JP4326345B2 - 高純度ニオブ化合物及び/又はタンタル化合物の精製方法 - Google Patents

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Description

技術分野
本発明は、高純度なニオブ化合物及び/又はタンタル化合物を得る方法に属する。
背景技術
ニオブは、鋼中の炭素を安定化し、粒間腐食を防ぐ効果があるので鉄鋼添加材として使用されている。また、高圧ナトリウムランプのランプ発光部に付随する導電管としてニオブ合金が実用化されており、さらに超伝導材料や超合金の添加元素などに利用されている。更に近年、酸化ニオブの需要は大きく、その中でも電子工業分野や光学分野等に広く使用されており、特にこれらの分野においては、高純度ニオブが必要不可欠になってきている。ニオブ化合物を精製する方法としては、原料により様々な精製方法がとられているが、その中の一つである酸化ニオブを例としてあげると、分別結晶法、溶媒抽出法、イオン交換樹脂法、蒸留法などの方法が提案されてきた。しかしながら、ニオブを得るための鉱石、例えばコロンバイトやニオカライトなどには、ニオブと共にタンタルが共存している。そして、ニオブとタンタルとは、物理的・化学的に性質が似ている為、両者の分離は極めて困難であった。この為、鉱石からこれらの元素を含む化合物は一緒に回収する手段が多く提案されている。
例えば、米国特許第2,962,327号明細書では、ニオブ及びタンタルを含む鉱石は微粉砕して、これをフッ酸と鉱酸、例えば硫酸と混酸で処理し、ニオブ及びタンタルを鉄、マンガン、カルシウム、希土類元素その他の金属不純物と共に溶解し、この溶液を低級脂肪酸のケトン、エステル、又はエーテルなどの有機溶媒、特にメチルイソブチルケトン等と接触させ、ニオブ及びタンタルを有機溶媒相に抽出分離する方法が記載されている。また特開昭58−176128号公報においては前記溶解液をF型陰イオン交換樹脂層に流通させ、ニオブ及びタンタルを一旦陰イオン交換樹脂に吸着し、他の不純物金属と分離した後、フッ化水素酸及び塩化アンモニウム水溶液で溶離回収する方法などが提案されている。
さらに、ニオブとタンタルとを分離する手段についても種々検討されており、従来、ニオブとタンタルを水溶液中の塩析剤濃度と水素イオン濃度差を利用して、分離する方法、即ちニオブとタンタルの共存する水溶液において、フッ酸及び鉱酸の濃度を小さくすることにより、ニオブをNbF 2−からNbOF 2−に変化させ、他方のタンタルはTaF 2−のまま存在することを利用して、メチルイソブチルケトンなどの有機溶媒でタンタルを抽出するか、或いはその逆に一旦有機溶媒に抽出されたタンタルとニオブから、酸性水溶液側にニオブを再抽出するなどの方法が用いられている。これらの方法は、特開昭62−158118号公報にも記載されているように、MIBK(メチルイソブチルケトン)などのケトン類を用いた高純度ニオブや高純度タンタルの製造方法として公知の技術で一般的となっている。また、特開昭64−31937号公報においては、活性炭やポリプロピレン等の多孔質担体にトリオクチルホスフィンオキシド等の含酸素有機溶媒、或いはアルキル基の炭素数が4以上のアルキルアミンから選択された有機溶媒を固定化または架橋した吸収剤を用い、タンタルを吸収させ、溶液から除去する方法が示されている。しかしながら、有機溶媒を架橋させた吸収剤は入手が困難であり、また有機溶媒を多孔質担体に含浸させた場合は有機溶媒の水相への溶出が問題となる。しかし、上記の抽出方法では、他段階の抽出操作が必要となり、ミキサーセトラー等により水相を有機溶媒で洗浄するなど、非常に複雑化した工程となる。
そこで、本発明は、より簡便に且つ低コストで高純度ニオブ化合物及び/又はタンタル化合物の精製を行なうことが可能な高純度ニオブ化合物及び/又はタンタル化合物の精製方法を提供することを目的とする。
発明の開示
本発明では、ニオブ化合物を溶解させた液を用い、晶析操作及び抽出操作を行なう事で、高純度化させる事を特徴としている。
一例として、フッ酸溶液に酸化ニオブを溶解させた場合を以下では取り上げているが、フッ酸溶解液からの晶析に限らず、水溶液もしくは有機溶媒などからの晶析も含まれる。更に、様々な塩にも適用可能であり、目的とする高純度ニオブ化合物を製造出来ることは言うまでもない。
具体的な方法として、フッ酸溶液に酸化ニオブを溶解し、その溶解液を冷却晶析によって、フッ化ニオブ酸(HNbF)あるいはオキシフルオロニオブ酸(HNbOF)を結晶化させて効率良くFe、Ni、Tiなどの金属不純物を分離除去が出来る。このとき、溶液側に不純物が残り、結晶は純粋なフッ化ニオブ酸或いはオキシフルオロニオブ酸が得られる。言うまでも無いが、溶解・晶析工程で硫酸・硝酸・塩酸などを添加したフッ酸を含む溶液系を使用しても構わない。また、溶解後に水で希釈し、HF濃度を調整しても構わない。更に晶析方法は、冷却法に限定する事は無く、濃縮による晶析も含まれる。
さらに、抽出工程を加えることによって同族不純物であるタンタルを効率良く分離除去し、高純度化させる。ニオブ源としてはニオブ化合物水溶液に限らず請求項2で得られた結晶の融液を用い、抽出溶媒としてMIBK(メチルイソブチルケトン)などのケトン類、エステル類、エーテル類、有機リン化合物類、アミン類等を添加する事によって抽出し精製する。また、上記ニオブ化合物を用いる事で、逆抽出などの必要がなく、少なくとも1回で同族であるタンタルを除去する事が出来る。また抽出条件として、一般的には有機相/水相との相率は1以上であるが、本発明では1未満の条件においても抽出可能であることを見出した。
また、抽出工程において、酸性度調整用の硫酸などを添加せずに、水のみで溶解したニオブ化合物水溶液、或いは請求項2にて得られる結晶の融液を用いて抽出も可能である。
この得られたニオブ化合物の処理を行なう事で、目的とする高純度ニオブ化合物が得られる。例えば、晶析後に抽出操作を行なったニオブ化合物溶液にアルカリ処理を行なう事で不溶性の水酸化ニオブが得られ、この水酸化ニオブを焙焼することによって高純度酸化ニオブを製造する事が可能となる。また、フッ化カリウム或いは炭酸カリウムなどと反応させる事によってフルオロニオブ酸カリウム(KNbF)を製造する事が可能となる。更に、高純度ニオブ化合物をアルカリ溶融することによって高純度金属ニオブを製造する事も可能である。
これらの方法で得られた高純度ニオブ化合物を使用することによって高品位の電子材料や光学材料など各分野の高機能材料として製造可能となる。
なお、タンタルについても同様の操作により得られることは言うまでも無い。
発明を実施するための最良の形態
本発明によって、精製の対象となるニオブ化合物としてはニオブ含有鉱物または市販の工業用ニオブ化合物等などが使用可能であるが、好ましくは99%程度のニオブ化合物を用いる事によって、99.99%(4N)レベル以上まで容易に精製可能であるため工業的にも低コストで製造可能である。
本発明では、ニオブ化合物を溶解させた液を用い、晶析操作に加え抽出操作を行なう事で、高純度化可能な方法である事が特徴である。
ニオブ化合物として酸化ニオブを用い、フッ酸溶液に溶解させた場合の例では、得られたニオブ水溶液はフッ化ニオブ酸或いはオキシフッ化ニオブ酸であり、この溶液を晶析することによって固液分離を行なう。この晶析工程により同族のタンタルやその他Fe、Ni、Tiなどの金属不純物はほとんど除去される。この時、液相側に不純物が移行し、結晶側が純粋化され、簡便に高純度化させることが出来る。
さらに、晶析工程の後、抽出工程を導入する事によって、酸化ニオブ換算として、4N(99.99%)品以上の製造が可能となる。抽出工程に関しては、1950年頃より溶媒抽出方法の検討が精力的に行なわれ、高純度ニオブや高純度タンタルの製造方法として公知の技術で一般的となっている。この溶媒抽出方法は、中でもFoosらにより(参考文献:Foos,R.A.and Wilhelm,H.A.,U.S.A.E.C.Report ISC−694(1954))十数種に及ぶ有機溶媒を用いて調べられている。特にケトン類が一般的に良好な結果が得られている。本発明でも公知の技術であるケトン類の抽出溶媒を主に用いたが、エステル類、エーテル類、有機リン化合物類、アミン類等を用いて精製可能なことは言うまでもない。
本発明においては、さらにこの抽出工程にて、相比(有機相/水相)を1未満で行なう事によって、有機溶媒の少量化が可能となりコストの低減に繋がる。また、抽出工程にて、一般的には酸性度を調整する為、硫酸を用いるが、本発明では、硫酸を添加せずに行なう事も出来、しかも、次工程での中和工程におけるアルカリ量を少量化することが可能となる。具体的にこの抽出工程では、有機層にタンタルを抽出し、水相には純化したニオブ化合物水溶液が得られる。言うまでも無いが、より高純度ニオブ化合物を得る為には、この抽出工程を繰り返す事によって可能であるが、本発明では、ニオブの同族不純物であるタンタルは、1回の抽出操作で<0.5ppm以下まで低減することが出来る。
この得られたニオブ化合物水溶液を、アルカリ処理を行なう事によって不溶性の水酸化ニオブを生成し、これを焙焼することによって高純度酸化ニオブを製造する事が可能となる。言うまでも無いが、高純度酸化ニオブの製造に限らず、晶析によって得られた水溶性結晶であるフッ化ニオブ酸或いはオキシフッ化ニオブ酸は中間原料として、高純度酸化ニオブ酸リチウム(LiNbO)、高純度フッ化ニオブ酸カリウム(KNbF)や高純度金属ニオブ(Nb)、その他ニオブを含む塩類などの高純度ニオブ化合物の製造が可能である。
なお、タンタルについてもニオブと同様の操作により、精製可能な事は言うまでもない。その中の例として、高純度酸化タンタル(Ta)、高純度酸化タンタル酸リチウム(LiTaO)、高純度フッ化タンタル酸カリウム(KTaF)や高純度金属タンタル(Ta)、その他タンタルを含む塩類などの高純度タンタル化合物の製造が可能となる。
実施例
本発明をさらに具体的に説明するためにフッ酸溶解時の以下実施例を揚げるが、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。
(実施例1)
攪拌器を備えた容量1Lの透明PFA製容器に、75%−HF500gを入れ、金属不純物を含有する酸化ニオブ150gを攪拌しながら約3時間で供給した後、室温で攪拌を行った。その後、不溶分を濾過により除きニオブ元素換算で約300g/Lのニオブフッ酸溶液を調製した。
上記にて調製したニオブフッ酸溶液を攪拌しながら−20℃で2時間晶析させた後、濾過により晶析結晶を取り出した。
実施例1の抽出操作においては、いずれも上記にて得られた晶析後の結晶を使用した。なお、この抽出に使用した結晶の不純物濃度は表1に示した通りである。
抽出操作は、容量1Lの回分式抽出装置に、上記晶析により得られたニオブ結晶40gを加え、更に蒸留水もしくは、1N硫酸水溶液360gを加えた。
次いで、有機溶媒を加えた。有機溶媒としては、メチルイソブチルケトン〔以後MIBKと略す〕もしくは、シクロヘキサノンを用いた。更にシクロヘキサノンについては、用いる量を変化させる事で、有機層/水層〔以後o/wと略す〕比を変化させる事を試みた。すなわち、640g(o/w=1.6)と160g(o/w=0.4)もしくは80g(o/w=0.2)とした。10分間攪拌した後静置し、下層の水溶液層と上層のMIBKもしくは、シクロヘキサノン層を分液し、抽出水405gを得た。
また、同様に上記晶析後のニオブ結晶40gと、1N硫酸水溶液360gを加えた後、トリオクチルホスフィンオキシド結晶80gを加えた後、65℃に加熱し、トリオクチルホスフィンオキシド結晶を溶解させた後、トリオクチルホスフィンオキシド層を分液し、抽出水398gを得た。
さらに上記溶媒を使用した例と比べるため、融解液のみを使用した場合の実験も試みた。すなわち、上記晶析により得られた結晶の融点が19℃である事を利用したものであり、まず、晶析により得られた上記ニオブ結晶40gを30℃で加熱融解させた。
その後、シクロヘキサノン32gを加え、10分間攪拌した後静置し、下層の融解液層と上層のシクロヘキサノン層を分液し、Nb抽出融液42gを得た。
抽出水もしくは抽出融解液に28%−アンモニア水65gを加え、ニオブを水酸化ニオブとして沈殿させた後、濾過にてフッ化アンモニウムなどを除去し、水酸化ニオブを得た。
得られた水酸化ニオブを、電気炉にて1000℃で焼成し酸化ニオブ13.9gを得た。得られた酸化ニオブを誘導結合プラズマ原子発光分析装置(ICP−AES)で分析したところ酸化ニオブに含まれる不純物量は表1の結果であった。
表1より、酸度調整用の硫酸を添加したものと硫酸の替わりに蒸留水を用いた場合も、不純物量の結果は同じであった。しかも一般的にはo/w相率が1以上の条件で抽出を行なうが、1未満の条件においても不純物が同程度低減する事が本発明の特徴である。また、酸度調整用の硫酸においても特に添加する必要性がないことも本発明の特徴である。これにより、アルカリ中和させる時のアルカリ添加量を抑える事ができ、低コスト化へ繋がる。
(比較例1)
晶析操作を行なわず、酸化ニオブをHFに溶解したHF溶解液を原料として用い、抽出操作によって不純物除去効率を分析し、晶析操作との比較を行なった。また、抽出回数依存性に関しても実験を行った。
攪拌器を備えた容量1Lの透明PFA製容器に、50%−HF500gを入れ、酸化ニオブ150gを攪拌しながら約3時間で供給した後、70℃加温還流下で攪拌した。少量の不溶分を濾過により除きニオブ元素換算で300g/L のニオブフッ酸溶液を調製した。なお、この抽出に使用した溶液の不純物濃度は表2に示した通りである。
容量1Lの回分式抽出装置に、上記で合成したニオブフッ酸溶液150gと1N硫酸水溶液を入れ、o/w=0.4となる様にシクロヘキサノンを加え、抽出を行い、10分間混合した後静置し、下層の水溶液層と上層のシクロヘキサノン層を分液し、Nb抽出水溶液を得た。
また同様に、容量1Lの回分式抽出装置に、上記で合成したニオブフッ酸溶液150gを入れ、さらに6N硫酸120gを加えた後、シクロヘキサノン550gを入れ、Nb及びTaを有機層へ抽出した。
さらにこの有機層を1N硫酸水溶液もしくは蒸留水でo/w=0.4もしくは、1となる様に加え、再抽出を行い、10分間混合した後静置し、下層の水溶液層と上層のシクロヘキサノン層を分液し、Nb抽出水溶液を得た。
抽出水に28%−アンモニア水を加え、ニオブを水酸化ニオブとして沈殿させた後、濾過にてフッ化アンモニウムなどを除去し、水酸化ニオブを得た。
得られた水酸化ニオブを、電気炉にて1000℃で焼成し酸化ニオブ25.7gを得た。得られた酸化ニオブを誘導結合プラズマ原子発光分析装置(ICP−AES)で分析したところ酸化ニオブに含まれる不純物量は表2の結果であった。
表2より、抽出回数が一回ではTiやFeなどの不純物が低減されず、2回操作によってTiやFeが低減した。また、一般的に抽出回数を増やす事によって除去効率が良くなるが、抽出を繰り返しても同族の不純物であるTaは、Ta<0.5ppmまでは減少しない結果となった。
(実施例2)
攪拌器を備えた容量1Lの透明PFA製容器に、50%−HF 500gを入れ、金属不純物を含有する酸化タンタル130gを攪拌しながら供給した後、70℃加温還流下で約5時間、攪拌を行った。その後、不溶分を濾過により除きタンタル元素換算で約300g/Lのタンタルフッ酸溶液を調製した。
上記にて調製したタンタルフッ酸溶液を攪拌しながら−20℃で2時間晶析させた後、濾過により晶析結晶を取り出した。
実施例2の抽出操作においては、上記にて得られた晶析後の結晶を使用した。なお、この抽出に使用した結晶の不純物濃度は表3に示した通りである。
抽出操作は、容量1Lの回分式抽出装置に、上記晶析により得られたタンタル結晶40gと、蒸留水360gを加えた後、シクロヘキサノン80g(o/w=0.2)入れ、10分間攪拌した後静置し、下層の水溶液層と上層のシクロヘキサノン層を分液し、シクロヘキサノン層78gを得た。
更にシクロヘキサノン層に28%−アンモニア水65gを加え、タンタルを水酸化タンタルとして沈殿させた後、濾過にてフッ化アンモニウムなどを除去し、水酸化タンタルを得た。
得られた水酸化タンタルを、電気炉にて1000℃で焼成し酸化タンタル12.1gを得た。得られた酸化タンタルを誘導結合プラズマ原子発光分析装置(ICP−AES)で分析したところ酸化タンタルに含まれる不純物量は表3の結果であった。
表3より、タンタルの場合もニオブと同様、溶解工程→1回のみの晶析工程→1回のみの抽出工程で容易に99.99%以上まで精製が可能であった。
よって、本発明の第一工程として晶析操作を行なう事によって効率良く全ての不純物を除去する事が可能であり、その分抽出溶媒への負担を軽減すると共に、抽出溶媒量の使用量の減量化へ導く事が出来る。
Figure 0004326345
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産業上の利用可能性
本発明によって、精製の対象となるニオブ化合物としてはニオブ含有鉱物または市販の工業用ニオブ化合物等などが使用可能であるが、好ましくは99%程度のニオブ化合物を用いる事によって、99.99%(4N)レベル以上まで容易に精製可能であるため工業的にも低コストで製造可能である。
本発明で得られた、晶析工程後に得られるニオブ化合物結晶、或いは、ニオブ化合物を用いる事によって、種々の高純度ニオブ化合物の中間原料となることは言うまでもない。これらの方法で得られた高純度ニオブ化合物を使用することによって高品位の電子材料や光学材料など各分野の高機能材料として製造可能となる。
また、本発明の特徴として簡便にニオブ化合物の精製を行なう事が出来る。大きく分けて、▲1▼溶解工程、▲2▼晶析工程、▲3▼抽出工程(少なくとも1回)、の3工程によって高純度化させることを特徴とする精製方法である。特に、不純物除去工程の一次処理として晶析工程を採用する事によって、工業的にも簡便に行なう事が可能である精製化技術が特徴である。また、抽出工程においても有機溶媒の少量化及び酸性度調整用の硫酸添加廃止によるアルカリ中和量低減する事によって溶媒抽出方法の省力化並びに次工程での負荷を低減する事が特徴である。
なお、タンタルについても同様の操作により得られることは言うまでも無い。

Claims (10)

  1. 少なくとも、タンタルを不純物として含むニオブ化合物の溶解液からフッ化ニオブ酸若しくはオキシフルオロニオブ酸からなる結晶を晶析により生成する工程と、前記結晶を水又は硫酸水溶液に溶解することにより水溶液を生成する工程と、前記水溶液に有機溶媒を加えて、水相に高純度のニオブ化合物を抽出する工程とからなることを特徴とする高純度ニオブ化合物の精製方法。
  2. 前記ニオブ化合物はニオブ酸化物であることを特徴とする請求項1記載の高純度ニオブ化合物の精製方法。
  3. 前記水溶液に酸性度調整用の溶液を添加することを特徴とする請求項1又は2のいずれか1項記載の高純度ニオブ化合物の精製方法。
  4. 前記水溶液に酸性度調整用の溶液を添加しないことを特徴とする請求項1又は2のいずれか1項記載の高純度ニオブ化合物の精製方法。
  5. (有機相/水相)が1未満であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項記載の高純度ニオブ化合物の精製方法。
  6. 少なくとも、ニオブを不純物として含むタンタル化合物の溶解液であるタンタルフッ酸溶液から晶析により結晶を生成する工程と、前記結晶を水又は硫酸水溶液に溶解することにより水溶液を生成する工程と、前記水溶液に有機溶媒を加えて、有機相に高純度のタンタル化合物を抽出する工程とからなることを特徴とする高純度タンタル化合物の精製方法。
  7. 前記タンタル化合物はタンタル酸化物であることを特徴とする請求項6記載の高純度タンタル化合物の精製方法。
  8. 前記水溶液に酸性度調整用の溶液を添加することを特徴とする請求項6又は7のいずれか1項記載の高純度タンタル化合物の精製方法。
  9. 前記水溶液に酸性度調整用の溶液を添加しないことを特徴とする請求項6又は7のいずれか1項記載の高純度タンタル化合物の精製方法。
  10. (有機相/水相)が1未満であることを特徴とする請求項6乃至9のいずれか1項記載の高純度タンタル化合物の精製方法。
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