜視図であり、(b)は直交金具17を介して、吊り材Aに吊り材Bを取り付けた状態を示す斜視図である。
図5に示すように、直交金具17は、吊り材Aを挟持する一対のブラケット17a、17a(対向して立設されている2枚の垂直板)と、ブラケット17aから垂下し、吊り材Bを挿通可能な方形開口部17fを形成する枠体17b(輪切りした切り口断面が四角形の角パイプ)と、から形成されている。
吊り材Aと吊り材Bとの直交連結は、直交金具17の枠体17bの内側に吊り材Bを挿通させるとともに、一対のブラケット17a、17a間の上方開放部17dから吊り材Aを挿入してブラケット17a、17aで挟持し、ブラケット17a、17aの上方に設けられた貫通孔17eにボルト17fを挿通する。
これにより、吊り材Aは、その上方をボルト17fによって押さえられて開放部17dから抜けないようになり、ブラケット17a、17a内に固定される。
図6〜図14は施工手順の正面図および平面図である。
図6に示すように、まず、施工前に、カラーコーン(登録商標)による車線規制および高架橋(建設物54)に吊り上げ装置51を設置する。
続いて、STEP1として、図7に示すように、吊り足場10の地組は、交通に支障がない高架橋下の地上作業区域で行うため、組立架台50を設置する。
STEP2として、図8に示すように、組立架台50上で単パネル11を並べて単クランプ12のネジを取り付ける。
STEP3として、図9に示すように、単パネル11上に取り付けた単クランプ12に単管13を取り付け、単管13によって単パネル11を平面連結一体化してブロックパネル15とする。
STEP4として、図10に示すように、一体化したブロックパネル15の側面に朝顔を組み立てる。
STEP5として、図11に示すように、単管13に、U字型連結部材16を取り付けるとともに、U字型連結部材16に吊り材Bを固定する。
STEP6として、図12に示すように、吊り材Bは、予め直交金具17の枠体17bに挿通されており、この枠体17bの上方のブラケット17a、17a間に吊り材Aを上方から挿入して、ボルト・ナットで固定する。
これにより、組立架台50上での吊り足場10の地組が完了する。
STEP7として、図13に示すように、一時通行止めを行い、組立架台50とともに地組した吊り足場10を吊り位置まで移動する。
高架橋(建設物54)の下方鋼桁に取付けられた吊り上げ装置51の吊りフック52を降下させる。
STEP8として、図14に示すように、吊り上げ装置51の吊りフック52を吊り足場10の吊り点10a(4点)に係留し、吊り足場10を鋼桁のレベル(高所作業レベル53)まで吊り上げ係止する。
なお、吊り点10aは、吊上げ時の足場パネルの水平バランスを考慮した位置に設定されている。
(実施例では、吊り材Aと吊り材Bとの交差点の近辺)に配置される。
10a 吊り点
11 単パネル
11a ネジ穴
11b フレーム枠
12 単クランプ
13 単管
15 ブロックパネル
16 U字型連結部材
16a 対向板
16b 開放部
16c 湾曲部
17 直交金具
17a ブラケット
17b 枠体
17d 開放部
17e 貫通孔
17f ボルト
50 組立架台
51 吊り上げ装置
52 吊りフック
53 高所作業レベル
54 建設物
A、B 吊り材
k 貫通孔
Claims (4)
- 吊り上げ装置に連結された吊りフックによって上昇され、
高所作業レベルで建設物に取付けられる吊り足場であって、
単パネルの上面に取り付けられた単クランプと、
前記単クランプに取り付けられた単管と、
前記単管を介し複数の単パネルが面状に連結一体化されたブロックパネルと、
前記単管の上方に前記単管と平行に配設され、U字型連結部材を介して前記単管と連結された吊り材Bと、
前記吊り材Bの上方に前記吊り材Bと直交に配設され、直交金具を介して前記吊り材Bと連結された吊り材Aと、を備え、
吊り上げ装置によって吊り上げ高所作業レベルに上昇され、
吊りフックを介して前記建設物の下方に吊り下げ固定されることを特徴とする吊り足場。 - 前記単パネルには、その上面略中央にネジ穴が1つ穿設されており、
当該ネジ穴に単クランプが取り付けられていることを特徴とする請求項1に記載の吊り足場10。 - 前記U字型連結部材の2枚の対向板の間隔は、吊り材Bを挿入しやすくするため、その上方に形成される開放部に向かって徐々に広くなっていることを特徴とする請求項1又は2に記載の吊り足場。
- 地上に設置した組立架台上で昇降可能な吊り足場を地組し、
吊り上げ装置に連結された吊りフックによって前記地組した吊り足場を上昇させ、
高所作業レベルで建設物に取付ける吊り足場の設置方法であって、
前記組立架台上での地組に際して、
単パネルの上面に単クランプを取り付け、
前記単クランプに単管を取り付け、
前記単管を介し、複数の単パネルを面状に連結一体化してブロックパネルとし、
前記単管の上方に、U字型連結部材を介して連結した吊り材Bを前記単管と平行に配設し、
前記吊り材Bの上方に、直交金具を介して吊り材Bと直交して連結した前記吊り材Aを配設して、吊り足場を構成し、
前記吊り足場を吊り上げ装置によって高所作業レベルに上昇させた後、
吊りフックを介して前記建設物の下方に吊り下げ固定することを特徴とする吊り足場の設置方法。
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