JP2014036539A - インバータ装置及びインバータ装置のスイッチングタイミング補正方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】電源とGNDの間に生じるスイッチングノイズの増大を防止する。
【解決手段】本発明のインバータ装置1は、電源から供給される直流電力を多相交流電力に変換してモータへ出力するものであり、多相交流電力の各相毎にスイッチング部12が設けられたインバータ4と、スイッチング部12のオン、オフを切り替えるスイッチングタイミングが各相の間で一致しないように補正するモータコントローラ6とを備える。
【選択図】図1

Description

本発明は、電源から供給される直流電力を多相交流電力に変換してモータへ出力するインバータ装置に係り、特にスイッチングノイズを低減するためにスイッチングタイミングを補正するインバータ装置及びそのスイッチングタイミング補正方法に関する。
特許文献1では、モータ駆動回路に設けられた高電位側のスイッチング素子と低電位側のスイッチング素子のON/OFFするタイミングを一致させることによって、負荷の電位変動を抑制して電磁ノイズを抑制するモータ制御装置が開示されている。
ここで、スイッチング素子をON/OFFするタイミングで電源とGNDの間にスイッチングノイズが発生することは一般によく知られている。このようなスイッチングノイズの増加は、機器の誤作動やラジオへのノイズの混入などを引き起こす原因となるため低減させる必要がある。
特開2005−57883号公報
しかしながら、上述した従来のモータ制御装置では、多相交流の複数の相の間のスイッチングタイミングが考慮されていなかった。したがって、各相のスイッチングタイミングが一致してしまうと、電源とGNDの間に生じるスイッチングノイズが重複して増大してしまうという問題点があった。
そこで、本発明は、上述した実情に鑑みて提案されたものであり、電源とGNDの間に生じるスイッチングノイズの増大を防止することのできるインバータ装置及びインバータ装置のスイッチングタイミング補正方法を提供することを目的とする。
本発明は、電源から供給される直流電力を多相交流電力に変換してモータへ出力するインバータ装置であって、多相交流電力の各相毎にスイッチング部が設けられており、これらのスイッチング部のオン、オフを切り替えるスイッチングタイミングが各相の間で一致しないように補正することにより、上述した課題を解決する。
本発明によれば、多相交流電力の各相毎にスイッチング部を設け、これらのスイッチング部のオン、オフを切り替えるスイッチングタイミングを各相の間で一致しないように補正するので、電源とGNDの間に生じるスイッチングノイズの増大を防止することができる。
図1は、本発明の第1実施形態に係るインバータ装置の構成を示すブロック図である。 図2は、本発明の第1実施形態に係るインバータ装置によるPWM信号の生成方法を説明するための図である。 図3は、3相交流の波形を説明するための図である。 図4は、本発明の第1実施形態に係るインバータ装置によるスイッチングタイミング補正処理の処理手順を示すフローチャートである。 図5は、本発明の第1実施形態に係るインバータ装置におけるスイッチングノイズの波形の一例を示す図である。 図6は、本発明の第1実施形態に係るインバータ装置による補正電圧の設定方法を説明するための図である。 図7は、本発明の第1実施形態に係るインバータ装置による効果を説明するための図である。 図8は、本発明の第2実施形態に係るインバータ装置の構成を示すブロック図である。 図9は、本発明の第2実施形態に係るインバータ装置によるPWM信号の補正方法を説明するための図である。 図10は、本発明の第3実施形態に係るインバータ装置の構成を示すブロック図である。 図11は、本発明の第4実施形態に係るインバータ装置の構成を示すブロック図である。 図12は、本発明の第5実施形態に係るインバータ装置の構成を示すブロック図である。
以下、本発明を適用した第1〜第5実施形態について図面を参照して説明する。
[第1実施形態]
[インバータ装置の構成]
図1は本実施形態に係るインバータ装置の構成を示すブロック図である。図1に示すように、本実施形態に係るインバータ装置1は、バッテリ2から供給される直流電力を多相交流電力に変換してモータジェネレータ3へ出力するインバータ4と、車両コントローラ5からの指令に基づいてインバータ4の動作を制御するモータコントローラ(モータ制御部)6とを備えている。
また、インバータ4は、バッテリ2の電圧をモニタする電圧センサ11と、多相交流電力の各相毎に設けられたスイッチング部12とを備えている。
さらに、モータコントローラ6は、電流指令部21と、電流制御部22と、2相/3相変換部23と、相電圧指令補正部24と、PWM信号生成部25と、3相/2相変換部26と、磁極位置検出部27とを備えている。
ここで、本実施形態に係るインバータ装置1は、車両に搭載されてバッテリ2から供給される直流電力を多相交流電力に変換してモータジェネレータ3へ出力するものである。本実施形態では、多相交流電力の一例として3相交流電力の場合を説明するが、その他の多相交流電力であってもよい。
バッテリ2は、車両の電源として搭載された二次電池であり、必要な直流電力をインバータ4に供給している。
モータジェネレータ3は、インバータ4から供給される3相交流電力によって車両の走行駆動力(トルク)を発生させている。
インバータ4は、PWM信号生成部25から出力されるPWM信号(パルス幅変調信号)PWMu*、PWMv*、PWMw*に応じてスイッチング部12を構成するスイッチング素子を駆動し、直流電圧を3相交流電圧Vu、Vv、Vwに変換して出力する。また、電圧センサ11の出力信号をモータコントローラ6に送信する。
車両コントローラ5は、車速、シフトポジション、アクセル、ブレーキ等の情報に応じて駆動力の制御及びエネルギーマネージメントを行い、モータコントローラ6へトルク指令T*を出力する。
モータコントローラ6は、車両コントローラ5から出力されたトルク指令T*に基づいてPWM信号を出力してインバータ4のスイッチングタイミングを制御する。
電流指令部21は、トルク指令T*とモータジェネレータ3の電気角周波数ω及び電圧センサ11の出力信号に基づいて、電流テーブルからd、q軸電流指令値id*、iq*を設定する。
電流制御部22は、電流指令値id*、iq*と実電流id、iqの差がゼロとなるようにd、q軸の電圧指令値vd*、vq*を決定する。
2相/3相変換部23は、磁極位置θに基づいて電圧指令値vd*、vq*を補正前相電圧指令値Vu’*、Vv’*、Vw’*に変換する。
相電圧指令補正部24は、補正前相電圧指令値Vu’*、Vv’*、Vw’*のうち、各相のスイッチングタイミングの差がスイッチングノイズの継続時間以下となる場合に、補正前相電圧指令値がそれぞれ異なる値となるように補正を加えて相電圧指令値Vu*、Vv*、Vw*に変換する。
PWM信号生成部25は、相電圧指令値Vu*、Vv*、Vw*とキャリア波を比較することによって、スイッチング部12を構成するIGBT等のスイッチング素子を駆動するためのPWM(Pulse Width Modulation)信号PWMu*、PWMv*、PWMw*を生成する。具体的には、図2に示すようにキャリア波41と相電圧指令42との交点でPWM信号43の立ち上がりと立下りが形成される。したがって、相電圧指令値Vu*、Vv*、Vw*を補正することによってPWM信号の立ち上がり、立下りを変更することができ、これによってスイッチング部12のスイッチングタイミングを変更することができる。
3相/2相変換部26は、図示しない電流センサで取得した3相交流実電流iu、iv、iwを、磁極位置θに基づいて2相直流実電流id、iqに変換する。
磁極位置検出部27は、モータジェネレータ3に設置されている磁極位置センサ31からの信号を磁極位置検出値θと電気角周波数ωに変換する。
尚、モータコントローラ6は、マイクロコンピュータ、マイクロプロセッサ、CPUを含む汎用の電子回路と周辺機器から構成されており、特定のプログラムを実行することにより、上述した各部として動作する。
[インバータ装置のスイッチングタイミング補正処理の手順]
次に、本実施形態に係るインバータ装置1によるスイッチングタイミング補正処理について説明する。
本実施形態に係るスイッチングタイミング補正処理は、スイッチング部12のスイッチングタイミングが各相の間で一致してしまうことにより、スイッチングノイズが重複して増大することを防止するものである。
ここで、スイッチングノイズは、図2に示すPWM信号の立ち上がりと立下りで発生するので、各相の相電圧指令値が一致するとスイッチングノイズも同時に発生して増大することになる。ただし、図3に示すように、3相交流(相電圧または相電流)は点Aや点Bのように任意の2つの波形が重なる場合はあるが、波形が3つとも重なることはないので、相電圧指令が一致するかどうかは任意の2つの相電圧指令値を比較すればよい。
そこで、本実施形態に係るスイッチングタイミング補正処理では、補正前相電圧指令値Vu’*、Vv’*、Vw’*のうちの任意の2つの指令値同士を比較して、その差が所定値未満のときには、相電圧指令値Vu*、Vv*、Vw*が互いに異なる値になるように補正している。
このようにして相電圧指令値を互いに異なる値にできれば、各相のPWM信号の立ち上がりと立下りのタイミングを変えることができるので、スイッチングノイズの発生タイミングをずらしてスイッチングノイズが増大することを防止できる。
以下、図4のフローチャートを参照して、本実施形態に係るスイッチングタイミング補正処理の手順を説明する。
図4に示すように、まずステップS101において、相電圧指令補正部24はVu’*−Vv’*及びVu’*−Vw’*の演算を行い、この演算の結果が0から補正電圧ΔV*の範囲内になるか否かを判定する。補正電圧ΔV*は、スイッチング部12のスイッチング素子で電源とGNDの間に発生するスイッチングノイズの継続時間を相電圧指令値に換算したものである。
ここで、図5、6を参照して補正電圧ΔV*の設定方法を説明する。
図5は、1相のみスイッチングしたときのスイッチングノイズの波形の一例を示したものである。図5に示すように、電源とGNDの間にはPWM信号の立ち上がり、または立下りのタイミングでスイッチングノイズが発生する。そこで、スイッチングノイズの継続時間Δtを予め測定しておき、この継続時間Δtの間は各相のスイッチングタイミングが一致しないようにすれば、スイッチングノイズが重複して増大することを防止できる。したがって、この継続時間Δtに基づいて補正電圧ΔV*を設定すればよい。
次に、図6を参照して補正電圧ΔV*の設定方法を説明する。PWM信号生成部25は、キャリア波と相電圧指令値を比較することによってPWM信号を生成している。そのため、図6(a)に示すように相電圧指令値をV1とV3の間で上下に変更することにより、PWM信号の立ち上がりと立下りのタイミングを図6(b)〜図6(d)に示すようにずらすことができる。
ここで、図6においてスイッチングノイズの継続時間ΔtだけPWM信号の立ち上がりまたは立下りのタイミングをずらすために必要な相電圧指令値の差はV3−V1となる。すなわち、この相電圧指令値の差V3−V1だけ各相の相電圧指令値の間に差があれば、PWM信号の立ち上がりまたは立下りのタイミングがΔt以上ずれることになり、スイッチングノイズの増大を防止することができる。したがって、この相電圧指令値の差V3−V1を補正電圧ΔV*と設定すればよい。
次に、図4に戻って、ステップS101においてVu’*−Vv’*及びVu’*−Vw’*の演算を行い、その結果、いずれかの演算結果が0から補正電圧ΔV*の範囲内である場合にはステップS102に進む。
ステップS102では、相電圧指令補正部24が補正前相電圧指令値Vu’*に補正電圧ΔV*を加えた値を相電圧指令値Vu*として設定し、補正前相電圧指令値Vv’、Vw’*については変更せずに同じ値を相電圧指令値Vv*、Vw*として設定する。これにより、相電圧指令値Vu*とVv*、Vw*とを十分に相違させることができ、スイッチングタイミングが一致しないように補正することができた。こうして相電圧指令値Vu*、Vv*、Vw*が設定されると、本実施形態に係るスイッチングタイミング補正処理を終了する。
一方、ステップS101においてVu’*−Vv’*及びVu’*−Vw’*の演算の結果がいずれも0から補正電圧ΔV*の範囲外である場合にはステップS103に進む。
ステップ103では、相電圧指令補正部24がVv’*−Vu’*及びVv’*−Vw’*の演算を行い、この演算の結果が0から補正電圧ΔV*の範囲内になるか否かを判定する。そして、演算結果のうちいずれかが0から補正電圧ΔV*の範囲内である場合にはステップS104に進む。
ステップS104では、相電圧指令補正部24が補正前相電圧指令値Vv’*に補正電圧ΔV*を加えた値を相電圧指令値Vv*として設定し、補正前相電圧指令値Vu’*、Vw’*については変更せずに同じ値を相電圧指令値Vu*、Vw*として設定する。これにより、相電圧指令値Vv*とVu*、Vw*とを十分に相違させることができ、スイッチングタイミングが一致しないように補正することができた。こうして相電圧指令値Vu*、Vv*、Vw*が設定されると、本実施形態に係るスイッチングタイミング補正処理を終了する。
一方、ステップS103においてVv’*−Vu’*及びVv’*−Vw’*の演算の結果がいずれも0から補正電圧ΔV*の範囲外である場合にはステップS105に進む。
ステップ105では、相電圧指令補正部24がVw’*−Vu’*及びVw’*−Vv’*の演算を行い、この演算の結果が0から補正電圧ΔV*の範囲内になるか否かを判定する。そして、演算結果のうちいずれかが0から補正電圧ΔV*の範囲内である場合にはステップS106に進む。
ステップS106では、相電圧指令補正部24が補正前相電圧指令値Vw’*に補正電圧ΔV*を加えた値を相電圧指令値Vw*として設定し、補正前相電圧指令値Vu’*、Vv’*については変更せずに同じ値を相電圧指令値Vu*、Vv*として設定する。これにより、相電圧指令値Vw*とVu*、Vv*とを十分に相違させることができ、スイッチングタイミングが一致しないように補正することができた。こうして相電圧指令値Vu*、Vv*、Vw*が設定されると、本実施形態に係るスイッチングタイミング補正処理を終了する。
一方、ステップS105においてVw’*−Vu’*及びVw’*−Vv’*の演算の結果がいずれも0から補正電圧ΔV*の範囲外である場合にはステップS107に進む。
ステップ107では、補正前相電圧指令値Vu’*、Vv’*、Vw’*のいずれも補正する必要がないので、相電圧指令補正部24は補正前相電圧指令値Vu’*、Vv’*、Vw’*を変更せずに同じ値を相電圧指令値Vu*、Vv*、Vw*として設定する。こうして相電圧指令値Vu*、Vv*、Vw*が設定されると、本実施形態に係るスイッチングタイミング補正処理を終了する。
尚、図4に示すスイッチングタイミング補正処理では、補正電圧ΔV*を加算することによってスイッチングタイミングをずらしているが、スイッチングタイミングをずらすためにはタイミングが近接している2つの相電圧指令値の電圧差が補正電圧ΔV*以上になればよい。したがって、タイミングが近接している2つの相電圧指令値のそれぞれに対して、電圧を加算及び減算することによって、補正後の相電圧指令値の差が補正電圧ΔV*となるように補正してもよい。この場合には補正後の相電圧指令値の差が補正電圧ΔV*となるように、電圧値が高いほうの相電圧指令値には電圧を加算し、電圧値が低いほうの相電圧指令値には電圧を減算するように補正する。
また、上述したスイッチングタイミングの補正処理は、モータの回転数が所定値以下の場合に限って実施するようにしてもよい。これはモータの回転数が高くなると、キャリア周期とモータの電気角周期が同期しない限り、キャリア周期毎にノイズが増大することはなくなるためである。そこで、モータの回転数が所定値以下の場合に限ってスイッチングタイミングを補正するようにしてもよい。さらに、上述したスイッチングタイミングの補正処理を、相電流やモータのトルクが所定値以上の場合に限って実施するようにしてもよい。
[第1実施形態の効果]
以上詳細に説明したように、本実施形態に係るインバータ装置1によれば、多相交流電力の各相毎にスイッチング部12を設け、スイッチング部12のオン、オフを切り替えるスイッチングタイミングを各相の間で一致しないように補正するので、電源とGNDの間に生じるスイッチングノイズの増大を防止することができる。
例えば、図7に示すように単相の電源〜GND間の電圧波形は波形S1のように変化し、この波形S1では時刻t0でスイッチングノイズが発生している。
従来では、複数の相のスイッチングタイミングが一致すると、波形S2に示すように時刻t0においてスイッチングノイズが増大していた。しかしながら、本実施形態のインバータ装置1では、スイッチングタイミングを各相の間で一致しないように補正するので、波形S2のようになることはなく電源とGNDの間に生じるスイッチングノイズが増大することを防止できる。
また、本実施形態に係るインバータ装置1によれば、多相交流電力の各相のスイッチングタイミングの差がスイッチングノイズの継続時間Δt以上となるように補正するので、スイッチングノイズが重複することを確実に防止してスイッチングノイズの増大を防ぐことができる。
さらに、本実施形態に係るインバータ装置1によれば、相電圧指令値を補正することによってスイッチングタイミングを補正するので、容易にスイッチングタイミングを補正してスイッチングノイズの増大を防止することができる。
また、本実施形態に係るインバータ装置1によれば、モータの回転数が所定値以下の場合にスイッチングタイミングを補正するので、スイッチングノイズが増大する可能性の高いモータの回転数に適用を限定してモータコントローラ6の制御負荷(CPU負荷)を軽減することができる。
[第2実施形態]
次に、本発明の第2実施形態に係るインバータ装置について図面を参照して説明する。尚、第1実施形態と同一の構成要素には同一の番号を付して詳細な説明は省略する。
[インバータ装置の構成]
図8は本実施形態に係るインバータ装置の構成を示すブロック図である。図8に示すように、本実施形態に係るインバータ装置51は、図1に示した相電圧指令補正部24の代わりにPWM信号補正部52を備えたことが第1実施形態と相違している。
PWM信号補正部52は、PWM信号生成部25の出力信号である補正前PWM信号PWMu’*、PWMv’*、PWMw’*のうち、スイッチング素子のスイッチングタイミング差がスイッチングノイズの継続時間Δt以下となるような組み合わせがあるか否かを判定する。そして、そのような組み合わせがある場合には、補正前PWM信号に対してスイッチングタイミングの差がスイッチングノイズの継続時間Δt以上となるような補正を行ってPWM信号PWMu*、PWMv*、PWMw*に変換する。
ここで、図9を参照してPWM信号補正部52によるPWM信号の補正処理を説明する。PWM信号の補正は、PWM信号の立ち上がりと立下りのタイミングを遅延させることによって行う。PWM信号補正部52は、図9(a)に示すようにPWMu’*の立ち上がりを検知してから継続時間Δt以内にPWMv’*、PWMw’*の立ち上がりを検知するか否かを判定する。そして、図9(b)に示すようにPWMu’*の立ち上がりを検知してから継続時間Δt以内にPWMv’*、PWMw’*の立ち上がりを検知すると、PWMu’*の立ち上がりから継続時間Δt以上経過した後にPWMv*、PWMw*が立ち上がるように信号遅延を行う。
一方、図9(c)に示すようにPWMu’*の立ち上がりを検知してから継続時間Δtの経過以降にPWMv’*、PWMw’*の立ち上がりを検知した場合には、PWM信号補正部52は信号遅延を行わずにPWMv’*、PWMw’*と同タイミングでPWMv*、PWMw*を出力する。尚、いずれの場合も、PWMu*はPWMu’*と同タイミングで出力される。
この後、PWM信号補正部52は、PWMv’*、PWMw’*に対してそれぞれ同様の処理を行うことで、各PWM信号PWMu*、PWMv*、PWMw*によるスイッチングタイミングの差が継続時間Δt以上となるように補正する。尚、PWMu’*を最初に処理する場合について説明したが、PWMv’*,PWMw’*のいずれかを最初に処理してもよい。また、PWM信号の立ち上がりを補正する場合について説明したが、立ち下がりを補正してもよい。
[第2実施形態の効果]
以上詳細に説明したように、本実施形態に係るインバータ装置51によれば、パルス幅変調信号を補正することによってスイッチングタイミングを補正するので、容易にスイッチングタイミングを補正してスイッチングノイズの増大を防止することができる。
[第3実施形態]
次に、本発明の第3実施形態に係るインバータ装置について図面を参照して説明する。尚、第1及び第2実施形態と同一の構成要素には同一の番号を付して詳細な説明は省略する。
[インバータ装置の構成]
図10は本実施形態に係るインバータ装置の構成を示すブロック図である。図10に示すように、本実施形態に係るインバータ装置61では、相電圧指令補正部62に対して磁極位置検出部27から磁極位置θと電気角周波数ωが入力されている点が図1に示した第1実施形態と相違している。
任意の2つの相電圧指令値が近接するモータ角度、すなわち各相のスイッチングタイミングの差が継続時間Δt以下となるようなモータ角度は予め分かっている。そこで、本実施形態の相電圧指令補正部62は、各相のスイッチングタイミングの差がスイッチングノイズの継続時間Δt以下となるようなモータ角度を予め記憶しておき、このモータ角度では相電圧指令値を補正して各相のスイッチングタイミングをずらしている。相電圧指令値の補正方法は、第1実施形態と同様に補正電圧ΔV*を加算すればよい。
[第3実施形態の効果]
以上詳細に説明したように、本実施形態に係るインバータ装置61によれば、多相交流電力の各相のスイッチングタイミングの差がスイッチングノイズの継続時間以下となるようなモータ角度を予め記憶しておき、このモータ角度では相電圧指令値を補正するので、スイッチングノイズが増大するタイミングを予め記憶しておくことにより確実にスイッチングノイズの増大を防止することができる。
[第4実施形態]
次に、本発明の第4実施形態に係るインバータ装置について図面を参照して説明する。尚、第1〜3実施形態と同一の構成要素には同一の番号を付して詳細な説明は省略する。
[インバータ装置の構成]
図11は本実施形態に係るインバータ装置の構成を示すブロック図である。図11に示すように、本実施形態に係るインバータ装置71では、PWM信号補正部72に対して磁極位置検出部27から磁極位置θと電気角周波数ωが入力されている点が図8に示した第2実施形態と相違している。
第3実施形態と同様に、任意の2つのPWM信号が近接するモータ角度、すなわち各相のスイッチングタイミングの差が継続時間Δt以下となるようなモータ角度は予め分かっている。そこで、本実施形態のPWM信号補正部72は、各相のスイッチングタイミングの差がスイッチングノイズの継続時間Δt以下となるようなモータ角度を予め記憶しておき、このモータ角度ではPWM信号を補正して各相のスイッチングタイミングをずらしている。PWM信号の補正方法は、第2実施形態と同様にPWM信号の立ち上がり、あるいは立下りのタイミングを遅延させればよい。
[第4実施形態の効果]
以上詳細に説明したように、本実施形態に係るインバータ装置71によれば、多相交流電力の各相のスイッチングタイミングの差がスイッチングノイズの継続時間以下となるようなモータ角度を予め記憶しておき、このモータ角度ではPWM信号を補正するので、スイッチングノイズが増大するタイミングを予め記憶しておくことにより確実にスイッチングノイズの増大を防止することができる。
[第5実施形態]
次に、本発明の第5実施形態に係るインバータ装置について図面を参照して説明する。尚、第1〜4実施形態と同一の構成要素には同一の番号を付して詳細な説明は省略する。
[インバータ装置の構成]
図12は本実施形態に係るインバータ装置の構成を示すブロック図である。図12に示すように、本実施形態に係るインバータ装置81は、図1に示した相電圧指令補正部24の代わりに電流指令補正部82を備えたことが第1実施形態と相違している。
電流指令補正部82は、磁極位置検出部27から磁極位置θと電気角周波数ωを取得し、電流指令部21からの電流指令値id’*、iq’*を補正してスイッチングタイミングの差がスイッチングノイズの継続時間Δt以上となるような電流指令値id*、iq*を出力する。
このとき、電流指令補正部82は、各相のスイッチングタイミングの差が継続時間Δt以下となるようなモータ角度を予め記憶しているので、各相のスイッチングタイミングの差が継続時間Δt以下となるようなモータ角度であるか否かを判定する。そして、各相のスイッチングタイミングの差が継続時間Δt以下となるようなモータ角度である場合には、スイッチングタイミングの差が継続時間Δt以上となるような電流指令値id*、iq*を出力する。
ここで、モータトルクTは下記の式(1)で求めることができ、同じトルクTを得ることのできるd軸電流idとq軸電流iqの組み合わせは多数ある。
Figure 2014036539
ただし、Pnは極対数、Ψaはモータ巻線鎖交磁束、Ldはd軸インダクタンス、Lqはq軸インダクタンスである。
したがって、d軸及びq軸電流id,iqの組合せを変えれば、同じトルクでスイッチングタイミングを変えることができる。そこで、電流指令補正部82は、スイッチングタイミングが近接してしまうようなモータ角度の前後では、電流指令部21からの電流指令値は採用せずに、予め求めておいた別の電流指令値id*、iq*の組合せを出力する。これにより、所望のトルクを得ることができるとともに、各相のスイッチングタイミングの差を継続時間Δt以上にすることができる。
次に、電流指令値id*、iq*の組み合わせを変えても、トルクを変えずに相電流と相電圧の組み合わせを変えられる場合の数値例をモータロック時について説明する。モータロック時は誘起電圧が発生しないので、相電圧は相電流に比例する(比例定数は、モータ巻線抵抗・インバータ内のバスバー抵抗値・スイッチング素子のオン電圧等によって決まる)。したがって、相電流が同じ場合には相電圧も同じになるため、スイッチングタイミングが近接することになる。
例えば、θ=270°の場合には、dq軸から3相への変換は以下の式で示すことができる。
Figure 2014036539
ここで、Pn=1、Ψa=0.1Wb、Ld-Lq=-0.1mHとすると、id=0、iq=-367AのときにトルクTはT=-37Nmとなり、相電流はそれぞれiu=-300A、iv=iw=150Aとなる。したがって、この場合にはV相とW相の相電流、すなわち相電圧が一致してしまうことになる。しかし、同じトルクを得られる電流としてid=-66A、iq=-345Aに変更すると、各相の相電流はそれぞれiu=-281A,iv=188A,iw=94Aとなり、3相ともに相電流、すなわち相電圧を相異させることができる。
[第5実施形態の効果]
以上詳細に説明したように、本実施形態に係るインバータ装置81によれば、各相のスイッチングタイミングの差がスイッチングノイズの継続時間Δt以下となるようなモータ角度を予め記憶しておき、このモータ角度では電流指令値を補正するので、同じモータトルクを発生する電流指令値を利用してモータトルクを変更することなくスイッチングノイズの増大を防止することができる。
なお、上述の実施形態は本発明の一例である。このため、本発明は、上述の実施形態に限定されることはなく、この実施形態以外の形態であっても、本発明に係る技術的思想を逸脱しない範囲であれば、設計などに応じて種々の変更が可能であることは勿論である。
1、51、61、71、81 インバータ装置
2 バッテリ
3 モータジェネレータ
4 インバータ
5 車両コントローラ
6 モータコントローラ(モータ制御部)
11 電圧センサ
12 スイッチング部
21 電流指令部
22 電流制御部
23 2相/3相変換部
24、62 相電圧指令補正部
25 PWM信号生成部
26 3相/2相変換部
27 磁極位置検出部
31 磁極位置センサ
52、72 PWM信号補正部
82 電流指令補正部

Claims (9)

  1. 電源から供給される直流電力を多相交流電力に変換してモータへ出力するインバータ装置であって、
    前記多相交流電力の各相毎にスイッチング部が設けられたインバータと、
    前記スイッチング部のオン、オフを切り替えるスイッチングタイミングが各相の間で一致しないように補正するモータ制御部と
    を備えたことを特徴とするインバータ装置。
  2. 前記モータ制御部は、前記多相交流電力の各相のスイッチングタイミングの差がスイッチングノイズの継続時間以上となるように補正することを特徴とする請求項1に記載のインバータ装置。
  3. 前記モータ制御部は、前記スイッチングタイミングを制御するための相電圧指令値を補正することによって前記スイッチングタイミングを補正することを特徴とする請求項1または2に記載のインバータ装置。
  4. 前記モータ制御部は、前記スイッチングタイミングを制御するためのパルス幅変調信号を補正することによって前記スイッチングタイミングを補正することを特徴とする請求項1または2に記載のインバータ装置。
  5. 前記モータ制御部は、前記多相交流電力の各相のスイッチングタイミングの差がスイッチングノイズの継続時間以下となるようなモータ角度を予め記憶しておき、このモータ角度では前記相電圧指令値を補正することを特徴とする請求項3に記載のインバータ装置。
  6. 前記モータ制御部は、前記多相交流電力の各相のスイッチングタイミングの差がスイッチングノイズの継続時間以下となるようなモータ角度を予め記憶しておき、このモータ角度では前記パルス幅変調信号を補正することを特徴とする請求項4に記載のインバータ装置。
  7. 前記モータ制御部は、前記多相交流電力の各相のスイッチングタイミングの差がスイッチングノイズの継続時間以下となるようなモータ角度を予め記憶しておき、このモータ角度では、前記スイッチングタイミングを制御するための電流指令値を補正することによって前記スイッチングタイミングを補正することを特徴とする請求項1または2に記載のインバータ装置。
  8. 前記モータ制御部は、前記モータの回転数が所定値以下の場合に前記スイッチングタイミングを補正することを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載のインバータ装置。
  9. 電源から供給される直流電力を多相交流電力に変換してモータへ出力するインバータ装置のスイッチングタイミング補正方法であって、
    前記多相交流電力の各相毎にスイッチング部を設け、前記スイッチング部のオン、オフを切り替えるスイッチングタイミングが各相の間で一致しないように補正する
    ことを特徴とするインバータ装置のスイッチングタイミング補正方法。
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