JP6099004B1 - インバータ装置及びインバータ装置の製造方法 - Google Patents

インバータ装置及びインバータ装置の製造方法 Download PDF

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Abstract

インバータ部(1)を含む主回路部2及び当該主回路部(2)の状態量を検出する検出部(13)を備えた主回路基板(51)と、主回路基板(51)に着脱可能に接続され、検出部(13)の検出信号に基づいて第1の制御を行うセンサマイコンを備えた第1制御基板(52)と、主回路基板(51)に第1制御基板(52)を介して着脱可能に接続され、検出信号に基づいて第2の制御を行う統括制御マイコン(31)及びドライブマイコン(32)を備えた第2制御基板(53)と、を有する。

Description

開示の実施形態は、インバータ装置及びインバータ装置の製造方法に関する。
特許文献1には、主回路部と制御部を備えたインバータ装置が記載されている。
特開2008−178238号公報
インバータは、例えばサイズ、制御性能、機能、コスト等の要求仕様に応じて多種類の製品がラインナップされるのが一般的であるが、各製品の構成部品を個別に開発した場合には開発納期が長くなる。このため、開発納期の短縮を図る場合、装置構成の更なる最適化が要望される。
本発明はこのような問題点に鑑みてなされたものであり、開発納期を短縮することが可能なインバータ装置及びインバータ装置の製造方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明の一の観点によれば、インバータ部を含む主回路部及び当該主回路部の状態量を検出する検出部を備えた主回路基板と、前記主回路基板に着脱可能に接続され、前記検出部の検出信号に基づいて第1の制御を行う第1制御部を備えた第1制御基板と、前記主回路基板に前記第1制御基板を介して着脱可能に接続され、前記検出信号に基づいて第2の制御を行う第2制御部を備えた第2制御基板と、を有し、前記検出部は、前記インバータ部の出力電圧を検出する電圧検出部を含み、前記第1制御部は、前記電圧検出部の前記検出信号における所定の遮断周波数より高い周波数の成分を逓減させるローパスフィルタ部を有し、かつ、前記主回路基板において前記電圧検出部と前記第1制御部の間の回路に配置され、前記電圧検出部の前記検出信号における所定の遮断周波数より高い周波数の成分を逓減させるローパスフィルタをさらに有するインバータ装置が適用される。
また、本発明の別の観点によれば、インバータ部を含む主回路部及び当該主回路部の状態量を検出する検出部を備えた主回路基板と、前記検出部の検出信号に基づいて第1の制御を行う第1制御部を備えた第1制御基板と、前記検出信号に基づいて第2の制御を行う第2制御部を備えた第2制御基板と、を有し、前記検出部は、前記インバータ部の出力電圧を検出する電圧検出部を含み、前記第1制御部は、前記電圧検出部の前記検出信号における所定の遮断周波数より高い周波数の成分を逓減させるローパスフィルタ部を有し、かつ、前記主回路基板において前記電圧検出部と前記第1制御部の間の回路に配置され、前記電圧検出部の前記検出信号における所定の遮断周波数より高い周波数の成分を逓減させるローパスフィルタをさらに有するインバータ装置の製造方法であって、予め用意された複数種類の前記主回路基板、前記第1制御基板及び前記第2制御基板の中から、要求仕様に応じた前記主回路基板、前記第1制御基板及び前記第2制御基板を選択して組み合わせるインバータ装置の製造方法が適用される。
また、本発明の別の観点によれば、インバータ部を含む主回路部及び当該主回路部の状態量を検出する検出部を備えた主回路基板と、前記主回路基板に着脱可能に接続され、前記検出部の検出信号に基づいて第1の制御を行う第1制御部を備えた第1制御基板と、前記主回路基板に前記第1制御基板を介して着脱可能に接続され、前記検出信号に基づいて第2の制御を行う第2制御部を備えた第2制御基板と、予め用意された複数種類の前記主回路基板、前記第1制御基板及び前記第2制御基板の中から、要求仕様に応じて選択された前記主回路基板、前記第1制御基板及び前記第2制御基板の組み合わせを可能とする手段と、を有するインバータ装置が適用される。
本発明によれば、制御性能を向上することができる。
、第1実施形態のインバータ装置における主要構成部とそれらの間における各種情報の送受経路を表す機能ブロック図である。 第1実施形態のセンサマイコン内部における機能ブロック図である。 ローパスフィルタ及びローパスフィルタ部による出力電圧検出信号の高周波成分逓減処理を説明する図である。 第1比較例のインバータ装置の機能ブロック図である。 第2比較例のインバータ装置の機能ブロック図である。 、第2実施形態のインバータ装置における主要構成部とそれらの間における各種情報の送受経路を表す機能ブロック図である。 第2実施形態のセンサマイコン内部における機能ブロック図である。 出力電流検出信号の送受のための同期処理について説明する図である。 第3実施形態におけるインバータ装置の回路基板組み立て構成例を表す図である。 第1実施形態の場合の回路基板の区分を表す機能ブロック図である。 第2実施形態の場合の回路基板の区分を表す機能ブロック図である。 第1制御基板と第2制御基板の組み合わせによる仕様バリエーションの一例を表す図である。
以下、実施の形態について図面を参照しつつ説明する。
<第1実施形態:第1実施形態の概要>
図1は、第1実施形態のインバータ装置における主要構成部とそれらの間における各種情報の送受経路を表す機能ブロックを示している。この図1において、インバータ装置1は外部から供給された3相交流電力を、特に図示しないモータ等の電動機へ入力する駆動制御電力に変換する電力変換装置であり、主に1次系としての主回路部2と、2次系としての制御回路部3を有している。なお、本実施形態において、当該インバータ装置1が駆動制御する対象のモータとして3相誘導モータ(制御対象)を想定している。
主回路部2は、外部の商用電源(特に図示せず)から給電された高い電圧、電流の3相交流電力を直流電力に整流し、この直流電力を後述するPWM信号に基づいて所望の周波数、出力電圧、出力電流の3相交流電力に変換し、これを上記駆動制御電力として上記モータに入力する機能を有する。すなわち、当該主回路部2は、主に大きい電力を扱ういわゆる強電系の回路部として構成される。
制御回路部3は、外部の上位制御装置であるシーケンサ4(外部機器)から入力された制御指令に基づいてPWM信号を生成し、これを主回路部2に入力して上記の電力変換動作を制御するとともに、主回路部2との間で各種の情報信号や指令信号を送受して当該インバータ装置1全体の安全上又は制御性能上の作動管理を行う機能を有する。すなわち、当該制御回路部3は、主に低い電圧、電流の情報信号のみを扱ういわゆる弱電系の回路部として構成される。
以上のようなインバータ装置1の設計においては、各種の安全規格上、強電系(1次系)の主回路部2と弱電系(2次系)の制御回路部3が相互に電気的に強化絶縁されるよう設計することが規定されている。本実施形態のインバータ装置1においては、主回路部2と制御回路3との間において送受する各種の情報や指令の信号を全て弱電系のデジタル信号で構成し、これらのデジタル信号を主回路部2と制御回路部3との間でデジタルフォトカプラ5(図中では「PHC」と略記)を介して送受している(但し、後述する出力電流検出信号を除く)。このように光学的情報伝達手段であるフォトカプラを介して信号を送受していることで、主回路部2と制御回路部3との間で電気的な強化絶縁を図りながら各種の情報や指令が送受可能となっている。
<第1実施形態における主回路部の構成>
以下、本実施形態における主回路部2の具体的構成について説明する。図1において、主回路部2は、主にインバータ部11と、補器部12と、検出部13と、ローパスフィルタ14と、センサマイコン15を有している。
インバータ部11は、後述する制御回路部3のドライブマイコン32から出力されたPWM信号に基づいて、例えばIGBTの半導体スイッチング素子からなる半導体ブリッジ回路のスイッチング動作を制御し、3相交流の駆動制御電力をモータへ出力する機能を有する。
補器部12は、主に主回路部2の安全上の作動に関する各種補器機能を有する。図示する例では、いわゆるVPHに関する機能部と、整流器の平滑コンデンサの保護に関する機能部と、いわゆるダイナミックブレーキの作動に関する機能部とを有している。当該インバータ装置1の電源投入時等において整流器の平滑コンデンサへ大きな突入電流が入力されるのを防止するため、MCON信号及びMCA信号の入出力により突入電流防止用抵抗の接続が切り替えられる。また、モータの慣性回転中に発生する回生電力を消費するため、BTON信号及びBTA信号の入出力によりダイナミックブレーキの作動が切り替えられる。なお、この補器部12は、後述するセンサマイコン15との間でデジタル形式の入出力信号を相互に送受する。
検出部13は、主に主回路部2における各種の状態量を検出する機能を有する。図示する例では、出力電圧検出部21(図中では「Vu,Vv,Vw」と略記)と、出力電流検出部22(図中では「CT」と略記)と、各種状態量検出部23とを有している。出力電圧検出部21は、モータへ出力する3相交流の駆動制御電力の出力電圧を各相ごとに検出する。出力電流検出部22は、モータへ出力する3相交流の駆動制御電力の出力電流を検出する。各種状態量検出部23は、外部から給電される3相交流電力の電圧VAC、整流後の直流母線電圧VPN、半導体ブリッジ回路の温度THM、及びいわゆるUSを検出する。なお、この検出部13は、後述するセンサマイコン15に対して検出した各種状態量をいずれもアナログ形式の検出信号として一方的に出力する。なお、本実施形態の例では、出力電流検出部22がいわゆるホール素子(ホール効果)を利用した検出を行うものとし、その検出信号は強電系の主回路部2と電気的に強化絶縁されたアナログ信号として検出されるため、そのまま弱電系の制御回路部3に入力される。
ローパスフィルタ14は、例えばRLC素子やオペアンプ等を用いたハードウェアの実回路で構成されており、上記出力電圧検出部21が検出した各相の出力電圧検出信号から所定の遮断周波数より高い周波数のノイズ成分を逓減し、後述のセンサマイコン15に出力する。
センサマイコン15は、この例では1チップのいわゆるプログラマブルCPUで構成され、主回路部2内における所定の制御を統合的に実行する機能を有する。このセンサマイコン15が有する統合制御機能の具体的内容については、後に詳述する。このセンサマイコン15自体は内部のほとんどがデジタル回路で構成されており、情報送受形態として、上記補器部12との間で直接デジタル信号を相互に送受する。またセンサマイコン15は、上記検出部13から出力されたアナログ形式の各種検出信号(出力電流検出信号を除く)に対し、当該センサマイコン15内部に備えるA/D変換部(図中では「ADC」と略記)を介して一方的に受信する。またセンサマイコン15は、後述する制御回路部3の統括制御マイコンに対し、デジタル形式の異常検出信号をシリアル通信の伝送形態で一方的に送信する。またセンサマイコン15は、後述する制御回路部3のドライブマイコン32との間で、デジタル形式の制御関連信号をシリアル通信の伝送形態で相互に送受信する。なお、このセンサマイコン15が、各請求項記載の第1制御部に相当する。
<第1実施形態における制御回路部の構成>
次に、本実施形態における制御回路部3の具体的構成について説明する。図1において、制御回路部3は、主に統括制御マイコン31と、ドライブマイコン32を有している。
統括制御マイコン31は、この例では1チップのいわゆるプログラマブルCPUで構成され、当該インバータ装置1全体における所定の制御を統合的に実行する機能を有する。この統括制御マイコン31が有する統合制御機能の具体的内容としては、例えばモータの駆動制御に直接関係する処理や、各種異常が検出された際に対応して実行する安全上の処理などを複合的に行う。モータの駆動制御処理としては、外部の上位制御装置であるシーケンサ4から直接入力された制御指令に基づいて生成した速度指令や電流指令(トルク指令)を後述するドライブマイコン32に対し出力する。また、安全上の処理としては、主回路部2の出力電流検出部22から直接入力される出力電流検出信号や、上記センサマイコン15から入力される異常検出信号に基づいて、対応する処理を選択し実行する。このため、上述した各種の安全規格上では、少なくともこの統括制御マイコン31だけは主回路部2から電気的に強化絶縁するよう規定される。
この統括制御マイコン31自体も内部のほとんどがデジタル回路で構成されており、情報送受形態として、ドライブマイコン32との間でパラレルバスを介して複数のデジタル信号を並列かつ高速に送受する。このパラレルバスを介したデジタル信号の送受は、当該統括制御マイコン31がドライブマイコン32と同一回路上に設けられていることで簡易かつ安価に実現可能であり、またこれによって統括制御マイコン31とドライブマイコン32はほぼ同一チップで構成されると同程度に高速に協調処理できる。つまり、それぞれ処理負担が軽減された統括制御マイコン31とドライブマイコン32の2チップが協調処理することで、1チップに集約して集中的に処理させた場合よりも格段にコストを削減できる。また統括制御マイコン31は、主回路部2の出力電流検出部22から出力されたアナログ形式の検出信号に対し、当該統括制御マイコン31内部に備えるA/D変換部(図中では「ADC」と略記)を介して一方的に受信する。また統括制御マイコン31は、主回路部2のセンサマイコン15から出力されたデジタル形式の異常検出信号をシリアル通信の伝送形態で一方的に受信する。
ドライブマイコン32は、この例では1チップのいわゆるプログラマブルCPUで構成され、上記統括制御マイコン31から入力された速度指令や電流指令(トルク指令)、及び上記センサマイコン15から入力された制御関連信号などに基づいてPWM信号を生成し、主回路部2のインバータ部11に入力する機能を有する。このPWM信号の生成機能は、例えばソフトウェアで実装した速度制御部(図中では「ASR」と略記)と電流制御部(トルク制御部と同等:図中では「ACR」と略記)により行う。なお、このドライブマイコン32は特に電圧指令と実際にモータに出力された出力電圧の誤差を補償する機能を有するが、これについては後に詳述する。このドライブマイコン32自体は内部がデジタル回路で構成されており、情報送受形態として、主回路部2のインバータ部11に対しデジタル形式のPWM信号を一方的に送信する。またドライブマイコン32は、主回路部2のセンサマイコン15との間で、デジタル形式の制御関連信号をシリアル通信の伝送形態で相互に送受信する。
なお、上記ドライブマイコン32が各請求項記載の第1マイコンに相当し、上記統括制御マイコン31が各請求項記載の第2マイコンに相当し、これら統括制御マイコン31とドライブマイコン32の組み合わせが各請求項記載の第2制御部に相当し、統括制御マイコン31とドライブマイコン32が協調して行う主回路部2(主にインバータ部11)を介したモータの駆動制御が各請求項記載の第2の制御に相当する。また、上記ドライブマイコン32の内部で実行される速度制御部ASRと電流制御部ACRの制御が各請求項記載の制御対象に対する制御アルゴリズムに相当する。
そして上述したように、主回路部2と制御回路部3との間においては、出力電流検出部22の検出信号を除く他のデジタル形式の各種信号がデジタルフォトカプラ5を介して送受される。例えばセンサマイコン15から統括制御マイコン31へ一方的に送信される異常検出信号は、図示する例では2系統のデジタルフォトカプラ5を介して送信される。また、センサマイコン15とドライブマイコン32の間で相互に送受信される制御関連信号は、図示する例では2系統のデジタルフォトカプラ5を介して送受信される。また、ドライブマイコン32からインバータ部11へ一方的に送信されるPWM信号は、図示する例では6系統のデジタルフォトカプラ5を介して送信される。なお、各デジタルフォトカプラ5は、主回路部2と制御回路部3のいずれか一方に設ければよく、主回路部2と制御回路部3の間はケーブルやコネクタなどの電気的配線で接続すればよい。なお、上記フォトカプラが、各請求項記載の信号伝達部に相当する。
<第1実施形態におけるセンサマイコンの統合制御機能について>
次に、上述したセンサマイコン15の統合制御機能について詳細に説明する。図2は、センサマイコン15内部における各機能ブロックを示している。なおこの図2においては、検出部13が検出したアナログ形式の各種検出信号(出力電流検出信号を除く)に対する制御機能だけを示している。この図2において、センサマイコン15は、A/D変換部41と、シーケンス制御部42と、異常判定部43と、ローパスフィルタ部44と、信号送信部45を有している。本実施形態の例では、上述した各機能ブロックのうち、A/D変換部41と信号伝送部はハードウェア回路で実装し、その他のシーケンス制御部42、異常判定部43、及びローパスフィルタ部44はソフトウェア的な処理により実装する。
A/D変換部41は、検出部13から当該センサマイコン15に入力されたアナログ形式の各種検出信号VAC,VPN,THM,USを全てデジタル形式の信号に変換する。
シーケンス制御部42は、デジタル変換された交流電圧検出信号VACや直流母線電圧検出信号VPNに基づいて、主回路部2に備えられた所定の回路部品に対するシーケンス制御を実行する。この具体的なシーケンス制御として本実施形態の例では、当該インバータ装置1の電源投入時等に整流器の平滑コンデンサへ大きな突入電流が入力された場合に突入電流防止回路の接続トランジスタ(所定の回路部品)をONすることにより突入電流防止用抵抗で突入電流を消費する、等の制御を実行する。このときの制御は、補器部12との間でMCON信号やMCA信号の送受により行う。また、モータの慣性動作時に発生する回生エネルギーによって直流母線電圧VPNが閾値を超えた場合に、ダイナミックブレーキのブレーキトランジスタ(所定の回路部品)をONすることによりブレーキ抵抗で回生エネルギーを消費する、等の制御を実行する。このときの制御は、補器部12との間でBTON信号やBTA信号の送受により行う。
異常判定部43は、デジタル変換された半導体ブリッジ回路の検出温度THMに基づいて、検出部13の異常の有無を判定する。例えば、当該異常判定部43の比較により検出温度THMが所定の閾値を超えて異常が有ると判定した場合には、所定の内容の異常検出信号(異常信号)を後述の信号送信部45を介して統括制御マイコン31に送信する。
ローパスフィルタ部44は、デジタル変換された出力電圧検出信号に対して、所定の遮断周波数より高い周波数成分を逓減し(後述の図3参照)、後述の信号送信部45を介してドライブマイコン32に送信する。
信号伝送部は、上記異常判定部43から入力された異常検出信号と、上記ローパスフィルタ部44から入力された出力電圧検出信号を統合してシリアル通信の伝送形態で統括制御マイコン31又はドライブマイコン32に送信する。
なお、センサマイコン15は入力された各種検出信号(または制御関連信号)に対し、上述したように内部の各機能ブロックの処理を経由させて中継するように出力する以外にも、当該センサマイコン15に入力された信号をそのまま通過させて中継するよう出力してもよい(特に図示せず)。なお、この図2に示したセンサマイコン15の統合制御機能が、各請求項記載の第1の制御に相当する。
<ローパスフィルタ、ローパスフィルタ部の処理について>
以上に説明した主回路部2内における各種検出信号の処理のうち、特にローパスフィルタ14及びローパスフィルタ部44による出力電圧検出信号の高周波成分逓減処理について、図3を参照しつつ詳細に説明する。なおこの図3において、出力電圧検出部21が検出した直後の出力電圧検出信号の波形を図中の上段部に示し、さらにハードウェア回路で実装したローパスフィルタ14を通過した直後の出力電圧検出信号の波形を図中の中段部に示し、さらにセンサマイコン15内でソフトウェア的に実装したローパスフィルタ14で処理した直後の出力電圧検出信号の波形を図中の下段部に示している。
まず、上段部に示す出力電圧検出部21検出直後の出力電圧検出信号(実線部)は、PWM制御により形成された矩形波形状の信号であり、これは上記ドライブマイコン32内で参照される元の電圧指令の正弦波状波形(点線部)の各瞬時値レベルに対応した幅及び符号のパルス信号である。このパルス信号は、通常いずれのパルスも各符号(正負の向き)に対応して一律に同じレベルにあるが、モータにおける急激な負荷変動などが生じた場合には符号反転点付近で通常と異なるレベルの髭状のノイズNが混入する場合がある。
このような髭状のノイズNが混入した出力電圧検出信号に対し、ハードウェア回路で実装したローパスフィルタ14に通過させることで、中段部に示すように当該ノイズNを除去することができる。なお図示した例以外の幅、レベルのノイズも発生する可能性があるが、ローパスフィルタ14の遮断周波数を適宜設定して適切に除去できるようにすればよい。
そしてこのようにパルス波形が整形された出力電圧検出信号に対し、センサマイコン15内でソフトウェア的に実装したローパスフィルタ部44でさらに高周波成分を逓減することで、下段部に示すように出力電圧検出信号の波形(実線部)を元の電圧指令の正弦波状波形(点線部)に近い形状に復調することができる。なお、このローパスフィルタ部44はソフトウェア的に実装していることから、その遮断周波数を容易かつ任意の値で設定することが可能であり、元の電圧指令の正弦波状波形により近づけるよう適宜調整することができる。このように元の電圧指令の正弦波状波形に近い波形形状の出力電圧検出信号を上記制御関連信号としてドライブマイコン32に戻すことで、当該ドライブマイコン32がその内部において電圧指令と出力電圧との比較に基づき出力電圧誤差補償機能の補償精度を向上することができる。
<センサマイコンを設けない回路構成との比較>
以下においては、センサマイコン15を設けていない2つの回路構成を比較例として挙げ、これらに対する上記第1実施形態の回路構成の機能的優位性について説明する。まず、主回路部2にセンサマイコン15を設けない場合の第1比較例として、例えば図4に示すような回路構成が考えられる。すなわち、出力電流検出部22の検出信号以外で、主回路部2と制御回路部3の間で送受する信号の全てをフォトカプラを介して直接送受する回路構成が考えられる。この場合、主回路部2の補器部12は、制御回路部3の統括制御マイコン31及びドライブマイコン32のいずれに対してもデジタル形式の制御関連信号をデジタルフォトカプラ5を介して相互に送受する。また、出力電流検出部22を除く主回路部2の検出部13は、制御回路部3の統括制御マイコン31及びドライブマイコン32のいずれに対してもアナログ形式の各検出信号をアナログフォトカプラ6を介して一方的に送信する。
しかしこの第1比較例の回路構成では、上記第1実施形態の回路構成と同等に機能させるためにさらに多くのフォトカプラを備える必要がある。図示する例では、補器部12から出力する制御関連信号用として5系統のデジタルフォトカプラ5を備え、検出部13から出力する各種検出信号用として7系統のアナログフォトカプラ6を備える必要がある。このようなフォトカプラの使用数の増大は、当該インバータ装置1の製造コストを増大させる要因となる。特に十分な強化絶縁機能と検出精度を確保したアナログフォトカプラ6はデジタルフォトカプラ5と比較してコストが高いため、その使用は全体の製造コストに大きく影響する。
これに対し第1実施形態では、主回路部2に備えたセンサマイコン15が制御関連信号及び各種検出信号(出力電流検出信号を除く)を全てデジタル形式に変換して制御回路部3と送受するためアナログフォトカプラ6の使用を回避でき、さらにシリアル通信の伝送形式により少ない系統数に集約して送受するためデジタルフォトカプラ5の使用数を抑制できる。つまり、第1実施形態は第1比較例と比較して低コスト化が可能となる。
また、主回路部2にセンサマイコン15を設けない場合の第2比較例として、例えば図5に示すような回路構成が考えられる。すなわち、ドライブマイコン32を主回路部2に配置し、このドライブマイコン32が検出部13の各種検出信号(この場合、出力電流検出部22の検出信号も含む)、及び補器部12の制御関連信号を全て送受する回路構成が考えられる。この場合、ドライブマイコン32とインバータ部11の間のPWM信号の送受ためにフォトカプラを設ける必要はないが、上記第1実施形態の回路構成と同等に機能させるためには統括制御マイコン31とドライブマイコン32の間で図示するように4系統のデジタルフォトカプラ5を介したシリアル通信の伝送形態で各種の情報と指令を送受する必要がある。このように統括制御マイコン31とドライブマイコン32の間でシリアル通信により情報や指令を送受した場合には、その伝送速度の遅延により全体の協調処理速度が大幅に低下してモータの制御性能が低下してしまう。
これに対し第1実施形態では、統括制御マイコン31とドライブマイコン32を同一の制御回路部3上に配置して相互にパラレルバスを介した情報の高速送受が可能であるため、ほぼ同一チップで構成されると同程度に高速に協調処理できる。
また、この図示する第2変形例のように出力電圧検出部21がスイッチング素子のオン・オフのロジックにより出力電圧を検出する方式であって、この出力電圧検出信号をコンパレータなどの比較回路16を介して出力電圧誤差補償用の検出信号として生成した場合には、その検出誤差が大きく生じることにより補償精度が低下する可能性がある。このように検出誤差が生じる要因としては、比較回路16に用いるコンパレータの基準電圧レベルやしきい値レベルのバラツキ、IGBTデッドタイム中にスナバ還流ダイオードを流れる電流の極性に起因した出力電圧の変化、またはIGBTのオン抵抗や寄生容量などといった回路中における各部品要素の特性誤差等のバラツキが考えられる。
これに対し第1実施形態では、上記図3で示したように、出力電圧検出部21がアナログ形式で出力電圧検出信号を出力し、これをローパスフィルタ14で高周波ノイズを除去してセンサマイコン15に入力する。そして上述したように、センサマイコン15内でソフトウェア的に実装したローパスフィルタ部44によりさらに高い精度で高周波成分を逓減させて正弦波状に近い波形に整形した出力電圧検出信号を得ることができる。これにより第2比較例のような部品要素の特性誤差のバラツキに影響を受けることなく、出力電圧誤差補償の補償精度を向上できる。
<第1実施形態の効果>
以上説明したように、本実施形態のインバータ装置1によれば、センサマイコン15のA/D変換部41が、アナログ信号である検出信号をデジタル信号に変換し、信号送信部45が、変換された複数の検出信号を統合してシリアル通信によりドライブマイコン32に送信する。ドライブマイコン32は、受信した検出信号(制御関連信号)に基づいて主回路部2の制御を行う。複数の検出信号を統合して出力するので、フォトカプラの点数を低減できる共に回路構成を簡素化できる。また、フォトカプラとして、例えばアナログフォトカプラ6より安価なデジタルフォトカプラ5を使用することが可能となるので、コストを大幅に削減できる。
また、本実施形態では特に、センサマイコン15の異常判定部43が検出部13の異常判定を行う。例えば、インバータ部11のIGBTスイッチング素子の検出温度THMと閾値とを比較し、検出温度THMが閾値を超えた場合に異常と判定する、等である。そして、異常があると判定した場合には、異常検出信号を統括制御マイコン31に送信する。これにより、統括制御マイコン31はインバータ装置1の運転を停止する等の処理を実行することが可能となるので、インバータ装置1(主回路部2等)の保護を図ることができる。また、センサマイコン15で異常判定を行い、その結果のみを統括制御マイコン31に送信するので、統括制御マイコン31の処理負担を軽減できる。
また、本実施形態では特に、センサマイコン15のシーケンス制御部42が主回路部2に備えられた補器部12中の所定の回路部品に対するシーケンス制御を実行する。このように、統括制御マイコン31やドライブマイコン32を介さずにセンサマイコン15で所定のシーケンス制御を実行することで、緊急を要する場合に迅速に処理を実行することができるので、主回路部2等の保護の確実性を向上できる。
また、本実施形態では特に、ドライブマイコン32が出力電圧誤差補償機能を有していることに対し、出力電圧検出部21の検出信号を中継するセンサマイコン15がローパスフィルタ部44を有しているので、矩形波状の出力電圧検出信号(PWM出力電圧)を復調して正弦波状の検出信号とした上でドライブマイコン32に送信することが可能である。これにより、ドライブマイコン32では実出力電圧により近い正弦波状の出力電圧と電圧指令とを比較することができる。したがって、検出誤差を抑制し、補償精度を向上することができる。また、センサマイコン15のローパスフィルタ部44はソフトウェアによるフィルタ機能であるため、パラメータ(遮断周波数等)を任意に設定することで検出誤差の低減が可能であり、部品のばらつきや特性に依存せずに出力電圧を検出できる。
また、本実施形態では特に、出力電圧検出部21の検出信号は、センサマイコン15に入力される前に、ハードウェア回路で実装されるローパスフィルタ14によりフィルタ処理される。これにより、出力電圧検出部21の検出信号に含まれるノイズを低減できるので、出力電圧誤差の補償精度をさらに向上できる。
また、本実施形態では特に、主回路部2を介したモータの駆動制御を行う制御回路部3を2つのマイコン(統括制御マイコン、ドライブマイコン32)で構成するが、モータに対する制御アルゴリズム(ASR、ACR)の実行機能をドライブマイコン32に集約しているため、インバータ装置1の制御性能がマイコン間の伝送速度による遅延の影響を受けることを抑制できる。その上で、処理負担が軽減された統括制御マイコン31については制御アルゴリズムの実行以外の機能、例えばドライブマイコン32とシーケンサ4との通信機能を実装しており、統括制御マイコン31とドライブマイコン32とはパラレル通信可能に接続されているため、統括制御マイコン31は例えばシーケンサ4やセンサマイコン15から受信した各種データをドライブマイコン32と高速で通信することが可能である。したがって、制御性能を向上できる。
<第2実施形態:第2実施形態の概要>
上記第1実施形態では、ドライブマイコン32が、センサマイコン15から入力された出力電圧検出信号と電圧指令を比較してその間の誤差を補償する出力電圧誤差補償機能を有していたため、高い精度でのモータの駆動制御が可能となっていた。しかし、この出力電圧誤差補償機能はモータの駆動を制御する上で必須なものではなく、おおよその回転数やトルクを指定して簡易にモータを駆動制御したい場合には省略することもできる。この第2実施形態では、そのように出力電圧誤差補償機能を省略した簡易的な構成のインバータ装置1Aについて説明する。
図6は、上述したような簡易構成型である第2実施形態のインバータ装置1Aの主要構成部とそれらの間における各種情報の送受経路を表す機能ブロックを示している。なお、上記第1実施形態と同等の構成にある部位については同じ符号を付し、適宜説明を省略する。この図6に示す構成において、上記図1に示す第1実施形態の構成との主な相違点としては、主回路部2の検出部13は出力電圧検出部21を有しておらず、センサマイコン15Aは出力電流検出部22で検出された出力電流検出信号と併せてその他の検出部13から検出されたアナログ形式の検出信号を直接受信する。また制御回路部3においては、ドライブマイコン32が省略され、統括制御マイコン31Aが当該ドライブマイコン32の機能を統合して1チップで構成されている。この統括制御マイコン31Aにおいては、速度制御部ASR及び電流制御部ACRの機能を有するものの、上記の出力電圧誤差補償機能を備えていない。このため、センサマイコン15Aは統括制御マイコン31Aに対して出力電圧検出信号を送信しておらず、その代わりにセンサマイコン15Aは異常検出信号とともに出力電流検出信号を同じ系統のシリアル通信で統括制御マイコン31Aに送信している。また、統括制御マイコン31Aは、センサマイコン15Aに対し、図示する例では1系統のデジタルフォトカプラ5を介してデジタル形式のADトリガ信号(同期信号)を送信する。他の構成については、上記第1実施形態と同等であるため説明を省略する。
<第2実施形態におけるセンサマイコンの統合制御機能について>
図7は、上記図2に対応して、本第2実施形態におけるセンサマイコン15A内部の各機能ブロックを示している。この図7において、上記ローパスフィルタ部44は省略されており、その一方でA/D変換部41が出力電流検出信号もデジタル形式に変換し、信号伝送部はこの出力電流検出信号と異常検出信号をシリアル通信の伝送形態で統合して統括制御マイコン31Aに送信可能となっている。
ここで、このような回路構成に用いる統括制御マイコン31Aの仕様として、PWM演算周期に同期して出力電流検出信号を受信できなければ正常にモータを制御できない場合がある。上記第1実施形態では、統括制御マイコン31Aが出力電流検出部22から出力電流検出信号を直接受信していたため、その受信の同期を容易に実現できていた。しかし本第2実施形態の回路構成では、センサマイコン15Aを中継して統括制御マイコン31Aに出力電流検出信号が入力されるため、統括制御マイコン31Aとセンサマイコン15Aの間で出力電流検出信号を送受するための同期制御を行う必要がある。そこで、統括制御マイコン31Aに同期信号送信部46が設けられ、これがPWM演算周期に同期してADトリガ信号を出力した際に、センサマイコン15Aが応答して出力電流検出信号を統括制御マイコン31Aに送信する。
この出力電流検出信号の送受のための同期処理について、図8を参照しつつ説明する。図中上方に示すキャリア信号は、統括制御マイコン31A内でPWM信号を生成する際に参照される三角波であり、モータの制御状態などに応じてその周波数が変動する。本実施形態の例では、キャリア信号が最低レベル(谷の最低点)となった時点で出力電流検出信号を送受するものとし、そのタイミングで統括制御マイコン31Aの同期信号送信部46がパルス波形のADトリガ信号(図示する例では負論理)をセンサマイコン15Aに出力する。このADトリガ信号はパルス幅の違いで2種類あり、幅の狭いパルスを所定回数繰り返すごとに幅の広いパルスを1回出力する。
センサマイコン15Aは、パルス幅に関係なくADトリガ信号を受信した際には出力電流検出部22から出力電流検出信号を検出してその検出結果を蓄積する。そして特に受信したパルス幅が広い場合には、前回の送信からそれまでに蓄積した出力電流検出信号の検出結果をまとめて統括制御マイコン31Aに送信する。これにより、統括制御マイコン31Aは、そのときの制御状態に応じたキャリア周期を単位としたPWM演算周期に同期して、センサマイコン15Aから出力電流の検出結果を受信できる。なお、出力電流の検出結果を送受するタイミングとしてはキャリア信号の最低レベル(谷の最低点)以外にも、例えば最高レベル(頂点)としてもよい。
<第2実施形態の効果>
以上説明したように、本実施形態のインバータ装置1Aによれば、回路構成を大幅に簡略していながら、出力電圧誤差補償機能以外では上記第1実施形態と同等に機能できるインバータ装置1Aを実現できる。
また、本実施形態では特に、統括制御マイコン31Aからセンサマイコン15AにPWM演算周期に対応したタイミングでADトリガ信号を送信し、センサマイコン15Aの信号送信部45は特定のADトリガ信号を受信したタイミングで出力電流検出部22の検出信号を統括制御マイコン31Aに送信する。これにより、インバータ装置1Aの運転中に統括制御マイコン31Aにおいてキャリア周波数やPWM演算周期が任意に変更された場合でも同期を取ることが可能となり、モータを正常に制御できる。
<第3実施形態:第3実施形態の概要>
上記第1実施形態及び第2実施形態では、インバータ装置1,1Aの電気的な回路構成に関する設計手法について説明したが、本第3実施形態ではインバータ装置1,1Aの機械的構成、特に回路基板間の機械的な接続構成に関する設計手法について説明する。
上述したように、主回路部2と制御回路部3は電気的に強化絶縁されることから、機械的にも主回路部2と制御回路部3はそれぞれ独自に設けた回路基板で別体に構成される場合が多い。これに対して本第3実施形態では、さらにセンサマイコン15の周辺も独自の回路基板で別体に構成し、計3つの回路基板で構成する。例えば、図9に示すように、主回路部2の回路基板51の表面に設けたコネクタ54にセンサマイコン15の回路基板52を立設するように差し込んで接続し、さらにケーブル55を介してセンサマイコン15の回路基板52と制御回路部3の回路基板53を接続する。なお、デジタルフォトカプラ5はいずれかの回路基板51,52,53上に設け、電気的な配線を介して接続すればよい。センサマイコン15の回路基板52は比較的小さく製作できるため、このような機械的配置で接続しても全体の収容容量を抑えることができる。
このようにインバータ装置1全体を3つの回路基板51,52,53に区分する場合、上記第1実施形態では図10に示すような区分で各回路基板51,52,53を構成する。すなわち、主回路部2のうちのインバータ部11、補器部12、検出部13が1つの主回路基板51上に実装され、センサマイコン15が第1制御基板52上に実装され、統括制御マイコン31とドライブマイコン32が第2制御基板53上に実装される。この区分における主回路基板、第1制御基板、及び第2制御基板をそれぞれ第1実施形態に対応したAタイプの基板とする。
また、上記第2実施形態では、図11に示すような区分で各回路基板51,52,53を構成する。すなわち、第2制御基板53上には統括制御マイコン31だけが実装される。この区分における主回路基板51、第1制御基板52、及び第2制御基板53をそれぞれ第2実施形態に対応したBタイプの基板とする。
ここで、インバータ装置1は、例えばサイズ、制御性能、機能、コスト等の要求仕様に応じて多種類の製品がラインナップされるのが一般的である。そこで本第3実施形態では、上記の各回路基板51,52,53どうしの間の接続構成について、対応する区分の回路基板どうしで電気的、機械的の両面で互換性を持たせ、換装可能とすることにより、その組み合わせから複数の仕様のバリエーションを持たせるようにする。なお、このように各回路基板51,52,53どうしの間の接続構成について、対応する区分の回路基板どうしで電気的、機械的の両面で互換性を持たせ、換装可能とする構成が、各請求項記載の予め用意された複数種類の主回路基板、第1制御基板及び第2制御基板の中から、要求仕様に応じて選択された主回路基板、第1制御基板及び第2制御基板の組み合わせを可能とする手段に相当する。
例えば、図12の表に示すように、第1制御基板52と第2制御基板53の組み合わせだけでも、それぞれの制御基板がAタイプとBタイプの2種類があることから、計4種類の仕様のバリエーションを持たせることができる。第1制御基板52においてセンサマイコン15自体の仕様の違いにより、Aタイプを用いることでモータの制御機能が高くなり、Bタイプを用いることでモータの制御機能を抑えた仕様となる。また第2制御基板53において統括制御マイコン31とドライブマイコン32のチップ数の違いにより、Aタイプを用いることで標準サイズの筐体仕様が必要となり、Bタイプを用いることで小型サイズの筐体仕様となって簡易な仕様となる。また特に図示しないが、組み合わせる主回路基板51における出力電圧検出部21の有無によっても、出力電圧誤差補償機能を持たせることができるかどうか、すなわち制御性能に違いを持たせることができる。
<第3実施形態の効果>
以上説明したように、本実施形態のインバータ装置1によれば、主回路基板51と、第1制御基板52と、第2制御基板53とを有する。第1制御基板52は主回路基板51に着脱可能に接続され、第2制御基板53は第1制御基板52を介して主回路基板51に着脱可能に接続される。このように、主回路基板51と検出信号に基づく制御を行う2つの制御基板52,53を含む3つの主要基板を分離可能な構成とすることにより、例えば制御性能、機能等がそれぞれ異なる複数種類の主回路基板51、第1制御基板52及び第2制御基板53を用意しておき、それらの中から、要求仕様に応じた主回路基板51、第1制御基板52及び第2制御基板53をそれぞれ選択して組み合わせることで、要求仕様に応じたインバータ装置1を構成することが可能となる。このようにすることで、主要基板を共通化した上でそれらの組み合わせにより各製品を構成することができるので、ラインナップされた各製品について各基板を専用部品として個別に開発する場合に比べて、開発納期を大幅に短縮することができる。
また、本実施形態では特に、第1制御基板52が主回路基板51に立設されるので、主回路基板51上に、例えばI/O基板等の他の基板を並べて立設することで基板を増設することが容易となり、拡張性を向上できる。また、第2制御基板53がケーブル55を介して第1制御基板52に接続されるので、第2制御基板53の配置の自由度を向上でき、インバータ装置1の設計の自由度を向上できる。
なお、上記の各実施形態におけるインバータ装置1では、誘導モータを駆動制御する場合を想定していたが、これに限られない。例えば、同期モータを駆動制御するインバータ装置1に対しても、主回路部2と制御回路部3のそれぞれにおける各マイコン15,31,32の配置や機能、及び各種信号の流れに関する設計手法について上記の各実施形態と同様の手法を適用できる。
また、以上既に述べた以外にも、上記実施形態や各変形例による手法を適宜組み合わせて利用しても良い。
その他、一々例示はしないが、上記実施形態や各変形例は、その趣旨を逸脱しない範囲内において、種々の変更が加えられて実施されるものである。
1 インバータ装置
2 主回路部
3 制御回路部
4 シーケンサ
5 デジタルフォトカプラ(信号伝達部)
6 アナログフォトカプラ(信号伝達部)
11 インバータ部
12 補器部
13 検出部
14 ローパスフィルタ
15,15A センサマイコン(第1制御部)
21 出力電圧検出部(電圧検出部)
22 出力電流検出部(電流検出部)
23 各種状態量検出部
31,31A 統括制御マイコン(第2制御部)
32 ドライブマイコン(第2制御部)
41 A/D変換部
42 シーケンス制御部
43 異常判定部
44 ローパスフィルタ部
45 信号送信部
46 同期信号送信部
51 主回路基板
52 マイコン基板、第1制御基板
53 制御回路基板、第2制御基板
54 コネクタ
55 ケーブル

Claims (8)

  1. インバータ部を含む主回路部及び当該主回路部の状態量を検出する検出部を備えた主回路基板と、
    前記主回路基板に着脱可能に接続され、前記検出部の検出信号に基づいて第1の制御を行う第1制御部を備えた第1制御基板と、
    前記主回路基板に前記第1制御基板を介して着脱可能に接続され、前記検出信号に基づいて第2の制御を行う第2制御部を備えた第2制御基板と、
    を有し、
    前記検出部は、
    前記インバータ部の出力電圧を検出する電圧検出部を含み、
    前記第1制御部は、
    前記電圧検出部の前記検出信号における所定の遮断周波数より高い周波数の成分を逓減させるローパスフィルタ部を有し、
    かつ、
    前記主回路基板において前記電圧検出部と前記第1制御部の間の回路に配置され、前記電圧検出部の前記検出信号における所定の遮断周波数より高い周波数の成分を逓減させるローパスフィルタをさらに有する
    ことを特徴とするインバータ装置。
  2. 前記第1制御基板は、
    前記主回路基板のコネクタに着脱可能に立設されており、
    前記第2制御基板は、
    前記第1制御基板にケーブルを介して着脱可能に接続される
    ことを特徴とする請求項1に記載のインバータ装置。
  3. 前記第1制御部は、
    アナログ信号である前記検出信号をデジタル信号に変換するA/D変換部と、
    前記デジタル信号に変換された複数の前記検出信号を統合してシリアル通信により前記第2制御部に送信する信号送信部と、を有し、
    前記第2制御部は、
    前記信号送信部により送信された前記検出信号に基づいて前記主回路部の制御を行う
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載のインバータ装置。
  4. 前記第1制御部は、
    前記検出信号に基づいて前記検出部の異常の有無を判定する異常判定部を有し、
    前記信号送信部は、
    前記異常判定部により異常が有ると判定された場合に、異常信号を前記第2制御部に送信する
    ことを特徴とする請求項3に記載のインバータ装置。
  5. 前記第1制御部は、
    前記検出信号に基づいて、前記主回路部に備えられた所定の回路部品に対するシーケンス制御を実行するシーケンス制御部を有する
    ことを特徴とする請求項3又は4に記載のインバータ装置。
  6. 前記検出部は、
    前記インバータ部の出力電流を検出する電流検出部を含み、
    前記第2制御部は、
    PWM演算周期に対応したタイミングで前記第1制御部に同期信号を送信する同期信号送信部を有し、
    前記信号送信部は、
    前記同期信号を受信したタイミングで前記電流検出部の前記検出信号を前記第2制御部に送信する
    ことを特徴とする請求項3乃至のいずれか1項に記載のインバータ装置。
  7. 前記第2制御部は、
    前記検出信号に基づいて制御対象に対する制御アルゴリズムを実行する第1マイコンと、
    前記第1マイコンとパラレル通信可能に接続され、前記第1マイコンと外部機器との通信を制御する第2マイコンと、を有する
    ことを特徴とする請求項3乃至のいずれか1項に記載のインバータ装置。
  8. インバータ部を含む主回路部及び当該主回路部の状態量を検出する検出部を備えた主回路基板と、
    前記検出部の検出信号に基づいて第1の制御を行う第1制御部を備えた第1制御基板と、
    前記検出信号に基づいて第2の制御を行う第2制御部を備えた第2制御基板と、
    を有し、
    前記検出部は、
    前記インバータ部の出力電圧を検出する電圧検出部を含み、
    前記第1制御部は、
    前記電圧検出部の前記検出信号における所定の遮断周波数より高い周波数の成分を逓減させるローパスフィルタ部を有し、
    かつ、
    前記主回路基板において前記電圧検出部と前記第1制御部の間の回路に配置され、前記電圧検出部の前記検出信号における所定の遮断周波数より高い周波数の成分を逓減させるローパスフィルタをさらに有するインバータ装置の製造方法であって、
    予め用意された複数種類の前記主回路基板、前記第1制御基板及び前記第2制御基板の中から、要求仕様に応じた前記主回路基板、前記第1制御基板及び前記第2制御基板を選択して組み合わせる
    ことを特徴とするインバータ装置の製造方法。
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