JP7192258B2 - 車両用回転電機 - Google Patents

車両用回転電機 Download PDF

Info

Publication number
JP7192258B2
JP7192258B2 JP2018109410A JP2018109410A JP7192258B2 JP 7192258 B2 JP7192258 B2 JP 7192258B2 JP 2018109410 A JP2018109410 A JP 2018109410A JP 2018109410 A JP2018109410 A JP 2018109410A JP 7192258 B2 JP7192258 B2 JP 7192258B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
current
control
electric machine
phase
vehicle
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2018109410A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2019213396A (ja
Inventor
卓也 川村
拓人 鈴木
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Denso Corp
Original Assignee
Denso Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Denso Corp filed Critical Denso Corp
Priority to JP2018109410A priority Critical patent/JP7192258B2/ja
Publication of JP2019213396A publication Critical patent/JP2019213396A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP7192258B2 publication Critical patent/JP7192258B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Control Of Ac Motors In General (AREA)
  • Control Of Eletrric Generators (AREA)

Description

本開示は、車両に搭載される車両用回転電機に関する。
下記の特許文献1には、複数の相巻線を有するモータに対してd軸電流およびq軸電流を制御することによってモータの効率を改善するという技術が開示されている。
国際公開2016/207936号
しかしながら、発明者の詳細な検討の結果、車両用回転電機では、効率を優先して電流を制御すると、磁気音が増大するという課題が見出された。
本開示の1つの局面は、車両用回転電機において、磁気音を抑制することにある。
本開示の一態様は、車両用回転電機であって、電機子巻線(2,3)と、界磁巻線(4)と、制御部(7)と、を備える。電機子巻線は、複数の相巻線を有する。
界磁巻線は、界磁電流により磁化され、電機子巻線に対して移動可能な巻線である。制御部は、1または複数の相巻線に流される電流を表す相電流、および界磁電流によって生じる磁束が予め設定された上限値を超えないように、相電流および界磁電流のうちの少なくとも一方を制御するように構成される。
ここで、車両用回転電機に入出力されるトルクが大きくなると、電機子巻線と界磁巻線との間で引き合う力および反発し合う力が大きくなり、磁気音が大きくなる。このため、本開示では、磁束を抑制することで磁気音を抑制する。このような構成によれば、磁気音を抑制することができる。
なお、この欄及び特許請求の範囲に記載した括弧内の符号は、一つの態様として後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものであって、本開示の技術的範囲を限定するものではない。
車両用回転電機の構成を示すブロック図である。 電力変換器の構成を示すブロック図である。 最大効率曲線を示すグラフである。 d軸電流を抑制する際の電流ベクトルの一例を示すグラフである。 第1実施形態の磁気音低減例を示すグラフである。 第2実施形態の磁気音低減例を示すグラフである。 第3実施形態の磁気音低減例を示すグラフである。 第4実施形態の磁気音低減例を示すグラフである。 発電時の制御モードの一例を示すグラフである。
以下、図面を参照しながら、本開示の実施形態を説明する。
[1.第1実施形態]
[1-1.構成]
図1に示す車両用回転電機1は、2組の固定子巻線2、3と、界磁巻線4と、2組の電力変換器群5、6と、制御装置7と、電流センサ13X,13Y,13Z,13U,13V,13Wとを備える。また、車両用回転電機1は、ECU8と、バッテリ9と、1または複数の負荷10とに接続されている。電流センサ13X,13Y,13Z,13U,13V,13Wは、相電流を検知する周知の電流センサであり、相電流の検知結果をECU8に送る。
ECU8は電子制御装置を示す。また、負荷10はバッテリ9または発電中の車両用回転電機1から電力の供給を受けて電力を消費する電気機器である。
一方の固定子巻線2は、例えばX相巻線、Y相巻線、Z相巻線からなる三相巻線として構成される多相巻線であって、図示しない固定子鉄心に巻装されている。同様に、他方の固定子巻線3は、例えばU相巻線、V相巻線、W相巻線からなる三相巻線として構成される多相巻線であって、上述した固定子鉄心に、固定子巻線2に対して電気角で30度ずらした位置に巻装されている。本実施形態では、これら2つの固定子巻線2、3と固定子鉄心によって固定子が構成されている。
界磁巻線4は、固定子鉄心の内周側に対向配置された図示しない界磁極に巻装されて回転子を構成している界磁巻線4に界磁電流を流すことにより、界磁極が磁化される。車両用回転電機1が発電器として機能する際には、界磁極が磁化された状態で回転子が回転し、界磁巻線4と固定子巻線2、3とが相対移動させられることで発生する回転磁界によって固定子巻線2、3が交流電圧を発生する。
また、車両用回転電機1がモータとして機能する際には、界磁極が磁化された状態で固定子巻線2、3に交流電圧が印加されることによって界磁巻線4と固定子巻線2、3との間で回転子を回転させる回転駆動力を発生させる。
電力変換器群5、6は、車両用回転電機1の駆動用のインバータ、および車両用回転電機1による発電用の整流器モジュールとして機能する。一方の電力変換器群5は、一方の固定子巻線2に接続されており、全体で三相全波整流回路、いわゆるブリッジ回路が構成され、固定子巻線2に誘起される交流電流を直流電流に変換する。この電力変換器群5は、固定子巻線2の相数に対応する数の電力変換器5X、5Y、5Zを備えている。本実施形態では、三相巻線であるため3個の電力変換器を備える。
電力変換器5Xは、固定子巻線2に含まれるX相巻線に接続されている。電力変換器5Yは、固定子巻線2に含まれるY相巻線に接続されている。電力変換器5Zは、固定子巻線2に含まれるZ相巻線に接続されている。また、電力変換器5X、5Y、5Zの固定子巻線2側には、電流センサ13X,13Y,13Zを備える。
他方の電力変換器群6は、一方の固定子巻線3に接続されており、全体で三相全波整流回路が構成され、固定子巻線3に誘起される交流電流を直流電流に変換する。この電力変換器群6は、固定子巻線3の相数に対応する数の電力変換器6U、6V、6Wを備えている。
電力変換器6Uは、固定子巻線3に含まれるU相巻線に接続されている。電力変換器6Vは、固定子巻線3に含まれるV相巻線に接続されている。電力変換器6Wは、固定子巻線3に含まれるW相巻線に接続されている。また、電力変換器6U、6V、6Wの固定子巻線3側には、電流センサ13U,13V,13Wを備える。
制御装置7は、界磁巻線4に流す界磁電流、および電力変換器群5,6を制御する制御回路である。制御装置7は、通信端子Lおよび通信端子Lに接続される通信線を介してECU8と接続されており、ECU8との間で双方向の通信を行い、通信メッセージを送信あるいは受信する。
ECU8は、通信メッセージに、トルク目標値および回転角の情報を含めて送信する。トルク目標値は、発電または駆動の目標値を示す値である。例えば、トルク目標値がプラスの場合は車両用回転電機1をモータとして機能させ、トルク目標値がマイナスの場合は車両用回転電機1を発電器として機能させることを意味する。トルク目標値がマイナスの場合、トルク目標値は、目標とする発電量の指令値である発電量指令ともいうことができ、また、トルク目標値と回転角の情報とに基づいて、目標とする発電時の電流の大きさを表す発電電流を求めることができる。ECU8は、通信メッセージに、電流センサ13にて得られる相電流を含めて送信する。
回転角の情報は、車両用回転電機1の回転角を検知する回転角センサ11によって得られる界磁巻線4と固定子巻線2、3との相対的な位置関係、すなわち電気角を推定するための情報である。回転角センサ11は、例えば、エンコーダディスクおよびパルスカウンタを備える構成とされ、ECU8は、パルスカウンタにて得られるパルスに基づいて回転角の情報を生成する。
制御装置7は、F端子を介して接続された界磁巻線4に流す界磁電流を制御する機能で界磁電流を調整することにより、車両用回転電機1の出力電圧VBが調整電圧Vregに近づくように制御する。車両用回転電機1の出力電圧VBは、各電力変換器の出力電圧ともいうことができる。
制御装置7は、例えば、出力電圧VBが調整電圧Vregよりも高くなったときに界磁巻線4への界磁電流の供給を停止し、出力電圧VBが調整電圧Vregよりも低くなったときに界磁巻線4に界磁電流の供給を行うことにより、出力電圧VBが調整電圧Vregに近づくように制御する。
制御装置7は、トルク目標値、相電流に従って、整流器モジュール5,6に対して、整流器モジュール5,6が有するスイッチング素子のオン・オフタイミングを指示する。
次に、電力変換器5X等の詳細について説明する。図2は、電力変換器5Xの構成を示す図である。なお、他の電力変換器5Y、5Z、6U、6V、6Wも同じ構成を有している。
図2に示すように、電力変換器5Xは、2つのMOSトランジスタ50、51、制御回路54を備えている。MOSトランジスタ50は、ソースが固定子巻線2のX相巻線に接続され、ドレインが充電線12を介して電気負荷10やバッテリ9の正極端子に接続された上アーム、すなわちハイサイド側のスイッチング素子である。
MOSトランジスタ51は、ドレインがX相巻線に接続され、ソースがバッテリ9の負極端子に接続された下アーム、すなわちローサイド側のスイッチング素子である。これら2つのMOSトランジスタ50、51からなる直列回路がバッテリ9の正極端子と負極端子の間に配置され、これら2つのMOSトランジスタ50、51の接続点にX相巻線が接続されている。
また、MOSトランジスタ50、51のそれぞれのソース・ドレイン間にはダイオードが並列接続されている。このダイオードはMOSトランジスタ50、51の寄生ダイオード、言い換えればボディダイオードによって実現されるが、別部品としてのダイオードをさらに並列接続するようにしてもよい。
なお、上アームおよび下アームの少なくとも一方を、MOSトランジスタ以外のスイッチング素子を用いて構成するようにしてもよい。
制御回路54は、制御装置7から指示されるスイッチング素子のオン・オフタイミングに従って、MOSトランジスタ50、51を駆動する。
すなわち、車両用回転電機1が発電器として機能する際には、制御装置7は、制御回路54を介して、MOSトランジスタ50、51をスイッチングすることによって、バッテリ9へ供給される電力を最適化する。
また、車両用回転電機1がモータとして機能する際には、制御装置7は、制御回路54を介して、MOSトランジスタ50、51をスイッチングすることによって、バッテリ9の直流電圧から固定子巻線2,3に対する三相交流電圧を生成することで車両用回転電機1を駆動する。
なお、以下では、三相巻線である固定子巻線2,3に流れる相電流をd軸電流およびq軸電流の2軸で表記する。d軸電流は、磁束軸の成分であり、q軸電流は、トルク軸の成分である。相電流を2軸で表記するための変換式は周知であるため、ここでの説明を割愛する。ただし、相電流を2軸で表記する際に必要となる電気角は、回転角センサ11に基づいて得られる回転角の情報、或いは電流センサ13から得られる相電流を用いて推定する。
また、以下にはd軸電流およびq軸電流を設定する手法を説明するが、設定されたd軸電流およびq軸電流と、固定子巻線2,3に流れる相電流との関係は、予め所定の関係式或いはマップ等によって一義に特定される。制御装置7は、電流センサ13が検知した相電流に基づいて、MOSトランジスタ50、51をスイッチングすることによって、d軸電流およびq軸電流から特定される相電流が固定子巻線2,3に流れるように制御する。この際、ECU8が用いるクロックを基準の周期とするPWM波形を用いてMOSトランジスタ50、51をスイッチングする。
制御装置7は、MOSトランジスタ50、51をスイッチングする際に、必要に応じて磁束Φを抑制する。車両用回転電機1から出力されるトルク、或いは、車両用回転電機1に入力されるトルクをトルクTと表記すると、トルクTと磁束Φとの関係は、下記式(1)にて表記できる。
Figure 0007192258000001
すなわち、トルクTは、磁束φと固定子巻線2,3に流される総電流Iとの積で表記できる。また、磁束φは、下記式(2)にて表記できる。
Figure 0007192258000002
ただし、f(If)は、界磁電流Ifに依存する界磁巻線4によって生じる磁束を表す。また、Ldは、固定子巻線2,3のインダクタンスのうちのd軸成分であり、idは、固定子巻線2,3のd軸電流である。
制御装置7は、要求されるトルクTに応じて、車両用回転電機1による発電効率が最大となり、または駆動効率が最大となるように、界磁巻線4を流れる界磁電流と固定子巻線2,3を流れる相電流との組み合わせを選択し、原則として、図3に示すように、最大効率曲線Pmax上の任意の点を選択する。最大効率曲線Pmaxは予め準備されている。ただし、磁束φが予め設定された上限値φmaxを超える場合、磁気音を抑制することができるような界磁電流と相電流との組み合わせに変更する。
例えば、図3に示すように、最大効率点Amaxが選択されたものの、この点での磁束φが予め設定された磁束の上限値φmaxを超える場合、例えば、d軸電流を抑制してA1等の点を選択し、磁気音を抑制する。或いは、界磁電流を抑制して、A2等の点を選択し、磁気音を抑制する。
第1実施形態では、制御装置7は、界磁電流が最大効率となるように制御し、d軸電流を磁束が上限値を超えないように制御する例について説明する。
制御装置7は、磁気音を抑制する必要がある場合に、例えば図4に示すように、d軸電流が負の値になるように制御することによって、上記式(2)のうちのidの項が負の値になり、界磁電流による磁束の大きさよりも磁束が小さくなるように制御する。
詳細には、図5の上図に示すように、界磁電流については、トルクに対して最大効率となる界磁電流の関係が予め設定された最大効率条件に従って制御する。図5の中図に示すように、d軸電流については、トルクに対して最大効率となるd軸電流の関係が予め設定された最大効率条件よりも、トルクの全領域についてd軸電流を低減した磁気音低減条件に従って制御する。磁気音低減条件では、磁束φが上限値となる磁気音成立d軸電流ラインを超えることがないように設定される。
図5の下図に示すように、q軸電流については、d軸電流を抑制することでトルクTが減少しているため、トルクTを補うために、トルクに対して最大効率となるq軸電流の関係が予め設定された最大効率条件よりも電流を増加させた磁気音低減条件に従って制御する。
[1-2.効果]
以上詳述した第1実施形態によれば、以下の効果を奏する。
(1a)車両用回転電機1は、固定子巻線2,3と、界磁巻線4と、制御装置7と、電流センサ13とを備える。固定子巻線2,3は、複数の相巻線を有する。
界磁巻線4は、界磁電流により磁化され、固定子巻線2,3に対して移動可能な巻線である。電流センサ13は、1または複数の相巻線に流される電流を表す相電流を検知する。制御装置7は、相電流および界磁電流によって生じる磁束が予め設定された上限値を超えないように、電流センサ13が検知した相電流に基づいて、相電流および界磁電流のうちの少なくとも一方を制御するように構成される。
ここで、車両用回転電機1に入出力されるトルクが大きくなると、固定子巻線2,3と界磁巻線4との間で引き合う力および反発し合う力が大きくなり、磁気音が大きくなる。このため、本開示では、磁束を抑制することで磁気音を抑制する。このような構成によれば、磁気音を抑制することができる。
(1b)制御装置7は、相電流を構成するd軸電流が負の値になるように、少なくとも界磁電流を制御してもよい。
このような構成によれば、d軸電流を負の値とすることで磁束を抑制できるので、磁気音を抑制することができる。
(1c)制御装置7は、相電流を構成するd軸電流およびq軸電流、並びに界磁電流がそれぞれ目標値となるように制御してもよい。
このような構成によれば、d軸電流、q軸電流、界磁電流の組み合わせを制御することで磁気音を抑制することができる。
(1d)制御装置7は、界磁電流が最大効率となるように制御し、d軸電流を磁束が上限値を超えないように制御してもよい。
このような構成によれば、d軸電流の制御により騒音を抑制することができる。
[2.第2実施形態]
[2-1.第1実施形態との相違点]
第2実施形態は、基本的な構成は第1実施形態と同様であるため、相違点について以下に説明する。なお、第1実施形態と同じ符号は、同一の構成を示すものであって、先行する説明を参照する。
前述した第1実施形態では、界磁電流が最大効率となるように制御し、d軸電流を磁束が上限値を超えないように制御した。これに対し、第2実施形態では、制御装置7は、d軸電流が最大効率となるように制御し、界磁電流を磁束が上限値を超えないように制御する点で、第1実施形態と相違する。
[2-2.構成]
本実施形態の制御装置7は、図6に示すように界磁電流および相電流を制御する。すなわち、図6の上図に示すように、界磁電流については、最大効率条件よりも界磁電流を低減した磁気音低減条件となるように制御する。磁気音低減条件では、磁束φが上限値となる磁気音成立界磁電流ラインを超えることがないように設定される。図6の中図に示すように、d軸電流については、最大効率条件となるように制御する。
図6の下図に示すように、q軸電流については、界磁電流を抑制することでトルクTが減少しているため、トルクTを補うために、トルクの全領域について最大効率条件よりも電流を増加させ、磁気音低減条件に従って制御する。
[2-3.効果]
以上詳述した第2実施形態によれば、前述した第1実施形態の効果(1a)を奏し、さらに、以下の効果を奏する。
(2a)制御装置7は、d軸電流が最大効率となるように制御し、界磁電流を磁束が上限値を超えないように制御する。
このような構成によれば、界磁電流の制御により騒音を抑制することができる。
[3.第3実施形態]
[3-1.第1実施形態との相違点]
前述した第1実施形態では、界磁電流が最大効率となるように制御し、d軸電流をトルクに対する全領域について減じることで、磁束が上限値を超えないように制御した。これに対し、第3実施形態では、制御装置7は、d軸電流をトルクが大きな領域だけについて減じることで、磁束が上限値を超えないように制御する点で、第1実施形態と相違する。
[3-2.構成]
本実施形態の制御装置7は、図7の上図に示すように、界磁電流については、最大効率条件となるように制御する。図7の中図に示すように、d軸電流については、トルクが比較的小さな領域では、最大効率条件となるように設定し、トルクが大きくなり、d軸電流が磁気音成立d軸電流ラインに近づくと、概ね磁気音成立d軸電流ラインに沿って設定される磁気音低減条件に従って制御する。磁気音低減条件では、磁束φが上限値となる磁気音成立d軸電流ラインを超えることがないように設定される。
図7の下図に示すように、q軸電流については、d軸電流が最大効率条件に従って設定されている際にはq軸電流も最大効率条件となるように設定される。また、d軸電流が最大効率よりも抑制されている領域では、d軸電流を抑制することでトルクTが減少しているため、トルクTを補うために、q軸電流を最大効率条件よりも電流を増加させ、磁気音低減条件に従って制御する。
[3-3.効果]
以上詳述した第3実施形態によれば、前述した第1実施形態の効果(1a)を奏し、さらに、以下の効果を奏する。
(3a)このような構成によれば、q軸電流およびd軸電流が極力最大効率となるように設定することができる。
[4.第4実施形態]
[4-1.第2実施形態との相違点]
前述した第2実施形態では、d軸電流が最大効率となるように制御し、界磁電流をトルクに対する全領域について減じることで、磁束が上限値を超えないように制御した。これに対し、第4実施形態では、制御装置7は、界磁電流をトルクが大きな領域だけについて減じることで、磁束が上限値を超えないように制御する点で、第2実施形態と相違する。
[4-2.構成]
本実施形態の制御装置7は、図8に示すように界磁電流および相電流を制御する。すなわち、図8の上図に示すように、界磁電流については、トルクが比較的小さな領域では、最大効率となるように設定し、トルクが大きくなり、界磁電流が磁気音成立界磁電流ラインに近づくと、概ね磁気音成立界磁電流ラインに沿って設定される磁気音低減条件に従って制御する。磁気音低減条件では、磁束φが上限値となる磁気音成立界磁電流ラインを超えることがないように設定される。図8の中図に示すように、d軸電流については、最大効率となるように制御する。
図8の下図に示すように、q軸電流については、界磁電流が最大効率に設定されている際にはq軸電流も最大効率となるように設定される。また、界磁電流が最大効率よりも抑制されている領域では、界磁電流を抑制することでトルクTが減少しているため、トルクTを補うために、q軸電流を最大効率よりも電流を増加させ、磁気音低減条件に従って制御する。
[4-3.効果]
以上詳述した第2実施形態によれば、前述した第1実施形態の効果(1a)を奏し、さらに、以下の効果を奏する。
(2a)このような構成によれば、q軸電流および界磁電流が極力最大効率となるように設定することができる。
[5.第5実施形態]
[5-1.上記各実施形態との相違点]
前述した上記各実施形態では、発電時の制御モードについては言及していない。これに対し、第5実施形態では、複数の制御モードを回転数に応じて切り替え、この際に磁気音を低減させる点で上記各実施形態と相違する。
[5-2.構成]
第5実施形態では、制御装置7が界磁巻線4に界磁電流の供給を行う際に、制御モードとして、PWM(Pulse Width Modulation)制御と電圧位相制御とを切り替える。なお、図9では、発電時の制御について例示する。図9では、車両用回転電機1の回転数と、発電電流との関係に従って、制御モードを切り替えることを示す。ただし、車両用回転電機1の回転数は、回転角の情報を複数回取得することで求めることができる。
PWM制御とは、主として車両用回転電機1の回転数が低いときに実施される制御モードであり、電力変換器5,6が有するスイッチング素子をPWM波形によって制御することで、固定子巻線2、3からの電流を制御する制御手法を示す。PWM制御で用いられるPWM波形のパルス幅は、トルク目標値や回転数に応じて変更され、PWM波形のパルスの周期は、ECU8で用いられるクロックの周期を基準に設定される。
電圧位相制御とは、主として車両用回転電機1の回転数が高いときに実施される制御モードであり、発電時では、固定子巻線2、3にかかる誘起電圧が、電力変換器5,6に備えられたダイオードが導通する程度の電圧を超える場合に、スイッチング素子をオンオフするように制御する制御手法を示す。
この際のオン・オフタイミングは、車両用回転電機1の回転角度周期、すなわち回転角の情報に依存する。電圧位相制御には、例えば、矩形波制御など、電気角毎にスイッチングのタイミングを設定する制御が含まれる。
なお、PWM制御、電圧位相制御の際に、界磁巻線4への界磁電流は、界磁電流を平滑化したときに、予め設定された値以上になるように、そのデューディ比が設定される。ただし、制御モード毎に、異なる範囲内に制御されてもよい。
本実施形態においては、PWM制御の実施時に、d軸電流を磁束が上限値を超えないように制御するとよい。
[5-3.効果]
以上詳述した第5実施形態によれば、前述した第1実施形態の効果(1a)を奏し、さらに、以下の効果を奏する。
(5a)制御装置7は、PWM制御と電圧位相制御とを切り替え可能であり、PWM制御の際に、界磁電流値が予め設定された範囲内となるように制御し、d軸電流を磁束が上限値を超えないように制御してもよい。
このような構成によれば、PWM制御の際に、磁気音を抑制しつつ、車両用回転電機1によるトルクの変動を小さくすることができる。
(5b)第5実施形態の構成では、発電時に複数のモードを切り替えるよう構成したが、駆動時にも同様に、PWM制御、電圧位相制御を切り替えるように構成してもよい。この場合、PWM制御、電圧位相制御を切り替える際に、d軸電流を磁束が上限値を超えないように制御してもよい。
[6.他の実施形態]
以上、本開示の実施形態について説明したが、本開示は上述の実施形態に限定されることなく、種々変形して実施することができる。
(6a)上記実施形態では、界磁電流およびd軸電流のうちの一方を制御することによって磁束を抑制するよう構成したが、界磁電流およびd軸電流のうちの両方を制御することによって磁束を抑制してもよい。
(6b)上記実施形態における1つの構成要素が有する複数の機能を、複数の構成要素によって実現したり、1つの構成要素が有する1つの機能を、複数の構成要素によって実現したりしてもよい。また、複数の構成要素が有する複数の機能を、1つの構成要素によって実現したり、複数の構成要素によって実現される1つの機能を、1つの構成要素によって実現したりしてもよい。また、上記実施形態の構成の一部を省略してもよい。また、上記実施形態の構成の少なくとも一部を、他の上記実施形態の構成に対して付加又は置換してもよい。なお、特許請求の範囲に記載した文言から特定される技術思想に含まれるあらゆる態様が本開示の実施形態である。
(6c)上述した車両用回転電機1の他、当該車両用回転電機1を構成要素とするシステム、当該車両用回転電機1としてコンピュータを機能させるためのプログラム、このプログラムを記録した半導体メモリ等の非遷移的実態的記録媒体、車両用回転電機1の制御方法など、種々の形態で本開示を実現することもできる。
[7.実施形態の構成と本開示の構成との対応関係]
上記実施形態における固定子巻線2、3は、本開示での電機子巻線に相当し、上記実施形態における制御装置7は、本開示での制御部に相当する。また、上記実施形態における電流センサ13X,13Y,13Z,13U,13V,13Wは、本開示での電流検知部に相当する。
1…車両用回転電機、2,3…固定子巻線、4…界磁巻線、5,6…電力変換器群、7…制御装置、8…ECU、9…バッテリ、10…負荷、11…回転角センサ、12…充電線、13X,13Y,13Z,13U,13V,13W…電流センサ、50,51…MOSトランジスタ、54…制御回路。

Claims (5)

  1. 車両用回転電機であって、
    複数の相巻線を有する電機子巻線(2,3)と、
    界磁電流により磁化され、前記電機子巻線に対して移動可能な巻線である界磁巻線(4)と、
    前記1または複数の相巻線に流される電流を表す相電流を検知する電流検知部(13X,13Y,13Z,13U,13V,13W)と、
    前記相電流および前記界磁電流によって生じる磁束が予め設定された上限値を超えないように、前記電流検知部が検知した相電流に基づいて、前記相電流および前記界磁電流のうちの少なくとも一方を制御するように構成された制御部(7)と、
    を備え
    前記制御部は、PWM制御と電圧位相制御とを切り替え可能であり、前記PWM制御は、前記電圧位相制御が実施されるときの当該車両用回転電機の回転数よりも低い回転数のときに実施され、前記PWM制御の際に、前記界磁電流値が予め設定された範囲内となるように制御し、前記相電流を構成するd軸電流を前記磁束が前記上限値を超えないように制御する
    ように構成された車両用回転電機。
  2. 請求項1に記載の車両用回転電機であって、
    前記制御部は、前記d軸電流が負の値になるように、少なくとも前記相電流を制御する
    ように構成された車両用回転電機。
  3. 請求項1又は請求項2に記載の車両用回転電機であって、
    前記制御部は、前記d軸電流およびq軸電流、並びに前記界磁電流がそれぞれ目標値となるように制御する
    ように構成された車両用回転電機。
  4. 請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載の車両用回転電機であって、
    前記制御部は、前記相電流が最大効率となるように制御し、前記界磁電流を前記磁束が前記上限値を超えないように制御する
    ように構成された車両用回転電機。
  5. 請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載の車両用回転電機であって、
    前記制御部は、前記界磁電流が最大効率となるように制御し、前記d軸電流を前記磁束が前記上限値を超えないように制御する
    ように構成された車両用回転電機。
JP2018109410A 2018-06-07 2018-06-07 車両用回転電機 Active JP7192258B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2018109410A JP7192258B2 (ja) 2018-06-07 2018-06-07 車両用回転電機

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2018109410A JP7192258B2 (ja) 2018-06-07 2018-06-07 車両用回転電機

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2019213396A JP2019213396A (ja) 2019-12-12
JP7192258B2 true JP7192258B2 (ja) 2022-12-20

Family

ID=68844205

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2018109410A Active JP7192258B2 (ja) 2018-06-07 2018-06-07 車両用回転電機

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP7192258B2 (ja)

Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000197398A (ja) 1998-12-28 2000-07-14 Hitachi Ltd 同期電動機の制御装置
JP2005287148A (ja) 2004-03-29 2005-10-13 Mitsubishi Electric Corp 巻線界磁式同期機のベクトル制御装置
WO2016006386A1 (ja) 2014-07-10 2016-01-14 三菱電機株式会社 車両用回転電機の制御装置、及び制御方法

Patent Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000197398A (ja) 1998-12-28 2000-07-14 Hitachi Ltd 同期電動機の制御装置
JP2005287148A (ja) 2004-03-29 2005-10-13 Mitsubishi Electric Corp 巻線界磁式同期機のベクトル制御装置
WO2016006386A1 (ja) 2014-07-10 2016-01-14 三菱電機株式会社 車両用回転電機の制御装置、及び制御方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2019213396A (ja) 2019-12-12

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP7074144B2 (ja) 回転電機制御装置
US7659686B2 (en) Motor-generator control system
JP5862125B2 (ja) 電力変換装置の制御装置
US20120206076A1 (en) Motor-driving apparatus for variable-speed motor
US8716983B2 (en) Vehicle-use electric rotating machine
JP2011135695A (ja) 車両用発電機
US11456686B2 (en) Rotating electrical machine control device
JP4561865B2 (ja) 同期電動機の駆動装置
US9762156B2 (en) Control apparatus for rotating electric machine
WO2016006386A1 (ja) 車両用回転電機の制御装置、及び制御方法
JP2018098872A (ja) 回転電機の制御装置、及び、回転電機システム
US10903772B2 (en) Multigroup-multiphase rotating-electric-machine driving apparatus
JP5253264B2 (ja) モータ駆動装置
JP2015164385A (ja) 可変速電気機械
JP2009232604A (ja) 回転電機制御システム
US8049458B2 (en) Field winding type of synchronous rotary electric machine
JP7192258B2 (ja) 車両用回転電機
JP2014039446A (ja) 極数変換モータ装置
JP6634992B2 (ja) 誘導電動機の制御装置
US20230155533A1 (en) Motor control device, electric vehicle, and motor control method
US7928676B2 (en) Vehicle motor control apparatus
JP2015106943A (ja) 車両用回転電機
JP2016086622A (ja) 巻数切換型回転電機
US9712100B2 (en) Electric rotating machine and control method therefor
JP2019213246A (ja) 回転電機の制御装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20210317

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20220114

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20220118

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20220531

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20220825

C60 Trial request (containing other claim documents, opposition documents)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: C60

Effective date: 20220825

A911 Transfer to examiner for re-examination before appeal (zenchi)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A911

Effective date: 20220902

C21 Notice of transfer of a case for reconsideration by examiners before appeal proceedings

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: C21

Effective date: 20220906

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20221108

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20221121

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 7192258

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151