JP2006045089A - ジ−μ−クロロビス(1,5−シクロオクタジエン)二イリジウム(I)の製造法 - Google Patents

ジ−μ−クロロビス(1,5−シクロオクタジエン)二イリジウム(I)の製造法 Download PDF

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Abstract

【課題】 原料の使用量を抑制しつつ、高い収率でジ−μ−クロロビス(1,5−シクロオクタジエン)二イリジウム(I)錯体([Ir(cod)Cl]2)を簡易に製造する方法を提供する。
【解決手段】 本発明のジ−μ−クロロビス(1,5−シクロオクタジエン)二イリジウム(I)の製造法は、水の存在下、塩化イリジウム類と1,5−シクロオクタジエンとアルコールとを反応させる工程、及び反応により生成したジ−μ−クロロビス(1,5−シクロオクタジエン)二イリジウム(I)を含む溶液に水を加えて晶析する工程を含むことを特徴とする。さらに、反応終了後の反応液を全液量の20〜70体積%になるまで濃縮する工程を設けてもよい。
【選択図】 なし

Description

本発明は、触媒として有用なジ−μ−クロロビス(1,5−シクロオクタジエン)二イリジウム(I)の製造法に関する。
従来、ジ−μ−クロロビス(1,5−シクロオクタジエン)二イリジウム(I)の製造法としていくつかの方法が知られている。例えば、Chem. Ber., 99 (1966) 3610には、水及びエタノールの混合液中で塩化イリジウムと1,5−シクロオクタジエンとを、加熱還流条件下で8〜12時間反応させた後、晶析することにより製造する方法が開示されているが、収率は45%程度と低く実用的でなかった。
J. Organomet. Chem., 135, 395 (1977)には、初期に水を添加しないで、酢酸ナトリウム水溶液により目的の錯化合物へ変換し、ジクロロメタン/エタノール溶媒により晶析する方法が開示されている。この方法によれば90〜95%の収率が達成されるものの、反応工程が多段階に亘り、煩雑である。
一方、米国特許 US 6,399,804 B2号公報には、塩化イリジウムを水に溶解した後、アルコール及び1,5−シクロオクタジエンを添加し、沸点で溶液を撹拌することによりジ−μ−クロロビス(1,5−シクロオクタジエン)二イリジウム(I)を製造する方法が開示されている。しかし、より効率よく高い収率で目的物を製造する方法が望まれていた。
Chem. Ber., 99 (1966) 3610 J. Organomet. Chem., 135, 395 (1977) 米国特許 US 6,399,804 B2号公報
本発明の目的は、原料の使用量を抑制しつつ、高い収率でジ−μ−クロロビス(1,5−シクロオクタジエン)二イリジウム(I)錯体([Ir(cod)Cl]2)を簡易に製造する方法を提供することにある。
本発明者らは、上記目的を達成するため鋭意検討した結果、塩化イリジウムと1,5−シクロオクタジエンとアルコールとを反応させた後、水を添加して晶析処理を施すことにより、反応に用いる反応基質の使用を少なくでき、しかも高い収率でジ−μ−クロロビス(1,5−シクロオクタジエン)二イリジウム(I)を得ることができることを見いだし、本発明を完成した。
すなわち、本発明は、水の存在下、塩化イリジウム類と1,5−シクロオクタジエンとアルコールとを反応させる工程、及び反応により生成したジ−μ−クロロビス(1,5−シクロオクタジエン)二イリジウム(I)を含む溶液に水を加えて晶析する工程を含むジ−μ−クロロビス(1,5−シクロオクタジエン)二イリジウム(I)の製造法を提供する。
本発明のジ−μ−クロロビス(1,5−シクロオクタジエン)二イリジウム(I)の製造法において、反応終了後の反応液を全液量の20〜70体積%になるまで濃縮する工程を設けてもよい。前記アルコールとして、イソプロピルアルコール又はエタノールが好ましく用いられる。また、前記晶析工程において、50℃以上のジ−μ−クロロビス(1,5−シクロオクタジエン)二イリジウム(I)を含む溶液に、30℃以下の水を加えてもよい。
本発明の製造方法によれば、原料の使用量を低く抑えることができるため生産性に優れ、しかも簡易に極めて高い収率でジ−μ−クロロビス(1,5−シクロオクタジエン)二イリジウム(I)を得ることができる。
本発明は、水の存在下、塩化イリジウム類と1,5−シクロオクタジエンとアルコールとを反応させる工程(反応工程)を含んでいる。
塩化イリジウム類には、例えば酸化数1〜6のイリジウムの塩化物である一般式IrClnで表される塩化イリジウム、HnIrClm(n,mは任意の整数)で表される塩化イリジウム酸、塩化イリジウム酸のナトリウム塩等のアルカリ金属塩及びアンモニウム塩、これらの水和物等が含まれる。塩化イリジウム類の具体例としては、IrCl3、IrCl4、H2IrCl6、H2IrCl8、Na2IrCl8などが挙げられる。これらの塩化イリジウム類は単独で又は複数を組み合わせて用いてもよい。塩化イリジウム類は、粉末、粒状物等の固体を用いてもよく、水や有機溶媒等に溶解した溶液の形態で用いることもできる。また、塩化イリジウム類として、例えば、金属イリジウム又はイリジウム化合物を王水(硝酸・塩酸混合溶液)に溶解して得られる塩化イリジウム類の酸性溶液、該酸性溶液から硝酸分や塩酸分等の酸性物質を除去した溶液などを用いてもよい。
塩化イリジウム類は、反応混合液の総量に対し、イリジウム換算で例えば1〜20重量%、好ましくは2〜10重量%程度の濃度で使用される。本発明では、反応後に水を添加するため、反応溶媒の使用量を少なくでき、基質濃度の高い条件で反応を効率よく進行することができる。
1,5−シクロオクタジエンは、塩化イリジウム類とともに基質として用いられる。1,5−シクロオクタジエンの使用量は、塩化イリジウム類に対して例えば8当量以下(例えば1〜8当量)、好ましくは1.5〜5当量、より好ましくは2〜4当量である。特に本発明では、1,5−シクロオクタジエンの使用量が少ない場合にも高い収率で目的物を得ることができる。
アルコールとしては、反応を阻害しない範囲で適宜選択して使用でき、例えば、メタノール、エタノール、プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、ブタノール、イソブチルアルコール、sec−ブチルアルコール、ペンチルアルコール、ヘキシルアルコールなどの炭素数2〜9のアルコールが挙げられる。なかでも、炭素数2〜7のアルコールが好ましく、特にエタノール及びイソプロピルアルコールが好ましく用いられる。
反応系におけるアルコールと水との存在比は、塩化イリジウムを溶解可能な範囲から適宜選択され、例えば、水に対してアルコールが3容量倍以下(例えば0.5〜3容量倍)、好ましくは1〜2容量倍、より好ましくは1.5〜2容量倍である。また、水及びアルコールの使用量は、塩化イリジウム類の濃度が上記範囲内となる量が好ましい。本発明では、アルコールの使用量が少ない場合にも高い収率で目的物を得ることができる。
塩化イリジウム類、1,5−シクロオクタジエン、及びアルコールは、反応系内に別々に又は同時に仕込んでもよく、別々に仕込む際の仕込み順序も特に限定されない。なお、塩化イリジウム類が粉体の場合には、溶液中に投入すると、容易に撹拌できるため好ましい。また、これらの基質をそのまま添加してもよく、予め水に溶解した水溶液として添加してもよい。
反応温度は、例えば25〜100℃であり、好ましくは溶媒の還流温度である。反応温度は、上記範囲内で一定に保持してもよく、連続的に又は段階的に昇温してもよい。反応圧力は、常圧、加圧下の何れであってもよい。反応の雰囲気は反応を阻害しない限り特に限定されず、例えば、空気雰囲気や窒素、ヘリウム、アルゴン、二酸化炭素などの不活性ガス雰囲気などの何れであってもよいが、不活性ガス雰囲気が好ましい。不活性ガスを反応液の気相又は液相に流通してもよい。また、反応はバッチ式、セミバッチ式、連続式などの何れの方法で行うこともできる。
上記反応により、イリジウムに1,5−シクロオクタジエンが配位したジ−μ−クロロビス(1,5−シクロオクタジエン)二イリジウム(I)錯体が生成する。この際、原料アルコールに対応するカルボニル化合物も生成する。
こうして得られるジ−μ−クロロビス(1,5−シクロオクタジエン)二イリジウム(I)錯体(以下、「イリジウム錯体」と称する場合がある)を含む反応液は、そのまま又は該反応液に濃縮、濾過、希釈、抽出、液性調整などの処理を施した後、後述の晶析処理を施す工程に付される。
本発明では、反応終了後の反応液を、全液量の例えば20〜70体積%、好ましくは25〜65体積%になるまで濃縮する工程を設けてもよい。濃縮は、常圧又は減圧下、蒸留や、不活性ガスに同伴させて液体を除去する方法等の方法で行うことができる。特に、減圧濃縮(減圧蒸留)によれば、濃縮と同時に反応液の冷却を行うことができるため、次工程の晶析工程に有利である。
濃縮工程により得られる濃縮液の総量に対するイリジウム錯体のイリジウム換算濃度は、例えば5〜50重量%、好ましくは10〜30重量%程度である。なお、前記イリジウム錯体のイリジウム換算濃度は、原料としての塩化イリジウム類の使用量から算出した値を示している。
本発明では、上記反応工程と、反応により生成したジ−μ−クロロビス(1,5−シクロオクタジエン)二イリジウム(I)を含む溶液に水を加えて晶析処理を施す工程(晶析工程)を含んでいる。ジ−μ−クロロビス(1,5−シクロオクタジエン)二イリジウム(I)を含む溶液には、上記反応後の反応液及び該反応液に濃縮、濾過、希釈、抽出、液性調整などの処理を施した処理液などが含まれる。特に、反応により高温となっている反応液は、水の添加により速やかに冷却され、効率よく晶析処理を行うことができる。例えば、50℃以上の反応液に対して、水温が例えば35℃以下(5〜30℃程度)、好ましくは30℃以下の水を加える。水の添加量は、添加する溶液におけるイリジウム錯体の濃度に応じて適宜選択でき、例えば、晶析処理を施す直前の溶液に対して0.2〜10容量倍、好ましくは0.3〜2容量倍である。なお、晶析処理を施す直前の溶液とは、反応終了後の反応液や、該反応液を濃縮した濃縮液等の処理液などであって、水を添加後に晶析処理に付す溶液を意味している。
晶析温度は、通常2〜40℃程度、好ましくは3〜30℃程度で行われる。処理時間は、例えば0.1〜10時間、好ましくは0.2〜5時間である。上記処理により、ジ−μ−クロロビス(1,5−シクロオクタジエン)二イリジウム(I)が析出する。晶析工程後、ジ−μ−クロロビス(1,5−シクロオクタジエン)二イリジウム(I)は、遠心分離、吸引濾過などの公知の方法により分離、回収でき、さらに、必要に応じて水、メタノール、エタノール、イソプロパノール等を用いて洗浄、リンス、乾燥等の一般的な分離精製手段に付すことにより単離することができる。特に、メタノールを用いて洗浄等を行うことにより、結晶形の良好なジ−μ−クロロビス(1,5−シクロオクタジエン)二イリジウム(I)を得ることができるため好ましい。
上記方法によれば、反応基質としての1,5−シクロオクタジエン及びアルコールの使用量や、水及びアルコールの総量を低減することができ、ジ−μ−クロロビス(1,5−シクロオクタジエン)二イリジウム(I)を高い収率で製造することができる。
以下に、実施例に基づいて本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例により限定されるものではない。なお、「イリジウム濃度」は、反応混合液又は濃縮液の総量に対するイリジウム化合物のイリジウム換算濃度[重量%]を示している。
実施例1
留出管を取り付けた500ml反応装置を用い、塩化イリジウム・水和物[IrCl3・xH2O(xは正の数);イリジウムの含有率53%、含有量10g]18.9gと1,5−シクロオクタジエン24.6gを、イソプロパノール150ml及び水75mlからなる混合溶液(イリジウム濃度4.2重量%)に加え、窒素ガスを液相流通しながら加熱還流条件下で反応させた。5時間後、反応液に水300mlを添加し、5℃で1時間撹拌することにより晶析処理を施した。次いで、処理液を濾過し、濾過物を水及びメタノールで順次洗浄した後、室温で真空乾燥することにより、固体のジ−μ−クロロビス(1,5−シクロオクタジエン)二イリジウム(I)を16.0g(収率92モル%)得た。
実施例2
留出管を取り付けた500ml反応装置を用い、塩化イリジウム・水和物[IrCl3・xH2O(xは正の数);イリジウムの含有率53%、含有量10g]18.9gと1,5−シクロオクタジエン24.6gを、イソプロパノール150ml及び水75mlからなる混合溶液(イリジウム濃度4.2重量%)に加え、窒素ガスを液相流通しながら加熱還流条件下で反応させた。5時間後、反応液を1/3まで濃縮してイリジウム濃度12.7重量%の濃縮液を得た。この濃縮液を室温まで冷却し、水85mlを添加した後、5℃で1時間撹拌することにより晶析処理を施した。次いで、処理液を濾過し、濾過物を水及びメタノールで順次洗浄した後、室温で真空乾燥することにより、固体のジ−μ−クロロビス(1,5−シクロオクタジエン)二イリジウム(I)を16.1g(収率92.1モル%)得た。
実施例3
実施例2において、晶析処理を室温で行った点以外は実施例2と同様の操作を行って、固体のジ−μ−クロロビス(1,5−シクロオクタジエン)二イリジウム(I)を16.9g(収率96.8モル%)得た。
実施例4
留出管を取り付けた2000ml反応装置を用い、塩化イリジウム・水和物[IrCl3・xH2O(xは正の数);イリジウムの含有率53%、含有量10g]113.5gと1,5−シクロオクタジエン148gを、イソプロパノール900ml及び水450mlからなる混合溶液(イリジウム濃度4.2重量%)に加え、窒素ガスを液相流通しながら加熱還流条件下で反応させた。5時間後、反応液を1/3まで濃縮してイリジウム濃度12.7重量%の濃縮液を得た。この濃縮液を室温まで冷却し、水510mlを添加した後、室温で1時間撹拌することにより晶析処理を施した。次いで、処理液を濾過し、濾過物を水及びメタノールで順次洗浄した後、室温で真空乾燥することにより、固体のジ−μ−クロロビス(1,5−シクロオクタジエン)二イリジウム(I)を102.1g(収率98モル%)得た。
実施例5
実施例4において、加熱還流条件下で3時間反応を行った点以外は実施例4と同様の操作を行って、固体のジ−μ−クロロビス(1,5−シクロオクタジエン)二イリジウム(I)を102.0g(収率98モル%)得た。
実施例6
留出管を取り付けた500ml反応装置を用い、塩化イリジウム・水和物[IrCl3・xH2O(xは正の数);イリジウムの含有率53%、含有量10g]18.9gと1,5−シクロオクタジエン24.6gを、エタノール150ml及び水75mlからなる混合溶液(イリジウム濃度4.2重量%)に加え、窒素ガスを液相流通しながら加熱還流条件下で反応させた。5時間後、反応液を1/3まで濃縮してイリジウム濃度12.7重量%の濃縮液を得た。この濃縮液を室温まで冷却し、水85mlを添加した後、室温で1時間撹拌することにより晶析処理を施した。次いで、処理液を濾過し、濾過物を水及びメタノールで順次洗浄した後、室温で真空乾燥することにより、固体のジ−μ−クロロビス(1,5−シクロオクタジエン)二イリジウム(I)を16.8g(収率96モル%)得た。
実施例7
留出管を取り付けた500ml反応装置を用い、塩化イリジウム・水和物[IrCl3・xH2O(xは正の数);イリジウムの含有率53%、含有量10g]18.9gと1,5−シクロオクタジエン24.6gを、イソプロパノール112ml及び水75mlからなる混合溶液(イリジウム濃度4.8重量%)に加え、窒素ガスを液相流通しながら加熱還流条件下で反応させた。5時間後、反応液を1/3まで濃縮してイリジウム濃度14.5重量%の濃縮液を得た。この濃縮液を室温まで冷却し、水85mlを添加した後、室温で1時間撹拌することにより晶析処理を施した。次いで、処理液を濾過し、濾過物を水及びメタノールで順次洗浄した後、室温で真空乾燥することにより、固体のジ−μ−クロロビス(1,5−シクロオクタジエン)二イリジウム(I)を16.7g(収率96.6モル%)得た。
実施例8
留出管を取り付けた500ml反応装置を用い、塩化イリジウム・水和物[IrCl3・xH2O(xは正の数);イリジウムの含有率53%、含有量10g]18.9gと1,5−シクロオクタジエン24.6gを、イソプロパノール75ml及び水75mlからなる混合溶液(イリジウム濃度5.6重量%)に加え、窒素ガスを液相流通しながら加熱還流条件下で反応させた。5時間後、反応液を1/3まで濃縮してイリジウム濃度17.0重量%の濃縮液を得た。この濃縮液を室温まで冷却し、水85mlを添加した後、室温で1時間撹拌することにより晶析処理を施した。次いで、処理液を濾過し、濾過物を水及びメタノールで順次洗浄した後、室温で真空乾燥することにより、固体のジ−μ−クロロビス(1,5−シクロオクタジエン)二イリジウム(I)を16.5g(収率96.3モル%)得た。
実施例9
留出管を取り付けた500ml反応装置を用い、塩化イリジウム・水和物[IrCl3・xH2O(xは正の数);イリジウムの含有率53%、含有量10g]18.9gと1,5−シクロオクタジエン24.6gを、イソプロパノール150ml及び水75mlからなる混合溶液(イリジウム濃度4.2重量%)に加え、窒素ガスを液相流通しながら加熱還流条件下で反応させた。5時間後、反応液を1/3まで濃縮して得られた70℃の濃縮液(イリジウム濃度12.7重量%)に、直ちに15℃の水85mlを添加したところ、45℃まで下がった。その後、室温で1時間撹拌することにより晶析処理を施した。次いで、処理液を濾過し、濾過物を水及びメタノールで順次洗浄した後、室温で真空乾燥することにより、固体のジ−μ−クロロビス(1,5−シクロオクタジエン)二イリジウム(I)を16.9g(収率96.8モル%)得た。
比較例1
留出管を取り付けた500ml反応装置を用い、塩化イリジウム・水和物[IrCl3・xH2O(xは正の数);イリジウムの含有率53%、含有量10g]18.9gと1,5−シクロオクタジエン24.6gを、イソプロパノール150ml及び水75mlからなる混合溶液(イリジウム濃度4.2重量%)に加え、窒素ガスを液相流通しながら加熱還流条件下で反応させた。5時間後、反応液を1/2まで濃縮してイリジウム濃度8.5重量%の濃縮液を得た。この濃縮液を室温まで冷却し、1時間撹拌することにより晶析処理を施した。次いで、処理液を濾過し、濾過物を水及びメタノールで順次洗浄した後、室温で真空乾燥することにより、固体のジ−μ−クロロビス(1,5−シクロオクタジエン)二イリジウム(I)を15.1g(収率86.5モル%)得た。

Claims (4)

  1. 水の存在下、塩化イリジウム類と1,5−シクロオクタジエンとアルコールとを反応させる工程、及び反応により生成したジ−μ−クロロビス(1,5−シクロオクタジエン)二イリジウム(I)を含む溶液に水を加えて晶析する工程を含むジ−μ−クロロビス(1,5−シクロオクタジエン)二イリジウム(I)の製造法。
  2. 反応終了後の反応液を全液量の20〜70体積%になるまで濃縮する工程を設ける請求項1記載のジ−μ−クロロビス(1,5−シクロオクタジエン)二イリジウム(I)の製造法。
  3. アルコールがイソプロピルアルコール又はエタノールである請求項1又は2に記載のジ−μ−クロロビス(1,5−シクロオクタジエン)二イリジウム(I)の製造法。
  4. 晶析工程において、50℃以上のジ−μ−クロロビス(1,5−シクロオクタジエン)二イリジウム(I)を含む溶液に、30℃以下の水を加える請求項1〜3の何れかの項に記載のジ−μ−クロロビス(1,5−シクロオクタジエン)二イリジウム(I)の製造法。
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