JP4560604B2 - 立方晶窒化硼素基焼結材及びその製造方法 - Google Patents

立方晶窒化硼素基焼結材及びその製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【技術分野】
本発明は,少なくともニレジスト鋳鉄やオーステンパ鋳鉄に代表される高級鋳鉄の高速切削用工具の工具材等として有効に利用することができる,立方晶窒化硼素基焼結材及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来技術】
ニレジスト(Ni−Resist)鋳鉄は,ニッケル−クロム−銅系のオーステナイト鋳鉄でオーステナイト地に黒鉛が存在し,その化学組成はNi:13.5〜17.5%,Cu:5.5〜7.5%,Cr:1.0〜2.5%,C:≦3.0%,Si:1.0〜2.8%,Mn:0.5〜1.5%である。ニレジスト鋳鉄は,普通鋳鉄に比べ,耐摩耗性,耐熱性及び耐食性に優れているため,腐食性雰囲気の下,高温強度や硬度を必要とする機械部品の材料として広く使用されてきた。特に近年自動車のより一層の高性能化により,主に自動車を構成する基幹重要部品として多用されてきている。
【0003】
このニレジスト鋳鉄やオーステンパ鋳鉄に代表される高級鋳鉄を上記基幹重要部品などの最終形状寸法にするために,通常,鋳造後に切削加工を必要とする。
上記高級鋳鉄の切削加工工具は,必要とする加工精度で迅速に無駄なく加工できる性能を有していなければならない。工具刃先が摩耗したりチッピングなどにより欠損すると,上記高級鋳鉄の加工表面に面荒れやバリが発生するなど,必要とする寸法精度及び表面粗度が得られないため,不良品となり,製品として出荷できない。
【0004】
そのために,上記工具の摩耗や欠損などが生じた場合には,直ちに工具を交換しなければならない。この工具交換は生産性低下につながるため極力低減しなければならない。
従って,ニレジスト鋳鉄やオーステンパ鋳鉄に代表される高級鋳鉄を高効率で切削加工するために,上記工具刃先の摩耗やチッピングなどの欠損のない,長寿命の切削加工工具が強く望まれている。
【0005】
従来,上記不具合を解消する切削加工用工具として,例えば特公平8−16028号公報に記載されているような,TiC,Al23及びSiCウイスカーからなるセラミック焼結体が提案されている。
また,鋳鉄用切削加工工具として,特公昭64−4986号公報に記載されているように,Si34とAl23の内の1種又は2種及びTi2AlNを結合材とする立方晶窒化硼素基焼結体が提案されている。また,特公昭64−4987号公報に記載されているように,Si34,Si2W及びTi2AlNを結合材とすることを特徴とする立方晶窒化硼素基焼結体も提案されている。
また,本発明者らの一部は,先に高級鋳鉄に適用可能な切削工具材として,Ti(1-x)AlNx(x=0.05〜0.70)の粉末と立方晶窒化硼素粉末を焼結することを特徴とする,立方晶窒化硼素基焼結材及びその製造法を提供した。
【0006】
【解決しようとする課題】
しかしながら,上記従来の切削工具用材料においては次の問題がある。
即ち,上記TiC,Al23及びSiCウィスカーからなるセラミック焼結体は,立方晶窒化硼素を含有していないため安価に製造できるメリットはあるが,望まれているレベルの長寿命を実現する耐久性を発揮することができない。
【0007】
一方,上記立方晶窒化硼素基焼結体は,上記のSiCウィスカーを含有するセラミック焼結体に比べて,一般鋳鉄に対しては優れた性能を発揮すると考えられる。しかしながら,上記従来の立方晶窒化硼素基焼結体は,高級鋳鉄に対しては未だ満足する耐久性が得られない。
【0008】
さらに,上記Ti(1-x)AlNx(x=0.05〜0.70)の粉末と立方晶窒化硼素粉末とを焼結してなる立方晶窒化硼素基焼結材は,一般鋳鉄と比べ難加工性である高級鋳鉄に属する球状黒鉛鋳鉄に対しては,優れた性能を発揮するものの,ニレジスト鋳鉄やオーステンパ鋳鉄に代表される高級鋳鉄に対しては未だ満足する耐久性が得られない。
【0009】
即ち,ニレジスト鋳鉄およびオーステンパ鋳鉄等高級鋳鉄は球状黒鉛鋳鉄及び一般鋳鉄に比べ耐摩耗性に優れ,また切削時の加工応力によりオーステナイト組織が応力誘起によりマルテンサイトに変態するため組織自体が切削中に更に高硬度となる。そのため,上記従来の立方晶窒化硼素基焼結材を切削工具として用いても,望まれているレベルの長寿命を実現する耐久性が得られない。
従って,ニレジスト鋳鉄及びオーステンパ鋳鉄に代表される高級鋳鉄の高速切削が可能で且つ安価で長寿命な切削工具の開発が強く望まれていた。
【0010】
本発明は,かかる従来の問題点に鑑みてなされたもので,少なくともニレジスト鋳鉄やオーステンパ鋳鉄に代表される高級鋳鉄の高速切削が可能で且つ長寿命な切削工具材に用いることができる,耐久性に優れた立方晶窒化硼素基焼結材及びその製造方法を提供しようとするものである。
【0011】
【課題の解決手段】
請求項1の発明は,TiCN,Si34,Al23及びCrxN(x=1〜2.7)の各粉末を含有してなる結合材用粉末と,立方晶窒化硼素の粉末とを混合して混合粉末を作製し,次いで該混合粉末を焼結するに当たり,
上記混合粉末の配合割合は,上記混合粉末全体を100%とした場合に,体積比において,上記立方晶窒化硼素が30〜90%であると共に上記結合材用粉末の合計が10〜70%であり,かつ,上記結合材用粉末を構成する個々の粉末の配合割合は,いずれも1〜25%の範囲内にあることを特徴とする立方晶窒化硼素基焼結材の製造方法にある。
【0012】
本発明において最も注目すべきことは,TiCN,Si34,Al23及びCrxN(x=1〜2.7)という4種類の粉末を含有してなる上記結合材用粉末を用いて上記立方晶窒化硼素粉末を焼結することである。
【0013】
上記TiCNは,立方晶系のTiNと立方晶系のTiCとが連続固溶して生成するものであり,N:Cの比は1:9〜9:1の範囲であれぱいずれでも構わない。しかし,好適には,TiNとTiCの両方の性質を程良く発現させるために,2:8〜8:2の範囲のものがよい。
【0014】
また,上記TiCNの粉末の粒径としては,後述する立方晶窒化硼素粉末の粒径より小さいことが好ましい。TiCN粉末の粒径が10μmを超える場合には後述するTiOなどの生成物質が十分生成せず,また,焼結条件に依存するがTiCNが焼結後に残存する可能性がある。さらにTiCN粉末の粒径が10μmを越える場合には,TiCNの全てが反応してTiOなどの所望の生成物質が生成したとしても,該生成物質が偏析してしまい,結合材として立方晶窒化硼素粒子の周りに満遍なく分布することが困難となるという問題がある。
従って,TiCN粉末の粒径は5μm以下が好ましく,より好ましくは2μm以下がよい。一般に粒径が0.1μm以下の超微粒子が好適であるが,この場合には吸着ガスの除去に配慮する必要がある。なお,粒径を粉砕により小さくする場合には,不純物の汚染に十分に注意する必要がある。
【0015】
上記Si34には,その結晶構造が六方晶系のα型と三方晶系のβ型とが存在する。基本的にはいずれの結晶構造も適用可能であるが,好適にはより酸素を固溶しやすいα型のものがよい。
【0016】
また,上記Si34の粉末の粒径としても,後述する立方晶窒化硼素粉末の粒径より小さいことが好ましい。そして,上記TiCNと同様の理由から,Si34粉末の粒径は,5μm以下が好ましく,より好ましくは2μm以下がよい。一般に粒径が0.1μm以下の超微粒子が好適であるが,この場合には吸着ガスの除去に配慮する必要がある。なお,粒径を粉砕により小さくする場合には,不純物の汚染に十分に注意する必要がある。
【0017】
上記Al23には,多くの結晶構造が存在する。基本的にはその結晶構造に制限はないが,1000℃以上でα型に変化する立方晶系スピネル型のγ型やその高温で安定な三方晶系鋼玉型のα型が好適である。
また,上記Al23の粉末の粒径としては,後述する立方晶窒化硼素粉末の粒径より小さいことが好ましい。そして,1μm以下で高純度な粉末が容易に入手できるのでそのような粉末を用いるとよい。そうすれば,TiCNやSi34などで考慮した未反応や偏析の問題を心配する必要がない。但し,一般に粒径が0.1μm以下の超微粒子が好適であるが,この場合は吸着ガスの除去に配慮する必要がある。
【0018】
上記CrxN(x=1〜2.7)には,主にはCrNとCr2Nとが存在するが,いずれも不定比化合物である。
また,上記CrxN(x=1〜2.7)の粉末の粒径としては,後述する立方晶窒化硼素粉末の粒径より小さいことが好ましい。そして,CrxN(x=1〜2.7)粉末の粒径がは,上記のTiCN等と同様の理由から,5μm以下が好ましく,より好ましくは2μm以下がよい。一般に粒径が0.1μm以下の超微粒子が好適であるが,この場合には吸着ガスの除去に配慮する必要がある。なお,粒径を粉砕により小さくする場合には,不純物の汚染に十分に注意する必要がある。
【0019】
次に,上記立方晶窒化硼素(以下,適宜,cBNという)は,超高圧により合成された立方晶系閃亜鉛鉱型構造の窒化硼素(BN)であり,その硬度はダイヤモンドに次ぐものである。立方晶窒化硼素粒子同士を直接結合せしめる焼結は,きわめて超高圧・超高温でなければ不可能である。したがって,立方晶窒化硼素粒子表面には,これらを結合させるための結合材が分布していることが不可欠である。
【0020】
上記立方晶窒化硼素の粉末の粒径は,得られた焼結材の耐摩耗性のみを重視する場合には,後述する耐摩耗性を特に求められる場合を除き,0.5〜10μmであることが好ましい。0.5μm未満の場合にはその粒子の周りに上記TiCN,Si34,Al23,CrxN(x=1〜2.7)を分布させることが困難であるという問題がある。
【0021】
また,得られた焼結材を例えばニレジスト鋳鉄やオーステンパ鋳鉄に代表される高級鋳鉄の切削工具として用いる場合には,0.5〜5μmであることが好ましい。0.5μm未満の場合には上記と同様の問題がある。一方,5μmを超える場合には工具の仕上げが困難であり,また断続切断において欠けやすくなるという問題があり,好適には0.5〜3μm,より好適には0.5〜2μmがよい。
【0022】
しかし,特に耐衝撃性が低下してもそれ以上に耐摩耗性を求める場合には,上記粒径の立方晶窒化硼素の他に例えば5μm乃至20μmの立方晶窒化硼素を立方晶窒化硼素全体に対して体積で60%まで配合することもできる。
【0023】
次に,上記TiCN,Si34,Al23,CrxN(x=1〜2.7)の各粉末よりなる結合材用粉末と立方晶窒化硼素の粉末との混合粉末を焼結する方法としては,例えば超高圧焼結法により行う。この超高圧焼結法は,例えば,温度1300〜1600℃,圧力4.0〜7.0GPaの条件により行う。
【0024】
次に,本発明の作用につき説明する。
本発明の立方晶窒化硼素基焼結材の製造方法においては,上記TiCN,Si34,Al23,CrxN(x=1〜2.7)の各粉末を含有する結合材用粉末と,立方晶窒化硼素の粉末との混合粉末を焼結する。これにより,得られた立方晶窒化硼素基焼結材は,例えば切削工具に使用した場合に優れた耐久性を発揮する。
【0025】
従来においては,立方晶窒化硼素を含有していてもその焼結体が十分な耐久性を発揮できなかった。その理由は,結合材自体の耐熱性と耐久性の低さに原因があると考えられる。
これに対し本発明においては,結合材として上記TiCN,Si34,Al23,CrxN(x=1〜2.7)の4種類の粉末を用いている。そのため,焼結後の立方晶窒化硼素基焼結材においては,結合材用粉末であるTiCN,Si34,Al23,CrxN(x=1〜2.7)の結晶構造が変化し,少なくともTiOy(y=1〜2)の結晶構造が認められ,そのほかに2,3の未知の回折ピークを有する未知の結合材が生成すると考えられる。そして,これらの生成物により,結合材自体が非常に高硬度かつ耐酸化性に優れたものとなる。
【0026】
そして,本発明において得られる立方晶窒化硼素基焼結材は,高硬度の立方晶窒化硼素を上記の耐久性に優れた結合材により強固に結合したものとなる。それ故,得られた立方晶窒化硼素基焼結材は,立方晶窒化硼素だけでなく,結合材が優れた耐久性を発揮するので,例えば切削工具,掘削用ビット等に有効に用いることができる。そして,例えばニレジスト鋳鉄やオーステンパ鋳鉄に代表される高級鋳鉄用の切削工具に用いた場合には,高速切削や重切削が可能で,立方晶窒化硼素粒子の脱落等が防止された,耐摩耗性,耐欠損性に優れた切削工具とすることができる。
【0027】
次に上記混合粉末の配合割合は,上記混合粉末全体を100%とした場合に,体積比において,上記立方晶窒化硼素が30〜90%であると共に上記結合材用粉末の合計が10〜70%であり,かつ,上記結合材用粉末を構成する個々の粉末の配合割合は,いずれも1〜25%の範囲内にある
【0028】
上記結合材用粉末の合計が10%未満の場合には,立方晶窒化硼素が体積で90%を超えることになり,立方晶窒化硼素粒子の周りに,上記結合材用粉末より形成される結合材が行き渡らないため,当該立方晶窒化硼素粒子の結合がきわめて弱く,しかも当該立方晶窒化硼素粒子間が空隙として残存するため切削工具として使用できないという問題がある。
【0029】
一方,上記結合材用粉末の合計が体積で70%を超える場合には,従属的に立方晶窒化硼素の含有量が体積で30%未満となる。この場合には,高硬度を初めとする優れた特性を有する立方晶窒化硼素を含有する効果が十分に発揮できないという問題がある。立方晶窒化硼素の配合量は,より好ましくは40〜80%がよい。
【0030】
また,上記結合材用粉末を構成する各粉末の配合割合は,上記のごとく,いずれも1〜25%の範囲内にあることが好ましい。
即ち,上記TiCN,Si34,Al23,CrxN(x=1〜2.7)のいずれにおいても,その単独の配合量が1%未満の場合には,本発明の立方晶窒化硼素基焼結材の結合材原料として作用しない。一方,25%を越えると他の結合材原料である各粉末とのバランスが崩れ,所望の結合材とならない。従って,TiCN,Si34,Al23,CrxN(x=1〜2.7)の単独での配合量はいずれもの体積で1〜25%が好ましく,より好ましくは,いずれも2〜20%がよい。
【0031】
次に,請求項2の発明は,TiCN,Si34,Al23,及びCrxN(x=1〜2.7)の各粉末を含有してなる結合材用粉末を立方晶窒化硼素の粉末の表面に被覆して被覆粒子を作製し,次いで,該被覆粒子を焼結することにより立方晶窒化硼素基焼結材を製造する方法であって,
各構成粉末の配合割合は,全配合量を100%とした場合に,体積比において,上記結合材用粉末の合計は5〜70%,上記立方晶窒化硼素の粉末は30〜95%であり,かつ,上記結合材用粉末を構成する個々の粉末の配合量はいずれも1〜25%の範囲内にあることを特徴とする立方晶窒化硼素基焼結材の製造方法にある。
【0032】
本発明において最も注目すべきことは,予め上記被覆粒子を作製し,これを焼結させることである。
この場合には,予め上記被覆粒子を作製して立方晶窒化硼素粒子の周囲に結合材用粉末を配置した状態とし,これらを集めて焼結するので,得られる立方晶窒化硼素基焼結材における立方晶窒化硼素の分布をより均一にすることができる。
【0033】
また,この場合にも,上記結合材用粉末により,少なくともTiOy(y=1〜2)を含む生成物質よりなる結合材を形成することができ,これにより強固に結合した立方晶窒化硼素の粒子が細かい組織状態で均一に分散した焼結材を得ることができる。
【0034】
なお,各原料の配合割合,及びその限定理由はほぼ上記と同様であるが,結合材用粉末の下限値だけは5%まで下げることができる。
即ち,上記結合材用粉末の合計量が10%未満の場合にも,予め被覆粒子を作製することにより,結合材を立方晶窒化硼素の周囲に均一に配置することができ,立方晶窒化硼素粒子を強固に結合することができる。しかし,結合材用粉末の合計量が5%未満の場合には,上記と同様,立方晶窒化硼素間に空隙が残存しこれが破壊起点となって靭性が低下し,それがため工具寿命が短いという問題がある。
そのため,結合材用粉末の合計配合量は,より好ましくは,体積で15%以上がよい。
【0035】
一方,上記結合材用粉末の合計配合量が体積で90%を超える場合には,上記と同様の問題があるだけでなく,被覆に要するコストが高騰するという問題もある。そのため,上記結合材用粉末の合計添加量(被覆量)はより好ましくは体積で50%までがよい。
【0036】
ここで,上記被覆粒子の作製方法としては,例えば特開平7−53268号公報に記載の被覆立方晶窒化硼素焼結体の製造法に明記された気相被覆法を適用できる。あるいは,特開昭61−30663号公報または特開昭58−31076号公報に記載の気相被覆法でも差し支えない。
【0037】
次に,請求項3の発明は,TiCN,Si34,Al23,及びCrxN(x=1〜2.7)のうちの選択された1種以上の粉末を含有してなる第1結合材用粉末を立方晶窒化硼素の粉末の表面に被覆して被覆粒子を作製し,次いで,該被覆粒子とTiCN,Si34,Al23,及びCrxN(x=1〜2.7)の各粉末を含有してなる第2結合材用粉末とを混合して混合粉末を作製し,次いで該混合粉末を焼結することにより立方晶窒化硼素基焼結材を製造する方法であって,
各構成粉末の配合割合は,全配合量を100%とした場合に,体積比において,上記第1結合材用粉末の合計は4〜67%,上記第2結合材用粉末の合計は3〜66%,上記立方晶窒化硼素の粉末は30〜95%であり,かつ,上記第1結合材用粉末及び第2結合材用粉末を構成する個々の粉末の配合量はいずれも1〜25%の範囲内にあることを特徴とする立方晶窒化硼素基焼結材の製造方法にある。
【0038】
本発明において最も注目すべきことは,上記第1結合材用粉末を被覆した上記被覆粒子を予め作製すると共に,これと第2結合材用粉末を混合した混合粉末を焼結することである。
【0039】
この場合には,TiCN,Si34,Al23,CrxN(x=1〜2.7)を比較的多く含有させたい場合において,被覆粒子の作製コストを低く抑えつつ,上記の被覆粒子を用いる場合の効果を発揮させることができる。
即ち,例えば,TiCN,Si34,Al23,CrxN(x=1〜2.7)の合計を70%含有させたい場合を例にとると,立方晶窒化硼素への被覆量を例えば体積で20%までとし,残りの50%を,TiCN,Si34,Al23,CrxN(x=1〜2.7)の粉末として添加,混合する。
これにより,含有しようとする全てのTiCN,Si34,Al23,CrxN(x=1〜2.7)を立方晶窒化硼素の粒子に被覆する場合に比べ製造コストを抑制することができると共に,上記の被覆粒子を用いる場合の効果も併せて得ることができる。
【0040】
また,この場合にも,上記第1結合材用粉末及び第2結合材用粉末により少なくともTiOy(y=1〜2)を含む生成物質よりなる結合材を形成することができ,これにより強固に結合した立方晶窒化硼素の粒子が細かい組織状態で均一に分散した焼結材を得ることができる。
【0041】
次に,請求項4の発明のように,上記立方晶窒化硼素基焼結材は,SiCを外部添加により体積で1〜20%含有することが好ましい。
上記SiCは,菱面体ウルツ鉱型のα型と,立方晶系閃亜鉛鉱型のβ型がある。いずれでも差し支えないが,よりしなやかなα型の方が好適である。SiCの添加により,焼結後,少なくともTiOy(y=1〜2)を含む生成物質が高硬度化するため,立方晶窒化硼素基焼結材がより耐摩耗性が向上する効果がある。
【0042】
SiCの外部添加による添加量が体積で1%未満では,その高硬度化に対して殆ど効果が見えなく,一方,20%を越えると上記配合のバランスが崩れ,特に立方晶窒化硼素の含有量が減少するために,逆に耐摩耗性が低下する弊害が生ずる。好ましくは,外部添加による添加量が体積で3〜15%までである。
【0043】
また,上記SiCの粉末の粒径としては,上記立方晶窒化硼素粉末の粒径より小さいことが好ましい。そして,生成すべきTiO中に分散して結合材中の強化材として立方晶窒化硼素粒子の周りに満遍なく分布させるために,粒径は3μm以下が好ましく,より好ましくは2μm以下がよい。一般に粒径が0.1μm以下の超微粒子が好適であるが,この場合には吸着ガスの除去に配慮する必要がある。なお,粒径を粉砕により小さくする場合には,不純物の汚染に十分に注意する必要がある。
【0044】
次に,上記の優れた製造方法により得られた立方晶窒化硼素基焼結材としては,次の発明がある。
即ち,請求項5の発明のように,TiCN,Si34,Al23及びCrxN(x=1〜2.7)の各粉末を含有してなる結合材用粉末と,立方晶窒化硼素の粉末とを原料として用いて焼結してなり,
少なくとも,該焼結により生成するTiOy(y=1〜2)と立方晶窒化硼素とを含有しており,
かつ,焼結前における各構成粉末の配合割合は,全配合量を100%とした場合に,体積比において,上記結合材用粉末の合計は10〜70%,上記立方晶窒化硼素の粉末は30〜90%であり,かつ,上記結合材用粉末を構成する個々の粉末の配合量はいずれも1〜25%の範囲内にあることを特徴とする立方晶窒化硼素基焼結材がある。
この場合の各構成粉末の配合量の限定理由は上記と同様である。
【0045】
さらに別の立方晶窒化硼素基焼結材としては,次の発明もある。
即ち,請求項6の発明のように,TiCN,Si34,Al23及びCrxN(x=1〜2.7)の各粉末を含有してなる結合材用粉末と,立方晶窒化硼素の粉末と,SiCとを原料として用いて焼結してなり,
少なくとも,該焼結により生成するTiOy(y=1〜2)と立方晶窒化硼素とを含有しており,
かつ,焼結前に置ける各構成粉末の配合割合は,SiC以外の全配合量を100%とした場合に,体積比において,上記結合材用粉末の合計は10〜70%,上記立方晶窒化硼素の粉末は30〜90%であり,かつ,上記結合材用粉末を構成する個々の粉末の配合量はいずれも1〜25%の範囲内にあり,また,上記SiCの配合量は外部添加で1〜20%であることを特徴とする立方晶窒化硼素基焼結材がある。
【0046】
この場合の各構成粉末の配合量の限定理由も上記と同様である。
これらの立方晶窒化硼素基焼結材は,いずれも上記のごとく,立方晶窒化硼素だけでなく,結合材が優れた耐久性を発揮するので,例えば切削工具,掘削用ビット等に有効に用いることができる。そして,例えばニレジスト鋳鉄やオーステンパ鋳鉄に代表される高級鋳鉄用の切削工具に用いた場合には,高速切削や重切削が可能で,立方晶窒化硼素粒子の脱落等が防止された,耐摩耗性,耐欠損性に優れた切削工具とすることができる。
【0047】
【発明の実施の形態】
実施形態例
本発明の実施形態例にかかる立方晶窒化硼素基焼結材及びその製造方法つき,図1〜図10を用いて説明する。
本例においては,種々の組成の立方晶窒化硼素基焼結材を3種類の製造方法により製造した。そして,これを切削工具材として用いて切削工具を構成し,その長寿命性を評価した。
【0048】
表1には,作製した立方晶窒化硼素基焼結材の製造方法,各原料の配合量,製造条件,後述する評価結果等を示してある。尚,配合量はSiCは外部添加量,その他は内部添加量として示している。
まず,立方晶窒化硼素基焼結材を用いた切削工具材の製造につき説明する。本例においては,大きく分けて3種類の方法により行った。
【0049】
第1の製造方法(表1における製造方法A)は,立方晶窒化硼素の粉末と結合材用粉末との混合粉末を焼結する方法である。
具体的には,図1に示すごとく,平均粒径が2.0μmの立方晶窒化硼素粉末10と,結合材用粉末として平均粒径がいずれも2.0μmのTiCN,Si34,Al23及びCrxN(x=1〜2.7)の各粉末21〜24と,平均粒径2.0μmのSiC粉末(図示略)を準備した。そして,これらの各粉末10,21〜24及び必要に応じてSiC粉末を表1に示した組成に配合して,図1に示すごとく,遊星ボールミルに入れて1時間混合後,乾燥して金型を用いてプレス成形した。これを,Co粉末を重量で10%含有するWC粉末を同様に金型成形した台座に積層して試料カプセル721に入れ,これを超高圧装置72にて圧力:4.0〜6.5GPa,温度:1300〜1550℃,の条件下に15分〜60分保持した後冷却・降圧することにより切削工具材料を得た(実施例E1,4,7,10,16,22,比較例C1)。
【0050】
第2の製造方法(表1における製造方法B)は,結合材用粉末を立方晶窒化硼素の粉末の表面に被覆して被覆粒子を作製し,次いで,該被覆粒子を焼結する方法である。
具体的には,まず上記と同様の各粉末を準備した。そして,図2に示すごとく,これらの粉末をPVD装置73に挿入し,立方晶窒化硼素粉末10の表面に,結合材用粉末としての各粉末21〜24及び必要に応じてSiC粉末を被覆し,被覆粒子100を作製する。次に,この被覆粒子100を第1の製造方法の場合と同様に,プレス形成した後,上記台座に積層して超高圧装置72にて上記と同条件に保持した後冷却・降圧することにより切削工具材料を得た(実施例E5,8,11,13,14,19,20)。
【0051】
第3の製造方法(表1における製造方法C)は,結合材用粉末の少なくとも一部(第1結合材用粉末)を立方晶窒化硼素の粉末の表面に被覆して被覆粒子を作製し,次いで,該被覆粒子と第2結合材用粉末との混合粉末を作製し,これを焼結する方法である。
【0052】
具体的には,図3に示すごとく,上記第2の製造方法と同様にして被覆粒子100を作製した後,被覆粒子100と結合材用粉末としての各粒子21〜24を上記第1の製造方法と同様にして遊星ボールミルを用いて1時間混合後,乾燥して金型を用いてプレス成形した。これを上記と同様に上記台座に積層して超高圧装置72にて上記と同条件に保持した後冷却・降圧することにより切削工具材料を得た(実施例E2,3,6,9,12,15,17,18,21,比較例C2)。
【0053】
上記第1〜第3の製造方法により得られた立方晶窒化硼素基焼結材の組織構造を示すモデル図を図4〜図6に示す。
第1の製造方法により得られた立方晶窒化硼素基焼結材1は,図4に示すごとく,結合材2よりなるマトリックス中に立方晶窒化硼素10が分散した状態となった。
また,第2の製造方法により得られた立方晶窒化硼素基焼結材1は,図5に示すごとく,結合材2に覆われた立方晶窒化硼素10が非常に均一に分散した状態で得られた。
【0054】
また,第3の製造方法により得られた立方晶窒化硼素基焼結材1は,図6に示すごとく,上記第1と第2の製造方法の中間的な状態となって,結合材2よりなるマトリックス中に,結合材2と同じ組成または若干組成が異なる第2の結合材202に覆われた立方晶窒化硼素10が分散した状態となった。
【0055】
次に,このようにして得られた切削工具材料の代表的なX線回折図のピークの代表として,実施例E1の焼結後の結果を図7(a)に示す。また比較のために実施例E1の混合粉末の焼結前のX線回折図のピークを図7(b)に示す。
同図より知られるごとく,焼結後においては,TiCN,Si34,Al23,CrxN(x=1〜2.7)の結晶構造が変化し,少なくともTiOy(y=1〜2)の結晶構造が認められ,その他に2,3の未知の回折ピークを有する未知の結合材が生成し,これが立方晶窒化硼素粒子を強固に結合していることが分かる。
【0056】
次に,図8〜図10に示すごとく,上記のようにして得られた切削工具材料を(JIS:SPGN120304SN)形状の切削工具4に加工し,被削材に対して旋削加工を行い,逃げ面摩耗(VB)を測定して寿命の目安として評価した。切削工具4は,図8〜図10に示すごとく,基材40の先端に,台座41上に立方晶窒化硼素基焼結材1を積層させてなる切削工具材をろう材43により接合してなる。
【0057】
被削材は,外径φ110mmのニレジスト鋳鉄(JIS:FCA−NiCuCr1562 硬さ:Hv163)である。
旋削条件は,切削速度:220m/min,送り:0.3mm/rev,切込み:4.5mm,切削油:ケミクールSR〜1とした。そして,この条件の下で旋削加工を行い,切削長さ21kmにおける逃げ面3の摩耗VB(図10)を測定した。
【0058】
旋削試験の結果を表1に示す。
なお,比較のため,従来用いられてきた市販の立方晶窒化硼素焼結体工具についても同様の試験を行い,その結果も表1に併記した。
【0059】
表1より知られるごとく,本発明品である実施例E1〜E22は,明らかに比較例C1〜C4に比べ優れた耐摩耗性を示し顕著な長寿命を示した。これは,結合材用粉末として上記4種類の粉末21〜24を用い,これらが変化して得られた結合材,即ち,少なくともTiOy(y=1〜2)の結晶構造が認められ,その他に2,3の未知の回折ピークを有する未知の結合材が生成し,これが立方晶窒化硼素粒子を強固に結合しているためであると考えられる。
【0060】
このことから,上記本発明の立方晶窒化硼素基焼結材は,非常に優れた工具材料となりうることがわかる。そして,これにより,従来渇望されていたニレジスト鋳鉄やオーステンパ鋳鉄に代表される高級鋳鉄の高速切削や重切削が長寿命で実現できる工具材料が開発できたので飛躍的に生産性が向上できる。
なお,本切削工具材料は,鋳鉄の中でも難加工性のニレジスト鋳鉄やオーステンパ鋳鉄に代表される高級鋳鉄を高効率で加工できる一方,相対的に易加工性の一般鋳鉄(FC材)や球状黒鉛鋳鉄(FCD材)にも優れた性能を発揮して使用できる。
【0061】
【表1】
Figure 0004560604
【0062】
【発明の効果】
上述のごとく,本発明によれば,少なくともニレジスト鋳鉄やオーステンパ鋳鉄に代表される高級鋳鉄の高速切削が可能で且つ長寿命な切削工具材に用いることができる,耐久性に優れた立方晶窒化硼素基焼結材及びその製造方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態例における,第1の製造方法を示す説明図。
【図2】実施形態例における,第2の製造方法を示す説明図。
【図3】実施形態例における,第1の製造方法を示す説明図。
【図4】実施形態例における,第1の製造方法により得られた立方晶窒化硼素基焼結材の組織構造を示すモデル図。
【図5】実施形態例における,第2の製造方法により得られた立方晶窒化硼素基焼結材の組織構造を示すモデル図。
【図6】実施形態例における,第3の製造方法により得られた立方晶窒化硼素基焼結材の組織構造を示すモデル図。
【図7】実施形態例における,実施例E1の(a)焼結後,(b)焼結前のX線回折図のピークを示す説明図。
【図8】実施形態例における,切削工具の斜視図。
【図9】実施形態例における,切削工具の図8のS断面における断面図。
【図10】実施形態例における,逃げ面の磨耗を示す切削工具の平面図。
【符号の説明】
1...立方晶窒化硼素基焼結材,
10...立方晶窒化硼素粒子,
100...被覆粒子,
2...結合材,
21...TiCN粉末,
22...Si34粉末,
23...Al23粉末,
24...CrxN(x=1〜2.7)粉末,

Claims (6)

  1. TiCN,Si34,Al23及びCrxN(x=1〜2.7)の各粉末を含有してなる結合材用粉末と,立方晶窒化硼素の粉末とを混合して混合粉末を作製し,次いで該混合粉末を焼結するに当たり,
    上記混合粉末の配合割合は,上記混合粉末全体を100%とした場合に,体積比において,上記立方晶窒化硼素が30〜90%であると共に上記結合材用粉末の合計が10〜70%であり,かつ,上記結合材用粉末を構成する個々の粉末の配合割合は,いずれも1〜25%の範囲内にあることを特徴とする立方晶窒化硼素基焼結材の製造方法。
  2. TiCN,Si34,Al23,及びCrxN(x=1〜2.7)の各粉末を含有してなる結合材用粉末を立方晶窒化硼素の粉末の表面に被覆して被覆粒子を作製し,次いで,該被覆粒子を焼結することにより立方晶窒化硼素基焼結材を製造する方法であって,
    各構成粉末の配合割合は,全配合量を100%とした場合に,体積比において,上記結合材用粉末の合計は5〜70%,上記立方晶窒化硼素の粉末は30〜95%であり,かつ,上記結合材用粉末を構成する個々の粉末の配合量はいずれも1〜25%の範囲内にあることを特徴とする立方晶窒化硼素基焼結材の製造方法。
  3. TiCN,Si34,Al23,及びCrxN(x=1〜2.7)のうちの選択された1種以上の粉末を含有してなる第1結合材用粉末を立方晶窒化硼素の粉末の表面に被覆して被覆粒子を作製し,次いで,該被覆粒子とTiCN,Si34,Al23,及びCrxN(x=1〜2.7)の各粉末を含有してなる第2結合材用粉末とを混合して混合粉末を作製し,次いで該混合粉末を焼結することにより立方晶窒化硼素基焼結材を製造する方法であって,
    各構成粉末の配合割合は,全配合量を100%とした場合に,体積比において,上記第1結合材用粉末の合計は4〜67%,上記第2結合材用粉末の合計は3〜66%,上記立方晶窒化硼素の粉末は30〜95%であり,かつ,上記第1結合材用粉末及び第2結合材用粉末を構成する個々の粉末の配合量はいずれも1〜25%の範囲内にあることを特徴とする立方晶窒化硼素基焼結材の製造方法。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項において,上記立方晶窒化硼素基焼結材は,SiCを外部添加により体積で1〜20%含有することを特徴とする立方晶窒化硼素基焼結材の製造方法。
  5. TiCN,Si34,Al23及びCrxN(x=1〜2.7)の各粉末を含有してなる結合材用粉末と,立方晶窒化硼素の粉末とを原料として用いて焼結してなり,
    少なくとも,該焼結により生成するTiOy(y=1〜2)と立方晶窒化硼素とを含有しており,
    かつ,焼結前における各構成粉末の配合割合は,全配合量を100%とした場合に,体積比において,上記結合材用粉末の合計は10〜70%,上記立方晶窒化硼素の粉末は30〜90%であり,かつ,上記結合材用粉末を構成する個々の粉末の配合量はいずれも1〜25%の範囲内にあることを特徴とする立方晶窒化硼素基焼結材。
  6. TiCN,Si34,Al23及びCrxN(x=1〜2.7)の各粉末を含有してなる結合材用粉末と,立方晶窒化硼素の粉末と,SiCとを原料として用いて焼結してなり,
    少なくとも,該焼結により生成するTiOy(y=1〜2)と立方晶窒化硼素とを含有しており,
    かつ,焼結前に置ける各構成粉末の配合割合は,SiC以外の全配合量を100%とした場合に,体積比において,上記結合材用粉末の合計は10〜70%,上記立方晶窒化硼素の粉末は30〜90%であり,かつ,上記結合材用粉末を構成する個々の粉末の配合量はいずれも1〜25%の範囲内にあり,また,上記SiCの配合量は外部添加で1〜20%であることを特徴とする立方晶窒化硼素基焼結材。
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