JP4217153B2 - 水系ポリウレタン樹脂エマルション - Google Patents
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Description
本発明の課題は、上記問題点を解決することである。すなわち、皮革様シートを製造する際のポリウレタン樹脂のマイグレーションを防止するとともに、繊維材料基体への濡れ性に優れているため柔軟な風合いを得ることができるポリウレタン樹脂エマルションを提供することにある。
すなわち、本発明は、カルボキシレート基および/またはスルホネート基をポリウレタン樹脂の重量に基づいて0.01〜1.5重量%含有するポリウレタン樹脂(A)、50〜100℃の曇点を有するノニオン性界面活性剤(B)、25℃の水に対する溶解度が1以上の水溶性無機塩(C)並びにシリコン系界面活性剤および/またはフッ素系界面活性剤を必須成分とし、25℃におけるイオン交換水の接触角(θ)が75〜80°であるポリエステルフィルム上での25℃における接触角(θ)が1〜50゜であることを特徴とする水系ポリウレタン樹脂エマルション;該エマルションを繊維材料基体に付与した後、感熱凝固させて得られる皮革様シート用材料;並びに該皮革様シート用材料をさらに後加工処理して得られる皮革様シート;である。
(A)中のカルボキシレート基およびスルホネート基の含量は、(A)のエマルション3〜10gを130℃で45分間加熱乾燥して得られる残査をジメチルホルムアミドに溶解し、JIS−K0070記載の方法(電位差滴定法)で測定される酸価から算出できる。
以下、各成分について説明する。
2価フェノール類としては、カテコールおよびヒドロキノンのほかビスフェノールA、ビスフェノールFおよびビスフェノールSなどのビスフェノール類が挙げられる。
ジカルボン酸としてはコハク酸およびアジピン酸などの脂肪族ジカルボン酸、フタル酸およびテレフタル酸などの芳香族ジカルボン酸があげられる。
上述した活性水素原子含有化合物は2種以上使用することもできる。
AOは単独でも2種以上を併用してもよく、後者の場合はブロック付加でもランダム付加でも両者の混合系でもよい。
これらのAOのうちで好ましいものはEO単独、PO単独、THF単独、POおよびEOの併用、POおよび/またはEOとTHFの併用である。
活性水素原子含有二官能化合物へのAOの付加は、通常の方法で行うことができ、無触媒でまたは触媒(アルカリ触媒、アミン系触媒または酸性触媒)の存在下行なわれる。
(a22)のうちで好ましいのは(a221)および(a222)である。
(a3)における塩としては、例えばアンモニウム塩、アミン塩[炭素数1〜12の1級アミン(1級モノアミン、例えばメチルアミン、エチルアミン、プロピルアミンおよびオクチルアミン)塩、2級モノアミン(ジメチルアミン、ジエチルアミンおよびジブチルミン)塩、3級モノアミン(トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリエタノールアミン、N−メチルジエタノールアミンおよびN,N−ジメチルエタノールアミン等の脂肪族3級モノアミン;N−メチルピペリジンおよびN−メチルモルホリン等の複素環式3級モノアミン;ベンジルジメチルアミン、α−メチルベンジルジメチルアミン;およびN−ジメチルアニリン等の芳香環含有3級モノアミン)塩]、アルカリ金属(ナトリウム、カリウムおよびリチウムカチオン)塩、並びにこれらの2種以上の併用が挙げられる。
塩のうち好ましいものはアミン塩、さらに好ましいものは脂肪族3級モノアミン塩であり、特に好ましいものはトリエチルアミン塩である。
これらのうち好ましいものは、エチレンジアミンおよびイソホロンジアミンである。
これらのうち好ましいものは、モノエチルアミン、モノブチルアミンおよびモノエタノールアミンである。
(a6)としては、前述の対イオンとして挙げたカチオンを形成するアルカリ性化合物が挙げられ、例えばアンモニア、アミン[炭素数1〜12の1級アミン(1級モノアミン、例えばメチルアミン、エチルアミン、プロピルアミンおよびオクチルアミン)、2級モノアミン(ジメチルアミン、ジエチルアミンおよびジブチルミン)、3級モノアミン(トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリエタノールアミン、N−メチルジエタノールアミンおよびN,N−ジメチルエタノールアミン等の脂肪族3級モノアミン;N−メチルピペリジンおよびN−メチルモルホリン等の複素環式3級モノアミン;ベンジルジメチルアミン、α−メチルベンジルジメチルアミン;およびN−ジメチルアニリン等の芳香環含有3級モノアミン)]、アルカリ金属(ナトリウム、カリウムおよびリチウムカチオン)、アルカリ金属水酸化物、並びにこれらの2種以上の併用が挙げられる。
これらのうち好ましいものはアミン、さらに好ましいものは脂肪族3級モノアミンであり、特に好ましいものはトリエチルアミンである。
(1)分子内に活性水素含有基を含まない有機溶剤(アセトン、メチルエチケトン、テトラヒドロフラン、N,N−ジメチルホルムアミド等)の存在下または非存在下で、(a1)と(a2)および(a3)からなる活性水素成分とを、(NCO/水酸基)当量比が、通常1.05〜2.0、好ましくは1.1〜1.6の範囲でワンショット法または多段法により、通常20℃〜150℃、好ましくは60℃〜110℃で反応させて、末端NCO基含有ウレタンプレポリマーとし、該プレポリマーを(a6)で中和後または中和しながら、通常10℃〜60℃、好ましくは20℃〜40℃で必要により(a4)および/または(a5)を含む水と混合して、NCO基がなくなるまで乳化・鎖伸長反応を行い、必要により有機溶剤を溜去する方法。
(2)有機溶剤の存在下または不存在下に、(a1)と(a2)および(a3)とからなる活性水素成分とを、(NCO/水酸基)当量比が、0.5〜0.99の範囲でワンショット法または多段法で反応させ、末端NCO基を含まないウレタンポリマーとし、これを(a6)で中和後または中和しながら水と混合・乳化後、必要により有機溶剤を溜去する方法。
(3)有機溶剤の存在下または不存在下に、(a1)と(a2)からなる活性水素成分とを、(NCO/水酸基)当量比が2.0〜1.3の範囲でワンショット法または多段法で反応させ、末端NCO基を含むウレタンポリマーとし、これに(a3)を(a6)で中和したものを(NCO/水酸基)当量比が1.5〜1.0の範囲で反応させた後、水と混合・乳化後、必要により有機溶剤を溜去する方法。
上記の方法のうち(1)の方法が好ましい。
なお、本発明における(A)中のカルボキシレート基および/またはスルホネート基を0.0〜1.5重量%とするためには、上記(1)〜(3)の方法における(a3)の仕込み重量は下記の計算式(1)を満たすことが好ましい。
非架橋型(熱可塑性)の(A)の場合には通常2,000 〜2,000,000またはそれ以上、好ましくは10,000〜1,500 ,000とくに100,000〜500,000である。架橋型の(A)は上記範囲より高いMnのもの、GPCで測定できない高いMnのものでもよい。
平均粒子径は、大塚電子株式会社製、ELS−800型電気泳動光散乱光度計を用いて測定できる。
(B)の曇点がが50℃未満では、エマルションを長期に保存した場合に、凝固物が発生するなどの保存安定性に問題を生じる。一方曇点が100℃を越えると、ポリウレタンの水に対する親和性が大きくなりすぎるため、エマルションが感熱凝固しにくくなる。
曇点はノニオン性界面活性剤の1%水溶液を撹拌下で昇温し、白濁する温度を読みとることによって測定できる。
(B)は前述の(A)のエマルションの製造時の乳化剤として用いてもよく、またエマルションの製造後に新たに添加・配合してもよい。
(B)のHLBが10以上であれば、エマルションを長期に保存した場合でも、凝固物が発生することはなく保存安定性に問題を生じにくい。一方HLBが18以下であれば、該エマルションを加熱したときに感熱凝固しやすいので好ましい。
本発明におけるHLBは、藤本武彦著「新・界面活性剤入門」三洋化成工業株式会社発行(1992年)、P128記載の下記のグリフィンの方法により算出される値である。
HLB=(親水基の重量%)×(1/5)
「エマルミン110」;曇点=77℃、HLB=13.2:三洋化成工業(株)製
「エマルミン140」;曇点=91℃、HLB=14.7:三洋化成工業(株)製
「ナローアクティ−N100」;曇点=63℃、HLB=13.3:三洋化成工業(株)製
(C)はエマルションを凝固させる作用を有しており、例えば以下のものが挙げられる。
アルカリ金属水酸化物[水酸化ナトリウム、水酸化カリウムおよび水酸化リチウム]、アルカリ金属炭酸塩[炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素カリウムおよび炭酸リチウム]、アルカリ金属硫酸塩[硫酸ナトリウムおよび硫酸カリウム]、アルカリ金属硝酸塩[硝酸ナトリウムおよび硝酸カリウム]、アルカリ金属リン酸塩[リン酸ナトリウム、リン酸水素ナトリウムおよびリン酸カリウム]、アルカリ金属亜硫酸塩[亜硫酸ナトリウム、亜硫酸水素ナトリウムおよび亜硫酸カリウム]およびアルカリ金属ハロゲン(塩素、臭素、ヨウ素もしくはフッ素)化物[塩化ナトリウム、塩化カリウム、臭化ナトリウム、ヨウ化カリウムおよびフッ化カリウム]など、
アルカリ土類金属塩(C2);
アルカリ土類金属(カルシウム、マグネシウム、バリウムおよびストロンチウムなど)水酸化物[水酸化カルシウム、水酸化マグネシウムおよび水酸化ストロンチウム]、アルカリ土類金属炭酸塩[炭酸カルシウムおよび炭酸マグネシウム]、アルカリ土類金属硫酸塩[硫酸カルシウムおよび硫酸マグネシウム]、アルカリ土類金属硝酸塩[硝酸カルシウムおよび硝酸マグネシウム]、アルカリ土類金属リン酸塩[リン酸水素カルシウムおよびリン酸水素マグネシウム]、アルカリ土類金属亜硫酸塩[亜硫酸カルシウムおよび亜硫酸マグネシウム]およびアルカリ土類金属ハロゲン(塩素、臭素、ヨウ素もしくはフッ素)化物[塩化カルシウム、塩化マグネシウム、臭化カルシウム、ヨウ化カルシウムおよびフッ化マグネシウム]など、
アンモニウム塩(C3);
ハロゲン化物(塩化アンモニウムおよび臭化アンモニウムなど)。
これらのうち、エマルションが比較的長期の保存安定性を得られやすいという観点から好ましいのは(C1)である。
また、エマルション中の(A)、(B)および(C)の重量比は、好ましくは75〜97.9/2〜20/0.1〜5、エマルションの保存安定性の観点から好ましくは82〜96.8/3〜15/0.2〜3、さらに好ましくは88〜95.7/4〜10/0.3〜2である。
さらに、エマルション中の(B)/(C)の重量比は好ましくは4〜200/1、さらに好ましくは5〜150/1である。(B)の比率が4以上であればエマルションの保存安定性の点で好ましく、200以下であれば感温凝固し易いという点で好ましい。
本発明において、接触角の測定に使用されるポリエステルフィルムは、25℃におけるイオン交換水の接触角が75〜80°であるようなポリエステルフィルムである。
接触角は(θ)は、協和界面科学(株)社製、自動接触角計CA−Z型を用いて測定できる。
シリコン系界面活性剤としては、市販されている水溶性タイプが好ましく、例えば以下の市販品が挙げられる。
「L−7604」、「FZ−2105」、「FZ−2163」、「FZ−2164」;日本ユニカー(株)製、
「TFS4440」、「TFS4445」;東芝シリコーン(株)製
「EF−122B」、「EF−122A3」;三菱マテリアル(株)製
「メガファックF−1405」、「メガファックF−141」;大日本インキ化学工業(株)製
試験管(内径18mm)に固形分が20%となるように希釈したエマルションを10g秤取し、熱水浴中で無攪拌の状態で10℃/分の速度で昇温し、該エマルションが流動性を失いゲル状物となったときの、該エマルションの温度を(T)とする。
構成繊維としては、天然繊維、化学繊維のいずれでもよく、天然繊維としては綿、羊毛、絹、石綿等、化学繊維としてはレーヨン、テンセルなどの再生繊維、アセテート、トリアセテートなどの半合成繊維、ポリアミド、ポリエステル、ポリオレフィン、アクリルなどの合成繊維が挙げられる。またこれらを混合使用した繊維を適宜用いることも可能である。
上記のうちで好ましいのは、(1)の方法である。
上記のようにして得られた皮革様シート用材料は、さらに必要により染色、洗浄、研削、乾燥等の後加工処理が施されて、皮革様シートが得られる。
本発明の皮革様シートは、種々の用途、例えば、マットレス、鞄内張り材料、衣料、靴用芯材、クッション地、自動車内装材、壁材などに好適に使用することができる。
以下、実施例により本発明をさらに説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。以下において、「部」は重量部を示す。
温度計および攪拌機を備えた密閉反応槽に、ポリブチレンアジペートジオール(数平均分子量2000)330部、α,α−ジメチロールプロピオン酸(DMPA)1.3部、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート102部およびアセトン450部を仕込み、反応系を窒素ガスで置換したのち、攪拌下80℃で6時間反応させ、NCO末端ウレタンプレポリマーを得た。 得られた該アセトン溶液を40℃に冷却してトリエチルアミン1.0部を加えた。次いで、乳化剤としてポリオキシエチレンセチルエーテル(HLBは14.4、エチレンオキサイドの重合度は14、曇点77℃)21.7部を水412部に溶解したものを該アセトン溶液に加えホモミキサーで1分間攪拌して乳化した後、エチレンジアミン1.0部を水30部に溶解したものを該アセトン溶液に加え、鎖伸長反応をさせた後、減圧下でアセトンを留去し、水で濃度調整して、固形分40%のポリウレタン樹脂エマルションを得た。得られたポリウレタン樹脂中のカルボキシレート基の含有量は該ポリウレタン樹脂に基づいて0.10重量%であった。次いでポリウレタン樹脂に対して、硫酸ナトリウムが2.5部、シリコン系界面活性剤(L−7604,日本ユニカー社製)が0.05部配合されるよう予め添加した水で希釈し、固形分が20%となるよう調製したエマルション(以下、エマルション(1)と称する)を得た。エマルション(1)の感熱凝固温度は55℃、平均分散粒子径は0.35μmであり、表面張力は35mN/m、ポリエステルフィルムへの接触角は15°であった。
温度計および攪拌機を備えた密閉反応槽に、ポリヘキサメチレンカーボネートジオール(数平均分子量2000)330部、DMPA3.0部、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート80部およびアセトン450部を仕込み、反応系を窒素ガスで置換したのち、攪拌下80℃で6時間反応させ、NCO末端ウレタンプレポリマーを得た。 得られた該アセトン溶液を40℃に冷却してトリエチルアミン2.3部を加えた。次いで、乳化剤としてポリオキシエチレンラウリルエーテル(HLBは13.6、エチレンオキサイドの重合度は9、曇点68℃)30部を水570部に溶解したものを該アセトン溶液に加えホモミキサーで1分間攪拌して乳化した後、イソホロンジアミン1.8部を水30部に溶解したものを該アセトン溶液に加え、鎖伸長反応をさせた後、減圧下でアセトンを留去し、水で濃度調整して、固形分40%のポリウレタン樹脂エマルションを得た。得られたポリウレタン樹脂中のカルボキシレート基の含有量は該ポリウレタン樹脂に基づいて0.24重量%であった。次いでポリウレタン樹脂に対して、塩化カルシウムが2部、シリコン系界面活性剤(TFS4440,東芝シリコーン社製)が0.03部配合されるようあらかじめ添加した水で希釈し、固形分が20%となるよう調製したエマルション(以下、エマルション(2)と称する)を得た。エマルション(2)の感熱凝固温度は50℃、平均分散粒子径は0.57μmであり、表面張力は39mN/m、ポリエステルフィルムへの接触角は20°であった。
温度計および攪拌機を備えた密閉反応槽に、ポリヘキサメチレンアジペ−トジオール(数平均分子量2000)216部、DMPA0.4部、TDI81部、およびアセトン230部を仕込み、反応系を窒素ガスで置換したのち、攪拌下80℃で6時間反応させ、NCO末端ウレタンプレポリマーを得た。得られた該アセトン溶液を40℃に冷却してトリエチルアミン0.4部を加えた。次いで、乳化剤としてポリオキシエチレンオレイルエーテル(HLBは15.7、エチレンオキサイドの重合度は23、曇点87℃)9部を水171部に溶解したものを該アセトン溶液に加えホモミキサーで1分間攪拌して乳化した後、エチレンジアミン1.3部を水30部に溶解したものを該アセトン溶液に加え、鎖伸長反応をさせた後、減圧下でアセトンを留去し、水で濃度調整して、固形分40%のポリウレタン樹脂エマルションを得た。
得られたポリウレタン樹脂中のカルボキシレート基の含有量は該ポリウレタン樹脂に基づいて0.05重量%であった。次いでポリウレタン樹脂に対して、塩化カルシウムが4部、フッ素系界面活性剤(EF−122B、三菱マテリアル社製)が0.01部配合さされるよう予め添加した水で希釈し、固形分が20%となるよう調製したエマルション(以下、エマルション(3)と称する)を得た。エマルション(3)の感熱凝固温度は67℃、平均分散粒子径は0.84μmであり、 表面張力は32mN/m、ポリエステルフィルムへの接触角は10°であった。
シリコン系界面活性剤を加えないこと以外は、製造例1と同様に調製したエマルションを得た(以下、エマルション(4)と称する)。エマルション(4)の感熱凝固温度は55℃、平均分散粒子径は0.35μmであり、表面張力は44mN/m、ポリエステルフィルムへの接触角は51°であった。
ノニオン性界面活性剤として、HLBが18.5のポリオキシエチレンセチルエーテル(HLBは18.5、エチレンオキサイドの重合度は60、曇点101℃)を使用すること以外は製造例1と同様に調製したエマルションを得た(以下、エマルション(5)と称する)。エマルション(5)は90℃まで加熱したが、全くゲル状物はなかった。表面張力は36mN/m、ポリエステルフィルムへの接触角は13°であった。
塩化カルシウムを加えないないこと以外は製造例2と同様に調製したエマルションを得た(以下、エマルション(6)と称する)。エマルション(6)は90℃まで加熱したが、全くゲル状物はなかった。表面張力は37mN/m、ポリエステルフィルムへの接触角は19°であった。
ポリエチレンテレフタレート短繊維から積層シートを作り、このシートを280本/cm2の打込数となるようにニードルパンチした後乾燥し、重量380g/m2、見掛密度0.18g/cm2の不織布を得た。
上記不織布にエマルション(1)〜(6)をそれぞれ含浸し、樹脂の付着率が不織布重量に対して約50重量%となるようにマングルで絞った後、100℃の飽和水蒸気中で2分間加熱し、更に120℃の熱風乾燥機で10分乾燥後水洗し、再度100℃の熱風乾燥機で10分乾燥することによりシートを得た。
実施例1〜3および比較例1〜3で製造した皮革様シートについて、下記試験方法によりマイグレーションの有無、風合いを評価した。これらの結果を表1に示した。
乾燥後の皮革様シートにおいて次式により算出した。
100×[(皮革様シートの重量)−(繊維材料基体の重量)]/(繊維材料基体の重量)
[マイグレーションの有無]
シートの断面を電子顕微鏡(日立製作所製、S−800)で観察し、表面部分と中央部分のポリウレタン樹脂の基体への付着状態を調べ、ポリウレタン樹脂が繊維材料基体中に均一に分布しており、マイグレーションが発生していないものを「○」、ポリウレタン樹脂が繊維材料基体表面部分に偏在しており、マイグレーションが発生しているものを「×」と判定した。
[風合い]
シートが天然皮革様の風合いを有するものである場合を「○」と判定し、天然皮革に比べて柔軟性がやや劣るものを「△」、柔軟性不足のためシートが天然皮革様の風合いを呈さない場合を「×」と判定した。判定は手の触感による官能試験で行った。
[通気性]
ガーレのデンソメータを使用して、JIS P8117の方法に準じて、50mlの空気が通過するに要する時間(秒)を測定した。
Claims (7)
- カルボキシレート基および/またはスルホネート基をポリウレタン樹脂の重量に基づいて0.01〜1.5重量%含有するポリウレタン樹脂(A)、50〜100℃の曇点を有するノニオン性界面活性剤(B)、25℃の水に対する溶解度が1以上の水溶性無機塩(C)並びにシリコン系界面活性剤および/またはフッ素系界面活性剤を必須成分とし、25℃におけるイオン交換水の接触角(θ)が75〜80°であるポリエステルフィルム上での25℃における接触角(θ)が1〜50゜であることを特徴とする水系ポリウレタン樹脂エマルション。
- 25℃における表面張力(α)が10〜50mN/mである請求項1記載の水系ポリウレタン樹脂エマルション。
- ノニオン性界面活性剤(B)が10〜18の(親水基の重量%)×(1/5)で算出されるHLBを有するポリエチレングリコール型ノニオン性界面活性剤である請求項1または2記載の水系ポリウレタン樹脂エマルション。
- 水溶性無機塩(C)が、アルカリ金属および/またはアルカリ土類金属の塩である請求項1〜3のいずれか記載の水系ポリウレタン樹脂エマルション。
- 請求項1〜4のいずれか記載の水系ポリウレタン樹脂エマルションを繊維材料基体に付与した後、感熱凝固させて得られる皮革様シート用材料。
- 40〜150℃で感熱凝固させて得られる請求項5記載の皮革様シート用材料。
- 請求項5または6記載の皮革様シート用材料をさらに後加工処理して得られる皮革様シート。
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