先ず、本発明の参考となる技術について説明し、次に、本発明の実施の形態について説明する。
(1)第1の参考例
<カード処理装置の構成>
図1乃至図5を用いて本発明の参考となるカード処理装置100の構成を説明する。カード処理装置100は、ベース1の上端部に非接触型IC(Integrated Circuit)カードCA(以下、これを単にカードCAと呼ぶ)を挿入または返却するためのカード挿入口兼返却口1aが設けられるとともに、ベース1を構成している表面側ベース1fmに対してカバー2が装着可能な全体外観構成を有している。
表面側ベース1fmにおける左右両側上端部にはシャッタ3、3が設けられ、当該シャッタ3、3における下方端部のシャッタ軸3a、3aを介してリンク4、4と連結されているとともに、スライダ5の左右両側端部に形成された突起5d、5dと当該リンク4の下端部とが係合連結されている。
図2および図3に示されるように、ベース1を構成している表面側ベース1fmのほぼ中央に平行に設けられた縦長のベース溝1c、1cにはスライダ5が矢印A−B方向へスライド自在に係合されているとともに、スライダ5の中央に縦長に設けられたスライダ溝5eに対して表面側ベース1fm上に立設された突起部1eが係合されている。
スライダ5は、スライダ溝5eとは直交する矢印E方向へ向かって突出した突出部5b(図4、図5)を有し、当該突出部5bが表面側ベースfmから矢印E側へ向かって突出している。またスライダ5には、当該スライダ5の下方に設けられたストッパ10の爪10bと係合するための係合孔5aが当該ストッパ10の延長線上方の所定位置に形成されている。
スライダ5の左右両側にはバネ6、6が設けられ、当該スライダ5の左右両側下方端部とバネ6、6の下端部とが取り付けられるとともに、バネ6、6が矢印A−B方向へ向かって互いに平行となるように、当該バネ6、6の上端が表面側ベース1fm上の所定位置に取り付けられている。このバネ6、6は、図2に示されるように、カードCAが未だ挿入されていない未挿入時の位置にスライダ5を戻すように矢印A方向へ常時付勢している。
スライダ5の下方に設けられたストッパ10は、表面側ベース1fmから矢印F方向へ突設されたボス1gに対して軸10aを中心に回動自在に取り付けられている。ストッパ10の近傍には第1の電磁ソレノイド9が設けられ、そのプランジャ9aに固定されたピン11がストッパ10の係合部10cの長孔10hに摺動自在に係合されている。
第1の電磁ソレノイド9は、図2に示されるように、電流が印加されない状態ではプランジャ9aが上方に位置されているので、このとき図4に示されるように、ストッパ10が時計回り方向へ付勢され、当該ストッパ10の爪10bがスライダ5の係合孔5aに係合された状態が維持されるように構成されている。
一方、第1の電磁ソレノイド9は、図5に示されるように、電流が印加されるとプランジャ9aが吸引されるので、当該プランジャ9aとともにピン11が下方へ移動することになる。
このとき、ピン11がストッパ10の係合部10cの長孔10hの中で下方へ移動し、当該長孔10hの下端に当接された状態でプランジャ9aが更に吸引され続けることにより、軸10aを中心としてストッパ10が反時計回り方向へ回転されるように構成されている。なお、スライダ5、電磁ソレノイド9およびストッパ10によってカードCAをカード挿入口兼返却口1aから上方へ返却するカード返却部を構成する。
図6乃至図9に示すように、ベース1の裏面側ベース1bmには、第2の電磁ソレノイド13が設けられ、裏面側ベース1bmに設けられた囲い壁1hの中に取り付けられている。第2の電磁ソレノイド13の上方には、ロックレバー14が設けられ、当該ロックレバー14の上方には開放レバー18が設けられている。
ロックレバー14は、そのロックレバー軸15が裏面側ベース1bmの囲い壁1hを貫通した状態で当該囲い壁1hに取り付けられるともに、当該囲い壁1hに対しロックレバー軸15を中心として回動自在に支持されている。ロックレバー14には円弧状の長孔14aが形成されており、当該長孔14aの内部に当該長孔14aの形状に沿って移動するシャフト16が係入されている。
開放レバー18は、開放レバー軸18aを中心として裏面側ベース1bmに回動自在に支持されている。この開放レバー18の中央には、第2の電磁ソレノイド13のプランジャ13aの内部空間に嵌合されるべき嵌合部18bが矢印E方向に向かって突出しており、当該嵌合部18bが第2の電磁ソレノイド13のプランジャ13aに嵌合固定されることにより、開放レバー18と第2の電磁ソレノイド13のプランジャ13aとが互いに連結されている。
ロックレバー14のシャフト16は、開放レバー18の嵌合部18bが第2の電磁ソレノイド13のプランジャ13aに嵌合固定された状態の当該プランジャ13aの中心を貫通している。すなわちロックレバー14と第2の電磁ソレノイド13のプランジャ13aとがシャフト16を介して互いに連結されているとともに、当該プランジャ13aおよび開放レバー18が当該開放レバー18の嵌合部18bおよびシャフト16を介して互いに連結されているので、ロックレバー14のシャフト16を介して第2の電磁ソレノイド13、ロックレバー14および開放レバー18が相互に連結された状態にある。
開放レバー18の一端18c、18cは、当該開放レバー18の裏側に配置された断面略L字状でなるシュータ19から裏面側ベース1bmの貫通孔1g(図8、図9)を介して矢印E方向へ突び出した係合部19aの係合孔19bに係合されており、開放レバー18が開放レバー軸18aを中心として回転する前の段階で、その一端18c、18cが係合孔19bの遊びの中で移動可能に支持されている。すなわち開放レバー18とシュータ19とは係合部19aを介して連結されている。
シュータ19は、裏面側ベース1bmの上端部の回動軸20を介して取り付けられており、開放レバー18の回転とともに回動軸20を介して回動自在に支持されている。シュータ19の先端には、矢印E方向へ向かって突出した突出部19cが形成されており、突出部19cとロックレバー14の先端14bとが当接するとともに、シュータ19の先端側背面とスライダ5の突出部5bの先端とが当接するように構成されている(図7)。
かくして、表面側ベース1fmと、シュータ19の背面と、スライダ5の突出部5bとにより、カード挿入口兼返却口1aから挿入されたカードCAを一時的に保持し、当該保持されたカードCAの背面側に配置されたリーダライタ12(図4、図5)により当該カードCAに対して所定の処理(データの読み出しや、データの書き込み)を行うためのカード保持空間CHKが形成される。
シュータ19の背面側には、カード保持空間CHKに挿入されたカードCAを左右両側から係止するための爪19tが左右2カ所ずつ合計4個設けられており、カードCAがカード保持空間CHKに挿入されたとき、スライダ5の突出部5bにカードCAの一方の端部が当接されるとともに当該カードCAの左右両側端部が4カ所の爪19tに係止されるように構成されている。すなわちシュータ19はカードCAを保持するカード保持部を構成する。
ところで、電磁ソレノイド13に電流が印加されると、電磁ソレノイド13のプランジャ13aが下方へ吸引されるが、プランジャ13aにはシャフト16が一体化されているため、シャフト16についてもロックレバー14の長孔14aに沿って移動する。シャフト16の移動によりロックレバー14がロックレバー軸15を中心として図中時計回り方向へ回転され始めると同時に(図8)、ロックレバー14の先端14bとシュータ19の突出部19cとの当接状態が解消されるように構成されている。
このとき、プランジャ13aが下方に吸引されるとともに、シャフト16を介して開放レバー18の嵌合部18bが下方に引っ張られ、そのとき開放レバー18の一端18c、18cがシュータ19における係合部19aの係合孔19bの遊びの中で移動する(図8)。
更にプランジャ13aが下方に吸引されると、ロックレバー14の長孔14aに係入されているシャフト16が当該長孔14aに沿って更に移動することにより、当該ロックレバー14がロックレバー軸15を中心として図中時計回り方向へ更に回転され(図9)、その後、シャフト16の移動が長孔14aによって規制されると、その位置でロックレバー14の回転が停止されるように構成されている。
開放レバー18の一端18c、18cと係合孔19bとの間の遊びが無くなると、開放レバー軸18aを中心とした図中反時計回り方向へ開放レバー18が更に回転するとともに、シュータ19が回動軸20を介して図中時計回り方向へ回転(移動)し始め、ロックレバー14の回転停止とともにシュータ19の回転(移動)も停止されるように構成されている(図9)。すなわち、電磁ソレノイド13、シャフト16および開放レバー18は、シュータ19を回転(移動)させるための移動手段を構成するが、この移動手段はロックレバー14が回転し始めない限り、シュータ19を回転(移動)させることはなく、当該ロックレバー14がシュータ19の回転(移動)を規制している。
シュータ19の突出部19cの下方には、表面側ベース1fmと裏面側ベース1bmとの間に形成されたカード導出路1bが配置されている。ここで、表面側ベース1fmは途中に設けられた段差部1fdから矢印B方向に向かって延在するとともに矢印E方向へ傾斜され、裏面側ベース1bmについてもロックレバー14の下方から矢印B方向に向かって延在するとともに矢印E方向へ傾斜されているため、当該ロックレバー14の下方に形成されたカード導出路1bについては所定角度の傾斜が付けられている。
また、カード導出路1bはカード保持空間CHKの延長線上にはなく、シュータ19の突出部19cの下方に配置されており、すなわち、カード導出路1bは、カード保持空間CHKの延長線上からシフトされた位置に設けられている。
<カード収納箱の構成>
次に、カード処理装置100のカード導出路1bを介して回収されるカードCAを収納するカード収納箱について、図10乃至図14を用いて説明する。
カード処理装置100は、第1ブラケット32および第2ブラケット33に取り付けられることにより台31に設置されており、カード導出路1bの延長線上下方に配置された台31にカード収納箱30が固定されている。
図11および図12に示すように、カード収納箱30は、正面部30a、側面部30b、30c、背面部30d、底面部30eにより全体が有底蓋無の直方体形状に形成されている。
このカード収納箱30の内部空間には、図13に示すように、図中断面逆N字状でなるカード収納仕切部材32が設けられ、カード収納箱30の正面部30aの裏面に対してカード収納仕切部材32の接着部32cが接着固定されるとともに、接着部32cと平行でかつ垂直な仕切部32bの下端が底面部30eに接着固定されている。また、仕切部32bと平行でかつ垂直な別部品の仕切部32dが背面部30dに接着固定されている。
接着部32cと仕切部32bとの間にはカードCAが積み重ねられる際の底面を所定角度αに傾斜させた傾斜部32aが形成され、正面部30aの裏面と、傾斜部32aと、仕切部32bとによりカードCAを収納する収納部としての第1のカード収納部33が形成される。カード収納箱30における第1のカード収納部33を除く残りの領域(空間)すなわち仕切部32bから仕切部32dまでの領域(空間)は、第1のカード収納部33と隣接してカードCAが積み重ねられる収納部としての第2のカード収納部34となる。
かくしてカード収納箱30は、カード収納仕切部材32により仕切られた第1のカード収納部33と、第2のカード収納部34とを有している。
<カード処理装置によるカード挿入および返却動作>
カード処理装置100にカードCAが挿入されていない状態(図2)において、図5に示されるようにカードCAがカード挿入口兼返却口1aから挿入されると、バネ6、6により上方に付勢されたスライダ5の突出部5bにカードCAの一方の端部が当接された状態で、当該カードCAが下方へ押し続けられることにより、当該スライダ5がカードCAとともにバネ6、6の付勢力に抗して押し下げられる(図3)。
このとき、図4に示されるように、図中時計回り方向へ付勢されたストッパ10の爪10bと、カードCAの挿入とともに上方から下方へ押し下げられたスライダ5の係合孔5aとが係合され、当該スライダ5がその位置に留まることにより、当該カードCAがシュータ19の爪19tに係止された状態でカード保持空間CHKに保持される。
このときカードCAとリーダライタ12とは互いに対向された配置状態となるため、当該リーダライタ12によりカードCAに対するデータの読み出しや書き込みが行われる。
その後、カードCAに対する返却命令が与えられると、その返却命令に応じて第1の電磁ソレノイド9に電流が印加され、プランジャ9aが下方に吸引されるので、当該プランジャ9aとともにピン11が下方へ移動し、当該ピン11がストッパ10の係合部10cの長孔10hの中で下方へ移動し(図5)、当該長孔10hの下端に当接された状態でプランジャ9aが更に吸引され続けることにより、軸10aを中心としてストッパ10が反時計回り方向へ回転される。
この結果、ストッパ10の爪10bとスライダ5の係合孔5aとの係合状態が解除され、当該スライダ5はバネ6、6の付勢力により上方へ押し上げられ、スライダ5の突出部5bに一方の端部が当接されたカードCAもスライダ5とともに一緒に押し上げられ、当該カードCAの他方の端部がカード挿入口兼返却口1aから僅かに露出する。これによりユーザはカードCAの他方の端部を指で掴んで引き抜くことによりカードCAの返却を受けることができる。
<カード処理装置によるカード回収動作>
ところで、リーダライタ12によりカードCAに対するデータの読み出しや書き込みが行われた後、カードCAに対する回収命令が与えられると、その回収命令に応じて第2の電磁ソレノイド13に電流が印加され、プランジャ13aが下方に吸引される。
但し、カードCAに対するリーダライタ12によるデータの処理を施している際には、例えカードCAに対する返却命令が与えられたとしても、図示しない制御装置は電磁ソレノイド13に対して電流を印加することがない。この場合、ロックレバー14の先端14bとシュータ19の突出部19cとの当接状態が維持されるので(図7)、ロックレバー14によるシュータ19の移動が規制されたままの移動規制状態が継続される。
プランジャ13aが下方に移動されると、図7乃至図9に示されるように、プランジャ13aとともに、ロックレバー14の長孔14aに係入されているシャフト16が当該長孔14aに沿って移動することにより、当該ロックレバー14がロックレバー軸15を中心として図中時計回り方向へ回転され始めると同時に(図8)、ロックレバー14の先端14bとシュータ19の突出部19cとの当接状態が解消される。すなわち、ロックレバー14によるシュータ19の移動規制状態が最初に解除される。
但し、この段階では、ロックレバー14によるシュータ19の移動規制状態が解除されるものの、開放レバー18の一端18c、18cがシュータ19における係合部19aの係合孔19bの遊びの中で移動するだけであるため(図8)、シュータ19は回動軸20を介して回転(移動)されることなく、シュータ19の爪部19tによりカードCAが保持されたままの状態が維持される。
更にプランジャ13aが下方に移動されると、ロックレバー14の長孔14aに係入されているシャフト16が当該長孔14aに沿って更に移動し、当該ロックレバー14がロックレバー軸15を中心として図中時計回り方向へ更に回転された後(図9)、シャフト16の移動が長孔14aによって規制されると、その位置でロックレバー14の回転が停止される。
このとき開放レバー18の一端18c、18cと係合孔19bとの間の遊びが無くなると、開放レバー軸18aを中心とした図中反時計回り方向へ開放レバー18が回転し始めるとともに、シュータ19が回動軸20を介して図中時計回り方向へ回転(移動)し始めるが、ロックレバー14の回転停止とともにシュータ19の回転(移動)も停止される。
この場合、シュータ19の傾斜状態と、カード導出路1bの傾斜状態とが一致するとともに、カード収納空間CHKにおいてカードCAの一方の端部とスライダ5の突出部5bとの当接状態が解消されるので、シュータ19の爪19tに係止されていたカードCAが傾斜した状態で下方へ落下し始め、カード処理装置100の下方に設けられたカード収納箱30に回収される。
<カード収納箱によるカード収納動作>
カード処理装置100のカード導出路1bから排出された回収すべきカードCAをカード収納箱30における第1のカード収納部33および第2のカード収納部34に収納する際のカード収納動作について説明する。
図14に示すように、カード処理装置100におけるカード導出路1bの傾斜に沿って排出されるカードCAは、カード収納箱30に対して落下する際に、その一方の端部がカード収納仕切部材32の傾斜部32aに衝突した後、傾斜部32aの上を滑り、仕切部32bにカードCAの一方の端部が衝突され、その仕切部32bがカードCAに対するストッパとなって傾斜部32aの上にカードCAを順次積み重ねていく。
そして、傾斜部32aに積み重ねられた最上段のカードCAが仕切部32bの高さと同じになった後、次の新たなカードCAがカード処理装置100のカード導出路1bから排出されると、そのカードCAに対してはストッパとなり得る仕切部32bが露出されていないため、当該カードCAが第1のカード収納部33の最上段のカードCAの上を滑って第2のカード収納部34の底面部30eに落下する。
それ以降にカード処理装置100のカード導出路1bから排出されるカードCAは、同様に、第1のカード収納部33から第2のカード収納部34へ落下する。第2のカード収納部34では、第1のカード収納部33からのカードCAの一方の端部が仕切部32dに衝突し、当該仕切部32dをストッパとして当該カードCAの一方の端部が揃えられた状態で当該カードCAを順次積み重ねていく。
第2のカード収納部34に順次積み重ねられるカードCAが仕切部32bの高さを超えたとき、その次にカード処理装置100のカード導出路1bから排出された新たなカードCAの一方の端部が、仕切部32bの高さを1枚分だけ超えて第2のカード収納部34に積み重ねられた最上段のカードCAにおける他方の端部に衝突し、それがストッパの役割を担うことになるので、第1のカード収納部33の最上段のカードCAの上に新たなカードCAが積み重ねられる。
このとき第1のカード収納部33の最上段に位置するカードCAは仕切部32bの高さよりもカード1枚分の高さだけ突出するとともに、第2のカード収納部34の最上段に位置するカードCAも仕切部32bの高さよりもカード1枚分の高さだけ突出しているため、仕切部32bを挟んで両者の高さが揃うことになる。
従って、その次にカード処理装置100のカード導出路1bから排出されたカードCAは、第1のカード収納部33と第2のカード収納部34との間から仕切部32bが突出していないため、第1のカード収納部33に積み上げられた最上段のカードCAの上を滑って第2のカード収納部34へ移動する。
これ以降、カード処理装置100のカード導出路1bから排出されたカードCAは、第1のカード収納部33と第2のカード収納部34とに対して交互に積み重ねられていく。これによりカード収納箱30では、カード処理装置100のカード導出路1bの延長線上の下方に第1のカード収納部33が位置付けられたままの状態でありながら(図10)、当該第1のカード収納部33に収納されるカードCAおよび第2のカード収納部34に収納されるカードCAがカード収納仕切部材32の仕切部32bと同じ高さになった以降、第1のカード収納部33と第2のカード収納部34とに対して交互にカードCAが順次積み重ねられる。
かくしてカード収納箱30では、カード処理装置100のカード導出路1bから排出されるカードCAを効率良く第1のカード収納部33および第2のカード収納部34に振り分けながら可能な限り多くの枚数を収納することができる。
(2)第2の参考例
第2の参考例においては、第1の参考例におけるカード処理装置100と同じであるが、カード収納箱30とは異なる構造のカード収納箱が設けられているため、ここではカード処理装置100の説明は省略し、第2の参考例におけるカード収納箱の構成およびカード収納動作についてのみ説明する。
<カード収納箱の構成>
図13との対応部分に同一符号を付した図15に示すように、第2の参考例におけるカード収納箱40は、その内部空間に図中断面逆N字状でなるカード収納仕切部材42が設けられている。
カード収納仕切部材42は、カード収納箱40の背面部40dに対して当該カード収納仕切部材42の仕切部42dが接着固定されるとともに、仕切部42dと平行でかつ垂直な仕切部42bの下端がカード収納箱40の背面部40dおよび底面部40eに接着固定されている。
仕切部42dと仕切部42bとの間にはカードCAが積み重ねられる際の底面を所定角度αに傾斜させた傾斜部42aが形成され、仕切部42dと、傾斜部42aと、仕切部42bとにより収納部としての第2のカード収納部44が形成される。カード収納箱40における第2のカード収納部44を除く残りの領域(空間)すなわちカード収納箱40の正面部40aの裏面から仕切部42bまでの領域(空間)は、第2のカード収納部44と隣接してカードCAが積み重ねられる収納部としての第1のカード収納部43となる。
かくしてカード収納箱40は、カード収納仕切部材42により第1のカード収納部43と、第2のカード収納部44とを有している。
<カード収納動作>
このように構成されたカード収納箱40に対してカード処理装置100のカード導出路1bから排出された回収すべきカードCAを第1のカード収納部43および第2のカード収納部44に収納する際のカード収納動作について説明する。
カード処理装置100のカード導出路1bの傾斜に沿って排出されるカードCAは、当該カードCAの落下の際に、その一方の端部がカード収納箱40の底面部40eに衝突した後、カード収納仕切部材42の仕切部42bに衝突し、第1のカード収納部43の底面部40e上に順次積み重ねられていく。
そして、積み重ねられた最上段のカードCAがカード収納仕切部材42の仕切部42bの高さと同じになった後に、次の新たなカードCAがカード処理装置100のカード導出路1bから排出されたとき、そのカードCAに対してストッパとなり得る仕切部42bが露出されていないため、当該カードCAが第1のカード収納部43に積み上げられた最上段のカードCAの上を滑って第2のカード収納部44へ落下する。
第2のカード収納部44では、第1のカード収納部43からのカードCAが傾斜部42a上を移動し、仕切部42dをストッパとして当該カードCAの一方の端部が揃えられた状態で当該傾斜部42a上に順次積み重ねられていく。
第2のカード収納部44の傾斜部42a上に積み重ねられるカードCAが仕切部42bの高さを超えたとき、次にカード処理装置100のカード導出路1bから排出された新たなカードCAの一方の端部が、仕切部42bの高さを超えて第2のカード収納部44に積み上げられたカードCAの他方の端部に衝突し、それがストッパの役割を担って、第1のカード収納部43の最上段のカードCAの上に新たなカードCAが積み重ねられる。
このとき第1のカード収納部43の最上段に位置するカードCAは仕切部42bの高さよりもカード1枚分の高さだけ突出するとともに、第2のカード収納部44の最上段に位置するカードCAも仕切部42bの高さよりもカード1枚分の高さだけ突出することになる。すなわち、第の第1のカード収納部43の最上段に位置するカードCAと、第2のカード収納部44の最上段に位置するカードCAとは仕切部42bを挟んで高さが揃うことになる。
従って、その次にカード処理装置100のカード導出路1bから排出されたカードCAは、第1のカード収納部43と第2のカード収納部44との間から仕切部42bが突出していないため、第1のカード収納部43に積み重ねられた最上段のカードCAの上を滑って第2のカード収納部44へ落下する。
これ以降、カード処理装置100のカード導出路1bから排出されたカードCAは、第1のカード収納部43と第2のカード収納部44とに交互に積み重ねられていく。かくしてカード収納箱40では、カード処理装置100のカード導出路1bの延長線上の下方に第1のカード収納部43が位置付けられたままの状態でありながら(図10)、当該第1のカード収納部43に収納されるカードCAがカード収納仕切部材42の仕切部42bと同じ高さになった以降、第1のカード収納部43と第2のカード収納部44とに対して交互にカードCAが順次積み重ねられる。
かくしてカード収納箱40では、カード処理装置100のカード導出路1bから排出されるカードCAを効率良く第1のカード収納部43および第2のカード収納部44に振り分けながら可能な限り多くの枚数を収納することができる。なお、カード収納箱40では、カード導出路1bから排出されるカードCAに勢いを付けて第1のカード収納部43から第2のカード収納部44へ確実に収納するため、カードCAが落下する傾斜部42aの高さ位置や角度を変更するようにしても良い。
(3)第1の実施の形態
第1の実施の形態においては、第1の参考例におけるカード収納箱30とは異なる構造のカード収納箱が設けられている以外、カード処理装置100については同様であるため、その説明は省略し、第1の実施の形態におけるカード収納箱の構成およびカード収納動作についてのみ説明する。
<カード収納箱の構成>
図13との対応部分に同一符号を付した図16に示すように、第1の実施の形態におけるカード収納箱50は、その内部空間に図中断面略鋸歯形状でなるカード収納仕切部材52が設けられる。
カード収納仕切部材52は、カード収納箱50の正面部50aの裏面に対して接着部52cが接着固定されるとともに、接着部52cと平行でかつ垂直な仕切部52bの下端が底面部50eに接着固定され、仕切部52dが背面部50dおよび底面部50eに対して接着固定されている。
接着部52cと仕切部52bとの間にはカードCAが積み重ねられる際の底面を所定角度αに傾斜させた傾斜部52aが形成されているとともに、仕切部52bと仕切部52dとの間には所定角度β(β<α)に傾斜させた傾斜部52eが形成されている。
カード収納箱50の正面部50aの裏面と、傾斜部52aと、仕切部52bとにより第1のカード収納部53が形成され、仕切部52bと、傾斜部52eと、仕切部52dとにより第2のカード収納部56が形成されている。但し、第2のカード収納部56は、仕切部により区切られている訳ではないが、カードCAを2列収納可能な大きさを有し、カード収納空間54およびカード収納空間55を構成する。
ここで、カードCAの落下位置に近い方の第1のカード収納部53における傾斜部52bの傾斜角度αは、カードCAの落下位置から遠い方の第2の収納部54における傾斜部52eの傾斜角度βよりも急峻である。
かくしてカード収納箱50は、カード収納仕切部材52により第1のカード収納部53と、当該カード収納仕切部材52により形成された第2のカード収納部(カード収納空間54およびカード収納空間55)とを有することになる。
<カード収納動作>
このように構成されたカード収納箱50に対してカード処理装置100のカード導出路1bから排出された回収すべきカードCAを第1のカード収納部53および第2のカード収納部54に収納する際のカード収納動作について説明する。
カード処理装置100のカード導出路1bの傾斜に沿って排出されるカードCAは、当該カードCAの落下の際に、その一方の端部がカード収納仕切部材52の傾斜部52aに衝突した後、仕切部52bに衝突し、第1のカード収納部53の傾斜部52a上に順次積み重ねられていく。
そして、積み重ねられた最上段のカードCAが仕切部52bの高さと同じになった後に、次の新たなカードCAがカード処理装置100のカード導出路1bから排出されると、その新たなカードCAに対してストッパとなり得る仕切部52bが露出されていないため、当該カードCAが第1のカード収納部53に積み重ねられた最上段のカードCAの上を滑って第2のカード収納部56へ移動する。
第2のカード収納部56へ移動されたカードCAは、傾斜部52e上を滑りながら移動し、その一方の端部が仕切部52dに衝突され、当該カードCAの一方の端部が仕切部52dにより揃えられた状態でカード収納空間55に対応した傾斜部52e上に載置される。すなわち第2のカード収納部56のカード収納空間55にカードCAが収納されることになる。
それ以降にカード処理装置100のカード導出路1bから排出される新たなカードCAは、同様に、第1のカード収納部33に積み重ねられた最上段のカードCAの上を滑って第2のカード収納部56へ移動するが、カード収納空間55では既に1枚のカードCAが傾斜部52eの上に載置されているため、傾斜部52eの上に載置されたカードCAの他方の端部に対して、新たなカードCAの一方の端部が衝突し、カード収納空間54に対応した傾斜部52e上に当該新たなカードCAが載置される。
この状態では、第1のカード収納部53の最上段のカードCA、第2のカード収納部56のカード収納空間54、55に載置された最上段のカードCAの合計3枚の高さが全て揃うことになり、以降、新たにカード処理装置100のカード導出路1bから順次排出される新たなカードCAは、カード収納空間55、カード収納空間54、第1のカード収納部53の順番で繰り返し積み重ねられていく。
かくしてカード収納箱50では、カード処理装置100のカード導出路1bから排出されるカードCAを効率良く第1のカード収納部53および第2のカード収納部56(カード収納空間54およびカード収納空間55)に振り分けながら可能な限り多くの枚数を収納することができる。
(4)第2の実施の形態
第2の実施の形態においては、第1の実施の形態におけるカード収納箱50とは異なる構造のカード収納箱が設けられている以外、カード処理装置100については同様であるため、その説明は省略し、第2の実施の形態におけるカード収納箱の構成およびカード収納動作についてのみ説明する。
<カード収納箱の構成>
図16との対応部分に同一符号を付した図17に示すように、第2の実施の形態におけるカード収納箱60は、その内部空間に図中断面略鋸歯形状でなるカード収納仕切部材62が設けられる。
カード収納仕切部材62は、カード収納箱60の正面部60aの裏面に対して接着部62cが接着固定されるとともに、接着部62cと平行でかつ垂直な仕切部62bの下端が底面部60eに接着固定され、当該仕切部62bからカードCAの大きさだけ隔てた位置に接着部62cおよび仕切部62bと平行でかつ垂直な仕切部62fの下端が底面部60eに接着固定され、当該仕切部62fからカードCAの大きさだけ隔てた位置に接着部62c、仕切部62b、62fと平行でかつ垂直な仕切部62dが背面部60dおよび底面部60eに対して接着固定されている。
接着部62cと仕切部62bとの間には、カードCAが積み重ねられる際の底面を所定角度αに傾斜させた傾斜部62aが形成され、仕切部62bと仕切部62fとの間にはカードCAが積み重ねられる際の底面を所定角度β(β<α)に傾斜させた傾斜部62eが形成され、仕切部62fと仕切部62dとの間にはカードCAが積み重ねられる際の底面を所定角度γ(γ<β)に傾斜させた傾斜部62gが形成されている。なお、仕切部62bの高さは仕切部62fの高さよりも高く形成されている。
ここで、カードCAの落下位置に近い方の第1のカード収納部63における傾斜部62bの傾斜角度αは、カードCAの落下位置から2番目に近い第2の収納部64における傾斜部62eの傾斜角度βよりも急峻である。また、カードCAの落下位置から2番目に近い第2の収納部64における傾斜部62eの傾斜角度βは、カードCAの落下位置から最も遠い第3の収納部65における傾斜部62gの傾斜角度γよりも急峻である(γ<β<α)。
カード収納箱60の正面部60aの裏面と、傾斜部62aと、仕切部62bとにより第1のカード収納部63が形成され、仕切部62bと、傾斜部62eと、仕切部62fとにより第2のカード収納部64が形成され、仕切部62fと傾斜部62gと仕切部62dとにより第3のカード収納部65が形成されている。かくしてカード収納箱60には、カード収納仕切部材62により第1のカード収納部63と、第2のカード収納部64と、第3のカード収納部65とを有することとなる。
<カード収納動作>
このように構成されたカード収納箱60に対してカード処理装置100のカード導出路1bから排出された回収すべきカードCAを第1のカード収納部63乃至第3のカード収納部65に収納する際のカード収納動作について説明する。
カード処理装置100のカード導出路1bの傾斜に沿って排出されるカードCAは、当該カードCAの落下の際に、その一方の端部がカード収納仕切部材62の傾斜部62aに衝突した後、仕切部62bに衝突し、第1のカード収納部63の傾斜部62a上に順次積み重ねられていく。
そして、積み重ねられた最上段のカードCAが仕切部62bの高さと同じになった後に、次の新たなカードCAがカード処理装置100のカード導出路1bから排出されたとき、その新たなカードCAに対してストッパとなり得る仕切部62bが露出してないため、当該カードCAが第1のカード収納部63に積み上げられた最上段のカードCAの上を滑って第2のカード収納部64へ移動する。
第2のカード収納部64へ移動されたカードCAは、傾斜部52e上を滑りながら移動し、その一方の端部が仕切部62fに衝突され、当該カードCAの一方の端部が仕切部62fにより揃えられた状態で傾斜部62e上に載置される。
次にカード処理装置100のカード導出路1bから排出されるカードCAは、同様に、第1のカード収納部63に積み上げられた最上段のカードCAの上を滑って第2のカード収納部64へ移動するが、第2のカード収納部64の傾斜部62eには既にカードCAが載置されているため(図17(A))、そのカードCAの他方の端部に対して、新たなカードCAの一方の端部が衝突し、第1のカード収納部63の傾斜部62aの最上段のカードCAの上に積み重ねられる。
これ以降、新たにカード処理装置100のカード導出路1bから順次排出されるカードCAは、第2のカード収納部64、第1のカード収納部63の順番を繰り返しながら積み重ねられる。
その結果、図17(B)に示すように、第2の収納部64の傾斜部62eに積み重ねられた最上段のカードCAが仕切部62fの高さと同じになり、第1の収納部63の傾斜部62aに積み重ねられた最上段のカードCA、第2の収納部64の傾斜部62eに積み重ねられた最上段のカードCAの2枚の高さが揃う。
その後、次の新たなカードCAがカード処理装置100のカード導出路1bから排出されると、そのカードCAに対してストッパとなり得る仕切部62b、62fが露出されていないため、当該新たなカードCAが第1のカード収納部63および第2のカード収納部64に積み重ねられた最上段のカードCAの上を滑って第3のカード収納部65へ移動する。
第3のカード収納部65に移動されたカードCAは、傾斜部62g上を滑りながら移動し、その一方の端部が仕切部62dに衝突し、当該カードCAの一方の端部が仕切部62dにより揃えられた状態で当該傾斜部62g上に載置される。
それ以降にカード処理装置100のカード導出路1bから排出されるカードCAは、同様に、第1のカード収納部63および第2のカード収納部64に積み重ねられた最上段のカードCAの上を順次滑って第3のカード収納部65へ移動しようとするが、第3のカード収納部65の傾斜部62gには既にカードCAが載置されているため、そのカードCAの他方の端部に対して、新たに移動されてくるカードCAの一方の端部が衝突し、第2のカード収納部64の傾斜部62e上に載置される。
次に、カード処理装置100のカード導出路1bから排出されるカードCAは、第1のカード収納部63に積み重ねられた最上段のカードCAの上を滑って第2のカード収納部64へ移動しようとするが、第2のカード収納部64に積み重ねられた最上段のカードCAの他方の端部に対して、新たに移動されてくるカードCAの一方の端部が衝突し、第1のカード収納部63の最上段のカードCAの上に載置される。
この状態では、第1のカード収納部63の最上段のカードCA、第2のカード収納部64の最上段のカードCA、第3のカード収納部65の最上段のカードCAはその面が全て揃うことになり、以降、カード処理装置100のカード導出路1bから順次排出される新たなカードCAは、第3のカード収納部65、第2のカード収納部64、第1のカード収納部63の順番で繰り返し積み重ねられる。
かくしてカード収納箱60では、カード処理装置100のカード導出路1bから排出されるカードCAを効率良く第1のカード収納部63乃至第3のカード収納部65に振り分けながら可能な限り多くの枚数を収納することができる。
(5)他の実施の形態
なお、上述した第1の参考例においては、カード導出路1bを所定角度に傾斜させるようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、カード収納箱30のカード収納仕切部材32における傾斜部32aにカードCAを落下させる場合には必ずしもカード導出路1bを傾斜させる必要はない。