JPH06271169A - カードシステムにおけるカード回収箱 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】カードシステムのカード処理機から排出された
プリペイドカードの使用済カードを一定の向きに揃えて
積み上げ回収できるようにしたカード回収箱の構造を提
供する。 【構成】カード処理機３に付設してカード処理機から排
出される使用済カード４０を回収するためのカード回収
箱５において、カード回収箱の底板５ｂをカード処理機
からのカード排出方向に向きを合わせて前傾姿勢（前傾
角θ）に配置し、先端を下に向けて上方らか落下して来
たカードを底板の上に滑らせながら一定の向きに揃えて
箱内に積み上げ回収する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、例えば自動販売機のプ
リペイドカードシステムを対象に、カード処理機から排
出される使用済カードを回収するためのカード回収箱に
関する。

【０００２】

【従来の技術】近年になり、各種プリペイドカード（例
えばテレホンカード）の普及化に伴い、自動販売機に対
するプリペイドカードシステムの新規開発，導入化が進
められている。このカードシステムは、図４のように自
動販売機１にコイン機構２と並べてカード処理機３を搭
載し、通常の通貨販売と併せてプリペイドカード４によ
る商品販売が行えるようにしたものである。また、プリ
ペイドカード４は図５で示すようにプラスチック製のカ
ード面に形成した磁気ストライプ４ａに現金に見合う金
額情報などのデータが書き込まれている。一方、カード
処理機３は、プリペイドカード４に書き込まれたデータ
の読み取り，販売信号の送出，販売額の減算，カードへ
の残額書込み機能を備えたものであり、その構成は図６
で示すようにケース３ａの内部にカード搬送機構３ｂ，
およびカードリード／ライタ３ｃを内蔵しており、かつ
ケース３ａの前面にはカード挿入口３ｄが、また背面に
は使用済カード（残金ゼロ）を機内側に排出するカード
排出口３ｅが開口している。さらにカード処理機３と組
合わせて機内側にはカード排出口３ｅより排出された使
用済カード４０を回収するカード回収箱５が付属してい
る。

【０００３】かかる自動販売機のカードシステムにおい
て、客が別途購入したプリペイドカード４を自動販売機
１に組み込まれたカード処理機３のカード挿入口３ｄに
差し込んで商品を購入すると、残り金額のある間はカー
ドに残額データを書き込んだ上で再びカード挿入口３ｄ
より客にカードを返却する。一方、カードの残金がゼロ
になると、その旨を自動販売機のディスプレイに表示し
た上で、プリペイドカードを客に返却せずに使用済カー
ド４０としてカード排出口３ｅより後方に排出し、カー
ド回収箱５に落とし込んで回収する。なお、カード回収
箱５に回収された使用済カード４０はそのまま廃棄処分
とせずに、別な場所に集計した上で改めて所定の金額デ
ータを書き込んで再生，リサイクル化を図るようにして
いる。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】ところで、従来におけ
るカード回収箱５は底面が平坦な単純構造の箱が使用さ
れている。一方、カード処理機３から排出された使用済
カード４０は先端を下に向けて回収箱５の中に自重落下
する。このために、カード回収箱５の中へ回収されたカ
ード４０は不規則な着地姿勢でランダムに積み重なり、
しかも表と裏，縦と横の向きがバラバラな状態で回収さ
れる（図６参照）。しだがって、回収箱５から取出した
使用済カード４０を集計して新たにデータを書き込むに
は、１枚ずつカードの向きを揃える必要があってその作
業に手間がかかる。また、カードの回収姿勢がバラバラ
となることから、回収箱５の内容積に対するカードの収
容効率が低くなり、回収カードが回収箱５の容積に見合
った所定枚数に達する以前に箱から溢れ出て機内にカー
ドが散乱することがある。

【０００５】本発明は上記の点にかんがみなされたもの
であり、その目的は前記課題を解決し、カード処理機か
ら排出されたプリペイドカードの使用済カードを向きを
揃えて箱内に積み上げ回収できるようにしたカード回収
箱の構造を提供することにある。

【０００６】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明のカード回収箱においては、回収箱の底板を
カード処理機からのカード排出方向に向きを合わせて前
傾姿勢に配置して構成するものとする。また、前記の構
成においては、底板の傾斜面長さをカードサイズよりも
若干大きく、好ましくは１０mm程度大き目に定めるのが
よい。

【０００７】さらに、回収箱の側壁と底板との継目にカ
ードが挟まるのを防ぐために、前傾姿勢に配置した底板
の少なくとも下端側に端縁より突き出す舌片を設け、該
舌片を筒形ケースの側壁に開口した係合溝に差し込んで
前傾姿勢に支持した構成がある。

【０００８】

【作用】上記の構成によれば、カード処理機から排出さ
れた使用済カードは、その落下過程でカードの先端を下
に向けて回収箱の底板に着地した後、そのまま底板の斜
面に沿って下方に滑べり落ちるとともに、カード全体が
底板の上に倒れ込む。これにより、使用済カードは一定
の向きを保ったまま底板の上に平行姿勢で積み重なるよ
うになる。同様にしてカード処理機から排出される次の
使用済カードも前回のカードの上に向きを揃えて積み重
なり、この結果として使用済カードが整列した状態でカ
ード回収箱内に積み上げ回収されることになる。

【０００９】また、カード処理機から排出された使用済
カードが希に立ったまま底板の傾斜最下地点に着地し、
回収箱の側壁に寄り掛かった状態になることがあるが、
あらかじめ底板の傾斜面の長さをカードのサイズよりも
若干大き目にして余裕をもたせておくことで、次のカー
ドを底板の上に積み上げて回収することができる。さら
に、回収箱の側壁と底板との継目に隙間が残っている
と、上方から落下して来たカードの先端がこの隙間に挟
まって底板から浮き上がった中途半端な姿勢で回収され
るおそれがあるが、前傾姿勢に配置した底板の少なくと
も下端側に端縁より突き出す舌片を設け、該舌片を筒形
ケースの側壁に開口した係合溝に差し込んでおくことに
より、カードが舌片に突き当って側壁と底板との継目に
挟まることが確実に防げる。

【００１０】

【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明
する。なお、各実施例で図６に対応する同一部材には同
じ符号が付してある。まず、図１の実施例において、カ
ード挿入口３ｄを前面に向けて自動販売機１の機内側に
横向き姿勢に配置したカード処理機３に対し、カード回
収箱５はカード処理機３の背後側に設置されている。こ
こで、カード回収箱５は周囲四面を囲む側壁５ａと底板
５ｂとからなる方形状の箱体であり、かつ底板５ｂはカ
ード処理機３のカード排出口３ｅを通じて後方に排出さ
れる使用済カード４０の排出方向に向きを合わせて前傾
（前傾角度θ）するように構成されている。また、底板
５ａの傾斜面長さＬはカードサイズＡよりもΔＬだけ大
きくしてあり、ΔＬは５〜２０mm，好ましくは１０mm程
度に選定されている。なお、底板５ｂの前傾角度θは、
底板５ｂの上に載ったカード４０が斜面を滑るのに必要
な摩擦角より大きく設定する。

【００１１】かかる構成で、カード排出口３ｅを通じて
カード処理機３から排出された使用済カード４０（残額
ゼロのプリペイドカード）は、その落下過程でカードの
先端を下に向けて回収箱５の底板５ｂに着地した後、そ
のまま底板５ｂの斜面に沿って滑べり落ち、先端が右側
に寄せられるとともに、カード全体が底板５ｂの上に倒
れ込む。したがって、使用済カード４０は一定の向きを
保ったまま底板５ｂの上に平行姿勢で積み重なるように
なる。同様にしてカード処理機３から排出される次の使
用済カードも前回のカードの上に向きを揃えて積み重な
り、これにより多数枚の使用済カード４０が一定の向き
に整列した状態でカード回収箱５に回収されることにな
る。

【００１２】また、希にカード処理機３から排出された
使用済カード４０が立ったままの着地姿勢で回収箱５の
側壁５ａに寄り掛かって回収されることがあるが、前記
のように底板５ｂの長さＬををカードサイズＡよりも長
目に余裕を持たせてことにより、一部のカードが立った
まま回収されても、支障なく次のカードを底板５ｂの上
に積み上げ回収することができる。

【００１３】図２は、カード排出口３ｅを下に向けて縦
向き姿勢に設置したカード処理機３に対し、カード回収
箱５をカード処理機３の直下に配置した実施例を示すも
のであり、この場合にはカード処理機３から排出された
使用済カード４０は先端を真下に向けてカード回収箱５
の中に落下し、底板５ｂの斜面を滑り落ちて傾斜した底
板と平行に積み上げ回収されるようになる。

【００１４】一方、図３（ａ),（ｂ）はカード回収箱５
の別な実施例を示すものである。この実施例において
は、上下端面を開放した筒形ケースに対して底板５ｂが
前後の側壁５ａの間に架け渡して前傾姿勢に取付けられ
ている。ここで、底板５ｂの前後端には端縁より突き出
す舌片５が設けてあり、この舌片５ｃを段差をつけて前
後の側壁５ａに開口した係合溝５ｄに差し込んで前傾姿
勢に係止保持するようにしている。

【００１５】かかる構成により、右側の側壁（前壁）５
ａに沿って図示のようにカード処理機から排出された使
用済カード４０が垂直な姿勢で上方から落下して来た場
合でも、カードの先端が前記の舌片５ｃに突き当たるた
め、カードが側壁５ａと底板５ｂとの間の継目に挟まっ
て立ち姿勢になるような不具合を確実に防ぐことができ
る。しかも、この構成によれば、底板５ｂに対する板
金，溶接などの加工を要さずにカード回収箱５を簡単に
組立てることができる。

【００１６】

【発明の効果】以上述べたように、本発明の構成によれ
ば、カード処理機から排出された使用済のプリペイドカ
ードは一定の向きに揃えてカード回収箱内に積み上げ回
収される。したがって、カード回収箱に対するカードの
収納効率が向上するので回収箱の容積に見合った枚数の
カードを回収できるほか、箱内に回収された使用済カー
ドを再生処理する際には、カードを１枚ずつ揃え直す面
倒な作業が不要となるなど、使用面で実用的価値の高い
カード回収箱を提供することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】横向き姿勢のカード処理機に組合わせた本発明
の実施例によるカード回収箱の構成断面図

【図２】縦向き姿勢のカード処理機に組合わせた本発明
の実施例によるカード回収箱の構成断面図

【図３】本発明の異なる実施例によるカード回収箱の構
成を表す図であり、（ａ）はカード回収箱の側断面図、
（ｂ）はカード回収箱の正面図

【図４】プリペイドカードシステムを採用した自動販売
機の外観図

【図５】プリペイドカードの外形図

【図６】カード処理機と組合わせた従来のカード回収箱
の構成断面図

【符号の説明】

３ カード処理機 ４ プリペイドカード ５ カード回収箱 ５ａ 側壁 ５ｂ 底板 ４０ 使用済カード θ 底板の前傾角 Ｌ 底板の傾斜面長さ

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】プリペイドカードシステムのカード処理機
   に付設して、カード処理機から排出される使用済カード
   を回収するためのカード回収箱であって、回収箱の底板
   をカード処理機からのカード排出方向に向きを合わせて
   前傾姿勢に配置したことを特徴とするカードシステムに
   おけるカード回収箱。
2. 【請求項２】請求項１記載のカード回収箱において、底
   板の傾斜面長さをカードのサイズよりも若干長く、好ま
   しくは１０mm程度大きく定めたことを特徴とするカード
   システムにおけるカード回収箱。
3. 【請求項３】請求項１記載のカード回収箱において、前
   傾姿勢に配置した底板の少なくとも下端側に端縁より突
   き出す舌片を設け、該舌片を筒形ケースの側壁に開口し
   た係合溝に差し込んで前傾姿勢に支持したことを特徴と
   するカードシステムにおけるカード回収箱。