JP2001064015A - 希土類フッ化物の製造方法 - Google Patents

希土類フッ化物の製造方法

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JP2001064015A
JP2001064015A JP24112599A JP24112599A JP2001064015A JP 2001064015 A JP2001064015 A JP 2001064015A JP 24112599 A JP24112599 A JP 24112599A JP 24112599 A JP24112599 A JP 24112599A JP 2001064015 A JP2001064015 A JP 2001064015A
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rare earth
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solid
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Kenji Kobayashi
健二 小林
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    • C03B37/014Manufacture of preforms for drawing fibres or filaments made entirely or partially by chemical means, e.g. vapour phase deposition of bulk porous glass either by outside vapour deposition [OVD], or by outside vapour phase oxidation [OVPO] or by vapour axial deposition [VAD]
    • C03B37/01413Reactant delivery systems
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C03GLASS; MINERAL OR SLAG WOOL
    • C03BMANUFACTURE, SHAPING, OR SUPPLEMENTARY PROCESSES
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 酸化物不純物の少ない高純度の希土類フッ化
物を製造する。 【解決手段】 希土類フッ化物を製造する方法におい
て、高純度希土類酸化物を出発物質として使用し、塩酸
溶液中で溶解し、溶解後の溶液にフッ素を含む水溶液を
加え、希土類フッ化物の沈殿物を作製し、該沈殿物を脱
水・乾燥した後、300℃以下の温度でフッ素を含むガ
ス、又は、600℃以下の温度でフッ素を含む固体で加
熱処理することを特徴とする。 【効果】酸化物不純物の少ない高純度の希土類フッ化物
が作製できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、希土類(RF3
但し、Rは希土類元素)フッ化物の製造方法、特に、酸
化物不純物の少ない高純度の希土類フッ化物(RF3
の製造方法、さらに詳細には光ファイバ増幅器用の低損
失フッ化物光ファイバの組成の高純度希土類フッ化物の
製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】希土類フッ化物(RF3)は、光ファイ
バ増幅器のもとになるInF3系フッ化物光ファイバに
おいて、フッ化インジウムを主成分とするInF3系フ
ッ化物ガラス、又は、フッ化ジルコニウムを主成分とす
るZrF4系フッ化物ガラス、又は、フッ化物ガラスフ
ァイバの構成原料の一つである。構成原料の全ての金属
フッ化物に対しては、光ファイバの散乱損失の増加原因
の酸化物不純物を出来るだけ低減することが求められて
いる。
【0003】従来は、希土類フッ化物(RF3)の製造
方法については、(1)式の反応で希土類酸化物(R2
3)に30%過剰量のフッ化水素アンモニウムまた
は、フッ化アンモニウムを添加し、よく混合後、電気炉
内で、300℃で12時間反応させる方法でRF3を作
製する。また、特に、YF3の製造方法については、
(1)式の反応の他に、(2)式と(3)式の反応によ
っても製造される。
【0004】 R23+6NH4F・HF→2RF3+6NH4F+3H2O↑ (1) Y(NO33+3NH4OH→Y(OH)3+3NH4NO3 (2) Y(OH)3+3HF→YF3+3H2O (3)
【0005】すなわち、従来法では、(1)式の方法で
希土類フッ化物を作製しているが、酸化物からフッ化物
への転化率は、YF3 99.5%、YF3以外のRF3
は99.8〜99.9%であり、0.1%〜0.5%の
酸化物が、作製した希土類フッ化物中に不純物として残
留している。また、(2)式および(3)式の方法で作
製した無水のYF3中にはかなりの酸化物を不純物とし
て含んでいる。このような方法で作製したYF3を原料
としてInF3系ガラス、または、ZrF4系ガラスを製
造すると、生成したフッ化物ガラス中に不純物として残
留する。従来は、YF3にフッ化リチウムを加えて白金
容器中で1000℃で融解し、これにフッ化水素ガスを
吹き込ませる融解塩法によってYF3を得ている。この
方法では、目的とするYF3以外にLiFを加えるの
で、YF3だけを精製することができないことが欠点で
ある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、高純
度希土類酸化物を出発物質とし、塩酸溶液中でこれを溶
解し、溶解した溶液にフッ素を含む水溶液を加え、希土
類フッ化物の沈殿を作製し、該沈殿物を脱水・乾燥後、
フッ素を含むガスあるいはフッ素を含む固体の化合物で
加熱処理することを特徴とする酸化物不純物の少ない高
純度の希土類フッ化物を製造することが課題であり、さ
らに詳細には光ファイバ増幅器用のフッ化物光ファイバ
作製のための高純度希土類フッ化物原料の製造方法を提
供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、本発明による希土類フッ化物の製造方法は、希土類
フッ化物を製造する方法において、高純度希土類酸化物
を出発物質として使用し、塩酸溶液中で溶解し、溶解後
の溶液にフッ素を含む水溶液を加え、希土類フッ化物の
沈殿物を作製し、該沈殿物を脱水・乾燥した後、300
℃以下の温度でフッ素を含むガス、又は、600℃以下
の温度でフッ素を含む固体で加熱処理することを特徴と
する。
【0008】本発明は、従来技術の希土類酸化物にフッ
化水素アンモニウムまたは、フッ化アンモニウムを添加
し、電気炉内で300℃で12時間反応させて希土類フ
ッ化物を得る方法及びY(NO33を出発物質とし、Y
(OH)3を経た後、フッ化水素酸を添加し、無水のY
3を作製する方法などの問題点を解決するために、純
度が99.9%、すなわち、3N以上の高純度の希土類
酸化物を出発物質として使用し、塩酸溶液中で溶解し、
溶解後の溶液にフッ素を含む水溶液を加え、希土類フッ
化物の沈殿物を作製し、該沈殿物を脱水・乾燥した後、
60℃から300℃でフッ素を含むガス、又は、300
℃から600℃でフッ素を含む固体の化合物で加熱処理
し、酸化物の少ない高純度の希土類フッ化物を製造する
ものである。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、本発明を具体的に説明する
と、本発明は、酸化物不純物の少ない高純度の希土類フ
ッ化物の製造方法に関する発明である。すなわち高純度
希土類酸化物を出発物質とし、塩酸溶液中でこれを溶解
し、溶解後の溶液にフッ素を含む溶液を加え、希土類フ
ッ化物の沈殿を作製し、該沈殿物を脱水・乾燥後、フッ
素を含むガスあるいはフッ素を含む固体の化合物で加熱
処理し、高純度の希土類フッ化物の製造するものであ
る。
【0010】本発明において製造する希土類フッ化物
が、YF3,LaF3,PrF3,NdF3,SmF3,T
bF3,DyF3,HoF3,ErF3,TmF3,YbF3
であり、さらに、出発物質として使用する高純度希土類
酸化物は、Y23,La23,Pr23,Nd23,S
23,Tb23,Dy23,Ho23,Er23,T
23,Yb23のいずれか一つであり、また、純度が
99.9%以上、すなわち、3N以上の高純度酸化物で
あることが好ましい。同時に、塩酸についても高純度の
試薬であることが好ましい。また、希土類酸化物の形状
には制限されるものではない。すなわち、粉末状、顆粒
状の固体であれば何でも良い。
【0011】次に、本発明において、フッ素を含む溶液
によるフッ素化は特殊な条件を必要とせず、出発物質の
高純度希土類酸化物を塩酸に溶解した後、溶解後の溶液
にフッ化水素酸、酸性フッ化アンモニウム、フッ化アン
モニウムのいずれか一つを含む水溶液を加え、攪拌し、
発生した白色の希土類フッ化物の沈殿物を得ることがで
きる。
【0012】次に、脱水も常用の方法でよく、操作上、
遠心分離器又は吸引ろ過が好適である。
【0013】また、乾燥についても常用の方法でよく、
操作上、真空乾燥又は不活性ガス雰囲気での乾燥が好適
である。最後に、60℃から300℃においてフッ素を
含むガスは、フッ化水素ガス、フッ素ガスのいずれか一
つ、あるいは、両者を含むガスであれば良いし、300
℃から600℃においてフッ素を含む固体は、フッ化水
素アンモニウム、フッ化アンモニウムのいずれか一つを
含めば良い。
【0014】以上、具体的に説明したように、本発明方
法において、特に、酸化物の少ない高純度の希土類フッ
化物を製造する方法の場合には、従来技術の希土類酸化
物粉末を出発物質とし、フッ化水素アンモニウム、また
は、フッ化アンモニウムと反応させ、希土類フッ化物と
する方法とは、従来技術が希土類酸化物粉末にフッ化水
素アンモニウム、または、フッ化アンモニウムなどの粉
末を反応させる固相と固相の反応であるのに対し、本発
明は、出発物質の高純度希土類酸化物粉末を塩酸に溶解
した溶液とフッ素を含む水溶液との液相と液相の反応で
ある点が異なる。また、出発物質が高純度希土類酸化物
である点と反応後の加熱処理ガスと加熱処理固体の温度
が異なる。
【0015】
【実施例】以下、本発明を実施例によりさらに具体的に
説明するが、本発明はこれら実施例に限定されない。
【0016】
【実施例1】Y23を出発物質とする高純度YF3の製
造方法について、図1に示す工程図によって説明する。
形状が粉末状の市販純度が99.999%、すなわち、
5Nの高純度のY23 50gを秤量後、1000ml
のビーカに入れ、電子工業用の塩酸(塩化水素含有量:
36%)200mlに超純水100mlを加えた希塩酸
に入れ、加熱しながら溶解する。溶解後の水溶液は無色
であり、無色の溶液を孔径0.2ミクロンのメンブラン
フィルタを通した後、50%濃度の電子工業用のフッ化
水素酸溶液400ml(フッ化水素含有量50%)に超
純水200mlを加えた溶液内に入れ、スターラで8時
間、攪拌する。
【0017】攪拌後に生成したYF3沈殿物は、遠心分
離し、溶液と分離させ、遠心分離後の固形物は、超純水
800mlで1時間、攪拌後、洗浄する。洗浄後の固形
物は、再度、遠心分離を行う。遠心分離を含む洗浄操作
は、3回繰り返して行い、固形物とした後、真空乾燥す
る。
【0018】図2は、真空乾燥後の固形物のTG(熱重
量分析)−DTA(示差熱分析)曲線である。なお、図
2において、横軸は温度(℃)、左縦軸はTGにおける
重量減少率(%)、右縦軸はDTAにおける熱容量(μ
V)を意味する。図2から、100℃付近に脱水による
吸熱ピークが観察された。また、TGの重量減少率は
7.45%であり、湿式合成法により、水分を含んだ固
形物中の水分含有量を示している。
【0019】図3は、真空乾燥後の固形物の赤外吸収ス
ペクトル(IR)である。図中の縦軸は、透過率
(%)、横軸は、波数(cm-1)を示す。真空乾燥後の
固形物のIRスペクトルは、YF3のIRスペクトル
[文献:Richard A.Nyquist,Ron
ald.O.Kagel,”Infrared Spe
ctra of Inorganic Compoun
d,”ACADEMIC PRESS p363(19
71).]に示された−HFの吸収領域の〜720cm
-1近傍に吸収スペクトルを示している。また、真空乾燥
後の固形物のX線回折(XRD)結果は、YF3のXR
Dに一致した。
【0020】すなわち、赤外吸収スペクトル(IR)及
び熱分析(TG−DTA)、X線回折(XRD)結果と
XRDのASTMのカード番号5−546の結果などの
解析結果より、本実施例で製造した固形物は、YF3
あり、反応式(4)、反応式(5)、反応式(6)によ
って製造できる。
【0021】最後に、真空乾燥後の固形物のYF3・H2
Oを150℃でフッ素(F2)ガスとフッ化水素(H
F)ガスの混合ガスで加熱処理し、最終生成物のYF3
を得る。
【0022】 Y23+6HCl→2YCl3+3H2O (4) YCl3+3HF+H2O→YF3・H2O+3HCl (5) YF3・H2O→YF3+H2O (6)
【0023】また、本発明で製造したYF3および従来
の方法でY23をNH4F・HFでフッ素化後、YF3
した2試料について酸素の放射化分析を行い、本発明で
製造したYF3を用いたフッ化物ガラス中の酸素濃度が
10ppmであるのに対し、従来の方法で作製したYF
3を用いたフッ化物ガラス中の酸素濃度は15ppmで
あり、酸素不純物濃度、すなわち、本実施例により、酸
化物の少ない高純度のYF3原料が作製できていること
がわかった。なお、本実施例における高純度のYF3
収率は85%である。
【0024】本実施例で作製したYF3を組成としたI
nF3系フッ化物ガラスファイバ(InF3−BaF2
YF3−LaF3−PbF2−ZnF2を組成とするガラ
ス)のシングルモードファイバを作製したところ、波長
が1.3ミクロンにおいて損失値10dB/kmのファ
イバが作製できた。これは、従来品のInF3系フッ化
物ガラスファイバ(InF3−BaF2−SrF2−Pb
2−ZnF2を組成とするガラス)のシングルモードフ
ァイバの波長が1.3ミクロンにおいて損失値50dB
/kmのファイバであるのに対し、大幅な損失の低減が
達成できた。
【0025】
【実施例2】La23を出発物質とする高純度LaF3
の製造方法について、図4に示す工程図によって説明す
る。形状が粉末状の市販純度が99.999%、すなわ
ち、5Nの高純度のLa23 50gを秤量後、100
0mlのビーカに入れ、電子工業用の塩酸(塩化水素含
有量:36%)200mlに超純水100mlを加えた
希塩酸に入れ、加熱しながら溶解する。溶解後の水溶液
は無色であり、無色の溶液を孔径0.2ミクロンのメン
ブランフィルタを通した後、50%濃度の電子工業用の
フッ化水素酸溶液400ml(フッ化水素含有量50
%)に超純水200mlを加えた溶液内に入れ、スター
ラで8時間、攪拌する。
【0026】攪拌後に生成したLaF3沈殿は、遠心分
離し、溶液と分離させ、遠心分離後の固形物は、超純水
800mlで1時間、攪拌後、洗浄する。洗浄後の固形
物は、再度、遠心分離を行う。遠心分離を含む洗浄操作
は、3回繰り返し行い、固形物とした後、100℃で真
空乾燥する。
【0027】図5は、真空乾燥後の固形物のTG(熱重
量分析)−DTA(示差熱分析)曲線である。なお、図
5において、横軸は温度(℃)、左縦軸はTGにおける
重量減少率(%)、右縦軸はDTAにおける熱容量(μ
V)を意味する。図5から、80℃付近に脱水による吸
熱ピークが観察された。また、TGの重量減少率は5.
4%であり、湿式合成法により、水分を含んだ固形物中
の水分含有量を示している。
【0028】図6は、真空乾燥後の固形物の赤外吸収ス
ペクトル(IR)である。図中の縦軸は、透過率
(%)、横軸は、波数(cm-1)を示す。真空乾燥後の
固形物のIRスペクトルは、LaF3のIRスペクトル
[文献:Richard A.Nyquist,Ron
ald.O.Kagel,”Infrared Spe
ctra of Inorganic Compoun
ds,”ACADEMICPRESS p365(19
71).]に示された−HFの吸収領域の〜720cm
-1近傍に吸収スペクトルを示している。また、真空乾燥
後の固形物のX線回折(XRD)結果は、LaF3のX
RDのASTMのカード番号8−461に一致した。
【0029】すなわち、赤外吸収スペクトル(IR)、
X線回折(XRD)及び熱分析(TG−DTA)などの
解析結果より、本実施例で製造した固形物は、LaF3
であり、反応式(7)、反応式(8)、反応式(9)に
よって製造できる。
【0030】最後に、真空乾燥後の固形物のLaF3
150℃でフッ素(F2)ガスとフッ化水素(HF)ガ
スの混合ガスで加熱処理し、最終生成物のLaF3を得
る。
【0031】 La23+6HCl→2LaCl3+3H2O (7) LaCl3+3HF+H2O→LaF3・H2O+3HCl (8) LaF3・H2O→LaF3+H2O (9)
【0032】また、本発明で製造したLaF3および従
来の方法でLa23をNH4F・HFでフッ素化後La
3とした2試料について酸素の放射化分析を行い、本
発明で製造したLaF3を用いたフッ化物ガラス中の酸
素濃度が10ppmであるのに対し、従来の方法で作製
したLaF3を用いたフッ化物ガラス中の酸素濃度は1
5ppmであり、酸素不純物濃度、すなわち、本実施例
により、酸化物の少ない高純度のLaF3原料が作製で
きていることがわかった。なお、本実施例における高純
度のLaF3の収率は85%である。
【0033】本実施例で作製したLaF3を組成とした
InF3系フッ化物ガラスファイバ(InF3−BaF2
−YF3−LaF3−PbF2−ZnF2を組成とするガラ
ス)のシングルモードファイバを作製したところ、波長
が1.3ミクロンにおいて損失値10dB/kmのファ
イバが作製できた。これは、従来品のInF3系フッ化
物ガラスファイバ(InF3−BaF2−YF3−LaF3
−PbF2−ZnF2を組成とするガラス)のシングルモ
ードファイバの波長が1.3ミクロンにおいて損失値5
0dB/kmのファイバであるのに対し、大幅な損失の
低減が達成できた。
【0034】
【実施例3】Pr23を出発物質とする高純度PrF3
の製造方法について、図7に示す工程図によって説明す
る。形状が粉末状の市販純度が99.9%、すなわち、
3Nの高純度のPr23 50gを秤量後、1000m
lのビーカに入れ、電子工業用の塩酸(塩化水素含有
量:36%)200mlに超純水100mlを加えた希
塩酸に入れ、加熱しながら溶解する。溶解後の水溶液は
無色であり、無色の溶液を孔径0.2ミクロンのメンブ
ランフィルタを通した後、50%濃度の電子工業用のフ
ッ化水素酸溶液400ml/フッ化水素含有量50%)
に超純水200mlを加えた溶液内に入れ、スターラで
8時間、攪拌する。
【0035】攪拌後に生成したPrF3沈殿物は、遠心
分離し、溶液と分離させ、遠心分離後の固形物は、超純
水800mlで1時間、攪拌後、洗浄する。洗浄後の固
形物は、再度、遠心分離を行う。遠心分離を含む洗浄操
作は、3回繰り返し行い、固形物とした後、130℃で
真空乾燥する。
【0036】真空乾燥後の固形物のTG(熱重量分析)
−DTA(示差熱分析)曲線は図5と同じである。真空
乾燥後の固形物の赤外吸収スペクトル(IR)は、図6
と同じである。図中の縦軸は、透過率(%)、横軸は、
波数(cm-1)を示す。真空乾燥後の固形物のIRスペ
クトルは、PrF3のIRスペクトル[文献:Rich
ard A.Nyquist,Ronald.O.Ka
gel,“Infrared Spectra of
Inorganic Compounds,”ACAD
EMIC PRESS p365(1971).]に示
された−HFの吸収領域の〜720cm-1近傍に吸収ス
ペクトルを示している。また、真空乾燥後の固形物のX
線回折(XRD)結果は、PrF3のXRDに一致し
た。
【0037】すなわち、赤外吸収スペクトル(IR)、
X線回折(XRD)及び熱分析(TG−DTA)などの
解析結果より、本実施例で製造した固形物は、PrF3
である。
【0038】最後に、真空乾燥後の固形物のPrF3
150℃でフッ化水素(HF)ガスで加熱処理し、最終
生成物のPrF3を得る。
【0039】また、本発明で製造したPrF3および従
来の方法でPr23をNH4F・HFでフッ素化後、P
rF3とした2試料について酸素の放射化分析を行い、
本発明で製造したPrF3を用いたフッ化物ガラス中の
酸素濃度が10ppmであるのに対し、従来の方法で作
製したPrF3を用いたフッ化物ガラス中の酸素濃度は
15ppmであり、酸素不純物濃度、すなわち、本実施
例により、酸化物の少ない高純度のPrF3原料が作製
できていることがわかった。なお、本実施例における高
純度のPrF3の収率は85%である。
【0040】本実施例で作製したPrF3を添加物とし
たInF3系フッ化物ガラスファイバ(InF3−BaF
2−YF3−LaF3−PbF2−ZnF2を組成とするガ
ラス)のシングルモードファイバを作製したところ、波
長が1.3ミクロンにおいて損失値10dB/kmのフ
ァイバが作製できた、これは、従来品のInF3系フッ
化物ガラスファイバ(InF3−BaF2−YF3−La
3−PbF2−ZnF2を組成とするガラス)のシング
ルモードファイバの波長が1.3ミクロンにおいて損失
値50dB/kmのファイバであるのに対し、大幅な損
失の低減が達成できた。
【0041】
【実施例4】Nd23を出発物質とする高純度NdF3
の製造方法について、図8に示す工程図によって説明す
る。形状が粉末状の市販純度が99.9%、すなわち、
3Nの高純度のNd23 50gを秤量後、1000m
lのビーカに入れ、電子工業用の塩酸(塩化水素含有
量:36%)200mlに超純水100mlを加えた希
塩酸に入れ、加熱しながら溶解する。溶解後の水溶液は
無色であり、無色の溶液を孔径0.2ミクロンのメンブ
ランフィルタを通した後、50%濃度の電子工業用のフ
ッ化水素酸溶液100ml(フッ化水素含有量50%)
を加えた溶液内に入れ、スターラで8時間、攪拌する。
【0042】攪拌後に生成したNdF3沈殿物は、遠心
分離し、溶液と分離させ、遠心分離後の固形物は、超純
水800mlで1時間、攪拌後、洗浄する。洗浄操作
は、3回繰り返して行う。洗浄後の固形物は、再度、遠
心分離を行い、遠心分離後の固形物は、真空乾燥する。
【0043】真空乾燥後の固形物のTG(熱重量分析)
−DTA(示差熱分析)曲線は図5と同じである。ま
た、真空乾燥後の固形物の赤外吸収スペクトル(IR)
は、図6と同じである。さらに、真空乾燥後の固形物の
X線回折(XRD)結果は、NdF3のXRDのAST
Mのカード番号9−416に一致した。すなわち、赤外
吸収スペクトル(IR)、X線回折(XRD)及び熱分
析(TG−DTA)などの解析結果より、本実施例で製
造した固形物は、NdF3であった。真空乾燥後のNd
3をフッ化水素アンモニウム(NH4F・HF)200
g加えた後、600℃で加熱処理し、最終生成物のNd
3を得る。
【0044】また、本発明で製造したNdF3および従
来の方法でNd23をNH4F・HFでフッ素化後Nd
3とした2試料について酸素の放射化分析を行い、本
発明で製造したNdF3を用いたフッ化物ガラス中の酸
素濃度が10ppmであるのに対し、従来の方法で作製
したNdF3を用いたフッ化物ガラス中の酸素濃度は1
5ppmであり、酸素不純物濃度、すなわち、本実施例
により、酸化物の少ない高純度のNdF3原料が作製で
きていることがわかった。なお、本実施例における高純
度のNdF3の収率は85%である。
【0045】また、Sm23の純度が99.9%、すな
わち3Nの高純度物質を出発物質とする高純度のSmF
3の製造方法についてもNdF3を製造したのと全く同一
の方法でSmF3を製造することができる。
【0046】
【実施例5】Tb23を出発物質とする高純度TbF3
の製造方法について、図9に示す工程図によって説明す
る。形状が粉末状の市販純度が99.9%、すなわち、
3Nの高純度のTb23 50gを秤量後、1000m
lのビーカに入れ、電子工業用の塩酸(塩化水素含有
量:36%)200mlに超純水100mlを加えた希
塩酸に入れ、加熱しながら溶解する。溶解後の水溶液は
無色であり、無色の溶液を孔径0.2ミクロンのメンブ
ランフィルタを通した後、50%濃度の電子工業用のフ
ッ化水素酸溶液100ml(フッ化水素含有量50%)
を加えた溶液内に入れ、スターラで8時間、攪拌する。
【0047】攪拌後に生成したTbF3沈殿物は、遠心
分離し、溶液と分離させ、遠心分離後の固形物は、超純
水800mlで1時間、攪拌後、洗浄する。洗浄操作
は、3回繰り返して行う。洗浄後の固形物は、再度、遠
心分離を行い、遠心分離後の固形物は、真空乾燥する。
【0048】真空乾燥後の固形物のTG(熱重量分析)
−DTA(示差熱分析)曲線は図5と同じである。ま
た、真空乾燥後の固形物の赤外吸収スペクトル(IR)
は、図6と同じである。さらに、真空乾燥後の固形物の
X線回折(XRD)結果は、TbF3のXRDに一致し
た。
【0049】すなわち、赤外吸収スペクトル(IR)、
X線回折(XRD)及び熱分析(TG−DTA)などの
解析結果より、本実施例で製造した固形物は、TbF3
であった。真空乾燥後のTbF3をフッ化アンモニウム
(NH4F)を200g加えた後、600℃で加熱処理
し、最終生成物のTbF3を得る。
【0050】また、本発明で製造したTbF3および従
来の方法でTb23をNH4F・HFでフッ素化後Tb
3とした2試料について酸素の放射化分析を行い、本
発明で製造したTbF3を用いたフッ化物ガラス中の酸
素濃度が10ppmであるのに対し、従来の方法で作製
したTbF3を用いたフッ化物ガラス中の酸素濃度は1
5ppmであり、酸素不純物濃度、すなわち、本実施例
により、酸化物の少ない高純度のTbF3原料が作製で
きていることがわかった。なお、本実施例における高純
度のTbF3の収率は85%である。
【0051】
【実施例6】Dy23を出発物質とする高純度DyF3
の製造方法について、図10に示す工程図によって説明
する。形状が粉末状の市販純度が99.9%、すなわ
ち、3Nの高純度のDy23 50gを秤量後、100
0mlのビーカに入れ、電子工業用の塩酸(塩化水素含
有量:36%)200mlに純水100mlを加えた希
塩酸に入れ、加熱しながら溶解する。溶解後の水溶液は
無色であり、無色の溶液を孔径0.2ミクロンのメンブ
ランフィルタを通した後、酸性フッ化アンモニウム10
0gを超純水200mlに溶解した溶液内に入れ、スタ
ーラで8時間、攪拌する。
【0052】攪拌後に生成したDyF3沈殿物は、遠心
分離し、溶液と分離させ、遠心分離後の固形物は、純水
800mlで1時間、攪拌後、洗浄する。洗浄操作は、
3回繰り返して行う。洗浄後の固形物は、再度、遠心分
離を行い、遠心分離後の固形物は、100℃で真空乾燥
し、脱水する。
【0053】真空乾燥後の固形物のTG(熱重量分析)
−DTA(示差熱分析)曲線は図5と同じである。ま
た、真空乾燥後の固形物の赤外吸収スペクトル(IR)
は、図6と同じである。さらに、真空乾燥後の固形物の
X線回折(XRD)結果は、DyP3のXRDに一致し
た。
【0054】すなわち、赤外吸収スペクトル(IR)、
X線回折(XRD)及び熱分析(TG−DTA)などの
解析結果より、本実施例で製造した固形物は、DyF3
であった。真空乾燥後のDyF3をフッ素ガス雰囲気に
おいて、300℃で加熱処理し、最終生成物のDyF3
を得る。
【0055】また、本発明で製造したDyF3および従
来の方法でDy23をNH4F・HFでフッ素化後、D
yF3とした2試料について酸素の放射化分析を行い、
本発明で製造したDyF3を用いたフッ化物ガラス中の
酸素濃度が10ppmであるのに対し、従来の方法で作
製したDyF3を用いたフッ化物ガラス中の酸素濃度は
15ppmであり、酸素不純物濃度、すなわち、本実施
例により、酸化物の少ない高純度のDyF3原料が作製
できていることがわかった。なお、本実施例における高
純度のDyF3の収率は85%である。
【0056】また、Ho23の純度が99.9%、すな
わち3Nの高純度物質を出発物質とする高純度のHoF
3の製造方法についてもDyF3を製造したのと全く同一
の方法でHoF3を製造することができる。
【0057】
【実施例7】Er23を出発物質とする高純度ErF3
の製造方法について、図11に示す工程図によって説明
する。形状が粉末状の市販純度が99.9%、すなわ
ち、3Nの高純度のEr23 50gを秤量後、100
0mlのビーカに入れ、電子工業用の塩酸(塩化水素含
有量:36%)200mlに純水100mlを加えた希
塩酸に入れ、加熱しながら溶解する。溶解後の水溶液は
無色であり、無色の溶液を孔径0.2ミクロンのメンブ
ランフィルタを通した後、酸性フッ化アンモニウム10
0gを超純水200mlに溶解した溶液内に入れ、スタ
ーラで8時間、攪拌する。
【0058】攪拌後に生成したErF3沈殿物は、遠心
分離し、溶液と分離させ、遠心分離後の固形物は、純水
800mlで1時間、攪拌後、洗浄する。洗浄操作は、
3回繰り返して行う。洗浄後の固形物は、再度、遠心分
離を行い、遠心分離後の固形物は、真空乾燥する。
【0059】真空乾燥後の固形物のTG(熱重量分析)
−DTA(示差熱分析)曲線は図5と同じである。ま
た、真空乾燥後の固形物の赤外吸収スペクトル(IR)
は、図6と同じである。さらに、真空乾燥後の固形物の
X線回折(XRD)結果は、ErF3のXRDに一致し
た。すなわち、赤外吸収スペクトル(IR)、X線回折
(XRD)及び熱分析(TG−DTA)などの解析結果
より、本実施例で製造した固形物は、ErF3であっ
た。真空乾燥後のErF3をフッ化アンモニウム200
gを添加し、300℃で加熱処理し、最終生成物のEr
3を得る。
【0060】また、本発明で製造したErF3および従
来の方法でEr23をNH4F・HFでフッ素化後Er
3とした2試料について酸素の放射化分析を行い、本
発明で製造したErF3を用いたフッ化物ガラス中の酸
素濃度が10ppmであるのに対し、従来の方法で作製
したErF3を用いたフッ化物ガラス中の酸素濃度は1
5ppmであり、酸素不純物濃度、すなわち、本実施例
により、酸化物の少ない高純度のErF3原料が作製で
きていることがわかった。なお、本実施例における高純
度のErF3の収率は85%である。
【0061】
【実施例8】Tm23を出発物質とする高純度TmF3
の製造方法について、図12に示す工程図によって説明
する。形状が粉末状の市販純度が99.9%、すなわ
ち、3Nの高純度のTm23 50gを秤量後、100
0mlのビーカに入れ、電子工業用の塩酸(塩化水素含
有量:36%)200mlに超純水100mlを加えた
希塩酸に入れ、加熱しながら溶解する。溶解後の水溶液
は無色であり、無色の溶液を孔径0.2ミクロンのメン
ブランフィルタを通した後、50%濃度の電子工業用の
フッ化水素酸溶液100ml(フッ化水素含有量50
%)を加えた溶液内に入れ、スターラで8時間、攪拌す
る。
【0062】攪拌後に生成したTmF3沈殿物は、遠心
分離し、溶液と分離させ、遠心分離後の固形物は、超純
水800mlで1時間、攪拌後、洗浄する。洗浄操作
は、3回繰り返して行う。洗浄後の固形物は、再度、遠
心分離を行い、遠心分離後の固形物は、真空乾燥する。
真空乾燥後の固形物のTG(熱重量分析)−DTA(示
差熱分析)曲線は図5と同じである。また、真空乾燥後
の固形物の赤外吸収スペクトル(IR)は、図6と同じ
である。さらに、真空乾燥後の固形物のX線回折(XR
D)結果は、TmF3のXRDに一致した。
【0063】すなわち、赤外吸収スペクトル(IR)、
X線回折(XRD)及び熱分析(TG−DTA)などの
解析結果より、本実施例で製造した固形物は、TmF3
であった。真空乾燥後のTmF3をフッ化水素ガス雰囲
気において、300℃で加熱処理し、最終生成物のTm
3を得る。
【0064】また、本発明で製造したTmF3および従
来の方法でTm23をNH4F・HFでフッ素化後Tm
3とした2試料について酸素の放射化分析を行い、本
発明で製造したTmF3を用いたフッ化物ガラス中の酸
素濃度が10ppmであるのに対し、従来の方法で作製
したTmF3を用いたフッ化物ガラス中の酸素濃度は1
5ppmであり、酸素不純物濃度、すなわち、本実施例
により、酸化物の少ない高純度のTmF3原料が作製で
きていることがわかった。なお、本実施例における高純
度のTmF3の収率は85%である。
【0065】
【実施例9】Yb23を出発物質とする高純度YbF3
の製造方法について、図13に示す工程図によって説明
する。形状が粉末状の市販純度が99.9%、すなわ
ち、3Nの高純度のYb23 50gを秤量後、100
0mlのビーカに入れ、電子工業用の塩酸(塩化水素含
有量:36%)200mlに超純水100mlを加えた
希塩酸に入れ、加熱しながら溶解する。溶解後の水溶液
は無色であり、無色の溶液を孔径0.2ミクロンのメン
ブランフィルタを通した後、50%濃度の電子工業用の
フッ化アンモニウム100gを超純水200mlに溶解
した溶液内に入れ、スターラで8時間、攪拌する。
【0066】攪拌後に生成したYbF3沈殿物は、遠心
分離し、溶液と分離させ、遠心分離後の固形物は、超純
水800mlで1時間、攪拌後、洗浄する。洗浄操作
は、3回繰り返して行う。洗浄後の固形物は、再度、遼
心分離を行い、遠心分離後の固形物は、真空乾燥する。
【0067】真空乾燥後の固形物のTG(熱重量分析)
−DTA(示差熱分析)曲線は図5と同じである。ま
た、真空乾燥後の固形物の赤外吸収スペクトル(IR)
は、図6と同じである。さらに、真空乾燥後の固形物の
X線回折(XRD)結果は、YbF3のXRDに一致し
た。
【0068】すなわち、赤外吸収スペクトル(IR)、
X線回折(XRD)及び熱分析(TG−DTA)などの
解析結果より、本実施例で製造した固形物は、YbF3
であった。真空乾燥後のYbF3をフッ化水素ガス雰囲
気において、300℃で加熱処理し、最終生成物のYb
3を得る。
【0069】また、本発明で製造したYbF3および従
来の方法でYb23をNH4F・HFでフッ素化後Yb
3とした2試料について酸素の放射化分析を行い、本
発明で製造したYbF3を用いたフッ化物ガラス中の酸
素濃度が10ppmであるのに対し、従来の方法で作製
したYbF3を用いたフッ化物ガラス中の酸素濃度は1
5ppmであり、酸素不純物濃度、すなわち、本実施例
により、酸化物の少ない高純度のYbF3原料が作製で
きていることがわかった。なお、本実施例における高純
度のYbF3の収率は85%である。
【0070】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の製造方法
によれば、酸化物不純物の少ない高純度の希土類フッ化
物が作製できる。特に、従来の希土類酸化物を少量ずつ
フッ化水素酸溶液内に入れ、150℃で真空乾燥し、希
土類フッ化物を作製する製造法については、脱水時に酸
化物を生成する欠点がある。本発明の製造方法は、希土
類酸化物を塩酸溶液に溶解後、溶解した溶液をフッ化水
素酸溶液内で攪拌し、脱水・乾燥後、フッ化水素ガス、
あるいはフッ素ガスでガス処理後、又は、フッ化水素ア
ンモニウム、フッ化アンモニウムで処理後に希土類フッ
化物を極めて簡便に製造する方法であるから、酸素不純
物を低減した高純度の希土類フッ化物を製造することが
できるものである。さらに、これをInF3系フッ化物
ガラスファイバ、あるいは、ZrF4系フッ化物ガラス
ファイバを用いた光増幅器の出発物質として用いること
により、低損失で増幅度の高い光ファイバ増幅器を製造
できる利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1における高純度のYF3の製
造方法を示す工程図。
【図2】本発明の実施例1により作製した高純度のYF
3のTG−DTA曲線を示す図。
【図3】本発明の実施例1における高純度のYF3の赤
外吸収スペクトル(IR)を示すグラフ。
【図4】本発明の実施例2における高純度のLaF3
製造方法を示す工程図。
【図5】本発明の実施例2における高純度のLaF3
TG−DTA曲線を示す図。
【図6】本発明の実施例2により作製した高純度のLa
3の赤外吸収スペクトル(IR)を示す図。
【図7】本発明の実施例3における高純度のPrF3
製造方法を示す工程図。
【図8】本発明の実施例4における高純度のNdF3
製造方法を示す工程図。
【図9】本発明の実施例5における高純度のTbF3
製造方法を示す工程図。
【図10】本発明の実施例6で作製した高純度のDyF
3の製造方法を示す工程図。
【図11】本発明の実施例7における高純度のErF3
の製造方法を示す工程図。
【図12】本発明の実施例8で作製した高純度のTmF
3の製造方法を示す工程図。
【図13】本発明の実施例9における高純度のYbF3
の製造方法を示す工程図。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 希土類フッ化物を製造する方法におい
    て、高純度希土類酸化物を出発物質として使用し、塩酸
    溶液中で溶解し、溶解後の溶液にフッ素を含む水溶液を
    加え、希土類フッ化物の沈殿物を作製し、該沈殿物を脱
    水・乾燥した後、300℃以下の温度でフッ素を含むガ
    ス、又は、600℃以下の温度でフッ素を含む固体で加
    熱処理することを特徴とする希土類フッ化物の製造方
    法。
  2. 【請求項2】 前記希土類フッ化物が、YF3,La
    3,PrF3,NdF3,SmF3,TbF3,DyF3
    HoF3,ErF3,TmF3,YbF3であり、また、前
    記高純度希土類酸化物が、Y23,La23,Pr
    23,Nd23,Sm23,Tb23,Dy23,Ho
    23,Er23,Tm23,Yb23のいずれか一つで
    あることを特徴とする請求項1記載の希土類フッ化物の
    製造方法。
  3. 【請求項3】 前記フッ素を含む水溶液は、フッ化水素
    酸、酸性フッ化アンモニウム、フッ化アンモニウムのい
    ずれか一つを含むことを特徴とする請求項1または2記
    載の希土類フッ化物の製造方法。
  4. 【請求項4】 前記フッ素を含むガスは、フッ化水素ガ
    ス、フッ素ガスのいずれか一つ、あるいは、両者を含
    み、また、前記フッ素を含む固体が、フッ化水素アンモ
    ニウム、フッ化アンモニウムのいずれか一つを含むこと
    を特徴とする請求項1から3記載のいずれかの希土類フ
    ッ化物の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2020506157A (ja) * 2017-02-03 2020-02-27 ザ・サウス・アフリカン・ニュークリア・エナジー・コーポレイション・エスオーシー・リミテッドThe South African Nuclear Energy Corporation Soc Limited 希土類金属フッ化物の製造方法
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