JP6105871B2 - 含硫システイン化合物の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、機能性成分として着目されているS−アリルシステイン、S−1−プロペニルシステイン、S−メチルシステインなどの含硫システイン化合物の製造方法に関する。
S−アリルシステインに代表される含硫システイン化合物は、アリウム属などの植物に含まれることが知られている。前記含硫システイン化合物は、様々な生理学的作用が明らかになっており、例えば腫瘍発生予防剤(例えば、特許文献1参照)、肝疾患治療剤(例えば、特許文献2参照)、臓器繊維化抑制剤(例えば、特許文献3参照)、精子機能低下抑制剤(例えば、特許文献4参照)などの作用があることが知られている。
しかしながら、例えば、ニンニク中の含硫システイン化合物の含有量はごくわずかであり、また、その含有量を高める方法についてはほとんど報告がない。生ニンニクをエタノール水溶液に2年間程度浸漬して熟成させることにより含硫システイン化合物を蓄積させる方法、低温貯蔵した生ニンニクを45℃から65℃に温蔵して含硫システイン化合物を蓄積させる方法(例えば、特許文献5参照)が挙げられる程度である。
しかしながら、前者の方法では、大きな設備を用いて長時間かけて製造する必要があり、後者の方法では2週間程度の短期間で製造することが可能ではあるが、黒ニンニクのように完全熟成状態にならないため、ニンニク特有のにおいが残り、飲食品、飼料、医薬品、医薬部外品、健康食品などへ配合する場合に使用が制限される問題があった。
特許第2828471号号公報 特公平5−60447号公報 特開2007−77116号公報 特開2012−17295号公報 特開2005−278635号公報
本発明は、アリウム属特有のにおいが少ない含硫システイン化合物を短時間で製造できる方法を提供するものである。
本発明者らは、このような課題を解決するために鋭意検討の結果、加熱処理したアリウム属植物に酵素を作用させることにより、アリウム属特有のにおいが少ない含硫システイン化合物を短時間で製造できることを見いだし、発明に至ったものである。
すなわち本発明は、以下の(1)〜(6)を要旨とするものである。
(1)加熱処理したアリウム属植物に酵素を作用させて含硫システイン化合物を遊離させることを特徴とする含硫システイン化合物の製造方法。
(2)前記アリウム属植物が、ニンニクであることを特徴とする(1)記載の含硫システイン化合物の製造方法。
(3)前記含硫システイン化合物が、S−アリルシステイン、S−1−プロペニルシステイン、S−メチルシステインからなる群から選択された1以上であることを特徴とする(1)又は(2)記載の含硫システイン化合物の製造方法。
(4)前記酵素がBacillus属由来のものであることを特徴とする(1)〜(3)いずれかに記載の含硫システイン化合物の製造方法。
(5)前記酵素が、プロテアーゼ、ラクターゼ、ペプチダーゼ、マセレーション活性を有する加工用酵素からなる群から選択された1以上であることを特徴とする(1)〜(4)いずれかに記載の含硫システイン化合物の製造方法。
(6)前記加熱処理が、蒸気加熱処理またはマイクロ波加熱処理であることを特徴とする(1)〜(5)いずれかに記載の含硫システイン化合物の製造方法。
本発明によれば、アリウム属特有のにおいが少ない含硫システイン化合物を、短時間で製造することができる。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明のアリウム属植物は、ネギ科アリウム属の植物であれば特に限定されず、現在、知られているアリウム属に属する植物約700種類すべてが対象となる。アリウム属植物としては、例えば、ギョウジャニンニク、ヒメニラ、ニラ、カンケイニラ、イトラッキョウ、キイイトラッキョウ、ミヤマラッキョウ、ノビル、ヤマラッキョウ、アサツキ、エゾネギ、ヒメエゾネギ、シブツアサツキ、シロウマアサツキ、イズアサツキ、ツリーオニオン、タマネギ、ネギ、ワケギ、リーキ、ニンニク、ラッキョウ、シマラッキョウ、シャロット、エシャロット、青ネギ、チャイプ、ヤグラネギ、白ネギなどが挙げられ、中でも、含硫システイン化合物を高濃度に含むとの観点から、ニンニク(Allium sativum L.)、タマネギ(Allium cepa L.)、アサツキ(Allium schoenoprasum L.)、ラッキョウ(Allium chinense G.Don)、ギョウジャニンニク(Allium victorialis subsp. platyphyllum)が好ましく、ニンニク(Allium sativum L.)がより好ましい。上記アリウム属植物は単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。また、その形態としてはそのまま用いても良いし、その後の酵素の作用効率を高めるため、すりつぶし、切断、粉砕などを施したものでも良い。
本発明における含硫システイン化合物は、システインに硫黄が結合した物質であれば、特に限定されないが、生理学的作用の観点から、S−アリルシステイン、S−1−プロペニルシステイン、S−メチルシステインからなる群から選択された1以上であることが好ましい。
次に、本発明の含硫システイン化合物の製造方法について、一例を挙げて説明する。
本発明の製造方法においては、加熱処理したアリウム属植物を用いることが必要である。前記アリウム属植物には、アリインと称されるシステインのスルホキシド誘導体が含まれ、前記アリウム属植物に内在するアリナーゼにより臭気成分であるアリシンへ変換され得る。本発明においては、前記加熱処理したアリウム属植物を原料として用いることにより、アリウム属植物に含まれるアリインのアリシンへの変換を抑える内在酵素(アリイナーゼ)を失活させ、アリウム属植物の特有のにおいを抑えることができる。
前記加熱処理方法は、前記内在酵素を失活させる方法であれば特に限定されないが、例えば、植物内部の温度を60℃以上に高められる方法が挙げられる。具体的には、蒸気加熱処理、マイクロ波加熱処理が好ましい。
本発明の製造方法においては、加熱処理したアリウム属植物に酵素を作用させ、前記含硫システイン化合物前駆体から含硫システイン化合物を遊離させる。前記酵素の種類としては、含硫システイン化合物を遊離させる活性を有するものであれば特に限定されない。具体的には、市販の加工用酵素の例として、天野エンザイム製「ビオラクタFN5」、「ビオラクタN5」、「プロレザーFG−F」、「プロチンSD−PC10F」、「プロチンSD−AY10」、「プロチンSD−NY10」、「プロテアーゼM」、「ペプチダーゼR」、「ペクチナーゼA」、「ニューラーゼF3G」、「パンクレアチンF」、「プロテアーゼA」、「リパーゼR」、「リパーゼA」、「プロテアーゼP」、「プロテアーゼN」、「プロテアーゼS」、「プロチンAC10F」、キッコーマン製「ペクトリアーゼ」、協和化成製「セルラーゼTP2協和」、合同酒精製「GODO AGI−EC」、三菱化学フーズ製「コクラーゼ」、シイベルヘグナー製「Rapidase」、新日本化学工業製「スミチームAGS−L」、「スミチームAC−L」、「スミチームCTS」、「スミチームCM−G」、「スミチームKDC」、「スミチームC6000」、「スミチームAP」、「スミチームFP」、「スミチームLPL」、「スミチームLP50」、「スミチームBGT」、「スミチームRP」、「スミチームGML」、「スミチームTG」、エイチ・ビイ・アイ製「オリエンターゼ22BF」、「セルロシンAC40」、「セルロシンHC100」、「セルロシンTP25」、「セルロシンHC」、「オリエンターゼ20A」、「オリエンターゼ5BL」、(株)日本生物.科学研究所製「納豆菌培養エキスNSK−SD」、ノボザイム製「ガマナーゼ」、ペプチド研究所製「WSCD−HCL」、ヤクルト薬品工業製「ペクチナーゼHL」、「セルラーゼY−NC」、「セルラーゼオノヅカRS」、「セルラーゼオノヅカR−10」、「マセロチームR−10」などを用いることができる。
さらには、前記酵素の中でも、驚くべきことにBacillus属が分泌する酵素に前記含硫システイン化合物を遊離させる活性がより高いことを見出した。具体的には、前記酵素の中でも、天野エンザイム製「ビオラクタFN5」、「ビオラクタN5」、「プロレザーFG−F」、「プロチンSD−PC10F」、「プロチンSD−AY10」、「プロチンSD−NY10」、「プロテアーゼS」、「プロチンAC10F」、新日本化学工業製「スミチームGML」、エイチ・ビイ・アイ製「オリエンターゼ22BF」、「オリエンターゼ5BL」、(株)日本生物科学研究所製「納豆菌培養エキスNSK−SD」がBacillus属由来の酵素であり、前記含硫システイン化合物を遊離させる活性がより高いため好ましい。
前記Bacillus属由来の酵素の中でも、プロテアーゼ、ラクターゼ、ペプチダーゼ、マセレーション活性を有する酵素が、含硫システイン化合物を遊離させる活性が特に高いためいっそう好ましい。
前記酵素は単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いることもできる。
前記酵素を添加したのち、攪拌などにより酵素と原料を均一に混合して酵素反応を進行させることにより、含硫システイン化合物を遊離させることができる。このときの反応温度は0℃〜90℃が好ましく、20℃〜60℃が好ましく、30℃〜50℃がより好ましい。反応時のpHとしては酵素の至適条件下で行うのが望ましいのは言うまでもなく、pH2〜12が好ましく、pH2.5〜8がより好ましい。反応時間は使用する原料と酵素の量に依存するが、通常1〜48時間に設定するのが作業上好ましい。反応の際、この反応物を攪拌しながら反応を行ってもよいし、静置反応でもよい。
本発明により得られた前記酵素処理物、前記酵素処理物を凍結乾燥などにより粉末の酵素処理物などは、アリウム属特有のにおいが少ないものであるため、その後の精製工程などを経ることなく、飲食品、飼料、医薬品、医薬部外品、健康食品などへ配合することができる。
なお、前記酵素処理物などをそのまま使用せず、ろ過、遠心分離などによる固液分離、カラムクロマトグラフィーなどによる精製工程を経る場合であっても、含硫システイン化合物を純度良く得るための精製工程が簡易なものとなるため好ましい。
以下に実施例を挙げて本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらによって限定されるものではない。なお、実施例及び比較例中の測定方法は次の通りである。
1.HPLC分析条件
(1)S−アルケニルシステイン関連化合物
カラム:CapcellPakSCXUGcolumn(φ4.6×250mm、資生 堂製)
カラム温度:45℃
移動相:10mM KHPO水溶液(pH2.5)
流速:1mL/min
測定波長:210nm
(2)アリシン
カラム:ResolveC18(φ3.9×150mm、ウォーターズ製)
カラム温度:40℃
移動相:メタノール:水=50:50(v/v)
流速:0.4mL/min
測定波長:254nm
実施例1
ニンニク(品種名:福地ホワイト)1kgの芯を除去した後、約2〜3cmの鱗片に分け、マイクロ波加熱装置にて加熱処理(周波数:2.45GHz、出力:2000W、照射時間:2分間)を施した。その後、純水1Lを添加して石臼式粉砕機(増幸産業製、商品名:スーパーマスコロイダー)にて摩砕し、ニンニクペーストを得た。そのペーストに対して、1gのプロテアーゼ(天野エンザイム製、商品名:プロチンSD−NY10(タンパク分解力 7万単位/g))を添加して撹拌した後、40℃に保温して48時間反応させた。反応終了後、80℃に温度を上げて、添加した酵素を失活させた後、そのまま凍結乾燥・粉砕して粉末を得た。粉末中の含硫システイン化合物の含有量をHPLCで分析したところ、S−アリルシステイン含有量は0.85g/粉末100g、S−1−プロペニルシステイン含有量は1.03g/粉末100g、S−メチルシステイン含有量は0.11g/粉末100gであった。また、ニンニク特有のにおいであるアリシンの含有量は35ppmであった。
比較例1
マイクロ波加熱装置にて加熱処理を施さない以外は、実施例1と同様の操作にて粉末を得た。粉末中の含硫システイン化合物の含有量をHPLCで分析したところ、S−アリルシステイン含有量は0.76g/粉末100gであり、S−1−プロペニルシステイン含有量は0.91g/粉末100g、S−メチルシステイン含有量は0.07g/粉末100gであった。また、ニンニク特有のにおいであるアリシンの含有量は1,200ppmであった。
比較例2
プロテアーゼ(天野エンザイム製、商品名:プロチンSD−NY10)を添加しない以外は、実施例1と同様の操作にて粉末を得た。その粉末中のS−アリルシステイン含有量は0.007g/粉末100gであり、S−1−プロペニルシステイン含有量は0.008g/粉末100g、S−メチルシステイン含有量は、検出限界以下であった。また、ニンニク特有のにおいであるアリシンの含有量は38ppmであった。
実施例2
ギョウジャニンニク1kgを、マイクロ波加熱装置にて加熱処理(周波数:2.45GHz、出力:2000W、照射時間:2分間)を施した。その後、包丁で5cm程度に切断した後、純水1Lを添加して石臼式粉砕機(増幸産業製、商品名:スーパーマスコロイダー)にて摩砕しギョウジャニンニクペーストを得た。そのペーストに対して、1.5gのアルカリ性プロテアーゼ((エイチ・ビイ・アイ製、商品名:オリエンターゼ22BF(タンパク分解力 22万単位/g))を添加して撹拌しながら、40℃に保温して48時間反応させた。反応終了後、80℃に温度を上げて、添加した酵素を失活させた後、そのまま凍結乾燥・粉砕して粉末を得た。粉末中の含硫システイン化合物の含有量をHPLCで分析したところ、S−アリルシステイン含有量は0.56g/粉末100g、S−1−プロペニルシステイン含有量は0.71g/粉末100g、S−メチルシステインの含有量は0.09g/粉末100gであった。また、アリシンの含有量は12ppmであった。
実施例3
アサツキ1kgを、マイクロ波加熱装置にて加熱処理(周波数:2.45GHz、出力:500W、照射時間:2分間)を施した。その後、純水2Lを添加して石臼式粉砕機(増幸産業製、商品名:スーパーマスコロイダー)にて摩砕しアサツキペーストを得た。そのペーストに対して、2gのプロテアーゼ(天野エンザイム製、商品名:プロテアーゼM「アマノ」SD(タンパク分解力 4万単位/g))を添加し、40℃に保温して撹拌しながら48時間反応させた。反応終了後、80℃に温度を上げて、添加した酵素を失活させた後、スプレードライヤーにて噴霧乾燥・粉末化した。その粉末中のS−アリルシステイン含有量をHPLCで分析したところ、検出限界以下であり、S−1−プロペニルシステイン含有量は0.51g/粉末100g、S−メチルシステインは検出限界以下であった。また、アリシンの含有量をHPLCで分析したところ、9ppmであった。
実施例4
ニンニク(品種名:福地ホワイト)1kgの芯を除去して、鱗片に分け、蒸気で加熱処理(温度:110℃、時間:10分)した。その後、純水1Lを添加して石臼式粉砕機(増幸産業製、商品名:スーパーマスコロイダー)にて摩砕してニンニクペーストを得た。そのペーストに対して、1gのプロテアーゼ((天野エンザイム製、商品名:プロレザーFG−F、バチルスズブチルス(Bacillus subtillus)由来(タンパク分解力 10万単位/g))と0.5gのキシラナーゼ(エイチ・ビイ・アイ製、商品名:セルロシンTP25(アラビノキシラン糖化力 2.5万単位/g))を添加して撹拌した後、40℃に保温して48時間反応させた。反応終了後、80℃に温度を上げて、添加した酵素を失活させた後、そのまま凍結乾燥・粉砕して粉末を得た。粉末中の含硫システイン化合物の含有量をHPLCで分析したところ、S−アリルシステイン含有量は1.05g/粉末100g、S−1−プロペニルシステイン含有量は1.24g/粉末100g、S−メチルシステイン含有量は0.21g/粉末100gであった。また、ニンニク特有のにおいであるアリシンの含有量は43ppmであった。
比較例3
前記蒸気加熱処理を施さない以外は、実施例4と同様にして粉末を得た。粉末中の含硫システイン化合物の含有量をHPLCで分析したところ、S−アリルシステイン含有量は0.81g/100g、S−1−プロペニルシステイン含有量は0.91g/粉末100g、S−メチルシステイン含有量は、0.08g/粉末100gであった。また、ニンニク特有のにおいであるアリシンの含有量は1,200ppmであった。
実施例5
実施例1と同様の操作にてニンニクペーストを得た後、該ペーストに対して、1gのラクターゼ(天野エンザイム製、商品名:ビオラクタFN5(乳糖分解力 5千単位/g)を添加して撹拌した後、40℃に保温して48時間反応させた。反応終了後、80℃に温度を上げて、添加した酵素を失活させた後、純水1Lを添加した後にろ過し、1.8Lのろ液を得た。ろ液中の含硫システイン化合物の含有量をHPLCで分析したところ、S−アリルシステイン含有量は0.19g/ろ液100g、S−1−プロペニルシステイン含有量は0.23g/ろ液100g、S−メチルシステイン含有量は0.02g/ろ液100gであった。また、ニンニク特有のにおいであるアリシンの含有量は20ppmであった。
実施例6
実施例5により得られたろ液に180gのシクロデキストリンを添加・混合したものを凍結乾燥・粉砕して粉末を得た。その粉末中のS−アリルシステイン含有量をHPLCで分析したところ、1.92g/粉末100gであり、S−1−プロペニルシステイン含有量は2.28g/粉末100g、S−メチルシステインは2.43g/粉末100gであった。また、ニンニク特有のにおいであるアリシンの含有量は5ppmであった。
比較例4
プロテアーゼ(天野エンザイム製、商品名:プロチンSD−NY10)を添加しない以外は、比較例1と同様の操作にて粉末を得た。その粉末中のS−アリルシステイン含有量は0.007g/粉末100g、S−1−プロペニルシステイン含有量は0.008g/粉末100g、S−メチルシステイン含有量は検出限界以下であった。また、ニンニク特有のにおいであるアリシンの含有量は1,300ppmであった。
表1に示すように、特定のアリウム属植物に酵素を作用させた実施例1〜6においては、酵素処理物中の含硫システイン化合物量が高く、臭気成分であるアリシンの含有量が非常に少なかったため、アリウム属特有のにおいが非常に少なかった。一方、比較例1、3においては加熱処理を施さないアリウム属植物を用いたため、比較例2においては酵素を添加しなかったため、比較例4においては加熱処理を施さないアリウム属植物を用い酵素を添加しなかったため、含硫システイン化合物がほとんど遊離しないか又は臭気成分であるアリシンの含有量が非常に高いものであった。



Claims (6)

  1. 加熱処理したアリウム属植物に、Bacillus Subtilis由来のプロテアーゼ及びラクターゼの少なく一方を含む酵素を作用させて、S−アリルシステイン、S−1−プロペニルシステイン、及びS−メチルシステインのうち少なくとも1種を含む含硫システイン化合物を遊離させることを特徴とする含硫システイン化合物の製造方法。
  2. 前記アリウム属植物が、ニンニクであることを特徴とする請求項1記載の含硫システイン化合物の製造方法。
  3. 前記含硫システイン化合物を遊離させる際の反応温度が、20℃〜60℃であることを特徴とする請求項1又は2記載の含硫システイン化合物の製造方法。
  4. 前記含硫システイン化合物を遊離させる際の反応時のpHが、2〜12であることを特徴とする請求項1〜3いずれか1項に記載の含硫システイン化合物の製造方法。
  5. 前記含硫システイン化合物を遊離させる際の反応時間が、1〜48時間であることを特徴とする請求項1〜4いずれか1項に記載の含硫システイン化合物の製造方法。
  6. 前記加熱処理が、蒸気加熱処理またはマイクロ波加熱処理であることを特徴とする請求項1〜5いずれか1項に記載の含硫システイン化合物の製造方法。
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