JP6096849B2 - ポリウレタン樹脂水性分散体 - Google Patents
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Description
尚、本発明における高分子ポリオール(a1)のMnの測定は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーにより、例えば以下の条件で測定することができる。
装置:「Waters Alliance 2695」[Waters社製]
カラム:「Guardcolumn Super H−L」(1本)、「TSKgel SuperH2000、TSKgel SuperH3000、TSKgel SuperH4000(いずれも東ソー株式会社製)を各1本連結したもの」
試料溶液:0.25重量%のテトラヒドロフラン溶液
溶液注入量:10μl
流量:0.6ml/分
測定温度:40℃
検出装置:屈折率検出器
基準物質:標準ポリスチレン
ポリウレタン樹脂(P)中、エステル基としてオキシカルボニル基が存在するのは、13C NMRで170ppm付近にオキシカルボニル基由来のピークが検出できることから確認できる。また、エステル基としてカーボネート基が存在するのは、13C NMRで155ppm付近にカーボネート基由来のピークが検出できることから確認できる。
尚、塩の場合の親水性基の重量は、後述の中和剤により塩が形成される前の親水性基の重量、例えばカルボキシル基の塩の場合はカルボキシル基の重量、スルホン酸基の塩の場合はスルホ基の重量を意味する。
これらの内、ポリウレタン樹脂(P)の臭気等の観点から好ましいのは炭酸及び燐酸である。
<ウレタン基濃度及びウレア基濃度の測定方法>
ポリウレタン樹脂のウレタン基濃度及びウレア基濃度は、窒素分析計[ANTEK7000(アンテック社製)]によって定量される窒素原子含有量と1H−NMRによって定量されるウレタン基とウレア基の比率から算出する。1H−NMR測定については、「NMRによるポリウレタン樹脂の構造研究:武田研究所報34(2)、224−323(1975)」に記載の方法で行う。即ち1H−NMRを測定して、脂肪族を使用した場合、化学シフト6ppm付近のウレア基由来の水素の積分量と化学シフト7ppm付近のウレタン基由来の水素の積分量の比率からウレア基とウレタン基の重量比を測定し、当該重量比と上記の窒素原子含有量からウレタン基濃度及びウレア基濃度を算出する。芳香族イソシアネートを使用した場合、化学シフト8ppm付近のウレア基由来の水素の積分量と化学シフト9ppm付近のウレタン基由来の水素の積分量の比率からウレア基とウレタン基の重量比を算出し、当該重量比と上記の窒素原子含量からウレタン基濃度及びウレア基濃度を算出する。
撹拌機及び加熱装置を備えた反応容器に、Mnが2,000のポリカーボネートジオール[宇部興産(株)製「ETERNACOLL UH−200」]500部、Mnが2,000のポリカプロラクトンジオール[ダイセル(株)製「PLACCEL 220」]500部、触媒として酸化ジブチルスズ0.1部を仕込み、窒素雰囲気化で220℃に加熱し、10時間エステル交換反応を行いMnが2,000のエステル基としてカーボネート基とオキシカルボニル基を有するポリエステルポリオール(a113−1)を得た。
Mnが2,000のポリカーボネートジオール[宇部興産(株)製「ETERNACOLL UH−200」]の仕込み量を600部に、Mnが2,000のポリカプロラクトンジオール[ダイセル(株)製「PLACCEL 220」]の仕込み量を400部に変更する以外は製造例1と同様にしてエステル基としてカーボネート基とオキシカルボニル基を有するポリエステルポリオール(a113−2)を得た。
Mnが2,000のポリカーボネートジオール[宇部興産(株)製「ETERNACOLL UH−200」]の仕込み量を400部に、Mnが2,000のポリカプロラクトンジオール[ダイセル(株)製「PLACCEL 220」]の仕込み量を600部に変更する以外は製造例1と同様にしてエステル基としてカーボネート基とオキシカルボニル基を有するポリエステルポリオール(a113−3)を得た。
Mnが2,000のポリカーボネートジオール[宇部興産(株)製「ETERNACOLL UH−200」]をMnが2,000のポリカーボネートジオール[旭化成ケミカルズ(株)製「デュラノール T5652」]に変更する以外は製造例1と同様にしてエステル基としてカーボネート基とオキシカルボニル基を有するポリエステルポリオール(a113−4)を得た。
撹拌機及び加熱装置を備えた簡易加圧反応装置に、製造例1で得たポリエステルポリオール(a113−1)219部、Mnが2,000のポリカーボネートジオール[旭化成ケミカルズ(株)製「デュラノール T5652」]73部、エチレングリコール3.1部、2,2−ジメチロールプロピオン酸7.6部、4,4’−MDI 95部及びメチルエチルケトン214部を仕込んだ。続いて乾燥窒素雰囲気下で65℃に加熱し、10時間ウレタン化反応を行い、イソシアネート基を有するウレタンプレポリマーを製造した。反応溶液を30℃に冷却後、ヒンダードフェノール系酸化防止剤[BASF(株)製「IRGANOX 1010」]3.3部、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤[BASF(株)製「TINUVIN 571」]3.3部、ヒンダードアミン系光安定剤[BASF(株)製「TINUVIN 144」]6.0部、トリエチルアミン5.7部及びメチルエチルケトン272部を添加・混合し、更にスチレン(5モル)化クミルフェノールのEO25モル付加物40部を水160部に溶解させた水溶液を加え、回転子−固定子式方式の機械乳化機で乳化し、更に水358部を加え回転子−固定子式方式の機械乳化機で混合することで水性分散体を得た。得られた水性分散体に撹拌下、水63部及びアセトン32部の混合溶液に4,4’−ジフェニルメタンジアミン4.7部を溶解した溶液を加え、50℃で5時間撹拌して鎖伸長反応を行った。その後、減圧下に70℃でメチルエチルケトン及びアセトンを留去し、ポリウレタン樹脂水性分散体(U−1)を得た。
撹拌機及び加熱装置を備えた簡易加圧反応装置に、製造例2で得たポリエステルポリオール(a113−2)329部、エチレングリコール1.0部、2,2−ジメチロールブタン酸7.9部、4,4’−MDI 91部及びメチルエチルケトン286部を仕込んだ。続いて乾燥窒素雰囲気下で65℃に加熱し、10時間ウレタン化反応を行い、イソシアネート基を有するウレタンプレポリマーを製造した。反応溶液を30℃に冷却後、ヒンダードフェノール系酸化防止剤[BASF(株)製「IRGANOX 1010」]0.9部、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤[BASF(株)製「TINUVIN 571」]1.4部、ヒンダードアミン系光安定剤[BASF(株)製「TINUVIN 144」]1.8部、メチルエチルケトン143部及びトリエチルアミン5.4部を添加・混合し、撹拌しながらスチレン(5モル)化クミルフェノールのEO25モル付加物51部を水206部に溶解させた水溶液を5分間かけて加え、次いで水304部を5分間かけて加え乳化することで水性分散体を得た。50℃で5時間撹拌して鎖伸長反応を行った。その後、減圧下に70℃でメチルエチルケトンを留去し、ポリウレタン樹脂水性分散体(U−2)を得た。
撹拌機及び加熱装置を備えた簡易加圧反応装置に、製造例3で得たポリエステルポリオール(a113−3)266部、1,4−ブタンジオール2.5部、2,2−ジメチロールブタン酸8.8部、HDI 55部及びアセトン222部を仕込んだ。続いて乾燥窒素雰囲気下で75℃に加熱し、10時間ウレタン化反応を行い、イソシアネート基を有するウレタンプレポリマーを製造した。反応溶液を40℃に冷却後、ヒンダードフェノール系酸化防止剤[BASF(株)製「IRGANOX 1010」]3.3部、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤[BASF(株)製「TINUVIN 571」]3.3部、ヒンダードアミン系光安定剤[BASF(株)製「TINUVIN 144」]6.0部、アセトン278部、ヘキサデシルアルコールのEO14モル付加物6.9部及びトリエチルアミン3.9部を添加・混合し、更に水550部を加え回転子−固定子式方式の機械乳化機で乳化することで水性分散体を得た。得られた水性分散体に撹拌下、水98部にエチレンジアミン2.8部を溶解した水溶液を加え、50℃で5時間撹拌して鎖伸長反応を行った。その後、減圧下に65℃でアセトンを留去し、カルボジイミド系架橋剤[日清紡績株式会社製「カルボジライトE−04」]19部を添加・混合しポリウレタン樹脂水性分散体(U−3)を得た。
撹拌機及び加熱装置を備えた簡易加圧反応装置に、製造例4で得たポリエステルポリオール(a113−4)276部、2,2−ジメチロールプロピオン酸6.4部、2,4−トリレンジイソシアネートと2,6−トリレンジイソシアネートの混合物[日本ポリウレタン工業(株)製「コロネートT−80」]50部及びメチルエチルケトン222部を仕込んだ。続いて乾燥窒素雰囲気下で65℃に加熱し、10時間ウレタン化反応を行い、イソシアネート基を有するウレタンプレポリマーを製造した。反応溶液を30℃に冷却後、ヒンダードフェノール系酸化防止剤[BASF(株)製「IRGANOX 1010」]3.3部、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤[BASF(株)製「TINUVIN 571」]3.3部、ヒンダードアミン系光安定剤[BASF(株)製「TINUVIN 144」]6.0部、メチルエチルケトン111部及びトリエチルアミン8.3部を添加・混合し、撹拌しながらスチレン(5モル)化クミルフェノールのEO25モル付加物27部を水108部に溶解させた水溶液を5分間かけて加え、次いで水400部を5分間かけて加え乳化することで水性分散体を得た。その後、50℃で5時間撹拌して鎖伸長反応を行い、減圧下に70℃でメチルエチルケトンを留去し、カルボジイミド系架橋剤[日清紡績株式会社製「カルボジライトE−04」]5.0部を添加・混合しポリウレタン樹脂水性分散体(U−4)を得た。
撹拌機及び加熱装置を備えた簡易加圧反応装置に、製造例1で得たポリエステルポリオール(a113−1)290部、エチレングリコール1.4部、2,2−ジメチロールプロピオン酸11.4部、4,4’−MDI 95部及びメチルエチルケトン170部を仕込んだ。続いて乾燥窒素雰囲気下で65℃に加熱し、10時間ウレタン化反応を行い、イソシアネート基を有するウレタンプレポリマーを製造した。反応溶液を30℃に冷却後、ヒンダードフェノール系酸化防止剤[BASF(株)製「IRGANOX 1010」]3.3部、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤[BASF(株)製「TINUVIN 571」]3.3部、ヒンダードアミン系光安定剤[BASF(株)製「TINUVIN 144」]6.0部、メチルエチルケトン430部及びトリエチルアミン5.8部を添加・混合し、撹拌しながらスチレン(5モル)化クミルフェノールのEO25モル付加物20部及び4,4’−ジフェニルメタンジアミン4.8部を水180部及びメチルエチルケトン18部の混合溶媒に溶解させた溶液を5分間かけて加え、次いで水250部を5分間かけて加え乳化することで水性分散体を得た。その後、50℃で5時間撹拌して鎖伸長反応を行い、減圧下に70℃でメチルエチルケトンを留去し、ポリウレタン樹脂水性分散体(U−5)を得た。
撹拌機及び加熱装置を備えた簡易加圧反応装置に、製造例1で得たポリエステルポリオール(a113−1)290部、Mnが2,000のポリカーボネートジオール[(株)クラレ製「クラレポリオール C−3090」]100部、エチレングリコール0.3部、2,2−ジメチロールプロピオン酸5.9部、4,4’−MDI 72部及びメチルエチルケトン214部を仕込んだ。続いて乾燥窒素雰囲気下で65℃に加熱し、10時間ウレタン化反応を行い、イソシアネート基を有するウレタンプレポリマーを製造した。反応溶液を30℃に冷却後、ヒンダードフェノール系酸化防止剤[BASF(株)製「IRGANOX 1010」]3.3部、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤[BASF(株)製「TINUVIN 571」]3.3部、ヒンダードアミン系光安定剤[BASF(株)製「TINUVIN 144」]6.0部、トリエチルアミン4.5部及びメチルエチルケトン272部を添加・混合し、更にスチレン(5モル)化クミルフェノールのEO25モル付加物40部を水160部に溶解させた水溶液を加え、回転子−固定子式方式の機械乳化機で乳化し、更に水358部を加え回転子−固定子式方式の機械乳化機で混合することで水性分散体を得た。得られた水性分散体に撹拌下、水63部及びアセトン32部の混合溶液に4,4’−ジフェニルメタンジアミン5.2部を溶解した溶液を加え、50℃で5時間撹拌して鎖伸長反応を行った。その後、減圧下に70℃でメチルエチルケトン及びアセトンを留去し、ポリウレタン樹脂水性分散体(U−6)を得た。
撹拌機及び加熱装置を備えた反応容器に、Mnが2,000のエステル基としてカーボネート基のみを有するポリカーボネートジオール[旭化成ケミカルズ(株)製「デュラノール T6002」]301部、エチレングリコール3.3部、2,2−ジメチロールプロピオン酸7.6部、IPDI 86部を仕込み、及びアセトン214部を仕込んだ。続いて乾燥窒素雰囲気下で90℃に加熱し、15時間ウレタン化反応を行い、イソシアネート基を有するウレタンプレポリマーを製造した。反応溶液を40℃に冷却後、ヒンダードフェノール系酸化防止剤[BASF(株)製「IRGANOX 1010」]3.3部、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤[BASF(株)製「TINUVIN 571」]3.3部、ヒンダードアミン系光安定剤[BASF(株)製「TINUVIN 144」]6.0部、ヘキサデシルアルコールのEO14モル付加物4.0部及びトリエチルアミン5.7部を添加・混合し、更に水550部を加え回転子−固定子式方式の機械乳化機で乳化することで水性分散体を得た。得られた水性分散体に撹拌下、水45部にエチレンジアミン1.5部を溶解した水溶液を加え、50℃で5時間撹拌して鎖伸長反応を行った。その後、減圧下に65℃でアセトンを留去し、ポリウレタン樹脂水性分散体(U’−1)を得た。
ポリカーボネートジオール[旭化成ケミカルズ(株)製「デュラノール T6002」]をMnが2,000のエステル基としてオキシカルボニル基のみを有するポリエステルポリオール[三洋化成工業(株)製「サンエスター24620」]に変更する以外は比較例1と同様にしてポリウレタン樹脂水性分散体(U’−2)を得た。
ポリカーボネートジオール[旭化成ケミカルズ(株)製「デュラノール T6002」]をMnが2,000のポリテトラメチレングリコール[三菱化学(株)製「PTMG2000」]に変更する以外は比較例1と同様にしてポリウレタン樹脂水性分散体(U’−3)を得た。
撹拌機及び加熱装置を備えた簡易加圧反応装置に、製造例1で得たポリエステルポリオール(a113−1)251部、1−4ブタンジオール12部、2,2−ジメチロールブタン酸13部、IPDI 122部及びアセトン170部を仕込んだ。続いて乾燥窒素雰囲気下で90℃に加熱し、15時間ウレタン化反応を行い、イソシアネート基を有するウレタンプレポリマーを製造した。反応溶液を40℃に冷却後、ヒンダードフェノール系酸化防止剤[BASF(株)製「IRGANOX 1010」]3.3部、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤[BASF(株)製「TINUVIN 571」]3.3部、ヒンダードアミン系光安定剤[BASF(株)製「TINUVIN 144」]6.0部、アセトン227部及びトリエチルアミン5.8部を添加・混合し、撹拌しながらヘキサデシルアルコールのEO14モル付加物4.0部を水306部に溶解させた水溶液を60分間かけて加え、乳化することで水性分散体を得た。その後、水120部にエチレンジアミン4.3部を溶解した水溶液を加え、50℃で5時間撹拌して鎖伸長反応を行い、減圧下に65℃でアセトンを留去し、ポリウレタン樹脂水性分散体(U’−4)を得た。
撹拌機及び加熱装置を備えた簡易加圧反応装置に、製造例1で得たポリエステルポリオール(a113−1)334部、2,2−ジメチロールプロピオン酸4.3部、IPDI 59部及びアセトン170部を仕込んだ。続いて乾燥窒素雰囲気下で90℃に加熱し、15時間ウレタン化反応を行い、イソシアネート基を有するウレタンプレポリマーを製造した。反応溶液を40℃に冷却後、ヒンダードフェノール系酸化防止剤[BASF(株)製「IRGANOX 1010」]3.3部、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤[BASF(株)製「TINUVIN 571」]3.3部、ヒンダードアミン系光安定剤[BASF(株)製「TINUVIN 144」]6.0部、アセトン426部及びトリエチルアミン3.2部を添加・混合し、撹拌しながらヘキサデシルアルコールのEO14モル付加物40部を水426部に溶解させた水溶液を120分間かけて加え、乳化することで水性分散体を得た。その後、50℃で5時間撹拌して鎖伸長反応を行い、減圧下に65℃でアセトンを留去し、ポリウレタン樹脂水性分散体(U’−5)を得た。
撹拌機及び加熱装置を備えた簡易加圧反応装置に、製造例1で得たポリエステルポリオール(a113−1)240部、1−4ブタンジオール2部、2,2−ジメチロールブタン酸13部、IPDI85部及びアセトン170部を仕込んだ。続いて乾燥窒素雰囲気下で90℃に加熱し、15時間ウレタン化反応を行い、イソシアネート基を有するウレタンプレポリマーを製造した。反応溶液を40℃に冷却後、ヒンダードフェノール系酸化防止剤[BASF(株)製「IRGANOX 1010」]3.3部、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤[BASF(株)製「TINUVIN 571」]3.3部、ヒンダードアミン系光安定剤[BASF(株)製「TINUVIN 144」]6.0部及びトリエチルアミン5.8部を添加・混合し、撹拌しながらヘキサデシルアルコールのEO14モル付加物4.0部を水200部に溶解させた水溶液を60分間かけて加え、乳化することで水性分散体を得た。その後、水226部にエチレンジアミン4.3部を溶解した水溶液を加え、50℃で5時間撹拌して鎖伸長反応を行い、減圧下に65℃でアセトンを留去し、ポリウレタン樹脂水性分散体(U’−6)を得た。
実施例3〜4、参考例1〜2,5〜6及び比較例1〜6で得られたポリウレタン樹脂水性分散体(U−1)〜(U−6)及び(U’−1)〜(U’−6)を各々水で固形分濃度12%に調整し、ポリエステル織物上に約150μm厚さに塗布し、100℃で20分間乾燥し、ポリウレタン樹脂目付量12g/m2(固形分)の合成皮革様シートを得た。得られた合成皮革様シートを使って、下記評価方法に従って柔軟性、反発弾性、耐候性及び耐加水分解性を評価した結果を表3に示す。
実施例3〜4、参考例1〜2,5〜6及び比較例1〜6のポリウレタン樹脂水性分散体(U−1)〜(U−6)及び(U’−1)〜(U’−6)各々100部に10%塩化カルシウム水溶液を12部加え、水で固形分濃度を12%に調整した分散液に重量380g/m2、見掛密度0.18g/cm2のポリエチレンテレフタレート短繊維不織布を含浸し、ポリウレタン樹脂の付着率が不織布重量に対して50重量%となるようにマングルで絞った後、100℃の飽和水蒸気中で3分感熱凝固させ、更に120℃の熱風乾燥機で10分乾燥後水洗し、再度100℃の熱風乾燥機で10分乾燥することにより人工皮革様シートを得た。得られた人工皮革様シートを使って、下記評価方法に従って柔軟性、反発弾性及び耐候性を評価した結果を表4に示す。
実施例3〜4、参考例1〜2,5〜6及び比較例1〜6で得られたポリウレタン樹脂水性分散体(U−1)〜(U−6)及び(U’−1)〜(U’−6)各々100部に対して、粘弾性調整剤[「SNシックナー618」サンノプコ(株)製]8.9部、シリコン系消泡剤[「SNデフォーマー777」サンノプコ(株)製]0.9部、水35部、酸化チタン44.6部及び顔料[「NL レッド FR3R−D」山宋実業(株)社製]18.9部を混合して、顔料捺染糊(Y−1)を得た。顔料捺染糊を綿金巾の型の上に縦2cm×横10cmで膜厚が0.2mmとなるようにバーコーターを用いて塗布した。これを140℃に温調されたテンターで5分乾燥することにより顔料捺染された繊維布を得た。得られた顔料捺染された繊維布を使って、下記評価方法に従って柔軟性、反発弾性及び耐候性を試験した結果を表5に示す。
[柔軟性]
評価例で製造した合成皮革様シート、人工皮革様シート又は顔料捺染された繊維布の柔軟性を手触りにより、以下の基準で評価した。
判定基準:
○:柔らかい。
×:硬い。
評価例で製造した合成皮革様シート、人工皮革様シート又は顔料捺染された繊維布の反発弾性を手触りにより、以下の基準で評価した。
判定基準:
○:反発弾性がある。
×:反発弾性がない。
評価例で製造した合成皮革様シート、人工皮革様シート又は顔料捺染された繊維布について、JIS B 7751に準拠してブラックパネル温度83℃のフェードメーター内で100時間耐候性試験を行った後、柔軟性を手触りにより評価して耐候試験前の柔軟性と比較して以下の基準により評価した。
判定基準:
○:変化がない。
△:耐候試験後に硬くなる又はタックが出る。
×:耐候試験後に非常に硬くなる又は非常にタックが出る。
評価例で製造した合成皮革様シート、人工皮革様シート又は顔料捺染された繊維布について、恒温恒湿器(ESPEC社製、温度:70℃、相対湿度:95%R.H.)内の高温高湿条件下に1週間静置した後、反発弾性を手触りにより評価して耐加水分解性試験前の反発感と比較して以下の基準により評価した。
判定基準:
○:変化がない。
△:耐加水分解性試験後に反発感がなくなる。
×:耐加水分解性試験後に非常に反発感がなくなる。
Claims (11)
- ポリエステルポリオールと有機ポリイソシアネートを反応させて得られるポリウレタン樹脂であって、上記ポリエステルポリオール中のエステル基としてオキシカルボニル基とカーボネート基を有し、上記ポリウレタン樹脂中のウレタン基濃度とウレア基含濃度の合計値が7.0〜11.0重量%であるポリウレタン樹脂(P)及び水性媒体を含有するポリウレタン樹脂水性分散体であって、前記ポリウレタン樹脂(P)がカルボキシル基、水酸基、1級アミノ基及び2級アミノ基からなる群から選ばれる少なくとも1種の反応性基を有し、イソシアネート化合物(c1)、ブロックイソシアネート化合物(c2)、メラミン化合物(c3)、オキサゾリン化合物(c4)、カルボジイミド化合物(c5)、アジリジン化合物(c6)、エポキシ化合物(c7)及びヒドラジン化合物(c8)からなる群から選ばれる少なくとも1種の架橋剤であって前記ポリウレタン樹脂(P)が有する反応性基と反応性を有する架橋剤を含有するポリウレタン樹脂水性分散体(U)。
- 以下の(1)〜(3)を全て満足する請求項1に記載のポリウレタン樹脂水性分散体(U):
(1)前記ポリウレタン樹脂(P)が、エステル基としてオキシカルボニル基とカーボネート基とを有する数平均分子量が500以上のポリエステルポリオール(a113)及び親水性基(f)と該親水性基(f)由来の活性水素を除く活性水素(g)を有する化合物(a2)を含む活性水素成分(A)と有機ポリイソシアネート成分(B)とを反応させて得られる;
(2)前記ポリウレタン樹脂水性分散体(U)を乾燥させた皮膜の20℃における貯蔵弾性率E’が1〜70MPa、かつ、tanδが0.05〜0.30である;
(3)前記ポリウレタン樹脂水性分散体(U)を乾燥させた皮膜の熱軟化点が200〜300℃である。 - 前記ポリエステルポリオール(a113)のオキシカルボニル基とカーボネート基の数の比が、5:95〜95:5である請求項2に記載のポリウレタン樹脂水性分散体。
- 前記ポリウレタン樹脂(P)におけるウレア基濃度が、1.0〜4.0重量%である請求項1〜3のいずれか1項に記載のポリウレタン樹脂水性分散体。
- 前記親水性基(f)と該親水性基(f)由来の活性水素を除く活性水素(g)を有する化合物(a2)の親水性基が、アニオン性基である請求項2〜4のいずれか1項に記載のポリウレタン樹脂水性分散体。
- 前記アニオン性基の量が前記ポリウレタン樹脂(P)の重量に基づいて0.01〜5重量%であり、前記アニオン性基がカルボン酸(塩)基及び/又はスルホン酸(塩)基である請求項5記載のポリウレタン樹脂水性分散体。
- 前記有機ポリイソシアネート成分(B)が、炭素数8〜26の芳香族ポリイソシアネート(b1)、炭素数4〜22の脂肪族ポリイソシアネート(b2)及び炭素数8〜18の脂環式ポリイソシアネート(b3)からなる群から選ばれる少なくとも1種のポリイソシアネートである請求項2〜6のいずれか1項に記載のポリウレタン樹脂水性分散体。
- 前記活性水素成分(A)が、更に融点が20℃以下の非晶性ポリカーボネートポリオールを含有する請求項2〜7のいずれか1項に記載のポリウレタン樹脂水性分散体。
- 更に、非イオン性界面活性剤(d1)を含有する請求項1〜8のいずれか1項に記載のポリウレタン樹脂水性分散体。
- 更に、感熱凝固剤(E)を含有する請求項1〜9のいずれか1項に記載のポリウレタン樹脂水性分散体。
- 請求項1〜10のいずれか1項に記載のポリウレタン樹脂水性分散体を含有する繊維加工処理剤。
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