JP7192851B2 - 研磨剤リサイクル処理システム及び研磨剤回収・再生方法 - Google Patents

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Description

本発明は研磨剤リサイクル処理システム及び研磨剤回収・再生方法に関し、より詳しくは、加工済みの研磨剤スラリーから研磨剤を効率的に回収し、これを再生研磨剤スラリーとして再利用するための研磨剤リサイクル処理システム等に関する。
光学ガラスや水晶発振子を仕上工程で精密研磨する研磨剤(研磨材ともいう。)としては、従来、ダイヤモンド、窒化ホウ素、炭化ケイ素、アルミナ、アルミナジルコニア、酸化ジルコニウム、酸化セリウム等に代表される高い硬度を有する微粒子が使用されている。
一般に、研磨剤の主構成元素の中には、日本国内では産出しない鉱物から得られるものもあり、一部では輸入に頼っている資源であり、かつ材料価格としても高価なものが多い。
これらの研磨剤は、硬度が高い微粒子であるため、光学レンズや半導体シリコン基板及び液晶画面のガラス板など、電子部品関係の光学研磨剤として多量に使用されている重要な資源であり、その再利用を強く望まれている資源の一つである。また、光学研磨用の研磨剤は、上述のような各化合物を主成分として、ナトリウム塩やクロム塩などの遷移金属元素、イットリウムやデシプロシウムなど希土類元素の微粒子を含んでいる場合もあり、単純な廃棄は環境上強く禁止されている。そのため、研磨に使用した後の廃液を無公害化する処理技術の開発が強く望まれている。したがって、加工済みの研磨剤を含有する光学研磨剤廃液については、資源の再利用化、又は無公害化への技術的対応が重要な問題となっている。
一般的に各種工業分野において発生する懸濁微粒子を含む廃水の処理方法としては、中和剤や無機凝集剤、高分子凝集剤等を用いて懸濁微粒子を凝集分離した後、処理水は放流し、凝集分離した汚泥は焼却等の手段により廃棄処理されているのが現状である。
また、これらの研磨剤は、通常、研磨工程で多量に使用する上、廃液中には被研磨物の構成成分、例えば、光学ガラス屑等も共存しているが、通常では研磨剤と被研磨物とを効率的に分離することが困難であるため、上記のように、研磨剤廃液は、多くの場合、使用後に廃棄されているのが現状であり、環境負荷の面や廃棄コストの面からも問題を抱えている。
したがって、近年、研磨剤の主構成元素を効率よく再利用して、希少価値の高い元素の省資源化を図ることが重要な問題となっている。
研磨剤の構成成分の再生方法に関しては、例えば、加工済みの研磨剤に電解質物質を添加して、研磨剤を凝集沈殿させ、研磨された被研磨物由来の構成成分(被研磨成分)を溶解し、固液分離する方法が開示されている(例えば、特許文献1参照。)。特許文献1に記載の方法では、電解質物質として、水酸化アルカリ金属、炭酸アルカリ金属、アルカリ金属塩、及びアンモニウム塩を使用している。
また、加工済みの研磨剤に対して、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム溶液を混合し、固液分離により固形物をふるい分けすることにより、微細な研磨剤を再生する方法が開示されている(例えば、特許文献2参照。)。さらに、加工済みの研磨剤に対して、硫酸を加えて加熱処理することにより、レアアースやレアメタルを溶解し、研磨剤スラリー中のシリカ等の凝集体と分離除去する方法が開示されている(例えば、特許文献3参照。)。
また、コロイダルシリカ系の研磨剤を回収する方法として、CMP(Chemical Mechanical Polishing)廃液に対し、マグネシウムイオンの存在下で、アルカリ添加してpH値を10以上に調整することにより凝集処理を行うことで再生する方法が開示されている(例えば、特許文献4参照。)。さらに、非特許文献1には、上記説明した金属の回収技術に関する総説がなされている。
一般に、「研磨剤再生量=研磨剤使用量×回収率×再生率」であり、回収率と再生率の向上が重要となる。しかしながら、上述した技術は、回収した加工済みの研磨剤の再生率の向上を主眼にしたものであって、回収率の向上に対しての検討は従来十分ではなかった。回収率も向上しなければ、研磨剤を効率的に再生することはできない。
例えば、一定濃度の研磨剤を含有する研磨剤スラリーでガラス研磨を続けると、研磨剤スラリー中の被研磨物の酸化ケイ素濃度が上昇する。酸化ケイ素濃度が上昇すると、酸化ケイ素が析出、固形物化し、研磨剤スラリー中の異物となる。この異物は、スクラッチ等の欠陥の発生原因となるため、研磨剤スラリーは利用できなくなる。さらに、研磨剤スラリーの粘度が増加することにより、研磨装置周辺への飛散、付着等が発生し、研磨剤成分の回収量が低下するなどの問題があった。
特開平06-254764号公報 特開平11-90825号公報 特開平11-50168号公報 特開2000-254659号公報
金属資源レポート 45頁 2010.11
本発明は、上記問題・状況に鑑みてなされたものであり、その解決課題は、加工済みの研磨剤スラリーから研磨剤を効率的に回収し、これを再生研磨剤スラリーとして再利用するための研磨剤リサイクル処理システム及び研磨剤回収・再生方法を提供することである。
本発明者は、上記課題を解決すべく、上記問題の原因等について検討する過程において研磨剤リサイクル処理を行う中で、加工中の研磨剤スラリーの研磨剤の濃度を研磨開始時の初期濃度未満に抑えることにより、被研磨物の析出・固形物化を抑制することができ、効率的な回収が可能となることを見出した。
すなわち、本発明に係る上記課題は、以下の手段により解決される。
1.研磨に用いる研磨剤スラリー中の研磨剤の構成成分と被研磨物の構成成分の濃度を制御しつつ研磨加工を継続し、加工済みの研磨剤スラリーから、被研磨物の構成成分を除去し、前記研磨剤を回収・再生する研磨剤リサイクル処理システムであって、
前記研磨剤が、酸化セリウムを含有し、
前記被研磨物が、ケイ素を含有し、かつ
研磨機を用いて研磨加工する研磨加工工程部と
前記研磨機に供給する前記研磨に用いる研磨剤スラリーを貯蔵するスラリー供給タンクを有する研磨剤スラリー回収工程部とを有し、
前記スラリー供給タンク中の酸化セリウムの濃度が、研磨加工工程開始時の初期濃度未満になるよう制御しながら、前記スラリー供給タンク中に再生研磨剤スラリーを供給することを特徴とする研磨剤リサイクル処理システム。
2.前記スラリー供給タンク中の酸化セリウムの濃度が、研磨加工工程開始時の濃度に対して研磨加工工程終了時の終点濃度が20~90%の範囲内であり、かつ研磨加工工程中の前記酸化セリウムの濃度が常に前記終点濃度以上であり、さらに前加工バッチに対する次加工バッチの前記酸化セリウムの濃度の変化の変動幅を±1.0質量%以内に制御することを特徴とする第1項に記載の研磨剤リサイクル処理システム。
3.前記スラリー供給タンク中の酸化セリウムの濃度が、研磨加工工程開始時の濃度に対して研磨加工工程終了時の終点濃度が30~80%の範囲内であり、かつ研磨加工工程中の前記酸化セリウムの濃度が常に前記終点濃度以上であり、さらに前加工バッチに対する次加工バッチの前記酸化セリウムの濃度の変化の変動幅を±1.0質量%以内に制御することを特徴とする第1項に記載の研磨剤リサイクル処理システム。
4.前記研磨加工工程部及び前記研磨剤スラリー回収工程部に加えて、分離・濃縮工程部と、再生研磨剤スラリー調製工程部とを有することを特徴とする第1項から第3項までのいずれか一項に記載の研磨剤リサイクル処理システム。
5.前記研磨剤スラリー回収工程部には、研磨加工工程部に供給する前記研磨剤スラリーを貯蔵する前記スラリー供給タンクと、加工済みの研磨剤スラリーと洗浄水との混合液を貯蔵する回収混合液タンクとを備え、
前記分離・濃縮工程部には、前記混合液を透過液と研磨剤の濃縮液とに分離する分離・濃縮タンクを備え、
前記再生研磨剤スラリー調製工程部には、前記被研磨物の構成成分が除去された再生研磨剤を含有する液を貯蔵する再生研磨剤スラリー貯蔵タンクを備え、かつ工程部間に研磨剤スラリーを供給するための循環ラインと、供給量を調整するための制御部を備えることを特徴とする第4項に記載の研磨剤リサイクル処理システム。
6.前記分離・濃縮工程部で得られた研磨剤の粒子径を調整する研磨剤粒子径調整工程部を有することを特徴とする第4項又は第5項に記載の研磨剤リサイクル処理システム。
7.前記再生研磨剤スラリーが、マレイン酸-アクリル酸共重合体を0.04~1.5g/Lの範囲内で含有していることを特徴とする第1項から第6項までのいずれか一項に記載の研磨剤リサイクル処理システム。
.前記分離・濃縮部において、研磨剤の凝集剤としてアルカリ土類金属塩を用いることを特徴とする第4項から第項までのいずれか一項に記載の研磨剤リサイクル処理システム。
.前記アルカリ土類金属塩が、マグネシウム塩であることを特徴とする第項に記載の研磨剤リサイクル処理システム。
10.研磨に用いる研磨剤スラリー中の研磨剤の構成成分と被研磨物の構成成分の濃度を制御しつつ研磨加工を継続し、加工済みの研磨剤スラリーから、被研磨物の構成成分を除去し、前記研磨剤を回収・再生する研磨剤回収・再生方法であって、
前記研磨剤が、酸化セリウムを含有し、
前記被研磨物が、ケイ素を含有し、かつ
研磨機に供給する前記研磨に用いる研磨剤スラリーを貯蔵するスラリー供給タンク中の前記酸化セリウムの濃度を、研磨加工工程開始時における当該酸化セリウムの初期濃度未満になるよう制御しながら、研磨加工工程部に再生研磨剤スラリーを供給し、かつ加工済みの研磨剤スラリーを回収する工程を有することを特徴とする研磨剤回収・再生方法。
11.前記スラリー供給タンク中の酸化セリウムの濃度が、研磨加工工程開始時の濃度に対して研磨加工工程終了時の終点濃度が20~90%の範囲内であり、かつ研磨加工工程中の前記酸化セリウムの濃度が常に前記終点濃度以上であり、さらに前加工バッチに対する次加工バッチの前記酸化セリウムの濃度の変化の変動幅を±1.0質量%以内に制御することを特徴とする第10項に記載の研磨剤回収・再生方法。
12.前記スラリー供給タンク中の酸化セリウムの濃度が、研磨加工工程開始時の濃度に対して研磨加工工程終了時の終点濃度が30~80%の範囲内であり、かつ研磨加工工程中の前記酸化セリウムの濃度が常に前記終点濃度以上であり、さらに前加工バッチに対する次加工バッチの前記酸化セリウムの濃度の変化の変動幅を±1.0質量%以内に制御することを特徴とする第10項に記載の研磨剤回収・再生方法。
13.前記再生研磨剤スラリーが、マレイン酸-アクリル酸共重合体を0.04~1.5g/Lの範囲内で含有していることを特徴とする第10項から第12項までのいずれか一項に記載の研磨剤回収・再生方法。
本発明の上記手段により、加工済みの研磨剤スラリーから研磨剤を効率的に回収し、これを再生研磨剤スラリーとして再利用するための研磨剤リサイクル処理システム及び研磨剤回収・再生方法を提供することができる。
本発明の効果の発現機構又は作用機構については、明確にはなっていないが、以下のように推察している。
従来の研磨剤リサイクルシステムでは、研磨加工中、研磨剤スラリー中の研磨剤濃度を一定に保持することを狙いとしていた。このため研磨が進むにつれ、被研磨物の濃度が高くなり、粘度上昇や局所的に高温となり、被研磨物の析出により、回収率が低くなったり研磨加工品質への悪影響があった。これを加工中の研磨剤スラリー中の研磨剤濃度を低くすることにより、被研磨物濃度も下がり研磨加工機への研磨剤スラリーの付着等を低減し、加工済みの研磨剤スラリーの回収率を向上することができるものと思われる。
研磨加工時間と加工中の研磨剤スラリー中の研磨剤濃度及び被研磨物の構成成分の濃度の関係を示す概念図 研磨加工時間と加工中の研磨剤スラリー中の研磨剤濃度及び被研磨物の構成成分の濃度の関係を示す概念図 本発明の研磨剤リサイクル処理システムの一例を示す概略図 研磨後の研磨パッドのSEM写真 研磨後の研磨パッドのSEM写真
本発明の研磨剤リサイクル処理システムは、研磨に用いる研磨剤スラリー中の研磨剤の構成成分と被研磨物の構成成分の濃度を制御しつつ研磨加工を継続し、加工済みの研磨剤スラリーから、被研磨物の構成成分を除去し、前記研磨剤を回収・再生する研磨剤リサイクル処理システムであって、前記研磨剤が、酸化セリウムを含有し、前記被研磨物が、ケイ素を含有し、かつ研磨機を用いて研磨加工する研磨加工工程部と前記研磨機に供給する前記研磨に用いる研磨剤スラリーを貯蔵するスラリー供給タンクを有する研磨剤スラリー回収工程部とを有し、前記スラリー供給タンク中の酸化セリウムの濃度が、研磨加工工程開始時の初期濃度未満になるよう制御しながら、前記スラリー供給タンク中に再生研磨剤スラリーを供給することを特徴とする。この特徴は、下記各実施態様に共通する又は対応する技術的特徴である。
前記スラリー供給タンク中の酸化セリウムの濃度が、研磨加工工程開始時の濃度に対して研磨加工工程終了時の終点濃度が20~90%の範囲内、より好ましくは30~80%の範囲内であり、かつ研磨加工工程中の前記酸化セリウムの濃度が常に前記終点濃度以上であり、さらに前加工バッチに対する次加工バッチの前記酸化セリウムの濃度の変化の変動幅を±1.0質量%以内に制御することが好ましい。
また、前記研磨加工工程部及び前記研磨剤スラリー回収工程部に加えて、分離・濃縮工程部と、再生研磨剤スラリー調製工程部とを有することが、研磨剤リサイクル処理システムの効率向上の効果が得られることから好ましい。
さらに、本発明においては、前記研磨剤スラリー回収工程部には、研磨加工工程部に供給する再生研磨剤スラリーを貯蔵する前記スラリー供給タンクと、加工済みの研磨剤スラリーと洗浄水との混合液を貯蔵する回収混合液タンクとを備え、前記分離・濃縮工程部には、前記混合液を透過液と研磨剤の濃縮液とに分離する分離・濃縮タンクを備え、前記再生研磨剤スラリー調製工程部には、前記被研磨物の構成成分が除去された再生研磨剤を含有する液を貯蔵する再生研磨剤スラリー貯蔵タンクを備え、かつ工程部間に研磨剤スラリーを供給するための循環ラインと、供給量を調整するための制御部を備えることが、回収・再生率の向上の観点から好ましい。
本発明の実施態様としては、本発明の効果発現の観点から、前記分離・濃縮工程部で得られた研磨剤の粒子径を調整する研磨剤粒子径調整工程部を有することが好ましい。
さらに、前記再生研磨剤スラリーが、マレイン酸-アクリル酸共重合体を0.04~1.5g/Lの範囲内で含有していることが好ましい。
また、分離・濃縮工程部において、研磨剤の凝集剤としてアルカリ土類金属塩を用いることが好ましく、アルカリ土類金属塩が、マグネシウム塩であることが研磨剤の回収及び再生の効率の観点から好ましい。
さらに、本発明においては、研磨に用いる研磨剤スラリー中の研磨剤の構成成分と被研磨物の構成成分の濃度を制御しつつ研磨加工を継続し、加工済みの研磨剤スラリーから、被研磨物の構成成分を除去し、前記研磨剤を回収・再生する研磨剤回収・再生方法であって、前記研磨剤が、酸化セリウムを含有し、前記被研磨物が、ケイ素を含有し、かつ研磨機に供給する前記研磨に用いる研磨剤スラリーを貯蔵するスラリー供給タンク中の前記酸化セリウムの濃度を、研磨加工工程開始時における当該酸化セリウムの初期濃度未満になるよう制御しながら、研磨加工工程部に研磨剤スラリーを供給し、かつ加工済みの研磨剤スラリーを回収する工程を有する研磨剤回収・再生方法に適用することができる。
さらに、前記スラリー供給タンク中の酸化セリウムの濃度が、研磨加工工程開始時の濃度に対して研磨加工工程終了時の終点濃度が20~90%の範囲内、より好ましくは30~80%の範囲内であり、かつ研磨加工工程中の前記酸化セリウムの濃度が常に前記終点濃度以上であり、さらに前加工バッチに対する次加工バッチの前記酸化セリウムの濃度の変化の変動幅を±1.0質量%以内に制御すること研磨剤回収・再生方法であることが好ましい。
また、前記再生研磨剤スラリーが、マレイン酸-アクリル酸共重合体を0.04~1.5g/Lの範囲内で含有している研磨剤回収・再生方法であることが好ましい。
以下、本発明とその構成要素、及び本発明を実施するための形態・態様について詳細な説明をする。なお、本願において、「~」は、その前後に記載される数値を下限値及び上限値として含む意味で使用する。
また、本発明において、研磨剤スラリーとは、研磨加工工程に応じた下記各種研磨剤スラリーを含めて総称的に表現されたスラリーをいう。研磨加工工程の観点から、「初期研磨剤スラリー」とは、研磨初期の加工液をいい、研磨剤構成成分と水を含有し被研磨物構成成分を実質的には含有しないものをいう。「加工中の又は加工済みの研磨剤スラリー」とは、被研磨物構成成分を含有する研磨剤スラリー又は研磨剤スラリー寿命が終了した研磨剤スラリーをいう。「再生研磨剤スラリー」とは、被研磨物構成成分を除去した研磨剤スラリー又は被研磨物構成成分を除去した後に、濃縮した研磨剤スラリーをいう。
1 《研磨剤リサイクル処理システムの基本的構成の概要》
本発明の研磨剤リサイクル処理システムは、研磨に用いる研磨剤スラリー中の研磨剤の構成成分と被研磨物の構成成分の濃度を制御しつつ研磨加工を継続し、加工済みの研磨剤スラリーから、被研磨物の構成成分を除去し、前記研磨剤を回収・再生する研磨剤リサイクル処理システムであって、前記研磨剤が、酸化セリウムを含有し、前記被研磨物が、ケイ素を含有し、かつ研磨機を用いて研磨加工する研磨加工工程部と前記研磨機に供給する前記研磨に用いる研磨剤スラリーを貯蔵するスラリー供給タンクを有する研磨剤スラリー回収工程部とを有し、前記スラリー供給タンク中の酸化セリウムの濃度が、研磨加工工程開始時の初期濃度未満になるよう制御しながら、前記スラリー供給タンク中に再生研磨剤スラリーを供給することを特徴とする。
従来の研磨剤リサイクルシステムでは、研磨加工中の研磨剤スラリー中の研磨剤濃度を一定に保持することを狙いとしていた。このため研磨が進むにつれ、被研磨物の濃度が高くなり、粘度上昇や局所的に高温となり、被研磨物の析出により、回収率が低くなっていた。
例えば、従来の被研磨物を研磨加工する研磨加工工程部においては、研磨加工により、研磨加工部の研磨剤スラリーの温度は約40~60℃に上昇することがある。被研磨物としてガラスを用いた場合、研磨加工により酸化ケイ素の濃度が上昇すると、加工中の研磨剤スラリーの粘度が上昇し、加工部に付着する。更に、加工により研磨加工部の温度が上昇するため、酸化ケイ素の析出、固形物化が加速する。研磨により研磨加工部に付着する研磨剤成分は、洗浄水により洗浄され、研磨剤成分を含むリンススラリーとして回収する。
酸化ケイ素の析出固形物は、リンススラリーとして回収されるものと、研磨加工部に残留するものがある。研磨加工部の残留物は、研磨パッド内外にも存在し、加工品質に影響を与える。
したがって、研磨パッドの交換頻度が高まるため、研磨加工回数が低下することとなる。また、リンススラリーとして回収されるものは、再利用及び再生利用するためには、異物となる酸化ケイ素の析出固形物を除去する必要が生じる。酸化ケイ素の析出固形物の除去プロセスを組み入れると、研磨剤回収率は低下する。
また、スラリー供給タンクにおいては、あらかじめ調製した初期研磨剤スラリーは、再生研磨剤スラリーが補充されつつ、スラリー供給タンクと研磨機の間を繰り返し循環する。研磨により、被研磨物のケイ素成分は研磨剤スラリー中に溶解した状態にある。研磨剤スラリー中のケイ素濃度が上昇すると、酸化ケイ素が析出、固形物化し、研磨剤スラリー中の異物となる。上記の異物は、スクラッチ等の欠陥の発生原因となるため、研磨剤スラリーは利用できなくなる。上記の加工済みの研磨剤スラリーを再利用するためには、異物となる酸化ケイ素の析出固形物を除去する必要が生じる。酸化ケイ素の析出固形物の除去プロセスを組み入れると、研磨剤回収率は低下する。
この問題に対し、本発明では、加工中の研磨剤スラリーに含有されている酸化セリウム
の濃度を、研磨加工工程開始時の初期濃度未満になるよう制御しながら、再生研磨剤スラリーを研磨機に供給することで解決することができる。
図1A及び図1Bは研磨加工時間と加工中の研磨剤スラリー中の研磨剤濃度及び被研磨物の構成成分の濃度の関係を示す概念図である。図1Aは研磨加工時間に対する研磨剤スラリー中の研磨剤濃度を示している。従来の研磨加工では、研磨が進行しても点線で示したように研磨剤濃度は一定になるように保っていた。このため図1Bの研磨加工時間と被研磨物の構成成分の濃度の関係で示したように、研磨加工時間が進むにつれ研磨剤スラリー中の被研磨物の構成成分の濃度が高くなる。そしてこの濃度がaに達すると、被研磨物の析出が起こり、研磨剤スラリーは使用できなくなっていた。
これに対し、本発明では、図1(a)の実線で示したように、研磨加工時間の進行に対して、研磨剤スラリー中の酸化セリウムの濃度を、研磨加工初期の濃度未満に保つ。このことにより、研磨剤スラリー中の被研磨物の構成成分の濃度の上昇を、図1(b)の実線で示したように抑えることができ、研磨剤スラリー寿命を伸ばすことができる。また、研磨剤スラリーの粘度上昇も起こりにくいので、研磨剤の回収率を上げることができる。
2 《研磨剤リサイクル処理システムの実施形態の構成例》
本発明の研磨剤リサイクル処理システムは、研磨機を用いて研磨加工する研磨加工工程部と研磨加工工程部に供給する研磨剤スラリーを貯蔵するスラリー供給タンクを有する研磨剤スラリー回収工程部とを少なくとも有している。研磨剤スラリー回収工程部はさらに加工済みの研磨剤スラリーと洗浄水との混合液を貯蔵する回収混合液タンクを有していることが好ましい。
さらに、加工済みの研磨剤スラリーから研磨剤を分離する分離・濃縮工程部、回収した加工済みの研磨剤粒子の粒子径を調整する研磨剤粒子径調整工程部及び再生研磨剤スラリーを貯蔵する再生研磨剤スラリー調製工程部を有することが好ましい。
また、本発明の研磨剤回収・再生方法は、研磨に用いる研磨剤スラリー中の研磨剤の構成成分と被研磨物の構成成分の濃度を制御しつつ研磨加工を継続し、加工済みの研磨剤スラリーから、被研磨物の構成成分を除去し、前記研磨剤を回収・再生する研磨剤回収・再生方法であって、前記研磨剤が、酸化セリウムを含有し、前記被研磨物が、ケイ素を含有し、かつ研磨機に供給する前記研磨に用いる研磨剤スラリーを貯蔵するスラリー供給タンク中の前記酸化セリウムの濃度を、研磨加工工程開始時における当該酸化セリウムの初期濃度未満になるよう制御しながら、研磨加工工程部に研磨剤スラリーを供給し、かつ加工済みの研磨剤スラリーを回収する工程を有することを特徴とする。
本発明の研磨剤回収・再生方法は、研磨機を用いて研磨加工する研磨加工工程、研磨加工工程部に供給する研磨剤スラリーを貯蔵するスラリー供給タンクを有する研磨剤スラリー回収工程に加え、加工済みの研磨剤スラリーから研磨剤を分離する分離・濃縮工程、回収した加工済みの研磨剤粒子の粒子径を調整する研磨剤粒子径調整工程及び再生研磨剤スラリーを貯蔵する再生研磨剤スラリー調製工程を有することが好ましい。
図2は、本発明の研磨剤リサイクル処理システムの一例を示す概略図である。図2で示した研磨剤リサイクル処理システムは、研磨加工工程部1、研磨剤スラリー回収工程部2、分離・濃縮工程部3、研磨剤粒子径調整工程部4、再生研磨剤スラリー調製工程部5が示されている。以下、各工程部について順次詳細な説明をする。
(1)研磨加工工程部
研磨工程部1においては、研磨機12は、不織布、合成樹脂発泡体、合成皮革などから構成される研磨布を貼付した研磨定盤を有しており、この研磨定盤は回転可能となっている。研磨作業時には、被研磨物(例えば、光学ガラス等)を、保持具を用いて、所定の押圧力Nで上記研磨定盤に押し付けながら、研磨定盤を回転させる。また、研磨機12を洗浄するための洗浄水は、洗浄水タンク11に貯留されており、洗浄水噴射ノズルより、研磨部に吹き付けて洗浄を行う。研磨加工は研磨工程部1で行う工程である。
(研磨剤)
一般に、光学ガラスや半導体基板等の研磨剤の構成成分としては、ベンガラ(αFe)、酸化セリウム、酸化アルミニウム、酸化マンガン、酸化ジルコニウム、コロイダルシリカ等の微粒子を水や油に分散させてスラリー状にしたものが用いられているが、本発明の研磨剤回収・再生方法は、半導体基板の表面やガラスの研磨加工において、高精度に平坦性を維持しつつ、十分な加工速度を得るために、物理的な作用と化学的な作用の両方で研磨を行う、化学機械研磨(CMP)への適用が可能な酸化セリウムを用いる。なお、この他、ダイヤモンド、窒化ホウ素、炭化ケイ素、アルミナ、アルミナジルコニア及び酸化ジルコニウムから選ばれる少なくとも1種の回収に適用することが好ましい。
イヤモンド系としては、例えば、合成ダイヤモンド(例えば、日本ミクロコーティング社製等)、天然ダイヤモンドが挙げられ、窒化ホウ素系としては、例えば、立方晶窒化
ホウ素BN(例えば、昭和電工社製)が挙げられる。窒化ホウ素系は、ダイヤモンドに次ぐ硬度を有する。また、炭化ケイ素系としては、炭化ケイ素、緑色炭化ケイ素、黒色炭化ケイ素(例えば、Mipox社製等)等を挙げることができる。また、アルミナ系としては、アルミナのほかに、褐色アルミナ、白色アルミナ、淡紅色アルミナ、解砕型アルミナ、アルミナジルコニア系(例えば、サンゴバン社製)等を挙げることができる。また、酸化ジルコニウムとしては、例えば、第1稀元素化学工業社製の研磨剤用のBRシリーズ酸化ジルコニウム、中国HZ社製酸化ジルコニウムを挙げることができる。
また、酸化セリウム(例えば、シーアイ化成社製、テクノライズ社製、和光純薬社製等)は、純粋な酸化セリウムよりは、バストネサイトと呼ばれる、希土類元素を多く含んだ鉱石を焼成した後、粉砕したものが多く利用されている。酸化セリウムが主成分ではあるが、その他成分として、ランタンやネオジウム、プラセオジウム等の希土類元素を含有し、酸化物以外にフッ化物等が含まれることもある。
本発明に使用される研磨剤は、上記した研磨剤の構成成分の含有量が50質量%以上である場合に、効果が大きく好ましい。より好ましくは95~100質量%の範囲内であり、さらに好ましくは100質量%であることである。
研磨剤を用いて、前記図2で示したような研磨加工工程部1の研磨機12で研磨することができる。本発明ではこのような研磨加工工程部1で使用された加工済みの研磨剤スラリーを、再生研磨剤スラリーとして研磨剤を再生する研磨剤リサイクル処理システムである。
ガラス基板の研磨を例にとると、研磨加工工程部1では、研磨加工と研磨部の洗浄で一つの研磨加工工程部を構成している。
(1-1)研磨
研磨パッド(研磨布)と被研磨物(例えば、ガラス基板)を接触させ、接触面に対して研磨剤スラリーを供給しながら、加圧条件下でパッドとガラス基板を相対運動させる。
研磨パッドは、連続研磨を行ったあとでは、パッドドレッシング又はパッドブラッシングを行うことができる。パッドドレッシングとは、パッドを物理的に削りつつ、表面を荒らすことで、パッド状態を一定に保つ処理のことである。それに対して、パッドブラッシングとは、パッドを削ることなく、パッドの凹凸に含まれる研磨屑などを除去するために行う処理のことである。
また、1バッチの加工で複数の研磨機を用いて研磨を行っても良い。このような場合、前バッチに対する次バッチのバッチあたりの加工時間の変化幅は10%以内であることが好ましい。この範囲内であると複数の研磨機間における研磨の加工時間のばらつきを抑えることができる。ここで1バッチとは、1回の研磨処理単位のことをいい、例えば6枚のガラス基板を1バッチで研磨処理することができる。
本発明では、スラリー供給タンク21中の研磨剤の濃度調整は、前加工バッチに対する次加工バッチの研磨剤スラリー中の研磨剤の構成成分の濃度変化を少なくすることができる観点から、1バッチごとに行うことが好ましい。
(1-2)洗浄
研磨された直後のガラス基板及び、研磨機には大量の研磨剤が付着している。そのため、研磨した後に研磨剤スラリーの代わりに洗浄水タンク11から水等を供給し、ガラス基板及び研磨機に付着した研磨剤の洗浄が行われる。
この洗浄操作で、一定量の研磨剤が系外に排出されるため、系内の研磨剤量が減少する。この減少分を補うために、スラリー供給タンク21に対して新たな再生研磨剤スラリーを再生研磨剤スラリー貯蔵タンク51から追加する。追加の方法は1バッチ毎に追加を行っても良いし、数バッチに追加を行っても良いが、溶媒に対して十分に分散された状態の研磨剤を供給することが望ましい。
(2)研磨剤スラリー回収工程部
研磨剤スラリー回収工程部は、研磨に用いる研磨剤スラリーを貯蔵するスラリー供給タンク21を有しており、また、研磨剤スラリー回収工程部で研磨機12及び洗浄水タンク11からなる系から排出される加工済みの研磨剤スラリーを回収する。
研磨剤スラリー回収工程部2では、スラリー供給タンク21に加えて回収混合液タンク22を有していることが好ましい。スラリー供給タンク21では、研磨機から排出される加工済みの研磨剤スラリーと再生研磨剤スラリー貯蔵タンク51から供給される再生研磨剤スラリー及び水を用いて、研磨加工工程開始時における研磨剤の初期濃度以下に制御される。そして、スラリー供給タンク21中の研磨剤スラリーは、ポンプを介して、研磨機12に供給される。
本発明でいう加工済みの研磨剤スラリーとは、研磨機12、洗浄水タンク11から構成される研磨加工工程部1の系外に排出される研磨剤スラリーをいう。
なお、回収する加工済みの研磨剤スラリーには、前記洗浄水を含む研磨剤スラリー1と加工済みの研磨剤を含む研磨剤スラリー2の2種類が含まれる。回収した研磨剤スラリーには、おおむね0.1~40質量%の範囲で研磨剤が含まれる。
各研磨剤スラリーは、回収された後、直ちに分離工程に移送してもよいし、一定量を回収するまで貯蔵しても良いが、いずれの場合でも回収された研磨剤スラリーは、常時撹拌し、粒子の凝集や沈降を防止し、安定した分散状態を維持することが好ましい。
本発明においては、研磨剤スラリー回収工程部2で回収した研磨剤スラリー1と研磨剤スラリー2を混合して母液として回収混合液タンク22で調製した後、以降の分離・濃縮工程部3で処理する方法が好ましい。
本発明では、スラリー供給タンク中21の酸化セリウムの濃度が、研磨加工工程開始時の初期濃度未満になるよう制御しながら、スラリー供給タンク中21に再生研磨剤スラリーを供給する。
(研磨剤スラリー濃度の調整)
濃度の調整は、スラリー供給タンク21に投入される、水、再生研磨剤スラリー、及び研磨加工工程から排出される加工済み研磨剤スラリーの量を配管を通して、その流量を制御することにより行うことができる。研磨機12への供給はスラリー供給タンク21から研磨機12の配管に設けられたポンプ(図示していない)で行う。制御部では、流量計とポンプを有しており、工程部間に研磨剤スラリーを供給するための循環ライン及びその他の添加物等を供給する配管により、その流量を制御する。
本発明では、研磨加工工程開始時のスラリー供給タンク中の酸化セリウムの濃度に対して、研磨加工工程終了時のスラリー供給タンク中の酸化セリウムの終点濃度が20~90%の範囲内、より好ましくは30~80%の範囲内であることが好ましい。
このように研磨剤濃度を下げることにより、研磨剤スラリーの温度上昇や粘度上昇を抑えることができ、酸化ケイ素の析出を防ぎ、被研磨物の傷の防止及び回収率の向上を図ることができる。
研磨加工工程終了時のスラリー供給タンク中の酸化セリウムの終点濃度が、研磨加工の初期濃度に対して20%以上であれば、研磨潤滑剤などの減少の影響も少なくまた研磨速度も大きく減少することもない。また、90%以下でれば、回収率を高くすることができる点で好ましい。
また、洗浄操作で、一定量の研磨剤が系外に排出されるため、新たな再生研磨剤スラリーを追加する場合、スラリー供給タンク21中の酸化セリウムの濃度が変動する。この研磨剤供給タンク21中の酸化セリウムの濃度の変動幅は、前加工バッチに対する次加工バッチの研磨剤スラリー中の酸化セリウムの濃度変化の変動幅を±1.0質量%以内に制御することが好ましく、かつ研磨加工工程開始時における酸化セリウムの濃度を超えないことが必要である。
スラリー供給タンク21中の酸化セリウムの濃度は、例えば、UCUF-04K小口径超音波流量計検出器(東京計装(株)製)を用いて測定できる。具体的には、酸化セリウムの濃度と流量との検量線を作製し、スラリー供給タンク21中の研磨剤スラリーの流量を測定することで対象となる酸化セリウムの濃度を測定し、再生研磨剤スラリー貯蔵タンク51の制御部にフィードバックする。
なお、上記UCUF-04K 小口径超音波流量計検出器(東京計装(株)製)の測定は、対象研磨剤スラリーの温度を30℃、かつ流量圧力を0.2MPa条件下で実施することができる。スラリー供給タンク21中の研磨剤スラリー濃度の測定は、オンラインで実施してもよく、又は適宜研磨剤スラリーをサンプリング測定してもよい。
最初に研磨を開始するため、スラリー供給タンク21において、研磨開始時の研磨剤溶液を調製する場合は、例えば、研磨剤の粉体を水等の溶媒に対して1~40質量%の濃度範囲となるように添加、分散して初期研磨剤スラリーを調製することができる。この初期研磨剤スラリーを研磨機に対して、図2で示したスラリー供給タンクに貯蔵して循環供給して使用する。研磨剤として使用される微粒子は、平均粒子径が数十nmから数μmの大きさの粒子が使用されることが好ましい。
分散剤等を添加することにより、研磨剤粒子の凝集を防止するとともに、撹拌機等を用いて常時撹拌して分散状態を維持することが好ましい。一般には、研磨機の横に研磨剤スラリー用のタンクを設置し、撹拌機等を使用して常時分散状態を維持し、供給用ポンプを使用して研磨機に循環供給する方法を採用することが好ましい。
(3)分離・濃縮工程部
次いで、分離・濃縮工程部3では、スラリー回収工程部で回収された加工済み研磨剤スラリーと洗浄水の混合液に対し、研磨剤のみを分離濃縮する。
本発明における分離・濃縮工程部3は、研磨剤を母液より分離して濃縮する。分離して濃縮する方法としては公知の方法を用いてよいが、研磨剤スラリー回収工程部2で回収した研磨剤スラリーに対して、特に、無機塩としてアルカリ土類金属塩を添加し、研磨剤のみを凝集させ、被研磨成分を凝集させない状態で、該研磨剤を母液より分離して濃縮することが好ましい。これにより、研磨剤成分のみを凝集沈殿させた後、ガラス成分がほとんど上澄みに存在させて凝集物を分離することで、研磨剤成分とガラス成分との分離と、研磨剤スラリーの濃縮を同時に行うことができる。
分離濃縮する方法は公知の方法を用いることができる。膜分離方法や、沈降方法を採用することができる。
(3-1)分離工程
分離のためには、上記のように無機塩としてアルカリ土類金属塩を添加し、研磨剤のみを凝集させ、被研磨成分を凝集させない状態で、該研磨剤を母液より分離することが好ましい。
固液分離操作は、強制的な分離手段は適用せずに、自然沈降による固液分離を行っても良い。このようにして母液を、被研磨物等を含む上澄み液と、下部に沈殿した回収研磨剤を含む濃縮物とに分離した後、デカンテーション法、例えば、釜を傾斜させて、上澄み液を排液する、又は、排液ハイプを分離した釜内の上澄み液と濃縮物の界面近くまで挿入し、上澄み液のみを、釜外に排出して、研磨剤を回収する。
回収した加工済み研磨剤スラリーは、被研磨物由来のガラス成分等が混入した状態にある。また、洗浄水の混入により濃度が低下しており、回収した研磨剤を研磨加工に再度使用するためには、被研磨物であるガラス成分等の分離と、研磨剤の濃縮化を行う必要がある。
(アルカリ土類金属塩)
本発明においては、研磨剤の凝集に用いる無機塩が、アルカリ土類金属塩であることが好ましい態様である。
本発明に係るアルカリ土類金属塩としては、例えば、カルシウム塩、ストロンチウム塩、バリウム塩を挙げることができるが、更には、本発明においては、広義として周期律表の第2族に属する元素も、アルカリ土類金属であると定義する。したがって、ベリリウム塩、マグネシウム塩も本発明でいうアルカリ土類金属塩に属する。
また、本発明に係るアルカリ土類金属塩としては、ハロゲン化物、硫酸塩、炭酸塩、酢酸塩等の形態であることが好ましい。
本発明に係る無機塩としては、アルカリ土類金属塩であることが好ましく、更に好ましくはマグネシウム塩である。
また、本発明に適用可能なマグネシウム塩としては、電解質として機能するものであれば限定はないが、水への溶解性が高い点から、塩化マグネシウム、臭化マグネシウム、ヨウ化マグネシウム、硫酸マグネシウム、酢酸マグネシウムなどが好ましく、溶液のpH変化が小さく、沈降した研磨剤及び廃液の処理が容易である点から、塩化マグネシウム及び硫酸マグネシウムが特に好ましい。
(無機塩の添加方法)
次いで、本発明に係る無機塩の研磨剤スラリー(母液)に対する添加方法を説明する。
a)無機塩の濃度
添加する無機塩は、粉体を研磨剤スラリー(母液)に直接供給しても良いし、水等の溶媒に溶解させてから研磨剤スラリー(母液)に添加してもよいが、研磨剤スラリーに添加した後に均一な状態になるように、溶媒に溶解させた状態で添加することが好ましい。
好ましい無機塩の濃度は、0.5~50質量%の濃度範囲の水溶液とすることである。系のpH変動を抑え、ガラス成分との分離を効率化するためには、10~40質量%の濃度範囲内であることがより好ましい。
b)無機塩の添加温度
無機塩を添加する際の温度は、回収した研磨剤スラリーが凍結する温度以上であって、90℃までの範囲であれば適宜選択することができるが、ガラス成分との分離を効率的に行う観点からは、10~40℃の範囲内であることが好ましく、15~35℃の範囲内であることがより好ましい。
c)無機塩の添加速度
無機塩の研磨剤スラリー(母液)に対する添加速度としては、回収した研磨剤スラリー中での無機塩濃度として、局部的に高濃度領域が発生することなく、均一になるように添加することが好ましい。1分間当たりの添加量が全添加量の20質量%以下であることが好ましく、10質量%以下であることがより好ましい。
d)無機塩添加時のpH値
本発明の研磨剤回収・再生方法においては、分離・濃縮工程部3で無機塩を添加する際に、あらかじめ回収した研磨剤スラリーのpH値を調整しないことが好ましい態様である。一般に、回収した研磨剤スラリーのpH値は、ガラス成分を含有しているためややアルカリ性を示し、8~10未満の範囲であり、あらかじめ回収した研磨剤スラリーのpH値を調整する必要はない。したがって、本発明においては、母液の25℃換算のpH値が10.0未満の条件で分離濃縮を行うことが好ましい。
本発明において、pH値は、25℃で、ラコムテスター卓上型pHメーター(アズワン(株)製 pH1500)を使用して測定した値を用いることができる。
本発明においては、無機塩を添加し、その後該濃縮物を分離するまで無機塩添加時のpH値以下に維持することが好ましい。ここでいう無機塩添加時のpH値とは、無機塩の添加が終了した直後のpH値のことをいう。
沈殿した凝集物を分離するまで、無機塩添加時のpH値以下を維持する。好ましくは25℃換算pH値として10未満を維持する。pH値として10未満とすることで、廃液に含まれるガラス成分の凝集を防ぐことができるため、回収の際の酸化セリウムの純度を高くすることができ好ましい。
無機塩添加時のpH値の下限は、pH調整剤による純度低下や操作性などから、6.5以上であることが好ましい。
e)無機塩添加後の撹拌
無機塩を添加した後、少なくとも10分以上撹拌を継続することが好ましく、より好ましくは30分以上である。無機塩を添加すると同時に研磨剤粒子の凝集が開始されるが、撹拌状態を維持することで凝集状態が系全体で均一となり濃縮物の粒度分布が狭くなり、その後の分離が容易となる。
分離・濃縮工程部3で、ガラス成分を含む上澄み液と回収した研磨剤粒子を含む濃縮物に分離した後、該濃縮物を回収する。
(3-2)濃縮工程
本発明においては、下部に沈降する濃縮物に不純物(例えば、研磨したガラス粗粒子等)を極力混入させることなく、高純度の再生研磨剤を得る観点からからは、一次濃縮方法としては、自然沈降を適用することが好ましい。
無機塩の添加により、回収研磨剤粒子は凝集し、この状態で上澄み液と分離されていることから、濃縮物は、回収スラリーと比較して比重が増加し、濃縮されていることとなる。この濃縮物には、回収されたスラリー以上の濃度で回収研磨剤が含有されている。
凝集した研磨剤の濃縮物と上澄み液とを分離する方法の一例としては、自然沈降により、被研磨物等を含む上澄み液と、下部に沈殿した回収研磨剤を含む濃縮物とに分離した後、上澄み液と濃縮物との界面近くまで挿入し、上澄み液のみを、ポンプを用いて、釜外に排出して、研磨剤を含有する濃縮物を回収することができる。
(4)研磨剤の再生
(4-1)研磨剤粒子径調整工程部
研磨剤粒子径調整工程部4は、凝集した研磨剤を再分散させて、所望の粒度分布にする。例えば、未使用(研磨前)の研磨剤と近似の粒度分布レベルに調整する。本発明では、濃縮・分離した研磨剤スラリーに対し、研磨剤粒子の粒子径制御処置を施すことが好ましい。
上記方法で濃縮・分離した研磨剤スラリーでは、研磨剤粒子が無機塩を介して凝集体(二次粒子)を形成しているため、独立した一次粒子に近い状態まで解きほぐすため、水及び分散剤を添加し、分散装置を用いて、所望の粒子径まで分散する。
凝集した研磨剤粒子を再分散させる方法としては、例えば、a)水を添加し、処理液中の研磨剤に対する凝集作用を有する無機イオン濃度を低下させる方法、b)分散剤(金属分離剤ともいう)を添加することで、研磨剤に付着している金属イオン濃度を低下させる方法、c)分散機等を使用して、凝集した研磨剤粒子を強制的に解膠する方法が挙げられる。
これらの方法は、それぞれ単独で使用しても良いし、組み合わせて使用しても良いが、少なくともb)を組み合わせる方法が好ましく、a)、b)及びc)を全て組み合わせて行う方法がより好ましい。
水を添加する場合、その添加量は、濃縮した研磨剤スラリーの体積によって適宜選択され、一般的には濃縮したスラリーの5~50体積%であり、好ましくは10~40体積%である。
(分散剤)
分散剤としては、公知の分散剤を用いることができる。添加量としては、再生研磨材スラリーに対して0.01~5.0g/Lの範囲内であることができる。
本発明においては、カルボキシ基を有するポリカルボン酸系高分子分散剤が好ましく挙げられ、特に、アクリル酸-マレイン酸の共重合体であることが好ましい。
ガラス基板の研磨加工を継続すると、ポリケイ酸等、被研磨物の溶解に伴い加工中の研磨材スラリーのpHが高くなりアルカリ側にシフトする。アルカリ側にシフトすると、被研磨物表面のヤケ(ガラスの外観が徐々に白く曇る現象)等の欠陥が生じ易くなる。この欠陥防止のため酸を添加しpHを調整すると、溶解しているポリケイ酸が固化しやすくなり、被研磨物の良品率を低下させる原因になりうる。
アクリル酸-マレイン酸の共重合体を分散剤として用いることにより、このような現象を軽減させることができる。分散剤としての機能の他にマレイン酸の加水分解の平衡状態により、加工中の研磨材スラリーのpH変動に対する緩衝効果が作用し、溶解しているポリケイ酸を固化させることなく安定に溶解した状態を保つことができるためであると考えられる。
なお、マレイン酸-アクリル酸共重合体は、pH変動に対する緩衝効果を有し、分散機能を有する添加剤として有用であり、研磨材粒子径調整工程部4において分散剤として用いるだけでなく、添加剤として、別途スラリー供給タンク21又は再生研磨材貯蔵タンク51に添加してもよい。
スラリー供給タンク21中のpH値を安定に保つ観点からは、再生研磨材含有液調製工程部5における再生研磨材貯蔵タンク51中の再生研磨スラリーが、マレイン酸-アクリル酸共重合体を、0.04~1.50g/Lの範囲内で含有していることが好ましい。
<アクリル酸-マレイン酸の共重合体>
分散機能を有する添加剤として、(a)アクリル酸と(b)(無水)マレイン酸とのモル比が(a)/(b)=50/50~95/5である共重合物の水溶性塩からなり、その分子量分布(Mw/Mn)が3.5~10であるアクリル酸-マレイン酸の共重合体が好
ましい。
共重合体の分子量分布(Mw/Mn)は、好ましくは3.5~7である。また、共重合
体の数平均分子量は1000~20000、好ましくは1000~10000の範囲内である。必要に応じ他の共重合モノマーを共重合させても良い。
重合開始剤としては、過硫酸アンモニウム、過硫酸カリウム、過硫酸ナトリウム等の過硫酸塩と、亜リン酸、次亜リン酸、またはそれらの塩等の還元剤との併用が好適であり、還元剤としては特に次亜リン酸ナトリウムが好ましい。過硫酸塩、還元剤ともモノマーに対して1~6モル%使用するのが好ましく、また過硫酸塩と還元剤の合計量がモノマーに対して10モル%未満であるのが好ましい。具体的な合成方法は、特開平7-316999号公報等に記載されている。
具体的な、アクリル酸-マレイン酸の共重合体としては、ポリティA-550(ライオン(株)製)、マイティ21HP(花王(株)製)等が挙げられる。アクリル酸-マレイン酸の共重合体と公知の分散剤を組み合わせて用いることもできる。
また、分散機としては、超音波分散機、サンドミルやビーズミルなどの媒体撹拌型ミルが適用可能であり、特に、超音波分散機を用いることが好ましい。
超音波分散機としては、例えば、(株)エスエムテー、(株)ギンセン、タイテック(株)、BRANSON社、Kinematica社、(株)日本精機製作所等から、様々な機器が市販されており、(株)エスエムテー UDU-1、UH-600MC、(株)ギンセン GSD600CVP、(株)日本精機製作所 RUS-600TCVP等を使用することができる。超音波の周波数は、特に限定されない。
機械的撹拌及び超音波分散を同時並行的に行う循環方式の装置としては、(株)エスエムテー UDU-1、UH-600MC、(株)ギンセン GSD600RCVP、GSD1200RCVP、(株)日本精機製作所 RUS600-TCVP等を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
例えば、水を添加して、無機塩濃度を低下させた研磨剤分散液を貯留した後、撹拌機で撹拌しながら、添加容器より、分散剤(例えば、高分子分散剤。)を添加した後、ポンプにより、超音波分散機44で分散処理を施し、凝集した研磨剤粒子を解きほぐす。次いで、その下流側に設けた粒子径測定機45にて、分散後の研磨剤粒子の粒子径分布をモニターし、研磨剤分散液の粒子径分布が所望の粒子径分布プロファイルにすることができる。
この工程で得られる粒度分布としては、粒子径分布の経時変動が少なく、1日経過後の平均粒子径変動が少ないものが望ましい。
(4-2)再生研磨剤スラリー調製工程部
再生研磨剤スラリー調製工程部5ではこのようにして必要な添加材を加え、所定の濃度にして再生研磨剤スラリーを、再生研磨剤スラリー貯蔵タンク51に貯蔵する。
本発明においては、再生研磨剤スラリー調製工程部5で得られる最終的な再生研磨剤スラリーは、98質量%以上の高純度の研磨剤を含有し、粒度分布の経時変動が小さく、回収した時の濃度より高く、無機塩の含有量としては、0.0005~0.08質量%の範囲であることが好ましい。
以上のようにして、高品位でかつ高純度の再生研磨剤を、再生研磨剤スラリーとして簡易な方法で得ることができる。
以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、実施例において「%」の表示を用いるが、特に断りがない限り「質量%」を表す。
実施例1
《再生研磨剤の調製》
まず、図2で示した研磨剤リサイクル処理システムを用いて再生研磨剤スラリーを調製した。
1)研磨剤スラリー回収工程部2
図2に記載の研磨加工工程部1で、ガラス基板の研磨加工を行った後、回収混合液タンク22へ洗浄水を含む研磨剤スラリー1を210リットル、及びスラリー供給タンク21より加工済みの研磨剤を含む研磨剤スラリー2を30リットル回収し、回収スラリー液として240リットルとした。回収混合液タンク22中のこの回収スラリー液は比重1.03であり、8.5kgの酸化セリウムが含まれている。
2)分離・濃縮工程部3
次いで、この回収スラリー液を分離・濃縮タンク32に移送し、回収スラリー液の液温度を20±1℃の範囲内で制御し、酸化セリウムが沈降しない程度に撹拌しながら、塩化マグネシウム10質量%水溶液2.5リットルを10分間かけて添加した。塩化マグネシウムを添加した直後の25℃換算のpH値は8.60で、この条件を維持した。
上記の状態で30分撹拌を継続した後、1.5時間静置し、自然沈降法により、上澄み液と凝集物とを沈降・分離した。1.5時間後、排水ポンプを用いて上澄み液を排出し、凝集物を分離回収した。回収した凝集物は60リットルであった。
3)研磨剤粒子径調整工程部4
分離した凝集物を研磨剤分離液貯蔵タンク42に移し、水22.5リットルを添加した。さらに、分散剤として分散機能を有する添加剤であるポリティA-550(ライオン(株)製)を300g添加し、30分撹拌した後、10ミクロンのメンブレンフィルター43で濾過を行い、さらに超音波分散機44を用いて、凝集物を分散して解きほぐし、所定の粒子径の研磨剤を含有する再生研磨剤を得た。
4)再生研磨剤スラリー調製工程部5
再生研磨剤を、再生研磨剤スラリー貯蔵タンク51に移し、濃度を調整して、再生酸化セリウムを含有する再生研磨剤スラリー80リットルを得た。酸化セリウム濃度は、10質量%で、粒度(D90<2.0μm)、マグネシウム含有量は0.01質量%であった。再生研磨剤スラリー中における分散機能を有する添加剤であるポリティA-550の濃度は、再生研磨剤スラリーに対して0.50g/Lであった。
〔研磨剤リサイクルシステム1〕
スラリー供給タンク21に初期濃度10.0質量%の酸化セリウムを含有する再生研磨剤スラリーを充填し、研磨加工工程部において以下のようにしてガラス基板を200バッチ研磨加工を行った。研磨剤スラリー回収工程部2では、ガラス基板の研磨加工を行った都度、洗浄水にて研磨加工工程部に残留する研磨剤スラリーを洗浄除去する。この洗浄水を含む研磨剤スラリー1は、回収混合液タンク22に回収した。また、200バッチ加工終了後に研磨剤スラリー供給タンク21から加工済研磨剤スラリーを回収混合液タンク22に回収した。その後、分離・濃縮工程部3、研磨剤粒子径調整工程部4及び再生研磨剤スラリー調製工程部5で、上記再生研磨剤の調製と同様にして再生研磨剤を、再生研磨剤スラリーとして調製した。
〔研磨加工工程部〕
研磨中は、研磨に用いる研磨剤スラリーを貯蔵するスラリー供給タンク21中の研磨剤の濃度を、研磨加工工程開始時における初期濃度(10.0質量%)以下になるよう制御し、かつ、研磨加工工程終了時点でのスラリー供給タンク中の濃度は、初期濃度の50%(5.0質量%)となるようスラリー供給タンク21中の酸化セリウムの濃度を制御しながら、1バッチ(1加工)の加工を終了ごとに、再生研磨剤スラリー及び必要に応じて水を前記スラリー供給タンク中に供給した。
具体的には、まずスラリー供給タンク21に初期濃度10.0質量%の研磨剤を含有する再生研磨剤スラリーを補充した。次に、研磨加工を行い、1バッチの研磨加工終了ごとに加工済みの研磨剤を含む研磨剤スラリー2をスラリー供給タンク21に戻して、研磨機を水洗し、所定の厚さになるよう、200バッチの研磨加工を繰り返した。
このとき、研磨剤スラリー供給タンク21の研磨剤(酸化セリウム)の濃度が初期濃度10.0質量%以下、かつ、研磨加工終了時点でのスラリー供給タンク21の研磨剤の濃度が、初期濃度の50%(5質量%)となるよう、さらに前加工バッチに対する次加工バッチの研磨剤スラリー中の研磨剤の濃度変化の変動幅を±1.0質量%以内となるようにスラリー供給タンク21中の酸化セリウムの濃度を制御しながら、1バッチ(1加工)の加工を終了ごとに、再生研磨剤スラリー及び必要に応じて水を前記スラリー供給タンク中に供給した。
〔加工中及び加工済みの研磨剤スラリー〕
ガラス基板の研磨加工を行った後、洗浄水にて研磨加工工程部に残留する研磨剤スラリーを洗浄除去する。この洗浄水を含む研磨剤スラリー1は、回収混合液タンク22に回収した。また、200バッチ加工終了後に研磨剤スラリー供給タンク21から加工済研磨剤スラリーを回収混合液タンク22に回収した。
研磨中に研磨機12に供給するスラリー供給タンク21中の研磨剤の濃度は、UCUF-04K小口径超音波流量計検出器(東京計装(株)製)を用いて、以下の使用条件で測定した。
使用条件:
スラリー温度:30℃
スラリー流体圧力:0.2MPa
酸化セリウム濃度の検出:酸化セリウム含有量と酸化ケイ素含有量を把握している研磨剤スラリーを計測し、検量線を作成し、酸化セリウム含有量が把握できるようにした。
《評価》
研磨後の研磨剤の回収率、ガラス基板の良品率、研磨パッド寿命及びバッチ間の研磨時間の変化幅の4項目で研磨剤リサイクル処理システムを評価した。なお、研磨パッドの寿命については、200バッチの研磨を終了したあと、更に研磨を続けて評価を行った。
〔研磨剤の回収率〕
回収率は、以下の式によって算出し、以下の評価基準で評価した。回収率は、少なくとも50%以上あることが必要である。
回収率=(200バッチ研磨後の加工済み研磨剤スラリー及び洗浄水に含まれる研磨剤スラリーからの回収した研磨剤の総質量/研磨に使用した研磨剤の質量)×100(%)
◎:回収率90%以上
○:回収率70%以上、90%未満
△:回収率50%以上、70%未満
×:回収率50%未満
〔ガラス基板の良品率〕
ガラス基板を目視観察して、傷が認められないものを良品として以下の評価基準で評価した。評価ランク△以上を合格とした。
◎:良品率80%以上
○:良品率60%以上、80%未満
△:良品率50%以上、60%未満
×:良品率50%未満
〔研磨パッドの寿命〕
研磨パッドを外してSEM(走査型電子顕微鏡)写真観察を実施した。研磨中に酸化ケイ素が析出すると研磨パッドの発泡部に酸化ケイ素が析出してSEM観察で白く観察される。例えば、図3Aでは析出は観察されないが、図3Bでは研磨パッドの発泡部を満たすように白く酸化ケイ素の析出が観察される。200加工バッチで研磨パッドに残存する析出物を除去する方法及び研磨パッドの表面物性の回復度合いで評価した。評価ランク△以上を合格とした。
◎:研磨パッドをブラッシングすると研磨パッド表面の物性が回復する。なお、加工回数300バッチ以上で析出が観察された。(研磨パッドの削り出しを行わずに析出物が除去できる。)
○研磨パッドをブラッシングすると研磨パッド表面の物性が回復する。なお、加工回数250バッチ以上で析出が観察された。(研磨パッドの削り出しを行わずに析出物が除去できる。)
△:研磨パッドをドレッシングすると研磨パッド表面の物性が回復するが、ブラッシングでは回復しない。(析出物を除去するために研磨パッドの削り出しを行う。)
×:研磨パッドをドレッシングしても研磨パッド表面の物性が回復しない。(析出物を除去するための研磨パッドの削り出し量が多く、研磨パッド表面の物性変化が大きい。)
〔加工時間の変化幅〕
前バッチに対する次バッチのバッチあたりの加工時間の変化幅を測定して、200バッチ研磨加工を行った時の、前バッチに対する次バッチのバッチあたりの加工時間の最大の変化幅を評価した。評価ランク△以上を合格とした。
◎:前バッチに対する次バッチのバッチあたりの加工時間の変化幅が±5%未満
○:前バッチに対する次バッチのバッチあたりの加工時間の変化幅が±5%以上、±10%未満
△:前バッチに対する次バッチのバッチあたりの加工時間の変化幅が±10%以上、±15%未満
×:前バッチに対する次バッチのバッチあたりの加工時間の変化幅が±15%以上
〔研磨剤リサイクルシステム2~5及び7~13〕
研磨剤サイクルシステム2~5及び7~13は、研磨剤リサイクルシステム1において、研磨剤スラリー回収工程部2におけるスラリー供給タンク21中の終点の研磨剤濃度、前加工バッチに対する次加工バッチの研磨剤濃度の変化の変動幅、最大濃度及び再生研磨剤スラリー中の分散剤とその量を表Iのように変更して研磨を行った。再生研磨剤スラリー中の分散剤とその量の調整は研磨剤粒子径調整工程部4に添加する分散剤とその量を調整して行った。
また、研磨剤リサイクルシステム12では、研磨剤リサイクルシステム1において、スラリー供給タンク21に初期濃度10質量%の酸化セリウムを含有する再生研磨剤スラリーを充填した後、スラリー供給タンク21に再生研磨剤スラリーを供給せずに、酸化セリウムの紛体と水を供給し、研磨加工終点のスラリー供給タンク21中の研磨剤濃度を初期濃度10質量%以下にして200バッチ研磨加工を行った。
さらに、研磨剤リサイクルシステム12では、前加工バッチに対する次加工バッチの研磨剤濃度の変化の変動幅の制御を行わなかった。
このため研磨剤リサイクルシステム12では、スラリー供給タンク中の研磨材の最大濃度が10.0質量%を超えてしましまった。
〔研磨剤リサイクルシステム6〕
研磨剤リサイクルシステム1に対し、分離・濃縮工程部3を、沈降分離法から膜分離法に代えた以外は、同様にして研磨剤スラリーを行った。すなわち、研磨剤スラリー孔径が0.5μm程度のMF膜(マイクローザ:旭化成社製)を用いたマイクローザラボモジュールに変更した以外は、研磨剤リサイクルシステム1と同様に実施した。
≪研磨剤リサイクルシステム2~13の評価≫
研磨剤リサイクルシステム1の評価と同様に研磨剤リサイクルシステム2~13の評価を行った。結果を表Iに示す。
なお、表中分散剤の種の欄は、以下の略号を用いた。
A:ポリティA-550(マレイン酸-アクリル酸共重合体:ライオン(株)製)
B:マイティ21HP(マレイン酸-アクリル酸共重合体:花王(株)製)
C:ノプコスパース5600(サンノプコ(株)製)
Figure 0007192851000001
表Iより、本発明の研磨剤リサイクル処理システムは回収率に優れ、良品率も高く、かつ研磨パッドの寿命も長いことが分かる。
本発明の研磨剤リサイクル処理システムは、加工済みの研磨剤スラリーから研磨剤を効率的に回収し、これを再生研磨剤スラリーとして再利用することができる。このため研磨剤として用いられているセリウム等の希少価値の高い元素の省資源化に資することができる。
1 研磨加工工程部
2 研磨剤スラリー回収工程部
3 分離・濃縮工程部
4 研磨剤粒子径調整工程部
5 再生研磨剤スラリー調製工程部
11 洗浄水タンク
12 研磨機
21 スラリー供給タンク
22 回収混合液タンク
31 添加剤タンク
32 分離・濃縮タンク
41 添加剤タンク
42 研磨剤分離液貯蔵タンク
43 メンブランフィルター
44 超音波分散機
45 粒子径測定器
51 再生研磨剤スラリー貯蔵タンク

Claims (13)

  1. 研磨に用いる研磨剤スラリー中の研磨剤の構成成分と被研磨物の構成成分の濃度を制御しつつ研磨加工を継続し、加工済みの研磨剤スラリーから、被研磨物の構成成分を除去し、前記研磨剤を回収・再生する研磨剤リサイクル処理システムであって、
    前記研磨剤が、酸化セリウムを含有し、
    前記被研磨物が、ケイ素を含有し、かつ
    研磨機を用いて研磨加工する研磨加工工程部と
    前記研磨機に供給する前記研磨に用いる研磨剤スラリーを貯蔵するスラリー供給タンクを有する研磨剤スラリー回収工程部とを有し、
    前記スラリー供給タンク中の酸化セリウムの濃度が、研磨加工工程開始時の初期濃度未満になるよう制御しながら、前記スラリー供給タンク中に再生研磨剤スラリーを供給することを特徴とする研磨剤リサイクル処理システム。
  2. 前記スラリー供給タンク中の酸化セリウムの濃度が、研磨加工工程開始時の濃度に対して研磨加工工程終了時の終点濃度が20~90%の範囲内であり、かつ研磨加工工程中の前記酸化セリウムの濃度が常に前記終点濃度以上であり、さらに前加工バッチに対する次加工バッチの前記酸化セリウムの濃度の変化の変動幅を±1.0質量%以内に制御することを特徴とする請求項1に記載の研磨剤リサイクル処理システム。
  3. 前記スラリー供給タンク中の酸化セリウムの濃度が、研磨加工工程開始時の濃度に対して研磨加工工程終了時の終点濃度が30~80%の範囲内であり、かつ研磨加工工程中の前記酸化セリウムの濃度が常に前記終点濃度以上であり、さらに前加工バッチに対する次加工バッチの前記酸化セリウムの濃度の変化の変動幅を±1.0質量%以内に制御することを特徴とする請求項1に記載の研磨剤リサイクル処理システム。
  4. 前記研磨加工工程部及び前記研磨剤スラリー回収工程部に加えて、分離・濃縮工程部と、再生研磨剤スラリー調製工程部とを有することを特徴とする請求項1から請求項3までのいずれか一項に記載の研磨剤リサイクル処理システム。
  5. 前記研磨剤スラリー回収工程部には、研磨加工工程部に供給する前記研磨剤スラリーを貯蔵する前記スラリー供給タンクと、加工済みの研磨剤スラリーと洗浄水との混合液を貯蔵する回収混合液タンクとを備え、
    前記分離・濃縮工程部には、前記混合液を透過液と研磨剤の濃縮液とに分離する分離・濃縮タンクを備え、
    前記再生研磨剤スラリー調製工程部には、前記被研磨物の構成成分が除去された再生研磨剤を含有する液を貯蔵する再生研磨剤スラリー貯蔵タンクを備え、かつ工程部間に研磨剤スラリーを供給するための循環ラインと、供給量を調整するための制御部を備えることを特徴とする請求項4に記載の研磨剤リサイクル処理システム。
  6. 前記分離・濃縮工程部で得られた研磨剤の粒子径を調整する研磨剤粒子径調整工程部を有することを特徴とする請求項4又は請求項5に記載の研磨剤リサイクル処理システム。
  7. 前記再生研磨剤スラリーが、マレイン酸-アクリル酸共重合体を0.04~1.5g/Lの範囲内で含有していることを特徴とする請求項1から請求項6までのいずれか一項に記載の研磨剤リサイクル処理システム。
  8. 前記分離・濃縮部において、研磨剤の凝集剤としてアルカリ土類金属塩を用いることを特徴とする請求項4から請求項までのいずれか一項に記載の研磨剤リサイクル処理システム。
  9. 前記アルカリ土類金属塩が、マグネシウム塩であることを特徴とする請求項に記載の研磨剤リサイクル処理システム。
  10. 研磨に用いる研磨剤スラリー中の研磨剤の構成成分と被研磨物の構成成分の濃度を制御しつつ研磨加工を継続し、加工済みの研磨剤スラリーから、被研磨物の構成成分を除去し、前記研磨剤を回収・再生する研磨剤回収・再生方法であって、
    前記研磨剤が、酸化セリウムを含有し、
    前記被研磨物が、ケイ素を含有し、かつ
    研磨機に供給する前記研磨に用いる研磨剤スラリーを貯蔵するスラリー供給タンク中の前記酸化セリウムの濃度を、研磨加工工程開始時における当該酸化セリウムの初期濃度未満になるよう制御しながら、研磨加工工程部に再生研磨剤スラリーを供給し、かつ加工済みの研磨剤スラリーを回収する工程を有することを特徴とする研磨剤回収・再生方法。
  11. 前記スラリー供給タンク中の酸化セリウムの濃度が、研磨加工工程開始時の濃度に対して研磨加工工程終了時の終点濃度が20~90%の範囲内であり、かつ研磨加工工程中の前記酸化セリウムの濃度が常に前記終点濃度以上であり、さらに前加工バッチに対する次加工バッチの前記酸化セリウムの濃度の変化の変動幅を±1.0質量%以内に制御することを特徴とする請求項10に記載の研磨剤回収・再生方法。
  12. 前記スラリー供給タンク中の酸化セリウムの濃度が、研磨加工工程開始時の濃度に対して研磨加工工程終了時の終点濃度が30~80%の範囲内であり、かつ研磨加工工程中の前記酸化セリウムの濃度が常に前記終点濃度以上であり、さらに前加工バッチに対する次加工バッチの前記酸化セリウムの濃度の変化の変動幅を±1.0質量%以内に制御することを特徴とする請求項10に記載の研磨剤回収・再生方法。
  13. 前記再生研磨剤スラリーが、マレイン酸-アクリル酸共重合体を0.04~1.5g/Lの範囲内で含有していることを特徴とする請求項10から請求項12までのいずれか一項に記載の研磨剤回収・再生方法。
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