JP2547500B2 - タンタルの還元方法 - Google Patents
タンタルの還元方法Info
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- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C01—INORGANIC CHEMISTRY
- C01D—COMPOUNDS OF ALKALI METALS, i.e. LITHIUM, SODIUM, POTASSIUM, RUBIDIUM, CAESIUM, OR FRANCIUM
- C01D3/00—Halides of sodium, potassium or alkali metals in general
- C01D3/02—Fluorides
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- Chemical & Material Sciences (AREA)
- Organic Chemistry (AREA)
- Engineering & Computer Science (AREA)
- Materials Engineering (AREA)
- Inorganic Chemistry (AREA)
- Manufacture And Refinement Of Metals (AREA)
- Powder Metallurgy (AREA)
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はフッ化タンタルカリウム
をナトリウム還元する際に、希釈塩として使用するフッ
化カリウムに関し、特に還元工程で副生する混合塩を回
収精製して再使用する方法に関する。
をナトリウム還元する際に、希釈塩として使用するフッ
化カリウムに関し、特に還元工程で副生する混合塩を回
収精製して再使用する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】タンタル(Ta)は融点が約3000℃
と高く、耐熱性にすぐれており化学的安定性にもすぐれ
ているので、各種耐熱耐食材料として使用されている。
また、表面に安定した陽極酸化皮膜を作り、その皮膜の
誘電率がきわめて高いことを利用して、焼結形タンタル
コンデンサとして利用されている。タンタルは通常フッ
化タンタルカリウム(K2 Ta F7 )をナトリウム(N
a)やカリウム(K)等のアルカリ金属を用いて還元す
る方法により得られる。その還元反応は次の反応式によ
る。 K2 Ta F7 +5Na → Ta+2KF+5NaF ‥‥‥(1) この反応はK2 Ta F7 が所定の温度(600〜900
℃)に達した時点で金属ナトリウムを接触させると反応
を開始し、反応の進行に伴って反応熱によって浴温が1
000℃前後の高温に達する。その結果生成タンタル粒
子が成長したり、あるいは相互に焼結して粗い粒子にな
ってしまい、コンデンサ用としては不適当なものとな
る。また、金属ナトリウムを均一にK2 Ta F7 に接触
させることができなかったり、生成タンタルメタルと副
生混合塩との分離が困難となることから、収率が低下す
るという困難を伴う。
と高く、耐熱性にすぐれており化学的安定性にもすぐれ
ているので、各種耐熱耐食材料として使用されている。
また、表面に安定した陽極酸化皮膜を作り、その皮膜の
誘電率がきわめて高いことを利用して、焼結形タンタル
コンデンサとして利用されている。タンタルは通常フッ
化タンタルカリウム(K2 Ta F7 )をナトリウム(N
a)やカリウム(K)等のアルカリ金属を用いて還元す
る方法により得られる。その還元反応は次の反応式によ
る。 K2 Ta F7 +5Na → Ta+2KF+5NaF ‥‥‥(1) この反応はK2 Ta F7 が所定の温度(600〜900
℃)に達した時点で金属ナトリウムを接触させると反応
を開始し、反応の進行に伴って反応熱によって浴温が1
000℃前後の高温に達する。その結果生成タンタル粒
子が成長したり、あるいは相互に焼結して粗い粒子にな
ってしまい、コンデンサ用としては不適当なものとな
る。また、金属ナトリウムを均一にK2 Ta F7 に接触
させることができなかったり、生成タンタルメタルと副
生混合塩との分離が困難となることから、収率が低下す
るという困難を伴う。
【0003】このため上記還元反応に際し、フッ化カリ
ルム(KF)、塩化カリウム(KCl)、塩化ナトリウ
ム(NaCl)等のアルカリ金属のハロゲン化物を希釈
塩として使用することが提案されている(特開昭48−
43006号、特開昭62−278210号公報参
照)。希釈塩を使用する場合は浴温度を760〜850
℃と低くしてもなお流動性が良好で、生成タンタルと副
生混合塩との分離も容易で収率が高く、かつ生成したタ
ンタルも微細粒子となりコンデンサ用として好適なもの
となる。希釈塩を使用することの効果は大きいものの、
副生する混合塩の量も増大しその処理が問題となるが、
現状では大量の水を加えて溶解し、石灰を加えてフッ化
カルシウムとして固定して処理しているのみで、有効な
再利用の方法も見出されていない。
ルム(KF)、塩化カリウム(KCl)、塩化ナトリウ
ム(NaCl)等のアルカリ金属のハロゲン化物を希釈
塩として使用することが提案されている(特開昭48−
43006号、特開昭62−278210号公報参
照)。希釈塩を使用する場合は浴温度を760〜850
℃と低くしてもなお流動性が良好で、生成タンタルと副
生混合塩との分離も容易で収率が高く、かつ生成したタ
ンタルも微細粒子となりコンデンサ用として好適なもの
となる。希釈塩を使用することの効果は大きいものの、
副生する混合塩の量も増大しその処理が問題となるが、
現状では大量の水を加えて溶解し、石灰を加えてフッ化
カルシウムとして固定して処理しているのみで、有効な
再利用の方法も見出されていない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】希釈塩としてたとえば
KFとKClを用いる場合の反応式は次式による。 K2 Ta F7 +5Na+mKF+nKCl → Ta+(2+m)KF+nKCl+5NaF ‥‥‥(2) 希釈塩はKF、KCl、NaClをそれぞれ単独又は混
合して用いる。ここで希釈塩として使用するKFまたは
KClの量m、nはKF単独使用の場合、mは重量比で
原料K2 Ta F7 量の0.2〜2.5倍(モル比では
1.4〜16.9倍)、KFとKClを併用する場合、
mは重量比でK2 Ta F7 量の0.2〜2.5倍(モル
比では1.4〜16.9倍)、nは3.0倍以下(モル
比で15.8倍以下)の範囲で使用される。希釈塩の使
用量が多く、副生混合塩の発生量も多くなってくると原
料コストの上昇要因となることに加え、副生する混合塩
の処理も大きな問題となる。(2)式の反応を見ると、
希釈塩として加えたKFとKClの混合塩中に還元で生
じたKFとNaFが混合していく形態となっている。こ
の副生混合塩からNaFを分離除去できれば、希釈塩と
して使用できる。
KFとKClを用いる場合の反応式は次式による。 K2 Ta F7 +5Na+mKF+nKCl → Ta+(2+m)KF+nKCl+5NaF ‥‥‥(2) 希釈塩はKF、KCl、NaClをそれぞれ単独又は混
合して用いる。ここで希釈塩として使用するKFまたは
KClの量m、nはKF単独使用の場合、mは重量比で
原料K2 Ta F7 量の0.2〜2.5倍(モル比では
1.4〜16.9倍)、KFとKClを併用する場合、
mは重量比でK2 Ta F7 量の0.2〜2.5倍(モル
比では1.4〜16.9倍)、nは3.0倍以下(モル
比で15.8倍以下)の範囲で使用される。希釈塩の使
用量が多く、副生混合塩の発生量も多くなってくると原
料コストの上昇要因となることに加え、副生する混合塩
の処理も大きな問題となる。(2)式の反応を見ると、
希釈塩として加えたKFとKClの混合塩中に還元で生
じたKFとNaFが混合していく形態となっている。こ
の副生混合塩からNaFを分離除去できれば、希釈塩と
して使用できる。
【0005】ところが、原料K2 Ta F7 中には不純物
としてFe、Ni、Cr、Ca、Mg、Si等が含まれ
ており、これらは副生混合塩中に移行する。上記不純物
はコンデンサ用タンタルにとっては有害元素であり、希
釈塩中の含有量も極力低いものでなければならない。従
来、不純物金属を含むKFとNaFとの混合塩、あるい
はKFとKClとNaFとの混合塩から、高純度のKF
あるいはKF及びKClを分離する有効な手段は無く、
ましてやタンタル還元工程から発生する混合塩を分離精
製して再利用する手段は知られていない。本発明は上記
事情に鑑みなされてものであって、K2 Ta F7 のアル
カリ金属還元によって副生する混合塩を分離精製して再
利用する効果的な手段を提供しようとするものである。
としてFe、Ni、Cr、Ca、Mg、Si等が含まれ
ており、これらは副生混合塩中に移行する。上記不純物
はコンデンサ用タンタルにとっては有害元素であり、希
釈塩中の含有量も極力低いものでなければならない。従
来、不純物金属を含むKFとNaFとの混合塩、あるい
はKFとKClとNaFとの混合塩から、高純度のKF
あるいはKF及びKClを分離する有効な手段は無く、
ましてやタンタル還元工程から発生する混合塩を分離精
製して再利用する手段は知られていない。本発明は上記
事情に鑑みなされてものであって、K2 Ta F7 のアル
カリ金属還元によって副生する混合塩を分離精製して再
利用する効果的な手段を提供しようとするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するた
め、本発明ではK2 Ta F7 をアルカリ金属還元して得
られる副生塩を、副生塩中のKFまたはKFとKClが
溶解するに必要な理論量以下の水に溶解して濾過し、濾
液を加熱濃縮して冷却後に晶出するKFまたはKFとK
Clを、再びK2 Ta F7 の還元工程の希釈塩として再
使用することとした。
め、本発明ではK2 Ta F7 をアルカリ金属還元して得
られる副生塩を、副生塩中のKFまたはKFとKClが
溶解するに必要な理論量以下の水に溶解して濾過し、濾
液を加熱濃縮して冷却後に晶出するKFまたはKFとK
Clを、再びK2 Ta F7 の還元工程の希釈塩として再
使用することとした。
【0007】本発明の対象となる副生混合塩は、フッ化
タンタルカリウムをアルカリ金属還元した結果発生した
ものであって、前記(1)式で示されるKFとNaFと
の混合物あるいは(2)式で示されるKClの加わった
ものである。主要組成はKF:12〜85wt%、KC
l:75wt%以下、残NaFからなり、これに不純物金
属や水分を含んでいる。水分は反応終了後水冷却するた
めである。不純物としては、Fe:10ppm 、Ni:5
ppm 、Cr:4ppm 、Ca:60ppm 、Mg:1ppm 、
B:1ppm 、Si:30ppm 程度が含まれている。主要
組成は上記の他にNaClが含まれる場合もある。通常
還元反応がバッチ操業で行われるので、副成混合塩は冷
却された固形物として得られる。副生混合塩の成分のう
ち、KF、KCl、NaCl等は水に対してかなりの溶
解度を持っているのに対し、NaFの溶解度はきわめて
小さい。KF、KCl、NaFの各温度の溶解度は表1
の通りである。
タンタルカリウムをアルカリ金属還元した結果発生した
ものであって、前記(1)式で示されるKFとNaFと
の混合物あるいは(2)式で示されるKClの加わった
ものである。主要組成はKF:12〜85wt%、KC
l:75wt%以下、残NaFからなり、これに不純物金
属や水分を含んでいる。水分は反応終了後水冷却するた
めである。不純物としては、Fe:10ppm 、Ni:5
ppm 、Cr:4ppm 、Ca:60ppm 、Mg:1ppm 、
B:1ppm 、Si:30ppm 程度が含まれている。主要
組成は上記の他にNaClが含まれる場合もある。通常
還元反応がバッチ操業で行われるので、副成混合塩は冷
却された固形物として得られる。副生混合塩の成分のう
ち、KF、KCl、NaCl等は水に対してかなりの溶
解度を持っているのに対し、NaFの溶解度はきわめて
小さい。KF、KCl、NaFの各温度の溶解度は表1
の通りである。
【0008】
【表1】
【0009】実際の副生塩は2〜3成分が共存してお
り、不純物金属も含んでいるため、40℃における水に
対する溶解度はKF−NaF系ではKF:60wt%、N
aF:10ppm 以下、KF−KCl−NaF系ではK
F:52wt%、KCl:6wt%、NaF:10ppm 以下
となる。本発明では副生塩中のKF及びKClのみが溶
解するのに必要な理論量以下の水を使用し、NaFを不
溶残渣として除去するものである。この場合、KF及び
KClのみが溶解する水の量は表1に示す各成分の溶解
度に基づいて決定する。水の量が少な過ぎる場合は未溶
解のKFやKClが残り、回収率が低下するが純度は高
くなる。水の量が多い場合はNaFの混入量が増えてく
る。従って本発明ではKF及びKClが溶解するのに必
要な理論水量を上限としてそれ以下の水量を使用し、回
収後のKF及びKClの純度を確保することとした。
り、不純物金属も含んでいるため、40℃における水に
対する溶解度はKF−NaF系ではKF:60wt%、N
aF:10ppm 以下、KF−KCl−NaF系ではK
F:52wt%、KCl:6wt%、NaF:10ppm 以下
となる。本発明では副生塩中のKF及びKClのみが溶
解するのに必要な理論量以下の水を使用し、NaFを不
溶残渣として除去するものである。この場合、KF及び
KClのみが溶解する水の量は表1に示す各成分の溶解
度に基づいて決定する。水の量が少な過ぎる場合は未溶
解のKFやKClが残り、回収率が低下するが純度は高
くなる。水の量が多い場合はNaFの混入量が増えてく
る。従って本発明ではKF及びKClが溶解するのに必
要な理論水量を上限としてそれ以下の水量を使用し、回
収後のKF及びKClの純度を確保することとした。
【0010】溶解する水の温度はKFの溶解度が高くな
る17℃以上が良い。KFの溶解度は45℃以上では飽
和してしまうので、あまり高温で溶解させても効果に乏
しく、かえって不純物の混入を招く。したがって溶解温
度は17〜45℃、好ましくは25〜40℃とする。溶
解中の水溶液のpHは12〜14のアルカリ性とする。通
常は副生塩中の未反応Naによってアルカリ性が保たれ
るが、未反応Naが少ない場合はpH調整する必要があ
る。アルカリ性水溶液中では不純物金属イオンが存在す
る場合は不溶性水酸化物となり、後続の濾過処理によっ
て残渣として分離除去できる。
る17℃以上が良い。KFの溶解度は45℃以上では飽
和してしまうので、あまり高温で溶解させても効果に乏
しく、かえって不純物の混入を招く。したがって溶解温
度は17〜45℃、好ましくは25〜40℃とする。溶
解中の水溶液のpHは12〜14のアルカリ性とする。通
常は副生塩中の未反応Naによってアルカリ性が保たれ
るが、未反応Naが少ない場合はpH調整する必要があ
る。アルカリ性水溶液中では不純物金属イオンが存在す
る場合は不溶性水酸化物となり、後続の濾過処理によっ
て残渣として分離除去できる。
【0011】NaFも未溶解残渣となる。この溶液を濾
過し、濾液を加熱濃縮して水分を減少させたのち、室温
附近まで冷却してKF又はKFとKClの結晶を晶出さ
せ、再び濾過して結晶を分離回収する。このようにして
得られたKF又はKFとKClの結晶は極めて高純度と
なる。
過し、濾液を加熱濃縮して水分を減少させたのち、室温
附近まで冷却してKF又はKFとKClの結晶を晶出さ
せ、再び濾過して結晶を分離回収する。このようにして
得られたKF又はKFとKClの結晶は極めて高純度と
なる。
【0012】次に回収したKF又はKFとKClの結晶
を乾燥し、新たなK2 Ta F7 の還元工程の希釈塩とし
て使用する。還元反応は前記(2)式に従う。ここで希
釈塩はKF単独でも良いし、KFとKClを共用しても
良い。さらにNaClを併用しても良い。使用成分や使
用量が多くなる程、反応浴の融点が下がり操業が容易に
なる。しかし、還元生成するTaの粒径、比表面積等の
粉末特性は反応温度に影響されるので、それらを考慮し
て希釈塩を選択する。
を乾燥し、新たなK2 Ta F7 の還元工程の希釈塩とし
て使用する。還元反応は前記(2)式に従う。ここで希
釈塩はKF単独でも良いし、KFとKClを共用しても
良い。さらにNaClを併用しても良い。使用成分や使
用量が多くなる程、反応浴の融点が下がり操業が容易に
なる。しかし、還元生成するTaの粒径、比表面積等の
粉末特性は反応温度に影響されるので、それらを考慮し
て希釈塩を選択する。
【0013】希釈塩の量は原料となるK2 Ta F7 の量
を基準とし、KF単独の場合はK2Ta F7 量の0.2
〜2.5倍(重量比、以下同じ)、KFとKClを併用
する場合はKF量はK2 Ta F7 量の0.2〜2.5
倍、KCl量は3.0倍以下が適当である。希釈塩の添
加方法はK2 Ta F7 と混合しても良く、K2 Ta F7
と交互に供給しても良く、あるいは希釈塩で隔離層を形
成し、その上からアルカリ金属還元剤を加える等公知の
方法が使用できる。回収希釈塩に加えて新規な希釈塩を
使用することはもちろん支障はない。その他還元条件は
公知の方法に従えば良い。
を基準とし、KF単独の場合はK2Ta F7 量の0.2
〜2.5倍(重量比、以下同じ)、KFとKClを併用
する場合はKF量はK2 Ta F7 量の0.2〜2.5
倍、KCl量は3.0倍以下が適当である。希釈塩の添
加方法はK2 Ta F7 と混合しても良く、K2 Ta F7
と交互に供給しても良く、あるいは希釈塩で隔離層を形
成し、その上からアルカリ金属還元剤を加える等公知の
方法が使用できる。回収希釈塩に加えて新規な希釈塩を
使用することはもちろん支障はない。その他還元条件は
公知の方法に従えば良い。
【0014】
【作用】本発明はK2 Ta F7 をアルカリ金属還元して
得られる副生の混合塩を、水に対する溶解度差を利用し
て分離精製し、得られた高純度のKF又はKFとKCl
の結晶を、K2 Ta F7 のアルカリ金属還元工程の希釈
塩として再使用するものである。副生塩の精製工程では
水溶液のpHを12〜14のアルカリ性に保つことによ
り、不純物金属イオンを水に不溶の水酸化物として除去
できることを利用したものである。
得られる副生の混合塩を、水に対する溶解度差を利用し
て分離精製し、得られた高純度のKF又はKFとKCl
の結晶を、K2 Ta F7 のアルカリ金属還元工程の希釈
塩として再使用するものである。副生塩の精製工程では
水溶液のpHを12〜14のアルカリ性に保つことによ
り、不純物金属イオンを水に不溶の水酸化物として除去
できることを利用したものである。
【0015】
【実施例】本発明の実施例を示して具体的に説明する。 実施例1 K2 Ta F7 をNa還元してTa粉末を製造する際に副
生するKFとNaFを主成分とする混合塩を破砕し、1
000重量部に40℃の水1000重量部を加えて、水
温を40℃に維持しながら22時間撹拌溶解した。溶液
のpHは13.2であった。混合塩の化学分析値を表2に
示す。
生するKFとNaFを主成分とする混合塩を破砕し、1
000重量部に40℃の水1000重量部を加えて、水
温を40℃に維持しながら22時間撹拌溶解した。溶液
のpHは13.2であった。混合塩の化学分析値を表2に
示す。
【0016】
【表2】
【0017】この溶液を吸引濾過し、残渣351重量部
と濾液1641重量部を得た。化学分析の結果、残渣は
NaF:91.6%、KF:7.6%、水分:0.7%
であった。濾液を孔径1μm の濾紙にて濾過した後、加
熱濃縮して832重量部となる迄水分を蒸発させた後、
25℃まで冷却して1時間保持し結晶を晶出させた。再
度吸引濾過して521重量部の白色結晶と280重量部
の濾液を得た。白色結晶の乾燥後の分析値を表2に示
す。濾液中には44.0%のKFが含まれていた。
と濾液1641重量部を得た。化学分析の結果、残渣は
NaF:91.6%、KF:7.6%、水分:0.7%
であった。濾液を孔径1μm の濾紙にて濾過した後、加
熱濃縮して832重量部となる迄水分を蒸発させた後、
25℃まで冷却して1時間保持し結晶を晶出させた。再
度吸引濾過して521重量部の白色結晶と280重量部
の濾液を得た。白色結晶の乾燥後の分析値を表2に示
す。濾液中には44.0%のKFが含まれていた。
【0018】次に、この回収KFを利用してK2 Ta F
7 のNa還元を行った。還元方法は反応容器に原料K2
Ta F7 及び回収KFを投入した後、容器内をArガス
で置換した。原料の使用割合を表3に示す。
7 のNa還元を行った。還元方法は反応容器に原料K2
Ta F7 及び回収KFを投入した後、容器内をArガス
で置換した。原料の使用割合を表3に示す。
【0019】
【表3】
【0020】次いで反応容器内を800℃にした後、容
器内を撹拌しながらNaを添加した。すべてのNa添加
が終わった時点で、容器内の温度は反応熱により880
℃となった。K2 Ta F7 とNaとの反応によりTa粉
末と新たなKF、NaFとが得られた。反応終了後冷却
し、容器から反応生成物を取り出し、Ta粉末の沈殿層
とKF、NaFの層を機械的に分離し、Ta粉末の沈殿
層を水洗、酸洗および乾燥してTa粉末を得た。得られ
たTa粉末の特性と収率を表3に示す。
器内を撹拌しながらNaを添加した。すべてのNa添加
が終わった時点で、容器内の温度は反応熱により880
℃となった。K2 Ta F7 とNaとの反応によりTa粉
末と新たなKF、NaFとが得られた。反応終了後冷却
し、容器から反応生成物を取り出し、Ta粉末の沈殿層
とKF、NaFの層を機械的に分離し、Ta粉末の沈殿
層を水洗、酸洗および乾燥してTa粉末を得た。得られ
たTa粉末の特性と収率を表3に示す。
【0021】実施例2 K2 Ta F7 をNa還元してTa粉末を製造する際に副
生するKFとKClとNaFとを主成分とする混合塩を
破砕し、1000重量部に40℃の水650重量部を加
えて、水温を40℃に維持しながら24時間撹拌溶解し
た。溶液のpHは13.1であった。混合塩の化学分析値
を表2に示す。
生するKFとKClとNaFとを主成分とする混合塩を
破砕し、1000重量部に40℃の水650重量部を加
えて、水温を40℃に維持しながら24時間撹拌溶解し
た。溶液のpHは13.1であった。混合塩の化学分析値
を表2に示す。
【0022】この溶液を吸引濾過し、残渣480重量部
と濾液1158重量部を得た。化学分析の結果、残渣は
NaF:88.8%、KCl:9.6%、KF:1.0
%、水分:0.6%であった。濾液を孔径1μm の濾紙
にて濾過した後、加熱濃縮して476重量部となる迄水
分を蒸発させた後、25℃まで冷却して1時間保持し結
晶を晶出させた。再度吸引濾過して472重量部の白色
結晶を得た。乾燥後の白色結晶の分析値を表2に示す。
と濾液1158重量部を得た。化学分析の結果、残渣は
NaF:88.8%、KCl:9.6%、KF:1.0
%、水分:0.6%であった。濾液を孔径1μm の濾紙
にて濾過した後、加熱濃縮して476重量部となる迄水
分を蒸発させた後、25℃まで冷却して1時間保持し結
晶を晶出させた。再度吸引濾過して472重量部の白色
結晶を得た。乾燥後の白色結晶の分析値を表2に示す。
【0023】次に、この回収混合塩を希釈塩として使用
し、K2 Ta F7 のNa還元を実施した。操作方法は実
施例1と同様である。原料の配合割合とTa粉末の特性
及び回収率を表3に示す。
し、K2 Ta F7 のNa還元を実施した。操作方法は実
施例1と同様である。原料の配合割合とTa粉末の特性
及び回収率を表3に示す。
【0024】実施例3 KFとNaFを主成分とする副生混合塩1000重量部
に30℃の水1000重量部を加え、水温を30℃に維
持しながら22時間撹拌溶解した。溶液のpHは13.1
であった。この溶液を吸引濾過し、残渣382重量部と
濾液1612重量部を得た。化学分析の結果、残渣はN
aF:93.0%、KF:6.0%、水分:0.7%で
あった。
に30℃の水1000重量部を加え、水温を30℃に維
持しながら22時間撹拌溶解した。溶液のpHは13.1
であった。この溶液を吸引濾過し、残渣382重量部と
濾液1612重量部を得た。化学分析の結果、残渣はN
aF:93.0%、KF:6.0%、水分:0.7%で
あった。
【0025】濾液を孔径1μm の濾紙にて濾過した後、
加熱濃縮して811重量部となる迄水分を蒸発させた
後、25℃まで冷却して1時間保持し結晶を晶出させ
た。再度吸引濾過して492重量部の白色結晶を得た。
乾燥後の白色結晶の分析値を表2に示す。
加熱濃縮して811重量部となる迄水分を蒸発させた
後、25℃まで冷却して1時間保持し結晶を晶出させ
た。再度吸引濾過して492重量部の白色結晶を得た。
乾燥後の白色結晶の分析値を表2に示す。
【0026】次に、この回収結晶に新たなKF及びKC
lを加えて希釈塩とし、K2 Ta F7 のNa還元を実施
した。還元方法は実施例1と同様である。原料の配合条
件と操業結果を表3に示す。
lを加えて希釈塩とし、K2 Ta F7 のNa還元を実施
した。還元方法は実施例1と同様である。原料の配合条
件と操業結果を表3に示す。
【0027】比較例 KFとNaFを主成分とする副生混合塩1000重量部
に40℃の水2000重量部を加え、水温を40℃に維
持しながら22時間撹拌溶解した。溶液のpHは12.2
であった。
に40℃の水2000重量部を加え、水温を40℃に維
持しながら22時間撹拌溶解した。溶液のpHは12.2
であった。
【0028】この溶液を吸引濾過し、残渣383重量部
と濾液2608重量部を得た。濾液を孔径1μm の濾紙
で濾過した後、加熱濃縮して828重量部となるまで水
分を蒸発させ、25℃まで冷却して結晶を晶出させた。
再度吸引濾過して568重量部の結晶を得た。
と濾液2608重量部を得た。濾液を孔径1μm の濾紙
で濾過した後、加熱濃縮して828重量部となるまで水
分を蒸発させ、25℃まで冷却して結晶を晶出させた。
再度吸引濾過して568重量部の結晶を得た。
【0029】結晶の組成はKF:90.0%、NaF:
8.8%、水分:0.8%、Fe:4ppm 、Ni:2pp
m 、Cr:2ppm 、Si:5ppm 、Ca:1ppm 、M
g:1ppm 、B:1ppm であった。この結晶はNaFが
多くしかも有害不純物であるFe、Siが高く、コンデ
ンサ用Ta粉末製造用の希釈塩としては使用できなかっ
た。
8.8%、水分:0.8%、Fe:4ppm 、Ni:2pp
m 、Cr:2ppm 、Si:5ppm 、Ca:1ppm 、M
g:1ppm 、B:1ppm であった。この結晶はNaFが
多くしかも有害不純物であるFe、Siが高く、コンデ
ンサ用Ta粉末製造用の希釈塩としては使用できなかっ
た。
【0030】
【発明の効果】本発明によればK2 Ta F7 のNa還元
の際に副生する不純物を含んだ副生混合塩から、希釈塩
として有効なKF、KCl成分を高純度状態で回収でき
る。回収された塩はコンデンサ用Ta粉末製造用の希釈
塩として利用できるものである。本発明により希釈塩を
リサイクルして使用できるようになるため、希釈塩のコ
ストが大幅に節減できるばかりでなく、副生物の処理費
用も大幅に削減できる効果を有する。
の際に副生する不純物を含んだ副生混合塩から、希釈塩
として有効なKF、KCl成分を高純度状態で回収でき
る。回収された塩はコンデンサ用Ta粉末製造用の希釈
塩として利用できるものである。本発明により希釈塩を
リサイクルして使用できるようになるため、希釈塩のコ
ストが大幅に節減できるばかりでなく、副生物の処理費
用も大幅に削減できる効果を有する。
Claims (3)
- 【請求項1】 フッ化タンタルカリウムをアルカリ還元
して得られる副生混合塩を、混合塩中のフッ化カリウム
が溶解するのに必要な理論量以下であって、pHが12
〜14、温度が25〜40℃の水に溶解した後濾過し、
濾液を加熱濃縮して冷却後に晶出するフッ化カリウム
を、少なくとも希釈塩の一部として使用してフッ化タン
タルカリウムをアルカリ還元することを特徴とするタン
タルの還元方法。 - 【請求項2】 フッ化タンタルカリウムをアルカリ還元
して得られる副生混合塩を、混合塩中のフッ化カリウム
及び塩化カリウムが溶解するのに必要な理論量以下であ
って、pHが12〜14、温度が25〜40℃の水に溶
解した後濾過し、濾液を加熱濃縮して冷却後に晶出する
フッ化カリウム及び塩化カリウムを、少なくとも希釈塩
の一部として使用してフッ化タンタルカリウムをアルカ
リ還元することを特徴とするタンタルの還元方法。 - 【請求項3】 希釈塩として使用するフッ化カリウムの
量が、フッ化タンタルカリウム原料の0.2〜2.5倍
(重量比)であることを特徴とする請求項1又は2に記
載のタンタルの還元方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4063590A JP2547500B2 (ja) | 1992-03-19 | 1992-03-19 | タンタルの還元方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4063590A JP2547500B2 (ja) | 1992-03-19 | 1992-03-19 | タンタルの還元方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH06322402A JPH06322402A (ja) | 1994-11-22 |
JP2547500B2 true JP2547500B2 (ja) | 1996-10-23 |
Family
ID=13233639
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP4063590A Expired - Fee Related JP2547500B2 (ja) | 1992-03-19 | 1992-03-19 | タンタルの還元方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2547500B2 (ja) |
Families Citing this family (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
FR2951383B1 (fr) | 2009-10-20 | 2012-09-21 | Solvay | Procede pour la valorisation conjointe de sels solubles contenus dans un residu d'un procede industriel |
CN112441600A (zh) * | 2019-08-30 | 2021-03-05 | 联化科技(盐城)有限公司 | 一种工业混合钾盐的分离方法 |
CN115353123B (zh) * | 2022-08-16 | 2023-12-05 | 珠海正杏新材料科技有限公司 | 一种氟化钾的回收方法 |
Citations (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS5333995A (en) * | 1976-09-11 | 1978-03-30 | Morita Kagaku Kogyo | Separating process for potassium fluoride and potassium chloride |
JPH0248413A (ja) * | 1988-08-05 | 1990-02-19 | Showa Denko Kk | 無水フッ化カリウム粉末の製造方法 |
-
1992
- 1992-03-19 JP JP4063590A patent/JP2547500B2/ja not_active Expired - Fee Related
Patent Citations (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS5333995A (en) * | 1976-09-11 | 1978-03-30 | Morita Kagaku Kogyo | Separating process for potassium fluoride and potassium chloride |
JPH0248413A (ja) * | 1988-08-05 | 1990-02-19 | Showa Denko Kk | 無水フッ化カリウム粉末の製造方法 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH06322402A (ja) | 1994-11-22 |
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