JP2626005B2 - 耐欠損性のすぐれた立方晶窒化ほう素基超高圧焼結材料製切削チップ - Google Patents
耐欠損性のすぐれた立方晶窒化ほう素基超高圧焼結材料製切削チップInfo
- Publication number
- JP2626005B2 JP2626005B2 JP63317421A JP31742188A JP2626005B2 JP 2626005 B2 JP2626005 B2 JP 2626005B2 JP 63317421 A JP63317421 A JP 63317421A JP 31742188 A JP31742188 A JP 31742188A JP 2626005 B2 JP2626005 B2 JP 2626005B2
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- JP
- Japan
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- sintered material
- boron nitride
- cbn
- cubic boron
- cutting
- Prior art date
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- Cutting Tools, Boring Holders, And Turrets (AREA)
- Ceramic Products (AREA)
Description
【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この発明は、すぐれた靭性を有し、ロックウェル硬さ
cスケール(HRC)で55〜62を有する浸炭焼入れ鋼や高
周波焼入れ鋼などの連続切削は勿論のこと、特にこれら
被削材の断続切削に用いた場合にすぐれた耐欠損性を示
す立方晶窒化ほう素基超高圧焼結材料(以下、CBN基焼
結材料という)製切削チップに関するものである。
cスケール(HRC)で55〜62を有する浸炭焼入れ鋼や高
周波焼入れ鋼などの連続切削は勿論のこと、特にこれら
被削材の断続切削に用いた場合にすぐれた耐欠損性を示
す立方晶窒化ほう素基超高圧焼結材料(以下、CBN基焼
結材料という)製切削チップに関するものである。
一般に、上記の浸炭焼入れ鋼や高周波焼入れ鋼などの
連続切削に、 結合相形成成分として、Tiの炭化物、窒化物、および
ほう化物、炭化タングステン、Alの酸化物および窒化物
(以下、それぞれTiC,TiN,TiB2,WC,Al2O3,およびAlNで
示す)、並びにこれらの2種以上の固溶体のうちの1種
または2種以上:20〜60%、 を含有し、残りが分散相形成成分としての立方晶窒化ほ
う素(以下、CBNで示す)と不可避不純物からなる組成
(以上容量%、以下%は容量%を示す)を有するCBN基
焼結材料で構成された切削チップが用いられていること
は良く知られるところである。
連続切削に、 結合相形成成分として、Tiの炭化物、窒化物、および
ほう化物、炭化タングステン、Alの酸化物および窒化物
(以下、それぞれTiC,TiN,TiB2,WC,Al2O3,およびAlNで
示す)、並びにこれらの2種以上の固溶体のうちの1種
または2種以上:20〜60%、 を含有し、残りが分散相形成成分としての立方晶窒化ほ
う素(以下、CBNで示す)と不可避不純物からなる組成
(以上容量%、以下%は容量%を示す)を有するCBN基
焼結材料で構成された切削チップが用いられていること
は良く知られるところである。
しかし、上記の従来CBN基焼結材料製切削チップにお
いては、上記のように連続切削ではすぐれた耐摩耗性を
示すものの、これを断続切削に用いた場合には、靭性不
足が原因で欠けやチッピングが発生し易く、著しく短か
い使用寿命しか示さず、実用に供することは困難である
のが現状である。
いては、上記のように連続切削ではすぐれた耐摩耗性を
示すものの、これを断続切削に用いた場合には、靭性不
足が原因で欠けやチッピングが発生し易く、著しく短か
い使用寿命しか示さず、実用に供することは困難である
のが現状である。
そこで、本発明者等は、上述のような観点から、上記
の従来CBN基焼結材料製切削チップに着目し、これに靭
性を付与すべく研究を行なった結果、これを構成する分
散相形成成分としてのCBNは、平均粒径が10μm以下の
粒状からなるが、これの50%以上を同じく平均粒径が10
μm以下の長尺状CBN、望ましくは長軸と短軸の比が1.5
〜8の長尺状CBNで構成すると、靭性が著しく向上する
ようになり、断続切削でもすぐれた耐欠損性を示すよう
になるという知見を得たのである。
の従来CBN基焼結材料製切削チップに着目し、これに靭
性を付与すべく研究を行なった結果、これを構成する分
散相形成成分としてのCBNは、平均粒径が10μm以下の
粒状からなるが、これの50%以上を同じく平均粒径が10
μm以下の長尺状CBN、望ましくは長軸と短軸の比が1.5
〜8の長尺状CBNで構成すると、靭性が著しく向上する
ようになり、断続切削でもすぐれた耐欠損性を示すよう
になるという知見を得たのである。
この発明は、上記知見にもとづいてなされたものであ
って、 結合相形成成分として、TiC,TiN,TiB2,WC,Al2O3,およ
びAlN,並びにこれらの2種以上の固溶体のうちの1種ま
たは2種以上:20〜60%、 を含有し、残りが分散相形成成分としてのCBNと不可避
不純物からなる組成を有するCBN基焼結材料で構成され
た切削チップにおいて、 上記分散相形成成分としてのCBNの50%以上を、平均
粒径が10μm以下の長尺状CBN、望ましくは長軸と短軸
の比が1.5〜8の長尺状CBNで構成してなる耐欠損性のす
ぐれたCBN基焼結材料製切削チップに特徴を有するもの
である。
って、 結合相形成成分として、TiC,TiN,TiB2,WC,Al2O3,およ
びAlN,並びにこれらの2種以上の固溶体のうちの1種ま
たは2種以上:20〜60%、 を含有し、残りが分散相形成成分としてのCBNと不可避
不純物からなる組成を有するCBN基焼結材料で構成され
た切削チップにおいて、 上記分散相形成成分としてのCBNの50%以上を、平均
粒径が10μm以下の長尺状CBN、望ましくは長軸と短軸
の比が1.5〜8の長尺状CBNで構成してなる耐欠損性のす
ぐれたCBN基焼結材料製切削チップに特徴を有するもの
である。
なお、この発明の切削チップを構成するCBN基焼結材
料における長尺状CBNは、その割合が50%未満では所望
の靭性向上に寄与せず、靭性の急激な向上が50%を境に
して見られることから、その割合を50%以上と定めた。
料における長尺状CBNは、その割合が50%未満では所望
の靭性向上に寄与せず、靭性の急激な向上が50%を境に
して見られることから、その割合を50%以上と定めた。
また、長尺状CBNの平均粒径が10μmを越えても靭性
低下が見られるようになることから、その平均粒径を10
μm以下と定めた。
低下が見られるようになることから、その平均粒径を10
μm以下と定めた。
さらに、同じくCBN基焼結材料を構成する結合相形成
成分の含有量に関して、その含有量が20%未満では、相
対的にCBNが多くなりすぎて所定の強度を確保すること
ができず、一方その含有量が60%を越えるとCBNの割合
が少なくなりすぎて耐摩耗性の低下が著しくなることか
ら、その含有量が20〜60%と定められている。
成分の含有量に関して、その含有量が20%未満では、相
対的にCBNが多くなりすぎて所定の強度を確保すること
ができず、一方その含有量が60%を越えるとCBNの割合
が少なくなりすぎて耐摩耗性の低下が著しくなることか
ら、その含有量が20〜60%と定められている。
つぎに、この発明のCBN基焼結材料製切削チップを実
施例により具体的に説明する。
施例により具体的に説明する。
原料粉末として、いずれも1〜3μmの平均粒径を有
し、かつ第1表に示される各種の結合相形成用粉末、並
びに3μmの平均粒径を有する粒状のCBN粉末と、同じ
く3μmの平均粒径を有し、1.5の長尺比(長軸と短軸
の比)で篩分することによりいずれの粉末も1.5以上の
長尺比をもつように調整した長尺状CBN粉末を用意し、
これら原料粉末をそれぞれ第1表に示される配合組成に
配合し、溶媒としてアセトンを加え、WC基超硬合金製ボ
ールミルを用い、72時間湿式混合し、乾燥した後、2ton
/cm2の圧力で直径:10mm×厚さ:2.5mmの圧粉体にプレス
成形し、ついでこの圧粉体を、直径:10mm×厚さ:2.5mm
のWC基超硬合金台金(Co:10重量%含有)と重ね合わせ
た状態で、圧力:5万気圧、温度:1300℃、保持時間:1時
間の条件で超高圧焼結し、焼結後4分割し、研削するこ
とにより、実質的に配合組成と同一の組成をもった本発
明CBN基焼結材料製切削チップ(以下本発明切削チップ
という)1〜8、比較CBN基焼結材料製切削チップ(以
下比較切削チップという)1〜3、および従来CBN基焼
結材料製切削チップ(以下従来切削 チップという)1〜4をそれぞれ製造した。
し、かつ第1表に示される各種の結合相形成用粉末、並
びに3μmの平均粒径を有する粒状のCBN粉末と、同じ
く3μmの平均粒径を有し、1.5の長尺比(長軸と短軸
の比)で篩分することによりいずれの粉末も1.5以上の
長尺比をもつように調整した長尺状CBN粉末を用意し、
これら原料粉末をそれぞれ第1表に示される配合組成に
配合し、溶媒としてアセトンを加え、WC基超硬合金製ボ
ールミルを用い、72時間湿式混合し、乾燥した後、2ton
/cm2の圧力で直径:10mm×厚さ:2.5mmの圧粉体にプレス
成形し、ついでこの圧粉体を、直径:10mm×厚さ:2.5mm
のWC基超硬合金台金(Co:10重量%含有)と重ね合わせ
た状態で、圧力:5万気圧、温度:1300℃、保持時間:1時
間の条件で超高圧焼結し、焼結後4分割し、研削するこ
とにより、実質的に配合組成と同一の組成をもった本発
明CBN基焼結材料製切削チップ(以下本発明切削チップ
という)1〜8、比較CBN基焼結材料製切削チップ(以
下比較切削チップという)1〜3、および従来CBN基焼
結材料製切削チップ(以下従来切削 チップという)1〜4をそれぞれ製造した。
なお、比較切削チップ1〜3は、これを構成するCBN
基製焼結材料の成分組成および長尺状CBNの割合がこの
発明の範囲から外れたものであり、また従来切削チップ
1〜4は、いずれもこれを構成するCBNがすべて粒状形
状を有するものである。
基製焼結材料の成分組成および長尺状CBNの割合がこの
発明の範囲から外れたものであり、また従来切削チップ
1〜4は、いずれもこれを構成するCBNがすべて粒状形
状を有するものである。
ついで、この結果得られた各種の切削チップについ
て、 被削材:JIS・SCr415の浸炭焼入れ鋼(硬さ:HRC60)の丸
棒、 切削速度:150m/min、 送り:0.1mm/rev.、 切込み:0.15mm、 切削時間:20分、 の条件で連続切削試験を行ない、切刃の逃げ面摩耗幅を
測定し、さらに、 被削材:JIS・SCM415の浸炭焼入れ鋼(硬さ:HRC63)の角
材、 切削速度:150m/min、 送り:0.1mm/rev.、 切込み:0.1mm、 の条件で断続切削試験を行ない、欠損またはチッピング
の発生により使用寿命に至るまでの切削時間を測定し
た。これらの測定結果を第1表に示した。
て、 被削材:JIS・SCr415の浸炭焼入れ鋼(硬さ:HRC60)の丸
棒、 切削速度:150m/min、 送り:0.1mm/rev.、 切込み:0.15mm、 切削時間:20分、 の条件で連続切削試験を行ない、切刃の逃げ面摩耗幅を
測定し、さらに、 被削材:JIS・SCM415の浸炭焼入れ鋼(硬さ:HRC63)の角
材、 切削速度:150m/min、 送り:0.1mm/rev.、 切込み:0.1mm、 の条件で断続切削試験を行ない、欠損またはチッピング
の発生により使用寿命に至るまでの切削時間を測定し
た。これらの測定結果を第1表に示した。
第1表に示される結果から、本発明切削チップ1〜8
は、いずれも連続切削では従来切削チップ1〜4と同等
のすぐれた耐摩耗性を示し、かつ断続切削では従来切削
チップ1〜4に比して一段とすぐれた耐欠損性を示し、
一方比較切削チップ1〜3に見られるように、CBN基焼
結材料の結合相形成成分あるいは長尺状CBNの割合がこ
の発明の範囲から外れると所定のすぐれた耐摩耗性また
は耐欠損性が得られないことが明らかである。
は、いずれも連続切削では従来切削チップ1〜4と同等
のすぐれた耐摩耗性を示し、かつ断続切削では従来切削
チップ1〜4に比して一段とすぐれた耐欠損性を示し、
一方比較切削チップ1〜3に見られるように、CBN基焼
結材料の結合相形成成分あるいは長尺状CBNの割合がこ
の発明の範囲から外れると所定のすぐれた耐摩耗性また
は耐欠損性が得られないことが明らかである。
上述のように、この発明のCBN基焼結材料製切削チッ
プは、従来CBN基焼結材料製切削チップに比して著しく
すぐれた靭性を有し、したがってこれを断続切削に用い
た場合にはすぐれた耐欠損性を示し、かつ連続切削でも
すぐれた耐摩耗性を発揮するのである。
プは、従来CBN基焼結材料製切削チップに比して著しく
すぐれた靭性を有し、したがってこれを断続切削に用い
た場合にはすぐれた耐欠損性を示し、かつ連続切削でも
すぐれた耐摩耗性を発揮するのである。
Claims (1)
- 【請求項1】結合相形成成分として、Tiの炭化物、窒化
物、およびほう化物、炭化タングステン、Alの酸化物お
よび窒化物、並びにこれらの2種以上の固溶体のうちの
1種または2種以上:20〜60容量%、 を含有し、残りが分散相形成成分としての立方晶窒化ほ
う素と不可避不純物からなる組成を有する立方晶窒化ほ
う素基超高圧焼結材料で構成された切削チップにおい
て、 上記分散相形成成分としての立方晶窒化ほう素の50容量
%以上を、平均粒径が10μm以下の長尺状立方晶窒化ほ
う素で構成したことを特徴とする耐欠損性のすぐれた立
方晶窒化ほう素基超高圧焼結材料製切削チップ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP63317421A JP2626005B2 (ja) | 1988-12-15 | 1988-12-15 | 耐欠損性のすぐれた立方晶窒化ほう素基超高圧焼結材料製切削チップ |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP63317421A JP2626005B2 (ja) | 1988-12-15 | 1988-12-15 | 耐欠損性のすぐれた立方晶窒化ほう素基超高圧焼結材料製切削チップ |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH02167605A JPH02167605A (ja) | 1990-06-28 |
JP2626005B2 true JP2626005B2 (ja) | 1997-07-02 |
Family
ID=18088046
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP63317421A Expired - Lifetime JP2626005B2 (ja) | 1988-12-15 | 1988-12-15 | 耐欠損性のすぐれた立方晶窒化ほう素基超高圧焼結材料製切削チップ |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2626005B2 (ja) |
-
1988
- 1988-12-15 JP JP63317421A patent/JP2626005B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH02167605A (ja) | 1990-06-28 |
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