JP6091571B1 - 回転電機、及び回転電機の制御方法 - Google Patents

回転電機、及び回転電機の制御方法 Download PDF

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Abstract

【課題】電力変換部を大きくすることなく、駆動時の駆動電流を抑制しつつ、発電時の発電出力を向上させることができる回転電機、及び回転電機の制御方法を提供する。【解決手段】回転機部が電動機モードに於ける少なくとも所定の運転状態のとき、又は発電機モードに於ける少なくとも所定の運転状態のとき、矩形波を電機子巻線に通電させる矩形波通電制御と所定のデューティ比で前記電機子巻線に通電させるデューティ通電制御とを合成した電力変換制御を行なう。【選択図】図4

Description

この発明は、車載電源等から電力の供給を受けて電動機として動作する電動機モードと、車両等に搭載されたエンジン等から動力の供給を受けて発電機として動作する発電機モードとを随時切り替えて動作できるように構成された回転電機、及び回転電機の制御方法に関するものである。
電動機モードと発電機モードとを随時切り替えて動作できるようにした、いわゆる電動発電機と称される回転電機は周知である。このような回転電機は、例えば自動車等の車両に搭載され、車載バッテリ等の車載電源装置から電力の供給を受けて電動機モードで動作し、エンジンの始動やエンジンに対するトルクアシストを行ない、一方、エンジンから回転子が回転駆動されて発電機モードとして動作し、車載電源装置の充電や車載電気負荷に電力を供給する。
近年、車両の燃費向上や環境基準への適合を目的として、車両の停止時にエンジンを停止させ、車両の再発進時にエンジンの再始動を行う、いわゆるアイドルストップを行なう車両が開発されている。アイドルストップを行なう車両に於いては、単なる発電機としての機能だけを備えた車載発電機に代えて、前述の電動発電機としての回転電機を搭載し、この回転電機を発電機モードで動作させてバッテリ等の車載電源装置と車載電気負荷に電力の供給を行なうと共に、車両の再発進時に前述の回転電機を電動機モードで動作させてエンジンの再始動を行うようにしている。
このような車両用の回転電機は、小型、且つ低コストであることが求められている。そのため、例えば特許文献1に開示されているように、回転電機の制御方式として、正弦波をパルス幅変調(PWM:Pulse Width Modulation)する方式を用いずに、矩形波電流を通電する方式を採用することで、インバータ若しくはコンバータとして動作する電力変換部の構成を簡素化し、且つその電力変換部の制御を簡単にすることで、回転電機の小型、低コスト化が行われている。
又、車両の燃費向上のため、回転電機の高出力化が求められており、車載バッテリ等の車載電源装置を高電圧化して回転電機を高出力化することが行なわれている。更に、特許文献1に開示されているように、回転電機を発電機として動作させるときには、界磁電流の励磁方向を反転させ、電機子巻線への矩形波電流の通電の位相を遅らせることで、回転電機の発電出力の向上を図るようにしている。
特開平8−116699号公報
しかしながら、前述の従来の回転電機の場合、矩形波電流を電機子巻線に通電して回転電機を制御するようにしているので、回転電機を電動機モードで動作させるときは車載電源装置からの駆動電流を制御できず、従って、車載電源装置の電圧を高電圧化して回転電機の高出力化を図った場合、回転電機の駆動電流を制御できないため、最大駆動電流を考慮して電力変換部を構成する電力変換素子を選ぶ必要があり、定格仕様に対して大容量の電力変換素子を用いる必要があり、電力変換部が大型化するという課題がある。又、最大駆動電流時の電力変換素子の発熱を考慮した熱設計が必要となり、空冷の場合ではヒートシンク等の冷却部を大きくする必要があり、電力変換部が大型化するという課題があった。
更に、前述の従来の回転電機によれば、回転電機を発電機モードで動作させる場合は、車載電源装置の電圧が高電圧化しているため、発電を開始する回転数が大きく(高く)なり、エンジンのアイドル回転数に相当する回転数での発電ができなくなるという課題があった。又、回転電機の駆動時の電流抑制、及び発電時の発電を開始する回転数を低下させるために電機子巻線の巻数を多くするようにした場合、回転電機の最大出力が低下するという課題があった。又、回転電機の発電出力を向上させるために、従来の回転電機のように界磁電流の励磁方向を反転させ、電機子巻線への矩形波電流の通電の位相を遅らせて発電させる場合では、時定数の大きい界磁巻線の励磁方向の切り替えが必要となり、制御の応答性を悪化させるという課題があった。
この発明は、前述のような従来の装置に於ける課題を解決するためになされたものであり、電力変換部を大きくすることなく、駆動時の駆動電流を抑制しつつ、発電時の発電出力を向上させることができる回転電機、及び回転電機の制御方法を提供することを目的とするものである。
この発明による回転電機は、
電機子巻線を有する固定子部と界磁巻線を有する回転子部とを備えた回転機部と、
複数の電力変換素子を備え、前記複数の電力変換素子のスイッチング動作により前記回転機部と電源装置との間の電力変換を行う電力変換部と、
前記電力変換部を制御する制御部と、
を備え、
前記回転機部を電動機モードと発電機モードとの何れにも動作させ得るようにした回転電機であって、
前記制御部は、
演算部と、
前記演算部からの指令に基づいて、所定の矩形波通電制御信号を発生する矩形波通電信号発生回路と、
前記演算部からの指令に基づいて、所定のデューティ比を有する電機子デューティ制御信号を発生し得る電機子デューティ信号発生回路と、
前記矩形波通電制御信号と前記電機子デューティ制御信号との論理演算に基づいて、前記電力変換素子を駆動する電力変換素子駆動信号を発生する信号処理部と、
を備え、
前記電機子デューティ制御信号は、前記矩形波通電制御信号の周波数より高い周波数を有し、
前記電力変換部は、
前記回転機部が前記電動機モードに於ける少なくとも所定の運転状態のとき、又は前記回転機部が前記発電機モードに於ける少なくとも所定の運転状態のとき、前記電力変換素子駆動信号により前記複数の電力変換素子が駆動されることにより、矩形波を前記電機子巻線に通電させる矩形波通電制御と前記所定のデューティ比で前記電機子巻線に通電させるデューティ通電制御とを合成した電力変換制御を行なうように構成されると共に 夫々前記電力変換素子を備え互いに直列接続された正極側スイッチングアームと負極側スイッチングアームとを備え、
前記電力変換素子駆動信号は、前記正極側スイッチングアームに設けられた前記電力変換素子を駆動する正極側スイッチングアーム駆動信号と、前記負極側スイッチングアームに設けられた前記電力変換素子を駆動する負極側スイッチングアーム駆動信号とを含み、
前記正極側スイッチングアーム駆動信号は、前記矩形波通電制御信号と前記電機子デューティ制御信号との論理積演算に基づいて前記信号処理部により生成され、
前記負極側スイッチングアーム駆動信号は、前記矩形波通電制御信号と前記電機子デューティ制御信号を反転させた反転信号との論理和演算に基づいて前記信号処理部により生成される、
ことを特徴とする。
又、この発明による回転電機の制御方法は、
電機子巻線を有する固定子部と界磁巻線を有する回転子部とを備えた回転機部と、 夫々電力変換素子を有し互に直列接続された正極側スイッチングアームと負極側スイッチングアームとを備え、前記夫々の電力変換素子のスイッチング動作により前記回転機部と電源装置との間の電力変換を行う電力変換部と、前記電力変換部を制御する制御部とを備え、前記回転機部を電動機モードと発電機モードとの何れにも動作させ得るようにした回転電機の制御方法であって、
前記制御部は、
演算部と、前記演算部からの指令に基づいて、所定の矩形波通電制御信号を発生する矩形波通電信号発生回路と、前記演算部からの指令に基づいて、所定のデューティ比を有する電機子デューティ制御信号を発生し得る電機子デューティ信号発生回路と、前記矩形波通電制御信号と前記電機子デューティ制御信号との論理演算に基づいて、前記電力変換素子を駆動する電力変換素子駆動信号を発生する信号処理部とを備え、制御指令に基づいて、所定の矩形波通電制御信号と、前記矩形波通電制御信号の周波数より高い周波数を有し且つ所定のデューティ比を有する電機子デューティ制御信号とを発生し、前記矩形波通電制御信号と前記電機子デューティ制御信号との論理演算に基づいて、前記電力変換素子を駆動する電力変換素子駆動信号を発生し、前記回転機部が前記電動機モードに於ける少なくとも所定の運転状態のとき、又は前記回転機部が前記発電機モードに於ける少なくとも所定の運転状態のとき、前記電力変換素子駆動信号により前記複数の電力変換素子を駆動することにより、矩形波を前記電機子巻線に通電させる矩形波通電制御と前記所定のデューティ比で前記電機子巻線に通電させるデューティ通電制御とを合成した電力変換制御を行ない、
前記信号処理部は、前記電力変換素子駆動信号として前記正極側スイッチングアームを駆動する正極側スイッチングアーム駆動信号と、前記負極側スイッチングアームを駆動する負極側スイッチングアーム駆動信号とを発生し、
前記正極側スイッチングアーム駆動信号は、前記矩形波通電制御信号と前記電機子デューティ制御信号との論理積演算に基づいて生成され、
前記負極側スイッチングアーム駆動信号は、前記矩形波通電制御信号と前記電機子デューティ制御信号を反転させた反転信号との論理和演算に基づいて生成される、
ことを特徴とする。
この発明による回転電機によれば、制御部は、演算部と、前記演算部からの指令に基づいて、所定の矩形波通電制御信号を発生する矩形波通電信号発生回路と、前記演算部からの指令に基づいて、所定のデューティ比を有する電機子デューティ制御信号を発生し得る電機子デューティ信号発生回路と、前記矩形波通電制御信号と前記電機子デューティ制御信号との論理演算に基づいて、前記電力変換素子を駆動する電力変換素子駆動信号を発生する信号処理部とを備え、前記電機子デューティ制御信号は、前記矩形波通電制御信号の周波数より高い周波数を有し、前記電力変換部は、前記回転機部が前記電動機モードに於ける少なくとも所定の運転状態のとき、又は前記回転機部が前記発電機モードに於ける少なくとも所定の運転状態のとき、前記電力変換素子駆動信号により前記複数の電力変換素子が駆動されることにより、矩形波を前記電機子巻線に通電させる矩形波通電制御と前記所定のデューティ比で前記電機子巻線に通電させるデューティ通電制御とを合成した電力変換制御を行なうように構成されると共に 夫々前記電力変換素子を備え互いに直列接続された正極側スイッチングアームと負極側スイッチングアームとを備え、前記電力変換素子駆動信号は、前記正極側スイッチングアームに設けられた前記電力変換素子を駆動する正極側スイッチングアーム駆動信号と、前記負極側スイッチングアームに設けられた前記電力変換素子を駆動する負極側スイッチングアーム駆動信号とを含み、前記正極側スイッチングアーム駆動信号は、前記矩形波通電制御信号と前記電機子デューティ制御信号との論理積演算に基づいて前記信号処理部により生成され、前記負極側スイッチングアーム駆動信号は、前記矩形波通電制御信号と前記電機子デューティ制御信号を反転させた反転信号との論理和演算に基づいて前記信号処理部により生成されるように構成されているので、電動機モード時の駆動電流を抑制しつつ、発電機モード時の発電開始回転数の引き下げが可能であり、回転電機を大型化することなく電動機モード及び発電機モードでの出力を向上させることができる。
又、この発明による回転電機の制御方法によれば、電機子巻線を有する固定子部と界磁巻線を有する回転子部とを備えた回転機部と、夫々電力変換素子を有し互に直列接続された正極側スイッチングアームと負極側スイッチングアームとを備え、前記夫々の電力変換素子のスイッチング動作により前記回転機部と電源装置との間の電力変換を行う電力変換部と、前記電力変換部を制御する制御部とを備え、前記回転機部を電動機モードと発電機モードとの何れにも動作させ得るようにした回転電機の制御方法であって、前記制御部は、演算部と、前記演算部からの指令に基づいて、所定の矩形波通電制御信号を発生する矩形波通電信号発生回路と、前記演算部からの指令に基づいて、所定のデューティ比を有する電機子デューティ制御信号を発生し得る電機子デューティ信号発生回路と、前記矩形波通電制御信号と前記電機子デューティ制御信号との論理演算に基づいて、前記電力変換素子を駆動する電力変換素子駆動信号を発生する信号処理部とを備え、制御指令に基づいて、所定の矩形波通電制御信号と、前記矩形波通電制御信号の周波数より高い周波数を有し且つ所定のデューティ比を有する電機子デューティ制御信号とを発生し、前記矩形波通電制御信号と前記電機子デューティ制御信号との論理演算に基づいて、前記電力変換素子を駆動する電力変換素子駆動信号を発生し、前記回転機部が前記電動機モードに於ける少なくとも所定の運転状態のとき、又は前記回転機部が前記発電機モードに於ける少なくとも所定の運転状態のとき、前記電力変換素子駆動信号により前記複数の電力変換素子を駆動することにより、矩形波を前記電機子巻線に通電させる矩形波通電制御と前記所定のデューティ比で前記電機子巻線に通電させるデューティ通電制御とを合成した電力変換制御を行ない、前記信号処理部は、前記電力変換素子駆動信号として前記正極側スイッチングアームを駆動する正極側スイッチングアーム駆動信号と、前記負極側スイッチングアームを駆動する負極側スイッチングアーム駆動信号とを発生し、前記正極側スイッチングアーム駆動信号は、前記矩形波通電制御信号と前記電機子デューティ制御信号との論理積演算に基づいて生成され、前記負極側スイッチングアーム駆動信号は、前記矩形波通電制御信号と前記電機子デューティ制御信号を反転させた反転信号との論理和演算に基づいて生成されるので、電動機モード時の駆動電流を抑制しつつ、発電機モード時の発電開始回転数の引き下げが可能であり、回転電機を大型化することなく電動機モード及び発電機モードでの出力を向上させることができる。
この発明の実施の形態1による回転電機を搭載した車両の電源系の一例を示すブロック図である。 この発明の実施の形態1による回転電機の断面図である。 この発明の実施の形態1による回転電機の回路図である。 この発明の実施の形態1による回転電機の制御系の構成を示す制御系統図である。 この発明の実施の形態1による回転電機、及び回転電機の制御方法に於ける、電機子電力変換素子駆動信号を説明するための波形図である。 この発明の実施の形態1による回転電機、及び回転電機の制御方法に於ける、電機子電力変換素子駆動信号を説明するための波形図である。 この発明の実施の形態1による回転電機、及び回転電機の制御方法に於ける、電機子電力変換素子駆動信号を説明するための波形図である。 この発明の実施の形態1による回転電機に於ける、信号処理部の構成の一例を示す回路図である。 この発明の実施の形態1による回転電機、及び回転電機の制御方法に於ける、電動機モードでの動作時の回転速度と駆動電流の関係を示す説明図である。 この発明の実施の形態1による回転電機、及び回転電機の制御方法に於ける、発電機モードでの動作時の回転速度と発電電流の関係を示す説明図である。 従来の回転電機に於ける、発電機モードでの動作時の回転速度と発電電流の関係を示す説明図である。
この発明の望ましい実施の形態による回転電機は、回転機部と、電力変換部と、電力変換部を制御する制御部とを備え、電力変換部は、電機子電力変換部と界磁電力変換部とを備える。回転機部と電力変換部と制御部とは、機械的に一体に構成されている。この発明の望ましい実施の形態による回転電機、及び回転電機の制御方法は、回転電機を電動機モードで動作させる場合に於いては、基本的には、制御部は、矩形波電流を電気角180度に亘って電機子巻線に通電させるように電機子電力変換部を制御すると共に、界磁電力変換部を制御して界磁電流を調整する。これにより回転機部は、回転子に所定の回転トルクを発生してエンジンの始動やトルクアシストを行なう。回転電機を電動機モードで動作させる場合に於いて、回転電機の低速回転時等で駆動電流が大電流となるときは、制御部は、例えば、矩形波通電制御信号と電機子デューティ制御信号との論理演算に基づく電機子電力変換素子駆動信号を生成し、この電機子電力変換素子駆動信号により電機子電力変換部の電力変換素子を駆動して電機子巻線に電気角180度に亘って電機子電流を通電することで、電機子巻線への通電電流を低減させる。又、回転電機を発電モードで動作させる場合に於いて、低速回転での発電時であって線間誘起電圧が車載電源装置の出力電圧以下となる状態のときは、制御部は、例えば、矩形波通電制御信号と電機子デューティ制御信号との論理積に基づく電機子電力変換素子駆動信号を生成し、この電機子電力変換素子駆動信号を用いて電機子電力変換部の電力変換素子を駆動し、電機子巻線に電気角180度に亘って電機子電流を通電することで、昇圧発電を行なう。
この発明の望ましい実施の形態による回転電機、及び回転電機の制御方法によれば、基本的には、矩形波電流を電気角180度に亘って電機子巻線に電機子電流を通電させる回路構成を用いることができる。又、電動機モードに於ける駆動電流の抑制を行なう場合、及び発電機モードに於ける低速回転での発電を行なう場合は、通常の矩形波電流を電気角180度に亘って電機子巻線に通電させるための矩形波通電制御信号と電機子デューティ制御信号との論理演算に基づいて電機子電力変換素子駆動信号を生成し、この生成した電機子電力変換素子駆動信号により電機子電力変換部に於ける電力変換素子をスイッチング制御するようにしているが、その電機子電力変換素子駆動信号は、通常の矩形波電流を電気角180度に亘って電機子巻線に通電させるための矩形波通電制御信号と電機子デューティ制御信号との論理演算に基づいて生成することができる。このため、電力変換部及び制御部を大型化且つ複雑化させることなく実現することが可能となる。又、電力変換部等を冷却する冷却部を大きくする必要もなく、更に回転電機の界磁巻線の励磁電流の方向を反転させることもなく、電動機モードに於ける出力である駆動力と発電機モードに於ける発電出力の向上を図ることができる。この発明の望ましい実施の形態による回転電機とその制御方法によれば、矩形波電流の通電制御を行なう電力変換部と制御部を用いることができるので、効率よく駆動電流を低減させながら、小型、高効率な回転電機を得ることができる。
以下、この発明による回転電機、及び回転電機の制御方法について、例えば車両に搭載される電動発電機としての回転電機を例に挙げて、図面を用いて説明する。尚、各図に於いて、同一若しくは相当部分は同一符号で示す。尚、この発明による回転電機、及び回転電機の制御方法は、車両に搭載される回転電機、及び回転電機の制御方法に限定されるものではない。
実施の形態1.
図1は、この発明の実施の形態1による回転電機を搭載した車両の電源系の一例を示すブロック図である。図1に於いて、電動発電機としての回転電機1は、回転子部及び固定子部を含む回転機部2と、逆変換器(以下、インバータと称する)若しくは順変換器(以下、コンバータと称する)として動作する電力変換部3と、例えばエンジン制御ユニット(ECU:Engine Control Unit)からなる上位制御装置103からの制御指令Cを受けて、電力変換部3を制御する制御部4とから構成されている。回転機部2の回転子軸(図示せず)は、ベルト等からなる動力伝達部7により、エンジン5のクランクシャフト6に機械的に接続されている。回転電機1は、車載電気負荷101、及びバッテリ等の車載電源装置102に電気的に接続されている。
図2は、この発明の実施の形態1による回転電機の断面図である。図2に於いて、回転機部2は、磁性薄板を積層して円筒状に構成された固定子鉄心26と、固定子鉄心26の軸方向両端部に配置されて固定子鉄心26を支持するフロント側ブラケット27及びリア側ブラケット28と、固定子鉄心26のスロット(図示せず)に装着された電機子巻線23と、固定子鉄心26の中空部内に挿入され外周面が固定子鉄心26の内周面に所定の空隙を介して対向したクローポール型の回転子鉄心220と、回転子鉄心220に固定された界磁巻線24とを備えている。固定子鉄心26と電機子巻線23は回転機部2の固定子部21を構成し、回転子鉄心220と界磁巻線24は回転機部2の回転子部22を構成している。電機子巻線23は、例えば三相Y結線されたU相巻線、V相巻線、及びW相巻線を備える。
回転機部2は、回転子鉄心220の軸心部を貫通して回転子鉄心220に固定された回転子軸221を備える。回転子軸221は、フロント側ブラケット27とリア側ブラケット28とにより夫々軸受222、223を介して回動自在に支持されている。リア側ブラケット28の外面部に設けられたブラシ保持器224は、回転子軸221に設けられた一対のスリップリングに接触する一対のブラシ225、226を保持している。プーリ227は、フロント側ブラケット27の外面部に近接して回転子軸221の軸方向端部に固定されており、図示していないベルトを介してエンジンのクランクシャフト6(図1参照)に機械的に接続される。
破線で示す制御装置部40は、電力変換部3、制御部4、及びシンクロレゾルバ等により構成された回転センサ部25を含み、リア側ブラケット28の軸方向端面側に配置されている。絶縁物製のカバー229は、制御部4、電力変換部3、ブラシ保持器224、回転センサ部25、及び回転子軸221の軸方向端部、を覆うように設けられている。
電力変換部3に含まれる電機子電力変換部31は、基板に実装された後述する6個の電機子電力変換素子としてのパワースイッチング素子と、これ等のパワースイッチング素子を冷却するヒートシンクを備え、絶縁物製の支持体230を介してリア側ブラケット28に固定されている。電力変換部3に含まれる界磁電力変換部32は、基板に実装された界磁電力変換素子としての後述する界磁スイッチング素子と逆流素子ダイオードを備えている。制御部4は、電機子電力変換部31の6個のパワースイッチング素子と界磁電力変換部32の界磁スイッチング素子とを、前述の上位制御装置103からの制御指令C(図1参照)に基づいてスイッチング制御する。制御部4と界磁電力変換部32は、絶縁物製の支持体231を介してリア側ブラケット28に固定されている。
図3は、この発明の実施の形態1による回転電機の回路図である。図4に於いて、回転機部2の電機子巻線23は、相互間に電気角120度の位相差を有するU相巻線UC、V相巻線VC、及びW相巻線WCがY結線された三相巻線により構成されている。U相巻線UC、V相巻線VC、及びW相巻線WCには後述する電機子電流が通電される。電力変換部3に於ける電機子電力変換部31の直流側端子は、車両に搭載されたバッテリ等の車載電源装置102に接続される。電機子電力変換部31は、U相スイッチングアームUAとV相スイッチングアームVAとW相スイッチングアームWAとを有する3相ブリッジ回路により構成され、バッテリ等の車載電源装置102と電機子巻線23との間の電力変換を行なう。
U相スイッチングアームUAは、電機子電力変換部31のU相正極側スイッチングアームを構成する電力変換素子としてのパワースイッチング素子UPと、U相負極側スイッチングアームを構成する電力変換素子としてのパワースイッチング素子UNとを備える。V相スイッチングアームVAは、電機子電力変換部31のV相正極側スイッチングアームを構成する電力変換素子としてのパワースイッチング素子VPと、V相負極側スイッチングアームを構成する電力変換素子としてのパワースイッチング素子VNとを備える。W相スイッチングアームWAは、電機子電力変換部31のW相正極側スイッチングアームを構成する電力変換素子としてのパワースイッチング素子WPと、W相負極側スイッチングアームを構成する電力変換素子としてのパワースイッチング素子WNとを備える。
前述の夫々のパワースイッチング素子UP、UN、VP、VN、WP、WNは、例えば、IGBT(Integrated Gate Bipolar Transistor)、若しくはMOSFET(Metal Oxide Semiconductor Field Effect Transistor)等の半導体素子であり、Si或いはSiCにより構成されている。
U相スイッチングアームUAに於ける一対のパワースイッチング素子UP、UNは、相互に直列接続され、その直列接続点U1は電機子巻線23のU相端子UA1に接続されている。V相スイッチングアームVAに於ける一対のパワースイッチング素子VP、VNは、相互に直列接続され、その直列接続点V1は電機子巻線23のV相端子VA1に接続されている。W相スイッチングアームWAに於ける一対のパワースイッチング素子WP、WNは、相互に直列接続され、その直列接続点W1は電機子巻線23のW相端子WA1に接続されている。
各相のスイッチングアームUA、VA、WAの正極側スイッチングアームを構成するパワースイッチング素子UP、VP、WPは、正極側配線LPにより共通接続され、負極側スイッチングアームを構成するスイッチング素子UN、VN、WNは、夫々負極側配線LNにより共通接続されている。正極側配線LPと負極側配線LNとの間には直流電源としてのバッテリ等の車載電源装置102が接続されている。又、電機子電力変換部31の直流リップル成分を平滑化する平滑コンデンサ51は、正極側配線LPと負極側配線LNの間、つまり電機子電力変換部31の直流側端子間に接続されている。
回転機部2の界磁巻線24は、電力変換部3に於ける界磁電力変換部32から電力が供給される。界磁巻線24に流れる界磁電流は、バッテリ等の車載電源装置102と界磁巻線24との間に接続された界磁スイッチング素子FSのスイッチング動作により制御される。界磁スイッチング素子FSは、例えば、IGBT、若しくはMOSFET等の半導体素子であり、Si或いはSiCにより構成されている。尚、界磁巻線24の両端間には、逆流阻止ダイオードRDが接続されている。電機子電力変換部31と界磁電力変換部32は、電力変換部3を構成している。
制御部4は、電機子電力変換部31の6個のパワースイッチング素子と界磁電力変換部32の界磁スイッチング素子FSを、前述の上位制御装置103からの制御指令Cに基づいてスイッチング制御する。
次に、前述の図1、図2、及び図3に示したこの発明の回転電機の制御系の構成について説明する。図4は、この発明の実施の形態1による回転電機の制御系の構成を示す制御系統図である。図4に於いて、回転電機1の回転機部2は、回転子部22内に界磁巻線24を備えており、固定子部21は電機子巻線23を備えている。回転子部22は、更に、回転子部22の回転速度等を検出するシンクロレゾルバ等により構成された回転センサ部25が組み込まれている。
電力変換部3は、界磁巻線24の通電制御を行う界磁電力変換部32と電機子巻線23の通電制御を行う電機子電力変換部31を含み、車載電源装置102と回転機部2との間の電力変換を行う。
制御部4は、上位制御装置103(図1参照)からの制御指令Cと、回転機部2の回転子部22に設けられた回転センサ部25から得られる回転子部22の回転速度情報及び回転位置情報を含む回転検出信号Sと、例えば回転電機1の車載電源装置102と車載電気負荷101とに接続される端子部に設けられた電圧センサVSから得られる回転電機1の端子電圧検出信号Vと、更には回転子部22の界磁巻線24に電力を供給する界磁電力変換部32に設けられた電流センサCSから得られる界磁電流検出信号Iとを受け取り、電力変換部3の制御を行う。制御部4は、各種のメモリMを含む演算部41、界磁電流デューティ信号発生回路42、矩形波通電信号発生回路43、電機子デューティ信号発生回路44、及び信号処理部45を含む。
制御部4に於ける界磁電流デューティ信号発生回路42は、界磁電力変換部32に於ける界磁スイッチング素子FSをオン/オフ制御する界磁電力変換素子駆動信号となる界磁電流デューティ制御信号422を発生し界磁電力変換部32に与える。界磁スイッチング素子FSは、界磁電流デューティ制御信号422によりオン/オフ制御され、界磁電流の通流率(以下、界磁電流デューティと称する)を調整する。そして、界磁電流デューティ信号発生回路42は、界磁電力変換部32に設けられた電流センサCSにより検出した界磁電流値と目標界磁電流値との偏差が零となるように界磁スイッチング素子FSをオン/オフ制御することで、界磁電流のフィードバック制御を行う。
制御部4に於ける矩形波通電信号発生回路43は、電機子電力変換部31の各相に接続された各パワースイッチング素子UP、UN、VP、VN、WP、WNに対応した矩形波通電制御信号432を発生して信号処理部45に入力する。又、電機子デューティ信号発生回路44は、後述する電機子デューティ制御信号442を発生して信号処理部45に入力する。尚、電機子デューティ制御信号442の周波数は、デューティ「100」[%]の場合を除けば、矩形波通電制御信号432の周波数よりも高く設定される。
信号処理部45は、例えば、後述するように、矩形波通電制御信号432と電機子デューティ制御信号442との論理積演算により各相の正極側スイッチングアームのパワースイッチング素子を駆動する正極側スイッチングアーム駆動信号と、矩形波通電制御信号432と電機子デューティ制御信号442との論理和演算により負極側スイッチングアームのパワースイッチング素子を駆動する負極側スイッチングアーム駆動信号と、を含む電機子電力変換素子駆動信号451を生成して電機子電力変換部31に与え、電機子電力変換部31の各相のパワースイッチング素子UP、UN、VP、VN、WP、WNを、例えば電気角180度毎にオンとオフを繰り返すようにオン/オフ制御する。
ここで、信号処理部45から電機子電力変換部31に与えられる電機子電力変換素子駆動信号451について説明する。図5は、この発明の実施の形態1による回転電機、及び回転電機の制御方法に於ける、電機子電力変換素子駆動信号を説明するための波形図であって、電機子電力変換素子のスイッチング制御にデューティ制御の要素を加えない場合を示している。
図5に於いて、(a)はU相極側アームに用いる矩形波通電制御信号U_Hを示し、電気角0度から180度の間で「H」レベルが継続し、電気角180度から360度の間で「L」レベルが継続し、以降、電気角180度毎に「H」レベルと「L」レベルを交互に繰り返す。(b)はU相負極側スイッチングアームに用いる矩形波通電制御信号U_Lを示し、電気角0度から180度の間で「L」レベルが継続し、電気角180度から360度の間で「H」レベルが継続し、以降、電気角180度毎に「L」レベルと「H」レベルを交互に繰り返す。
図5の(c)はV相正極側スイッチングアームに用いる矩形波通電制御信号V_Hを示し、図5の(a)に示される矩形波通電制御信号U_Hに対して位相が電気角120度遅れた信号となり、電気角180度毎に「H」レベルと「L」レベルを交互に繰り返す。(d)はV相負極側スイッチングアームに用いる矩形波通電制御信号V_Lを示し、図5の(b)に示される矩形波通電制御信号U_Lに対して位相が電気角120度遅れた信号となり、電気角180度毎に「L」レベルと「H」レベルを交互に繰り返す。
図5の(e)はW相正極側スイッチングアームに用いる矩形波通電制御信号W_Hを示し、図5の(a)に示される矩形波通電制御信号U_Hに対して位相が電気角240度遅れた信号となり、電気角180度毎に「H」レベルと「L」レベルを交互に繰り返す。(f)はW相負極側スイッチングアームに用いる矩形波通電制御信号W_Lを示し、図5の(b)に示される矩形波通電制御信号U_Lに対して位相が電気角240度遅れた信号となり、電気角180度毎に「L」レベルと「H」レベルを交互に繰り返す。
又、図5の(g)は、電機子デューティ制御信号Dutyを示している。尚、図5の(a)から(g)に示す波形は、夫々電気角1周期分を示している。
尚、図5の(a)〜(f)に示す夫々の矩形波通電制御信号は、図4に於ける矩形波通電信号発生回路43により生成される矩形波通電制御信号432に対応し、図5の(g)に示す電機子デューティ制御信号は、図4に於ける電機子デューティ信号発生回路44により生成される電機子デューティ制御信号442に対応する。
電機子電力変換素子のスイッチング制御にデューティ制御の要素を加えない場合は、電機子デューティ信号発生回路44により生成される電機子デューティ制御信号442は、図5の(g)に示すように「H」レベルと「L」レベルとのデューティ比は「100」[%]であって、「H」レベルの固定値となっている。電機子電力変換素子のスイッチング制御にデューティ制御の要素を加えない場合は、信号処理部45は、矩形波通電制御信号432と電機子デューティ制御信号442との論理積演算により各パワースイッチング素子への電機子電力変換素子駆動信号451を生成するものであり、生成された各パワースイッチング素子への電機子電力変換素子駆動信号451は、図5の(a)〜(f)に示す
夫々の矩形波通電制御信号U_H、U_L、V_H、V_L、W_H、及びW_L、と同一の波形を有する信号となる。
各相のパワースイッチング素子UP、UN、VP、VN、WP、WNは、前述の電機子電力変換素子駆動信号451により電気角180度毎にオンとオフを繰り返すようにスイッチング制御される。その結果、電機子巻線23のU相巻線U、V相巻線V、及びW相巻線Wには、電気角180度の正の矩形波電流と負の矩形波電流が交互に通電される。ここでは、このような電機子巻線の通電制御を、「電気角180度矩形波通電制御」と称する。
1.電動機モードでの回転電機の動作、及びその制御方法
先ず、電動機モードでの回転電機の動作、及びその制御方法について説明する。ここでは、回転電機を電動機モードで動作させてエンジン5を始動させ、若しくは回転電機を低速回転時に電動機モードで動作させる場合であって、特に、車載電源装置102の出力電圧が高電圧であり、回転電機1が低インピーダンスである場合について述べる。回転電機1を電動機モードで動作させてエンジン5を始動させるための制御指令C、若しくは回転電機1を低速回転時に電動機モードで動作させるための制御指令C、が上位制御装置103から制御部4の演算部41に与えられると、演算部41は、前述したように制御指令Cに含まれるトルク指令と、回転検出信号Sと、端子電圧検出信号Vと、界磁電流検出信号Iとに基づいて、界磁電流デューティ制御指令421を演算して界磁電流デューティ信号発生回路42に与える。
界磁電流デューティ信号発生回路42は、演算部41から与えられた界磁電流デューティ制御指令421に対応した界磁電力変換素子駆動信号となる界磁電流デューティ制御信号422を生成して電力変換部3に於ける界磁電力変換部32に与える。界磁電力変換部32の界磁スイッチング素子FSは、与えられた界磁電流デューティ制御信号422によりオン/オフ制御される。これにより、界磁巻線24に流れる界磁電流は、制御指令Cにより指令された所定の界磁電流値となるように制御される。
又、演算部41は、制御指令Cに含まれるトルク指令と回転検出信号Sと端子電圧検出信号Vとに基づき、矩形波通電制御指令431と電機子デューティ制御指令441とを演算し、演算した矩形波通電制御指令431を矩形波通電信号発生回路43に与えると共に、演算した電機子デューティ制御指令441を電機子デューティ信号発生回路44に与える。矩形波通電制御指令431が与えられた矩形波通電信号発生回路43は、矩形波通電制御指令431に基づいて矩形波通電制御信号432を発生し、信号処理部45に入力する。電機子デューティ制御指令441が与えられた電機子デューティ信号発生回路44は、電機子デューティ制御指令441に基づいて電機子デューティ制御信号442を発生し、信号処理部45に入力する。
信号処理部45は、入力された矩形波通電制御信号432と電機子デューティ制御信号442との論理演算を行ない、その演算により生成した電機子電力変換素子駆動信号451を電機子電力変換部31の各パワースイッチング素子UP、UN、VP、VN、WP、WNの制御電極に与える。
ここで、信号処理部45から電機子電力変換部31に与えられる電機子電力変換素子駆動信号451について説明する。図6A、及び図6Bは、この発明の実施の形態1による回転電機、及び回転電機の制御方法に於ける、電機子電力変換素子駆動信号を説明するための波形図であって、回転電機を電動機モードで動作させてエンジン5を始動させ、若しくは回転電機を低速回転時に電動機モードで動作させる場合を示している。回転電機を電動機モードで動作させてエンジン5を始動させ、若しくは回転電機を低速回転時に電動機モードで動作させる場合は、以下述べるように、電機子電力変換素子のスイッチング制御にデューティ制御の要素が加えられる。
図6Aの(a)はU相正極側スイッチングアームに用いる矩形波通電制御信号U_Hを示し、電気角0度から180度の間で「H」レベルが継続し、電気角180度から360度の間で「L」レベルが継続し、以降、電気角180度毎に「H」レベルと「L」レベルを交互に繰り返す。図6Aの(b)は電機子デューティ制御信号Dutyを示し、「H」レベルと「L」が所定の周期で交互に繰り返され、その「H」レベルと「L」レベルとのデューティ比は「50」[%]に設定されている。図6Aの(c)は、(a)に示される矩形波通電制御信号U_Hと(b)に示される電機子デューティ制御信号Dutyとの論理積演算により生成されたU相正極側スイッチングアームに用いるU相正極側スイッチングアーム駆動信号としての電機子電力変換素子駆動信号U_HDを示し、電気角0度から
180度の間で「H」レベルと「L」が所定の周期で交互に繰り返され、電気角180度から360度の間では「L」レベルが継続される。図6Aの(a)、(b)(c)の波形は電気角1周期分を示している。
図6Bの(a)はU相負極側スイッチングアームに用いる矩形波通電制御信号U_Lを示し、電気角0度から180度の間で「L」レベルが継続し、電気角180度から360度の間で「H」レベルが継続し、以降、電気角180度毎に「L」レベルと「H」レベルを交互に繰り返す。図6Bの(b)は、図6Aの(a)に示す電機子デューティ制御信号Dutyと同一の電機子デューティ制御信号Dutyを示している。図6Bの(c)は、(a)に示される矩形波通電制御信号U_Lと(b)に示される電機子デューティ制御信号Dutyとの論理和演算により生成されたU相負極側スイッチングアームに用いるU相負極側スイッチングアーム駆動信号としての電機子電力変換素子駆動信号U_LDを示し、電気角0度から180度の間で「H」レベルと「L」が所定の周期で交互に繰り返され、電気角180度から360度の間では「H」レベルが継続される。図6Bの(a)、(b)(c)の波形は電気角1周期分を示している。
V相正極側スイッチングアームに用いる矩形波通電制御信号V_H(図示せず)、及びV相正極側スイッチングアームに用いる電機子電力変換素子駆動信号V_HD(図示せず)は、夫々図6Aの(a)に示す矩形波通電制御信号U_Hと図6Aの(c)に示す電機子電力変換素子駆動信号U_HDに対して夫々位相が電気角120度遅れる波形となるのみでありその他は同一である。又、V相負極側スイッチングアームに用いる矩形波通電制御信号V_L(図示せず)、及びV相負極側スイッチングアームに用いる電機子電力変換素子駆動信号V_LD(図示せず)は、夫々図6Bの(a)に示す矩形波通電制御信号U_Lと図6Bの(c)に示す電機子電力変換素子駆動信号U_LDに対して夫々位相が電気角120度遅れる波形となるのみでありその他は同一である。
W相正極側スイッチングアームに用いる矩形波通電制御信号W_H(図示せず)、及びW相正極側スイッチングアームに用いる電機子電力変換素子駆動信号W_HD(図示せず)は、夫々図6Aの(a)に示す矩形波通電制御信号U_Hと図6Aの(c)に示す電機子電力変換素子駆動信号U_HDに対して夫々位相が電気角240度遅れる波形となるのみでありその他は同一である。又、W相負極側スイッチングアームに用いる矩形波通電制御信号W_L(図示せず)、及びW相負極側スイッチングアームに用いる電機子電力変換素子駆動信号W_LD(図示せず)は、夫々図6Bの(a)に示す矩形波通電制御信号U_Lと図6Bの(c)に示す電機子電力変換素子駆動信号U_LDに対して夫々位相が電気角240度遅れる波形となるのみでありその他は同一である。
信号処理部45は、図6Aの(a)に示すU相正極側スイッチングアームに用いる矩形波通電制御信号U_Hと、図6Aの(b)に示す電機子デューティ制御信号Dutyとの論理積演算を行なうことで、図6Aの(c)に示すU相正極側スイッチングアームに用いる電機子電力変換素子駆動信号U_HDを生成するものであり、この論理積演算により生成された電機子電力変換素子駆動信号U_HDは、電気角0度から180度の間で、図6Aの(b)に示す電機子デューティ制御信号Dutyが有するデューティ比と同一のデューティ比「50」[%]で「H」レベルと「L」レベルを所定の周期で交互に繰り返し、電気角180度から360度の間では「L」レベルを継続する波形となる。
又、信号処理部45は、図6Bの(a)に示すU相負極側スイッチングアームに用いる矩形波通電制御信号U_Lを反転させた信号と、図6Bの(b)に示す電機子デューティ制御信号Dutyを反転させた信号との論理和演算を行なうことで、図6Bの(c)に示すU相負極側スイッチングアームに用いる電機子電力変換素子駆動信号U_LDを生成するものであり、この論理和演算により生成された電機子電力変換素子駆動信号U_LDは、電気角0度から180度の間で、図6Bの(b)に示す電機子デューティ制御信号Dutyが有するデューティ比と同一のデューティ比「50」[%]で「H」レベルと「L」レベルを所定の周期で交互に繰り返し、電気角180度から360度の間では「H」レベルを継続する波形となる。
V相に於ける電機子電力変換素子駆動信号V_HD、V_LDは、U相の電機子電力変換素子駆動信号U_HD、U_LDに対して位相が夫々電気角120度遅れる波形となる。又、W相に於ける電機子電力変換素子駆動信号W_HD、W_LDは、U相の電機子電力変換素子駆動信号U_HD、U_LDに対して位相が夫々電気角240度遅れる波形となる。
図7は、この発明の実施の形態1による回転電機に於ける、信号処理部の構成の一例を示す回路図である。図7に於いて、AND回路45aは、前述の図6Aの(a)に示すU相正極側スイッチングアームに用いる矩形波通電制御信号U_Hと、図6Aの(b)に示す電機子デューティ制御信号Dutyとが入力され、これ等の信号を論理積演算して得られる図6Aの(c)に示すU相正極側スイッチングアームに用いる電機子電力変換素子駆動信号U_HDを出力する。
信号処理部45は、V相に対しても図7のAND回路45aと同様のAND回路(図示せず)を備え、そのAND回路は、V相正極側スイッチングアームに用いる矩形波通電制御信号V_H(図示せず)と、6Aの(b)に示す電機子デューティ制御信号Dutyとが入力され、これ等の信号を論理積演算して得られるV相正極側スイッチングアームに用いる電機子電力変換素子駆動信号V_HD(図示せず)を出力する。
信号処理部45は、更に、W相に対しても図7のAND回路45aと同様のAND回路(図示せず)を備え、そのAND回路は、W相正極側スイッチングアームに用いる矩形波通電制御信号W_H(図示せず)と、6Aの(b)に示す電機子デューティ制御信号Dutyとが入力され、これ等の信号を論理積演算して得られるW相正極側スイッチングアームに用いる電機子電力変換素子駆動信号W_HD(図示せず)を出力する。
又、図7に於いて、OR回路45bは、前述の図6Bの(a)に示すU相負極側スイッチングアームに用いる矩形波通電制御信号U_Lと、図6Bの(b)に示す電機子デューティ制御信号DutyがNOT回路45bにより反転されて入力され、これ等の信号を論理和演算して得られる図6Bの(c)に示すU相負極側スイッチングアームに用いる電機子電力変換素子駆動信号U_LDを出力する。
信号処理部45は、更に、V相に対しても、図7のOR回路45bとNOT回路45cと同様のOR回路(図示せず)NOT回路(図示せ)を備え、そのOR回路は、V相負極側スイッチングアームに用いる矩形波通電制御信号V_L(図示せず)と、6Aの(b)に示す電機子デューティ制御信号DutyがNOT回路により反転されて入力され、これ等の信号を論理積演算して得られるV相負極側スイッチングアームに用いる電機子電力変換素子駆動信号V_LD(図示せず)を出力する。
更に、信号処理部45は、W相に対しても、図7のOR回路45bとNOT回路45cと同様のOR回路(図示せず)NOT回路(図示せ)を備え、そのOR回路は、W相負極側スイッチングアームに用いる矩形波通電制御信号W_L(図示せず)と、6Aの(b)に示す電機子デューティ制御信号DutyがNOT回路により反転されて入力され、これ等の信号を論理積演算して得られるW相負極側スイッチングアームに用いる電機子電力変換素子駆動信号W_LD(図示せず)を出力する。
尚、矩形波通電信号発生回路43と電機子デューティ信号発生回路44はそれぞれ独立して演算部41により制御される。従って電機子デューティ制御信号442は必ずしも矩形波通電制御信号432の矩形波区間(Hレベル区間)に対応するデューティ信号である必要はない。電機子デューティ制御信号442は、矩形波通電制御信号432の周波数より高い周波数で、「H」レベルと「L」レベルが交互に繰り返される適当なデューティ比を有する信号であればよい。
制御部4に於ける演算部41は、前述したように制御指令Cに含まれるトルク指令と、回転検出信号Sと、端子電圧検出信号Vと、界磁電流検出信号Iとに基づいて、界磁電流デューティ制御指令421を演算して界磁電流デューティ信号発生回路42に与える。更に、演算部41は、制御指令Cに含まれるトルク指令と回転検出信号Sと端子電圧検出信号Vとに基づき、矩形波通電制御指令431と電機子デューティ制御指令441とを演算し、演算した矩形波通電制御指令431を矩形波通電信号発生回路43に与えると共に、演算した電機子デューティ制御指令441を電機子デューティ信号発生回路44に与える。
ここで、界磁電流デューティ制御指令421と電機子デューティ制御指令441とのうちの少なくとも何れかは、予め演算部41のメモリMに格納されている駆動デューティマップに基づいて演算されるようにしても良い。
以上述べたように、回転電機を電動機モードで動作させてエンジン5を始動させ、若しくは回転電機を低速回転時に電動機モードで動作させる場合に、電機子電力変換素子のスイッチング制御として、電気角180度矩形波通電制御にデューティ制御の要素を加えることにより、デューティ制御に基づき電機子巻線に電圧が間欠的に印加されることになり、電機子巻線への印加電圧が低下することとなり、電流が低減されることになる。
図8は、この発明の実施の形態1による回転電機、及び回転電機の制御方法に於ける、電動機モードでの動作時の回転速度と駆動電流の関係を示す説明図であって、縦軸は回転電機の駆動電流、横軸は回転電機の回転速度(単位時間当りの回転数)を示す。尚、駆動電流とは、車載電源装置102から電機子電力変換部31のパワースイッチング素子へ供給される直流電流のことである。図8に破線で示すように回転数の全範囲に亘って「矩形波通電制御」のみにより電機子電力変換部を制御した場合に比べて、実線で示すように「矩形波通電制御+デューティ制御」を行なうことにより、電機子電流の低減を行なうことができる。その結果、例えば電流制約値以下に電機子電流を低減させることができる。
ここで、図8に示す「矩形波通電制御+デューティ制御」運転範囲は、前述したように、例えば、回転電機を電動機モードで動作させてエンジンを始動させ、若しくは回転電機を低速回転時に電動機モードで動作させる場合に於ける、回転電機の回転数(回転速度)の範囲である。尚、「矩形波通電制御+デューティ制御」運転範囲は、上記の場合に限定されるものではない。
更に、デューティ制御に於けるデューティ比を変更することで、電機子巻線への印加電圧を調整することができる。ここで、デューティ比の値は、回転センサ部25が検知する回転速度若しくは回転数に基づいて決定し、又は、回転速度若しくは回転数と電圧センサVSが検出する回転電機1の端子電圧とに基づいて決定する。
制御部4の少なくとも演算部41はメモリMを有するプロセッサにより構成され得る。従って、回転センサ部25が検知する回転速度若しくは回転数に基づいて決定されたデューティ比と、回転速度若しくは回転数と、の関係を示す駆動デューティマップ、又は、回転速度若しくは回転数と電圧センサVSが検出する回転電機1の端子電圧とに基づいて決定されたデューティ比と、回転速度若しくは回転数と電圧センサVSが検出する回転電機1の端子電圧との関係を示す駆動デューティマップ、を演算部41のメモリMに格納しておき、回転電機の運転状態に応じて格納している駆動デューティマップに基づいてデューティ比を変更する構成としてもよい。
2.発電機モードでの回転電機の動作、及びその制御方法
次に、回転電機を発電機モードで動作、及びその制御方法について説明する。発電機モードでの通常発電時には、エンジン5からの動力により回転子部22が回転させられ、その回転子部22の回転速度がある程度高い状態で、界磁巻線24に界磁電流が通電されて、回転子部22が発生させる磁束が固定子部21の電機子巻線23と鎖交することで、固定子巻線としての電機子巻線23に誘起電圧が発生し、その誘起電圧が車載電源装置102の出力電圧を上回る場合に、電機子電力変換部31の各相の正極側スイッチングアーム及び負極側スイッチングアームに存在する電力変換素子としてのパワースイッチング素子UP、UN、VP、VN、WP、WNを電圧位相にあわせて適宜オン/オフすることで、回転電機1で発電された交流電力が電機子電力変換部31に出力される。電機子電力変換部31は、回転電機1からの交流電力を直流電力に変換して車載電源装置102を充電すると共に、車載電気負荷101にその変換した直流電力を供給する。
しかし、回転電機1の回転速度が低速度若しくは回転数が低い場合に、界磁巻線24に界磁電流を通電して回転子部22が発生する磁束を固定子部21の電機子巻線23に鎖交させても、回転子部22の回転数が低いため、電機子巻線23に発生する電圧は車載電源装置102の出力電圧を上回ることができない状態となる。
そこで、回転電機1の回転速度が低速度若しくは回転数が低い場合には、前述の電動機モードで動作させる場合と同様に、電気角180度矩形波通電制御にデューティ制御の要素を加える。その結果、電機子巻線23と電機子電力変換部31を用いて昇圧DC/DCコンバータと同様の動作を行なわせることができ、回転電機1に発電を行わせることができる。即ち、前述の電動機モードと同様に電力変換部3の制御を行うことができ、新たな回路や制御部を追加することなく、発電することが可能となる。
尚、発電機モードの制御には、制御指令Cに基づいて、界磁電流検出信号I、電圧位相ずらし量、電機子デューティ制御等を指令することとなり、この点でも電動機モードでの制御と同じである。従って、前述の先行文献1に開示された装置のように界磁電流の励磁方向を反転させることなく発電をすることが可能となる。
図9は、この発明の実施の形態1による回転電機、及び回転電機の制御方法に於ける、発電機モードでの動作時の回転速度と発電電流の関係を示す説明図であって、縦軸は発電電流、横軸は回転電機の回転速度(単位時間当りの回転数)を示している。ここで、発電電流とは、車載電源装置102へ電機子電力変換部31から供給される直流電流のことである。図9に破線で示す通常発電の場合に対して、実線で示す矩形波通電制御にデューティ制御を加えることで、通常発電より、低速回転での発電を行うことができることがわかる。
尚、図10は、従来の回転電機に於ける、発電機モードでの動作時の回転速度と発電電流の関係を示す説明図であって、縦軸及び横軸は図9の縦軸及び横軸に対応している。図10に示すように、従来の回転電機の発電モードでは、図9に破線で示す電気角180度矩形波通電制御のみである。従って、回転電機1の回転速度が低速度若しくは回転数が低い場合に、界磁巻線24に界磁電流を通電して回転子部22が発生する磁束を固定子部21の電機子巻線23に鎖交させても、回転子部22の回転数が低いため、電機子巻線23に発生する電圧は車載電源装置102の出力電圧を上回ることができない状態となる。
この発明の実施の形態1による回転電機の発電機モードでは、演算部41は、前述の電動機モードの場合と同様に、制御指令Cと、回転検出信号Sと、端子電圧検出信号Vと、界磁電流検出信号Iとに基づいて、界磁電流デューティ制御指令421を演算して界磁電流デューティ信号発生回路42に与える。更に、演算部41は、制御指令Cと回転検出信号Sと端子電圧検出信号Vとに基づき、矩形波通電制御指令431と電機子デューティ制御指令441とを演算し、演算した矩形波通電制御指令431を矩形波通電信号発生回路43に与えると共に、演算した電機子デューティ制御指令441を電機子デューティ信号発生回路44に与える。
更に、デューティ制御に於けるデューティ比を変更することで、電機子巻線の発電電圧を調整することができる。ここで、デューティ比の値は、回転センサ部25が検知する回転速度若しくは回転数に基づいて決定し、又は、回転速度若しくは回転数と電圧センサVSが検出する回転電機1の端子電圧とに基づいて決定する。
制御部4の少なくとも演算部41はメモリMを有するプロセッサにより構成され得る。従って、回転センサ部25が検知する回転速度若しくは回転数に基づいて決定されたデューティ比と、回転速度若しくは回転数と、の関係を示す駆動デューティマップ、又は、回転速度若しくは回転数と電圧センサVSが検出する回転電機1の端子電圧とに基づいて決定されたデューティ比と、回転速度若しくは回転数と電圧センサVSが検出する回転電機1の端子電圧との関係を示す駆動デューティマップ、を演算部41のメモリMに格納しておき、回転電機の運転状態に応じて格納している駆動デューティマップに基づいてデューティ比を変更する構成としてもよい。
以上述べたこの発明による回転電機、及び回転電機の制御方法に於いて、電動機モードと発電機モードとの何れの場合に於いても、電気角180度矩形波通電制御に電機子デューティ制御を加えることで説明したが、電気角180度通電制御に代えて任意の電気角の矩形波通電制御としても良い。
又、矩形波通電制御に電機子デューティ制御を加える制御を行なうとき、回転電機の上限回転数若しくは上限回転速度を、電動機モードの場合と発電機モードの場合とで個別に設定するようにしても良い。この場合、電動機モードデューティマップと発電機モードデューティマップとを夫々備えていれば、夫々のデューティマップに於いて回転電機の上限回転数若しくは上限回転速度を個別に設定することができる。
更に、回転電機を発電機モードで動作させる場合で、電気角180度矩形波通電制御に電機子デューティ制御を加える制御のとき、電機子のデューティと、界磁電流と、電機子電圧の位相と、の3つをセットとしてデューティマップに設定しておき、回転電機の動作状態に応じて電機子のデューティと界磁電流と電機子電圧の位相とのうちの1つを固定として、残り2つを可変として調整するようにしても発電電流を制御することが可能である。
又、回転電機を発電機モードで動作させる場合に於いて、通常発電のときと同じ回転数領域若しくは回転速度領域では、電機子電力変換素子としての各パワースイッチング素子に設けられている寄生ダイオードを用いて整流を行い、発電動作を行なわせるようにしてもよい。このようにすればパワースイッチング素子に対してオン/オフ信号を発生させる必要がなくなるため、制御を簡略化することができる。
更に、この発明の実施の形態1による回転電機では、回転機部2と電力変換部3が一体化しているものとして説明したが、回転機部2と電力変換部3とを別体とし、これ等を接続する電力線や信号線をケーブルを用いて接続するようにしても、実施の形態1の場合と同様の効果を得ることができる。
又、この発明の実施の形態1による回転電機では、固定子部21の固定子巻線である電機子巻線23が3相巻線である場合について説明したが、3相に限定されるものではなく、多相巻線の場合であっても、多相多群巻線の場合であってもこの発明は適用可能であり、実施の形態1の場合と同様の効果を得ることができる。又、界磁電力変換部32は、図3に示した回路に限定されるものではなく、Hブリッジ回路等で構成されていても同様の機能を有することができる。
更に、この発明の実施の形態1による回転電機、及び回転電機の制御方法に於いて、制御部4に於ける演算部41は、上位制御装置103からの制御指令Cと、回転センサ部25からの回転速度若しくは回転数と、電流センサCSからの界磁電流と、電圧センサVSからの端子電圧と、演算部41のメモリMに格納されたデューティマップとに基づいて、発電機モードとしての制御か、電動機モードとしての制御か、矩形波通電制御にデューティ信号を加えた制御を行うのか否か、を判定するようにしても良い。演算部41は、その判定結果に基づいて、界磁電流デューティ信号発生回路42に界磁電流デューティ制御指令421を与え、矩形波通電信号発生回路43に矩形波通電制御指令431を与え、電機子デューティ信号発生回路44に電機子デューティ制御指令を与え、界磁電流デューティ信号発生回路42と、矩形波通電信号発生回路43と、電機子デューティ信号発生回路44から夫々の指令に基づいて出力信号を発生させるようにしても良い。この場合に於いても、前述したように信号処理部45は、矩形波通電信号発生回路43からの矩形波通電制御信号432と電機子デューティ信号発生回路44からの電機子デューティ制御信号の論理演算を行ない、その演算結果に基づいて電力変換素子駆動信号を出力する。
更に、少なくとも演算部41はプロセッサで構成され得るが、界磁電流デューティ信号発生回路42、矩形波通電信号発生回路43、電機子デューティ信号発生回路44、信号処理部45も、プロセッサで構成され得る。
又、回転センサ部25は回転速度を出力するものであっても良いし、回転センサ部25からの信号を演算部41で演算して回転速度を求めるようにしても良い。
尚、前述の実施の形態1では、一例として電力変換素子駆動信号を図5を用いて説明したが、電力変換素子駆動信号はこの一例に限られるものではない。
更に、電機子電流を低減する必要が無いときは、電機子デューティ制御信号のデューティ比を「100」[%]とし、単なる矩形波通電制御のみを行うことで、制御部4の演算を減少させることができる。
尚、この発明は、その発明の範囲内に於いて、実施の形態を適宜、変形、省略することが可能である。
以上述べたこの発明の実の形態1による回転電機は、以下に述べる各発明を具体化したものである。
(1)電機子巻線を有する固定子部と界磁巻線を有する回転子部とを備えた回転機部と、
複数の電力変換素子を備え、前記複数の電力変換素子のスイッチング動作により前記回転機部と電源装置との間の電力変換を行う電力変換部と、
前記電力変換部を制御する制御部と、
を備え、
前記回転機部を電動機モードと発電機モードとの何れにも動作させ得るようにした回転電機であって、
前記制御部は、
演算部と、
前記演算部からの指令に基づいて、所定の矩形波通電制御信号を発生する矩形波通電信号発生回路と、
前記演算部からの指令に基づいて、所定のデューティ比を有する電機子デューティ制御信号を発生し得る電機子デューティ信号発生回路と、
前記矩形波通電制御信号と前記電機子デューティ制御信号との論理演算に基づいて、前記電力変換素子を駆動する電力変換素子駆動信号を発生する信号処理部と、
を備え、
前記電機子デューティ制御信号は、前記矩形波通電制御信号の周波数より高い周波数を有し、
前記電力変換部は、
前記回転機部が前記電動機モードに於ける少なくとも所定の運転状態のとき、又は前記回転機部が前記発電機モードに於ける少なくとも所定の運転状態のとき、前記電力変換素子駆動信号により前記複数の電力変換素子が駆動されることにより、矩形波を前記電機子巻線に通電させる矩形波通電制御と前記所定のデューティ比で前記電機子巻線に通電させるデューティ通電制御とを合成した電力変換制御を行なうように構成されると共に 夫々前記電力変換素子を備え互いに直列接続された正極側スイッチングアームと負極側スイッチングアームとを備え、
前記電力変換素子駆動信号は、前記正極側スイッチングアームに設けられた前記電力変換素子を駆動する正極側スイッチングアーム駆動信号と、前記負極側スイッチングアームに設けられた前記電力変換素子を駆動する負極側スイッチングアーム駆動信号とを含み、
前記正極側スイッチングアーム駆動信号は、前記矩形波通電制御信号と前記電機子デューティ制御信号との論理積演算に基づいて前記信号処理部により生成され、
前記負極側スイッチングアーム駆動信号は、前記矩形波通電制御信号と前記電機子デューティ制御信号を反転させた反転信号との論理和演算に基づいて前記信号処理部により生成される、
ことを特徴とする回転電機。
この発明による回転電機によれば、電動機モード時の駆動電流を抑制しつつ、発電機モード時の発電開始回転数の引き下げが可能であり、回転電機を大型化することなく電動機モード及び発電機モードでの出力を向上させることができる。
(2)前記電動機モードに於ける前記所定の運転状態は、前記回転機部の回転速度若しくは回転数が、所定の値以下であるときの運転状態である、
ことを特徴とする上記(1)に記載の回転電機。
この発明による回転電機によれば、低速回転時に於いても、所望の出力を得ることができる。
(3)前記回転機部の回転子部は、車両に搭載されたエンジンのクランク軸に連結されており、
前記電動機モードに於ける前記所定の運転状態は、前記エンジンを始動させる運転状態である、
ことを特徴とする上記(1)に記載の回転電機。
この発明による回転電機によれば、エンジンの始動時に於いても所望の出力を得ることができる。
(4)前記発電機モードに於ける前記所定の運転状態は、前記回転機部の回転速度若しくは回転数が、所定の値以下であるときの運転状態である、
ことを特徴とする上記(1)に記載の回転電機。
この発明による回転電機によれば、発電時には低速回転でも発電することができる小形の回転電機を得ることができる
(5)前記発電機モードに於ける前記所定の運転状態は、前記回転機部の回転速度若しくは回転数が、所定の範囲にある運転状態である、
ことを特徴とする上記(1)に記載の回転電機。
この発明による回転電機によれば、発電時のデューティ制御信号を処理をする範囲を回転数で限定し、発電機モードでの制御のための演算を簡易化することができる。
(6)前記制御部の少なくとも一部が、メモリを有するプロセッサにより構成され、
前記回転機部の運転状態に対応して前記電機子デューティ制御信号に於ける前記デューティ比を格納したデューティマップを備え、
前記演算部は、前記デューティマップに基づいて前記電機子デューティ制御信号の前記所定のデューティ比を演算して前記電機子デューティ信号発生回路に指令するように構成されている、
ことを特徴とする上記(1)から(5)のうちの何れか一つに記載の回転電機。
この発明による回転電機によれば、演算部の処理を簡略化することができる。
(7)デューティマップは、前記電動機モードでの動作時に用いる電動機モードデューティマップと、前記発電機モードでの動作時に用いる発電機モードデューティマップとから構成されている、
ことを特徴とする上記(6)に記載の回転電機。
この発明による回転電機によれば、電動機モード時と、発電機モード時のデューティマップが個別で管理され、メモリに格納されるため、演算部の処理を簡略化することができる。
)前記所定の矩形波通電制御信号は、電気角180度の幅を有する矩形波が電気角180度の間隔を介して周期的に発生する信号である、
ことを特徴とする上記(1)から(8)のうちの何れか一つに記載の回転電機。
この発明による回転電機によれば、電動機モード時の駆動電流を抑制しつつ、発電機モード時の発電開始回転数の引き下げが可能であり、回転電機を大型化することなく電動機モード及び発電機モードでの出力を向上させることができる。
)電機子巻線を有する固定子部と界磁巻線を有する回転子部とを備えた回転機部と、夫々電力変換素子を有し互に直列接続された正極側スイッチングアームと負極側スイッチングアームを備え前記夫々の電力変換素子のスイッチング動作により前記回転機部と電源装置との間の電力変換を行う電力変換部と、前記電力変換部を制御する制御部とを備え、前記回転機部を電動機モードと発電機モードとの何れにも動作させ得るようにした回転電機の制御方法であって、
前記制御部は、
演算部と、前記演算部からの指令に基づいて、所定の矩形波通電制御信号を発生する矩形波通電信号発生回路と、前記演算部からの指令に基づいて、所定のデューティ比を有する電機子デューティ制御信号を発生し得る電機子デューティ信号発生回路と、前記矩形波通電制御信号と前記電機子デューティ制御信号との論理演算に基づいて、前記電力変換素子を駆動する電力変換素子駆動信号を発生する信号処理部とを備え、制御指令に基づいて、所定の矩形波通電制御信号と、前記矩形波通電制御信号の周波数より高い周波数を有し且つ所定のデューティ比を有する電機子デューティ制御信号とを発生し、
前記矩形波通電制御信号と前記電機子デューティ制御信号との論理演算に基づいて、前記電力変換素子を駆動する電力変換素子駆動信号を発生し、
前記回転機部が前記電動機モードに於ける少なくとも所定の運転状態のとき、又は前記回転機部が前記発電機モードに於ける少なくとも所定の運転状態のとき、前記電力変換素子駆動信号により前記複数の電力変換素子を駆動することにより、矩形波を前記電機子巻線に通電させる矩形波通電制御と前記所定のデューティ比で前記電機子巻線に通電させるデューティ通電制御とを合成した電力変換制御を行な
前記信号処理部は、前記電力変換素子駆動信号として前記正極側スイッチングアームを駆動する正極側スイッチングアーム駆動信号と、前記負極側スイッチングアームを駆動する負極側スイッチングアーム駆動信号とを発生し、
前記正極側スイッチングアーム駆動信号は、前記矩形波通電制御信号と前記電機子デューティ制御信号との論理積演算に基づいて生成され、
前記負極側スイッチングアーム駆動信号は、前記矩形波通電制御信号と前記電機子デューティ制御信号を反転させた反転信号との論理和演算に基づいて生成される、
ことを特徴とする回転電機の制御方法。
この発明による回転電機の制御方法によれば、電動機モード時の駆動電流を抑制しつつ、発電機モード時の発電開始回転数の引き下げが可能であり、回転電機を大型化することなく電動機モード及び発電機モードでの出力を向上させることができる。
10)前記電動機モードに於ける前記所定の運転状態は、前記回転機部の回転速度若しくは回転数が、所定の値以下であるときの運転状態である、
ことを特徴とする上記()に記載の回転電機の制御方法。
この発明による回転電機の制御方法によれば、低速回転時に於いても、所望の出力を得ることができる。
11)前記回転機部の回転子部は、車両に搭載されたエンジンのクランク軸に連結されており、
前記電動機モードに於ける前記所定の運転状態は、前記エンジンを始動させる運転状態である、
ことを特徴とする上記()に記載の回転電機の制御方法。
この発明による回転電機の制御方法によれば、エンジンの始動時に於いても所望の出力を得ることができる。
12)前記発電機モードに於ける前記所定の運転状態は、前記回転機部の回転速度若しくは回転数が、所定の値以下であるときの運転状態である、
ことを特徴とする上記()に記載の回転電機の制御方法。
この発明による回転電機の制御方法によれば、発電時には低速回転でも発電することができる小形の回転電機を得ることができる。
13)前記発電機モードに於ける前記所定の運転状態は、前記回転機部の回転速度若しくは回転数が、所定の範囲にある運転状態である、
ことを特徴とする上記()に記載の回転電機の制御方法。
この発明による回転電機の制御方法によれば、発電時のデューティ制御信号を処理をする範囲を回転数で限定し、発電機モードでの制御のための演算を簡易化することができる。
(14)前記所定の矩形波通電制御信号は、電気角180度の幅を有する矩形波が電気角180度の間隔を介して周期的に発生する信号である、
ことを特徴とする上記()から(13)のうちの何れか一つに記載の回転電機の制御方法。
この発明による回転電機の制御方法によれば、電動機モード時の駆動電流を抑制しつつ、発電機モード時の発電開始回転数の引き下げが可能であり、回転電機を大型化することなく電動機モード及び発電機モードでの出力を向上させることができる。
1 回転電機、2 回転機部、3 電力変換部、4 制御部、5 エンジン、6 クランクシャフト、7 ベルト、21 固定子部、22 回転子部、23 電機子巻線、24 界磁巻線、25 回転センサ部、26 固定子鉄心、27 フロント側ブラケット、28 リア側ブラケット、40 制御装置部、220 回転子鉄心、221 回転子軸、222、223 軸受、224 ブラシ保持器、225、226 ブラシ、227 プーリ、229 カバー、230、231 支持体、101 車載電気負荷、102 車載電源装置、103 上位制御装置、31 電機子電力変換部、32 界磁電力変換部、41 演算部、42 界磁電流デューティ信号発生回路、43 矩形波通電信号発生回路、44 電機子デューティ信号発生回路、45 信号処理部、45a AND回路、45b OR回路、45c NOT回路、50 電力変換素子、51 平滑コンデンサ、C 制御指令、CS 電流センサ、M メモリ、VS 電圧センサ、S 回転検出信号、V 端子電圧検出信号、I 界磁電流検出信号、421 界磁電流デューティ制御指令、431 矩形波通電制御指令、441 電機子電流ディユーティ制御指令、422 界磁電流デューティ制御信号、432 矩形波通電制御信号、442 電機子デューティ制御信号、451 電機子電力変換素子駆動信号、UC U相巻線、VC V相巻線、WC W相巻線、UA U相スイッチングアーム、VA V相スイッチングアーム、WA W相スイッチングアーム、UP、UN、VP、VN、WP、WN パワースイッチング素子、FS 界磁スイッチング素子、RD 逆流素子ダイオード、U1、V1、W1 直列接続点、UA1 U相端子、VA1 V相端子、WA1 W相端子、LP 正極側配線、LN 負極側配線

Claims (14)

  1. 電機子巻線を有する固定子部と界磁巻線を有する回転子部とを備えた回転機部と、
    複数の電力変換素子を備え、前記複数の電力変換素子のスイッチング動作により前記回転機部と電源装置との間の電力変換を行う電力変換部と、
    前記電力変換部を制御する制御部と、
    を備え、
    前記回転機部を電動機モードと発電機モードとの何れにも動作させ得るようにした回転電機であって、
    前記制御部は、
    演算部と、
    前記演算部からの指令に基づいて、所定の矩形波通電制御信号を発生する矩形波通電信号発生回路と、
    前記演算部からの指令に基づいて、所定のデューティ比を有する電機子デューティ制御信号を発生し得る電機子デューティ信号発生回路と、
    前記矩形波通電制御信号と前記電機子デューティ制御信号との論理演算に基づいて、前記電力変換素子を駆動する電力変換素子駆動信号を発生する信号処理部と、
    を備え、
    前記電機子デューティ制御信号は、前記矩形波通電制御信号の周波数より高い周波数を有し、
    前記電力変換部は、
    前記回転機部が前記電動機モードに於ける少なくとも所定の運転状態のとき、又は前記回転機部が前記発電機モードに於ける少なくとも所定の運転状態のとき、前記電力変換素子駆動信号により前記複数の電力変換素子が駆動されることにより、矩形波を前記電機子巻線に通電させる矩形波通電制御と前記所定のデューティ比で前記電機子巻線に通電させるデューティ通電制御とを合成した電力変換制御を行なうように構成されると共に 夫々前記電力変換素子を備え互いに直列接続された正極側スイッチングアームと負極側スイッチングアームとを備え、
    前記電力変換素子駆動信号は、前記正極側スイッチングアームに設けられた前記電力変換素子を駆動する正極側スイッチングアーム駆動信号と、前記負極側スイッチングアームに設けられた前記電力変換素子を駆動する負極側スイッチングアーム駆動信号とを含み、 前記正極側スイッチングアーム駆動信号は、前記矩形波通電制御信号と前記電機子デューティ制御信号との論理積演算に基づいて前記信号処理部により生成され、
    前記負極側スイッチングアーム駆動信号は、前記矩形波通電制御信号と前記電機子デューティ制御信号を反転させた反転信号との論理和演算に基づいて前記信号処理部により生成される、
    ことを特徴とする回転電機。
  2. 前記電動機モードに於ける前記所定の運転状態は、前記回転機部の回転速度若しくは回転数が、所定の値以下であるときの運転状態である、
    ことを特徴とする請求項1に記載の回転電機。
  3. 前記回転機部の回転子部は、車両に搭載されたエンジンのクランク軸に連結されており、
    前記電動機モードに於ける前記所定の運転状態は、前記エンジンを始動させる運転状態である、
    ことを特徴とする請求項1に記載の回転電機。
  4. 前記発電機モードに於ける前記所定の運転状態は、前記回転機部の回転速度若しくは回転数が、所定の値以下であるときの運転状態である、
    ことを特徴とする請求項1に記載の回転電機。
  5. 前記発電機モードに於ける前記所定の運転状態は、前記回転機部の回転速度若しくは回転数が、所定の範囲にある運転状態である、
    ことを特徴とする請求項1に記載の回転電機。
  6. 前記制御部の少なくとも一部が、メモリを有するプロセッサにより構成され、
    前記回転機部の運転状態に対応して前記電機子デューティ制御信号に於ける前記デューティ比を格納したデューティマップを備え、
    前記演算部は、前記デューティマップに基づいて前記電機子デューティ制御信号の前記所定のデューティ比を演算して前記電機子デューティ信号発生回路に指令するように構成されている、
    ことを特徴とする請求項1から5のうちの何れか一項に記載の回転電機。
  7. デューティマップは、前記電動機モードでの動作時に用いる電動機モードデューティマップと、前記発電機モードでの動作時に用いる発電機モードデューティマップとから構成されている、
    ことを特徴とする請求項6に記載の回転電機。
  8. 前記所定の矩形波通電制御信号は、電気角180度の幅を有する矩形波が電気角180度の間隔を介して周期的に発生する信号である、
    ことを特徴とする請求項1から7のうちの何れか一項に記載の回転電機。
  9. 電機子巻線を有する固定子部と界磁巻線を有する回転子部とを備えた回転機部と、夫々電力変換素子を有し互に直列接続された正極側スイッチングアームと負極側スイッチングアームとを備え前記夫々の電力変換素子のスイッチング動作により前記回転機部と電源装置との間の電力変換を行う電力変換部と、前記電力変換部を制御する制御部とを備え、前記回転機部を電動機モードと発電機モードとの何れにも動作させ得るようにした回転電機の制御方法であって、
    前記制御部は、
    演算部と、前記演算部からの指令に基づいて、所定の矩形波通電制御信号を発生する矩形波通電信号発生回路と、前記演算部からの指令に基づいて、所定のデューティ比を有する電機子デューティ制御信号を発生し得る電機子デューティ信号発生回路と、前記矩形波通電制御信号と前記電機子デューティ制御信号との論理演算に基づいて、前記電力変換素子を駆動する電力変換素子駆動信号を発生する信号処理部とを備え、制御指令に基づいて、所定の矩形波通電制御信号と、前記矩形波通電制御信号の周波数より高い周波数を有し且つ所定のデューティ比を有する電機子デューティ制御信号とを発生し、前記矩形波通電制御信号と前記電機子デューティ制御信号との論理演算に基づいて、前記電力変換素子を駆動する電力変換素子駆動信号を発生し、前記回転機部が前記電動機モードに於ける少なくとも所定の運転状態のとき、又は前記回転機部が前記発電機モードに於ける少なくとも所定の運転状態のとき、前記電力変換素子駆動信号により前記電力変換素子を駆動することにより、矩形波を前記電機子巻線に通電させる矩形波通電制御と前記所定のデューティ比で前記電機子巻線に通電させるデューティ通電制御とを合成した電力変換制御を行ない、
    前記信号処理部は、前記電力変換素子駆動信号として前記正極側スイッチングアームを駆動する正極側スイッチングアーム駆動信号と、前記負極側スイッチングアームを駆動する負極側スイッチングアーム駆動信号とを発生し、
    前記正極側スイッチングアーム駆動信号は、前記矩形波通電制御信号と前記電機子デューティ制御信号との論理積演算に基づいて生成され、
    前記負極側スイッチングアーム駆動信号は、前記矩形波通電制御信号と前記電機子デューティ制御信号を反転させた反転信号との論理和演算に基づいて生成される、
    ことを特徴とする回転電機の制御方法。
  10. 前記電動機モードに於ける前記所定の運転状態は、前記回転機部の回転速度若しくは回転数が、所定の値以下であるときの運転状態である、
    ことを特徴とする請求項9に記載の回転電機の制御方法。
  11. 前記回転機部の回転子部は、車両に搭載されたエンジンのクランク軸に連結されており、
    前記電動機モードに於ける前記所定の運転状態は、前記エンジンを始動させる運転状態である、
    ことを特徴とする請求項9に記載の回転電機の制御方法。
  12. 前記発電機モードに於ける前記所定の運転状態は、前記回転機部の回転速度若しくは回転数が、所定の値以下であるときの運転状態である、
    ことを特徴とする請求項9に記載の回転電機の制御方法。
  13. 前記発電機モードに於ける前記所定の運転状態は、前記回転機部の回転速度若しくは回転数が、所定の範囲にある運転状態である、
    ことを特徴とする請求項9に記載の回転電機の制御方法。
  14. 前記所定の矩形波通電制御信号は、電気角180度の幅を有する矩形波が電気角180度の間隔を介して周期的に発生する信号である、
    ことを特徴とする請求項9から13のうちの何れか一項に記載の回転電機の制御方法。
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