JP6107668B2 - 研磨材再生方法 - Google Patents

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Description

本発明は、洗浄水を含む研磨材スラリーあるいは使用済みの研磨材スラリーから使用済みの研磨材を回収し、これを再生研磨材として再利用するための研磨材再生方法に関する。
ケイ素を主成分とする被研磨物(例えば、光学ガラス、情報記録媒体用ガラス基板、半導体シリコン基板等)を仕上工程で精密研磨する研磨材としては、従来、ダイアモンド、窒化ホウ素、炭化ケイ素、アルミナ、アルミナジルコニア、酸化ジルコニウム、酸化セリウム等に代表される高い硬度を有する微粒子が使用されている。
一般に、研磨材の主構成元素の中には、日本国内では産出しない鉱物から得られるものもあり、一部では輸入に頼っている資源であり、かつ材料価格としても高価なものが多い。
これらの研磨材は、硬度が高い微粒子であるため、光学レンズや半導体シリコン基板及び液晶画面のガラス板など、電子部品関係の光学研磨材として多量に使用されている重要な資源であり、その再利用を強く望まれている資源の一つである。また、光学研磨用の研磨材は、上述のような各化合物を主成分として、ナトリウム塩やクロム塩などの遷移金属元素、イットリウムやデシプロシウムなど希土類元素の微粒子を含んでいる場合もあり、単純な廃棄は環境上強く禁止されている。そのため、研磨に使用した後の廃液を無公害化する処理技術の開発が強く望まれている。したがって、使用済みの研磨材を含有する光学研磨材廃液については、資源の再利用化、あるいは無公害化への技術的対応が重要な問題となっている。
一般的に各種工業分野において発生する懸濁微粒子を含む廃水の処理方法としては、中和剤や無機凝集剤、高分子凝集剤等を用いて懸濁微粒子を凝集分離した後、処理水は放流し、凝集分離した汚泥は焼却等の手段により廃棄処理されているのが現状である。
また、これらの研磨材は、通常、研磨工程で多量に使用する上、廃液中には被研磨成分、例えば、光学ガラス屑等も共存しているが、通常では研磨材と被研磨成分とを効率的に分離することが困難であるため、上記のように、研磨材廃液は、多くの場合、使用後に廃棄されているのが現状であり、環境負荷の面や廃棄コストの面からも問題を抱えている。
したがって、近年、研磨材の主構成元素を効率よく回収及び再利用して、希少価値の高い元素の省資源化を図ることが重要な課題となっている。
研磨材成分の回収方法に関しては、例えば、特許文献1には、使用済み研磨材である酸化セリウム系研磨材を含有するガラス用研磨液の使用済み研磨材に対して、電解質を添加して、50℃で2時間保温することにより、研磨された基体由来の成分(Si成分又はAl成分)を溶解させるとともに、研磨材を沈降分離させ、固液分離する方法が開示されている。特許文献1に記載の方法では、電解質物質として、水酸化アルカリ金属、炭酸アルカリ金属、アルカリ金属塩、及びアンモニウム塩を使用している。
また、特許文献2には、酸化セリウムを主成分とするガラス用研磨液の使用済み研磨材に対し、ポリ塩化アルミニウムと高分子凝集剤とを添加して使用済み研磨材の固形分を凝集した後、脱水処理して脱水ケーキ状の研磨廃棄物を得て、その研磨廃棄物を、水酸化ナトリウム又は水酸化カリウムの水溶液に混合し、可溶性の不純物を溶解した後、固液分離により、研磨材を回収する方法が開示されている。更に、特許文献3には、使用済み研磨材に対して、硫酸を加えて加熱処理することにより、レアアースやレアメタルを溶解し、スラリー中のシリカ等の凝集体と分離除去する方法が開示されている。
また、特許文献4には、コロイダルシリカ系の研磨材を回収する方法として、CMP(Chemical Mechanical Polishing、化学機械研磨)廃液に対し、マグネシウムイオンの存在下で、アルカリ添加してpH値を10以上に調整することにより凝集処理して固液分離した後、固形分をpH調整槽でpH値を9以下に調整してマグネシウムイオンを溶出させて、研磨材を回収する方法が開示されている。さらに、非特許文献1では、上記説明した金属の回収技術に関する総説がされている。
しかしながら、上記特許文献1〜4に開示されている方法では、回収される研磨材の純度が十分でないために、回収された研磨材は高精度な研磨には適さないものであった。
また、上記特許文献4の方法では、酸化セリウムを主成分とする研磨材を用いて、ケイ素を主成分とするガラス等を研磨対象とする場合、使用済みの研磨材が含まれる研磨材スラリーのpHが10以上の条件で塩化マグネシウム等の添加剤を加えると、研磨材成分がガラス等とともに凝集してしまい、得られる再生研磨材の純度の低下につながる。その理由は、pHが10を超える範囲では、ケイ素を主成分とする研磨対象由来の成分(ガラス等)の凝集性が高まり、添加剤の添加により研磨材成分よりも容易に凝集するためであると考えられる。
一方、特許文献5には、使用済み回収液を凍結させることにより研磨材である酸化セリウムの二次粒子を再生し、その後水を除去することによる再生酸化セリウム研磨材の製造方法が記載されている。しかしながら、特許文献5に記載されている方法では、凍結のための大掛かりな設備等が必要となり初期投資が非常に大きなものとなる。
また上記提案されている各方法では、研磨材を分離する際に、凝集した回収研磨材スラリーとして十分な濃度まで濃縮することが難しいのが現状であり、その結果、凝集して回収した研磨材スラリー中には、依然として不要成分が残留した状態であるため、高純度の再生研磨材を得るための障害となっている。
特開平06−254764号公報 特開平11−90825号公報 特開平11−50168号公報 特開2000−254659号公報 特開2010−214515号公報
金属資源レポート 45頁 2010.11
本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、その解決課題は、使用済み研磨材から、効率的な方法で研磨材を回収し、その後、簡易な方法で高純度の再生研磨材を得ることができる研磨材再生方法を提供することである。
本発明者らは、上記課題に鑑み鋭意検討を行った結果、使用済みの少なくとも研磨材と被研磨材を含む研磨材スラリーから、研磨材のみ分離再生する研磨材再生方法として、研磨材として特定の研磨材を用い、使用済みの研磨材と被研磨材を含む研磨材スラリーに対し、無機塩としてアルカリ土類金属元素を含む金属塩を添加して研磨材のみを凝集させ、被研磨材を含む母液より研磨材を分離、濃縮する分離濃縮工程、分離して一次濃縮した研磨材を回収する工程と、一次濃縮した研磨材に対し濾過処理を施して、更に前記被研磨材を分離する二次濃縮を行う第2濃縮工程を経て研磨材を回収する研磨材再生方法により、使用済み研磨材から、効率的な方法で研磨材を回収し、その後、簡易な方法で高純度の再生研磨材を得ることができる研磨材再生方法を実現することができることを見いだし、本発明に至った次第である。
すなわち、本発明の上記問題は、下記の手段により解決される。
1.使用済みの少なくとも研磨材と被研磨材を含む研磨材スラリーから、研磨材のみ分離再生する研磨材再生方法であって、該研磨材が、下記研磨材群から選ばれる少なくとも一種であり、かつ下記工程A〜Dを経て研磨材を再生することを特徴とする研磨材再生方法。
工程A:研磨機から排出される前記研磨材スラリーを回収するスラリー回収工程A
工程B:該回収した研磨材と被研磨材を含む研磨材スラリーに対し、無機塩としてアルカリ土類金属元素を含む金属塩を添加して該研磨材のみを凝集させ、該研磨材を、被研磨材を含む母液より分離して一次濃縮する分離濃縮工程B
工程C:該分離して一次濃縮した研磨材を回収する研磨材回収工程C
工程D:該回収した一次濃縮した研磨材に対し濾過処理を施して、更に前記被研磨材を分離する二次濃縮を行う第2濃縮工程D
研磨材群:ダイアモンド、窒化ホウ素、炭化ケイ素、アルミナ、アルミナジルコニア、酸化ジルコニウム及び酸化セリウム
2.前記第2濃縮工程Dの後に、回収した前記研磨材の粒子径を調整する粒子径制御工程Eを有することを特徴とする第1項に記載の研磨材再生方法。
3.前記分離濃縮工程Bは、アルカリを添加しない状態で、母液の25℃換算のpH値が10.0未満の条件で分離濃縮を行うことを特徴とする第1項又は第2項に記載の研磨材再生方法。
4.前記研磨材が酸化セリウムであることを特徴とする第1項から第3項までのいずれか一項に記載の研磨材再生方法。
5.前記スラリー回収工程Aでは、洗浄水を含む研磨材スラリー1と、使用済みの研磨材を含む研磨材スラリー2とを回収することを特徴とする第1項から第4項までのいずれか一項に記載の研磨材再生方法。
6.前記分離濃縮工程Bで用いるアルカリ土類金属元素を含む金属塩が、マグネシウム塩であることを特徴とする第1項から第5項までのいずれか一項に記載の研磨材再生方法。
7.前記研磨材回収工程Cにおける研磨材の回収方法が、自然沈降によるデカンテーション分離法であることを特徴とする第1項から第6項までのいずれか一項に記載の研磨材再生方法。
8.前記第2濃縮工程Dにおける濾過処理が、濾材としてセラミックフィルターを用いる濾過方法であることを特徴とする第1項から第7項までのいずれか一項に記載の研磨材再生方法。
9.前記第2濃縮工程Dにおける濾過処理が、研磨材回収工程Cで回収された研磨材を貯留した釜から研磨材を送り出し、送り出された研磨材を濾過して前記釜に戻す操作を繰り返すものであることを特徴とする第1項から第8項までのいずれか一項に記載の研磨材再生方法。
10.前記第2濃縮工程Dが、前記研磨材の粘度を最適粘度に制御しながら行うことを特徴とする第1項から第9項までのいずれか一項に記載の研磨材再生方法。
11.前記粒子径制御工程Eは、回収した研磨材溶液に分散剤を添加した後、分散機として超音波分散機又はビーズミル型分散機を用いて分散することにより、再生研磨材の粒子径を制御する工程であることを特徴とする第2項に記載の研磨材再生方法。
12.前記粒子径制御工程Eで用いる前記分散機が、超音波分散機であることを特徴とする第11項に記載の研磨材再生方法。
13.前記分散剤が、ポリカルボン酸系高分子分散剤であることを特徴とする第11項又は第12項に記載の研磨材再生方法。
14.前記スラリー回収工程Aで回収した研磨材スラリー1と研磨材スラリー2とを混合した後、前記分離濃縮工程B、前記研磨材回収工程C及び前記第2濃縮工程Dで処理することを特徴とする第5項に記載の研磨材再生方法。
15.前記スラリー回収工程Aで回収した研磨材スラリー1と研磨材スラリー2とを、それぞれ独立して、前記分離濃縮工程B、前記研磨材回収工程C及び前記第2濃縮工程Dで処理することを特徴とする第5項に記載の研磨材再生方法。
本発明の上記手段により、使用済み研磨材から、効率的な方法で研磨材を回収し、その後、簡易な方法で高純度の再生研磨材を得ることができる研磨材再生方法が提供できる。
本発明において上記のような効果を発揮する理由は、全て明確にはなっていないが、以下の様に推察している。
本発明の作用効果の特徴点は、使用済み研磨材と被研磨材を含むスラリーから、研磨材のみを高濃度で回収する技術が、単に研磨材を回収するだけではなく、回収の際の純度を高くし、さらに回収後の再生を容易としている点にある。
その作用効果の特徴は、研磨材と無機塩との特異的な相性に起因していると推定している。
使用済み研磨材に比重の大きい凝集剤を添加して固体成分として分離し、そののち研磨材を精製して再生することは一般によく行われていることである。その際、固体成分として回収される研磨材にはガラス研磨による被研磨材としてガラス成分、例えば、二酸化ケイ素粒子も含まれる。このガラス成分を分離するためは、更に、種々の精製工程が必要となってくる。
上記問題に対し、本発明の研磨材再生方法においては、第1ステップとして、無機塩(例えば、アルカリ土類金属塩。)が研磨材とのみ選択的に凝集を生じ、被研磨材であるガラス成分はほとんど凝集させることがなく母液中に存在させるため、両者を効率的に分離することができる。更に、第2ステップとして、第2濃縮工程Dにおいて、分離濃縮工程B及び研磨材回収工程Cで分離した研磨材沈殿物(研磨材スラリー)に対し、更に濾過処理を施して、前工程である分離濃縮工程B及び研磨材回収工程Cで完全に分離・除去できなかったガラス成分等を含む母液を、研磨材沈殿物(研磨材スラリー)から分離することにより、研磨材沈殿物中の研磨材の純度を飛躍的に高めることができたものである。この濾過処理を施すことにより、研磨材のみを高純度で分離することができ、その後の精製工程が必要ないという、工程の簡略化にも寄与することができる方法である。
本発明においては、研磨材、洗浄水及び被研磨材を含む研磨材スラリー1及び/又は使用済みの研磨材及び被研磨材を含む研磨材スラリー2を含む母液のpHとして、無機塩を添加した後から凝集体を分離するまで、一定のpH条件、すなわち無機塩添加時のpH以下に維持することが好ましい。より好ましくは、分離濃縮工程Bにおいては、母液の25℃換算のpH値が10.0未満の条件で分離濃縮を行うことが好ましい態様である。ここでいう無機塩添加時のpHとは、分離濃縮工程Bで無機塩の添加が終了した直後のpHのことをいう。
一般に、廃液に含まれるガラス成分を溶解するため、廃液のpHを上昇させる手段がとられているが、本発明においては、ガラス成分は、無機塩、例えば、マグネシウム塩を用いることにより、凝集しないため、pHの調整を必要としない。
また、回収に使用された無機塩の一部は、研磨材粒子に吸着し、再生研磨材に残留することとなるが、この無機塩は、一部の研磨材に対し特異な結合をしているため、その後の研磨材としての使用において研磨材の微粒子化を抑制するという効果も有することが判明した。
本発明の研磨材再生方法の基本的な工程フローの一例を示す模式図 本発明の研磨材再生方法における分離濃縮工程B、研磨材回収工程C及び第2濃縮工程Dのフローの一例を示した概略図 本発明の研磨材再生方法に係る第2濃縮工程Dの濾過処理方法の一例を示す模式図 超音波分散機を用いた粒子制御工程Eの処理フローの一例を示す模式図
本実施形態の研磨材再生方法は、使用済みの少なくとも研磨材と被研磨材を含む研磨材スラリーから、研磨材を再生する研磨材再生方法であって、該研磨材が、ダイアモンド、窒化ホウ素、炭化ケイ素、アルミナ、アルミナジルコニア、酸化ジルコニウム及び酸化セリウムから選ばれる少なくとも1種であり、1)研磨機から排出される研磨材スラリーを回収するスラリー回収工程A、2)該回収した研磨材と被研磨材を含む研磨材スラリーに対し、無機塩としてアルカリ土類金属元素を含む金属塩を添加して該研磨材のみを凝集させ、該研磨材を、被研磨材を含む母液より分離して一次濃縮する分離濃縮工程B、3)該分離して一次濃縮した研磨材を回収する研磨材回収工程C、及び4)該回収した一次濃縮した研磨材に対し濾過処理を施して、更に前記被研磨材を分離する二次濃縮を行う第2濃縮工程Dを経て研磨材を再生することを特徴とする。この特徴は、請求項1から請求項15に係る発明に共通する技術的特徴である。
本発明の実施態様としては、更に、本発明の研磨材再生方法においては、前記第2濃縮工程Dの後に、回収した前記研磨材の粒子径を調整する粒子径制御工程Eを有することが好ましい。また、前記分離濃縮工程Bは、母液の25℃換算のpH値が10.0未満の条件で分離濃縮を行うことが好ましく、研磨材を母液より効率的に、かつ確実に分離濃縮することができる。
また、本発明の研磨材再生方法においては、前記研磨材が酸化セリウムであること、前記スラリー回収工程Aでは、洗浄水を含む研磨材スラリー1と、使用済みの研磨材を含む研磨材スラリー2とを回収することが好ましい。
また、前記分離濃縮工程Bで用いるアルカリ土類金属元素を含む金属塩が、マグネシウム塩であることが好ましい。また、前記研磨材回収工程Cにおける研磨材を回収する方法が、自然沈降によるデカンテーション分離法であることが好ましい。また、前記第2濃縮工程Dにおける濾過処理が、濾材としてセラミックフィルターを用いる濾過方法であることが好ましく、より効率的に濾過処理を行うことができる。
更に、本発明の研磨材再生方法においては、前記第2濃縮工程Dにおける濾過処理が、研磨材回収工程Cで回収された研磨材を貯留した釜から研磨材を送り出し、送り出された研磨材を濾過して前記釜に戻す操作を繰り返すものであること、前記第2濃縮工程Dが、前記研磨材の粘度を最適粘度に制御しながら行うことが好ましい。
更には、前記粒子径制御工程Eが、回収した研磨材溶液に分散剤を添加した後、超音波分散機又はビーズミル型分散機を用いて分散することが好ましく、再生研磨材の粒子径を制御する。また、本発明の研磨材再生方法においては、前記粒子径制御工程Dで用いる分散機が、超音波分散機であること、前記分散剤が、ポリカルボン酸系高分子分散剤であることが好ましい態様である。
更には、前記スラリー回収工程Aで回収した研磨材スラリー1と研磨材スラリー2とを混合した後、前記分離濃縮工程B、前記研磨材回収工程C及び前記第2濃縮工程Dで処理すること、記スラリー回収工程Aで回収した研磨材スラリー1と研磨材スラリー2とを、それぞれ独立して、前記分離濃縮工程B、前記研磨材回収工程C及び前記第2濃縮工程Dで処理することが、本発明の効果をより発現することができる観点から好ましい態様である。
以下、本発明とその構成要素、及び本発明を実施するための形態・態様について詳細な説明をする。なお、以下の説明において示す「〜」は、その前後に記載される数値を下限値及び上限値として含む意味で使用する。
《研磨材再生方法》
はじめに、本実施形態の研磨材再生方法全体の工程フローについて、図を用いて説明する。
図1は、本実施形態の研磨材再生方法の基本的な工程フローの一例を示す模式図である。
図1に示した研磨工程においては、研磨装置1は、不織布、合成樹脂発泡体、合成皮革などから構成される研磨布Kを貼付した研磨定盤2を有しており、この研磨定盤2は回転可能となっている。研磨作業時には、被研磨物(例えば、光学ガラス等)3を、保持具Hを用いて、所定の押圧力Nで上記研磨定盤2に押し付けながら、研磨定盤2を回転させる。同時に、スラリーノズル5から、ポンプPを介して研磨材液4(研磨材スラリー2)を供給する。使用後の研磨材液4は、流路6を通じてスラリー槽Tに貯留され、研磨装置1とスラリー槽Tとの間を繰り返し循環する。
また、研磨装置1を洗浄するための洗浄水7は、洗浄水貯蔵槽Tに貯留されており、洗浄水噴射ノズル8より、研磨部に吹き付けて洗浄を行い、研磨材を含む洗浄液10(研磨材スラリー1)は、ポンプを介し、流路9を通じて、洗浄液貯蔵槽Tに貯留される。この洗浄液貯蔵槽Tは、洗浄(リンス)で使用された後の洗浄水を貯留するための槽であり、沈殿、凝集を防止するため、常時攪拌羽根によって攪拌されている。
上記研磨工程で生じたスラリー槽Tに貯留され、循環して使用された研磨材液4(研磨材スラリー2)と、洗浄液貯蔵槽Tに貯留された洗浄液10(研磨材スラリー1)は、共に、研磨材粒子と共に、研磨工程1で研磨された被研磨物(例えば、ガラス)3より削り取られた被研磨材を含有した状態になっている。
次いで、この研磨材液4(研磨材スラリー2)と洗浄液10(研磨材スラリー1)は、両者を混合液、あるいはそれぞれ個別の液として、回収される。この工程を、スラリー回収工程Aと称す。
次いで、スラリー回収工程Aで回収された研磨材液4(研磨材スラリー2)と洗浄液10(研磨材スラリー1)の混合液、あるいはそれぞれの単独液(以降、これらの液を母液と称す)に対し、特に、無機塩としてアルカリ土類金属塩を添加し、研磨材のみを凝集させ、被研磨材(例えば、ガラス粉等)を凝集させない状態で、該研磨材のみを母液より分離して研磨材スラリーを濃縮する(分離濃縮工程B)。
次に、固液分離操作は、強制的な分離手段は適用せずに、自然沈降による固液分離を行う。このようにして母液13を、被研磨材等を含む上澄み液17と、下部に沈殿した回収研磨材を含む濃縮物18とに分離した後、デカンテーション法、例えば、釜を傾斜させて、上澄み液を排液する、あるいは、排液ハイプを分離した釜内の上澄み液17と濃縮物18の界面近くまで挿入し、上澄み液17のみを、釜外に排出して、研磨材を回収する(研磨材回収工程C)。
しかしながら、上記分離濃縮工程Bを経た研磨材回収工程Cでは、強制的な固液分離は行わずに、自然沈降のみで母液13から濃縮物(研磨材スラリー)18を分離した後、上澄み液17を分離する際には、下部に沈降した濃縮物18の系外への排出を防止するため、ある程度の上澄み液17が含む状態で分離している。このため、回収した濃縮物(研磨材スラリー)18には、一定量の上澄み液17の成分が含有した状態となるため、最終回収物中での研磨材の純度を高めるための障害となっていることが判明した。
本発明では、第2濃縮工程Dとして、一部上澄み液17を含む濃縮物(研磨材スラリー)18に対し、更にフィルターを用いた濾過処理を施して、研磨材回収工程Cで完全に取り除くことができなかったガラス成分を含む上澄み液17を取り除くことにより、回収研磨材の高純度化を達成したものである。
本発明では、上記第2濃縮工程Dに続き、粒子径制御工程Eとして、濃縮・分離した研磨材スラリーに対し、研磨材粒子の粒子径制御処置を施すことが好ましい。上記方法で濃縮・分離した研磨材スラリーでは、研磨材粒子が無機塩を介して凝集体(二次粒子)を形成しているため、独立した一次粒子に近い状態まで解きほぐすため、水及び分散剤を添加し、分散装置を用いて、所望の粒子径まで分散する。
以上のようにして、高品位でかつ高純度の再生研磨材を、簡易な方法で得ることができる。
次いで、本発明の研磨材再生方法及び構成技術の詳細について説明する。
〔研磨材〕
一般に、光学ガラスや半導体基板等の研磨材としては、ベンガラ(αFe)、酸化セリウム、酸化アルミニウム、酸化マンガン、酸化ジルコニウム、コロイダルシリカ等の微粒子を水や油に分散させてスラリー状にしたものが用いられているが、本発明の研磨材再生方法としては、半導体基板の表面やガラスの研磨加工において、高精度に平坦性を維持しつつ、十分な加工速度を得るために、物理的な作用と化学的な作用の両方で研磨を行う、化学機械研磨(CMP)への適用が可能なダイアモンド、窒化ホウ素、炭化ケイ素、アルミナ、アルミナジルコニア、酸化ジルコニウム及び酸化セリウから選ばれる少なくとも1種の研磨材の回収に適用することを特徴とする。
本発明に係る研磨材として、ダイアモンド系研磨材としては、例えば、合成ダイアモンド(例えば、日本ミクロコーティング社製等)、天然ダイアモンドが挙げられ、窒化ホウ素系研磨材としては、例えば、立方晶窒化ホウ素BN(例えば、昭和電工社製)が挙げられる。窒化ホウ素系研磨材は、ダイアモンドに次ぐ硬度を有する研磨材である。また、炭化ケイ素系研磨材としては、炭化ケイ素、緑色炭化ケイ素、黒色炭化ケイ素(例えば、日本ミクロコーティング社製等)等を挙げることができる。また、アルミナ系研磨材としては、アルミナのほかに、褐色アルミナ、白色アルミナ、淡紅色アルミナ、解砕型アルミナ、アルミナジルコニア系研磨材(例えば、サンゴバン社製)等を挙げることができる。また、酸化ジルコニウムとしては、例えば、第1稀元素化学工業社製の研磨材用のBRシリーズ酸化ジルコニウム、中国HZ社製酸化ジルコニウムを挙げることができる。
また、研磨材として使用される酸化セリウム(例えば、シーアイ化成社製、テクノライズ社製、和光純薬社製等)は、純粋な酸化セリウムよりは、バストネサイトと呼ばれる、希土類元素を多く含んだ鉱石を焼成した後、粉砕したものが多く利用されている。酸化セリウムが主成分ではあるが、その他成分として、ランタンやネオジウム、プラセオジウム等の希土類元素を含有し、酸化物以外にフッ化物等が含まれることもある。
本発明に使用される研磨材は、その成分及び形状に関しては、特に限定はなく、一般的に研磨材として市販されているものを使用することができ、研磨材含有量が50質量%以上である場合に、効果が大きく好ましい。
〔研磨工程〕
研磨材としては、前記図1で示したような研磨工程で使用され、本発明ではこのような研磨工程で使用された使用済み研磨材を、再生研磨材として再生する研磨材再生方法である。
ガラス基板の研磨を例にとると、前記図1で説明したように、研磨工程では、研磨材スラリーの調製、研磨加工、研磨部の洗浄で一つの研磨工程を構成しているのが一般的である。
(1)研磨材スラリーの調製
研磨材の粉体を水等の溶媒に対して1〜40質量%の濃度範囲となるように添加、分散して研磨材スラリーを調製する。この研磨材スラリーを研磨機に対して、図1で示したように循環供給して使用する。研磨材として使用される微粒子は、平均粒子径が数十nmから数μmの大きさの粒子が使用される。
分散剤等を添加することにより、研磨材粒子の凝集を防止するとともに、撹拌機等を用いて常時撹拌して分散状態を維持することが好ましい。一般には、研磨機の横に研磨材スラリー用のタンクを設置し、撹拌機等を使用して常時分散状態を維持し、供給用ポンプを使用して研磨機に循環供給する方法を採用することが好ましい。
(2)研磨
図1に示すように、研磨パット(研磨布K)と被研磨物3(例えば、ガラス基板)を接触させ、接触面に対して研磨材スラリーを供給しながら、加圧条件下でパットFとガラス基板3を相対運動させる。
(3)洗浄
研磨された直後のガラス基板3及び、研磨機には大量の研磨材が付着している。そのため、図1で説明したように、研磨した後に研磨材スラリーの代わりに水等を供給し、ガラス及び研磨機に付着した研磨材の洗浄が行われる。この際に、研磨材を含む洗浄液10は系外9に排出される。
この洗浄操作で、一定量の研磨材が系外に排出されるため、系内の研磨材量が減少する。この減少分を補うために、スラリー槽Tに対して新たな研磨材スラリーを追加する。追加の方法は1回の1加工毎に追加を行っても良いし、一定加工毎に追加を行っても良いが、溶媒に対して十分に分散された状態の研磨材を供給することが望ましい。
〔使用済みの研磨材スラリー〕
本発明でいう使用済み研磨材スラリーとは、研磨機1、スラリー槽T及び洗浄液貯蔵槽Tから構成される研磨工程の系外に排出される研磨材スラリーあって、主として以下の二種類ある。
一つ目は、洗浄工程で排出された洗浄液を含む洗浄液貯蔵槽Tに貯蔵されている研磨材スラリー1(リンススラリー)であり、二つ目は一定加工回数使用された後に廃棄される、スラリー槽Tに貯留されている使用済みの研磨材スラリー2(ライフエンド)である。以後、本発明では、それぞれ研磨材スラリー1、研磨材スラリー2と称す。なお、本発明は、研磨材スラリー1及び2の両方に適用することが好ましいが、どちらか一方にのみ適用してもよい。
洗浄水を含む研磨材スラリー1の特徴として、以下の2点が挙げられる。
1)洗浄時に排出されるため、洗浄水が大量に混入し、タンク内のスラリーと比較して研磨材濃度が著しく低い。
2)研磨布K等に付着している切削されたガラス成分も、洗浄時にこの研磨材スラリー1中に混入する。
一方、使用済みの研磨材スラリー2の特徴としては、新品の研磨材スラリーと比較してガラス成分濃度が高くなっていることが挙げられる。
〔研磨材の再生工程〕
使用済みの研磨材を再生し、再生研磨材として再利用する本発明の研磨材再生方法は、図1でその概要(製造フロー)を説明したように、スラリー回収工程A、分離濃縮工程B、研磨材回収工程C、第2濃縮工程D及び粒子径制御工程Eの5つの工程から構成されている。
(1:スラリー回収工程A)
研磨機及びスラリー用タンクからなる系から排出される研磨材スラリーを回収する工程である。回収する研磨材スラリーには、前記洗浄水を含む研磨材スラリー1と使用済みの研磨材スラリー2の2種類が含まれる。
回収した研磨材スラリーには、おおむね0.1〜40質量%の範囲で研磨材が含まれる。
各研磨材スラリーは、回収された後、直ちに分離工程に移送してもよいし、一定量を回収するまで貯蔵しても良いが、いずれの場合でも回収された研磨材スラリーは、常時撹拌し、粒子の凝集や沈降を防止し、安定した分散状態を維持することが好ましい。
本発明においては、スラリー回収工程Aで回収した研磨材スラリー1と研磨材スラリー2を混合して母液として調製した後、以降の分離濃縮工程B及び回収工程Cで処理する方法であっても、あるいはスラリー回収工程Aで回収した研磨材スラリー1と研磨材スラリー2を、それぞれ独立した母液として、以降の分離濃縮工程B及び回収工程Cで、それぞれ処理してもよい。
(2:分離濃縮工程B)
回収した使用済み研磨材スラリーは、被研磨物由来のガラス成分等が混入した状態にある。また、洗浄水の混入により濃度が低下しており、回収した研磨材を研磨加工に再度使用するためには、被研磨材であるガラス成分等の分離と、研磨材成分の濃縮化を行う必要がある。
本発明における分離濃縮工程Bは、スラリー回収工程Aで回収した研磨材スラリー(母液)に対して、特に、無機塩としてアルカリ土類金属塩を添加し、研磨材のみを凝集させ、被研磨成分を凝集させない状態で、該研磨材を母液より分離して濃縮する。これにより、研磨材成分のみを凝集沈殿させた後、ガラス成分がほとんど上澄みに存在させて凝集体を分離することで、研磨材成分とガラス成分との分離と、研磨材スラリーの濃縮を同時に行うことができる工程である。
具体的な操作について、図2を用いて説明する。
図2は、本発明の研磨材再生方法における分離濃縮工程B、研磨材回収工程C及び第2濃縮工程Dのフローの一例を示した概略図である。
工程(B−1)として前工程であるスラリー回収工程Aで回収した研磨材スラリー(母液)13を、攪拌機15を備えた調整釜14に投入する、次いで、工程(B−2)において、研磨材スラリー(母液)13に対し、攪拌しながら、無機塩としてアルカリ土類金属塩を、添加容器16より添加する。次いで、工程(B−3)で、無機塩の添加により、研磨材スラリー(母液)13中に含まれる研磨材粒子が、底部に沈降し、濃縮物18を形成する。研磨材が分離、沈降した上澄み液17には、ガラス等の被研磨材が含有され、ここで、研磨材と被研磨材とが分離される。
〈アルカリ土類金属塩〉
本発明においては、研磨材の凝集に用いる無機塩が、アルカリ土類金属塩であることが好ましい態様である。
本発明に係るアルカリ土類金属塩としては、例えば、カルシウム塩、ストロンチウム塩、バリウム塩を挙げることができるが、更には、本発明においては、広義として周期律表の第2族に属する元素も、アルカリ土類金属であると定義する。したがって、ベリリウム塩、マグネシウム塩も本発明でいうアルカリ土類金属塩に属する。
また、本発明に係るアルカリ土類金属塩としては、ハロゲン化物、硫酸塩、炭酸塩、酢酸塩等の形態であることが好ましい。
本発明に係る無機塩としては、アルカリ土類金属塩であることが好ましく、更に好ましくはマグネシウム塩である。
また、本発明に適用可能なマグネシウム塩としては、電解質として機能するものであれば限定はないが、水への溶解性が高い点から、塩化マグネシウム、臭化マグネシウム、ヨウ化マグネシウム、硫酸マグネシウム、酢酸マグネシウムなどが好ましく、溶液のpH変化が小さく、沈降した研磨材及び廃液の処理が容易である点から、塩化マグネシウム及び硫酸マグネシウムが特に好ましい。
〈無機塩の添加方法〉
次いで、本発明に係る無機塩の研磨材スラリー(母液)13に対する添加方法を説明する。
a)無機塩の濃度
添加する無機塩は、粉体を研磨材スラリー(母液)に直接供給しても良いし、水等の溶媒に溶解させてから研磨材スラリー(母液)に添加してもよいが、研磨材スラリーに添加した後に均一な状態になるように、溶媒に溶解させた状態で添加することが好ましい。
好ましい無機塩の濃度は、0.5〜50質量%の濃度範囲の水溶液とすることである。系のpH変動を抑え、ガラス成分との分離を効率化するためには、10〜40質量%の濃度範囲内であることがより好ましい。
b)無機塩の添加温度
無機塩を添加する際の温度は、回収した研磨材スラリーが凍結する温度以上であって、90℃までの範囲であれば適宜選択することができるが、ガラス成分との分離を効率的に行う観点からは、10〜40℃の範囲内であることが好ましく、15〜35℃の範囲内であることがより好ましい。
c)無機塩の添加速度
無機塩の研磨材スラリー(母液)に対する添加速度としては、回収した研磨材スラリー中での無機塩濃度として、局部的に高濃度領域が発生することなく、均一になるように添加することが好ましい。1分間当たりの添加量が全添加量の20質量%以下であることが好ましく、10質量%以下であることがより好ましい。
d)無機塩添加時のpH値
本発明の研磨材再生方法においては、分離濃縮工程Bで無機塩を添加する際に、あらかじめ回収した研磨材スラリーのpH値を調整しないことが好ましい態様である。一般に、回収した研磨材スラリーのpH値は、ガラス成分を含有しているためややアルカリ性を示し、8〜10未満の範囲であり、予め回収した研磨材スラリーのpH値を調整する必要はない。従って、本発明においては、母液の25℃換算のpH値が10.0未満の条件で分離濃縮を行うことが好ましい。
本発明において、pH値は、25℃で、ラコムテスター卓上型pHメーター(アズワン(株)製 pH1500)を使用して測定した値を用いる。
本発明においては、無機塩を添加し、その後該濃縮物を分離するまで無機塩添加時のpH値以下に維持することが好ましい。ここでいう無機塩添加時のpH値とは、無機塩の添加が終了した直後のpH値のことをいう。
沈殿した凝集物を分離するまで、無機塩添加時のpH値以下を維持する。好ましくは25℃換算pH値として10未満を維持する。pH値として10未満とすることで、廃液に含まれるガラス成分の凝集を防ぐことができるため、回収の際の酸化セリウムの純度を高くすることができ好ましい。
無機塩添加時のpH値の下限は、pH調整剤による純度低下や操作性などから、6.5以上であることが好ましい。
e)無機塩添加後の撹拌
無機塩を添加した後、少なくとも10分以上撹拌を継続することが好ましく、より好ましくは30分以上である。無機塩を添加すると同時に研磨材粒子の凝集が開始されるが、撹拌状態を維持することで凝集状態が系全体で均一となり濃縮物の粒度分布が狭くなり、その後の分離が容易となる。
(3:研磨材回収工程C)
図2に示すように、分離濃縮工程Bで、ガラス成分を含む上澄み液17と回収した研磨材粒子を含む濃縮物18に分離した後、該濃縮物18を回収する。
a)研磨材濃縮物の分離の方法
無機塩の添加により凝集した研磨材の濃縮物と上澄み液とを分離する方法としては、一般的な濃縮物の固液分離法を採用することができる。すなわち、自然沈降を行って上澄み部分だけを分離する方法、あるいは遠心分離機等の機械的な方法を用いて強制的に分離する方法等を適用することができるが、本発明においては、下部に沈降する濃縮物18に不純物(例えば、研磨したガラス粗粒子等)を極力混入させることなく、高純度の再生研磨材を得る観点からからは、一次濃縮方法としては、自然沈降を適用することが好ましい。
無機塩の添加により、回収研磨材粒子は凝集し、この状態で上澄み液と分離されていることから、濃縮物18は、回収スラリーと比較して比重が増加し、濃縮されていることとなる。この濃縮物18には、回収されたスラリー以上の濃度で回収研磨材が含有されている。
凝集した研磨材の濃縮物18と上澄み液17とを分離する方法の一例としては、図2の工程(B−3)で示したように、自然沈降により、被研磨材等を含む上澄み液17と、下部に沈殿した回収研磨材を含む濃縮物18とに分離した後、工程(C−1)で示すように、排液ハイプ19を釜14内の上澄み液17と濃縮物18との界面近くまで挿入し、上澄み液17のみを、ポンプ20を用いて、釜外に排出して、研磨材を含有する濃縮物18を回収する。
(4:第2濃縮工程D)
上記研磨材回収工程Cで回収した研磨材スラリー13より、回収研磨材を含む濃縮物18を分離するが、分離方法が不純物の混入を防止するため自然沈降法による分離を適用しており、この濃縮物18中には、上澄み液17の一部が分離・除去されていない状態で混入しているため、本発明では、更に、第2濃縮工程Dとして、濾過処理により濃縮物18中より混入している上澄み液17成分を除去して、回収研磨材の純度をより一層高くする処理を施す。この濾過処理は、分離濃縮工程Bより前に実施することも可能ではあるが、回収スラリー中に存在するガラス成分による目詰まりを防ぐため、分離濃縮工程B及び研磨材回収工程Cにおいて一定量のガラス成分等を除去した後に、第2濃縮工程Dを適用することが、生産効率の観点から好ましい。
図2に示すように、研磨材回収工程Cの工程(C−2)において、研磨材スラリー13より回収研磨材を含む濃縮物18を自然沈降法により分離した後、次工程である第2濃縮工程Dで、濃縮物18を更に処理する。具体的には、工程(D−1)として、調整釜14に貯留している濃縮物18を、釜下部よりポンプ20及び配管25を介して濾過濃縮部Fに移送する。濾過濃縮部Fでは、濃縮物18に混入している上澄み液17を、濾過フィルターを用いて、分離して系外に排出した後、濾過した濃縮物を再び調製釜に戻し、この濾過操作を一定時間かけて行うことにより、高純度の研磨材を含む濃縮物を得ることができる。
本発明に係る第2濃縮工程Dについて、図3を用いて更に詳しく説明する。
図3は、本発明の研磨材再生方法に係る第2濃縮工程Dにおける濾過処理の一例を示す模式図である。
図3に示す第2濃縮工程Dでは、調整釜14に貯留されている分離した濃縮物18を、攪拌機15で攪拌しながら、ポンプ20により濾過濃縮部Fに送液する。この濾過濃縮部Fは、フィルター外装部(加圧部)23、加圧用ポンプ22、濾過フィルター21により構成されている。加圧ポンプ22により、フィルター外装部(加圧部)23の内部を一定圧力で維持しながら、濾過フィルター21内に濃縮物18を通過させ、主には含有されている上澄み液17を、濾過フィルター21で分離する。分離された上澄み液等は、26の配管でフィルター外装部23外に排出する。また、フィルター外装部(加圧部)23の上流側には、圧力制御バルブが設けられており、フィルター外装部23の内部圧力を一定の条件に維持する。濾過濃縮部Fで、上澄み液17等の不要物を取り除いた濃縮物18は、再び送液配管25を経て、調整釜14に戻される。この操作を一定時間行って、濃縮物18より不純物を除去し、研磨材を高純度で含有する濃縮物を得ることができる。
なお、上記第2濃縮工程Dにおいて、濃縮物の濃縮が過度に進行し、粘度等が安定送液できない程度に高くなった場合には、適宜、水等を補充して、最適粘度に制御することが好ましい。すなわち、本発明に係る第2濃縮工程Dは、濃縮物18からの被研磨材等を含む上澄み液17の排除を目的とするものであり、加水操作を妨げることはない。
また、一定の期間連続運転を行うと、濾過フィルター表面には、研磨材粒子等が付着して目詰まり等を生じ、濾過分離精度を損なう要因となるので、定期的に、洗浄用の逆洗水Wを濾過フィルター外部より供給して洗浄することが好ましい。
本発明に係る第2濃縮工程Dで用いる濾過フィルターとしては、特に制限はなく、例えば、中空糸フィルター、金属フィルター、糸巻フィルター、セラミックフィルター、ロール型ポリプロピレン製フィルター等を挙げることができるが、本発明では、その中でも、セラミックフィルターを用いることが好ましい。
本発明に適用可能なセラミックフィルターとしては、例えば、フランスTAMI社製のセラミックフィルター、ノリタケ社製セラミックフィルター、日本ガイシ社製セラミックフィルター(例えば、セラレックDPF、セフィルト等)等を用いることができる。
(5:粒子制御工程E)
本発明の研磨材再生方法においては、上記各工程を経て回収した使用済みの研磨剤を再利用するため、最終工程として、二次粒子の状態で凝集している研磨剤粒子を解膠して一次粒子状態の粒子径分布にすることが好ましい。
無機塩等を用いて、研磨剤粒子を凝集して回収した濃縮物は、そのままの状態では、二次粒子としての塊状であり、再利用するために、凝集した研磨剤粒子を解して、単独粒子状態(一次粒子)にするための再分散処理を施すため、粒子制御工程Eを組み入れることが好ましい。
この粒子制御工程Eは、第2濃縮工程で得られた凝集した研磨材成分を再分散させて、未使用(研磨前)の研磨材スラリーと近似の粒度分布レベルに調整する工程である。
凝集した研磨材粒子を再分散させる方法としては、例えば、a)水を添加し、処理液中の研磨材に対する凝集作用を有する無機イオン濃度を低下させる方法、b)金属分離剤(分散剤ともいう)を添加することで、研磨材に付着している金属イオン濃度を低下させる方法、c)分散機等を使用して、凝集した研磨材粒子を強制的に解膠する方法が挙げられる。
これらの方法は、それぞれ単独で使用しても良いし、組み合わせて使用しても良いが、a)、b)及びc)の内いずれか二つを組み合わせる方法が好ましく、a)、b)及びc)を全て組み合わせて行う方法がより好ましい。
水を添加する場合、その添加量は、濃縮した研磨材スラリーの体積によって適宜選択され、一般的には濃縮したスラリーの5〜50体積%であり、好ましくは10〜40体積%である。
金属分離剤(分散剤)としては、カルボキシ基を有するポリカルボン酸系高分子分散剤が好ましく挙げられ、特に、アクリル酸−マレイン酸の共重合であることが好ましい。具体的な金属分離剤(分散剤)としては、ポリティーA550(ライオン(株)製)等が挙げられる。金属分離剤(分散剤)の添加量としては、濃縮した研磨材スラリーに対して0.01〜5体積%である。
また、分散機としては、超音波分散機、サンドミルやビーズミルなどの媒体攪拌型ミルが適用可能であり、特に、超音波分散機を用いることが好ましい。
超音波分散機としては、例えば、(株)エスエムテー、(株)ギンセン、タイテック(株)、BRANSON社、Kinematica社、(株)日本精機製作所等から、様々な機器が市販されており、(株)エスエムテー UDU−1、UH−600MC、(株)ギンセン GSD600CVP、(株)日本精機製作所 RUS600TCVP等を使用することができる。超音波の周波数は、特に限定されない。
機械的撹拌及び超音波分散を同時並行的に行う循環方式の装置としては、(株)エスエムテー UDU−1、UH−600MC、(株)ギンセン GSD600RCVP、GSD1200RCVP、(株)日本精機製作所 RUS600TCVP等を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
図4は、超音波分散機を用いた粒子制御工程Eの一例を示す模式図である。
図4に示すように、上記第2濃縮工程Dで調製した濃縮物18に、例えば、水を添加して、無機塩濃度を低下させた研磨材分散液28を調製釜27に貯留した後、攪拌機15で攪拌しながら、添加容器29より、金属分離剤(例えば、高分子分散剤。)を添加した後、ポンプ20により、流路30を経由して送液し、超音波分散機32で分散処理を施し、凝集した研磨材粒子を解きほぐす。次いで、その下流側に設けた粒子径測定装置33にて、分散後の研磨材粒子の粒子径分布をモニターし、研磨材分散液28の粒子径分布が所望の粒径分布プロファイルに到達していない場合には、三方弁31を経由し、再び調製釜27に戻される。一方、粒子径測定装置33で、研磨材分散液28の粒子径分布が所望の粒径分布プロファイルに到達していることが確認された場合には、三方弁31を操作し、研磨材分散液28を、流路35を経て、再生研磨材として得ることができる。
この工程で得られる粒度分布としては、粒径分布の経時変動が少なく、1日経過後の平均粒径変動が少ないものが望ましい。
〔再生研磨材〕
本発明においては、上記粒子制御工程Eを経て得られる最終的な回収研磨材は、98質量%以上の高純度の研磨材を含有し、粒度分布の経時変動が小さく、回収した時の濃度より高く、無機塩の含有量としては、0.0005〜0.08質量%の範囲であることが好ましい。
以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、実施例において「%」の表示を用いるが、特に断りがない限り「質量%」を表す。
実施例1
《再生研磨材の調製》
〔再生研磨材1の調製:比較例〕
以下の製造工程に従って、研磨材として酸化セリウムを用いた再生研磨材1を調製した。なお、特に断りがない限りは、研磨材再生工程は、基本的には、25℃、55%RHの条件下で行った。このとき、溶液等の温度も25℃とした。
1)スラリー回収工程A
図1に記載の研磨工程で、研磨材として酸化セリウム(シーアイ化成社製)を用いてハードディスク用ガラス基板の研磨加工を行った後、洗浄水を含む研磨材スラリー1を210リットル、使用済み研磨材を含む研磨材スラリー2を30リットル回収し、回収スラリー液として240リットルとした。この回収スラリー液には液比重が1.03であり、8.5kgの酸化セリウム(比重:7.3)を含んでいる。
2)分離濃縮工程B
次いで、図2に示す分離濃縮工程Bにおいて、工程(B−1)で回収スラリー液を酸化セリウムが沈降しない程度に撹拌し、工程(B−2)で無機塩として塩化マグネシウムの10質量%水溶液を2.0リットル、10分間かけて添加し、30分間の撹拌を行った。塩化マグネシウムを添加した直後の25℃換算のpH値は8.60であった。次いで、工程(B−3)で、45分間静置して、自然沈降法により、上澄み液と濃縮物とを沈降・分離した。
3)研磨材回収工程C
次いで、図2に示す研磨材回収工程Cにおいて、工程(C−1)に記載の方法に従って、排水ポンプ20を用いて、上澄み液17を排出して、工程(C−2)で示すように濃縮物18を分離回収した。回収した濃縮物18は60リットルであった。
4)粒子径制御工程E(分散工程)
分離した濃縮物に水12リットルを添加した。さらに、金属分離剤(高分子分散剤)としてポリティーA550(ライオン(株)製)を300g添加し、30分撹拌した後、図4に示す工程で、超音波分散機(BRANSON社製)を用いて、濃縮物を分散して解きほぐした。
分散終了後、10ミクロンのメンブランフィルターで濾過を行って、再生酸化セリウムを含有する再生研磨材1を得た。酸化セリウム濃度は、8.7質量%で、粒度(D90<2.0μm)、マグネシウム含有量は0.03質量%であった。
〔再生研磨材2の調製:本発明〕
上記再生研磨材1の調製において、3)研磨材回収工程Cの後に、下記の5)第2濃縮工程Dにより濾過処理を行い、次いで4)粒子径制御工程E(分散工程)で分散処理した以外は同様にして、再生酸化セリウムを含有する再生研磨材2を得た。
5)第2濃縮工程D
第2濃縮工程Dは、図3に示す構成からなる濾過処理方法(濾過装置)に従って、処理を行った。
図2の工程(D−1)及び図3に示すように、前記研磨材回収工程Cの工程(C−2)で回収した濃縮物18を、二次凝集体の状態で、ゆっくりと攪拌機15で攪拌しながら、ポンプ20により濾過濃縮部Fに送液した。この濾過濃縮部Fは、フィルター外装部(加圧部)23、加圧用ポンプ22、濾過フィルター21により構成されている。加圧ポンプ22により、フィルター外装部(加圧部)23の内部を一定圧力で維持しながら、濾過フィルター21内に濃縮物18を通過させ、ガラス成分(ケイ素)を含む上澄み液を、濾過フィルター21で分離した。分離した上澄み液は、26の配管でフィルター外装部23外に排出した。この濾過処理は、濃縮物18を、配管26内及び調整釜間を15分間、1.2L/minの流量で循環し、濃縮物18の初期液量の1/2となるまで濃縮濾過を行った。
なお、上記第2濃縮工程Dで使用した濾過フィルター21は、日本ガイシ社製のセラミックフィルター「セフィルト」(細孔径:0.5μm)を用いた。
〔再生研磨材3の調製:本発明〕
上記再生研磨材2の調製において、第2濃縮工程Dで用いた濾過フィルターを、セラミックフィルターに代えて、ポール社製の金属フィルター(MDK4463)を用いた以外は同様にして、再生研磨材3を得た。
〔再生研磨材4の調製:本発明〕
上記再生研磨材2の調製において、粒子径制御工程E(分散工程)で用いた超音波分散機を、ビーズミル型分散機(ウルトラアペックスミル、寿工業社製)に変更した以外は同様にして、再生研磨材4を得た。
〔再生研磨材5の調製:比較例〕
上記再生研磨材1の調製において、分離濃縮工程Bで用いた無機塩として、塩化マグネシウムに代えて、同質量の硫酸マグネシウムを用いた以外は同様にして、再生研磨材5を得た。
〔再生研磨材6の調製:本発明〕
上記再生研磨材2の調製において、分離濃縮工程Bで用いた無機塩として、塩化マグネシウムに代えて、同質量の硫酸マグネシウムを用いた以外は同様にして、再生研磨材6を得た。
〔再生研磨材7の調製:比較例〕
上記再生研磨材1の調製において、分離濃縮工程Bで無機塩を添加した後のスラリー液のpHを、水酸化カリウムを用いて、10.10に変更した以外は同様にして、再生研磨材7を得た。
〔再生研磨材8の調製:本発明〕
上記再生研磨材2の調製において、分離濃縮工程Bで無機塩を添加した後のスラリー液のpHを、水酸化カリウムを用いて、10.10に変更した以外は同様にして、再生研磨材8を得た。
〔再生研磨材9の調製:比較例〕
上記再生研磨材1の調製において、分離濃縮工程Bで無機塩を添加した後のスラリー液のpHを、水酸化カリウムを用いて、10.45に変更した以外は同様にして、再生研磨材9を得た。
〔再生研磨材10の調製:本発明〕
上記再生研磨材2の調製において、分離濃縮工程Bで無機塩を添加した後のスラリー液のpHを、水酸化カリウムを用いて、10.45に変更した以外は同様にして、再生研磨材10を得た。
〔再生研磨材11〜16の調製〕
上記再生研磨材1〜6の調製において、研磨材を、それぞれ酸化セリウムに代えて、酸化ジルコニウム(中国HZ社製)を用いた以外は同様にして、再生研磨材11〜16を得た。
〔再生研磨材17及び18の調製〕
上記再生研磨材1及び2の調製において、研磨材を、それぞれ酸化セリウムに代えて、アルミナ(日本ミクロコーティング社製)を用いた以外は同様にして、再生研磨材17及び18を得た。
〔再生研磨材19及び20の調製〕
上記再生研磨材1及び2の調製において、研磨材を、それぞれ酸化セリウムに代えて、アルミナジルコニア(サンゴバン社製)を用いた以外は同様にして、再生研磨材19及び20を得た。
〔再生研磨材21及び22の調製〕
上記再生研磨材1及び2の調製において、研磨材を、それぞれ酸化セリウムに代えて、窒化ホウ素を用いた以外は同様にして、再生研磨材21及び22を得た。
〔再生研磨材23の調製〕
上記再生研磨材2の調製において、分離濃縮工程B及び研磨材回収工程Cを適用せず、スラリー回収工程Aの後に第2濃縮工程D及び粒子径制御工程E(分散工程)による処理のみを行って、再生研磨材23を得た。
《再生研磨材の評価》
〔再生研磨材の純度評価〕
上記調製した再生研磨材1〜23について、下記の方法に従って、ICP発光分光プラズマ分析装置により成分分析を行い、再生研磨材の純度を求めた。
なお、評価は、ガラス成分に係るSiの含有量と、研磨材に帰属する特定元素の定量分析を行い、ガラス成分に係るSiの含有量(mg/L)と研磨材に帰属する特定元素の含有量(g/L)を求めた。
(ICP発光分光プラズマによる成分分析)
上記調製した各再生研磨材に対して、ICP発光分光プラズマにより、研磨材固有成分(g/L)、ガラス成分(Si成分)の濃度(mg/L)を測定した。具体的には、下記の手順に従って行った。
〈試料液Aの調製〉
(a)再生研磨材の10gを純水90mlで希釈した後、スターラーで撹拌しながら1ml採取した
(b)原子吸光用フッ化水素酸を5ml加えた
(c)超音波分散してシリカを溶出させた
(d)室温で30分静置した
(e)超純水で、総量を50mlに仕上げた
以上の手順に従って調製した各検体液を、試料液Aと称する。
〈Siの定量〉
(a)試料液Aをメンブレンフィルター(親水性PTFE)で濾過した
(b)濾液を誘導結合プラズマ発光分光分析装置(ICP−AES)で測定した
(c)Siを標準添加法により定量した
〈研磨材固有元素の定量〉
(a)試料液Aをよく分散し、5ml採取した
(b)高純度硫酸を5ml加え、溶解させた
(c)超純水で50mlに仕上げた
(d)超純水で適宜希釈しICP−AESで測定した
(e)マトリクスマッチングの検量線法により、各研磨材固有元素を定量した
〈ICP発光分光プラズマ装置〉
エスアイアイナノテクノロジー社製のICP−AESを使用した。
以上により得られた解析結果を、表1に示す。
なお、分離濃縮工程BにおけるpH値は、25℃に換算したpH値として表示した。
Figure 0006107668
表1に記載の結果より明らかなように、本発明の研磨材再生方法は、比較の研磨材再生方法に対し、得られる再生研磨材の純度が高く、4)第2濃縮工程Dにより、効率的に不純物であるガラス成分が除去されていることが分かる。
また、再生研磨材23では、分離濃縮工程B及び研磨材回収工程Cを適用せず、第2濃縮工程Dのみで分離を行ったため、第2濃縮工程Dでのフィルターの目詰まりが短時間で生じ、また研磨材とガラス成分との分離能も低かった。
実施例2
実施例1に記載の研磨材として酸化セリウムを用いた再生研磨材1〜10の調製において、研磨材を酸化セリウムに代えて、それぞれ合成ダイアモンド(日本ミクロコーティング社製)及び炭化ケイ素(日本ミクロコーティング社製)を用いた以外は同様にして、再生研磨材101〜110(合成ダイアモンド)及び再生研磨材121〜130(炭化ケイ素)を調製した。
次いで、得られた各再生研磨材について、同様の測定を行った結果、研磨材として合成ダイアモンドあるいは炭化ケイ素を用いても、研磨材として酸化セリウムを用いた再生研磨材1〜10と同様の結果を得ることができた。
本発明の研磨材再生方法は、使用済み研磨材から、効率的な方法で研磨材を回収し、その後、簡易な方法で再生研磨材を得ることができ、光学ガラスや水晶発振子等の仕上工程において使用されている精密研磨に用いられている研磨材の再生方法として好適に利用できる。
1 研磨装置
2 研磨定盤
3 被研磨物
4 研磨材液
5 スラリーノズル
7 洗浄水
8 洗浄水噴射ノズル
10 研磨材を含む洗浄液
13 研磨材スラリー(母液)
14、27 調整釜
15 攪拌機
16 添加容器
17 上澄み液
18 濃縮物
19 排液ハイプ
20 ポンプ
21 濾過フィルター
23 フィルター外装部
24 圧力制御バルブ
31 三方弁
32 超音波分散機
33 粒子径測定装置
F 濾過濃縮部
K 研磨布
スラリー槽
洗浄水貯蔵槽
洗浄液貯蔵槽

Claims (15)

  1. 使用済みの少なくとも研磨材と被研磨材を含む研磨材スラリーから、研磨材のみ分離再生する研磨材再生方法であって、該研磨材が、下記研磨材群から選ばれる少なくとも一種であり、かつ下記工程A〜Dを経て研磨材を再生することを特徴とする研磨材再生方法。
    工程A:研磨機から排出される前記研磨材スラリーを回収するスラリー回収工程A
    工程B:該回収した研磨材と被研磨材を含む研磨材スラリーに対し、無機塩としてアルカリ土類金属元素を含む金属塩を添加して該研磨材のみを凝集させ、該研磨材を、被研磨材を含む母液より分離して一次濃縮する分離濃縮工程B
    工程C:該分離して一次濃縮した研磨材を回収する研磨材回収工程C
    工程D:該回収した一次濃縮した研磨材に対し濾過処理を施して、更に前記被研磨材を分離する二次濃縮を行う第2濃縮工程D
    研磨材群:ダイアモンド、窒化ホウ素、炭化ケイ素、アルミナ、アルミナジルコニア、酸化ジルコニウム及び酸化セリウム
  2. 前記第2濃縮工程Dの後に、回収した前記研磨材の粒子径を調整する粒子径制御工程Eを有することを特徴とする請求項1に記載の研磨材再生方法。
  3. 前記分離濃縮工程Bは、アルカリを添加しない状態で、母液の25℃換算のpH値が10.0未満の条件で分離濃縮を行うことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の研磨材再生方法。
  4. 前記研磨材が酸化セリウムであることを特徴とする請求項1から請求項3までのいずれか一項に記載の研磨材再生方法。
  5. 前記スラリー回収工程Aでは、洗浄水を含む研磨材スラリー1と、使用済みの研磨材を含む研磨材スラリー2とを回収することを特徴とする請求項1から請求項4までのいずれか一項に記載の研磨材再生方法。
  6. 前記分離濃縮工程Bで用いるアルカリ土類金属元素を含む金属塩が、マグネシウム塩であることを特徴とする請求項1から請求項5までのいずれか一項に記載の研磨材再生方法。
  7. 前記研磨材回収工程Cにおける研磨材の回収方法が、自然沈降によるデカンテーション分離法であることを特徴とする請求項1から請求項6までのいずれか一項に記載の研磨材再生方法。
  8. 前記第2濃縮工程Dにおける濾過処理が、濾材としてセラミックフィルターを用いる濾過方法であることを特徴とする請求項1から請求項7までのいずれか一項に記載の研磨材再生方法。
  9. 前記第2濃縮工程Dにおける濾過処理が、研磨材回収工程Cで回収された研磨材を貯留した釜から研磨材を送り出し、送り出された研磨材を濾過して前記釜に戻す操作を繰り返すものであることを特徴とする請求項1から請求項8までのいずれか一項に記載の研磨材再生方法。
  10. 前記第2濃縮工程Dが、前記研磨材の粘度を最適粘度に制御しながら行うことを特徴とする請求項1から請求項9までのいずれか一項に記載の研磨材再生方法。
  11. 前記粒子径制御工程Eは、回収した研磨材溶液に分散剤を添加した後、分散機として超音波分散機又はビーズミル型分散機を用いて分散することにより、再生研磨材の粒子径を制御する工程であることを特徴とする請求項2に記載の研磨材再生方法。
  12. 前記粒子径制御工程Eで用いる前記分散機が、超音波分散機であることを特徴とする請求項11に記載の研磨材再生方法。
  13. 前記分散剤が、ポリカルボン酸系高分子分散剤であることを特徴とする請求項11又は請求項12に記載の研磨材再生方法。
  14. 前記スラリー回収工程Aで回収した研磨材スラリー1と研磨材スラリー2とを混合した後、前記分離濃縮工程B、前記研磨材回収工程C及び前記第2濃縮工程Dで処理することを特徴とする請求項5に記載の研磨材再生方法。
  15. 前記スラリー回収工程Aで回収した研磨材スラリー1と研磨材スラリー2とを、それぞれ独立して、前記分離濃縮工程B、前記研磨材回収工程C及び前記第2濃縮工程Dで処理することを特徴とする請求項5に記載の研磨材再生方法。
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