JP6097111B2 - フッ化リチウム粉末の製造方法及び六フッ化リン酸リチウムの製造方法 - Google Patents

フッ化リチウム粉末の製造方法及び六フッ化リン酸リチウムの製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、フッ化リチウム粉末の製造方法及び六フッ化リン酸リチウムの製造方法に関する。
現在、リチウムイオン電池は、携帯電話やノートパソコンを始め、幅広い電子機器に搭載されており、その需要は急速に伸びている。また、リチウムイオン電池は、エコ自動車などの動力源としても実用化が進んでいる。更には、リチウムイオン電池について、電力の平準化やスマートグリッドのための蓄電装置としても精力的に研究がなされている。
フッ化リチウム(LiF)は、リチウムイオン電池の電解質として使用される六フッ化リン酸リチウム(LiPF)などのリチウム塩の原料として用いられる。
フッ化リチウムの一般的な製法は、炭酸リチウム、硝酸リチウム、塩化リチウム、硫酸リチウム等の水溶性リチウム塩と、フッ化水素酸と、を反応させる方法である。
この方法では、水溶性リチウム塩を少量ずつ過剰量のフッ化水素酸溶液に添加し、得られた沈殿物をろ別し、ろ別された沈殿物を水洗浄し、乾燥することにより、粉末状のフッ化リチウム(以下、「フッ化リチウム粉末」ともいう)を得る。
フッ化リチウムをリチウムイオン電池の電解質の原料として使用する場合、電解質中にフッ化水素が混入すると電池特性の低下を引き起こす。
このため、フッ化リチウム(粉末)を製造するときには、過剰のフッ化水素を除去するために、水溶性リチウム塩とフッ化水素との反応で生成したフッ化リチウムの沈殿物を水洗浄することが一般的である(例えば、特許文献1及び2参照)。
特開2001−106524号公報 特開2008−156190号公報
しかし、水洗浄を行い、沈殿物に付着した水分が中性となった状態で乾燥させてフッ化リチウム粉末を製造すると、製造されたフッ化リチウム粉末の結晶中に水分が取り込まれ、通常の乾燥方法で乾燥を行っても、水分を例えば400重量ppm以下といった極めて少ない量にまで除去することは困難である。このため、このフッ化リチウム粉末を原料として電解質を製造すると、フッ化リチウム粉末中に残留していた水分により、製造された電解質が容易に加水分解し、フッ化水素が発生する。
以上の理由から、リチウムイオン電池用電解質の原料としては、含水率が低いフッ化リチウム粉末を製造するための技術が求められている。
従って、本発明の課題は、含水率が低いフッ化リチウム粉末を製造することができるフッ化リチウム粉末の製造方法を提供することである。
また、本発明の課題は、加水分解によるフッ化水素の生成が抑制された六フッ化リン酸リチウムを製造できる六フッ化リン酸リチウムの製造方法を提供することである。
前記課題を解決するための具体的手段は以下の通りである。
<1> 炭酸リチウム、水酸化リチウム、硝酸リチウム、塩化リチウム、及び硫酸リチウムからなる群から選択される少なくとも1種のリチウム化合物を含み、pH4以下に調整された水溶液を準備する準備工程と、前記水溶液中のリチウム化合物とフッ化水素とを反応させてフッ化リチウムを含む沈殿物を得る反応工程と、前記沈殿物をろ別するろ別工程と、ろ別された前記沈殿物を、該沈殿物に付着した水分のpHを4以下とした状態で、窒素雰囲気下、150℃〜500℃で乾燥処理する乾燥処理工程と、を有するフッ化リチウム粉末の製造方法。
<2> 前記リチウム化合物が、水酸化リチウムを含む<1>に記載のフッ化リチウム粉末の製造方法。
<3> 前記準備工程は、pH2以下に調整された前記水溶液を準備し、前記乾燥処理工程は、ろ別された前記沈殿物を、該沈殿物に付着した水分のpHを2以下とした状態で乾燥処理する<1>又は<2>に記載のフッ化リチウム粉末の製造方法。
<4> <1>〜<3>のいずれか1つに記載のフッ化リチウム粉末の製造方法によってフッ化リチウム粉末を製造する工程と、製造されたフッ化リチウム粉末と有機溶媒とを混合してフッ化リチウム含有液を得る工程と、前記フッ化リチウム含有液中のフッ化リチウムと五フッ化リンとを反応させて六フッ化リン酸リチウムを得る工程と、を有する六フッ化リン酸リチウムの製造方法。
<5> 前記有機溶媒が、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、エチルメチルカーボネート、及び1,2−ジメトキシエタンからなる群から選択される少なくとも1種である<4>に記載の六フッ化リン酸リチウムの製造方法。
本発明のフッ化リチウム粉末の製造方法によれば、含水率が低いフッ化リチウム粉末を製造することができる。
また、本発明の六フッ化リン酸リチウムの製造方法によれば、加水分解に伴うフッ化水素の生成が抑制された六フッ化リン酸リチウムを製造することができる。
以下、本発明のフッ化リチウム粉末の製造方法及び六フッ化リン酸リチウムの製造方法について詳細に説明する。
<フッ化リチウムの製造方法>
本発明のフッ化リチウム粉末の製造方法は、炭酸リチウム、水酸化リチウム、硝酸リチウム、塩化リチウム、及び硫酸リチウムからなる群から選択される少なくとも1種のリチウム化合物を含み、pH4以下に調整された水溶液を準備する準備工程と、前記水溶液中のリチウム化合物とフッ化水素とを反応させてフッ化リチウムを含む沈殿物を得る反応工程と、前記沈殿物をろ別するろ別工程と、ろ別された前記沈殿物を、該沈殿物に付着した水分のpHが4以下の状態で、窒素雰囲気下、150℃〜500℃で乾燥処理する乾燥処理工程と、を有する。本発明のフッ化リチウム粉末の製造方法は、必要に応じ、その他の工程を有していてもよい。
上記本発明の製造方法によれば、含水率が低いフッ化リチウム粉末を製造することができる。
この理由は、上記沈殿物を、この沈殿物に付着した水分のpHが4以下の状態で乾燥処理することにより、フッ化リチウムの結晶中に水分が取り込まれる現象を抑制できるため、と考えられる。
乾燥時における水分のpHが4を超えると、乾燥時に水分とフッ化リチウムが反応することにより、フッ化リチウムの結晶中に水分が取り込まれ、その結果、製造されたフッ化リチウム粉末の含水率が高くなる傾向がある。
以下、本発明のフッ化リチウム粉末の製造方法の各工程について説明する。
(準備工程)
準備工程は、炭酸リチウム、水酸化リチウム、硝酸リチウム、塩化リチウム、及び硫酸リチウムからなる群から選択される少なくとも1種のリチウム化合物を含み、pH4以下に調整された水溶液を準備する工程である。
上記リチウム化合物は、公知の製法によって得られるものであって良く、特に制限されない。
上記リチウム化合物は、製造されるフッ化リチウム粉末の含水率をより低減させる観点より、少なくとも水酸化リチウムを含むことが好ましい。
本工程で準備する水溶液のpHは4以下である。
水溶液のpHが4を超えると、後述の反応工程によって生成した沈殿物中に取り込まれる水分量が増加し、その結果、製造されるフッ化リチウム粉末の含水率が高くなる場合がある。
水溶液のpHは、2以下であることが好ましく、1以下であることがより好ましい。
準備工程において、水溶液のpHの調整は、酸の添加によって行うことができる。
酸としては、塩酸、硫酸、及び硝酸からなる群から選択される少なくとも1種を使用することが好ましいが、中でも、乾燥時に容易に揮発し除去しやすい点で、塩酸が特に好ましい。
(反応工程)
反応工程は、pHが調整された上記水溶液中のリチウム化合物とフッ化水素とを反応させてフッ化リチウムを含む沈殿物を得る工程である。
両者を反応させる方法には特に制限はなく、上記水溶液とフッ化水素とを混合する方法が挙げられるが、上記水溶液にフッ化水素を添加する方法が好ましい。
上記水溶液にフッ化水素を添加する方法としては、水溶液に無水フッ化水素又はフッ化水素酸を添加する方法や、水溶液にフッ化水素ガス(例えば、無水フッ化水素から生じたフッ化水素ガス)を吹き込む方法が挙げられる。このうち、沈殿物中に混入する水の量を低減できる点で、水溶液にフッ化水素ガスを吹き込む方法が好ましい。
また、このとき、リチウムに対するフッ化水素の添加割合は、1モル当量以上3モル当量以下が好ましく、1.01モル当量以上1.5モル当量以下がさらに好ましい。
この添加割合が1モル当量以上であると、未反応の原料(リチウム化合物)の残存をより抑制できる。
また、添加割合が3モル当量以下であると、過剰のフッ化水素を分離精製する必要がないか、または分離精製するためのエネルギーをより少なくすることができる。
水溶液中のリチウム化合物とフッ化水素との反応は、水溶液へのフッ化水素の添加後、好ましくは、攪拌したまま熟成させることにより行う。
熟成時間については特に限定されない。
熟成時間としては、0.5時間以上12時間以下が好ましく、1時間以上10時間以下がさらに好ましく、2時間以上6時間以下が特に好ましい。
熟成時間が0.5時間以上であると、収率をより向上させることができる。
熟成時間が12時間以下であると、生産性に優れる。
また、熟成温度については20℃〜100℃が好ましく、40〜90℃がさらに好ましく、60〜80℃が特に好ましい。
熟成温度が20℃以上であると、得られるフッ化リチウム粉末の含水率がより低くなる。一方、熟成温度が100℃以下であると、水の蒸発が抑制される。
(ろ別工程)
ろ別工程は、反応工程によって得られた上記沈殿物をろ別する工程である。
ろ別は、通常のろ過(固液分離)によって行うことができる。
ろ過としては、自然ろ過、加圧ろ過、遠心分離ろ過などが挙げられる。
(乾燥処理工程)
乾燥工程は、ろ別された上記沈殿物を、該沈殿物に付着した水分のpHが4以下の状態で、窒素雰囲気下、150℃〜500℃で乾燥処理する工程である。
本工程において、上記水分のpHが4以下の状態で乾燥処理を行うことにより、乾燥処理後のフッ化リチウム(即ち、製造されるフッ化リチウム粉末)の含水率を極めて低くすることができる。
上記水分のpHが4を超えると、乾燥時に水分とフッ化リチウムが反応することにより、フッ化リチウムの結晶中に水分が取り込まれ、その結果、製造されたフッ化リチウム粉末の含水率が高くなる。
上記水分のpHは、2以下が好ましく、1以下がより好ましい。
上記水分のpHが4以下の状態で乾燥処理を行う具体的な形態には特に制限はなく、ろ別された上記沈殿物を水洗浄せずにそのまま乾燥処理する形態や、ろ別された上記沈殿物を上記水分のpHが4以下に維持される程度に水洗浄した後に乾燥処理する形態が挙げられる。中でも、ろ別された上記沈殿物を水洗浄せずにそのまま乾燥処理する形態が好ましい。
乾燥処理は、上述のとおり窒素雰囲気下で行う。
これにより、乾燥後のフッ化リチウム(製造されるフッ化リチウム粉末)の含水率を極めて低くすることができる。
乾燥処理は、炉を用いた通常の方法によって行うことができる。
また、乾燥処理は、150℃〜500℃の条件で行う。
この温度は、雰囲気温度である。
この温度が150℃未満であると、フッ化リチウム粉末中の十分に水分を除去することができない。
この温度が500℃を超えると、フッ化リチウムの結晶が焼結してしまい、粉末(粉末)を得るためには粉砕が必要になる。このため、製造コスト高となり好ましくない。
乾燥処理の時間は、2時間以上36時間以下が好ましく、4時間以上32時間以下がより好ましい。
乾燥処理の時間が2時間以上であると、フッ化リチウム粉末の含水率をより低減させることができる。
乾燥処理の時間が36時間以下であると、生産性に優れる。
また、本発明のフッ化リチウム粉末の製造方法は、比較的短い乾燥処理の時間(例えば36時間以下)で、含水率を効果的に低減できる点で有利である。
本発明のフッ化リチウム粉末の製造方法は、以下の理由により、特に、リチウムイオン電池の電解質の原料としてのフッ化リチウム粉末の製造に好適である。
即ち、本発明のフッ化リチウム粉末の製造方法によって製造されたフッ化リチウム粉末は、含水率が低い(例えば400重量ppm以下)。このため、このフッ化リチウム粉末を原料として製造された電解質は加水分解し難く、加水分解によって(リチウムイオン電池の性能を低下させる)フッ化水素を生成し難い。
<六フッ化リン酸リチウムの製造方法>
本発明の六フッ化リン酸リチウムの製造方法は、上述した本発明のフッ化リチウム粉末の製造方法によってフッ化リチウム粉末を製造する工程と、製造されたフッ化リチウム粉末と有機溶媒とを混合してフッ化リチウム含有液(例えば、有機溶媒中にフッ化リチウムが分散されたフッ化リチウム分散液)を得る工程と、前記フッ化リチウム含有液中のフッ化リチウムと五フッ化リンとを反応させて六フッ化リン酸リチウムを得る工程と、を有する。本発明の六フッ化リン酸リチウムの製造方法は、必要に応じ、その他の工程を有していてもよい。
本発明の六フッ化リン酸リチウムの製造方法は、上述した本発明のフッ化リチウム粉末の製造方法によって製造された、含水率が低いフッ化リチウム粉末を原料として六フッ化リン酸リチウムを製造する。これにより、加水分解によるフッ化水素の生成が抑制された六フッ化リン酸リチウムを製造することができる。
即ち、含水率が高いフッ化リチウム粉末を用いて六フッ化リン酸リチウムを製造すると、製造された六フッ化リン酸リチウムが加水分解し易くなり、この加水分解によってフッ化水素が生成され易くなる。フッ化水素は、前述のとおり、リチウムイオン電池の特性を低下させる。
以上により、本発明の六フッ化リン酸リチウムの製造方法は、特に、リチウムイオン電池の電解質用の六フッ化リン酸リチウムの製造に好適である。
本発明の六フッ化リン酸リチウムの製造方法において、フッ化リチウム粉末を製造する工程については、前述の「六フッ化リン酸リチウムの製造方法」の項で説明したとおりである。
上記フッ化リチウム含有液を得る工程において、有機溶媒としては、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、エチルメチルカーボネート、及び1,2−ジメトキシエタンからなる群から選択される少なくとも1種(即ち、単一溶媒であっても混合溶媒であってもよい)が好ましい。
これらの有機溶媒は、リチウムイオン電池の電解液の溶媒として好適に用いられる有機溶媒である。
従って、この形態は、フッ化リチウム含有液中のフッ化リチウムと五フッ化リンとを反応させて液体中で六フッ化リン酸リチウムで製造した後、この六フッ化リン酸リチウムを含有する液体を、そのまま、又は、必要に応じて他の成分を添加してリチウムイオン電池の電解液として用いることができる点で好適である。
本製造方法において、フッ化リチウム含有液中のフッ化リチウムと五フッ化リンとを反応させる方法については特に制限はないが、上記フッ化リチウム含有液(例えば、上記フッ化リチウム分散液)に五フッ化リンガスを吹き込む方法が好ましい。この好ましい方法については、例えば特開平9−165210号公報等の記載を参照することができる。
以下、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されない。
以下において、pHの測定は、pH計D−22((株)堀場製作所製)によって行った。この測定器の測定下限は、pH0.1である。
また、実施例3は参考例である。
〔実施例1〕
(準備工程)
攪拌器を備えた500mlのテフロン(登録商標)製フラスコに水酸化リチウム一水和物69.8g(1.66mol)を添加し、純水160gに溶解させて水酸化リチウムの水溶液を得た。得られた水溶液に、36重量%塩酸223g(2.20mol)を滴下し、pH0.1未満に調整した。
(反応工程)
pH調整後の水溶液を氷浴によって冷却し、撹拌をしながらこの水溶液に、無水フッ化水素から生じたフッ化水素ガス37.9g(1.89mol)を2時間かけて吹き込み、白色の沈殿物を得た。
次に、この沈殿物を含む液体を70℃に加熱し、さらに2時間攪拌しながら熟成した。熟成後の水溶液のpHは1であった。
(ろ別工程)
熟成後の水溶液をろ過して沈殿物をろ別した。
(乾燥処理工程)
ろ別された沈殿物を、水洗浄せずにそのまま卓上マッフル炉KDF−S90G((株)デンケン製)に入れ、雰囲気温度150℃で32時間、窒素雰囲気下で乾燥処理して粉末を得た。ここで、乾燥処理時(卓上マッフル炉に入れる直前)に沈殿物に付着していた水分のpHは1であった。
得られた粉末の収量は27.9gであった。
さらに、得られた粉末のXRD測定(X線回折測定)を行ったところ、LiFであることがわかった。
また、得られた粉末(LiF粉末)の含水率をカールフィッシャー法(詳細な条件は以下のとおりである)で測定した結果、含水率は100重量ppmであった。
−カールフィッシャー法の条件−
試料(LiF粉末)0.1gを、水分気化装置VA−122(三菱化学アナリテック社製)に入れ、窒素気流中800℃で4分間加熱し、試料中に含まれる水分を窒素気流中に気化させ、その窒素気流中に含まれる水分量を、微量水分測定装置CA−200(三菱化学アナリテック社製)を用いて、電量滴定法にて測定した。
〔実施例2〕
実施例1において、乾燥処理の温度を下記表1に示すように変更したこと以外は実施例1と同様にして粉末(LiF粉末)を製造し、実施例1と同様の測定を行った。製造された粉末がLiFであることは、実施例1と同様にXRD測定によって確認した。
測定結果を下記表1に示す。
〔実施例3〕
実施例1において、原料として用いた水酸化リチウム一水和物69.8g(1.66mol)を、炭酸リチウム123g(1.66mol)に変更したこと以外は実施例1と同様にして粉末(LiF粉末)を製造し、実施例1と同様の測定を行った。製造された粉末がLiFであることは、実施例1と同様にXRD測定によって確認した。
測定結果を下記表1に示す。
〔実施例4〕
実施例1において、塩酸を添加しなかったこと以外は実施例1と同様にして粉末(LiF粉末)を製造し、実施例1と同様の測定を行った。製造された粉末がLiFであることは、実施例1と同様にXRD測定によって確認した。
測定結果を下記表1に示す
〔比較例1〕
実施例1において、乾燥処理工程の操作を、以下の操作に変更したこと以外は実施例1と同様にして粉末(LiF粉末)を製造し、実施例1と同様の測定を行った。製造された粉末がLiFであることは、実施例1と同様にXRD測定によって確認した。
測定結果を下記表1に示す。
(比較例1の乾燥処理工程の操作)
ろ別された沈殿物を、純水200gでリスラリー洗浄し、再度、純水100gで洗浄しながらろ過を行った。得られたろ物に付着した水分のpHは6であった。
その後、得られたろ物を卓上マッフル炉KDF−S90G((株)デンケン製)に入れ、150℃で32時間、乾燥処理して粉末(LiF)を得た。
得られた粉末の収量は26.8gであった。
〔比較例2〕
実施例1において、乾燥処理の温度を下記表1に示すように変更したこと以外は実施例1と同様にして粉末(LiF粉末)を製造し、実施例1と同様の測定を行った。製造された粉末がLiFであることは、実施例1と同様にXRD測定によって確認した。
測定結果を下記表1に示す。
〔比較例3〕
実施例3において、乾燥処理工程の操作を、上記比較例1の乾燥処理工程の操作に変更したこと以外は実施例3と同様にして粉末(LiF粉末)を製造し、実施例3と同様の測定を行った。製造された粉末がLiFであることは、実施例3と同様にXRD測定によって確認した。
測定結果を下記表1に示す。
表1に示すように、実施例1〜4で製造されたLiF粉末は、比較例1及び3で製造されたLiF粉末と比較して、含水率が低かった。
また、比較例2で製造されたLiFは焼結体となっており、LiF粉末とするためには粉砕が必要であった。
〔実施例5〕
攪拌器と還流管を備えた1Lのテフロン(登録商標)製反応器に、窒素雰囲気下で、実施例1で製造されたLiF粉末30.7g(1.18mol)とエチルメチルカーボネート200mlとを導入し、攪拌を開始した。次いで、反応器内を5℃〜20℃に保ち、窒素5ml/minをキャリアガスとしてバブリングしながら、五フッ化リン75g(0.59mol)を210分かけてバブリングした。五フッ化リンの導入後、還流管の上部から白煙状のガスが発生していることが目視で確認された。このガスをFT−IRで分析した結果、オキシフッ化リンを1.2vol%、フッ化水素を0.12vol%含有していた。
次いで、得られた混合溶液に対して窒素バブリングを行った。窒素流量を100ml/min(溶液1mlあたり0.5ml/min)に設定し、反応器内を5〜10℃に保ち、60分間バブリングした。60分後、還流管の上部から発生していた白煙状のガスが消失していることが目視で確認された。ガスをFT−IRにて分析した結果、フッ化水素、オキシフッ化リンは検出されなかった。
得られた液をろ過し、過剰のフッ化リチウムを除去した。ろ液の19F−NMR測定を行った結果、六フッ化リン酸リチウムの生成が確認された。
ろ液中のフッ化水素の濃度をECX−400P(日本電子製)により測定したところ、ろ液中のフッ化水素の濃度は検出下限未満(10重量ppm未満)であった。
〔比較例4〕
実施例5において、実施例1で製造されたLiF粉末を、同重量の、比較例1で製造されたLiF粉末に変更したこと以外は実施例5と同様の操作を行い、実施例5と同様の測定を行った。
ろ液の19F−NMR測定を行った結果、六フッ化リン酸リチウムの生成が確認された。ろ液中のフッ化水素の濃度は、87重量ppmであった。

Claims (4)

  1. 炭酸リチウム、水酸化リチウム、硝酸リチウム、塩化リチウム、及び硫酸リチウムからなる群から選択される少なくとも1種であり、水酸化リチウムを含むリチウム化合物を含み、pH4以下に調整された水溶液を準備する準備工程と、
    前記水溶液中のリチウム化合物とフッ化水素とを反応させてフッ化リチウムを含む沈殿物を得る反応工程と、
    前記沈殿物をろ別するろ別工程と、
    ろ別された前記沈殿物を、該沈殿物に付着した水分のpHが4以下の状態で、窒素雰囲気下、150℃〜500℃で乾燥処理する乾燥処理工程と、
    を有するフッ化リチウム粉末の製造方法。
  2. 前記準備工程は、pH2以下に調整された前記水溶液を準備し、
    前記乾燥処理工程は、ろ別された前記沈殿物を、該沈殿物に付着した水分のpHが2以下の状態で乾燥処理する請求項1に記載のフッ化リチウム粉末の製造方法。
  3. 請求項1又は請求項に記載のフッ化リチウム粉末の製造方法によってフッ化リチウム粉末を製造する工程と、
    製造されたフッ化リチウム粉末と有機溶媒とを混合してフッ化リチウム含有液を得る工程と、
    前記フッ化リチウム含有液中のフッ化リチウムと五フッ化リンとを反応させて六フッ化リン酸リチウムを得る工程と、
    を有する六フッ化リン酸リチウムの製造方法。
  4. 前記有機溶媒が、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、エチルメチルカーボネート、及び1,2−ジメトキシエタンからなる群から選択される少なくとも1種である請求項に記載の六フッ化リン酸リチウムの製造方法。
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