JP3291493B2 - フッ化タンタル酸カリウム結晶の製造方法およびフッ化タンタル酸カリウム結晶 - Google Patents

フッ化タンタル酸カリウム結晶の製造方法およびフッ化タンタル酸カリウム結晶

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の背景】発明の分野 本発明は、設備面および作業面での負担を大幅に軽減し
つつ、大粒径かつ高純度のフッ化タンタル酸カリウム結
晶を大量に得ることができる、フッ化タンタル酸カリウ
ム結晶の製造方法およびフッ化タンタル酸カリウム結晶
に関するものである。
【0002】背景技術 フッ化タンタル酸カリウムは、タンタル粉末の製造原料
として用いられるものであり、特にタンタルコンデンサ
の製造原料として重要である。図2に、このフッ化タン
タル酸カリウムの従来における一般的な製造工程を示
す。図2に示されるように、まず、タンタライト等の原
鉱や、タンタルコンデンサのスクラップ等の原料を粉砕
してフッ酸で溶解した後、硫酸を加えて溶液の濃度を調
整する。次に、この調整液をフィルタープレスで濾過
し、清浄な溶液にして溶媒抽出にかける。この調整液を
有機溶媒MIBKと接触させて、タンタルおよびニオブ
を抽出する。こうして得た抽出液に対して、希硫酸で逆
抽出してニオブを除いた後、タンタルを水で逆抽出し
て、精製されたタンタル液を得る。
【0003】こうして得たタンタル液に、まず第一工程
として、KF、KCl、K2CO3またはKOH等のKを
含む水溶液を添加して粗フッ化タンタル酸カリウム結晶
を沈殿させて濾別する。次に、第二工程として、この粗
フッ化タンタル酸カリウム結晶を、加熱された希フッ酸
溶液に溶解した後冷却して、高純度のフッ化タンタル酸
カリウム結晶として再結晶させる。このように、従来に
おいては、高純度のフッ化タンタル酸カリウム結晶を得
るためには、二つの結晶工程を経るのが一般的であっ
た。
【0004】しかしながら、上記従来方法のように、再
結晶の工程において希フッ酸溶液を用いる場合には、結
晶の大きさが不十分となりやすく、またフッ化タンタル
酸カリウムの溶解度も低くなるため、単位操作当たりの
結晶析出量が少なくなるという欠点があった。
【0005】一方、特開昭49−32897号公報に
は、希フッ酸溶液ではなく、20〜50重量%という高
濃度フッ酸溶液を使用して、フッ化タンタル酸カリウム
を晶出させる、粗フッ化タンタル酸カリウムの再結晶法
が開示されている。この方法によれば、粗大な結晶が得
られるものの、冷却晶出後のフッ酸溶液に残存するフッ
化タンタル酸カリウムの溶解量が大きいため、十分な収
率が得られにくい。また、極めて反応性の高いフッ酸溶
液を高濃度で使用するため、装置が浸食されやすくな
り、溶液の取り扱いにも慎重にならざるを得ない等、設
備面および作業面での負担が大きい。
【0006】
【発明の概要】本発明者らは、今般、粗フッ化タンタル
酸カリウム結晶を再結晶する工程において、フッ酸のみ
ならず塩酸をも含んでなる再結晶溶媒を使用することに
より、フッ酸濃度を低く抑えることができる同時に、不
純物量がやや多めのタンタル液を原料液とする場合であ
っても、不純物を結晶中に極力残留させることなく高純
度のフッ化タンタル酸カリウム結晶を大量に得られると
の知見を得た。しかも、再結晶の際の温度および降温速
度を制御することにより、結晶析出量が多く、かつ、結
晶の粒径も十分大きいフッ化タンタル酸カリウム結晶が
得られるとの知見も得た。
【0007】したがって、本発明は、設備面および作業
面での負担を大幅に軽減しつつ、大粒径かつ高純度のフ
ッ化タンタル酸カリウム結晶を大量に得ることができ
る、フッ化タンタル酸カリウムの製造方法、およびフッ
化タンタル酸カリウム結晶を提供することを課題とす
る。
【0008】上記課題を解決するために、本発明は、
(a)タンタルを含有する原料液にカリウム系電解質を
添加して、粗フッ化タンタル酸カリウム結晶を析出させ
て、該結晶を濾別する第一工程と、(b)塩酸およびフ
ッ酸を含有する水溶液からなる再結晶溶媒を60℃以上
に昇温した後、前記粗フッ化タンタル酸カリウム結晶を
該再結晶溶媒に溶解し、15℃/h未満の降温速度で4
0℃以下に降温することにより、フッ化タンタル酸カリ
ウム結晶を析出させる第二工程とを含んでなる、フッ化
タンタル酸カリウムの製造方法を提供する。また、本発
明は、フッ化タンタル酸カリウム結晶であって、i)不
純物成分としての、Fe、Ni、Cr、Mn、およびC
uの含有量が、各金属元素に換算した合計量で、フッ化
タンタル酸カリウム結晶に対して50重量ppm以下で
あり、または、ii)不純物成分としての、Nb、Fe、
Ni、Cr、Ca、Mg、Mn、Cu、Si、W、A
l、Ti、Mo、Sn、SbおよびSの含有量が、各金
属元素に換算した合計量で、フッ化タンタル酸カリウム
結晶に対して100重量ppm以下であり、かつ、篩分
析により測定された、粒径0.5mm以上の前記フッ化
タンタル酸カリウム結晶の含有率が40重量%以上であ
ることを特徴とする、フッ化タンタル酸カリウム結晶を
提供する。
【0009】
【発明の具体的説明】以下、本発明のフッ化タンタル酸
カリウム結晶の製造方法およびフッ化タンタル酸カリウ
ム結晶について具体的に説明する。なお、本発明におい
てフッ化タンタル酸カリウム結晶とは、フッ化タンタル
酸カリウムから実質的になる結晶のことを意味するもの
とする。
【0010】フッ化タンタル酸カリウム結晶の製造方法 図1に、本発明のフッ化タンタル酸カリウム結晶の製造
工程を示す。図1に示されるように、本発明において
は、タンタルを含有する原料液に、(a)粗フッ化タン
タル酸カリウム結晶の合成を行う第一工程と、(b)再
結晶を行う第二工程とを施すことにより、フッ化タンタ
ル酸カリウム結晶が製造される。
【0011】原料液 本発明の製造方法においては、原料液として、タンタル
を含有する液を用いる。タンタル液としては、公知の種
々の方法により製造されたものを用いればよく、溶媒も
特に限定されない。例えば、前述した図2に基づく製造
工程で得られる、タンタルをMIBKから水で逆抽出し
た水溶液を用いることができる。また、不純物の少ない
タンタル含有スクラップ等をフッ酸にて溶解後、濾過し
た溶媒抽出を経ていない水溶液を用いることもできる。
タンタル液中のタンタルの濃度は、特に限定されない
が、20〜200g/Lとするのが好ましい。この範囲
内であると、単位操作当たりの結晶析出量を多くするこ
とができるとともに、攪拌および濾過がしやすいという
利点がある。また、タンタル液中のタンタルの純度は9
9%以上とするのが好ましく、さらに好ましくは99.
99%以上である。ただし、本発明の製造方法において
は、循環工程がない場合、95%以上という程度という
程度の純度であれば、十分に高純度のフッ化タンタル酸
カリウム結晶を製造することができる。一方、循環をほ
ぼ全量について実施する場合、少なくとも99%以上の
純度であるのが、高純度フッ化タンタル酸カリウム結晶
を製造する上で好ましい。
【0012】本発明の好ましい態様によれば、このタン
タル液が水および/またはフッ酸を含んでなる。すなわ
ち、タンタル濃度が高すぎる場合には水を添加して希釈
することができ、また、フッ化タンタル酸カリウム結晶
を合成するためのフッ素供給源としてフッ酸を添加する
ことができる。なお、フッ酸の代わりに、後述するカリ
ウム系電解質としてのフッ化カリウムをフッ素供給源と
することもでき、その場合にはフッ酸を必ずしも含有さ
せる必要はない。
【0013】原料液中にフッ酸を含有させる場合におい
ては、原料液中におけるフッ酸濃度としては、20重量
%以下、好ましくは1〜10重量%、さらに好ましくは
3〜8重量%とする。この範囲であると、製造装置が浸
食されにくくなるとともに、原料液の取り扱いも容易に
なる。
【0014】(a)第一工程(粗結晶生成工程) 本発明の第一工程においては、上記原料液に、所定のカ
リウム系電解質を添加して、粗フッ化タンタル酸カリウ
ム結晶を析出させる。本発明に用いるカリウム系電解質
としては、カリウムイオンを供給することができる電解
質であれば特に限定されない。カリウム系電解質の好ま
しい例としては、塩化カリウム、炭酸カリウム、水酸化
カリウム、フッ化カリウム、およびこれらの組合せが挙
げられる。これらの中でも、塩化カリウムが取り扱いが
容易で低価格である点で好ましい。また、フッ化カリウ
ムを使用すれば、フッ酸の添加量を最小限にし、あるい
はフッ酸を添加することなく、フッ化タンタル酸カリウ
ム結晶を合成することができるので、設備面および作業
面での負担が軽減されるという利点がある。
【0015】なお、塩化カリウムを添加した場合には、
以下の反応が起こり、粗フッ化タンタル酸カリウムK2
TaF7が生成する。 TaF5・2HF + 2KCl → K2TaF7
2HCl
【0016】本発明において、カリウム系電解質は、固
形状のまま添加してもよいし、溶液の形で添加してもよ
いが、固形状のまま添加するのが液量、ひいては排水を
少なくすることができる点で好ましい。添加するカリウ
ム系電解質の量は、カリウムイオンについて化学量論的
に必要とされる量の1.2〜2.0倍とするのが好まし
く、例えば1.5倍とする。カリウム系電解質の量が少
なすぎると、フッ化タンタル酸カリウムの結晶化率が低
下してしまうことから好ましくない。また、カリウム系
電解質の量が多すぎると、結晶の生成に寄与しない過剰
のカリウム系電解質が多くなり、コスト的にも不利にな
るため好ましくない。
【0017】本発明の好ましい態様によれば、カリウム
系電解質を添加する際の原料液の温度が30〜70℃で
あり、粗フッ化タンタル酸カリウム結晶を濾別する際の
原料液の温度が30℃未満であるのが好ましい。これに
より、電解質添加時と濾過時との溶解度の差を大きくし
て、粗結晶をより一層多く析出させることができる。な
お、カリウム系電解質を添加する際の原料液の温度を3
0〜70℃としたのは、30℃未満では濾別温度との差
が小さいため結晶が成長せず、粒子が細かく、濾過に時
間がかかるという点、および70℃を越えたのでは加熱
するコストが増大するとともに、結晶が大きくなりすぎ
て、第二工程において再結晶溶媒に溶解するのに時間が
かかるという点を考慮したためである。一方、結晶を濾
別する際の原料液の温度を30℃未満としたのは、この
温度であると濾液中に残留するタンタル濃度を低くし
て、タンタルの損失をほとんど無くすことができる点を
考慮したためである。
【0018】本発明の第一工程においては、得られた結
晶含有液を濾過して、粗結晶を濾別する。ここで、濾別
した粗結晶を少量の水または塩化カリウム水溶液にて洗
浄するのが不純物低減の観点から好ましい。こうして得
られた粗フッ化タンタル酸カリウム結晶は、不純物含有
量がかなり低減されているが、実用的見地からさらに不
純物含有量を低減することが望まれる。また、得られた
粗フッ化タンタル酸カリウム結晶の大きさも比較的小さ
なものである。したがって、本発明の製造方法において
は、得られた粗結晶を次の(b)第二工程に付すること
により、再結晶操作を行う。
【0019】(b)第二工程(再結晶生成工程) 本発明の第二工程においては、塩酸およびフッ酸を含有
する水溶液からなる再結晶溶媒を60℃以上に昇温した
後、粗フッ化タンタル酸カリウム結晶を再結晶溶媒に溶
解し、15℃/h未満の降温速度で40℃以下に降温す
ることにより、フッ化タンタル酸カリウム結晶を析出さ
せる。
【0020】ところで、従来、フッ化タンタル酸カリウ
ムの再結晶溶媒としては、希フッ酸溶液を使用するのが
一般的であった。しかしながら、再結晶の工程において
希フッ酸溶液を用いる場合には、結晶の大きさが不十分
となりやすく、またフッ化タンタル酸カリウムの溶解度
も低くなるため、単位操作当たりの結晶析出量が少なく
なるという欠点があったのは、前述した通りである。
【0021】そこで、本発明の製造方法においては、再
結晶溶媒に、フッ酸のみならず、塩酸をさらに添加す
る。すなわち、本発明の第二工程に用いる再結晶溶媒は
塩酸およびフッ酸を含有する水溶液からなるものであ
る。塩酸の添加により、後に降温させる際において、フ
ッ化タンタル酸カリウムの溶解度の変化量を大きくする
ことができるので、低いフッ酸濃度でありながら、大量
のフッ化タンタル酸カリウム結晶を析出させることがで
きるものと考えられる。
【0022】なお、(b)第二工程を実施せずに、
(a)第一工程の段階で比較的低濃度の原料液中に塩酸
を添加し、60℃以上に昇温し、カリウム系電解質を添
加して生じた結晶を溶解した後、徐することにより1
段階にてフッ化タンタル酸カリウム結晶を製造すること
も一案として考えられるが、この場合には、不純物の比
較的多いタンタル液を原料とする場合に、析出する結晶
中に残留する不純物が多くなるおそれがあった。これに
対し、本発明においては、(b)第二工程の再結晶溶媒
中に塩酸を添加することにより、フッ酸濃度を低く抑え
ることができる同時に、不純物量がやや多めのタンタル
液を原料液とする場合であっても、不純物を結晶中に極
力残留させることなく高純度のフッ化タンタル酸カリウ
ム結晶が得られる。すなわち、本発明においては、再結
晶溶媒中に塩酸を加えることにより、得られるフッ化タ
ンタル酸カリウム結晶の純度を、塩酸を加えないものと
比べて、さらに高めることができると考えられる。
【0023】再結晶溶媒中における塩酸濃度としては、
再結晶溶媒における他成分の組成および目的とする晶出
量等を考慮して適宜決定すればよく、特に限定されるも
のではない。本発明の好ましい態様によれば、再結晶溶
媒中における塩酸の濃度としては、フッ化タンタル酸カ
リウムの溶解度およびコストの点から、1〜6重量%が
好ましく、より好ましくは3〜4重量%である。さら
に、塩酸を加えることにより、塩酸を添加しない従来法
に比べて単位操作当たり1.1〜3倍量という大量の結
晶を得ることができる。
【0024】本発明の好ましい態様によれば、再結晶溶
媒中におけるフッ酸濃度を20重量%以下とするのが好
ましく、より好ましくは1〜10重量%、さらに好まし
くは3〜8重量%である。この範囲であると、製造装置
が浸食されにくくなるとともに、原料液の取り扱いも容
易になる。また、フッ酸濃度を1重量%以上とすれば、
異なった結晶構造の物質を全く生じさせることなく、フ
ッ化タンタル酸カリウム結晶(K2TaF7)をより確実
に得ることができるという利点がある。特に、本発明に
おいては、再結晶溶媒に塩酸を含有させたことにより、
低いフッ酸濃度であっても、大粒径かつ高純度のフッ化
タンタル酸カリウム結晶を大量に得ることができる。
【0025】本発明の第二工程においては、この再結晶
溶媒を、60℃以上、好ましくは60〜90℃、より好
ましくは70〜80℃、に昇温した後、(a)第一工程
で得られた粗フッ化タンタル酸カリウム結晶を溶解させ
る。昇温温度が60℃未満では、降温工程において析出
する結晶量が少なくなり、収率が低下するので好ましく
ない。また、90℃以下であると、設備面での負担およ
び操業コストを軽減できるという利点がある。また、粗
フッ化タンタル酸カリウム結晶の溶解量は、溶解後の濃
度が、溶解液の温度、再結晶溶媒のフッ酸および塩酸濃
度によって定まるフッ化タンタル酸カリウムの溶解度よ
りわずかに低くなるようにする必要がある。溶解量が多
すぎると不溶解分が多く残り、微小結晶の析出や、不純
な粗フッ化タンタル酸カリウム結晶が混入する原因とな
る。一方、溶解量が少ないと結晶析出量が少なくなる。
【0026】本発明の第二工程においては、粗フッ化タ
ンタル酸カリウム結晶が溶解された得られた溶液を降温
して、フッ化タンタル酸カリウム結晶を析出させる。こ
の際の降温温度としては、40℃以下、好ましくは30
℃以下、とする。降温温度が40℃を超えると、十分な
量の結晶が析出せず、収率が低下することから好ましく
ない。ここで、上記降温工程は、15℃/h未満の降温
速度で行うことが必要であり、好ましくは10℃/h未
満、さらに好ましくは8℃/h未満である。このような
範囲内であると、フッ化タンタル酸カリウム結晶の粒径
を十分に大きくすることができる。これは、結晶成長速
度が微粒結晶の発生速度よりも大きいためであると考え
られる。ただし、上記降温速度は、降温の開始から終了
までほぼ一定速度である必要はなく、上記降温速度の範
囲内であれば降温速度が途中で変化してもよい。
【0027】本発明の好ましい態様によれば、粗フッ化
タンタル酸カリウムが溶解された再結晶溶媒中に残存す
る微粒子を、降温に先立って除去する工程をさらに有し
てなることができる。これにより、微粒子に起因する微
小結晶の析出を防止して、結晶をより一層大きくするこ
とができる。微粒子を除去する方法としては、特に限定
されず、公知の種々の方法を採用すればよいが、例え
ば、メッシュフィルターにより除去する構成とするの
が、簡便に行える点から好ましい。ただし、微粒子を除
去する工程では溶解液の温度が低下して、溶解度に余裕
がない場合結晶が析出してしまうことがあるため、粗フ
ッ化タンタル酸カリウムの溶解量を微粒子を除去する工
程がない場合に比べて若干減らすか、あるいは溶解温度
を若干上げることが望ましい。
【0028】このようにして、結晶が析出した液は、濾
過されることによって、結晶と濾液とに分離される。こ
うして得られた結晶が、本発明の目的とするフッ化タン
タル酸カリウム結晶である。
【0029】(c)循環工程 本発明の好ましい態様によれば、(b)工程の濾過によ
って得られた濾液を原料液の一部または全部として循環
させる工程をさらに有する構成とすることができる。こ
の場合には、得られた濾液を次の晶出用の母液としてほ
ぼ全量リサイクルすることができるので、貴重なタンタ
ル資源を全く損失させることなく有効活用することがで
きる。さらに、濾液がフッ酸および塩酸を含むため、濾
液を循環しない場合に比べて、フッ酸および塩酸添加量
を大幅に低減することができる。
【0030】フッ化タンタル酸カリウム結晶 このような本発明の製造方法により得られるフッ化タン
タル酸カリウム結晶は、不純物含有量が極めて少なく、
特に循環工程を行う場合においては再結晶の回数が増え
ても不純物含有量に殆ど変化がない。すなわち、本発明
によれば、結晶中の不純物含有量を常に低く抑えること
ができる。具体的には、循環工程による再結晶回数が2
0回以内の場合、i)不純物成分としての、Fe、N
i、Cr、Mn、およびCuの含有量を、各金属元素に
換算した合計量で、フッ化タンタル酸カリウム結晶に対
して、好ましくは50重量ppm以下、より好ましくは
25重量ppm以下、さらに好ましくは15重量ppm
以下、最も好ましくは10重量ppm以下、または、i
i)不純物成分としての、Nb、Fe、Ni、Cr、C
a、Mg、Mn、Cu、Si、W、Al、Ti、Mo、
Sn、SbおよびSの含有量を、各金属元素に換算した
合計量で、フッ化タンタル酸カリウム結晶に対して、好
ましくは100重量ppm以下、より好ましくは50重
量ppm以下、さらに好ましくは15重量ppm以下、
最も好ましくは10重量ppm以下、にまで抑えること
が可能である。フッ化タンタル酸カリウム結晶が、不純
物成分としての、Nb、Fe、Ni、Cr、Ca、M
g、Mn、Cu、Si、W、Al、Ti、Mo、Sn、
SbおよびSを多く含むと、フッ化タンタル酸カリウム
結晶を還元してタンタル粉末として、これを用いてタン
タルコンデンサを製造した場合に漏れ電流が大きくなり
性能が低下するため好ましくない。特に、Fe、Ni、
Cr、Mn、およびCuを多く含むと漏れ電流が大きく
なる。したがって、フッ化タンタル酸カリウム結晶とし
ては、Nb、Fe、Ni、Cr、Ca、Mg、Mn、C
u、Si、W、Al、Ti、Mo、Sn、SbおよびS
の含有量、とりわけ、Fe、Ni、Cr、Mn、および
Cuの含有量が少ないことが重要である。
【0031】また、本発明の製造方法により得られるフ
ッ化タンタル酸カリウム結晶は、粒径0.5mm以上、
好ましくは1.68mm以上という大粒径のものであ
る。このように粒径が大きいと、フッ化タンタル酸カリ
ウム結晶粉末をナトリウム還元装置内の加熱炉に入れた
際に、溶解炉中で吹き上がって装置内を汚染したり、損
失したりするのを防止することができ、取り扱い性が大
幅に向上するという利点がある。また、フッ化タンタル
酸カリウム結晶の純度はその結晶の大きさに支配され、
一般に結晶の大きなものが純度が高いとされている点
も、粒径が大きいことによる利点であると考えられる。
本発明の好ましい態様によれば、篩分析により測定され
た、粒径0.5mm以上のフッ化タンタル酸カリウム結
晶の含有率が40重量%以上であることができる。これ
により、上述した粒径が大きいことによる利点を十分に
得ることができる。
【0032】
【実施例】以下の実施例により本発明をさらに詳しく説
明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0033】以下に示される実施例および比較例におい
て、タンタル液、粗フッ化タンタル酸カリウム結晶(粗
結晶)、およびフッ化タンタル酸カリウム結晶の評価方
法は、以下の通りとした。 評価1:不純物含有量の測定 溶液および結晶中に含まれる不純物成分について、Cl
をVolhart滴定法により、それ以外の不純物を、
イオン交換分離−ICP発光分光分析法により測定し
た。
【0034】評価2:粒径分布の測定 フッ化タンタル酸カリウム結晶について、篩分析によっ
て粒度分布を調べた。まず、得られたフッ化タンタル酸
カリウム結晶を10mesh(篩目の大きさ:1.68
mm)の篩にかけ、篩上に残留した結晶の重量を測定し
た。次いで、篩目を通過した結晶を32mesh(篩目
の大きさ:0.5mm)の篩にかけ、篩上に残留した結
晶の重量と、篩目を通過した結晶の重量とをそれぞれ測
定した。このようにして、1.68mm以上、0.5〜
1.68mm、0.5mm未満の3種類の粒度範囲にお
ける重量比率を重量%で算出した。また、別にあらかじ
め重量を測定したフッ化タンタル酸カリウム結晶を目開
き45μmの篩にかけ、篩目を通過した結晶の重量を測
定して、目開き45μmの篩を通過した割合を重量%に
て算出した。
【0035】実施例1 (a)第一工程(粗結晶の合成工程) タンタル液(タンタルスクラップ溶解液、Ta;510
g/L、Fe;20mg/L、Ni;150mg/L、
Cr;25mg/L、Ca;50mg/L、溶媒;水)
120Lに、純水680Lと、55重量%のフッ酸32
Lとを添加し、混合して、原料液832Lを得た。この
原料液を50℃に昇温した後、沈殿剤として塩化カリウ
ム75.6kg(これは化学量論量の1.5倍に相当す
る)を添加して反応させた。その後16時間をかけて室
温(24℃)にまで放冷し、沈殿を十分に析出させた。
得られた沈殿含有液を濾過して、粗フッ化タンタル酸カ
リウム結晶を得た。この粗結晶を純水30Lを降りかけ
て洗浄した。こうして得られた粗結晶の重量は、湿量基
準で149.8kgであり、テフロン製の容器に入れ
て、定温乾燥機にて180℃で約16時間乾燥を行った
乾量基準で131.8kgであった。また、この粗結晶
の乾燥品について評価1を行った。結果を表1に示す。
【0036】(b)第二工程(再結晶1回目) 純水81.8Lに、55重量%のフッ酸8.2Lと、3
5重量%の塩酸10.0Lとを添加し、混合して、再結
晶溶媒100Lを得た。この再結晶溶媒を70℃に保持
しながら、上記(a)で得られた粗結晶5.68kg
(湿量基準;乾量基準では5.0kg)を溶解させた。
この溶解液を5℃/hの降温速度で25℃まで降温し
て、フッ化タンタル酸カリウム結晶を析出させた。この
結晶含有液を濾過して、結晶を濾別し、さらに純水3L
を降りかけて洗浄した。得られた結晶をテフロン(登録
商標)製の容器に入れ定温乾燥器にて180℃で約16
時間乾燥して、本発明の目的とするフッ化タンタル酸カ
リウム結晶3.88kgを得た。得られた結晶について
評価1および2を行った。結果を表1および表2に示
す。
【0037】(c)循環工程(再結晶2〜20回目) まず、前回の再結晶の際に得られた濾液について、Fの
濃度をフッ素イオン電極法により、Clの濃度をVol
hard滴定法により、測定した。そして、得られたF
の濃度から、濾液中に溶解しているフッ化タンタル酸カ
リウムに由来するF濃度を差し引いて、実質的なフッ酸
濃度に換算した。得られた分析値に基づき、必要に応じ
て、55重量%のフッ酸、35重量%の塩酸、水洗浄
液、および純水を適宜添加して、フッ酸濃度を5重量%
(ただし、フッ化タンタル酸カリウム由来のFは除く)
に、塩酸濃度を4重量%に調整した。こうして、必要に
応じて濃度が調整された濾液を循環用の再結晶溶媒とし
た。
【0038】この再結晶溶媒100Lを70℃に保持し
ながら、上記(a)で得られた粗結晶4.55kg(湿
量基準;乾量基準では4.0kg)を溶解させた。この
溶解液を5℃/hの降温速度で25℃まで降温して、フ
ッ化タンタル酸カリウム結晶を析出させた。この結晶含
有液を濾過して、結晶を濾別し、さらに純水3Lを降り
かけて洗浄した。得られた結晶をテフロン製の容器に入
れ定温乾燥器にて180℃で約16時間乾燥して、本発
明の目的とするフッ化タンタル酸カリウム結晶を1回の
操作当たり3.88〜3.94kgの量で得た。得られ
た結晶について評価1および2を行った。結果を表1お
よび2に示す。
【0039】 表 1 : 不純物含有量の測定結果 分析 Ta液中の 粗結晶 再結晶 項目 不純物濃度 1回目 5回目 10回目 15回目 20回目 Nb 5 5 1 2 2 2 2 Fe 20 2 2未満 2未満 2 2 2 Ni 150 5 2未満 2未満 2未満 2未満 2 Cr 25 2 1未満 1 1 1 2 Ca 50 2 1未満 1 1 1 1 Mg 80 5 1未満 1未満 1未満 1未満 1未満 Mn 220 4 1未満 1未満 1 1 1 Cu 3 1 1 1 1 1 1 Si 15 10未満 10未満 10未満 10未満 10未満 10未満 W 4 2 1 2 2 2 2 Al 4 2 2未満 2未満 2 2 2 Ti 10 2 1未満 1 1 2 2 Mo 5 2 1 2 2 2 2 Sn 12 10未満 10未満 10未満 10未満 10未満 10未満 Sb 10 1 1未満 1未満 1未満 1未満 1未満 S 4 2 1 2 2 2 2 Cl − 0.03 0.03 0.03 0.03 0.03 0.03 未満 未満 未満 未満 未満 未満 水分 − − 0.1未満 0.1未満 0.1未満 0.1未満 0.1未満 篩通過 − − 2 1 1未満 1 1 注)Ta液中の不純物濃度の単位:mg/L、 粗結晶および再結晶中のNb〜S濃度の単位:重量ppm、 粗結晶および再結晶中のCl濃度の単位:重量% 水分:乾燥減量法(200℃、2時間)により求めた重量百分率(%) 篩通過:目開き45μmの篩を通過する率(重量%)
【0040】 表 2 : 粒径分布の測定結果 再結晶回数 粒 径 分 布(重量%) (回目) 1.68mm以上 0.5〜1.68mm 0.5mm未満 1 19 67 14 5 20 70 10 10 22 69 9 15 17 71 12 20 17 72 11
【0041】実施例2 降温速度を10℃/hにしたこと以外は実施例1(b)
と同様にして、再結晶操作を行い、得られた結晶の重量
の測定および評価2を行った。結果を表3に示す。
【0042】比較例1 降温速度を20℃/hにしたこと以外は実施例1(b)
と同様にして、再結晶操作を行い、得られた結晶重量の
測定および評価2を行った。結果を表3に示す。
【0043】 表 3 : 結晶重量および粒径分布の測定結果 結晶重量 粒 径 分 布(%) (kg) 1.68mm以上 0.5〜1.68mm 0.5mm未満 実施例2 3.86 1 55 44 比較例1 3.9 0 5 95
【0044】比較例2 比較例2は、第一工程の段階から塩酸を添加し、第二工
程を経ることなく、そのまま循環工程を行った場合の例
である。 (a)フッ化タンタル酸カリウムの合成工程(晶析1回
目) 実施例1で用いたのと同様のタンタル液4.53Lに、
純水77.27Lと、55重量%のフッ酸8.2Lと、
35重量%の塩酸10.0Lとを添加し、混合して、原
料液100L(フッ酸濃度;5重量%、塩酸濃度;4重
量%)を得た。この原料液を70℃に昇温した後、沈殿
剤として塩化カリウム2.38kg(これは化学量論量
の1.25倍に相当する)を添加して反応させた。その
後5℃/hの降温速度で25℃にまで降温し、沈殿を十
分に析出させた。得られた沈殿含有液を濾過して、フッ
化タンタル酸カリウム結晶を得た。この結晶を純水3L
を降りかけて洗浄した。得られた結晶をテフロン製の容
器に入れ定温乾燥器にて180℃で約16時間乾燥し
て、フッ化タンタル酸カリウム結晶3.89kgを得
た。
【0045】(b)循環工程(晶析2〜20回目) まず、前回の晶析の際に得られた濾液について、Fの濃
度をフッ素イオン電極法により、Clの濃度をVolh
ard滴定法により、測定した。そして、得られたFの
濃度から、濾液中に溶解しているフッ化タンタル酸カリ
ウムに由来するF濃度を差し引いて、実質的なフッ酸濃
度に換算した。得られた分析値に基づき、必要に応じ
て、55重量%のフッ酸、35重量%の塩酸、水洗浄
液、および純水を適宜添加して、タンタル液を加えた後
の状態におけるフッ酸濃度が5重量%(ただし、フッ化
タンタル酸カリウム由来のFは除く)に、かつ塩酸濃度
が4重量%になるように調整した。こうして、必要に応
じて濃度が調整された濾液に、上記(a)で使用したも
のと同様のタンタル液3.53Lを添加して、原料液1
00L(フッ酸濃度;5重量%、塩酸濃度;4重量%)
を得た。この原料液を70℃に保持しながら、塩化カリ
ウム1.49kgを溶解させた。この溶解液を5℃/h
の降温速度で25℃まで降温して、フッ化タンタル酸カ
リウム結晶を析出させた。この結晶含有液を濾過して、
結晶を濾別し、さらに純水3Lを降りかけて洗浄した。
得られた結晶をテフロン製の容器に入れ定温乾燥器にて
180℃で約16時間乾燥して、フッ化タンタル酸カリ
ウム結晶を1回の操作当たり3.80〜3.94kgの
量で得た。得られた結晶について評価1および2を行っ
た。結果を表4および5に示す。
【0046】 表 4 : 不純物含有量の測定結果 分析 Ta液中の 晶析 項目 不純物濃度 1回目 5回目 10回目 15回目 20回目 Nb 5 2 3 3 3 3 Fe 20 3 9 12 14 14 Ni 150 4 13 22 29 34 Cr 25 2 7 11 13 14 Ca 50 3 10 16 20 23 Mg 80 3 10 17 22 25 Mn 220 5 19 32 42 50 Cu 3 3 3 4 3 4 Si 15 10未満 13 12 14 13 W 4 3 4 3 4 4 Al 4 2未満 2 3 3 3 Ti 10 1 4 5 6 7 Mo 5 3 4 4 4 4 Sn 12 10未満 10 11 12 11 Sb 10 1未満 1 1 2 3 S 4 2 4 4 4 5 Cl − 0.03 0.03 0.03 0.03 0.03 未満 未満 未満 未満 未満 水分 − 0.1未満 0.1未満 0.1未満 0.1未満 0.1未満 篩通過 − 1未満 1 1 2 1未満 注)Ta液中の不純物濃度の単位:mg/L、 晶析結晶中のNb〜S濃度の単位:重量ppm、 晶析結晶中のCl濃度の単位:重量% 水分:乾燥減量法(200℃、2時間)により求めた重量百分率(%) 篩通過:目開き45μmの篩を通過する率(重量%)
【0047】 表 5 : 粒径分布の測定結果 再結晶回数 粒 径 分 布(重量%) (回目) 1.68mm以上 0.5〜1.68mm 0.5mm未満 1 20 71 9 5 17 71 12 10 19 71 10 15 18 67 15 20 23 69 8
【0048】比較例3 比較例3は、塩酸を添加しないで再結晶操作を行った場
合の例である。純水91.8Lに、55重量%のフッ酸
8.2Lを添加し、混合して、再結晶溶媒100L(フ
ッ酸濃度;5重量%)を得た。この再結晶溶媒100L
を70℃に保持しながら、実施例1(a)で得られた粗
フッ化タンタル酸カリウム4.20kg(湿量基準;乾
量基準では3.7kg)を溶解させた。この溶解液を5
℃/hの降温速度で25℃まで降温して、フッ化タンタ
ル酸カリウム結晶を析出させた。この結晶含有液を濾過
して、結晶を濾別し、さらに純水3Lを降りかけて洗浄
した。得られた結晶をテフロン製の容器に入れ定温乾燥
器にて180℃で約16時間乾燥してフッ化タンタル酸
カリウム結晶を得たが、得られた結晶は2.58kgと
少ないものであった。
【0049】比較例4 従来技術における製造方法により得られたフッ化タンタ
ル酸カリウム製品(市販のK2TaF7)について、評価
2を行った。その結果は以下の通りであった。評価2:
粒径分布は、1.68mm以上が0重量%、0.5〜
1.68mmが18重量%、0.5mm未満が82重量
%であった。
【0050】以上のように、実施例1および2では、比
較例1〜4と比較して、再結晶操作を繰り返して行って
も、フッ化タンタル酸カリウムを高い純度を維持しなが
ら高い収量で得ることができる。また、その結晶の大き
さも十分に大きいものが得られていることが分かる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の製造方法における、フッ化タンタル酸
カリウムの製造工程の一例を示す図である。
【図2】従来法における、フッ化タンタル酸カリウムの
製造工程の一例を示す図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 東 賢 治 東京都品川区大崎1丁目11番1号 三井 金属鉱業株式会社 素材事業本部 レア メタル事業部内 (72)発明者 桑 原 滋 東京都品川区大崎1丁目11番1号 三井 金属鉱業株式会社 素材事業本部 レア メタル事業部内 (56)参考文献 特開 昭49−32897(JP,A) 特開 平4−21524(JP,A) 特開 平1−192728(JP,A) 米国特許3907976(US,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C01G 35/00 B22F 9/02 C22B 9/02 CA(STN)

Claims (15)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(a)タンタルを含有する原料液にカリウ
    ム系電解質を添加して、粗フッ化タンタル酸カリウム結
    晶を析出させて、該結晶を濾別する第一工程と、 (b)塩酸およびフッ酸を含有する水溶液からなる再結
    晶溶媒を60℃以上に昇温した後、前記粗フッ化タンタ
    ル酸カリウム結晶を該再結晶溶媒に溶解し、15℃/h
    未満の降温速度で40℃以下に降温することにより、フ
    ッ化タンタル酸カリウム結晶を析出させる第二工程とを
    含んでなる、フッ化タンタル酸カリウム結晶の製造方
    法。
  2. 【請求項2】前記カリウム系電解質が、塩化カリウム、
    炭酸カリウム、水酸化カリウム、およびフッ化カリウム
    からなる群より選択される少なくとも1種である、請求
    項1に記載の製造方法。
  3. 【請求項3】前記原料液が水および/またはフッ酸を含
    んでなる、請求項1または2に記載の製造方法。
  4. 【請求項4】前記原料液中におけるフッ酸の濃度が20
    重量%以下である、請求項1〜3のいずれか一項に記載
    の製造方法。
  5. 【請求項5】前記原料液中におけるタンタルの濃度が2
    0〜200g/Lである、請求項1〜4のいずれか一項
    に記載の製造方法。
  6. 【請求項6】前記カリウム系電解質の添加量が化学量論
    的に必要とされる量の1.2〜2.0倍である、請求項
    1〜5のいずれか一項に記載の製造方法。
  7. 【請求項7】前記カリウム系電解質を添加する際の前記
    原料液の温度が30〜70℃であり、前記粗フッ化タン
    タル酸カリウム結晶を濾別する際の前記原料液の温度が
    30℃未満である、請求項1〜6のいずれか一項に記載
    の製造方法。
  8. 【請求項8】前記再結晶溶媒中におけるフッ酸の濃度が
    20重量%以下である、請求項1〜7のいずれか一項に
    記載の製造方法。
  9. 【請求項9】前記再結晶溶媒中における塩酸の濃度が1
    〜6重量%である、請求項1〜8のいずれか一項に記載
    の製造方法。
  10. 【請求項10】前記降温速度が10℃/h未満である、
    請求項1〜9のいずれか一項に記載の製造方法。
  11. 【請求項11】前記粗フッ化タンタル酸カリウム結晶が
    溶解された再結晶溶媒中に残存する微粒子を、前記降温
    に先立って除去する工程をさらに有してなる、請求項1
    〜10のいずれか一項に記載の製造方法。
  12. 【請求項12】前記フッ化タンタル酸カリウム結晶が析
    出した溶液から前記結晶を濾別し、これにより得られた
    濾液を前記再結晶溶媒の一部または全部として循環させ
    る工程をさらに有してなる、請求項1〜11のいずれか
    一項に記載の製造方法。
  13. 【請求項13】フッ化タンタル酸カリウム結晶であっ
    て、 不純物成分としての、Fe、Ni、Cr、Mn、および
    Cuの含有量が、各金属元素に換算した合計量で、フッ
    化タンタル酸カリウム結晶に対して50重量ppm以下
    であり、かつ、 篩分析により測定された、粒径0.5mm以上の前記フ
    ッ化タンタル酸カリウム結晶の含有率が40重量%以上
    であることを特徴とする、フッ化タンタル酸カリウム結
    晶。
  14. 【請求項14】フッ化タンタル酸カリウム結晶であっ
    て、 不純物成分としての、Nb、Fe、Ni、Cr、Ca、
    Mg、Mn、Cu、Si、W、Al、Ti、Mo、S
    n、SbおよびSの含有量が、各金属元素に換算した合
    計量で、フッ化タンタル酸カリウム結晶に対して100
    重量ppm以下であり、かつ、 篩分析により測定された、粒径0.5mm以上の前記フ
    ッ化タンタル酸カリウム結晶の含有率が40重量%以上
    であることを特徴とする、フッ化タンタル酸カリウム結
    晶。
  15. 【請求項15】請求項1〜12のいずれか一項に記載さ
    れる方法により製造されたものである、請求項13また
    は14に記載のフッ化タンタル酸カリウム結晶。
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