JP2009159997A - 低分子化ハチノコ含有食品組成物及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】アレルゲン量が低減されたハチノコ含有食品組成物およびその製造方法を提供する。
【解決手段】ハチノコ又はその加工物をタンパク質分解酵素処理することを特徴とする、低分子化ハチノコ含有食品組成物の製造方法、及びハチノコ又はその加工物をタンパク質分解酵素処理することによって製造される低分子化ハチノコ含有食品組成物。
【選択図】なし
【解決手段】ハチノコ又はその加工物をタンパク質分解酵素処理することを特徴とする、低分子化ハチノコ含有食品組成物の製造方法、及びハチノコ又はその加工物をタンパク質分解酵素処理することによって製造される低分子化ハチノコ含有食品組成物。
【選択図】なし
Description
本発明は低分子化ハチノコ含有食品組成物及びその製造方法に関する。
ハチノコを乾燥して粉砕させた粉末を原料とする健康食品が知られている。この健康食品は、ハチノコの有する蛋白質、アミノ酸、ビタミン及びミネラルを豊富に含有し、自律神経失調症、更年期障害等に対する改善作用が認められている。
このようにハチノコは、有用な天然素材であるが、一方でそれらに含まれるタンパク質に由来してアレルギー反応を引き起こす場合がある。
特許文献1には、孵化後70時間から75時間程度の幼虫をローヤルゼリー採取用の人工王台枠の人工王腕に移虫し、さらに65時間〜75時間経過して得られる幼虫を熱処理し、乾燥し、粉砕することを特徴とする女王蜂幼虫の粉末の製造方法、及び孵化後13日から17日を経た働き蜂のさなぎを熱処理し、乾燥し、粉砕することを特徴とする働き蜂さなぎの粉末の製造方法が開示されている。
しかしながら、この方法により製造された粉末は、水に対して不溶性であるため、飲料等に添加すると懸濁、沈殿等を生じ、食感にも多少のざらつき感があるため、食品への適用範囲が狭いという問題がある。その上、アレルゲン量を低減させることについても考慮されていない。
本発明は、アレルゲン量が低減されたハチノコ含有食品組成物およびその製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記の目的を達成するために検討を重ねた結果、ハチノコ又はその加工物をタンパク質分解酵素により処理することにより、アレルゲン量が低減できることを見出した。そこで、本発明者らは、かかる方法によれば、ハチノコについて、タンパク質を低分子化してアレルギー性を低減させることができることを確信し、本発明を完成するに至った。
本発明はかかる知見に基づいて完成したものであり、下記の実施態様を備えるものである。
項1.ハチノコ又はその加工物をタンパク質分解酵素処理することを特徴とする、低分子化ハチノコ含有食品組成物の製造方法。
項2.ハチノコ又はその加工物をタンパク質分解酵素処理することによって製造される低分子化ハチノコ含有食品組成物。
項1.ハチノコ又はその加工物をタンパク質分解酵素処理することを特徴とする、低分子化ハチノコ含有食品組成物の製造方法。
項2.ハチノコ又はその加工物をタンパク質分解酵素処理することによって製造される低分子化ハチノコ含有食品組成物。
本発明によれば、低分子化ハチノコ含有食品組成物ならびにその製造方法を提供することができ、当該方法によって得られる低分子化ハチノコ含有食品組成物は、アレルギーの原因となりえるタンパク質が低分子化される結果、アレルギー性が低減された商品として有用である。
更に、本発明によれば、ハチノコ又はその加工物をタンパク質分解酵素で処理することにより、ハチノコ又はその加工物に含まれるタンパク質が分解されて低分子化され、水溶性となるので、飲料等に添加しても沈殿や懸濁を生じにくくすることができる。また、ざらつき感がなくなって舌触りが滑らかになり、食感を改善することができる。更に、タンパク質が低分子化されるので、腸内における吸収性が良好となり、生理活性を高めることが期待できる。
本発明の低分子化ハチノコ含有食品組成物の製造方法は、ハチノコ又はその加工物をタンパク質分解酵素処理することを特徴とする。また、本発明の低分子化ハチノコ含有食品組成物は、ハチノコ又はその加工物をタンパク質分解酵素処理することにより製造されることを特徴とする。
ここでハチノコとは、蜂の幼虫およびさなぎを意味する。蜂の種類は特に制限されず、在来種のミツバチ、西洋ミツバチなどの在来種以外のミツバチ、アフリカ蜂化ミツバチ、スズメバチ(クロスズメバチを含む)、アシナガバチ、マルハナバチなど、公知の蜂を広く用いることができる。好ましくは在来種または在来種以外のミツバチであり、より好ましくは入手の容易性から西洋ミツバチである。なお、雄と雌の別は問わないが、好ましくは雄である。
幼虫およびさなぎは、卵から孵化したものであれば特に制限されないが、好ましくは孵化後16〜23日経過した蜂の幼虫およびさなぎ、より好ましくは孵化後18〜21日経過した蜂の幼虫およびさなぎが用いられる。
ハチノコは、体内に栄養素を蓄積している。特に、ミツバチの雄は古くから漢方の素材として使用されており、必須アミノ酸を含む各種アミノ酸をバランスよく含むほか、蛋白質、脂質、糖類、ビタミンB類や葉酸、ニコチン酸、パントテン酸等のビタミン類、亜鉛・セレン(セレニウム)などのミネラルを豊富に含んでいる。ハチノコの生理活性や薬理作用としては、抗菌作用、抗炎症作用、抗ウイルス作用、抗原虫作用、および耳鳴り解消作用等が知られている。
本発明においてハチノコは、生のハチノコおよび生のハチノコを加工処理した状態で使用される。ハチノコの加工物として、具体的には、ハチノコ(生または乾燥物)を粉砕したもの、ハチノコ(生または粉砕物)を乾燥したもの、およびハチノコ(生、乾燥物または粉砕物)を加熱処理したもの、ハチノコを水、または含水エタノール等により抽出したものが含まれる。好ましくは、ハチノコ(生)を乾燥した後、粉砕することによって調製されるハチノコの乾燥粉末を挙げることができる。
本発明でいう「ハチノコ」という用語には、特に言及しない限り、生のハチノコに加えて、当該ハチノコに乾燥、粉砕または加熱の処理を施した加工物、及びハチノコ(生、乾燥物および粉砕物を含む)を水、または含水エタノール等により抽出したものが含まれる。
ハチノコを加熱する方法は、特に制限されないが、好ましくは70〜120℃で熱処理する方法を挙げることができる。簡便には沸騰した水中にハチノコ(生、乾燥物および粉砕物を含む)を投入して加熱処理することもできるが、各種のビタミンやアミノ酸等の有効成分の溶出をできるだけ避けるためには、加熱処理としてハチノコを蒸気で蒸す方法が好適に使用される。
乾燥方法としては、通風乾燥や天日乾燥などの自然乾燥、電気などで加熱して乾燥させる強制乾燥、および凍結乾燥など、一般食品加工で採用される公知のいずれの方法を使用することができる。好ましくは、凍結乾燥である。なお、乾燥時間は特に制限されないが、通風や天日乾燥などの自然乾燥の場合は、約3日程度、電気などで加熱して強制乾燥させる場合は、50℃程度で1〜3日程度を挙げることができる。通常、水分含量が10質量%以下、好ましくは5質量%以下になるように乾燥させることが好ましい。なお、通風や天日乾燥などの自然乾燥の場合のように水分含量を10質量%以下にすることが難しい場合は、その後、凍結乾燥機にかけてさらに水分を下げる処理を行ってもよい。
粉砕処理(粉末化処理)は、粉砕器(ミル)を用いて粉砕する方法、石臼を用いてすりつぶす方法など、公知のいずれの方法を使用して行ってもよい。
抽出方法は、ハチノコ(生、乾燥物および粉砕物を含む)に水または含水エタノール等を添加し、攪拌した後、遠心分離により上清を得る方法、またはろ紙によるろ過を行い、ろ液を得る方法などが用いられる。
本発明が対象とする低分子化ハチノコ含有食品組成物は、ハチノコ及びその加工物を酵素で処理したもの、特にタンパク質分解酵素(ペプチダーゼ)で処理したものである。当該タンパク質分解酵素で処理されることによりハチノコ及びその加工物に含まれるタンパク質が低分子化され、当該タンパク質に起因するアレルギー反応が抑制されてなる酵素処理物(低アレルゲン化酵素処理物)が得られることが期待される。
ハチノコ及びその加工物を酵素処理するのに使用されるタンパク質分解酵素としては、ペプチダーゼを好適に挙げることができる。使用されるペプチダーゼは、エンドペプチダーゼ作用とエキソペプチダーゼ作用の少なくとも一方を有していればよい。
本発明で使用することができるエンドペプチダーゼとしては、少なくともエンドペプチダーゼ活性を有するタンパク質分解酵素であれば如何なるものであってもよい。例えば、動物由来(例えば、トリプシン、キモトリプシン等)、植物由来(例えば、パパイン等)、又は微生物由来(例えば、乳酸菌、酵母、カビ、枯草菌、放線菌等)のエンドペプチダーゼを広く例示することができる。
エキソペプチダーゼとしては、少なくともエキソペプチダーゼ活性を有するタンパク質分解酵素であれば如何なるものであってもよい。例えば、カルボキシペプチダーゼ、アミノペプチダーゼ、若しくは微生物由来(例えば、乳酸菌、アスペルギルス属菌、リゾープス属菌等)のエキソペプチダーゼ、又はエンドペプチダーゼ活性も併せて有するパンクレアチン、ペプシン等を例示することができる。
ところでペプチダーゼには、実質的にエキソペプチダーゼ作用のみを有するエキソペプチダーゼ、実質的にエンドペプチダーゼ作用のみを有するエンドペプチダーゼ、並びにエキソペプチダーゼ作用とエンドペプチダーゼ作用の両方を有するペプチダーゼが存在する。これらのうち、エキソペプチダーゼ作用とエンドペプチダーゼ作用の両方を有する酵素は、エンドペプチダーゼ作用が強力な場合には「エンドペプチダーゼ」として使用可能であり、エキソペプチダーゼ作用が強力な場合には「エキソペプチダーゼ」として使用可能であり、エキソペプチダーゼ作用とエンドペプチダーゼ作用が同等またはほぼ同等の場合には、エンドペプチダーゼ作用とエキソペプチダーゼ作用を同時に有するペプチダーゼとして使用可能である。
このようなペプチダーゼのうち、エキソペプチダーゼ作用を有する酵素の好ましい例としては、例えばアスペルギルス・オリゼー(Aspergillusorizae)産生ペプチダーゼ(商
品名:ウマミザイムG、Promod192P、Promod 194P、スミチームFLAP)、アスペルギルス・ソーエ(Aspergillus sojae)産生ペプチダーゼ(商品名:Sternzym B15024)、アスペルギルス属産生ペプチダーゼ(商品名:コクラーゼP)、リゾプス・オリゼー(Rhizopus oryzae)産生ペプチダーゼ(商品名:ペプチダーゼR)を挙げることができる。
品名:ウマミザイムG、Promod192P、Promod 194P、スミチームFLAP)、アスペルギルス・ソーエ(Aspergillus sojae)産生ペプチダーゼ(商品名:Sternzym B15024)、アスペルギルス属産生ペプチダーゼ(商品名:コクラーゼP)、リゾプス・オリゼー(Rhizopus oryzae)産生ペプチダーゼ(商品名:ペプチダーゼR)を挙げることができる。
またエンドペプチダーゼ作用を有するペプチダーゼの好ましい例としては、例えばバチルス・サブチリス(Bacillus subtilis)産生ペプチダーゼ(商品名:オリエンターゼ22BF、ヌクレイシン、Sternzym BP 5200)、バチルス・リシェニフォルミス(Bacillus licheniformis)産生ペプチダーゼ(商品名:アルカラーゼ)、バチルス・ステアロサーモフィラス(Bacillus stearothermophilus)産生ペプチダーゼ(商品名:プロテアーゼS)、バチルス・アミロリケファシエンス(Bacillus amyloliquefaciens)産生ペプチダーゼ(商品名:ニュートラーゼ)、バチルス属産生ペプチダーゼ(商品名:プロタメックス)を挙げることができる。
さらに、エキソペプチダーゼ作用とエンドペプチダーゼ作用の両方を有するペプチダーゼ、特にアルカリ性ペプチダーゼの好ましい例としては、例えばストレプトマイセス・グリセウス(Streptomyces griseus)産生ペプチダーゼ(商品名:アクチナーゼAS)、アスペルギルス・オリゼー(Aspergillus orizae)産生ペプチダーゼ(商品名:プロテアーゼA、フレーバーザイム)、アスペルギルス・メレウス(Aspergillus melleus)産生ペプチダーゼ(商品名:プロテアーゼP)を挙げることができる。
ハチノコ及びその加工物に対するタンパク質分解酵素の使用量は、使用するハチノコ及びその加工物の濃度、酵素力価、反応温度及び反応時間により異なるが、一般的には、ハチノコ及びその加工物に含まれる蛋白質1g当り50〜10000作用単位の割合でタンパク質分解酵素を用いることが好ましい。尚、このとき、タンパク質分解酵素のハチノコへ及びその加工物の添加は、一度に添加してもよく、少量ずつ分割して添加してもよい。
タンパク質分解酵素処理に際してハチノコ及びその加工物の溶液及び分散液のpHは、使用酵素の至適pHに対応して、pH2〜12、好ましくはpH7.5〜10、より好ましくはpH7.8〜9の範囲から選択される。具体的には、前記ハチノコ及びその加工物の溶液及び分散液にタンパク質分解酵素を添加する前に、使用する酵素の種類によりpH2〜12、好ましくはpH7.5〜10、より好ましくはpH7.8〜9の範囲内になるように、酸、アルカリ剤、あるいは緩衝剤の添加により所望のpHに調整される。この場合、酸としては、塩酸、硫酸、硝酸、リン酸、酢酸などを;アルカリ剤としては水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸カリウム等を;また、緩衝剤としては、ホウ酸緩衝剤、リン酸緩衝剤、炭酸緩衝剤、クエン酸緩衝剤、酢酸緩衝剤などをそれぞれ例示することができる。
なお、ハチノコ及びその加工物は、そのまま、または水に溶解もしくは分散させた状態でタンパク質分解酵素処理に供することができるが、これらが乾燥形態である場合は、水に溶解させた状態でタンパク質分解酵素処理に供することが好ましい。
タンパク質分解酵素処理の温度は、特に制限はなく、実用に供せられ得る範囲、即ち、通常20〜70℃の範囲から選択される。好ましくは40〜60℃の範囲である。
タンパク質分解酵素処理の停止は、タンパク質分解酵素を失活又は除去することにより行う。失活操作は、簡便には加熱処理(例えば、85℃で15分間等)により行うことができる。
なお、本発明における低分子化ハチノコ含有組成物は、少なくとも前述するタンパク質分解酵素処理を行うことによってタンパク質が低分子化されてなるハチノコ及びその加工物であればよく、本発明の効果を損なわないことを限りに、タンパク質分解酵素処理だけでなく、その他の酵素との組み合わせ処理、例えばタンパク質分解酵素処理とあわせて糖分解酵素処理したハチノコ及びその加工物も含まれる。
斯くして製造される低分子化ハチノコ含有組成物は、その後、ドリンク剤やシロップ剤などの液剤の形態に調製されてもよいし、半液体形態、または固体形態に調製されてもよい。半液体形態としてはペースト状およびゼリー状の形態が、固体形態としては凍結乾燥物(例えば凍結乾燥粉末)、錠剤(トローチ、チュアブル錠、糖衣錠などを含む)、カプセル、顆粒などの形態を挙げることができる。なお、凍結乾燥物は、タンパク質分解酵素処理を行った酵素処理ハチノコ組成物を、凍結乾燥処理に供することによって製造することができる。なお、凍結乾燥処理は定法に従って行うことができる。
以下、本発明を実験例および実施例により詳細に説明する。しかし、本発明はこれら実験例等になんら限定されるものではない。
実験例
<実験方法>
各試料について、タンパク質濃度(mg/ml)を、BCA(登録商標) Protein Assay Kit (PIERCE社製)を用いて測定した。
<実験方法>
各試料について、タンパク質濃度(mg/ml)を、BCA(登録商標) Protein Assay Kit (PIERCE社製)を用いて測定した。
実験例1.
<試料の調製>
ハチノコ粉末5 gをビーカーに量りとり、イオン交換水15 mlを加えて均一になるまで攪拌してハチノコ粉末の水分散液を調製した。これにトリプシン(Pancreatic Trypsin Novo:novozyme社製)、パパイン(パパインW-40:アマノエンザイム社製)、またはペプチダーゼ(Sternzym BP 5200:SternEnzym社製)0.05 gを加え、攪拌しながら混合した。次にNaOHを用いてpHをそれぞれ、トリプシンを加えたものは7.5、パパインを加えたものは5.1または7.8、Sternzym BP 5200を加えたものは7.2に調整した。この反応混合物を50℃の条件下で24時間反応させて酵素処理を行った。酵素処理後、温度を80℃に上げて酵素を失活させた後、水冷した。
<実験結果>
酵素処理前(未処理)のタンパク質濃度(mg/ml)と酵素処理後のタンパク質濃度(mg/ml)を測定した結果を表1に示す。
<試料の調製>
ハチノコ粉末5 gをビーカーに量りとり、イオン交換水15 mlを加えて均一になるまで攪拌してハチノコ粉末の水分散液を調製した。これにトリプシン(Pancreatic Trypsin Novo:novozyme社製)、パパイン(パパインW-40:アマノエンザイム社製)、またはペプチダーゼ(Sternzym BP 5200:SternEnzym社製)0.05 gを加え、攪拌しながら混合した。次にNaOHを用いてpHをそれぞれ、トリプシンを加えたものは7.5、パパインを加えたものは5.1または7.8、Sternzym BP 5200を加えたものは7.2に調整した。この反応混合物を50℃の条件下で24時間反応させて酵素処理を行った。酵素処理後、温度を80℃に上げて酵素を失活させた後、水冷した。
<実験結果>
酵素処理前(未処理)のタンパク質濃度(mg/ml)と酵素処理後のタンパク質濃度(mg/ml)を測定した結果を表1に示す。
実験例2.
<試料の調製>
ハチノコ粉末1 gをビーカーに量りとり、イオン交換水4 mlを加えて均一になるまで攪拌してハチノコ粉末の水分散液を調製した。これにトリプシン(Pancreatic Trypsin Novo:novozyme社製)、パパイン(パパインW-40:アマノエンザイム社製)、ペプシン(日本バイオコン社製)またはペプチダーゼ(Sternzym BP 5200:SternEnzym社製、アクチナーゼAS:科研製薬、プロタメックス: ノボザイムズ ジャパン社製)0.1 gを加え、攪拌しながら混合した。この反応混合物を50℃の条件下で24時間反応させて酵素処理を行った。酵素処理後、温度を80℃に上げて酵素を失活させた後、水冷した。
<実験結果>
酵素処理前(未処理)のタンパク質濃度(mg/ml)と酵素処理後のタンパク質濃度(mg/ml)を測定した結果を表2に示す。
<試料の調製>
ハチノコ粉末1 gをビーカーに量りとり、イオン交換水4 mlを加えて均一になるまで攪拌してハチノコ粉末の水分散液を調製した。これにトリプシン(Pancreatic Trypsin Novo:novozyme社製)、パパイン(パパインW-40:アマノエンザイム社製)、ペプシン(日本バイオコン社製)またはペプチダーゼ(Sternzym BP 5200:SternEnzym社製、アクチナーゼAS:科研製薬、プロタメックス: ノボザイムズ ジャパン社製)0.1 gを加え、攪拌しながら混合した。この反応混合物を50℃の条件下で24時間反応させて酵素処理を行った。酵素処理後、温度を80℃に上げて酵素を失活させた後、水冷した。
<実験結果>
酵素処理前(未処理)のタンパク質濃度(mg/ml)と酵素処理後のタンパク質濃度(mg/ml)を測定した結果を表2に示す。
酵素処理されたハチノコ粉末は、未処理ハチノコ粉末に比べ沈殿や懸濁を生じにくく、また、ざらつき感がなくなって舌触りが滑らかになり、食感を改善することができた。
表1及び2から、未処理のものと比べて酵素処理したものはタンパク質濃度が低下しているが、これはタンパク質が酵素処理により低分子化された結果、一部のタンパク質が上記測定方法の検出限界下まで分解されたためである。この結果からわかるように、ハチノコを酵素処理することによって、タンパク質を低分子化(アレルゲンの低減化による低アレルギー化)することができることが判明した。
実施例
以下、本発明の食品組成物の実施例を示す。
以下、本発明の食品組成物の実施例を示す。
食品製剤
上記実験例で得られたパパイン処理ハチノコ粉末250 mgをハードカプセルに充填し、食品製剤を得た。
上記実験例で得られたパパイン処理ハチノコ粉末250 mgをハードカプセルに充填し、食品製剤を得た。
食品素材
上記実験例で得られたSternzym BP 5200処理ハチノコ粉末200 mgにショ糖脂肪酸エステル3 mg、結晶セルロース60 mgを混合・打錠し、錠剤の食品素材を得た。
上記実験例で得られたSternzym BP 5200処理ハチノコ粉末200 mgにショ糖脂肪酸エステル3 mg、結晶セルロース60 mgを混合・打錠し、錠剤の食品素材を得た。
Claims (2)
- ハチノコ又はその加工物をタンパク質分解酵素処理することを特徴とする、低分子化ハチノコ含有食品組成物の製造方法。
- ハチノコ又はその加工物をタンパク質分解酵素処理することによって製造される低分子化ハチノコ含有食品組成物。
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