JP7347083B2 - 高純度酸化スカンジウムの製造方法 - Google Patents
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Description
本実施の形態に係る酸化スカンジウムの製造方法は、スカンジウムを含有する溶液にシュウ酸を用いてシュウ酸化処理を施し、得られるシュウ酸スカンジウムの結晶から酸化スカンジウムを得る方法である。
図1は、酸化スカンジウムの製造方法の流れの一例を示す工程図である。
シュウ酸化工程S11は、スカンジウム含有溶液に対してシュウ酸化処理を施す工程である。具体的に、シュウ酸化工程S11では、スカンジウム含有溶液に対してシュウ酸を用いてスカンジウムをシュウ酸塩(シュウ酸スカンジウム)とする反応を生じさせる。
第1焼成工程S12は、シュウ酸化工程S11で得られたシュウ酸スカンジウムの結晶に対して所定の温度で焼成する工程である。このような所定の温度での焼成処理により、焼成物であるスカンジウム化合物を得ることができる。
減量率(%)=(1-焼成後物量/焼成前物量)×100 ・・・[1]
第1溶解工程S13は、第1焼成工程S12での焼成処理により得られる焼成物である、易溶性のスカンジウム化合物を、鉱酸に全溶解させて溶解液を得る工程である。
中和工程S14は、第1溶解工程S13を経て得られる、スカンジウムを含む溶解液に対して中和処理を施す工程である。このような中和処理を施すことによって、水酸化スカンジウムを中和澱物として得るとともに、特にスカンジウムよりも塩基性が高い成分であるニッケルは沈澱しにくいため中和濾液に残留するようになる。これにより、得られた中和スラリーを固液分離することで、中和澱物、すなわち不純物を分離したスカンジウムの水酸化物を回収することができる。
第2溶解工程S15は、上述した中和工程S14における中和処理を経て回収された水酸化スカンジウムを主成分とする中和澱物に対して硫酸を添加することによって溶解し、再溶解液となる水酸化物溶解液を得る工程である。
抽出工程S16は、第2溶解工程S15を経て得られる溶解液を用い、その溶解液中の不純物元素を、抽出剤を用いた抽出処理により除去する工程である。抽出工程S16における抽出処理では、溶解液中の不純物元素が抽出剤により抽出され、一方で、スカンジウムは抽出されずに抽出残液(抽出後液)に移行するようになる。このような抽出処理により、スカンジウムと不純物元素とを効果的に分離することができ、以後の工程を経て得られる酸化スカンジウムの純度を向上させることができる。
再シュウ酸化工程S17は、抽出工程S16を経て得られる、スカンジウムを含む抽出残液を用い、再度、シュウ酸化処理を施すことで、シュウ酸スカンジウムの結晶の再沈澱物を得る工程である。
第2焼成工程S18は、再シュウ酸化工程S17で得られたシュウ酸スカンジウムの再沈澱物を所定の温度で焼成する工程である。すなわち、第2焼成工程S18では、再シュウ酸化工程S17で得られたシュウ酸スカンジウムの結晶を焼成する2回目の焼成処理を行い、この焼成処理により酸化スカンジウムを得る。
<スカンジウム含有溶液の生成>
(ニッケル酸化鉱石の湿式製錬プロセス)
オートクレーブを用いてニッケル酸化鉱石を硫酸で浸出し、得られた浸出液に消石灰を添加して中和した。次いで、得られた中和後液に硫化剤を添加して硫化反応を生じさせ、ニッケルやコバルト等を硫化物として分離し、スカンジウムを含有する硫化後液を得た。
次に、得られた硫化後液に対してキレート樹脂を用いたイオン交換処理に付し、溶液中の不純物を分離するとともに、キレート樹脂から溶離したスカンジウムを含む溶離液(スカンジウム溶離液)を得た。その後、スカンジウム溶離液に対して中和剤を添加して、水酸化スカンジウムの沈澱物を生成させた。
次に、水酸化スカンジウムの沈澱物に硫酸を添加して再度溶解して溶解液(スカンジウム溶解液)とし、このスカンジウム溶解液に対してアミン系抽出剤を用いた溶媒抽出処理に付し、抽出残液として硫酸スカンジウム溶液(スカンジウム含有溶液)を得た。
得られた硫酸スカンジウム溶液(スカンジウム含有溶液)を、スカンジウム濃度が5g/L程度となるまで水を加えて希釈し、硫酸でpHが0になるように調整した。そして、調整後の溶液をシュウ酸化始液とし、合計65リットルを準備した。
次に、シュウ酸スカンジウム結晶から500gを分取し、これを炉に入れて400℃の温度で2時間かけて焼成し、約215gの焼成物を得た。下記表2に、焼成条件、焼成前の試料(シュウ酸スカンジウム)及び焼成後の試料(酸化スカンジウム)の重量、その重量から算出した減量率を示す。また、下記表3に、焼成して得られた酸化スカンジウムの分析結果を示す。下記表3に示すように、特に、ニッケル、鉄、トリウムが不純物として含まれていた。
次に、焼成温度400℃で焼成して得られた焼成物80gを採取し、それに純水を加えて混合しながら硫酸を添加してpHを1.0に調整した。この操作により、25g/Lのスカンジウム濃度の溶解液を得た。
次に、第1溶解工程を経て得られた溶解液400mlに、中和剤として4mol/Lの水酸化ナトリウム溶液を添加し、溶液のpHが6.0となるように調整する中和処理を行った。この中和処理により、水酸化スカンジウムの沈澱物(中和澱物)が生成した。中和処理後、固液分離を行うことにより、その沈澱物を回収した。
次に、中和工程を経て得られた水酸化物210g(水分率約90%)を採取し、それに純水を加えて混合しながら硫酸を添加して溶解し、pHを1.0に調整した。この操作により、スカンジウム濃度が25g/Lである溶解液を得た。
抽出剤としてPrimeneJM-T25mlに希釈剤であるスワゾール1800を475ml加えて調製した有機溶媒を準備した。そして、有機溶媒500mlと希釈後の溶解液500mlとを30分間混合して接触させた。この抽出処理を行うことにより、抽出処理前に溶液中に1.7mg/Lの割合で存在していた不純物のThが、抽出処理後に得られた抽出残液では0.1mg/L未満に低減していた。
次に、抽出工程を経て得られた抽出残液475mlに、シュウ酸濃度が100g/Lの溶液(シュウ酸溶液)385mlを添加し、1時間混合してシュウ酸化処理を行った。なお、抽出残液の液温(反応温度)を25℃とし、滞留時間を5時間、添加時間を4時間とする条件とした。
次に、洗浄後のシュウ酸スカンジウムの結晶を炉に入れて2回目の焼成を、焼成温度900℃で2時間かけて行い、酸化スカンジウムを生成させた。そして、炉から取り出した酸化スカンジウムを分析した。
中和工程において、中和剤として4mol/Lの水酸化ナトリウム溶液を添加し、溶液のpHが6.5となるように調整したこと以外は、実施例1と同様の方法で酸化スカンジウムを製造した。
中和工程において、中和剤として4mol/Lの水酸化ナトリウム溶液を添加し、溶液のpHが7.0となるように調整したこと以外は、実施例1と同様の方法で酸化スカンジウムを生成した。
第1溶解工程で得られた溶解液を、溶液中のSO4濃度が0.35g/Lとなるように純水で希釈し、希釈後のスカンジウム濃度が10g/Lの溶液をそのまま抽出工程における抽出処理に付し、中和工程を省略したこと以外は、実施例1と同様の方法で酸化スカンジウムを生成した。
Claims (5)
- スカンジウムを含有するとともにニッケルを不純物元素として含有する溶液にシュウ酸を用いてシュウ酸化処理を施し、得られるシュウ酸スカンジウムの結晶を400℃以上800℃以下の温度で焼成する第1焼成工程と、
焼成して得られる酸易溶性のスカンジウム化合物を鉱酸に溶解させ溶解液を得る第1溶解工程と、
前記第1溶解工程を経て得られる前記溶解液に中和剤を添加して中和処理を施し、水酸化スカンジウムを生成させる中和工程と、
前記水酸化スカンジウムを硫酸に溶解させて溶解液を得る第2溶解工程と、
前記第2溶解工程で得られる溶解液と抽出剤とを接触させ不純物元素を抽出させる抽出工程と、
前記抽出工程を経て得られる抽出残液にシュウ酸を添加してシュウ酸化処理を施し、シュウ酸スカンジウムを生成させる再シュウ酸化工程と、
前記シュウ酸スカンジウムを焼成して、不純物元素であるニッケルの品位が2ppm以下である酸化スカンジウムを得る第2焼成工程と、
を有する、高純度酸化スカンジウムの製造方法。 - 前記中和工程では、前記溶解液のpHを5.5~6.8の範囲に調整する、
請求項1に記載の高純度酸化スカンジウムの製造方法。 - 前記再シュウ酸化工程では、前記抽出残液の温度を20℃以上100℃未満に調整してシュウ酸化処理を施す、
請求項1又は2に記載の高純度酸化スカンジウムの製造方法。 - 前記抽出工程にて使用する抽出剤は、アルキルアミン系抽出剤又はアルキルアミン系抽出剤を希釈剤で希釈した抽出剤である、
請求項1乃至3のいずれかに記載の高純度酸化スカンジウムの製造方法。 - 前記抽出工程において、前記抽出剤と接触させる前記溶解液に含まれるSO4成分の濃度が0.1mol/L~2.0mol/Lである
請求項1乃至4のいずれかに記載の高純度酸化スカンジウムの製造方法。
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