JP3360743B2 - 塩化バリウムの製造方法 - Google Patents
塩化バリウムの製造方法Info
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- C01F—COMPOUNDS OF THE METALS BERYLLIUM, MAGNESIUM, ALUMINIUM, CALCIUM, STRONTIUM, BARIUM, RADIUM, THORIUM, OR OF THE RARE-EARTH METALS
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- C01F11/005—Preparation involving liquid-liquid extraction, absorption or ion-exchange
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は高純度ハロゲン化バリウ
ムの製造方法、さらに詳細には光増幅用光ファイバ用高
純度原料の製造方法に関するものである。
ムの製造方法、さらに詳細には光増幅用光ファイバ用高
純度原料の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】BaF2は、ZrF4,LaF3,Al
F3,NaFなどと共に光増幅用光ファイバの構成原料
である。このうち、BaF2の組成の一部をバリウムの
塩化物、すなわち、BaCl2あるいはバリウムのフッ
化塩化物、すなわち、BaFClに置き換え増幅度を向
上することが検討されている.光増幅用光ファイバの増
幅効率を阻害する要因として光ファイバ中に混入してい
るクロム、鉄、コバルト、ニッケル、銅などの遷移金属
が挙げられる。これらの遷移金属は構成原料中に不純物
として存在しており、フッ化物光ファイバを使用した光
増幅用光ファイバの実現には遷移金属を含まない金属フ
ッ化物の作製が主に乾式精製法の昇華法を使用し、金属
フッ化物の精製(M.Robinson,Mat.Sc
i.Forum,5,19(1985))が行われてい
る.一方、従来の高純度の塩化バリウム、フッ化塩化バ
リウムの製造は高純度の炭酸バリウムを塩酸に溶解後、
析出する塩化バリウム結晶を乾燥し、塩化バリウムの二
水和物から塩化バリウムを得る方法あるいは塩化バリウ
ムにフッ素ガスを反応させてフッ化塩化バリウムを製造
する方法があるが,遷移金属の不純物濃度は1ppm以
上である.従来の塩化バリウムあるいはフッ化塩化バリ
ウムの製造方法では純度については、製造工程に精製を
含まないために、出発物質の純度に全て依存し、後工程
において不純物汚染をもたらすことの問題点がある。
F3,NaFなどと共に光増幅用光ファイバの構成原料
である。このうち、BaF2の組成の一部をバリウムの
塩化物、すなわち、BaCl2あるいはバリウムのフッ
化塩化物、すなわち、BaFClに置き換え増幅度を向
上することが検討されている.光増幅用光ファイバの増
幅効率を阻害する要因として光ファイバ中に混入してい
るクロム、鉄、コバルト、ニッケル、銅などの遷移金属
が挙げられる。これらの遷移金属は構成原料中に不純物
として存在しており、フッ化物光ファイバを使用した光
増幅用光ファイバの実現には遷移金属を含まない金属フ
ッ化物の作製が主に乾式精製法の昇華法を使用し、金属
フッ化物の精製(M.Robinson,Mat.Sc
i.Forum,5,19(1985))が行われてい
る.一方、従来の高純度の塩化バリウム、フッ化塩化バ
リウムの製造は高純度の炭酸バリウムを塩酸に溶解後、
析出する塩化バリウム結晶を乾燥し、塩化バリウムの二
水和物から塩化バリウムを得る方法あるいは塩化バリウ
ムにフッ素ガスを反応させてフッ化塩化バリウムを製造
する方法があるが,遷移金属の不純物濃度は1ppm以
上である.従来の塩化バリウムあるいはフッ化塩化バリ
ウムの製造方法では純度については、製造工程に精製を
含まないために、出発物質の純度に全て依存し、後工程
において不純物汚染をもたらすことの問題点がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、出発
物質にバリウムを含む水溶液を用い、水溶液に含まれる
クロム、鉄、コバルト、ニッケル、銅などの遷移金属の
不純物を1種類の有機試薬と溶媒の組合せによる溶媒抽
出で上述の欠点を解決し、その後、高純度の塩酸あるい
はフッ素化剤との反応によってハロゲン化バリウムを製
造する方法を提供することにある。
物質にバリウムを含む水溶液を用い、水溶液に含まれる
クロム、鉄、コバルト、ニッケル、銅などの遷移金属の
不純物を1種類の有機試薬と溶媒の組合せによる溶媒抽
出で上述の欠点を解決し、その後、高純度の塩酸あるい
はフッ素化剤との反応によってハロゲン化バリウムを製
造する方法を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明の塩化バリウムの
製造方法は、塩化バリウムを製造する方法であって、バ
リウム水溶液のpHを4.0〜5.0の間に調整する工
程、ジエチルアンモニウムジエチルジオカルバメートを
添加して不純物遷移金属を抽出除去する工程、不純物遷
移金属を抽出除去した前記バリウム水溶液に濃塩酸を入
れ、加熱、濃縮、冷却して塩化バリウムの2水和物を得
る工程を含むことを特徴とする。本発明の塩化バリウム
の製造方法は、塩化バリウムを製造する方法であって、
バリウム水溶液のpHを4.0〜6.0の間に調整する
工程、ジエチルジチオカルバミン酸ナトリウムを添加し
て不純物遷移金属を抽出除去する工程、不純物遷移金属
を抽出除去した前記バリウム水溶液に濃塩酸を入れ、加
熱、濃縮、冷却して塩化バリウムの2水和物を得る工程
を含むことを特徴とする。本発明の、塩化バリウムの製
造方法は、塩化バリウムを製造する方法であって、バリ
ウム水溶液のpHを4.0〜5.0の間に調整する工
程、ジエチルアンモニウムジエチルジオカルバメートを
添加して不純物遷移金属を抽出除去する工程、前記抽出
で残った水相中に水酸化ナトリウムを添加してバリウム
沈殿物を作製する工程、バリウム沈殿物を濾過、過熱、
冷却により再結晶させる操作を繰り返して、Ba(O
H)2・8H2O結晶を作製する工程、前記Ba(O
H)2・8H2O結晶を希塩酸中に入れ、加熱、濃縮、
冷却して塩化バリウムの2水和物を得る工程を含むこと
を特徴とする。
製造方法は、塩化バリウムを製造する方法であって、バ
リウム水溶液のpHを4.0〜5.0の間に調整する工
程、ジエチルアンモニウムジエチルジオカルバメートを
添加して不純物遷移金属を抽出除去する工程、不純物遷
移金属を抽出除去した前記バリウム水溶液に濃塩酸を入
れ、加熱、濃縮、冷却して塩化バリウムの2水和物を得
る工程を含むことを特徴とする。本発明の塩化バリウム
の製造方法は、塩化バリウムを製造する方法であって、
バリウム水溶液のpHを4.0〜6.0の間に調整する
工程、ジエチルジチオカルバミン酸ナトリウムを添加し
て不純物遷移金属を抽出除去する工程、不純物遷移金属
を抽出除去した前記バリウム水溶液に濃塩酸を入れ、加
熱、濃縮、冷却して塩化バリウムの2水和物を得る工程
を含むことを特徴とする。本発明の、塩化バリウムの製
造方法は、塩化バリウムを製造する方法であって、バリ
ウム水溶液のpHを4.0〜5.0の間に調整する工
程、ジエチルアンモニウムジエチルジオカルバメートを
添加して不純物遷移金属を抽出除去する工程、前記抽出
で残った水相中に水酸化ナトリウムを添加してバリウム
沈殿物を作製する工程、バリウム沈殿物を濾過、過熱、
冷却により再結晶させる操作を繰り返して、Ba(O
H)2・8H2O結晶を作製する工程、前記Ba(O
H)2・8H2O結晶を希塩酸中に入れ、加熱、濃縮、
冷却して塩化バリウムの2水和物を得る工程を含むこと
を特徴とする。
【0005】
【化2】 を示し、R1はH2、NH4 +、NH2 +(C2H5)2、
Na+を示す。)
Na+を示す。)
【0006】
【作用】本発明は、従来技術の炭酸バリウムを出発物質
とする塩化バリウムの製造方法および塩化バリウムを出
発物質とするフッ化塩化バリウムの製造方法の問題点を
解決するためにバリウムの水溶液を使用し、水溶液内に
存在する不純物遷移金属たる、例えばクロム、鉄、コバ
ルト、ニッケル、銅の元素個々に対し、最も安定な錯体
を形成する有機試薬、溶媒を決定し、溶媒中に遷移金属
不純物を抽出し、除去することを最も主要な特徴とし、
抽出除去後に残ったバリウム水溶液に例えば塩酸または
フッ素化剤を添加し、ハロゲン化バリウム水和物を生成
し、これを脱水、乾燥させ高純度の塩化バリウムあるい
はフッ化塩化バリウムを製造するものである。
とする塩化バリウムの製造方法および塩化バリウムを出
発物質とするフッ化塩化バリウムの製造方法の問題点を
解決するためにバリウムの水溶液を使用し、水溶液内に
存在する不純物遷移金属たる、例えばクロム、鉄、コバ
ルト、ニッケル、銅の元素個々に対し、最も安定な錯体
を形成する有機試薬、溶媒を決定し、溶媒中に遷移金属
不純物を抽出し、除去することを最も主要な特徴とし、
抽出除去後に残ったバリウム水溶液に例えば塩酸または
フッ素化剤を添加し、ハロゲン化バリウム水和物を生成
し、これを脱水、乾燥させ高純度の塩化バリウムあるい
はフッ化塩化バリウムを製造するものである。
【0007】従来技術の炭酸バリウムによる塩化バリウ
ムあるいは塩化バリウムのフッ素ガスによるフッ化塩化
バリウムの製造方法とは、出発物質の炭酸バリウムが水
溶液に溶解しないのに比べ、硝酸塩、酢酸塩、塩化物な
どの水溶性塩あるいは水酸化バリウムを出発物質とし
て、塩化バリウム、フッ化塩化バリウムなどを製造する
点で異なる。
ムあるいは塩化バリウムのフッ素ガスによるフッ化塩化
バリウムの製造方法とは、出発物質の炭酸バリウムが水
溶液に溶解しないのに比べ、硝酸塩、酢酸塩、塩化物な
どの水溶性塩あるいは水酸化バリウムを出発物質とし
て、塩化バリウム、フッ化塩化バリウムなどを製造する
点で異なる。
【0008】本発明において、使用される抽出用の有機
試薬はジチオカルバメート化合物である。このような有
機試薬は有機溶媒とともに使用することができる。有機
試薬としては、一般式:RCS2R1で示されるジチオカ
ルバメートを使用する。上記式中、Rは(C2H5)2N
−、あるいは、
試薬はジチオカルバメート化合物である。このような有
機試薬は有機溶媒とともに使用することができる。有機
試薬としては、一般式:RCS2R1で示されるジチオカ
ルバメートを使用する。上記式中、Rは(C2H5)2N
−、あるいは、
【0009】
【化3】 を示し、またR1はH+ ,NH4 + ,NH2 +(C2
H5)2あるいはNa+などを示す。
H5)2あるいはNa+などを示す。
【0010】
【実施例】(参考例) 酢酸バリウムを出発物質とし、有機試薬の使用によるク
ロム、鉄、コバルト、ニッケル、銅の最適抽出条件につ
いて以下に説明する。
ロム、鉄、コバルト、ニッケル、銅の最適抽出条件につ
いて以下に説明する。
【0011】ビーカにBa(CH3COO)2 を100
g秤量後、溶液とし、51Cr、59Fe、60CO、 65N
i、64Cuの放射性同位体を各々100μg添加した
後、pH=2.0〜5.0に設定する。pH調整した溶
液にジエチルアンモニウムジエチルジチオカルバメート
(以下DDDCと略)の有機試薬0.1gを100ml
の四塩化炭素に溶解後、このうちの20m1を加え、分
液ロートに移し替え、5分間振とうする。振とう後、5
分間静置し、有機相と水相の放射能を放射線検出器で測
定し、5元素の有機相への抽出率を算出する。抽出率と
してクロム、鉄、コバルト、ニッケル、銅、の5元素に
対し、99.9%以上の値がpH=2.0〜5.0の領
域で得られた。
g秤量後、溶液とし、51Cr、59Fe、60CO、 65N
i、64Cuの放射性同位体を各々100μg添加した
後、pH=2.0〜5.0に設定する。pH調整した溶
液にジエチルアンモニウムジエチルジチオカルバメート
(以下DDDCと略)の有機試薬0.1gを100ml
の四塩化炭素に溶解後、このうちの20m1を加え、分
液ロートに移し替え、5分間振とうする。振とう後、5
分間静置し、有機相と水相の放射能を放射線検出器で測
定し、5元素の有機相への抽出率を算出する。抽出率と
してクロム、鉄、コバルト、ニッケル、銅、の5元素に
対し、99.9%以上の値がpH=2.0〜5.0の領
域で得られた。
【0012】出発物質として、硝酸バリウム、塩化バリ
ウム(BaC12・2H20)を使用し、上述の条件でD
DDCとクロロホルム抽出を行った場合にも99.9%
以上の抽出率が上述のpH領域で得られる。上述の有機
試薬と溶媒を使用すれば、99.9%以上のクロム、
鉄、コバルト、ニッケル、銅の抽出、言い換えればこれ
ら5元素の排除が3桁までできる効果を示している。
ウム(BaC12・2H20)を使用し、上述の条件でD
DDCとクロロホルム抽出を行った場合にも99.9%
以上の抽出率が上述のpH領域で得られる。上述の有機
試薬と溶媒を使用すれば、99.9%以上のクロム、
鉄、コバルト、ニッケル、銅の抽出、言い換えればこれ
ら5元素の排除が3桁までできる効果を示している。
【0013】(実施例1) 硝酸バリウムを出発物質とする高純度塩化バリウムの作
製法について、図1の工程図によって説明する。硝酸バ
リウム10gを純水150m1に溶解後、酢酸アンモニ
ウムを添加し、pH=4.0〜5.0の間に設定する。
DDDC1.0gを四塩化炭素100m1に溶解した溶
液の50m1の使用により不純物を抽出除去後、水相に
濃塩酸150m1を入れ、水浴上で加熱し、濃縮後、冷
却し、析出した結晶を吸引濾過し、少量の純水で洗浄し
塩化バリウムの二水和物を得る。塩化バリウムの二水和
物は、室温から130℃の間で真空乾燥器内で脱水・乾
燥し、塩化バリウムを作製する。出発物質を酢酸バリウ
ム、塩化バリウム、水酸化バリウムとして上述の抽出操
作を行っても塩化物の二水和物が得られる。また、作製
した塩化バリウム中のクロム、鉄、コバルト、ニッケ
ル、銅の放射化分析を行い、5元素について1ppbの
分析結果が得られ、従来、行われている塩化バリウムに
ついての不純物濃度の分析値よりも高純度の塩化バリウ
ムが作製できた。
製法について、図1の工程図によって説明する。硝酸バ
リウム10gを純水150m1に溶解後、酢酸アンモニ
ウムを添加し、pH=4.0〜5.0の間に設定する。
DDDC1.0gを四塩化炭素100m1に溶解した溶
液の50m1の使用により不純物を抽出除去後、水相に
濃塩酸150m1を入れ、水浴上で加熱し、濃縮後、冷
却し、析出した結晶を吸引濾過し、少量の純水で洗浄し
塩化バリウムの二水和物を得る。塩化バリウムの二水和
物は、室温から130℃の間で真空乾燥器内で脱水・乾
燥し、塩化バリウムを作製する。出発物質を酢酸バリウ
ム、塩化バリウム、水酸化バリウムとして上述の抽出操
作を行っても塩化物の二水和物が得られる。また、作製
した塩化バリウム中のクロム、鉄、コバルト、ニッケ
ル、銅の放射化分析を行い、5元素について1ppbの
分析結果が得られ、従来、行われている塩化バリウムに
ついての不純物濃度の分析値よりも高純度の塩化バリウ
ムが作製できた。
【0014】(実施例2) 酢酸バリウム(Ba(CH3COO)2)を出発物質とす
る塩化バリウムの作製方法について,図2の工程図によ
って説明する。酢酸バリウム100gを純水150ml
に溶解する。水溶液に酢酸アンモニウムを少量添加し、
pH=4.0〜6.0の間に設定する。ジエチルジチオ
カルバミン酸ナトリウム(以下,DDTCと略)1.0
gを純水10mlに溶解し、この1mlと四塩化炭素5
0mlの使用により不純物を抽出除去後、水相に濃塩酸
150mlを入れ、水浴上で加熱し、濃縮後、冷却し、
析出した結晶を吸引濾過し、少量の純水で洗浄し塩化バ
リウムの二水和物を得る。塩化バリウムの二水和物は、
室温から130℃の間で真空乾燥器内で脱水・乾燥し、
塩化バリウムを作製する。出発物質を硝酸バリウム、塩
化バリウム、水酸化バリウムとして上述の抽出操作を行
っても塩化物の二水和物が得られる。また、作製した塩
化バリウム中のクロム、鉄、コバルト、ニッケル、銅の
放射化分析を行い、5元素について1ppbの分析結果
が得られ、従来、行われている塩化バリウムについての
不純物濃度の分析値よりも高純度の塩化バリウムが作製
できた。
る塩化バリウムの作製方法について,図2の工程図によ
って説明する。酢酸バリウム100gを純水150ml
に溶解する。水溶液に酢酸アンモニウムを少量添加し、
pH=4.0〜6.0の間に設定する。ジエチルジチオ
カルバミン酸ナトリウム(以下,DDTCと略)1.0
gを純水10mlに溶解し、この1mlと四塩化炭素5
0mlの使用により不純物を抽出除去後、水相に濃塩酸
150mlを入れ、水浴上で加熱し、濃縮後、冷却し、
析出した結晶を吸引濾過し、少量の純水で洗浄し塩化バ
リウムの二水和物を得る。塩化バリウムの二水和物は、
室温から130℃の間で真空乾燥器内で脱水・乾燥し、
塩化バリウムを作製する。出発物質を硝酸バリウム、塩
化バリウム、水酸化バリウムとして上述の抽出操作を行
っても塩化物の二水和物が得られる。また、作製した塩
化バリウム中のクロム、鉄、コバルト、ニッケル、銅の
放射化分析を行い、5元素について1ppbの分析結果
が得られ、従来、行われている塩化バリウムについての
不純物濃度の分析値よりも高純度の塩化バリウムが作製
できた。
【0015】(実施例3) 塩化バリウムを出発物質とし、水酸化バリウム(Ba
(OH)2・8H2O)を作製後、塩化バリウムを製造す
る作製法について図3の工程図によって説明する。塩化
バリウム100gを純水200mlに溶解し、酢酸アン
モニウムを添加後、pHを4.0〜5.0に調整した
後、DDDC1.0gを四塩化炭素10mlに溶解した
溶液1mlと四塩化炭素50mlにより、遷移金属不純
物を溶媒抽出で排除する。抽出で残った水相中に超高純
度の水酸化ナトリウム水溶液を添加し、冷却し、バリウ
ム沈澱物を作製する。バリウム沈澱物は濾過、加熱、冷
却により、再結晶操作を2〜3回繰り返し、水酸化バリ
ウム(Ba(OH)2・8H2O)結晶を作製する。水酸
化バリウム(Ba(OH)2・8H2O)は、6規定の希
塩酸中に入れ、水浴上で加熱、濃縮したのち冷却し、塩
化バリウムニ水和物の結晶を得る。塩化バリウムの二水
和物は、室温から130℃の間で真空乾燥器内で脱水・
乾燥し、塩化バリウムを作製する。出発物質を酢酸バリ
ウム、硝酸バリウム、水酸化バリウムとして上述の抽出
操作を行っても塩化物の二水和物が得られる。また、作
製した塩化バリウム中のクロム、鉄、コバルト、ニッケ
ル、銅の放射化分析を行い、5元素について1ppbの
分析結果が得られ、従来、行われている塩化バリウムに
ついての不純物濃度の分析値よりも高純度の塩化バリウ
ムが作製できた。
(OH)2・8H2O)を作製後、塩化バリウムを製造す
る作製法について図3の工程図によって説明する。塩化
バリウム100gを純水200mlに溶解し、酢酸アン
モニウムを添加後、pHを4.0〜5.0に調整した
後、DDDC1.0gを四塩化炭素10mlに溶解した
溶液1mlと四塩化炭素50mlにより、遷移金属不純
物を溶媒抽出で排除する。抽出で残った水相中に超高純
度の水酸化ナトリウム水溶液を添加し、冷却し、バリウ
ム沈澱物を作製する。バリウム沈澱物は濾過、加熱、冷
却により、再結晶操作を2〜3回繰り返し、水酸化バリ
ウム(Ba(OH)2・8H2O)結晶を作製する。水酸
化バリウム(Ba(OH)2・8H2O)は、6規定の希
塩酸中に入れ、水浴上で加熱、濃縮したのち冷却し、塩
化バリウムニ水和物の結晶を得る。塩化バリウムの二水
和物は、室温から130℃の間で真空乾燥器内で脱水・
乾燥し、塩化バリウムを作製する。出発物質を酢酸バリ
ウム、硝酸バリウム、水酸化バリウムとして上述の抽出
操作を行っても塩化物の二水和物が得られる。また、作
製した塩化バリウム中のクロム、鉄、コバルト、ニッケ
ル、銅の放射化分析を行い、5元素について1ppbの
分析結果が得られ、従来、行われている塩化バリウムに
ついての不純物濃度の分析値よりも高純度の塩化バリウ
ムが作製できた。
【0016】(参考例) 塩化バリウムを出発物質とする高純度フッ化塩化バリウ
ムの作製法について、図4の工程図によって説明する。
塩化バリウム100gを純水200mlに溶解し、pH
を4.0〜6.0に調整した後、DDTC1.0gを純
水100mlに溶解した溶液10mlと四塩化炭素50
mlにより、遷移金属不純物を溶媒抽出で排除する。抽
出で残った水相をフッ化水素酸中に添加し、バリウム沈
澱物を作製する。バリウム沈澱物はデカンテーション
後、テフロン濾過器で濾過、脱水を行い、真空乾燥器内
で30℃〜150℃の温度範囲で脱水乾燥し、フッ化塩
化バリウム(BaFCl)を作製する。また、作製した
フッ化塩化バリウム中のクロム、鉄、コバルト、ニッケ
ル、銅の放射化分析を行い、5元素について1ppbの
分析結果が得られ、従来、行われているフッ化塩化バリ
ウムについての不純物濃度の分析値よりも高純度の塩化
バリウムが作製できた。
ムの作製法について、図4の工程図によって説明する。
塩化バリウム100gを純水200mlに溶解し、pH
を4.0〜6.0に調整した後、DDTC1.0gを純
水100mlに溶解した溶液10mlと四塩化炭素50
mlにより、遷移金属不純物を溶媒抽出で排除する。抽
出で残った水相をフッ化水素酸中に添加し、バリウム沈
澱物を作製する。バリウム沈澱物はデカンテーション
後、テフロン濾過器で濾過、脱水を行い、真空乾燥器内
で30℃〜150℃の温度範囲で脱水乾燥し、フッ化塩
化バリウム(BaFCl)を作製する。また、作製した
フッ化塩化バリウム中のクロム、鉄、コバルト、ニッケ
ル、銅の放射化分析を行い、5元素について1ppbの
分析結果が得られ、従来、行われているフッ化塩化バリ
ウムについての不純物濃度の分析値よりも高純度の塩化
バリウムが作製できた。
【0017】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の製造方法
によれば、バリウムを含む水溶性塩を使用し、水溶液内
に存在するクロム、鉄、コバルト、ニッケル、銅の元素
個々に対し、最も安定な錯体を形成する有機試薬と溶媒
により抽出排除することにより、高純度ハロゲン化バリ
ウムを作製するものであるから、遷移金属を極低濃度に
した高純度の塩化バリウム、フッ化塩化バリウムを製造
することができた。さらに、これをフッ化物光ファイバ
アンプの出発金属原料として用いることにより、増幅度
の高い光ファイバを製造できる利点がある。
によれば、バリウムを含む水溶性塩を使用し、水溶液内
に存在するクロム、鉄、コバルト、ニッケル、銅の元素
個々に対し、最も安定な錯体を形成する有機試薬と溶媒
により抽出排除することにより、高純度ハロゲン化バリ
ウムを作製するものであるから、遷移金属を極低濃度に
した高純度の塩化バリウム、フッ化塩化バリウムを製造
することができた。さらに、これをフッ化物光ファイバ
アンプの出発金属原料として用いることにより、増幅度
の高い光ファイバを製造できる利点がある。
【図1】実施例2における高純度塩化バリウムの製造方
法を示す工程図である。
法を示す工程図である。
【図2】実施例3における高純度塩化バリウムの製造方
法を示す工程図である。
法を示す工程図である。
【図3】実施例4における高純度塩化バリウムの製造方
法を示す工程図である。
法を示す工程図である。
【図4】実施例5における高純度フッ化塩化バリウムの
製造方法を示す工程図である。
製造方法を示す工程図である。
Claims (4)
- 【請求項1】塩化バリウムを製造する方法であって、 バリウム水溶液のpHを4.0〜5.0の間に調整する
工程、ジエチルアンモニウムジエチルジオカルバメート を添加
して不純物遷移金属を抽出除去する工程、 不純物遷移金属を抽出除去した前記バリウム水溶液に濃
塩酸を入れ、加熱、濃縮、冷却して塩化バリウムの2水
和物を得る工程を含むことを特徴とする塩化バリウムの
製造方法。 - 【請求項2】塩化バリウムを製造する方法であって、 バリウム水溶液のpHを4.0〜6.0の間に調整する
工程、ジエチルジチオカルバミン酸ナトリウム を添加して不純
物遷移金属を抽出除去する工程、 不純物遷移金属を抽出除去した前記バリウム水溶液に濃
塩酸を入れ、加熱、濃縮、冷却して塩化バリウムの2水
和物を得る工程を含むことを特徴とする塩化バリウムの
製造方法。 - 【請求項3】塩化バリウムを製造する方法であって、 バリウム水溶液のpHを4.0〜5.0の間に調整する
工程、ジエチルアンモニウムジエチルジオカルバメート を添加
して不純物遷移金属を抽出除去する工程、 前記抽出で残った水相中に水酸化ナトリウムを添加して
バリウム沈殿物を作製する工程、 バリウム沈殿物を濾過、過熱、冷却により再結晶させる
操作を繰り返して、Ba(OH)2・8H2O結晶を作
製する工程、 前記Ba(OH)2・8H2O結晶を希塩酸中に入れ、
加熱、濃縮、冷却して塩化バリウムの2水和物を得る工
程を含むことを特徴とする塩化バリウムの製造方法。 - 【請求項4】硝酸バリウム、酢酸バリウム、塩化バリウ
ム、または水酸化バリウムを出発物質とすることを特徴
とする請求項1〜3に記載の塩化バリウムの製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP05748793A JP3360743B2 (ja) | 1993-03-17 | 1993-03-17 | 塩化バリウムの製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP05748793A JP3360743B2 (ja) | 1993-03-17 | 1993-03-17 | 塩化バリウムの製造方法 |
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JPH06271314A JPH06271314A (ja) | 1994-09-27 |
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-
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- 1993-03-17 JP JP05748793A patent/JP3360743B2/ja not_active Expired - Fee Related
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