JP6108273B2 - オイルポンプ用ロータ - Google Patents

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Description

本発明は、アルミニウム合金基焼結体からなるオイルポンプ用ロータに関するものである。特に、インナーロータとアウターロータとの相互の摺り合いによる摩耗が少ないオイルポンプ用ロータに関するものである。
焼結内接歯車ポンプロータは自動二輪車用オイルポンプの基幹部品として広く利用されている。主な用途としては、エンジン潤滑用、変速機の油圧発生用、ディーゼルエンジンの燃料供給用などがある。従来、オイルポンプ用ロータの構成材料は、強度及び耐摩耗性に優れる鉄系材料が利用されている。近年、自動二輪車部品では、軽量化のために、鉄系材料に代えて、アルミニウム合金材料を利用することが検討されている。
特許文献1には、アルミニウム合金に硬質粒子を添加して、強度と耐摩耗性の両立を狙いとした焼結アルミニウム合金が開示されている。この焼結アルミニウム合金は、Al−Zn−Mg−Cu系合金に所定量のアルミナやムライトの硬質粒子を含有した液相焼結アルミニウム合金である。
特開2009−242883号公報
オイルポンプ用ロータに上記液相焼結アルミニウム合金を利用することで、軽量化を図ることができる。しかし、上記液相焼結アルミニウム合金であっても、オイルポンプ用ロータとしてインナーロータとアウターロータとの相互の摺り合いによる摩耗性に関して更なる改善の余地がある。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、その目的の一つは、インナーロータとアウターロータとの相互の摺り合いによる摩耗が少ないオイルポンプ用ロータを提供することにある。
本発明のオイルポンプ用ロータは、外歯を有するインナーロータと、前記外歯と噛み合う内歯を有するアウターロータとを備えるオイルポンプ用ロータであって、前記インナーロータ及び前記アウターロータは、アルミニウム合金で構成されている。前記アルミニウム合金は、Siの含有量が6質量%以上である高Siアルミニウム合金相と、Siの含有量が2質量%以下である低Siアルミニウム合金相と、非金属無機材料からなり、前記各アルミニウム合金相に分散される硬質粒子とを備える。
本発明のオイルポンプ用ロータは、インナーロータとアウターロータとの相互の摺り合いによる摩耗が少ない。
実施形態に係るオイルポンプ用ロータの一例を示す概略平面図である。 実施形態に係るオイルポンプ用ロータに切欠を設ける領域の説明図である。 摺動試験に用いるチップを示し、(A)は正面図、(B)は右側面図、(C)はチップの摩耗幅wの説明図である。 摺動試験の試験方法の説明図である。 摺動試験の結果を示すグラフである。 (A)は実施形態に係るオイルポンプ用ロータの試料の摺動試験前の摺動面の顕微鏡写真(SEM写真)、(B)は摺動試験後の摺動面の顕微鏡写真(SEM写真)である。 摺動試験の前後における摺動面の表面粗さを示すグラフである。
[本発明の実施形態の説明]
本発明者らは、オイルポンプ用ロータの構成材料として、アルミニウム合金に硬質粒子を添加した材料を検討した。さらに、この材料の耐摩耗性の向上を図るため、特許文献1のAl−Zn−Mg−Cu系合金をAl−Si−Mg−Cu系合金に置換した材料を検討した。その際、耐摩耗性を重視してAl−Si系合金におけるSi量を増量すると、析出したSi粒子の脱落が増え、インナーロータとアウターロータとの相互の摺り合いによる摩耗がより顕著に増大することが判明した。このことから、さらに両ロータの相互の摺り合いによる摩耗の要因について検討を行った。その結果、インナーロータとアウターロータとが摺接する際、硬質粒子がAl−Si−Mg−Cu系合金の金属相から脱落し、その硬質粒子がインナーロータとアウターロータとの間に介在された状態で動かされることで、インナーロータとアウターロータ共に摩耗されることがわかった。そこで、硬質粒子が脱落してもインナーロータとアウターロータとの間に介在される状態を回避し易いオイルポンプ用ロータを検討し、本発明を完成するに至った。以下、本発明の実施形態の内容を列記して説明する。
(1)実施形態のオイルポンプ用ロータは、外歯を有するインナーロータと、前記外歯と噛み合う内歯を有するアウターロータとを備えるオイルポンプ用ロータであって、前記インナーロータ及び前記アウターロータは、アルミニウム合金で構成されている。前記アルミニウム合金は、Siの含有量が6質量%以上である高Siアルミニウム合金相と、Siの含有量が2質量%以下である低Siアルミニウム合金相と、非金属無機材料からなり、前記各アルミニウム合金相に分散される硬質粒子とを備える。
この構成によれば、硬質粒子が金属相から脱落した場合でも、比較的柔らかい低Siアルミニウム合金相に脱落した硬質粒子が再度埋め込まれて保持され易い。そのため、インナーロータとアウターロータとが摺接した際、脱落した硬質粒子が両ロータの間に介在された状態で動かされることを抑制し易く、インナーロータとアウターロータとの相互の摺り合いによる摩耗を低減することができる。つまり、インナーロータ及びアウターロータのそれぞれが、相互に摩耗し難く、互いに相手を摩耗させ難い、すなわち相手攻撃性の低減に優れる。また、金属相として比較的硬質の高Siアルミニウム合金相を備え、金属相に非金属無機材料の硬質粒子を分散させることで、オイルポンプ用ロータの強度の低下を抑制しつつ、耐摩耗性を高めることができる。
(2)実施形態のオイルポンプ用ロータとして、前記アルミニウム合金の金属相に占める前記低Siアルミニウム合金相の含有量が10質量%以上60質量%以下であることが挙げられる。
この構成によれば、低Siアルミニウム合金相の含有量を所定量とすることで、オイルポンプ用ロータの所望の硬度を維持しつつ、インナーロータとアウターロータとの相互の摺り合いによる摩耗の低減をより効果的に実現できる。
(3)実施形態のオイルポンプ用ロータとして、前記硬質粒子の平均粒径は、前記低Siアルミニウム合金相の平均粒径よりも小さいことが挙げられる。
この構成によれば、低Siアルミニウム合金相の平均粒径よりも小さな平均粒径の硬質粒子を用いることで、低Siアルミニウム合金相で硬質粒子を保持し易くし、かつ硬質粒子が脱落しても再度低Siアルミニウム合金相で保持し易くできる。
(4)実施形態のオイルポンプ用ロータとして、前記硬質粒子の平均粒径が30μm以下であることが挙げられる。
この構成によれば、微細な硬質粒子を用いることで、耐摩耗性に優れるオイルポンプ用ロータとすることができる。
(5)実施形態のオイルポンプ用ロータとして、前記硬質粒子の前記アルミニウム合金に占める含有量が0.5質量%以上10質量%以下であることが挙げられる。
この構成によれば、硬質粒子の含有量を規定することで、オイルポンプ用ロータの所望の硬度を維持しつつ、インナーロータとアウターロータとの相互の摺り合いによる摩耗を低減することができる。
(6)実施形態のオイルポンプ用ロータとして、前記高Siアルミニウム合金相がAl−Si−Mg−Cu系合金で構成されることが挙げられる。
Al−Si−Mg−Cu系合金は硬度に優れ、金属相として用いることで、オイルポンプ用ロータの耐摩耗性を高めることに寄与する。
(7)実施形態のオイルポンプ用ロータとして、前記非金属無機材料は、ビッカース硬度がHv800以上の材料であることが挙げられる。
このような高硬度な硬質粒子を備えることで、耐摩耗性の高いオイルポンプ用ロータとすることができる。
(8)実施形態のオイルポンプ用ロータとして、前記非金属無機材料は、アルミナ又はムライトであることが挙げられる。
硬質粒子がアルミナであれば、特に耐摩耗性に優れ、かつインナーロータとアウターロータとの相互の摺り合いによる摩耗が少ないオイルポンプ用ロータとすることができる。硬質粒子がムライトであれば、アルミナよりは若干劣るが耐摩耗性に優れ、かつインナーロータとアウターロータとの相互の摺り合いによる摩耗が十分に少ないオイルポンプ用ロータとすることができる。
(9)実施形態のオイルポンプ用ロータとして、以下の条件によりチップオンディスク式の摺動試験を行った際、試験前におけるチップの摺動面の表面粗さよりも、試験後におけるチップの摺動面の表面粗さの方が小さい形態が挙げられる。
チップ:上記実施形態のオイルポンプ用ロータを構成するアルミニウム合金からなるチップ
ディスク:チップと同一材質のディスク
ディスクのチップ圧接箇所の周速:1.6m/sec
荷重と時間:30kgf×1時間
潤滑:油中
温度:室温
この構成によれば、摺動試験前よりも摺動試験後の方が摺動面の表面粗さが小さくなるため、インナーロータとアウターロータとが摺動した際、初期なじみが良好で、その後も、インナーロータとアウターロータ共に摩耗の増加を抑制し易い。
(10)実施形態のオイルポンプ用ロータとして、前記インナーロータは、前記外歯の非駆動側領域の稜線を含む部分に、キャビテーションによる壊食を抑制する切欠を備えることが挙げられる。
インナーロータの外歯の稜線のうち、アウターロータの回転に寄与しない非駆動側領域では、キャビテーションによって壊食が生じる虞がある。そこで、外歯の非駆動側領域の稜線を含む部分に予め切欠を設けることで、キャビテーションが発生しても、そのキャビテーションによる壊食を防止できる。よって、壊食に起因する屑がオイルに混在することを抑制できる。
[本発明の実施形態の詳細]
本発明の実施形態の詳細を、以下に説明する。なお、本発明はこれらの例示に限定されるものではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
[オイルポンプ用ロータの概要]
実施形態のオイルポンプ用ロータ1は、図1に示すように、複数の外歯2aを有するインナーロータ2と、外歯2aと噛み合う内歯3aを有するアウターロータ3とを備える。アウターロータ3の内側には、内歯3aによって形成された凹凸形状の貫通孔3hを有し、この貫通孔3hにインナーロータ2が配置される。インナーロータ2とアウターロータ3とは偏心して配置されている。内歯3aの歯数は、外歯2aの歯数よりも一枚多く、両ロータ2,3を図1に示すように組み合わせることで、インナーロータ2とアウターロータ3の各歯先によって密閉された空間が作られる。インナーロータ2を駆動軸(図示せず)によって駆動回転させると、アウターロータ3は、内歯3aが回転する外歯2aと噛み合うことにより駆動力(圧接力)を受け、インナーロータ2に従動して同じ方向に回転する。
実施形態のオイルポンプ用ロータ1の主たる特徴とするところは、インナーロータ2及びアウターロータ3の双方が、以下のアルミニウム合金によって構成されていることにある。アルミニウム合金は、母材を構成する金属相と、この金属相に分散される非金属無機材料からなる硬質粒子とを備える。金属相は、高Siアルミニウム合金相及び低Siアルミニウム合金相の二つのアルミニウム合金相を備える。なお、インナーロータ2とアウターロータ3とは、上述の特定の金属相と硬質粒子とを備える同一組成を有するアルミニウム合金によって構成されている。以下、まず、特徴の一つであるアルミニウム合金を詳細に説明し、その後、オイルポンプ用ロータ1についてより詳細に説明する。
[アルミニウム合金]
(高Siアルミニウム合金相)
<組成>
高Siアルミニウム合金相は、添加元素と残部がAl及び不純物からなるアルミニウム合金で構成され、Siを6質量%以上含有するAl−Si合金とする。母材の組成は適宜選択することができるが、特に、Al−Si−Mg−Cu系合金が好適に利用できる。Al−Si−Mg−Cu系合金は耐摩耗性に優れて好ましい。Al−Si−Mg−Cu系合金の具体的組成としては、質量%でSiを6%以上18%以下、Mgを0.2%以上1.0%以下、Cuを1.2%以上3.0%以下含有し、残部がAl及び不純物からなるものが挙げられる。特に、Siは質量%で8%以上15%以下含有されることが好ましい。母材中の添加元素は、アルミニウム中に固溶又は晶出、析出して存在する。母材の組成(元素及び含有量)は、例えば、走査型電子顕微鏡―エネルギー分散型X線分光法や発光分光分析方法などを利用することで測定できる。母材の組成は、原料となる母材粉末の組成により調整するとよい。
<含有量>
アルミニウム合金の金属相に占める高Siアルミニウム合金相の含有量は、40質量%以上90質量%以下が好ましい。下限値以上の高Siアルミニウム合金相を含有することで、硬度が高く耐摩耗性に優れるオイルポンプ用ロータとすることができる。さらには強度にも優れるオイルポンプ用ロータとすることができる。上限値以下の高Siアルミニウム合金相を含有することで、残部の金属相を低Siアルミニウム合金相とすることができ、インナーロータとアウターロータとの相互の摺り合いによる摩耗が少ないオイルポンプ用ロータとすることができる。この含有量はアルミニウム合金から硬質粒子を除いた材料を金属相とし、その金属相を100質量%としたときの高Siアルミニウム合金相の含有量である。
<平均粒径>
高Siアルミニウム合金相の平均粒径は、45μm以上350μm以下程度が好ましい。この範囲の平均粒径とすることで、成形性、焼結性、製造性に優れる。この平均粒径は、原料粉末である高Siアルミニウム合金粉末の平均粒径と実質的に同一とみなすことができる。より好ましい平均粒径は、45μm以上100μm以下程度である。
<その他>
なお、本実施形態のオイルポンプ用ロータは押出工程を経ていない焼結材であり、金属相(次述する低Siアルミニウム合金相も含む)の粉末粒子のアスペクト比(最大径と最小径との比)が小さい(5未満)。即ち、オイルポンプ用ロータの金属組織を調べることで、焼結により製造されたことが確認できる。また、本実施形態のオイルポンプ用ロータは溶製材とも異なる。溶製材には、非金属無機材料等の硬質粒子を分散させることが困難である。
(低Siアルミニウム合金相)
<組成>
低Siアルミニウム合金相は、高Siアルミニウム合金相における添加元素とアルミニウムと不純物とからなる組成で構成される。後述するように、本実施形態のオイルポンプ用ロータは、Siの含有量が6質量%以上である高Siアルミニウム合金粉末と、実質的にSiを含有しない高純度アルミニウム粉末とを原料粉末に用いて製造される。このような原料粉末を含む成形体を焼結した際、高Siアルミニウム合金粉末の添加元素の一部は高純度アルミニウム粉末に拡散し、低Siアルミニウム合金相を生成する。高Siアルミニウム合金相に含まれる添加元素としては、Si、Mg、Cuなどが挙げられる。このうち、Siは焼結時に高純度アルミニウム粉末へ殆ど固溶しない。一方、MgやCuは焼結時に高純度アルミニウム粉末へ固溶し易い。そのため、低Siアルミニウム合金相は、Siの含有量は低いものの、MgやCuは高Siアルミニウム合金相におけるMgやCuの含有量に近い程度含まれることがある。低Siアルミニウム合金相におけるSiの含有量は、2質量%以下、好ましくは1質量%以下で、さらには0.5質量%以下、特に0.1質量%未満であり、実質的に含有されない場合もある。
この低Siアルミニウム合金相は、焼結体のオイルポンプ用ロータにおいても、高Siアルミニウム合金相とは区別できる状態で存在する。上述のように、低Siアルミニウム合金相は原料粉末に含まれる高Siアルミニウム合金粉末の添加元素が高純度アルミニウム粉末に拡散することで生成される。但し、高Siアルミニウム合金粉末のSiが高純度アルミニウム粉末に固溶される量は非常に微量であり、低Siアルミニウム合金相は高Siアルミニウム合金相と独立して存在する。この低Siアルミニウム合金相は、オイルポンプ用ロータを走査型電子顕微鏡―エネルギー分散型X線分光法による面分析などにより分析することで確認できる。
<含有量>
アルミニウム合金の金属相に占める低Siアルミニウム合金相の含有量は、10質量%以上60質量%以下が好ましい。下限値以上の低Siアルミニウム合金相を含有することで、インナーロータとアウターロータとの相互の摺り合いによる摩耗が少ないオイルポンプ用ロータとすることができる。これは、インナーロータとアウターロータとを摺接した際、各ロータから脱落した硬質粒子を柔らかい低Siアルミニウム合金相が再度保持できるからであると考えられる。さらに、この低Siアルミニウム合金相は、インナーロータ及びアウターロータのそれぞれにおいて、硬質粒子を脱落し難くする保持機能も有すると考えられる。上限値以下の低Siアルミニウム合金相を含有することで、残部の金属相を高Siアルミニウム合金相とすることができ、硬度が高く耐摩耗性に優れるオイルポンプ用ロータとすることができ、オイルポンプ用ロータの強度の低下を抑制できる。この含有量もアルミニウム合金から硬質粒子を除いた材料を金属相とし、その金属相を100質量%としたときの低Siアルミニウム合金相の含有量である。
<平均粒径>
低Siアルミニウム合金相の平均粒径は、高Siアルミニウム合金相と同様に、45μm以上350μm以下程度が好ましい。この下限値以上の平均粒径とすることで、合金成分が拡散し、強度が高いオイルポンプ用ロータを得ることができる。上限値以下の平均粒径とすることで、脱落した硬質粒子を保持しやすいオイルポンプ用ロータを得ることができる。この平均粒径も、原料粉末である高純度アルミニウム粉末の平均粒径と実質的に同一とみなすことができる。より好ましい平均粒径は、45μm以上100μm以下程度である。
<形状>
低Siアルミニウム合金相の粒子形状は、扁平状でアスペクト比の大きな場合が多い。低Siアルミニウム合金相は、オイルポンプ用ロータ中の他の構成材料に比べて柔らかく、変形性に富むため、成形時の圧縮により変形し易いからである。具体的には、アスペクト比が1以上5以下程度であることが多い。
(硬質粒子)
<組成>
アルミニウム合金は、上述した金属相の粒界上に硬質粒子が分散されている。この硬質粒子の材質としては、非金属無機材料とする。非金属無機材料には、セラミックス、金属間化合物、ダイヤモンドなどが挙げられる。特に、化合物の非金属無機材料が好適に利用できる。より具体的な材質は、Si単体の他、アルミナ(Al)、ムライト(アルミナと酸化ケイ素との化合物)、SiC、AlN、BNなどの化合物が挙げられる。中でも、アルミナを用いると金属相との反応性がよく、耐摩耗性に優れるオイルポンプ用ロータが得られ、ムライトを用いるとインナーロータとアウターロータとの相互の摺り合いによる摩耗が少ないオイルポンプ用ロータが得られる。これら各種の硬質粒子は、単一種であっても良いし、複数種を混合してアルミニウム合金に含まれていても良い。アルミニウム合金中の硬質粒子の組成(単体元素、化合物元素及び含有量)は、例えば、走査型電子顕微鏡―エネルギー分散型X線分光法、X線回折、化学分析などを利用することで測定できる。
<含有量>
アルミニウム合金に占める硬質粒子の含有量(複数種の硬質粒子を含有する場合、合計含有量)は、0.5質量%以上10質量%以下が好ましい。0.5質量%以上であると、他の焼結部材と同程度又はそれ以上の耐摩耗性が得られ易く、さらには実用上十分な強度、硬度を有することができる。より好ましい下限値は1質量%以上である。硬質粒子の含有量は多いほど、耐摩耗性や硬度が向上する。但し、10質量%を超えると、強度が低下したり、インナーロータとアウターロータとの相互の摺り合いによる摩耗や損傷が激しくなったりする。より好ましい上限値は5.0質量%以下、特に3.0質量%以下である。
<硬度>
硬質粒子の硬度は、Siよりも高硬度とする。特に、ビッカース硬度でHv800以上、さらにはHv1000以上、特にHv1500以上であることが好ましい。このような硬度の硬質粒子を用いることで、高硬度で耐摩耗性に優れるオイルポンプ用ロータとすることができる。例えば、アルミナはHv2600程度であり、ムライトはHv1150程度である。ビッカース硬度Hvの測定方法は、JIS Z 2244(2003)に基づく。
オイルポンプ用ロータの硬度は、硬質粒子の硬度が高いほど、又は硬質粒子の含有量が多いほど高くなる傾向にある。
<粒径>
硬質粒子の平均粒径は、小さい方が引張強さの低下が抑えられる。硬質粒子の平均粒径が大き過ぎると脱落し易く、インナーロータとアウターロータとの相互の摺り合いによる摩耗量が増す。この平均粒径は低Siアルミニウム合金相の平均粒径よりも小さいことが好ましい。このような微細な硬質粒子を用いることで、高強度で耐摩耗性に優れるオイルポンプ用ロータとでき、かつインナーロータとアウターロータとの摺接時に脱落した硬質粒子を再度低Siアルミニウム合金相に埋め込むように保持することで、両ロータの相互の摺り合いによる摩耗を効果的に抑制することができる。例えば、平均粒径を30μm以下とすることが好ましい。特に、硬質粒子の最大径が低Siアルミニウム合金相の平均粒径よりも小さいことが好ましい。このような最大径の規定により、脱落した硬質粒子をより一層低Siアルミニウム合金相に保持し易くできる。例えば、最大径を30μm以下とすることが好ましい。
より具体的な硬質粒子の平均粒径は、アルミナ粒子の場合、10μm以下が好ましく、1μm以上6μm以下がより好ましい。特に、最大径は10μm以下であることが好ましく、5μm以上10μm以下がより好ましい。上記範囲を満たす大きさのアルミナ粒子を上記特定の範囲で含有する場合、オイルポンプ用ロータの焼結性を高める効果がある。ムライト粒子の場合、平均粒径は、20μm以下が好ましく、1μm以上15μm以下がより好ましい。
原料に用いる硬質粒子の粒度分布は、例えば、マイクロトラック法(レーザー回折・散乱法)で計測する。アルミニウム合金中の硬質粒子の平均粒径、最大径は以下のように測定する。オイルポンプ用ロータの任意の断面を光学顕微鏡(100〜400倍)で観察し、この観察像を画像処理して、この断面中に存在する全ての硬質粒子の面積を測定する。各面積の円相当径を演算し、この円相当径を各粒子の直径とし、当該断面における最大の直径をこの断面の最大径とする。n=10個の断面について最大径を求め、10個の最大径の平均を硬質粒子の最大径とする。また、一つの断面における全ての粒子の直径の平均をとり、n=10個の断面について平均を求め、10個の直径の平均を更に平均したものを硬質粒子の平均粒径とする。
<形状>
硬質粒子の形状は、シャープエッジをもたないこと、言い換えれば可能な限り球形に近い方が好ましい。球形に近い硬質粒子又は角が角張っていない硬質粒子を用いることで、細長い粒子などを用いる場合に比べて相手攻撃性を低減できる。
[オイルポンプ用ロータの摺動特性]
本実施形態のオイルポンプ用ロータは、上述した摺動試験の前よりも後の方が摺動面の表面粗さが小さくなる傾向にある。そのため、オイルポンプ用ロータを構成する同一材質のインナーロータとアウターロータとが摺動した際、初期なじみが良好で、両ロータの間の微細な隙間のばらつきを抑え易く、インナーロータ及びアウターロータ共に摩耗の増加を抑制し易い。この表面粗さは、例えばJIS B0601(1994)における算術平均粗さRaにより評価する。試験後の摺動面の表面粗さは、試験前の摺動面の表面粗さに比べて50%以下、特に30%以下程度となることが好適である。一方、例えば溶製材は、試験前より後の方が摺動面の表面粗さが粗くなる傾向にある。これは、溶製材のSiは平均粒径が大きく、そのSiが脱落して孔が形成されたり、脱落したSiによりインナーロータ及びアウターロータ共に摺動面が傷付けられるためであると考えられる。
[オイルポンプ用ロータの機械的特性]
本実施形態のオイルポンプ用ロータは、アルミニウム合金相よりも高硬度で微細な硬質粒子を含有することで、耐摩耗性に優れると共に、高強度である傾向にある。金属相の組成や製造方法にもよるが、本実施形態のオイルポンプ用ロータは、他の合金系に硬質粒子を添加する場合に比べて、強度低下が抑えられ、引張強度が150MPa以上を満たすことができる。また、硬度は、HRB(ロックウェル硬さ)で60以上を満たすことができる。
[オイルポンプ用ロータの形状]
図1に示すように、本実施形態のオイルポンプ用ロータ1を構成するインナーロータ2及びアウターロータ3は、上述のように複数の歯(外歯2a及び内歯3a)を有する。外歯2aの歯数及び内歯3aの歯数(外歯2aの歯数+1)は、適宜選択することができ、図1の歯数は例示である。例えば、自動二輪車用のオイルポンプ用ロータでは、インナーロータ2の外歯2aの歯数は、4歯〜10歯程度が汎用されている。
インナーロータ2を駆動回転させると、各外歯2aの頂点aからそれぞれの谷b1,b2に向かう二つの稜線(図1では輪郭線)のうち、一方の稜線による領域が、アウターロータ3の内歯3aに圧接してアウターロータ3を回転させる駆動側領域となる。また、他方の稜線による領域が、アウターロータ2の回転に寄与しない非駆動側領域となる。例えば、インナーロータ2を、図1の矢印方向(反時計回り)に駆動回転させる場合、頂点aから頂点b1に向かう稜線による領域が駆動側領域Mとなり、頂点aから頂点b2に向かう稜線による領域が非駆動側領域Nとなる。汎用のオイルポンプ用ロータでは、インナーロータ2及びアウターロータ3に表裏を示す印や切欠などを設けている(例えば、図1のインナーロータ2の上方に位置する外歯2aに付した丸い印や、アウターロータ3の下方に位置する内歯3aに付した丸い印)。この印や切欠を回転方向の識別に利用することができる。
インナーロータ2とアウターロータ3の各歯先によって形成された密閉空間に流入した液体(オイル)の圧力が急激に低下することでキャビテーションが発生し、各ロータ2,3に壊食が生じることがある。ここでは、インナーロータ(歯数:4)と、アウターロータ(大きさ:外径φ50mm×厚さ17mm、歯数:5)とで構成されるオイルポンプ用ロータを用いて試験を行い、各ロータに生じた壊食面積を表1に示す。試験条件は、試験時油温:135℃、回転数:8500r.p.m.、吐出圧:1MPaで、耐久評価時間を12〜50時間から選択した。インナーロータ及びアウターロータを構成するアルミニウム合金は、後述する試験例の試料No.1を用いている。
表1に示すように、アウターロータに比較してインナーロータに大きな壊食が生じ得ることがわかる。この壊食は、インナーロータのうち、特にアウターロータの回転に寄与しない非駆動側領域に生じていた。具体的には、図2に示すハッチング領域に概ね生じていた。そこで、壊食が生じ易い領域を予め調べて、その領域に切欠を設けることで、キャビテーションが発生しても、そのキャビテーションによる壊食を抑制することを考えた。その結果、図2に示すように、インナーロータ2の厚さをT、非駆動側領域Nの稜線の長さをLとするとき、インナーロータ2の非駆動側領域Nにおいて、以下のt、l、dで囲まれるハッチング領域に切欠を設けることで、上記壊食を抑制できると期待される。切欠の存在領域の具体的な大きさは、インナーロータ2の厚さ方向の長さtを(1/4)×T以上(1/3)×T以下程度、稜線に沿った長さlを0.1×L以上0.5×L以下程度、深さ方向dを0.5mm以上5mm以下程度とすることがが挙げられる。壊食の進行は、ある程度の範囲で飽和してほぼ止まるため、予め飽和状態の壊食領域に対応したサイズの切欠を設けておけば、各ロータの壊食を実質的に防止できる。また、切欠による各ロータの強度の低下やオイルのシール性の低下などの問題が生じ難い範囲で切欠を設けることができ、一つ又は複数の切欠を設けることができる。切欠は、後述する成形工程で設けることができる。又は、成形後に切削加工によって切欠を設けることができる。この切欠は、アウターロータに設けることもできる。
[オイルポンプ用ロータの製造方法]
上記のオイルポンプ用ロータは、原料粉末の準備工程、成形工程、焼結工程を備え、必要に応じて、サイジング工程や熱処理工程を備える製造方法を利用することで得られる。各工程の詳細は次の通りである。
(準備工程)
準備工程では、オイルポンプ用ロータの原料粉末を用意する。この原料粉末には、Siを6質量%以上含有する高Siアルミニウム合金粉末(以下、Al合金粉末と呼ぶ)、実質的にSiを含有しない高純度アルミニウム粉末(以下、高純度Al粉末と呼ぶ)、及び硬質粒子が含まれる混合粉末を用いる。Al合金粉末は、オイルポンプ用ロータ(焼結体)における高Siアルミニウム合金相と同様の添加元素で、高Siアルミニウム合金相の各添加元素の含有量よりも多い含有量の組成の粉末が利用できる。Al合金粉末の具体的組成としては、質量%でSiを6%以上40%以下、Mgを0.2%以上2.0%以下、Cuを1.2%以上8.0%以下含有し、残部がAl及び不純物からなるものが挙げられる。より好ましいSiの含有量は質量%で8%以上30%以下、さらに好ましいSiの含有量は質量%で17%以上18%以下又は12%以上13%以下である。Al合金の共晶点は、例えば、急冷凝固粉末の場合、Siの含有量が質量%で17%以上18%以下近傍のときであり、溶製材粉末の場合、Siの含有量が質量%で12%以上13%以下近傍のときである。共晶点付近はSiが最も微小に析出し易いため、Siの含有量を共晶点におけるSi含有量の近傍(±1質量%)とすれば、インナーロータとアウターロータとの相互の摺り合いによる摩耗がより少ないオイルポンプ用ロータを得ることができる。高純度Al粉末は、代表的には純度97質量%以上のアルミニウムで構成され、例えば純度が99質量%以上の純アルミニウムが利用できる。さらに高純度Al粉末は、Mgを0.03質量%以上2質量%以下含有してもよい。所定量のMgを含有することで、焼結性を高めることができる。この原料粉末の混合には、各粉末粒子の粉砕をできるだけ伴わないような混合方法とすることが好ましい。軟らかい高純度Al粉末を含有すると、上述した脱落硬質粒子の保持に加え、成形性に優れる。
原料に用いた硬質粒子は、オイルポンプ用ロータ中に実質的にそのまま残存する。従って、オイルポンプ用ロータ中の硬質粒子の含有量や大きさが所望の量や所望の大きさとなるように、原料となる硬質粒子の量や大きさを調整する。また、Al合金粉末や高純度Al粉末の粒径も、その粒径がオイルポンプ用ロータ中でほぼ維持される。
(成形工程)
成形は、上述の混合粉末を金型に充填し、圧縮することで行う。例えば、冷間金型成形などの冷間の加圧成形が利用できる。金型は、インナーロータ用及びアウターロータ用をそれぞれ用意する。成形圧力としては2ton/cm以上10ton/cm以下程度が挙げられる。この金型のキャビティの形状を調整することで、外歯を有するインナーロータや内歯を有するアウターロータといった複雑形状の成形体を得ることもできる。
(焼結工程)
得られた成形体の焼結は、液相出現温度で行えばよい。代表的な焼結条件は、窒素やアルゴンといった不活性雰囲気で、温度:550℃以上600℃以下、時間:0(規定温度到達と同時に降温開始)以上60分以下が挙げられる。この焼結工程により、Al合金粉末はSiを6質量%以上含有する高Siアルミニウム合金相となり、高純度Al粉末はAl合金粉末中の添加元素の一部が拡散されてSiの含有量が2質量%以下である低Siアルミニウム合金相となって、これら合金相に分散される硬質粒子を含む焼結体が得られる。
上述のように成形体を液相焼結すると、原料粉末間の空孔が液相により縮小され、固相焼結の焼結材に比べて空孔が少なく高密度の焼結体が得られる。また、液相の出現前における原料粉末間の空孔は凹凸の多い不規則な形状であるが、液相の出現後には空孔が丸みを帯びた形状になり易い。そのため、本実施形態のオイルポンプ用ロータを断面観察した場合、空孔は円形に近い形状のものが多い。
(サイジング工程)
得られた焼結体に適宜サイジングを施してもよい。サイジングは、熱間でも冷間でもよい。冷間サイジングは、寸法精度を向上させることができ、熱間サイジングは、強度を向上させることができる。オイルポンプ用ロータは、特に高い寸法精度が求められることから、サイジングを行うことが好ましい。
(熱処理工程)
焼結後、又はサイジング後、溶体化、時効の熱処理を適宜施してもよい。熱処理条件は、公知の条件を利用することができる。また、溶体化後にサイジングを施し、その後に時効することによって寸法精度を高めることができる。溶体化後の焼結体は軟質であるため、高精度にサイジングし易いためである。
[試験例]
オイルポンプ用ロータを構成する材料として、種々の硬質粒子を含む液相焼結アルミニウム合金材の試料を作製し、その摺動特性を調べた。各試料は、原料粉末の準備→成形→焼結→冷間サイジング→熱処理という工程で作製した。各試料の製造条件は次の通りである。なお、熱処理後の試料No.1〜No.6は、いずれも引張強度:150MPa以上、硬度:HRB60以上を満たしていた。
《試料No.1:Al−Si−Mg−Cu系合金+硬質粒子》
Al−18Si−3.25Cu−0.81Mg(単位:質量%、以下同様)の組成のAl−Si−Mg−Cu系合金粉末(高Siアルミニウム合金粉末)と、Al−0.5Mgの組成の高純度アルミニウム粉末と、アルミナ粉末とを用意する。Al−Si−Mg−Cu系合金粉末と高純度アルミニウム粉末の各平均粒径は50μm、アルミナ粉末は、平均粒径が2μm(最大径6μm)である。用意したAl−Si−Mg−Cu系合金粉末、高純度アルミニウム粉末、及びアルミナ粉末をそれぞれ混合させた混合粉末を作製する。Al−Si−Mg−Cu系合金粉末と高純度アルミニウム粉末の質量割合は80:20であり、この割合は、試料(ここでは熱処理後のアルミニウム合金材)の金属相に占める高Siアルミニウム合金相と低Siアルミニウム合金相の質量割合である。混合粉末に対してアルミナ粉末が1.0質量%となるように、上記金属粉末とアルミナ粉末とを混合する。得られた混合粉末を5ton/cmの面圧で金型成形して成形体を作製した。続いて、この成形体を窒素雰囲気中で560±5℃×50分の焼結条件で液相焼結した。得られた焼結体に、490℃に加熱後、水冷して溶体化を施し、その後6ton/cmの条件で冷間サイジングし、さらに175℃×7時間の時効を行って硬質粒子を含有する焼結Al−Si−Mg−Cu系合金の試料を作製した。
《試料No.2:Al−Si−Mg−Cu系合金+硬質粒子》
試料No.1の混合粉末に対するアルミナ粒子の含有量を3.0質量%とした点以外は試料No.1と同一の条件で硬質粒子を含有する焼結Al−Si−Mg−Cu系合金の試料を作製した。
《試料No.3:Al−Si−Mg−Cu系合金+硬質粒子》
試料No.1の混合粉末において、Al−Si−Mg−Cu系合金粉末と高純度アルミニウム粉末の質量割合を70:30とした点以外は試料No.1と同一の条件で硬質粒子を含有する焼結Al−Si−Mg−Cu系合金の試料を作製した。
《試料No.4:Al−Si−Mg−Cu系合金+硬質粒子》
試料No.1の混合粉末において、Al−Si−Mg−Cu系合金粉末と高純度アルミニウム粉末の質量割合を60:40とした点以外は試料No.1と同一の条件で硬質粒子を含有する焼結Al−Si−Mg−Cu系合金の試料を作製した。
《試料No.5:Al−Si−Mg−Cu系合金+硬質粒子》
試料No.1の混合粉末において、Al−Si−Mg−Cu系合金粉末と高純度アルミニウム粉末の質量割合を40:60とした点以外は試料No.1と同一の条件で硬質粒子を含有する焼結Al−Si−Mg−Cu系合金の試料を作製した。
《試料No.6:Al−Si−Mg−Cu系合金+硬質粒子》
試料No.1の混合粉末において、Al−Si−Mg−Cu系合金粉末と高純度アルミニウム粉末の質量割合を90:10とした点以外は試料No.1と同一の条件で硬質粒子を含有する焼結Al−Si−Mg−Cu系合金の試料を作製した。
《試料No.11:F−08C2》
市販の鉄系焼結部材(F−08C2)を用意した。この試料No.11の機械的特性は、硬度:HRB75、引張強さ:430MPaである。
《試料No.12:A390》
A390(17質量%のSiを含有する鋳物用Al−Si過共晶系合金)の溶製材の押出体を用意し、熱処理は試料No.1と同様の条件で行ってA390合金の試料を作製した。この試料No.12の機械的特性は、硬度:HRB80、引張強さ:390MPaである。
《試料No.13:Al−Si−Mg−Cu系合金》
硬質粒子を含まない点を除いて試料No.1と同様の組成の混合粉末を同様の条件で成形体に成形した。この成形体を560±5℃×50分で焼結し、それ以降の冷間サイジング、熱処理は試料No.1と同様の条件で行って焼結Al−Si−Mg−Cu系合金の試料を作製した。この試料No.13の機械的特性は、硬度:HRB75、引張強さ:300MPaである。
《試料No.14:Al−Si−Mg−Cu系合金+硬質粒子》
試料No.1の混合粉末において、Al−Si−Mg−Cu系合金粉末と高純度アルミニウム粉末の質量割合を20:80とした点以外は試料No.1と同一の条件で硬質粒子を含有する焼結Al−Si−Mg−Cu系合金の試料を作製した。この試料No.14の機械的特性は、硬度:HRB57、引張強さ:275MPaである。
《試料No.15:Al−Si−Mg−Cu系合金+硬質粒子》
試料No.1の混合粉末において、高純度アルミニウム粉末を含まない点以外は試料No.1と同一の条件で硬質粒子を含有する焼結Al−Si−Mg−Cu系合金の試料を作製した。この試料No.15の機械的特性は、硬度:HRB78、引張強さ:257MPaである。
(摺動試験)
上記の各材料からなる所定の形状のチップを作製し、チップオンディスク摩耗試験を行う。この試験の後、図3(C)に示すチップ10の摺動面における摩耗幅wを測定する。その結果を図5のグラフに示す。
《チップ形状》
摺動試験に用いるチップ10は、図3(A)、(B)に示す舌片状のブロックとした。このチップ10の一方の端面は摺動試験においてチップ10を保持する支持具が取り付けられる平面で、その支持具を挿入するための孔が形成され(図3(A))、他方の端面はディスクに対する摺動面で、円弧状の湾曲面で構成されている(図3(B))。このチップ10の寸法は次の通りである。なお、ここではチップを別途作製したが、各ロータから切り出すことができる。
幅(図3(A)の上下距離):10mm
厚さ(図3(A)の左右距離):5mm
長さ(図3(B)の左右距離):10mm
摺動面の曲げ半径:5mm
《摺動条件》
上記のチップ10を2つ用意し、図4に示すように、回転するディスク20に圧接し、各チップ10の摩耗量を測定する。2つのチップ10の摩耗量の平均をこのチップの摩耗量とする。摺動条件は次の通りである。この摺動試験では、チップとディスクの材質を同一とした共摺性を評価しているため、チップとディスクの摩耗量は同程度となる。そのため、チップの摩耗量が少なければ、相手材であるディスクの摩耗量も少ないといえる。
ディスクの材質:チップと同一
ディスクのチップ圧接箇所の周速:1.6m/sec
圧接条件:30kgf(≒294N)×1時間
潤滑:油中
温度:室温
上記摺動条件は、実際に、自動二輪車に利用されているオイルポンプ用ロータの駆動条件から換算したものである。具体的には、インナーロータ(歯数:8)と、アウターロータ(大きさ:外径φ50mm×厚さ22mm、歯数:9)とで構成されるオイルポンプ用ロータを用いたときの、インナー回転数:8000r.p.m.、吐出圧:1MPaの駆動条件から換算している。インナーロータの外歯が駆動側領域でアウターロータの内歯を押圧しているときに、この押圧部分(線接触部分)の荷重(以下、接触荷重と呼ぶ)と速度とをテストピースで再現する。
接触荷重は、駆動トルクから換算することができる。駆動トルクは、円板の回転をモデルに以下のように推定して算出する。円板の回転中心(円の中心)から作用点(円周上の任意の点)までの距離をR、作用点における力をFとするとき、トルクTは、T(N・m)=F×Rと表される。円板が一回転して行う仕事Wは、圧力P(Pa)=P×10−6(MPa)と、円板の体積V(m)=V×10(cm)を用いて、W=P×V=(P×10−6)×(V×10)で表される(以下、この式を式(1)と呼ぶ)。トルクTが一回転で行う仕事Wは、W=F×2πR=T×2πで表される(以下、この式を式(2)と呼ぶ)。式(1)=式(2)であるから、トルクTは、T=PV/2πで表される。ここでは、理論吐出量p(cm/rev)をp=10.05とすると、駆動トルクTは、T=[1(MPa)×10.05(cm/rev)]/2π≒1.6(N・m)と推定できる。上記接触荷重は、駆動トルクにおいて、接触部分の壁面に垂直な成分であることから、インナーローラのインナー回転角を0°〜40°の範囲で5°ずつ変化させたときの、各インナー回転角における接触荷重を求める。この各インナー回転角における接触荷重は、中心からの距離xと、外歯と内歯との噛み合い圧力角θとを用いて求められる。そして、求めたインナー回転角の接触荷重の平均をロータの厚さ22mmで除した値が約5N/mmであることから、10mm厚(チップの厚さ5mm×2つ分の厚み)の場合には、約5kgf(≒49N)となる。しかし、5kgfでは上記摺動試験における摩耗状態が判別し難くかったため、荷重を徐々に増大させて摩耗状態の判定が行い易い量を調べて、30kgf(≒294N)とした。
速度は、インナーロータのインナー速度と、アウターロータのアウター速度との差(すべり速度)から換算することができる。各ロータの速度は、各ロータの回転数によって求めることができる。具体的には、インナー速度及びアウター速度は、2π×回転の中心から線接触部分までの距離×回転数で表される。各速度の回転数は、インナー回転数が8000r.p.m.であり、アウター回転数は、インナー回転数×(8歯/9歯)で表される。上記モデルの値(回転の中心からの線接触部分までの距離など)は、CADAM(市販のソフト)上で計測ができる。
(表面粗さ測定)
試料No.2、12、13について上記摺動試験の前後における摺動面の表面粗さを測定した。具体的には、JIS B0601(1994)における算術平均粗さRaを測定した。その結果を図7のグラフに示す。このグラフは、試験前の摺動面の表面粗さ(試験前’94Ra)を100%として、試験後の摺動面の表面粗さ(試験後’94Ra)を相対値で示している。なお、摺動試験前の摺動面は、上述した時効後のチップのままの状態であり、研磨などは行っていない。この試験前の摺動面の表面粗さRaは0.35μm以下である。
(粒径測定)
各試料における高Siアルミニウム合金相と低Siアルミニウム合金相の平均粒径を測定した。樹脂に埋め込んだ各試料の断面を研磨し、その断面に対して倍率:150倍で走査型電子顕微鏡−エネルギー分散型X線分光法による面分析を行う。試料断面の撮影画像から画像処理により高Siアルミニウム合金相と低Siアルミニウム合金相の各々の粒子を抽出し、次の手順により各々の平均粒径を求めた。各粒子の最大径を長径D、長径Dに垂直な面の最大径を短径Dとし、個々の粒子の粒径rを次式により求める。そして、10個の粒子について粒径rの平均を演算して、その値を平均粒径rAVEとする。
個々の粒径r=(長径D×短径D1/2
(結果)
《摺動面の状態》
図6(A)に摺動試験前の摺動面の走査型電子顕微鏡写真を、図6(B)に摺動試験後の摺動面の走査型電子顕微鏡写真を示す。この写真は、いずれも試料No.1の摺動面の写真である。この写真において、白い粒子がアルミナ粒子であり、その背景の灰色に見える箇所が金属相である。この写真ではわかり難いが、走査型電子顕微鏡−エネルギー分散型X線分光法による面分析を行うことで、金属相は高Siアルミニウム合金相と低Siアルミニウム合金相の粒子状の各領域がまだらに存在することがわかる。さらに、摺動試験前の摺動面の写真図6(A)では、アルミナ粒子が金属相から突出しているのがわかるのに対し、摺動試験後の摺動面の写真図6(B)ではアルミナ粒子が金属相にめり込むように保持されていることがわかる。
また、図7に示すように、溶製材を押出した試料No.12(A390)は摺動試験前よりも摺動試験後の方が大幅に面粗度(表面粗さ)が粗くなっている。これは試料中のSiの平均粒径が大きいためであると考えられる。また、アルミナ粒子を添加していない試料No.13は、摺動試験前後の摺動面の面粗度が僅かに変化しているが、やはり摺動試験前よりも後の方が面粗度は粗くなっている。これに対し、アルミナ粒子を添加した試料No.2では、摺動試験前よりも後の面粗度の方が大幅に滑らかになっていることがわかる。具体的には、試験後の面粗度は試験前の面粗度の30%程度となっていることがわかる。
《金属相の粒径とSi含有量》
各試料における高Siアルミニウム合金相と低Siアルミニウム合金相の平均粒径は、いずれも高Siアルミニウム合金粉末と高純度アルミニウム粉末の平均粒径である50μmに近似した値であった。また、上記面分析の結果、試料No.1の焼結Al−Si−Mg−Cu系合金部材において、高Siアルミニウム合金相のSi含有量は約15質量%であり、Al−Si−Mg−Cu系合金粉末のSi含有量よりも減少していた。一方、低Siアルミニウム合金相は0.1質量%未満の極微量のSiが含有されており、高純度アルミニウム粉末に対してAl−Si−Mg−Cu系合金粉末のSiが固溶したものと考えられる。その他、試料No.2〜No.6,No.13についても、面分析の結果、高Siアルミニウム合金相のSi含有量は、Al−Si−Mg−Cu系合金粉末のSi含有量よりも減少したのに対し、低Siアルミニウム合金相は、0.1質量%未満の極微量のSiが含有されていた。また、試料No.14では、Si含有量が4質量%のアルミニウム合金相と、0.1質量%未満の極微量の低Siアルミニウム合金相とが存在した。そのため、高Siアルミニウム合金相はAl−Si−Mg−Cu系合金粉末に由来して生成されるが、高純度アルミニウム粉末との混合割合によって、高純度アルミニウム粉末にAl−Si−Mg−Cu系合金粉末の添加元素が固溶していると考えられる。高Siアルミニウム合金相におけるSi含有量は、Al−Si−Mg−Cu系合金粉末と高純度アルミニウム粉末の質量割合を調整することで変えることができる。その結果を表2に示す。
《摩耗量》
上記摺動試験の結果を表2及び図5に示す。表2及び図5のグラフに示すように、原料粉末においてAl−Si−Mg−Cu系合金粉末と高純度アルミニウム粉末とを質量割合で40:60〜90:10で混合し、かつこの混合粉末に対してアルミナ粒子を含有した試料No.1〜No.6は、アルミナ粒子を含有しない試料No.13に比べて摩耗幅が小さくなっていることがわかる。特に、アルミナ粒子を3質量%含有する試料No.2は、市販の鉄系焼結部材の試料No.11に最も近い耐摩耗性を示している。また、原料粉末において、Al−Si−Mg−Cu系合金粉末の質量割合が少な過ぎる試料No.14は、Si含有量が少ない合金相であるため、摩耗幅が大きくなっていることがわかる。一方、原料粉末において、Al−Si−Mg−Cu系合金粉末のみ(高純度アルミニウム粉末を含まない)の試料No.15は、低Siアルミニウム合金相が生成されないため、摩耗幅が大きくなっていることがわかる。
アルミナ粒子を含有しないアルミニウム合金の試料No.12(A390)は、最も摩耗幅が大きかった。
上記摺動試験は、同一材質の部材同士の摺り合いによる摩耗状態を調べた試験であり、試料No.1〜No.6は、この試験において摩耗幅が小さいことから、相互の摺り合いによる摩耗が少ない材料であると言える。よって、この試験から、試料No.1〜No.6は、オイルポンプ用ロータの構成材料に好適であることがわかる。
《考察》
以上の結果から次のことが考察される。
(1)図6の写真から、高Siアルミニウム合金相と低Siアルミニウム合金相の金属相に硬質粒子を含む場合、耐摩耗性が改善されると共に、金属相から硬質粒子が脱落しても、この脱落粒子が低Siアルミニウム合金相に埋め込まれるように保持されるため、相手攻撃性が低減できると考えられる。
(2)図5のグラフより、高Siアルミニウム合金相と低Siアルミニウム合金相を備え、高Siアルミニウム合金相が特定範囲のSiを含有していることで、耐摩耗性が向上する傾向にある。さらに、硬質粒子の含有量を多くすることで、耐摩耗性が向上する傾向にある。
(3)図7のグラフより、高Siアルミニウム合金相と低Siアルミニウム合金相の金属相に硬質粒子を含む場合、摺動試験前よりも摺動試験後の方が面粗度は小さくなる傾向にある。
本発明のオイルポンプ用ロータは、十分な強度を備えると共に耐摩耗性に優れ、インナーロータとアウターロータとの相互の摺り合いによる摩耗が低く、かつ軽量化が望まれる自動二輪車部品として好適に利用することができる。
1 オイルポンプ用ロータ
2 インナーロータ 2a 外歯
3 アウターロータ 3a 内歯 3h 貫通孔
M 駆動側領域 N 非駆動側領域
10 チップ 20 ディスク

Claims (9)

  1. 外歯を有するインナーロータと、前記外歯と噛み合う内歯を有するアウターロータとを備えるオイルポンプ用ロータであって、
    前記インナーロータ及び前記アウターロータは、アルミニウム合金で構成されており、
    前記アルミニウム合金は、
    Siの含有量が6質量%以上である高Siアルミニウム合金相と、
    Siの含有量が2質量%以下である低Siアルミニウム合金相と、
    非金属無機材料からなり、前記各アルミニウム合金相に分散される硬質粒子とを備え
    前記低Siアルミニウム合金相は、前記アルミニウム合金の金属相に占める含有量が10質量%以上60質量%以下であるオイルポンプ用ロータ。
  2. 前記硬質粒子の平均粒径は、前記低Siアルミニウム合金相の平均粒径よりも小さい請求項1に記載のオイルポンプ用ロータ。
  3. 前記硬質粒子の平均粒径が30μm以下である請求項1又は請求項2に記載のオイルポンプ用ロータ。
  4. 前記硬質粒子の前記アルミニウム合金に占める含有量が0.5質量%以上10質量%以下である請求項1から請求項のいずれか1項に記載のオイルポンプ用ロータ。
  5. 前記高Siアルミニウム合金相がAl−Si−Mg−Cu系合金で構成される請求項1から請求項のいずれか1項に記載のオイルポンプ用ロータ。
  6. 前記非金属無機材料は、ビッカース硬度がHv800以上の材料である請求項1から請求項のいずれか1項に記載のオイルポンプ用ロータ。
  7. 前記非金属無機材料は、アルミナ又はムライトである請求項に記載のオイルポンプ用ロータ。
  8. 以下の条件によりチップオンディスク式の摺動試験を行った際、試験前におけるチップの摺動面の表面粗さよりも、試験後におけるチップの摺動面の表面粗さの方が小さい請求項1から請求項のいずれか1項に記載のオイルポンプ用ロータ。
    チップ:前記アルミニウム合金からなるチップ
    ディスク:チップと同一材質のディスク
    ディスクのチップ圧接箇所の周速:1.6m/sec
    荷重と時間:30kgf×1時間
    潤滑:油中
    温度:室温
  9. 前記インナーロータは、前記外歯の非駆動側領域の稜線を含む部分に、キャビテーションによる壊食を抑制する切欠を備える請求項1から請求項のいずれか1項に記載のオイルポンプ用ロータ。
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