JPH08126903A - 耐摩耗性のすぐれた立方晶窒化硼素基超高圧焼結材料製切削工具 - Google Patents
耐摩耗性のすぐれた立方晶窒化硼素基超高圧焼結材料製切削工具Info
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- JPH08126903A JPH08126903A JP6290619A JP29061994A JPH08126903A JP H08126903 A JPH08126903 A JP H08126903A JP 6290619 A JP6290619 A JP 6290619A JP 29061994 A JP29061994 A JP 29061994A JP H08126903 A JPH08126903 A JP H08126903A
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- cubic boron
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- nitride
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 高速切削ですぐれた耐摩耗性を発揮する立方
晶窒化硼素基超高圧焼結材料製切削工具を提供する。 【構成】 立方晶窒化硼素基超高圧焼結材料製切削工具
が、容量％で、Ｔｉの炭化物、窒化物、および炭窒化物
のうちの１種または２種以上からなるＴｉ炭・窒化物：
２０〜４０％、窒化アルミニウム：１〜５％、硼化チタ
ニウム：３〜７％、酸化アルミニウム：３〜１５％、を
含有し、残りが立方晶窒化硼素と不可避不純物からなる
組成、並びに走査型オージエ電子顕微鏡による面分析で
立方晶窒化硼素粒の少なくとも６０面積％が相互結合し
た組織を有する立方晶窒化硼素基超高圧焼結材料からな
る。
晶窒化硼素基超高圧焼結材料製切削工具を提供する。 【構成】 立方晶窒化硼素基超高圧焼結材料製切削工具
が、容量％で、Ｔｉの炭化物、窒化物、および炭窒化物
のうちの１種または２種以上からなるＴｉ炭・窒化物：
２０〜４０％、窒化アルミニウム：１〜５％、硼化チタ
ニウム：３〜７％、酸化アルミニウム：３〜１５％、を
含有し、残りが立方晶窒化硼素と不可避不純物からなる
組成、並びに走査型オージエ電子顕微鏡による面分析で
立方晶窒化硼素粒の少なくとも６０面積％が相互結合し
た組織を有する立方晶窒化硼素基超高圧焼結材料からな
る。
Description
【０００１】
【産業上の利用分野】この発明は、特に鋳鉄や鋼などの
高速切削に用いた場合にすぐれた耐摩耗性を発揮する立
方晶窒化硼素（以下、ＣＢＮで示す）基超高圧焼結材料
製切削工具に関するものである。
高速切削に用いた場合にすぐれた耐摩耗性を発揮する立
方晶窒化硼素（以下、ＣＢＮで示す）基超高圧焼結材料
製切削工具に関するものである。
【０００２】
【従来の技術】従来、一般に、例えば特開昭５９−２７
３０３号公報に記載されるように、結合相形成成分とし
てＴｉの炭化物、窒化物、および炭窒化物（以下、それ
ぞれＴｉＣ，ＴｉＮ、およびＴｉＣＮで示す）のうちの
１種または２種以上からなるＴｉ炭・窒化物：２０〜４
０％を含有し、残りが分散相形成成分としてのＣＢＮと
不可避不純物からなる組成（以上容量％、以下％は容量
％を示す）を有するＣＢＮ基超高圧焼結材料で構成され
た切削工具が知られており、またこれが鋳鉄や鋼などの
切削に用いられていることも知られている。
３０３号公報に記載されるように、結合相形成成分とし
てＴｉの炭化物、窒化物、および炭窒化物（以下、それ
ぞれＴｉＣ，ＴｉＮ、およびＴｉＣＮで示す）のうちの
１種または２種以上からなるＴｉ炭・窒化物：２０〜４
０％を含有し、残りが分散相形成成分としてのＣＢＮと
不可避不純物からなる組成（以上容量％、以下％は容量
％を示す）を有するＣＢＮ基超高圧焼結材料で構成され
た切削工具が知られており、またこれが鋳鉄や鋼などの
切削に用いられていることも知られている。
【０００３】
【発明が解決しようとする課題】一方、近年の切削機械
の高性能化はめざましく、省力化と相まって、切削速度
は高速化の傾向にあるが、上記の従来ＣＢＮ基超高圧焼
結材料製切削工具においては、これを用いて高速切削を
行なうと、摩耗進行がきわめて速く、比較的短時間で使
用寿命に至るものである。
の高性能化はめざましく、省力化と相まって、切削速度
は高速化の傾向にあるが、上記の従来ＣＢＮ基超高圧焼
結材料製切削工具においては、これを用いて高速切削を
行なうと、摩耗進行がきわめて速く、比較的短時間で使
用寿命に至るものである。
【０００４】
【課題を解決するための手段】そこで、本発明者等は、
上述のような観点から、上記の従来ＣＢＮ基超高圧焼結
材料製切削工具のもつ問題点を解決すべく研究を行なっ
た結果、切削工具を、容量％で（以下％は容量％を示
す）、ＴｉＣ，ＴｉＮ、およびＴｉＣＮのうちの１種ま
たは２種以上からＴｉ炭・窒化物：２０〜４０％、窒化
アルミニウム（以下、ＡｌＮで示す）：１〜５％、硼化
チタニウム（以下、ＴｉＢ2 で示す）：３〜１０％、酸
化アルミニウム（以下、Ａｌ2 Ｏ3 で示す）：３〜１５
％、を含有し、残りがＣＢＮと不可避不純物からなる組
成、並びに走査型オージエ電子顕微鏡による面分析でＣ
ＢＮ粒のうちの少なくとも６０面積％が相互結合した組
織を有するＣＢＮ基超高圧焼結材料で構成すると、この
結果のＣＢＮ基超高圧焼結材料製切削工具は、これを高
速切削に用いてもすぐれた耐摩耗性を示し、長期に亘っ
てすぐれた切削性能を発揮するようになるという研究結
果を得たのである。
上述のような観点から、上記の従来ＣＢＮ基超高圧焼結
材料製切削工具のもつ問題点を解決すべく研究を行なっ
た結果、切削工具を、容量％で（以下％は容量％を示
す）、ＴｉＣ，ＴｉＮ、およびＴｉＣＮのうちの１種ま
たは２種以上からＴｉ炭・窒化物：２０〜４０％、窒化
アルミニウム（以下、ＡｌＮで示す）：１〜５％、硼化
チタニウム（以下、ＴｉＢ2 で示す）：３〜１０％、酸
化アルミニウム（以下、Ａｌ2 Ｏ3 で示す）：３〜１５
％、を含有し、残りがＣＢＮと不可避不純物からなる組
成、並びに走査型オージエ電子顕微鏡による面分析でＣ
ＢＮ粒のうちの少なくとも６０面積％が相互結合した組
織を有するＣＢＮ基超高圧焼結材料で構成すると、この
結果のＣＢＮ基超高圧焼結材料製切削工具は、これを高
速切削に用いてもすぐれた耐摩耗性を示し、長期に亘っ
てすぐれた切削性能を発揮するようになるという研究結
果を得たのである。
【０００５】この発明は、上記の研究結果にもとづいて
なされたものであって、切削工具を構成するＣＢＮ基超
高圧焼結材料の成分組成を上記の通りに限定した理由を
説明する。 （ａ） Ｔｉ炭・窒化物 これらの成分には、強度と靭性を向上させる作用がある
が、その含有量が２０％未満では前記作用に所望の効果
が得られず、この結果切削加工に際して切刃に欠けやチ
ッピング（微小欠け）が発生し易くなり、一方その含有
量が４０％を越えると耐摩耗性が急激に低下するように
なることから、その含有量を２０〜４０％、望ましくは
３０〜３５％と定めた。
なされたものであって、切削工具を構成するＣＢＮ基超
高圧焼結材料の成分組成を上記の通りに限定した理由を
説明する。 （ａ） Ｔｉ炭・窒化物 これらの成分には、強度と靭性を向上させる作用がある
が、その含有量が２０％未満では前記作用に所望の効果
が得られず、この結果切削加工に際して切刃に欠けやチ
ッピング（微小欠け）が発生し易くなり、一方その含有
量が４０％を越えると耐摩耗性が急激に低下するように
なることから、その含有量を２０〜４０％、望ましくは
３０〜３５％と定めた。
【０００６】（ｂ） ＡｌＮおよびＴｉＢ2 これらの成分には焼結性向上に寄与し、一段の強度向上
に不可欠の成分であり、したがって、これら成分のうち
のいずれかでもＡｌＮ：１％未満およびＴｉＢ2 ：３％
未満では所望の強度向上をはかることができず、一方こ
れら成分のうちのいずれかでもＡｌＮ：５％およびＴｉ
Ｂ2 ：１０％を越えると耐摩耗性が急激に低下するよう
になることから、その含有量をそれぞれＡｌＮ：１〜５
％、望ましくは２〜４％、ＴｉＢ2 ：３〜１０％、望ま
しくは４〜７％と定めた。
に不可欠の成分であり、したがって、これら成分のうち
のいずれかでもＡｌＮ：１％未満およびＴｉＢ2 ：３％
未満では所望の強度向上をはかることができず、一方こ
れら成分のうちのいずれかでもＡｌＮ：５％およびＴｉ
Ｂ2 ：１０％を越えると耐摩耗性が急激に低下するよう
になることから、その含有量をそれぞれＡｌＮ：１〜５
％、望ましくは２〜４％、ＴｉＢ2 ：３〜１０％、望ま
しくは４〜７％と定めた。
【０００７】（ｃ） Ａｌ2 Ｏ3 Ａｌ2 Ｏ3 成分には、特に高速切削で発生する高熱に対
する塑性変形を抑制する作用があるが、その含有量が３
％未満では前記作用に所望の効果が得られず、一方その
含有量が１５％を越えると強度に低下傾向が現われるよ
うになることから、その含有量を３〜１５％、望ましく
は７〜１２％と定めた。
する塑性変形を抑制する作用があるが、その含有量が３
％未満では前記作用に所望の効果が得られず、一方その
含有量が１５％を越えると強度に低下傾向が現われるよ
うになることから、その含有量を３〜１５％、望ましく
は７〜１２％と定めた。
【０００８】なお、この発明の切削工具においては、上
記の通りＣＢＮ粒の６０面積％以上が相互結合した組織
をもつが、この相互結合割合は実験結果にもとづくもの
であって、その相互結合割合が６０面積％未満であると
所望のすぐれた耐摩耗性を確保することができないもの
である。
記の通りＣＢＮ粒の６０面積％以上が相互結合した組織
をもつが、この相互結合割合は実験結果にもとづくもの
であって、その相互結合割合が６０面積％未満であると
所望のすぐれた耐摩耗性を確保することができないもの
である。
【０００９】
【実施例】つぎに、この発明のＣＢＮ基超高圧焼結材料
製切削工具を実施例により具体的に説明する。原料粉末
として、１〜３．５μｍの範囲内の平均粒径を有するＣ
ＢＮ粉末、同じく０．５〜１．８μｍの範囲内の平均粒
径を有するＴｉＣ粉末、ＴｉＮ粉末、およびＴｉＣＮ粉
末、ＡｌＮ粉末、ＴｉＢ2 粉末、およびＡｌ2 Ｏ3 粉末
を用意し、これら原料粉末を表１，２に示される配合組
成に配合し、回転ボールミルで７２時間の湿式混合を行
ない、乾燥後、３ton ／cm2 の圧力で直径：２０mm×厚
さ：１．５mmの寸法をもった圧粉体にプレス成形し、こ
の圧粉体を３×１０-4torrの真空中、１０００〜１３０
０℃の範囲内の所定温度に３０分間保持の条件で仮焼結
し、引続いて直径：２０mm×厚さ：２mmの寸法をもった
ＷＣ基超硬合金母材と重ね合わせた状態で超高圧焼結装
置に装入し、圧力：５ＧＰａで１２００〜１４００℃の
範囲内の所定温度に３０分間保持の条件で超高圧焼結
し、上下面を研削し、ワイヤカットにて４分割し、ＷＣ
基超硬合金製台金にろう付けし、所定のスローアウェイ
チップ形状に研磨仕上げすることにより実質的に配合組
成と同じ成分組成をもった本発明ＣＢＮ基超高圧焼結材
料製切削工具（以下、本発明切削工具という）１〜１
５、および従来ＣＢＮ基超高圧焼結材料製切削工具（以
下、従来切削工具という）１〜７をそれぞれ製造した。
なお、図１に本発明切削工具２の走査型オージエ電子顕
微鏡による観察組織を模写図で示した。
製切削工具を実施例により具体的に説明する。原料粉末
として、１〜３．５μｍの範囲内の平均粒径を有するＣ
ＢＮ粉末、同じく０．５〜１．８μｍの範囲内の平均粒
径を有するＴｉＣ粉末、ＴｉＮ粉末、およびＴｉＣＮ粉
末、ＡｌＮ粉末、ＴｉＢ2 粉末、およびＡｌ2 Ｏ3 粉末
を用意し、これら原料粉末を表１，２に示される配合組
成に配合し、回転ボールミルで７２時間の湿式混合を行
ない、乾燥後、３ton ／cm2 の圧力で直径：２０mm×厚
さ：１．５mmの寸法をもった圧粉体にプレス成形し、こ
の圧粉体を３×１０-4torrの真空中、１０００〜１３０
０℃の範囲内の所定温度に３０分間保持の条件で仮焼結
し、引続いて直径：２０mm×厚さ：２mmの寸法をもった
ＷＣ基超硬合金母材と重ね合わせた状態で超高圧焼結装
置に装入し、圧力：５ＧＰａで１２００〜１４００℃の
範囲内の所定温度に３０分間保持の条件で超高圧焼結
し、上下面を研削し、ワイヤカットにて４分割し、ＷＣ
基超硬合金製台金にろう付けし、所定のスローアウェイ
チップ形状に研磨仕上げすることにより実質的に配合組
成と同じ成分組成をもった本発明ＣＢＮ基超高圧焼結材
料製切削工具（以下、本発明切削工具という）１〜１
５、および従来ＣＢＮ基超高圧焼結材料製切削工具（以
下、従来切削工具という）１〜７をそれぞれ製造した。
なお、図１に本発明切削工具２の走査型オージエ電子顕
微鏡による観察組織を模写図で示した。
【００１０】ついで、この結果得られた本発明切削工具
１〜１５および従来切削工具１〜７について、 被削材：ＦＣＤ７０（球状黒鉛鋳鉄）の丸棒、 切削速度：４００ｍ／min.、 切込み：０．３５mm、 送り：０．１５mm／rev.、 時間：２０分、 の条件での鋳鉄の湿式連続高速切削試験、並びに、 被削材：ＳＣＭ４１５の浸炭焼入れ丸棒、 切削速度：２００ｍ／min.、 切込み：０．１mm、 送り：０．１mm／rev.、 時間：２０分、 の条件での鋼の乾式連続高速切削試験を行ない、いずれ
の試験でも切刃の逃げ面摩耗幅を測定した。これらの測
定結果を表１，２に示した。
１〜１５および従来切削工具１〜７について、 被削材：ＦＣＤ７０（球状黒鉛鋳鉄）の丸棒、 切削速度：４００ｍ／min.、 切込み：０．３５mm、 送り：０．１５mm／rev.、 時間：２０分、 の条件での鋳鉄の湿式連続高速切削試験、並びに、 被削材：ＳＣＭ４１５の浸炭焼入れ丸棒、 切削速度：２００ｍ／min.、 切込み：０．１mm、 送り：０．１mm／rev.、 時間：２０分、 の条件での鋼の乾式連続高速切削試験を行ない、いずれ
の試験でも切刃の逃げ面摩耗幅を測定した。これらの測
定結果を表１，２に示した。
【００１１】
【表１】
【００１２】
【表２】
【００１３】
【発明の効果】表１，２に示される結果から、本発明切
削工具１〜１５は、高速切削で従来切削工具１〜７に比
してすぐれた耐摩耗性を示すことが明らかである。上述
のように、この発明のＣＢＮ基超高圧焼結材料製切削工
具は、通常の切削は勿論のこと、特に高速切削ですぐれ
た耐摩耗性を示し、長期に亘ってすぐれた切削性能を発
揮するのである。
削工具１〜１５は、高速切削で従来切削工具１〜７に比
してすぐれた耐摩耗性を示すことが明らかである。上述
のように、この発明のＣＢＮ基超高圧焼結材料製切削工
具は、通常の切削は勿論のこと、特に高速切削ですぐれ
た耐摩耗性を示し、長期に亘ってすぐれた切削性能を発
揮するのである。
【図１】本発明切削工具２の走査型オージエ電子顕微鏡
による観察組織（１０，０００倍）の模写図である。
による観察組織（１０，０００倍）の模写図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 ＦＩ 技術表示箇所 Ｃ２２Ｃ 29/16 Ｆ
Claims (1)
- 【請求項１】 Ｔｉの炭化物、窒化物、および炭窒化物
のうちの１種または２種以上からなるＴｉ炭・窒化物：
２０〜４０％、 窒化アルミニウム：１〜５％、 硼化チタニウム：３〜１０％、 酸化アルミニウム：３〜１５％、を含有し、残りが立方
晶窒化硼素と不可避不純物からなる組成（以上容量％）
を有し、かつ走査型オージエ電子顕微鏡による面分析で
立方晶窒化硼素粒のうちの少なくとも６０面積％が相互
結合した組織を有する立方晶窒化硼素基超高圧焼結材料
で構成したことを特徴とする耐摩耗性のすぐれた立方晶
窒化硼素基超高圧焼結材料製切削工具。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP6290619A JPH08126903A (ja) | 1994-10-31 | 1994-10-31 | 耐摩耗性のすぐれた立方晶窒化硼素基超高圧焼結材料製切削工具 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP6290619A JPH08126903A (ja) | 1994-10-31 | 1994-10-31 | 耐摩耗性のすぐれた立方晶窒化硼素基超高圧焼結材料製切削工具 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH08126903A true JPH08126903A (ja) | 1996-05-21 |
Family
ID=17758340
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP6290619A Pending JPH08126903A (ja) | 1994-10-31 | 1994-10-31 | 耐摩耗性のすぐれた立方晶窒化硼素基超高圧焼結材料製切削工具 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH08126903A (ja) |
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-
1994
- 1994-10-31 JP JP6290619A patent/JPH08126903A/ja active Pending
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| GB2591616A (en) * | 2020-01-28 | 2021-08-04 | Element Six Uk Ltd | Polycrystalline cubic boron nitride material |
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| A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20020402 |