JP2559040B2 - 金属フッ化物の製造方法 - Google Patents
金属フッ化物の製造方法Info
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Description
【発明の詳細な説明】 〔発明の産業上利用分野〕 本発明は金属フッ化物の製造方法、さらに詳細にはフ
ッ化物光ファイバ用超高純度原料合成において、超高純
度の金属フッ化物の製造方法に関するものである。
ッ化物光ファイバ用超高純度原料合成において、超高純
度の金属フッ化物の製造方法に関するものである。
ZrF4、BaF2、LaF3、YF3、AlF3、LiF、NaFはフッ化物
光ファイバの構成原料である。
光ファイバの構成原料である。
フッ化物光ファイバの超低損失化を阻害する要因とし
て光ファイバ中に混入しているクロム、鉄、コバルト、
ニッケル、銅などの遷移金属が挙げられる。これらの遷
移金属は構成原料中に不純物として存在しており、フッ
化物光ファイバの超低損失化には遷移金属を含まないZr
F4、BaF2、LaF3、YF3、AlF3、LiF、NaFの作製が不可欠
である。
て光ファイバ中に混入しているクロム、鉄、コバルト、
ニッケル、銅などの遷移金属が挙げられる。これらの遷
移金属は構成原料中に不純物として存在しており、フッ
化物光ファイバの超低損失化には遷移金属を含まないZr
F4、BaF2、LaF3、YF3、AlF3、LiF、NaFの作製が不可欠
である。
従来の高純度のZrF4、BaF2、LaF3、YF3、AlF3、LiF、
NaFの製造方法として以下の(1)〜(5)項がある。
NaFの製造方法として以下の(1)〜(5)項がある。
(1) 昇華法によるZrF4の製造〔M.Robinson,Proc.3r
d Int.Symp.Halide Glasses,Rennes,1985〕。
d Int.Symp.Halide Glasses,Rennes,1985〕。
出発物質としてFe不純物濃度320ppmの市販品ZrF4を使
用し、1100゜Kで昇華を1回行い、Fe不純物濃度30ppm
のZrF4を得ている。昇華法による精製はフッ化鉄(Fe
F3)とZrF4の蒸気圧差を利用し、ZrF4を昇華させ、FeF3
を残留させるものである。1100゜K付近でのZrF4とFeF3
の蒸気圧差は2桁あるが、報告例では昇華したZrF4中に
Feが汚染し、1桁の精製しか行われていない。
用し、1100゜Kで昇華を1回行い、Fe不純物濃度30ppm
のZrF4を得ている。昇華法による精製はフッ化鉄(Fe
F3)とZrF4の蒸気圧差を利用し、ZrF4を昇華させ、FeF3
を残留させるものである。1100゜K付近でのZrF4とFeF3
の蒸気圧差は2桁あるが、報告例では昇華したZrF4中に
Feが汚染し、1桁の精製しか行われていない。
(2) 炭素るつぼ使用によるBaF2の製造〔M.Robinso
n,Proc.3rd Int.Symp.Halide Glasses,Rennes,1985〕。
n,Proc.3rd Int.Symp.Halide Glasses,Rennes,1985〕。
出発物質としてFe不純物濃度11ppmの市販品BaF2を使
用し、これを炭素るつぼに入れ、1400℃で5時間、乾燥
フッ化水素雰囲気で焼成した。得られたBaF2中のFe不純
物濃度は8.4ppmで約24%だけFe不純物濃度が低減しただ
けである。これは、Fe不純物濃度10ppmの炭素るつぼか
らのFe汚染があったためであり、Fe不純物濃度の高い炭
素るつぼを使用する限り、Fe不純物濃度の低い高純度Ba
F2を得ることは困難である。
用し、これを炭素るつぼに入れ、1400℃で5時間、乾燥
フッ化水素雰囲気で焼成した。得られたBaF2中のFe不純
物濃度は8.4ppmで約24%だけFe不純物濃度が低減しただ
けである。これは、Fe不純物濃度10ppmの炭素るつぼか
らのFe汚染があったためであり、Fe不純物濃度の高い炭
素るつぼを使用する限り、Fe不純物濃度の低い高純度Ba
F2を得ることは困難である。
(3) 酸素物のフッ素化によるLaF3、YF3の製造〔日
本化学会編,新実験化学講座8,無機化合物の合成(I
I),丸善(1979),686頁〕。
本化学会編,新実験化学講座8,無機化合物の合成(I
I),丸善(1979),686頁〕。
出発物質としてLa2O3、Y2O3を使用し、これにフッ化
水素アンモニウム(NH4F・HF)を添加し、300℃で12時
間反応させ、LaF3、YF3とする。この製造方法は簡単な
フッ素化の方法であるが、300℃程度ではLa2O3、LaF3、
Y2O3、YF3中のFe不純物除去は困難である。
水素アンモニウム(NH4F・HF)を添加し、300℃で12時
間反応させ、LaF3、YF3とする。この製造方法は簡単な
フッ素化の方法であるが、300℃程度ではLa2O3、LaF3、
Y2O3、YF3中のFe不純物除去は困難である。
(4) 酸化物のフッ素化によるAlF3の製造〔渡辺信淳
編,フッ素化学と工業,化学工業社(1984),356頁〕。
編,フッ素化学と工業,化学工業社(1984),356頁〕。
出発物質としてAl2O3を使用し、フッ化水素(HF)と
の反応を400〜600℃で実施し、AlF3を製造する。400〜6
00℃の反応温度ではAl2O3中のFe不純物は脱離、除去さ
れないため、この方法は精製法とては適さない。
の反応を400〜600℃で実施し、AlF3を製造する。400〜6
00℃の反応温度ではAl2O3中のFe不純物は脱離、除去さ
れないため、この方法は精製法とては適さない。
(5) 湿式抽出法によるLiF、NaFの製造〔特願昭61−
217838号〕。
217838号〕。
出発物質としてLiCl、Na2CO3等の水溶性塩を使用し、
3種の異なる抽出有機試薬を添加し、酸性側pHおよびア
ルカリ性側pHで遷移金属を抽出除去する方法である。2
つの異なるpHで抽出を実施するため、pH調整剤を加える
必要が生じ、これからのFe等の二次汚染の虞がある。
3種の異なる抽出有機試薬を添加し、酸性側pHおよびア
ルカリ性側pHで遷移金属を抽出除去する方法である。2
つの異なるpHで抽出を実施するため、pH調整剤を加える
必要が生じ、これからのFe等の二次汚染の虞がある。
本発明の目的は、出発物質のジルコニウム、バリウ
ム、ランタン、イットリウム、アルミニウム、リチウ
ム、ナトリウムの水溶性塩に含まれるクロム、鉄、コバ
ルト、ニッケル、銅を1種類の有機試薬と溶媒の組合せ
による溶媒抽出で上述の欠点を解決し、水相の濃縮ある
いは沈澱によって、超高純度のZrF4、BaF2、LaF3、Y
F3、AlF3、LiF、NaFを製造する方法を提供することにあ
る。
ム、ランタン、イットリウム、アルミニウム、リチウ
ム、ナトリウムの水溶性塩に含まれるクロム、鉄、コバ
ルト、ニッケル、銅を1種類の有機試薬と溶媒の組合せ
による溶媒抽出で上述の欠点を解決し、水相の濃縮ある
いは沈澱によって、超高純度のZrF4、BaF2、LaF3、Y
F3、AlF3、LiF、NaFを製造する方法を提供することにあ
る。
上記問題点を解決するため、本発明による金属フッ化
物の製造方法は、水溶性塩を出発物質とするMFx(ただ
し、MはZr、Ba、La、Y、Al、Li、Naよりなる群から選
択された金属、xは1〜4の正の整数を示す)金属フッ
化物の製造方法において、金属M塩の水溶液中にジチオ
カルバメート化合物及び溶剤を添加し、不純物を抽出す
る工程、金属Mをフッ化しフッ化物を沈殿させる工程、
前記沈殿を脱水、脱アンモニア、脱フッ化水素、乾燥す
る工程よりなることを特徴としている。
物の製造方法は、水溶性塩を出発物質とするMFx(ただ
し、MはZr、Ba、La、Y、Al、Li、Naよりなる群から選
択された金属、xは1〜4の正の整数を示す)金属フッ
化物の製造方法において、金属M塩の水溶液中にジチオ
カルバメート化合物及び溶剤を添加し、不純物を抽出す
る工程、金属Mをフッ化しフッ化物を沈殿させる工程、
前記沈殿を脱水、脱アンモニア、脱フッ化水素、乾燥す
る工程よりなることを特徴としている。
本発明は、従来技術の昇華法によるZrF4の製造、炭素
るつぼ使用によるBaF2の製造、酸化物のフッ素化による
LaF3、YF3、AlF3の製造、湿式抽出法によるLiF、NaFの
製造の問題点を解決するために、ジルコニウム、バリウ
ム、ランタン、イットリウム、アルミニウム、リチウ
ム、ナトリウムの水溶性塩を使用し、水溶液とした後、
溶液内に存在するクロム、鉄、コバルト、ニッケル、銅
の元素個々に対し、最も安定な錯体を形成する有機試
薬、溶媒、抽出pH範囲を決定し、この決定条件を使用
し、溶媒中に遷移金属不純物を抽出除去することを最も
主要な特徴とし、抽出除去後に残った水溶液を濃縮また
はフッ化物沈澱剤を添加し、沈澱を生成し、これらを脱
水、脱アンモニア、脱フッ化水素乾燥させ超高純度のZr
F4、BaF2、LaF3、YF3、AlF3、LiF、NaFを製造するもの
である。
るつぼ使用によるBaF2の製造、酸化物のフッ素化による
LaF3、YF3、AlF3の製造、湿式抽出法によるLiF、NaFの
製造の問題点を解決するために、ジルコニウム、バリウ
ム、ランタン、イットリウム、アルミニウム、リチウ
ム、ナトリウムの水溶性塩を使用し、水溶液とした後、
溶液内に存在するクロム、鉄、コバルト、ニッケル、銅
の元素個々に対し、最も安定な錯体を形成する有機試
薬、溶媒、抽出pH範囲を決定し、この決定条件を使用
し、溶媒中に遷移金属不純物を抽出除去することを最も
主要な特徴とし、抽出除去後に残った水溶液を濃縮また
はフッ化物沈澱剤を添加し、沈澱を生成し、これらを脱
水、脱アンモニア、脱フッ化水素乾燥させ超高純度のZr
F4、BaF2、LaF3、YF3、AlF3、LiF、NaFを製造するもの
である。
従来技術の湿式抽出法によるLiF、NaF製造法とは3回
の抽出操作で遷移金属不純物を抽出除去するのに比べ、
クロム、鉄、コバルト、ニッケル、銅の5元素に対し、
1回の抽出操作で不純物を抽出排除する点が異なる。昇
華法によるZrF4の製造、炭素るつぼ使用によるBaF2の製
造とは乾式操作によるのに比べ、溶液内での液体−液体
反応の湿式操作を使用している点で異なる。酸化物のフ
ッ素化によるLaF3、YF3、AlF3の製造とは、出発物質が
酸化物で水溶液に溶解しないのに比べ、全て水溶液とな
る点が異なる。
の抽出操作で遷移金属不純物を抽出除去するのに比べ、
クロム、鉄、コバルト、ニッケル、銅の5元素に対し、
1回の抽出操作で不純物を抽出排除する点が異なる。昇
華法によるZrF4の製造、炭素るつぼ使用によるBaF2の製
造とは乾式操作によるのに比べ、溶液内での液体−液体
反応の湿式操作を使用している点で異なる。酸化物のフ
ッ素化によるLaF3、YF3、AlF3の製造とは、出発物質が
酸化物で水溶液に溶解しないのに比べ、全て水溶液とな
る点が異なる。
本発明で製造される金属フッ化物は、前述のようにMF
xである。前記式中、MはZr、Ba、La、Y、Al、Li、Na
よりなる群から選択された金属、xは1〜4の正の整数
を示す。このような金属のフッ化物を製造するのは、こ
の金属フッ化物がフッ化物光ファイバの原料となるから
である。
xである。前記式中、MはZr、Ba、La、Y、Al、Li、Na
よりなる群から選択された金属、xは1〜4の正の整数
を示す。このような金属のフッ化物を製造するのは、こ
の金属フッ化物がフッ化物光ファイバの原料となるから
である。
本発明において、使用される抽出用の有機試薬は、ジ
チオカルバメート化合物である。このような有機試薬は
有機溶媒とともに使用することができる。有機試薬とし
ては、たとえば、一般式:RCS2R1で示されるジチオカル
バメートを使用することができる。上記式中、 Rは(C2H5)2N−:あるいは、 などの基を示し、またR1はNH4 +、NH2 +(C2H5)2、ある
いはNa+などを示す。
チオカルバメート化合物である。このような有機試薬は
有機溶媒とともに使用することができる。有機試薬とし
ては、たとえば、一般式:RCS2R1で示されるジチオカル
バメートを使用することができる。上記式中、 Rは(C2H5)2N−:あるいは、 などの基を示し、またR1はNH4 +、NH2 +(C2H5)2、ある
いはNa+などを示す。
Al(NO3)3・9H2oを出発物質とし、有機試薬の使用
によるクロム、鉄、コバルト、ニッケル、銅の最適抽出
条件について以下に説明する。
によるクロム、鉄、コバルト、ニッケル、銅の最適抽出
条件について以下に説明する。
ビーカにAl(NO3)3・9H2O100gを秤量後、溶液とし6
0%過塩素酸10mlとクロム51、鉄−59、コバルト−60、
ニッケル−65、銅−64の放射性同位体を各々10μg添加
した後、煮沸させる。室温まで放冷後、10等分し、分析
試料とした後、酢酸アンモニウムを加え、pH=1〜10に
設定する。pH調整した溶液に5mgのジエチルアンモニウ
ムジエチルジチオカルバメート(以下DDDCと略) 〔構造式: 分子量222.49〕の有機試薬を100mlの塩化炭素に溶液の2
mlを四塩化炭素20mlとともに加えた後、分液ロートに全
溶液を移しかえ、振とう器で5分間振とうする。振とう
後、5分間静置し、有機相と水相の放射能放射線検出器
で測定し、5元素の有機相への抽出率を算出する。抽出
率としてクロム、鉄、コバルト、ニッケル、銅の5元素
に対し、99.9%以上の値がpH2.5〜5.0の領域で得られ
た。同一の出発物質を使用し、有機試薬として5mgのピ
ロリジンジチオカルバミン酸アンモニウム(以下APDCと
略す) 〔構造式: 分子量164.29〕を100mlのメチルイソブチルケトン(以
下MIBKと略)に溶解した溶液をMIBK20mlとともに加え、
その他は上述の事項と全て同じ操作を行い、抽出率とし
てクロム、鉄、コバルト、ニッケル、銅の5元素に対
し、99.9%以上の値がpH4.0〜8.0の領域で得られた。
0%過塩素酸10mlとクロム51、鉄−59、コバルト−60、
ニッケル−65、銅−64の放射性同位体を各々10μg添加
した後、煮沸させる。室温まで放冷後、10等分し、分析
試料とした後、酢酸アンモニウムを加え、pH=1〜10に
設定する。pH調整した溶液に5mgのジエチルアンモニウ
ムジエチルジチオカルバメート(以下DDDCと略) 〔構造式: 分子量222.49〕の有機試薬を100mlの塩化炭素に溶液の2
mlを四塩化炭素20mlとともに加えた後、分液ロートに全
溶液を移しかえ、振とう器で5分間振とうする。振とう
後、5分間静置し、有機相と水相の放射能放射線検出器
で測定し、5元素の有機相への抽出率を算出する。抽出
率としてクロム、鉄、コバルト、ニッケル、銅の5元素
に対し、99.9%以上の値がpH2.5〜5.0の領域で得られ
た。同一の出発物質を使用し、有機試薬として5mgのピ
ロリジンジチオカルバミン酸アンモニウム(以下APDCと
略す) 〔構造式: 分子量164.29〕を100mlのメチルイソブチルケトン(以
下MIBKと略)に溶解した溶液をMIBK20mlとともに加え、
その他は上述の事項と全て同じ操作を行い、抽出率とし
てクロム、鉄、コバルト、ニッケル、銅の5元素に対
し、99.9%以上の値がpH4.0〜8.0の領域で得られた。
出発物質としてAlCl3・6H2O、LiNO3、LiCl、Na2CO3、
NaCl、NaHCO3、(NH4)2ZrF6、(NH4)ZrF7、Ba(NO3)
2、BaCl2・2H2O、La(NO3)3・6H2O、LaCl3・7H2O、
Y(NO3)3・6H2O、YCl3・6H2Oを使用し、上述の条件
でDDDCと四塩化炭素での抽出又はAPDCとMIBKでの抽出操
作を行った場合にも99.9%以上の抽出率が上述のpH領域
で得られる。上述の有機試薬と溶媒を使用すれば99.9%
以上のクロム、鉄、コバルト、ニッケル、銅の抽出、言
いかえればこれら5元素の排除が3桁までできる効果を
示している。
NaCl、NaHCO3、(NH4)2ZrF6、(NH4)ZrF7、Ba(NO3)
2、BaCl2・2H2O、La(NO3)3・6H2O、LaCl3・7H2O、
Y(NO3)3・6H2O、YCl3・6H2Oを使用し、上述の条件
でDDDCと四塩化炭素での抽出又はAPDCとMIBKでの抽出操
作を行った場合にも99.9%以上の抽出率が上述のpH領域
で得られる。上述の有機試薬と溶媒を使用すれば99.9%
以上のクロム、鉄、コバルト、ニッケル、銅の抽出、言
いかえればこれら5元素の排除が3桁までできる効果を
示している。
〔実施例2〕 (NH4)2ZrF6を出発物質とするZrF4製造方法について
以下に説明する。
以下に説明する。
第1図は本発明の第2の実施例を説明する図であっ
て、ビーカに(NH4)2ZrF6100gを秤量後、溶液としpH=
2.5〜5とする。これに50mgのDDDCを100mlの四塩化炭素
に溶解した溶液の2mlを四塩化炭素20mlとともに加えた
後、分液ロートに全溶液を移しかえ、振とう器で5分間
振とうする。振とう後、5分間静置し有機相を捨てる。
水相はテフロン製ビーカに移し、ホットプレート上で11
0℃の温度で濃縮、脱水、乾燥を行った後、清浄雰囲気
内で400〜600℃で脱アンモニア、脱フッ化水素を行い、
フッ化ジルコニウム(ZrF4)を得る。出発物質として
(NH4)3ZrF7を使用し、上述と同一条件の操作を行った
場合にもZrF4が得られる。使用する有機試薬と溶媒をAP
DCとMIBKとし、pH=4〜8に設定し、他は上述と同一条
件を行い、ZrF4を得る。
て、ビーカに(NH4)2ZrF6100gを秤量後、溶液としpH=
2.5〜5とする。これに50mgのDDDCを100mlの四塩化炭素
に溶解した溶液の2mlを四塩化炭素20mlとともに加えた
後、分液ロートに全溶液を移しかえ、振とう器で5分間
振とうする。振とう後、5分間静置し有機相を捨てる。
水相はテフロン製ビーカに移し、ホットプレート上で11
0℃の温度で濃縮、脱水、乾燥を行った後、清浄雰囲気
内で400〜600℃で脱アンモニア、脱フッ化水素を行い、
フッ化ジルコニウム(ZrF4)を得る。出発物質として
(NH4)3ZrF7を使用し、上述と同一条件の操作を行った
場合にもZrF4が得られる。使用する有機試薬と溶媒をAP
DCとMIBKとし、pH=4〜8に設定し、他は上述と同一条
件を行い、ZrF4を得る。
第1表に本発明の製造方法で作製したZrF4中のクロ
ム、鉄、コバルト、ニッケル、銅の中性子放射化分析値
を示す。分析値としてクロム1.0ppb、鉄10ppb未満、コ
バルト0.02ppb、ニッケル1.0ppb未満、銅0.1ppb未満の
不純物濃度の超高純度ZrF4が製造でき、第1表に示す従
来技術で製造した市販高純度ZrF4に比べ、2桁以上の高
純度化の改善があった。中性子放射化分析の検出限界と
してクロム、銅0.1ppb、ニッケル1.0ppb、コバルト0.01
ppb、鉄10ppbが得られた。
ム、鉄、コバルト、ニッケル、銅の中性子放射化分析値
を示す。分析値としてクロム1.0ppb、鉄10ppb未満、コ
バルト0.02ppb、ニッケル1.0ppb未満、銅0.1ppb未満の
不純物濃度の超高純度ZrF4が製造でき、第1表に示す従
来技術で製造した市販高純度ZrF4に比べ、2桁以上の高
純度化の改善があった。中性子放射化分析の検出限界と
してクロム、銅0.1ppb、ニッケル1.0ppb、コバルト0.01
ppb、鉄10ppbが得られた。
〔実施例3〕 Al(NO3)3・9H2Oを出発物質とするAlF3製造法につ
いて説明する。
いて説明する。
第2図にAl(NO3)3・9H2O100gを秤量後、水溶液と
した後、酢酸アンモニウムを加えpH=4〜8とし、これ
に50mgのAPDCを100mlのMIBKに溶解した溶液の2mlをMIBK
20mlとともに加えた後、分液ロートに移しかえ、5分間
振とうする。振とう後、5分間静置し有機相を捨てる。
水相に高純度フッ化水素酸(49%フッ化水素含有)200m
lを加え、沈澱物を生成させる。沈澱物は1日以上静置
し、熟成させる。
した後、酢酸アンモニウムを加えpH=4〜8とし、これ
に50mgのAPDCを100mlのMIBKに溶解した溶液の2mlをMIBK
20mlとともに加えた後、分液ロートに移しかえ、5分間
振とうする。振とう後、5分間静置し有機相を捨てる。
水相に高純度フッ化水素酸(49%フッ化水素含有)200m
lを加え、沈澱物を生成させる。沈澱物は1日以上静置
し、熟成させる。
沈澱物の入った容器内の上澄み液を捨てた後、清浄雰
囲気内で400〜600℃で脱水、脱アンモニア、脱フッ化水
素乾燥を行いAlF3を得る。
囲気内で400〜600℃で脱水、脱アンモニア、脱フッ化水
素乾燥を行いAlF3を得る。
出発物質としてAlCl3・6H2O、LiNO3、LiCl、Na2CO3、
NaCl、NaHCO3、Ba(NO3)2、BaCl2・2H2O、La(NO3)
3・6H2O、LaCl3・7H2O、Y(NO3)3・6H2O、YCl3・6H
2Oを使用し、上述と同一条件の操作を行った場合にもAl
F3、LiF、NaF、BaF2、LaF3、YF3が得られる。使用する
有機試薬と溶媒をDDDCと四塩化炭素にかえ、pH=2.5〜
5.0に設定し、他は上述と同一条件で行い、AlF3、LiF、
NaF、BaF2、LaF3、YF3を得る。第2図の水相に高純度フ
ッ化水素ガスを流入させても、金属フッ化物沈澱が得ら
れる。
NaCl、NaHCO3、Ba(NO3)2、BaCl2・2H2O、La(NO3)
3・6H2O、LaCl3・7H2O、Y(NO3)3・6H2O、YCl3・6H
2Oを使用し、上述と同一条件の操作を行った場合にもAl
F3、LiF、NaF、BaF2、LaF3、YF3が得られる。使用する
有機試薬と溶媒をDDDCと四塩化炭素にかえ、pH=2.5〜
5.0に設定し、他は上述と同一条件で行い、AlF3、LiF、
NaF、BaF2、LaF3、YF3を得る。第2図の水相に高純度フ
ッ化水素ガスを流入させても、金属フッ化物沈澱が得ら
れる。
第2表に本発明の製造方法および従来技術で作製した
AlF3、LiF、NaF、BaF2、LaF3、YF3中のクロム、鉄、コ
バルト、ニッケル、銅の中性子放射化分析による分析値
を示す。第2表の分析値から明らかなように従来技術に
比べて1桁以上の高純度化の改善があり、超高純度の金
属フッ化物の製造が本発明により実施できた。また、金
属フッ化物の濃縮物、沈澱物の脱水、脱アンモニア、脱
フッ化水素乾燥工程において、400℃以下では脱水、脱
フッ化水素が完全に進行なしい、600℃以上ではZrF4が
昇華することを示差熱分析で確認している。従って、フ
ッ化物沈澱、濃縮物の脱水、脱アンモニア、脱フッ化水
素乾燥工程は400〜600℃の範囲が最適である。
AlF3、LiF、NaF、BaF2、LaF3、YF3中のクロム、鉄、コ
バルト、ニッケル、銅の中性子放射化分析による分析値
を示す。第2表の分析値から明らかなように従来技術に
比べて1桁以上の高純度化の改善があり、超高純度の金
属フッ化物の製造が本発明により実施できた。また、金
属フッ化物の濃縮物、沈澱物の脱水、脱アンモニア、脱
フッ化水素乾燥工程において、400℃以下では脱水、脱
フッ化水素が完全に進行なしい、600℃以上ではZrF4が
昇華することを示差熱分析で確認している。従って、フ
ッ化物沈澱、濃縮物の脱水、脱アンモニア、脱フッ化水
素乾燥工程は400〜600℃の範囲が最適である。
〔発明の効果〕 以上説明したように、本発明の製造方法によれば、ク
ロム、鉄、コバルト、ニッケル、銅の遷移金属不純物を
1種の有機試薬と溶媒で抽出排除し、水相を濃縮または
沈澱操作により金属フッ化物を製造するものであるか
ら、第1表、第2表に示すように遷移金属を極低濃度に
できる利点がある。さらに、これをフッ化物光ファイバ
の出発原料として用いることにより超低損失光ファイバ
を製造できる利点がある。
ロム、鉄、コバルト、ニッケル、銅の遷移金属不純物を
1種の有機試薬と溶媒で抽出排除し、水相を濃縮または
沈澱操作により金属フッ化物を製造するものであるか
ら、第1表、第2表に示すように遷移金属を極低濃度に
できる利点がある。さらに、これをフッ化物光ファイバ
の出発原料として用いることにより超低損失光ファイバ
を製造できる利点がある。
第1図は超高純度フッ化ジルコニウムの製造方法、第2
図は超高純度アルミニウムの製造方法である。
図は超高純度アルミニウムの製造方法である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C01F 7/50 C01F 7/50 11/22 11/22 17/00 17/00 D J C01G 25/04 C01G 25/04
Claims (5)
- 【請求項1】水溶性塩を出発物質とするMFx(ただし、
MはZr、Ba、La、Y、Al、Li、Naよりなる群から選択さ
れた金属、xは1〜4の正の整数を示す)金属フッ化物
の製造方法において、金属M塩の水溶液中にジチオカル
バメート化合物及び溶剤を添加し、不純物を抽出する工
程、金属Mをフッ化しフッ化物を沈殿させる工程、前記
沈殿を脱水、脱アンモニア、脱フッ化水素、乾燥する工
程よりなることを特徴とする金属フッ化物の製造方法。 - 【請求項2】出発物質の水溶性塩が(NH4)2ZrF6、(NH
4)ZrF7、Ba(NO3)2、BaCl2・H2O、La(NO3)3・6H2
O、LaCl3・7H2O、Y(NO3)3・6H2O、YCl3・6H2O、Al
(NO3〉3・9H2O、AlCl3・6H2O、LiNO3、LiCl、Na2C
O3、NaCl、NaHCO3であることを特徴とする特許請求の範
囲第1項記載の金属フッ化物の製造方法。 - 【請求項3】前記抽出工程がpH=2.5〜5に調整した水
溶液において、ジエチルアンモニウムジエチルジチオカ
ルバメートと四塩化炭素抽出系、またはpH=4〜8に調
整した水溶被において、ピロリジンジチオカルバミン酸
アンモニウムとメチルイソブチルケトン抽出系を特徴と
する特許請求の範囲第1項または第2項記載の金属フッ
化物の製造方法。 - 【請求項4】前記フッ化物沈澱工程が、フッ化物沈澱剤
としてフッ化水素酸、フッ化水素ガスであって、沈澱生
成後、1日以上の静置による沈澱物の熟成を行うことを
特徴とする特許請求の範囲第1項から第3項記載の金属
フッ化物の製造方法。 - 【請求項5】前記脱水、脱アンモニア、脱フッ化水素、
乾燥工程が温度400℃〜600℃の清浄不活性雰囲気中で乾
燥することを特徴とする特許請求の範囲第1項から第4
項記載の金属フッ化物の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP62185205A JP2559040B2 (ja) | 1987-07-24 | 1987-07-24 | 金属フッ化物の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP62185205A JP2559040B2 (ja) | 1987-07-24 | 1987-07-24 | 金属フッ化物の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS6428203A JPS6428203A (en) | 1989-01-30 |
JP2559040B2 true JP2559040B2 (ja) | 1996-11-27 |
Family
ID=16166709
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP62185205A Expired - Lifetime JP2559040B2 (ja) | 1987-07-24 | 1987-07-24 | 金属フッ化物の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2559040B2 (ja) |
Families Citing this family (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP5318437B2 (ja) * | 2008-03-12 | 2013-10-16 | ステラケミファ株式会社 | 金属フッ化物の精製方法 |
FR2946973B1 (fr) * | 2009-06-23 | 2011-08-12 | Univ Claude Bernard Lyon | Nouveau procede de preparation de nanoparticules a base de fluorure de terre rare |
DE102010044017B4 (de) * | 2010-11-17 | 2013-06-20 | Carl Zeiss Smt Gmbh | Verfahren zur Herstellung von Alkali- oder Erdalkalifluorid-Kristallen und nach dem Verfahren hergestellte Kristalle |
JP6097111B2 (ja) * | 2013-03-27 | 2017-03-15 | 三井化学株式会社 | フッ化リチウム粉末の製造方法及び六フッ化リン酸リチウムの製造方法 |
CN111263994B (zh) * | 2017-09-01 | 2024-03-01 | 瑞克·韦特 | 纳米粒子材料的制造方法及氟离子电池 |
-
1987
- 1987-07-24 JP JP62185205A patent/JP2559040B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS6428203A (en) | 1989-01-30 |
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