JP2010059068A - ピオグリタゾンの製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 高純度のピオグリタゾンを高収率で製造する方法を提供することを目的とする。また、得られたピオグリタゾンから高純度のピオグリタゾン塩酸塩を高収率で製造する方法を提供することを目的とする。
【解決手段】 ピオグリタゾン塩酸塩をアルコールに溶解させた後、さらに、水を加えることにより高純度のピオグリタゾンを製造する方法である。また、得られたピオグリタゾンと塩酸とを反応させてピオグリタゾン塩酸塩を製造する方法である。
【選択図】 なし

Description

本発明は、高純度のピオグリタゾンの新規な製造方法に関する。詳しくは、ピオグリタゾン塩酸塩からピオグリタゾンを得る際に、アルカリを使用することなく、高純度のピオグリタゾンを製造する方法に関する。
(±)−5−[4−[2−(5−エチル−2−ピリジル)エトキシ]ベンジル]−2,4−チアゾリジンジオン(以下、ピオグリタゾンと称す)の塩酸塩であるピオグリタゾン塩酸塩は、現在、アクトス(登録商標)として市販されており、血糖および血中脂質低下作用を有し、且つ毒性が低いため、糖尿病治療薬として実用されている。特に、インスリン抵抗性改善作用により血糖を低下させるため、インスリン抵抗性を特徴とするII型糖尿病の治療において有用である。
このピオグリタゾンは、2−(5−エチル−2−ピリジル)エタノールおよび4−フルオロニトロベンゼンを原料として、以下に示すように6工程を経て製造することができる(特許文献1参照)。
Figure 2010059068
また、ピオグリタゾンは、2−(5−エチル−2−ピリジル)エタノールおよびp−ヒドロキシベンズアルデヒドを原料として、以下に示すように4工程を経て製造することができる(特許文献2参照)。
Figure 2010059068
ピオグリタゾン塩酸塩は、治療薬として使用されるため、高純度のものが要求されており、近年では特に純度が99.0%以上のものが要求されている。そのために、その前駆体となるピオグリタゾンについても99.0%程度の高純度のものが要求されている。
一般に、有機化合物は、その使用目的に応じた純度とするために、洗浄、蒸留、晶析、各種吸着剤やカラムクロマト等により精製することが必要である。これらの精製方法の中でも、目的物がピオグリタゾンのように室温で固体である場合には、その操作や必要設備が簡単で回収率がよく、さらには、高純度のものとしやすいという点で、晶析による精製を採用するのが一般的である。
ピオグリタゾンにおいても晶析による精製の検討がなされており、特許文献1に記載の方法では、ピオグリタゾンをジメチルホルムアミドと水との混合溶媒による晶析によって精製している。また、特許文献2に記載の方法では、ジオキサン、あるいは酢酸およびエタノールとの混合溶媒による晶析によって精製している。
特公平05−66956号公報 特許2611244号公報
しかしながら、従来の上記方法では、以下の点において改善の余地があった。
特許文献1に記載の方法では、5−{4−[2−(5−エチル−2−ピリジル)エトキシ]ベンジル}−2−イミノ−4−チアゾリジノン(上記一般式(7)で示される化合物。以下、単に「イミノ体」とする場合もある。)と塩酸とを反応させ、一旦、ピオグリタゾン塩酸塩を生成し、このピオグリタゾン塩酸塩を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で中和してピオグリタゾンとしている。そのため、工程が煩雑であり、しかも、アルカリによる中和を行っているため、高い収率を維持したまま、高純度のピオグリタゾンを得ることは難しく、改善の余地があった。
また、特許文献1に記載の方法において、工程を簡略化してピオグリタゾン塩酸塩を得ようとすれば、イミノ体と塩酸との反応により得られたピオグリタゾン塩酸塩をそのまま晶析して、高純度化することが考えられる。
しかしながら、本発明者等の検討によれば、以下の比較例で示すが、イミノ体から直接得られたピオグリタゾン塩酸塩を良溶媒であるアルコールにより晶析したところ、高い収率を維持したまま、高純度のピオグリタゾン塩酸塩を得ることは困難であった。また、この場合、ピオグリタゾン塩酸塩から塩化水素が脱離したものが10%以上となり、ピオグリタゾン塩酸塩とするには、再度、塩酸と反応させる必要があることも分かった。
一方、特許文献2に記載の方法では、反応によって得られたピオグリタゾンを、(i)重曹による中和、(ii)酢酸およびアセトンの混合溶媒による晶析、(iii)ジメチルホルムアミドおよび水の混合溶媒によって晶出した結晶をジオキサンによって晶析、(iv)ジメチルホルムアミドおよび水の混合溶媒によって晶出した結晶を酢酸およびエタノールの混合溶媒によって晶析、のいずれかの操作をすることによってピオグリタゾンを製造している。
しかしながら、特許文献2に記載の方法において、より高純度のピオグリタゾンを得ようとした場合には、上記(iii)、(iv)のように3種類以上の種類の異なる溶媒を使用しなければならず、溶媒の回収といった点で改善の余地があった。
したがって、本発明の目的は、より簡易的な方法により、高収率を維持したまま、高純度のピオグリタゾンを製造する方法を提供することにある。さらに、本発明の目的は、高収率を維持したまま、高純度のピオグリタゾン塩酸塩を製造する方法を提供することにある。
本発明者等は、上記課題に対して鋭意検討を行った。そして、ピオグリタゾン塩酸塩に着目し、ピオグリタゾン塩酸塩からアルカリを用いた中和によりピオグリタゾンを製造するのではなく、単なる晶出によりピオグリタゾンを製造する方法を検討した。その結果、ピオグリタゾン塩酸塩に、アルコールと水とを加えることにより、一工程でピオグリタゾンを製造できることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は、ピオグリタゾン塩酸塩を炭素数1〜3のアルコールに溶解させた後、水を加えることによりピオグリタゾンを晶出させることを特徴とするピオグリタゾンの製造方法である。
また、本発明は、上記方法によりピオグリタゾンを製造した後、得られたピオグリタゾンと塩酸とを反応させることを特徴とするピオグリタゾン塩酸塩の製造方法である。
本発明によれば、ピオグリタゾン塩酸塩から、アルカリを用いた中和処理を行わなくとも高純度のピオグリタゾンを得ることが可能となる。そのため、簡易的な方法、装置で純度の高いピオグリタゾンを得ることができる。そして、本発明の方法により得られたピオグリタゾンは、ピオグリタゾン塩酸塩を製造する際の主原料としてだけではなく、ピオグリタゾン塩酸塩を製造する際のpH調整剤としても有効に使用することができる。
以下、本発明を詳しく説明する。
本発明は、ピオグリタゾン塩酸塩を炭素数1〜3のアルコールに溶解させた後、さらに、水を加えることによりピオグリタゾンを製造する方法である。
本発明において、使用するピオグリタゾン塩酸塩は、公知の方法、例えば、特許文献1に記載された方法で製造することができる。また、本発明においては、当然のことながら、特許文献2に記載された方法でピオグリタゾンを製造した後、得られたピオグリタゾンと塩酸とを反応させて得られるピオグリタゾン塩酸塩を使用することもできる。これらの中でも、本発明においては、5−{4−[2−(5−エチル−2−ピリジル)エトキシ]ベンジル}−2−イミノ−4−チアゾリジノン(イミノ体)と塩酸とを反応させ、直接、ピオグリタゾン塩酸塩としたものを使用することが好ましい。この方法によれば、一旦、ピオグリタゾンを製造することなくピオグリタゾン塩酸塩を製造するため、工程を簡略化することができる。しかも、本発明の方法は、高純度のピオグリタゾンとすることができるため、上記方法で得られたピオグリタゾン塩酸塩を対象とすることができる。
本発明において、使用するピオグリタゾン塩酸塩は、特に制限されるものではないが、純度が98.0%以上のピオグリタゾンを得るという点で、95.0%以上の純度であることが好ましい。当然のことながら、このピオグリタゾン塩酸塩の純度の上限は、100%である。本発明において使用するピオグリタゾン塩酸塩は、イミノ体と塩酸とを反応させて直接製造されたものであることが好ましいが、この場合、純度が97.0%〜99.0%のものを使用することにより、純度の高いピオグリタゾンを製造できる。
なお、本発明において、使用するピオグリタゾン塩酸塩に不純物が含まれる場合、この不純物は、ピオグリタゾン以外の物質である。ピオグリタゾン中にピオグリタゾン塩酸塩、またはピオグリタゾン塩酸塩中にピオグリタゾンが含まれていても、特に問題とならない。そのため、本発明において、ピオグリタゾンの純度、およびピオグリタゾン塩酸塩の純度は、ピオグリタゾン塩酸塩、およびピオグリタゾンを不純物として算出しない値を指す。この純度は、液体クロマトグラフィーにより確認できる。また、ピオグリタゾン塩酸塩の比率は、下記に詳述する方法により求めることができる。
次に、このピオグリタゾン塩酸塩を溶解させるアルコールについて説明する。
本発明において、使用するアルコールは、炭素数1〜3のアルコールである。本発明においては、ピオグリタゾン塩酸塩を溶解できる、炭素数1〜3のアルコールよりなる群より選ばれる少なくとも1種のアルコールを使用すればよい。具体的には、メタノール、エタノール、1−プロパノール、またはイソプロピルアルコール等を用いることができる。その中でも、ピオグリタゾン塩酸塩の溶解性の点から、メタノール、エタノール、またはイソプロピルアルコールを使用することが好ましく、特に、炭素数1〜2のアルコール、即ち、メタノール、またはエタノールを使用することが好ましい。さらには、ピオグリタゾン塩酸塩の溶解性を考慮し、ピオグリタゾンの釜収量を多くするという点で、メタノールを使用することが最も好ましい。また、炭素数1〜3のアルコールは単一溶媒だけではなく、複数のアルコールを混合して使用することができる。具体的には、メタノールおよびエタノールの混合溶媒、メタノールおよびイソプロピルアルコールの混合溶媒、エタノールおよびイソプロピルアルコールの混合溶媒等を用いることが好ましい。混合溶媒を使用する場合には、ピオグリタゾン塩酸塩の溶解性の点から、溶媒のひとつとしてメタノールあるいはエタノールを用いることが好ましく、メタノールあるいはエタノールの割合が50質量%以上であることが好ましい。以下、本発明の説明において、炭素数1〜3のアルコールを単に「アルコール」とする場合もある。
本発明において、アルコールの使用量は、使用するアルコール、さらに添加する水の量、溶解時の温度等に応じて適宜決定すればよいが、ピオグリタゾン塩酸塩1質量部に対して、アルコール20〜500質量部を使用することが好ましい。中でも、メタノールを使用する場合には、ピオグリタゾン塩酸塩1質量部に対して、メタノール20〜100質量部を使用することが好ましい。また、エタノールを使用する場合には、ピオグリタゾン塩酸塩1質量部に対して、エタノール200〜500質量部を使用することが好ましい。使用するアルコールが、この範囲を満足することにより、ピオグリタゾン塩酸塩がアルコールに完全に溶解し、不純物を除去する効果が大きくなり、高純度のピオグリタゾンを得ることができる。さらには、後記に詳述する水の量を低減することができ、釜収量を多くすることができる。なお、上記アルコールの使用量は、使用するピオグリタゾン塩酸塩が不純物を含む場合には、不純物を含むピオグリタゾン塩酸塩を1質量部として、算出した量である。また、以下に説明する水の量も、基準とするピオグリタゾン塩酸塩の量はアルコールの場合と同じである。
本発明において、アルコールによりピオグリタゾン塩酸塩を溶解させる際の条件は、使用するアルコール、その他の条件等に応じて適宜決定すればよいが、溶解時の温度が0℃以上、アルコールの沸点以下の範囲において、撹拌した状態で溶解させることが好ましい。
本発明においては、アルコールによりピオグリタゾン塩酸塩を溶解させ、次いで、水を加えた後、ピオグリタゾンを晶出させるものである。この水は、特に制限されるものではなく、イオン交換水、蒸留水、超純水などの精製された水を使用することができる。
本発明において、水の使用量は、使用したアルコールおよびその使用量、ピオグリタゾンを晶出させる際の温度等により適宜決定すればよいが、ピオグリタゾン塩酸塩1質量部に対して、使用したアルコールが20〜500質量部である場合には、20〜1000質量部であることが好ましい。特に、使用したメタノールが20〜100質量部である場合には、20〜200質量部であることが好ましく、使用したエタノールが200〜500質量部である場合には、200〜1000質量部であることが好ましい。水の使用量が上記範囲であることにより、高純度のピオグリタゾンを高収率で得ることができる。中でも、アルコールの使用量と水の使用量が質量比(アルコールの質量/水の質量、以下、単に質量比とする)で0.1〜1.5の範囲とすることにより、より高純度のピオグリタゾンを得ることができる。特に、上記質量比が0.4〜1.2の範囲を満足する場合には、より高収率でピオグリタゾンを得ることができる。
本発明において、上記水を加える際の条件は適宜決定すればよいが、ピオグリタゾン塩酸塩がアルコールに溶解したことを確認してから、撹拌した状態で水を加えることが好ましい。
本発明において、上記水を加えた後の条件としては、ピオグリタゾンが晶出するような条件としてやればよく、0〜30℃の範囲で撹拌または静置すればよい。上記のアルコールの使用量、水の使用量であれば、アルコールおよび水の濃縮を行うことなく、上記温度範囲でピオグリタゾンを晶出することができる。また、撹拌時間は、使用したアルコールおよびその使用量、ピオグリタゾンを晶出させる際の温度により適宜決定してやればよいが、1〜12時間であることが好ましく、回収率を考慮すると4時間以上であることが好ましい。
本発明において、晶出したピオグリタゾンは、遠心分離、ろ過等により、アルコールおよび水と分離した後、必要に応じて冷却したイソプロピルアルコール等のピオグリタゾンの溶解度が低い溶媒で洗浄し、ついで乾燥させればよい。
上記の方法で得られたピオグリタゾンは、ピオグリタゾン塩酸塩以外の物質(不純物)を低減することができる。得られたピオグリタゾンは、次いで、塩酸と反応させる場合には、ピオグリタゾン塩酸塩が含まれていたとしても、不純物とはならない。そのため、本発明により得られるピオグリタゾンは、ピオグリタゾン塩酸塩を含んでいてもよい。得られるピオグリタゾンに含まれるピオグリタゾン塩酸塩の比率は、硝酸銀水溶液の滴定で求めることができる。つまり、ピオグリタゾンの全量がピオグリタゾン塩酸塩となっている場合の塩化物イオン量を100質量%として、得られたピオグリタゾンの塩化物イオンの質量を求めることにより、含有されるピオグリタゾン塩酸塩の比率を求めることができる。例えば、この方法によれば、ピオグリタゾンとピオグリタゾン塩酸塩が同じ質量である場合には、ピオグリタゾン塩酸塩の比率は50質量%となる(以下、この比率を「塩酸塩率」とする)。本発明によれば、使用するピオグリタゾン塩酸塩の純度にもよるが、塩酸塩率が1.0質量%以上5.0質量%以下のピオグリタゾンを得ることができる。
本発明の方法により、ピオグリタゾン塩酸塩からピオグリタゾンが得られる理由は明らかではないが、以下のように推定している。つまり、ピオグリタゾン塩酸塩のアルコール中での状態、並びに、ピオグリタゾン塩酸塩とピオグリタゾンのアルコールおよび水に対する溶解度の違いが要因であると考えられる。ピオグリタゾン塩酸塩をアルコールに溶解させると、アルコール中でピオグリタゾンの状態で存在しており、ここに水を加えることにより、水に対する溶解度の低いピオグリタゾンが晶出するものと考えられる。これはピオグリタゾン塩酸塩とピオグリタゾンとの特有の現象であると考えられる。その結果、本発明によれば、アルカリ等を用いた中和処理を行わなくとも、純度の高いピオグリタゾンを得ることが可能になると考えられる。
本発明の方法によれば、使用したピオグリタゾン塩酸塩の純度より、高純度のピオグリタゾンが得られる。
本発明の方法により得られたピオグリタゾンは、次いで、塩酸と反応させることにより、ピオグリタゾン塩酸塩とすることができる。得られたピオグリタゾンをピオグリタゾン塩酸塩とする方法は、特に制限されるものでなく、該ピオグリタゾンに含まれるピオグリタゾン塩酸塩の量を考慮して、塩酸と反応させればよい。使用する塩酸も、特に制限されるものではなく、0.1〜2mol/Lの水溶液を使用してやればよい。反応温度も、特に制限されるものではなく、室温から塩酸の還流温度の範囲で実施してやればよい。反応時間は、ピオグリタゾン塩酸塩の生成割合を確認して適宜決定してやればよいが、通常、1〜4時間であれば十分である。これら反応条件を最適化すれば、上記方法により得られるピオグリタゾン塩酸塩は、晶析の処理をしなくとも、塩酸塩率が99.8〜100.2質量%、純度が98.5〜100%のものとすることができる。
以下、本発明をより詳細に実施例を挙げて説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
合成例
2−ブロモ−3−{4−[2−(5−エチル−2−ピリジル)エトキシ]フェニル}プロピオン酸メチル1.55gをジムロート還流管と温度計を備えた3つ口フラスコに仕込み、エタノール9mL、チオ尿素0.34gを加え溶解させ、撹拌下、酢酸ナトリウム0.37gを加えて4時間還流した。還流後、冷却することにより析出した結晶をろ過、水洗、乾燥を行い、5−{4−[2−(5−エチル−2−ピリジル)エトキシ]ベンジル}−2−イミノ−4−チアゾリジノンの微黄色結晶0.80g(収率57.0%)を得た。この粗体の純度は液体クロマトグラフィー(ワイエムシィ社製YMC−Pack ODS−Aカラム、アセトニトリル/0.1mol/L酢酸アンモニウム溶液/酢酸(100)=25:25:1、流速0.7ml/分、検出波長269nm、以下同条件)から97.0%であった。
5−{4−[2−(5−エチル−2−ピリジル)エトキシ]ベンジル}−2−イミノ−4−チアゾリジノン0.50gをジムロート還流管と温度計を備えた3つ口フラスコに仕込み、1.0mol/L塩酸水溶液を4.5mL加え、室温で溶解させた。溶媒を還流させながら4時間撹拌を行い、加水分解を行った。得られた結晶をろ過し、真空で12時間乾燥させ、(5−{4−[2−(5−エチル−2−ピリジル)エトキシ]ベンジル}−2−4−チアゾリジンジオン塩酸塩(ピオグリタゾン塩酸塩)の白色結晶0.51g(収率92.3%)を得た。この結晶の純度は液体クロマトグラフィーから98.5%(ただし、ピオグリタゾンは不純物として算出していない)であり、塩酸塩率は硝酸銀溶液による滴定から100.1質量%であった。
実施例1
合成例で得られたピオグリタゾン塩酸塩2.00gをビーカーに秤量し、メタノール80g(40質量部)を加え、23℃で溶解させ、撹拌下、水100g(50質量部)(質量比0.80)を加えて、23℃で4時間撹拌した。析出した結晶を濾取し、乾燥を行い、ピオグリタゾンの白色結晶1.53g(収率84.3%)を得た。この結晶の純度は液体クロマトグラフィーから99.7%(ただし、ピオグリタゾン塩酸塩は不純物として算出していない)であり、塩酸塩率は硝酸銀溶液による滴定から3.2質量%であった。
実施例2〜14
合成例で得られたピオグリタゾン塩酸塩について、表1に示した条件以外は実施例1と同様の条件で処理をして、ピオグリタゾンを得た。得られたピオグリタゾンの純度および塩酸塩率を併せて表1に示す。
Figure 2010059068
実施例15
実施例1で得られたピオグリタゾン1.00gをジムロート還流管と温度計を備えた3つ口フラスコに仕込み、1.0mol/L塩酸水溶液を9.0mL加え、23℃で溶解させ、溶媒を還流させながら4時間撹拌を行った後、23℃になるまで放冷した。得られた結晶をろ過し、真空で12時間乾燥させ、ピオグリタゾン塩酸塩の白色結晶1.02g(収率92.5%、合成例における5−{4−[2−(5−エチル−2−ピリジル)エトキシ]ベンジル}−2−イミノ−4−チアゾリジノン(イミノ体)からの収率85.4%)を得た。このピオグリタゾン塩酸塩の純度は液体クロマトグラフィーから99.9%であり、塩酸塩率は硝酸銀溶液による滴定から100.1質量%であった。
実施例16
実施例4で得られたピオグリタゾン0.10gをジムロート還流管と温度計を備えた3つ口フラスコに仕込み、1.0mol/L塩酸水溶液を1.0mL加え、23℃で溶解させ、溶媒を還流させながら4時間撹拌を行った後、23℃になるまで放冷した。得られた結晶をろ過し、真空で12時間乾燥させ、ピオグリタゾン塩酸塩の白色結晶0.10g(収率90.7%、合成例における5−{4−[2−(5−エチル−2−ピリジル)エトキシ]ベンジル}−2−イミノ−4−チアゾリジノン(イミノ体)からの収率83.7%)を得た。このピオグリタゾン塩酸塩の純度は液体クロマトグラフィーから99.4%であり、塩酸塩率は硝酸銀溶液による滴定から100.0質量%であった。
比較例1
合成例で得られたピオグリタゾン塩酸塩2.00gをジムロート還流管と温度計を備えた3つ口フラスコに仕込み、メタノールを8.0g(質量部4.0)加えた後、撹拌下、70℃まで加熱して均一溶液とした。室温にて放冷し、23℃で2時間熟成し、得られた結晶をろ過し、真空で12時間乾燥させ、ピオグリタゾン塩酸塩の白色結晶1.22g(収率61.0%、合成例における5−{4−[2−(5−エチル−2−ピリジル)エトキシ]ベンジル}−2−イミノ−4−チアゾリジノン(イミノ体)からの収率56.3%)を得た。このピオグリタゾン塩酸塩の純度は液体クロマトグラフィーから99.1%であり、塩酸塩率は硝酸銀溶液による滴定から78.1質量%であった。
比較例2
合成例で得られたピオグリタゾン塩酸塩0.20gをビーカーに秤量し、アセトニトリルを160g(800質量部)加えたが、23℃で溶解しなかった。溶解しないまま、撹拌下、水200g(1000質量部)(質量比0.80)を加えて、室温で2時間撹拌した。固体を濾取し、乾燥を行い、ピオグリタゾンの白色結晶0.16g(収率88.2%)を得た。このピオグリタゾンの純度は液体クロマトグラフィーから98.6%であり、塩酸塩率は硝酸銀溶液による滴定から1.9質量%であった。結果を表2にまとめた。
比較例3
合成例で得られたピオグリタゾン塩酸塩2.00gをビーカーに秤量し、10%炭酸水素ナトリウム水溶液5mLを加えて、室温で30分撹拌し、析出結晶を濾取した。得られた結晶をジムロート還流管と温度計を備えた3つ口フラスコに仕込み、ジメチルホルムアミド10g(質量部5.0)および水10g(質量部5.0)(質量比1.0)を加えた後、撹拌下、100℃まで加熱して均一溶液とした。室温にて放冷し、23℃で2時間熟成し、得られた結晶をろ過し、真空で12時間乾燥させ、ピオグリタゾンの白色結晶1.36g(収率75.0%)を得た。このピオグリタゾンの純度は液体クロマトグラフィーから99.0%であり、塩酸塩率は硝酸銀溶液による滴定から3.5質量%であった。結果を表2にまとめた。
Figure 2010059068

Claims (5)

  1. ピオグリタゾン塩酸塩を炭素数1〜3のアルコールに溶解させた後、水を加えることによりピオグリタゾンを晶出させることを特徴とするピオグリタゾンの製造方法。
  2. ピオグリタゾン塩酸塩1質量部に対して、炭素数1〜3のアルコールを20〜500質量部、水を20〜1000質量部使用することを特徴とする請求項1に記載のピオグリタゾンの製造方法。
  3. 炭素数1〜3のアルコールと水との質量比(アルコールの質量/水の質量)を0.1〜1.5とすることを特徴とする請求項1または2に記載のピオグリタゾンの製造方法。
  4. 前記ピオグリタゾン塩酸塩が、5−{4−[2−(5−エチル−2−ピリジル)エトキシ]ベンジル−2−イミノ−4−チアゾリジノンと塩酸とを反応させて得られたものであることを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載のピオグリタゾンの製造方法。
  5. 請求項1〜4の何れかに記載の方法でピオグリタゾンを製造した後、得られたピオグリタゾンと塩酸とを反応させることを特徴とするピオグリタゾン塩酸塩の製造方法。
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