JP2004129379A - モータ制御装置、およびモータの駆動制御をコンピュータに実行させるためのプログラムを記録したコンピュータ読取り可能な記録媒体 - Google Patents

モータ制御装置、およびモータの駆動制御をコンピュータに実行させるためのプログラムを記録したコンピュータ読取り可能な記録媒体 Download PDF

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服部 宏之
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Abstract

【課題】エンジンの始動時に、出力が最大になるように交流モータの駆動を制御するモータ制御装置を提供する。
【解決手段】駆動指令生成部31は、位置センサー20から交流モータM1の回転子の位置信号Hu,Hv,Hwを受ける。回転数算出部32は、位置センサー20からの位置信号Hu,Hv,Hwに基づいてモータ回転数MRNを算出し、モータ回転数MRNが臨界回転数MRNcrtよりも低いときLレベルのモータ回転数RPMを、モータ回転数MRNが臨界回転数MRNcrtに到達するとHレベルのモータ回転数RPMをそれぞれ駆動指令生成部31へ出力する。駆動指令生成部31は、エンジン40の始動時、LおよびHレベルのモータ回転数RPMに応じて、それぞれ、120度矩形波通電方式および180度矩形波通電方式で交流モータM1を駆動するようにインバータ10を制御する。
【選択図】    図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、エンジンに連結された交流モータの駆動を制御するモータ制御装置に関し、特に、エンジンをスムーズに始動可能なモータ制御装置、およびモータの駆動制御をコンピュータに実行させるためのプログラムを記録したコンピュータ読取り可能な記録媒体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
最近、環境に配慮した自動車としてハイブリッド自動車(Hybrid Vehicle)が大きな注目を集めている。そして、ハイブリッド自動車は、一部、実用化されている。
【0003】
このハイブリッド自動車は、従来のエンジンに加え、直流電源とインバータとインバータによって駆動されるモータとを動力源とする自動車である。つまり、エンジンを駆動することにより動力源を得るとともに、直流電源からの直流電圧をインバータによって交流電圧に変換し、その変換した交流電圧によりモータを回転することによって動力源を得るものである。
【0004】
また、ハイブリッド自動車に搭載されたモータは、エンジンと連結されており、ハイブリッド自動車の通常走行時、エンジンのクランク軸の回転力を電気エネルギーに変換するとともに、ハイブリッド自動車の回生制動時、駆動輪の回転力をエンジンのクランク軸を介して受け、その受けた回転力を電気エネルギーに変換する。
【0005】
このように、ハイブリッド自動車に搭載されたモータは、電動機および発電機として機能する。そして、電動機能と発電機能とは、相互に相反する性能(たとえば、電動機として機能する回転数の領域では発電機として機能しない)であるため、電動機能と発電機能とを1つの回転機で同時に実現させるには、モータの駆動方法を制御する必要がある。
【0006】
また、ハイブリッド自動車のようにモータを走行の動力源とはしないが、車両が交差点の赤信号などで停車した場合にエンジンを停止し、発進すべきタイミングにてエンジンを自動で始動するエコノミーランニングシステム(エンジン自動停止・始動システム)も開発され、実用化されている。このようなエコノミーランニングシステムでもエンジンを頻繁に停止・始動することからモータが高機能となっており、モータが電動機能と発電機能とを併せ持つようにすることも検討されている。
【0007】
そこで、特開平8−116699号公報には、電動機としての始動時、電気角で略120度の期間、モータの各相に電流を流す120度通電方式を採用し、電動機としての始動時以外に、モータを電動機または発電機として機能させる場合、電気角で略180度の期間、モータの各相に電流を流す180度通電方式を採用する技術が開示されている。また、180度通電方式においては、回転子の回転数が所定回転数以上の時、モータの電機子に印加される交流電圧の位相が、電機子巻線に発生する誘起電圧の位相に対して90度進むように、モータを駆動するインバータの各スイッチング素子が駆動される。
【0008】
【特許文献1】
特開平8−116699号公報
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、エンジンの始動時においても、低速回転の領域と高速回転の領域とが存在し、エンジンの始動時において回転数の上昇とともにモータの電機子巻線に発生する逆起電圧が増加し、高速回転の領域でモータの出力が低下するという問題がある。
【0010】
また、低速領域および高速領域において、モータの出力が最大になるように通電方式を両立させることができないという問題がある。
【0011】
そこで、この発明は、かかる問題を解決するためになされたものであり、その目的は、エンジンの始動時に、出力が最大になるように交流モータの駆動を制御するモータ制御装置を提供することである。
【0012】
また、この発明の別の目的は、エンジンの始動時に、出力が最大になるように交流モータの駆動制御をコンピュータに実行させるためのプログラムを記録したコンピュータ読取り可能な記録媒体を提供することである。
【0013】
【課題を解決するための手段および発明の効果】
この発明によるモータ制御装置は、駆動回路と、制御回路とを備える。駆動回路は、エンジンに連結されたモータを駆動する。制御回路は、エンジンの始動時、モータの各相に電流を流す通電方式を電流利用率が最も高い第1の通電方式から電圧利用率が最も高い第2の通電方式に切替えるように駆動回路を制御する。
【0014】
好ましくは、制御回路は、モータの回転数がアイドル回転数よりも低く設定された臨界回転数に到達すると、第1の通電方式から第2の通電方式に切替えるように駆動回路を制御する。そして、臨界回転数は、第1の通電方式におけるモータの出力トルクが第2の通電方式におけるモータの出力トルクに一致するモータの回転数である。
【0015】
好ましくは、第1の通電方式は、120度矩形波通電方式である。また、第2の通電方式は、180度矩形波通電方式である。
【0016】
好ましくは、モータ制御装置は、位置センサーをさらに備える。位置センサーは、モータの回転子の位置を検出する。そして、位置センサーは、120度矩形波通電方式においてモータが最大トルクを出力する位置に配置される。
【0017】
好ましくは、制御回路は、車両のアイドルストップ後の発進時にモータを駆動するように駆動回路を制御する。
【0018】
好ましくは、モータ制御装置は、温度センサーをさらに備える。温度センサーは、モータの温度を検出する。そして、制御回路は、温度センサーにより検出された温度に応じて決定されるタイミングで通電方式の切替えを制御する。
【0019】
好ましくは、制御回路は、モータの温度の上昇に伴い、より早いタイミングで通電方式の切替えを制御する。
【0020】
好ましくは、モータ制御装置は、温度センサーと回転数検出手段とをさらに備える。温度センサーは、モータの温度を検出する。回転数検出手段は、モータのモータ回転数を検出する。そして、制御回路は、臨界回転数と温度との関係を示すマップを保持し、回転数検出手段から受けたモータ回転数が検出された温度に対応する臨界回転数に到達したとき、通電方式の切替えを制御する。
【0021】
また、この発明によれば、エンジンに連結されたモータの駆動制御を実行させるためのプログラムを記録したコンピュータ読取り可能な記録媒体は、エンジンの始動指令を受ける第1のステップと、モータのモータ回転数を検出する第2のステップと、検出されたモータ回転数をアイドル回転数よりも低く設定された臨界回転数と比較する第3のステップと、検出されたモータ回転数が臨界回転数よりも低いとき、電流利用率が最も高い第1の通電方式でモータの各相に電流を流す第4のステップと、検出されたモータ回転数が臨界回転数以上であるとき、電圧利用率が最も高い第2の通電方式でモータの各相に電流を流す第5のステップとをコンピュータに実行させるためのプログラムを記録したコンピュータ読取り可能な記録媒体である。そして、臨界回転数は、アイドル回転数よりも低く設定され、第1の通電方式におけるモータの出力トルクが第2の通電方式におけるモータの出力トルクに一致するモータの回転数である。
【0022】
好ましくは、プログラムは、モータの温度を検出する第6のステップをさらにコンピュータに実行させる。そして、第3のステップは、検出された温度に対応する臨界回転数を検出する第1のサブステップと、検出されたモータ回転数を温度に対応する臨界回転数と比較する第2のサブステップとを含む。第4のステップは、検出されたモータ回転数が温度に対応する臨界回転数よりも低いとき、第1の通電方式でモータの各相に電流を流し、第5のステップは、検出されたモータ回転数が温度に対応する臨界回転数に到達したとき、第2の通電方式でモータの各相に電流を流す。
【0023】
好ましくは、第2のサブステップは、温度と臨界回転数との関係を示すマップを参照して温度に対応する臨界回転数を検出する。
【0024】
好ましくは、第1の通電方式は、120度矩形波通電方式である。また、第2の通電方式は、180度矩形波通電方式である。
【0025】
この発明においては、エンジンの始動時、電流利用率が最大である第1の通電方式から電圧利用率が最大である第2の通電方式に切替えて、エンジンに連結されたモータが駆動される。
【0026】
したがって、モータの低速回転領域および高速回転領域において、モータから最大トルクを出力させてエンジンを始動できる。その結果、エンジンをスムーズに始動でき、エンジンの始動時間を短縮できる。
【0027】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。なお、図中同一または相当部分には同一符号を付してその説明は繰返さない。
【0028】
[実施の形態1]
図1を参照して、実施の形態1によるモータ制御装置100は、直流電源Bと、コンデンサC1と、インバータ10と、位置センサー20と、制御装置30とを備える。
【0029】
交流モータM1は、エンジン40および駆動輪50に連結され、ハイブリッド自動車の駆動輪50を駆動するためのトルク、またはエンジン40を始動するためのトルクを発生するための駆動モータである。交流モータM1は、エンジン40の回転力を電気エネルギーに変換する発電機の機能を併せ持つように、ハイブリッド自動車に組み込まれるようにしてもよい。
【0030】
インバータ10は、U相アーム15と、V相アーム16と、W相アーム17とから成る。U相アーム15、V相アーム16、およびW相アーム17は、電源ラインとアースラインとの間に並列に設けられる。
【0031】
U相アーム15は、直列接続されたMOSトランジスタTr1,Tr4から成り、V相アーム16は、直列接続されたMOSトランジスタTr2,Tr5から成り、W相アーム17は、直列接続されたMOSトランジスタTr3,Tr6から成る。また、各MOSトランジスタTr1〜Tr6のソース−ドレイン間には、各MOSトランジスタTr1〜Tr6に対して導通方向が逆方向になるようにダイオードD1〜D6がそれぞれ接続されている。
【0032】
各相アームの中間点は、交流モータM1の各相コイルの各相端に接続されている。すなわち、交流モータM1は、3相の同期モータであり、U,V,W相の3つのコイルの一端が中点に共通接続されて構成され、U相コイルの他端がMOSトランジスタTr1,Tr4の中間点に、V相コイルの他端がMOSトランジスタTr2,Tr5の中間点に、W相コイルの他端がMOSトランジスタTr3,Tr6の中間点にそれぞれ接続されている。
【0033】
直流電源Bは、ニッケル水素またはリチウムイオン、鉛等の二次電池から成る。コンデンサC1は、直流電源Bから供給された直流電圧を平滑化し、その平滑化した直流電圧をインバータ10へ供給する。
【0034】
位置センサー20は、交流モータM1の回転子(図示せず)の位置を表わす位置信号Hu,Hv,Hwを検出し、その検出した位置信号Hu,Hv,Hwを制御装置30の駆動指令生成部31および回転数算出部32へ出力する。なお、位置センサー20は、回転子の位置をアナログ信号として検出するが、この検出したアナログ信号をデジタル信号に変換し、その変換したデジタル信号を位置信号Hu,Hv,Hwとして駆動指令生成部31および回転数算出部32へ出力する。
【0035】
制御装置30は、モータ制御装置100が搭載されたハイブリッド自動車のアイドルストップ後の発進時、つまり、アイドルストップ後のエンジン40の始動時、後述する方法によって交流モータM1を120度矩形波通電方式および180度矩形波通電方式で順次駆動するようにインバータ10を制御する。そして、制御装置30は、エンジン40の回転数がアイドル回転数Neidlに到達すると、180度矩形波通電方式で交流モータM1を駆動するようにインバータ10を制御する。
【0036】
ハイブリッド自動車は、走行中に信号等で停止したとき、エコノミーランニングシステム(「エコラン」とも言う。)に従ってエンジン40を停止するアイドルストップを行なう。そして、ハイブリッド自動車がアイドルストップ後に発進する場合、エンジン40を始動する必要があるため、このエンジン40の始動を出力トルクが最大になるように制御された交流モータM1により行なうことにしたものである。また、エンジン40の回転数がアイドル回転数Neidlに到達した後は、エンジン40をアシストするための駆動モータとして交流モータM1を機能させることにしたものである。
【0037】
制御装置30は、駆動指令生成部31と、回転数算出部32とを含む。駆動指令生成部31は、位置センサー20からの位置信号Hu,Hv,Hwおよび回転数算出部32からのモータ回転数RPMに基づいて、後述する方法によって、インバータ10に含まれるMOSトランジスタTr1〜Tr6の各々を駆動するための駆動信号Dr1〜Dr6を生成し、その生成した駆動信号Dr1〜Dr6をそれぞれMOSトランジスタTr1〜Tr6のゲート端子へ出力する。
【0038】
この場合、駆動指令生成部31は、交流モータM1の回転数MRNが臨界回転数MRNcrt(<Neidl)よりも低いとき、120度矩形波通電方式で交流モータM1の各相に電流を流すための駆動信号Dr1〜Dr6をそれぞれMOSトランジスタTr1〜Tr6へ出力し、交流モータM1のモータ回転数MRNが臨界回転数MRNcrtに到達すると、180度矩形波通電方式で交流モータM1の各相に電流を流すための駆動信号Dr1〜Dr6をそれぞれMOSトランジスタTr1〜Tr6へ出力する。
【0039】
アイドルストップ後にエンジン40を始動する場合、エンジン40の回転数がアイドル回転数Neidlに設定されるように交流モータM1を駆動するための指令が外部のECU(Electrical Control Unit)から制御装置30へ入力されるので、駆動指令生成部31は、交流モータM1のモータ回転数がアイドル回転数Neidlに到達するまでの領域を、モータ回転数MRNが臨界回転数MRNcrtよりも低い低速領域と、モータ回転数MRNが臨界回転数MRNcrtからアイドル回転数Neidlまでの高速領域とに分け、それぞれの領域において交流モータM1の出力トルクが最大になる通電方式により交流モータM1を駆動するようにインバータ10を制御することにしたものである。
【0040】
なお、臨界回転数MRNcrtとは、120度矩形波通電方式における交流モータM1の出力トルクが180度矩形波通電方式における交流モータM1の出力トルクに一致する交流モータM1のモータ回転数である。
【0041】
回転数算出部32は、位置センサー20からの位置信号Hu,Hv,Hwに基づいて交流モータM1のモータ回転数MRNを演算し、その演算したモータ回転数MRNが臨界回転数MRNcrtよりも低いか否かを判定する。そして、回転数算出部32は、演算したモータ回転数MRNが臨界回転数MRNcrtよりも低いとき、L(論理ロー)レベルのモータ回転数RPMを駆動指令生成部31へ出力し、演算したモータ回転数MRNが臨界回転数MRNcrtに到達すると、H(論理ハイ)レベルのモータ回転数RPMを駆動指令生成部31へ出力する。より具体的には、位置信号Hu,Hv,Hwは、周期的に変化する信号であるので、回転数算出部32は、一定時間内に位置信号Hu,Hv,Hwが周期的に何回変化するかを検出してモータ回転数MRNを演算する。
【0042】
図2を参照して、位置センサー20は、センサー21〜23からなる。センサー21〜23は、たとえば、ホール素子からなり、それぞれ、交流モータM1のU相、V相およびW相から検出部に受ける磁束の垂直成分に応じた電圧を発生する。そして、センサー21〜23は、それぞれ、発生した電圧(アナログ信号)を所定のレベルでコンパレートしてデジタル信号に変換し、その変換したデジタル信号を位置信号Hu,Hv,Hwとして駆動指令生成部31および回転数算出部32へ出力する。
【0043】
センサー21は、U相の配置方向に対して角度θをなすように配置される。そして、センサー22,23も、センサー21と同じように配置される。
【0044】
図3を参照して、駆動指令生成部31は、ANDゲート311〜328と、インバータ329〜332と、ORゲート333〜338とを含む。インバータ329は、回転数算出部32からのモータ回転数RPMの論理レベルを反転してANDゲート311〜316へ出力する。インバータ330は、位置信号Huの論理レベルを反転してANDゲート319,323,324へ出力する。
【0045】
インバータ331は、位置信号Hvの論理レベルを反転してANDゲート321,325,326へ出力する。インバータ332は、位置信号Hwの論理レベルを反転してANDゲート317,327,328へ出力する。
【0046】
ANDゲート311は、インバータ329の出力信号と、位置信号Huとの論理積を演算し、その演算結果をANDゲート317の一方端子へ出力する。ANDゲート312は、インバータ329の出力信号と、位置信号Hvとの論理積を演算し、その演算結果をANDゲート319の一方端子へ出力する。
【0047】
ANDゲート313は、インバータ329の出力信号と、位置信号Hwとの論理積を演算し、その演算結果をANDゲート321の一方端子へ出力する。ANDゲート314は、インバータ329の出力信号と、位置信号Hwとの論理積を演算し、その演算結果をANDゲート323の一方端子へ出力する。
【0048】
ANDゲート315は、インバータ329の出力信号と、位置信号Huとの論理積を演算し、その演算結果をANDゲート325の一方端子へ出力する。ANDゲート316は、インバータ329の出力信号と、位置信号Hvとの論理積を演算し、その演算結果をANDゲート327の一方端子へ出力する。
【0049】
ANDゲート317は、ANDゲート311の出力信号と、インバータ332の出力信号との論理積を演算し、その演算結果をORゲート333の一方端子へ出力する。ANDゲート318は、モータ回転数RPMと、位置信号Huとの論理積を演算し、その演算結果をORゲート333の他方端子へ出力する。
【0050】
ANDゲート319は、ANDゲート312の出力信号と、インバータ330の出力信号との論理積を演算し、その演算結果をORゲート334の一方端子へ出力する。ANDゲート320は、モータ回転数RPMと、位置信号Hvとの論理積を演算し、その演算結果をORゲート334の他方端子へ出力する。
【0051】
ANDゲート321は、ANDゲート313の出力信号と、インバータ331の出力信号との論理積を演算し、その演算結果をORゲート335の一方端子へ出力する。ANDゲート322は、モータ回転数RPMと、位置信号Hwとの論理積を演算し、その演算結果をORゲート335の他方端子へ出力する。
【0052】
ANDゲート323は、AND314の出力信号と、インバータ330の出力信号との論理積を演算し、その演算結果をORゲート336の一方端子へ出力する。ANDゲート324は、モータ回転数RPMと、インバータ330の出力信号との論理積を演算し、その演算結果をORゲート336の他方端子へ出力する。
【0053】
ANDゲート325は、ANDゲート315の出力信号と、インバータ331の出力信号との論理積を演算し、その演算結果をORゲート337の一方端子へ出力する。ANDゲート326は、モータ回転数RPMと、インバータ331の出力信号との論理積を演算し、その演算結果をORゲート337の他方端子へ出力する。
【0054】
ANDゲート327は、ANDゲート316の出力信号と、インバータ332の出力信号との論理積を演算し、その演算結果をORゲート338の一方端子へ出力する。ANDゲート328は、モータ回転数RPMと、インバータ332の出力信号との論理積を演算し、その演算結果をORゲート338の他方端子へ出力する。
【0055】
ORゲート333は、ANDゲート317の出力信号と、ANDゲート318の出力信号との論理和を演算し、その演算結果を駆動信号Dr1としてMOSトランジスタTr1のゲート端子へ出力する。
【0056】
ORゲート334は、ANDゲート319の出力信号と、ANDゲート320の出力信号との論理和を演算し、その演算結果を駆動信号Dr2としてMOSトランジスタTr2のゲート端子へ出力する。
【0057】
ORゲート335は、ANDゲート321の出力信号と、ANDゲート322の出力信号との論理和を演算し、その演算結果を駆動信号Dr3としてMOSトランジスタTr3のゲート端子へ出力する。
【0058】
ORゲート336は、ANDゲート323の出力信号と、ANDゲート324の出力信号との論理和を演算し、その演算結果を駆動信号Dr4としてMOSトランジスタTr4のゲート端子へ出力する。
【0059】
ORゲート337は、ANDゲート325の出力信号と、ANDゲート326の出力信号との論理和を演算し、その演算結果を駆動信号Dr5としてMOSトランジスタTr5のゲート端子へ出力する。
【0060】
ORゲート338は、ANDゲート327の出力信号と、ANDゲート328の出力信号との論理和を演算し、その演算結果を駆動信号Dr6としてMOSトランジスタTr6のゲート端子へ出力する。
【0061】
交流モータM1のモータ回転数RPMが臨界回転数MRNcrt(<アイドル回転数Neidl)よりも低いとき、回転数算出部32は、Lレベルのモータ回転数RPMを駆動指令生成部31へ出力するので、駆動指令生成部31のANDゲート318,320,322,324,326,328は、Lレベルのモータ回転数RPMを一方端子に受け、他方端子に入力される信号の論理レベルに拘わらず、Lレベルの出力信号を、それぞれ、ORゲート333〜338の他方端子へ出力する。
【0062】
また、ANDゲート311〜316は、Lレベルのモータ回転数RPMを反転したHレベルの信号をインバータ329から一方端子に受けるので、他方端子に入力される信号の論理レベルに応じた出力信号を、それぞれ、ANDゲート317,319,321,323,325,327の一方端子へ出力する。
【0063】
より具体的には、ANDゲート311は、位置信号Huの論理レベルに応じた出力信号をANDゲート317の一方端子へ出力し、ANDゲート312は、位置信号Hvの論理レベルに応じた出力信号をANDゲート319の一方端子へ出力する。
【0064】
また、ANDゲート313は、位置信号Hwの論理レベルに応じた出力信号をANDゲート321の一方端子へ出力し、ANDゲート314は、位置信号Hwの論理レベルに応じた出力信号をANDゲート323の一方端子へ出力する。
【0065】
さらに、ANDゲート315は、位置信号Huの論理レベルに応じた出力信号をANDゲート325の一方端子へ出力し、ANDゲート316は、位置信号Hvの論理レベルに応じた出力信号をANDゲート327の一方端子へ出力する。
【0066】
そうすると、ANDゲート317は、位置信号Huの論理レベルに応じたANDゲート311からの出力信号と、位置信号Hwを反転したインバータ332からの出力信号との論理積を演算し、その演算結果をORゲート333の一方端子へ出力する。
【0067】
また、ANDゲート319は、位置信号Hvの論理レベルに応じたANDゲート312からの出力信号と、位置信号Huを反転したインバータ330からの出力信号との論理積を演算し、その演算結果をORゲート334の一方端子へ出力する。
【0068】
さらに、ANDゲート321は、位置信号Hwの論理レベルに応じたANDゲート313からの出力信号と、位置信号Hvを反転したインバータ331からの出力信号との論理積を演算し、その演算結果をORゲート335の一方端子へ出力する。
【0069】
さらに、ANDゲート323は、位置信号Hwの論理レベルに応じたAND314からの出力信号と、位置信号Huを反転したインバータ330からの出力信号との論理積を演算し、その演算結果をORゲート336の一方端子へ出力する。
【0070】
さらに、ANDゲート325は、位置信号Huの論理レベルに応じたANDゲート315からの出力信号と、位置信号Hvを反転したインバータ331からの出力信号との論理積を演算し、その演算結果をORゲート337の一方端子へ出力する。
【0071】
さらに、ANDゲート327は、位置信号Hvの論理レベルに応じたANDゲート316からの出力信号と、位置信号Hwを反転したインバータ332からの出力信号との論理積を演算し、その演算結果をORゲート338の一方端子へ出力する。
【0072】
そして、ORゲート333〜338は、それぞれ、ANDゲート317,319,321,323,325,327の出力信号を駆動信号Dr1〜Dr6としてMOSトランジスタTr1〜Tr6へ出力する。
【0073】
したがって、モータ回転数RPMが臨界回転数MRNcrtよりも低いとき、駆動指令生成部31は、ANDゲート311〜317,319,321,323,325,327およびインバータ330〜332によって駆動信号Dr1〜Dr6を生成する。つまり、駆動指令生成部31は、図4に示す等価回路によって駆動信号Dr1〜Dr6を生成する。
【0074】
一方、交流モータM1のモータ回転数RPMが臨界回転数MRNcrt(<アイドル回転数Neidl)に到達すると、回転数算出部32は、Hレベルのモータ回転数RPMを駆動指令生成部31へ出力するので、駆動指令生成部31のANDゲート311〜317,319,321,323,325,327は、必ず、Lレベルの信号を出力する。
【0075】
そして、ANDゲート318,320,322,324,326,328は、Hレベルのモータ回転数RPMを一方端子に受けるので、他方端子に入力される信号の論理レベルに応じた信号を、それぞれ、ORゲート333〜338の他方端子へ出力する。
【0076】
より具体的には、ANDゲート318は、位置信号Huの論理レベルに応じた信号をORゲート333の他方端子へ出力し、ANDゲート320は、位置信号Hvの論理レベルに応じた信号をORゲート334の他方端子へ出力する。
【0077】
また、ANDゲート322は、位置信号Hwの論理レベルに応じた信号をORゲート335の他方端子へ出力し、ANDゲート324は、位置信号Huを反転した信号をORゲート336の他方端子へ出力する。
【0078】
さらに、ANDゲート326は、位置信号Hvを反転した信号をORゲート337の他方端子へ出力し、ANDゲート328は、位置信号Hwを反転した信号をORゲート338の他方端子へ出力する。
【0079】
そして、ORゲート333〜338は、それぞれ、ANDゲート318,320,322,324,326,328からの出力信号を駆動信号Dr1〜Dr6としてMOSトランジスタTr1〜Tr6へ出力する。
【0080】
したがって、モータ回転数RPMが臨界回転数MRNcrtに到達すると、駆動指令生成部31は、ANDゲート318,320,322,324,326,328およびインバータ330〜332によって駆動信号Dr1〜Dr6を生成する。つまり、駆動指令生成部31は、図5に示す等価回路によって駆動信号Dr1〜Dr6を生成する。
【0081】
図6を参照して、交流モータM1のモータ回転数RPMが臨界回転数MRNcrtよりも低いときの交流モータM1の駆動について説明する。位置センサー20のセンサー21は、電気角が0〜180度の範囲でHレベルになる位置信号Huを駆動指令生成部31および回転数算出部32へ出力し、センサー22は、電気角が120〜300度の範囲でHレベルになる位置信号Hvを駆動指令生成部31および回転数算出部32へ出力し、センサー23は、電気角が0〜60度および240〜360度の範囲でHレベルになる位置信号Hwを駆動指令生成部31および回転数算出部32へ出力する。
【0082】
そして、回転数算出部32は、位置信号Hu,Hv,Hwに基づいてLレベルのモータ回転数RPMを駆動指令生成部32へ出力する。そうすると、駆動指令生成部32は、上述したように、図4に示す等価回路によって駆動信号Dr1〜Dr6を生成する。
【0083】
つまり、駆動指令生成部31は、位置信号Hwの反転信号と位置信号Huとの論理積を演算して駆動信号Dr1を生成し、位置信号Huの反転信号と位置信号Hvとの論理積を演算して駆動信号Dr2を生成し、位置信号Hvの反転信号と位置信号Hwとの論理積を演算して駆動信号Dr3を生成する。
【0084】
また、駆動指令生成部31は、位置信号Huの反転信号と、位置信号Hwとの論理積を演算して駆動信号Dr4を生成し、位置信号Hvの反転信号と、位置信号Huとの論理積を演算して駆動信号Dr5を生成し、位置信号Hwの反転信号と、位置信号Hvとの論理積を演算して駆動信号Dr6を生成する。
【0085】
したがって、駆動信号Dr1は、電気角が60〜180度の範囲でMOSトランジスタTr1をオンする信号であり、駆動信号Dr2は、電気角が180〜300度の範囲でMOSトランジスタTr2をオンする信号であり、駆動信号Dr3は、電気角が0〜60度および300〜360度の範囲でMOSトランジスタTr3をオンする信号である。
【0086】
また、駆動信号Dr4は、電気角が240〜360度の範囲でMOSトランジスタTr4をオンする信号であり、駆動信号Dr5は、電気角が0〜120度の範囲でMOSトランジスタTr5をオンする信号であり、駆動信号Dr6は、電気角が120〜240度の範囲でMOSトランジスタTr6をオンする信号である。
【0087】
その結果、交流モータM1の各相に印加される相電圧Vu,Vv,Vwおよび各相に流れる相電流Iu,Iv,Iwは、図6に示すように電気角に対して変化する。
【0088】
この場合、駆動信号Dr1〜Dr6は、電気角が120度の範囲で電流を交流モータM1の各相に流すように、それぞれ、MOSトランジスタTr1〜Tr6を駆動するので、図6に示す通電方式を120度矩形波通電方式と言う。
【0089】
図7を参照して、交流モータM1のモータ回転数RPMが臨界回転数MRNcrtに到達したときの交流モータM1の駆動について説明する。位置センサー20のセンサー21〜23は、120度矩形波通電方式と同じ電気角の範囲でHレベルになる位置信号Hu,Hv,Hwを駆動指令生成部31および回転数算出部32へ出力する。
【0090】
そして、回転数算出部32は、位置信号Hu,Hv,Hwに基づいてHレベルのモータ回転数RPMを駆動指令生成部31へ出力する。そうすると、駆動指令生成部31は、上述したように、図5に示す等価回路によって駆動信号Dr1〜Dr6を生成する。
【0091】
つまり、駆動指令生成部31は、位置信号Huを駆動信号Dr1として生成し、位置信号Hvを駆動信号Dr2として生成し、位置信号Hwを駆動信号Dr3として生成する。
【0092】
また、駆動指令生成部31は、位置信号Huの反転信号を駆動信号Dr4として生成し、位置信号Hvの反転信号を駆動信号Dr5として生成し、位置信号Hwの反転信号を駆動信号Dr6として生成する。
【0093】
したがって、駆動信号Dr1は、電気角が0〜180度の範囲でMOSトランジスタTr1をオンする信号であり、駆動信号Dr2は、電気角が120〜300度の範囲でMOSトランジスタTr2をオンする信号であり、駆動信号Dr3は、電気角が0〜60度および240〜360度の範囲でMOSトランジスタTr3をオンする信号である。
【0094】
また、駆動信号Dr4は、電気角が180〜360度の範囲でMOSトランジスタTr4をオンする信号であり、駆動信号Dr5は、電気角が0〜120度および300〜360度の範囲でMOSトランジスタTr5をオンする信号であり、駆動信号Dr6は、電気角が60〜240度の範囲でMOSトランジスタTr6をオンする信号である。
【0095】
その結果、交流モータM1の各相に印加される相電圧Vu,Vv,Vwおよび各相に流れる相電流Iu,Iv,Iwは、図7に示すように電気角に対して変化する。
【0096】
この場合、駆動信号Dr1〜Dr6は、電気角が180度の範囲で電流を交流モータM1の各相に流すように、それぞれ、MOSトランジスタTr1〜Tr6を駆動するので、図7に示す通電方式を180度矩形波通電方式と言う。
【0097】
図6および図7を参照して、120度矩形波通電方式と180度矩形波通電方式とにおける電流利用率および電圧利用率の比較について説明する。まず、電流利用率の比較について説明する。交流モータM1のU相に流れる相電流Iuに基づいて、120度矩形波通電方式における電流利用率を計算すると、((2+2)/3)1/2=(8/3)1/2になる。同様に、180度矩形波通電方式における電流利用率を計算すると、((1+2+1)/3)1/2=(6/3)1/2となる。なお、120度矩形波通電方式では、相電流Iuは、0および2の範囲で変化し、180度矩形波通電方式では、相電流Iuは、0,1および2の範囲で変化するとして計算した。
【0098】
したがって、120度矩形波通電方式は、180度矩形波通電方式に比べ、2/(3)1/2=1.155倍、電流利用率が高い。V相に流れる相電流IvまたはW相に流れる相電流Iwに基づいて、電流利用率を計算しても同じである。
【0099】
次に、電圧利用率の比較について説明する。交流モータM1のU相に印加される相電圧Vuに基づいて、120度矩形波通電方式における電圧利用率を計算すると、((1+1)/3)1/2=(2/3)1/2となる。同様に、180度矩形波通電方式における電圧利用率を計算すると、((1+1+1)/3)1/2=1となる。なお、120度矩形波通電方式および180度矩形波通電方式において、相電圧Vuは、0および1の範囲で変化するとして計算した。
【0100】
したがって、180度矩形波通電方式は、120度矩形波通電方式に比べ、1/(2/3)1/2=1.225倍、電圧利用率が高い。V相に印加される相電圧VvまたはW相に印加される相電圧Vwに基づいて、電圧利用率を計算しても同じである。
【0101】
そして、上述した交流モータM1を駆動する場合、120度矩形波通電方式で交流モータM1の各相に電流を流すのが最も電流利用率が高くなり、180度矩形波通電方式で交流モータM1の各相に電流を流すのが最も電圧利用率が高くなる。
【0102】
したがって、モータ回転数MRNが臨界回転数MRNcrtよりも低いとき、120度矩形波通電方式に従って交流モータM1の各相に電流を流することは、電流利用率が最も高い通電方式に従って交流モータM1の各相に電流を流すことに相当し、モータ回転数MRNが臨界回転数MRNcrtに到達すると、180度矩形波通電方式に従って交流モータM1の各相に電流を流すことは、電圧利用率が最も高い通電方式に従って交流モータM1の各相に電流を流すことに相当する。
【0103】
図8は、交流モータM1の出力トルクとモータ回転数との関係を示す。図8において縦軸は、交流モータM1の出力トルクを表わし、横軸は、交流モータM1のモータ回転数を表わす。そして、曲線k1は、120度矩形波通電方式によって交流モータM1の各相に電流を流した場合の出力トルクとモータ回転数との関係であり、曲線k2は、180度矩形波通電方式によって交流モータM1の各相に電流を流した場合の出力トルクとモータ回転数との関係である。
【0104】
モータ回転数が0〜臨界回転数MRNcrtの間では、120度矩形波通電方式に従って交流モータM1の各相に電流を流した方が交流モータM1の出力トルクは大きくなり、モータ回転数が臨界回転数MRNcrt〜アイドル回転数Neidlの間では、180度矩形波通電方式に従って交流モータM1の各相に電流を流した方が交流モータM1の出力トルクは大きくなり、モータ回転数が臨界回転数MRNcrtのとき、交流モータM1の出力トルクは、120度矩形波通電方式および180度矩形波通電方式において同じになる。
【0105】
したがって、交流モータM1のモータ回転数が0〜アイドル回転数Neidlの範囲で、交流モータM1が最大トルクを出力するように交流モータM1を駆動するためには、交流モータM1が曲線k3に従ってトルクを出力するように、インバータ10を駆動すればよい。
【0106】
つまり、モータ回転数が0〜臨界回転数MRNcrtまでの間、120度矩形波通電方式で交流モータM1の各相に電流を流すようにインバータ10を制御し、モータ回転数が臨界回転数MRNcrtに到達すると、180度矩形波通電方式で交流モータM1の各相に電流を流すようにインバータ10を制御すればよい。
【0107】
したがって、駆動指令生成部31は、位置センサー20からの位置信号Hu,Hv,Hwおよび回転数計算部32からのモータ回転数RPMに基づいて、エンジン40の始動時、モータ回転数MRNが0〜臨界回転数MRNcrtまでの間、電流利用率が最も高い通電方式(120度矩形波通電方式)で交流モータM1の各相に電流を流すようにインバータ10を制御し、モータ回転数MRNが臨界回転数MRNcrtに到達すると、電圧利用率が最も高い通電方式(180度矩形波通電方式)で交流モータM1の各相に電流を流すようにインバータ10を制御する。
【0108】
そして、このように制御することは、エンジン40の始動時(モータ回転数が0〜アイドル回転数Neidlまでの間を意味する。)、電流利用率が最も高い通電方式(120度矩形波通電方式)から電圧利用率が最も高い通電方式(180度矩形波通電方式)へ切替えて交流モータM1を駆動するようにインバータ10を制御することに相当する。
【0109】
図9は、120度矩形波通電方式で交流モータM1の各相に電流を流した場合における図2に示す角度θと交流モータM1の出力トルクとの関係の一例を示す。図9において、縦軸は、交流モータM1の出力トルクを表わし、横軸は、角度θを表わす。
【0110】
図9から明らかなように、交流モータM1は、角度θが30度のときに、最大のトルクを出力するので、センサー21〜23は、それぞれ、U相、V相、およびW相の配置方向に対して30度の角度θを成すように配置される。
【0111】
このように、この発明においては、交流モータM1の回転子の位置を検出するセンサー21〜23の配置位置は、120度矩形波通電方式において交流モータM1の出力トルクが最大になるように決定される。
【0112】
図10は、交流モータM1のロータ磁力とステータ磁力との関係を120度矩形波通電方式と180度矩形波通電方式との間で比較した結果である。図10の(a)は、120度矩形波通電方式の場合を示し、図10の(b)は、180度矩形波通電方式の場合を示す。
【0113】
120度矩形波通電方式の場合、ステータ磁力の方向はロータ磁力の方向と120度異なる。そして、これは、30度の電流進角となるように交流モータM1のU相、V相およびW相に電流を流すことに相当する。
【0114】
また、180度矩形波通電方式の場合、ステータ磁力の方向はロータ磁力の方向と150度異なる。そして、これは、60度の電流進角となるように交流モータM1のU相、V相およびW相に電流を流すことに相当する。
【0115】
したがって、この発明においては、120度矩形波通電方式および180度矩形波通電方式の両方の場合において、弱め界磁制御が行なわれる。また、180度矩形波通電方式では、120度矩形波通電方式に対して30度の電流進角になるように、交流モータM1のU相、V相およびW相に電流を流す。
【0116】
図11を参照して、エンジン40の始動時におけるモータ制御装置100の動作について説明する。なお、図11に示すフローチャートは、一定時間ごとに実行される。
【0117】
エンジン40の始動動作が開始されると、制御装置30は、外部に設けられたECUからエンジン40の始動指令を受理する(ステップS10)。そして、制御装置30の回転数算出部32は、位置センサー20からの位置信号Hu,Hv,Hwに基づいて、モータ回転数MRNを検出し(ステップS20)、その検出したモータ回転数MRNが臨界回転数MRNcrtよりも低いか否かを判定する(ステップS30)。そして、回転数算出部32は、検出したモータ回転数MRNが臨界回転数MRNcrtよりも低いとき、Lレベルのモータ回転RPMを駆動指令生成部31へ出力し、検出したモータ回転数MRNが臨界回転数MRNcrtに達したとき、Hレベルのモータ回転RPMを駆動指令生成部31へ出力する。
【0118】
エンジン40の始動動作が開始された直後は、交流モータM1のモータ回転数MRNは、臨界回転数MRNcrtよりも低いので、ステップS30においては、最初、モータ回転数MRNは臨界回転数MRNcrtよりも低いと判定され、回転数算出部32は、Lレベルのモータ回転数RPMを駆動指令生成部31へ出力する。
【0119】
そうすると、駆動指令生成部31は、位置センサー20からの位置信号Hu,Hv,Hwおよび回転数算出部32からのLレベルのモータ回転数RPMに基づいて、上述したように、交流モータM1を120度矩形波通電方式で駆動するための駆動信号Dr1〜Dr6を生成してインバータ10のMOSトランジスタTr1〜Tr6へ出力する。そして、インバータ10は、120度矩形波通電方式に従って交流モータM1の各相に電流を流して交流モータM1を駆動する(ステップS40)。
【0120】
その後、ステップS20に戻り、回転数算出部32は、新たなモータ回転数MRNを算出し、その算出した新たなモータ回転数MRNが臨界回転数MRNcrtよりも低いか否かを判定する(ステップS30)。そして、モータ回転数MRNが臨界回転数MRNcrtに到達するまで、ステップS20,S30,S40が繰返し実行される。つまり、モータ回転数MRNが臨界回転数MRNcrtに到達するまで、制御装置30は、電流利用率が最大な通電方式(120度矩形波通電方式)に従って交流モータM1を駆動するようにインバータ10を制御する。
【0121】
そして、モータ回転数MRNが上昇し、ステップS30においてモータ回転数MRNが臨界回転数MRNcrtに到達したと判定されたとき、回転数算出部32は、Hレベルのモータ回転数RPMを生成して駆動指令生成部31へ出力する。
【0122】
そうすると、駆動指令生成部31は、位置センサー20からの位置信号Hu,Hv,Hwおよび回転数算出部32からのHレベルのモータ回転数RPMに基づいて、上述したように、180度矩形波通電方式で交流モータM1を駆動するための駆動信号Dr1〜Dr6を生成してインバータ10のMOSトランジスタTr1〜Tr6へ出力する。そして、インバータ10は、180度矩形波通電方式に従って交流モータM1の各相に電流を流して交流モータM1を駆動する(ステップS50)。
【0123】
その後、回転数算出部32は、検出したモータ回転数MRNがアイドル回転数Neidlよりも低いか否かを判定し(ステップS60)、モータ回転数MRNがアイドル回転数Neidlよりも低いとき、新たなモータ回転数MRNを検出する(ステップS20)。そして、回転数算出部32は、算出した新たなモータ回転数MRNが臨界回転数MRNcrtよりも低いか否かを判定する(ステップS30)。この場合、モータ回転数MRNは、既に臨界回転数MRNcrtに到達しているので、ステップS30においては、モータ回転数MRNは臨界回転数MRNcrtよりも低くないと判定され、ステップS50が実行される。
【0124】
そして、ステップS60において、モータ回転数MRNがアイドル回転数Neidlよりも低くないと判定されたとき、エンジン40の始動動作が終了する。
【0125】
このように、制御装置30は、エンジン40の始動時、モータ回転数が0〜臨界回転数MRNcrtまでの間、電流利用率が最大である通電方式(120度矩形波通電方式)に従って交流モータM1を駆動するようにインバータ10を制御し、モータ回転数が臨界回転数MRNcrtに到達すると、電圧利用率が最大である通電方式(180度矩形波通電方式)に従って交流モータM1を駆動するようにインバータ10を制御する。したがって、エンジン40の始動をスムーズに行なうことができるとともに、エンジン40の始動時間を短縮できる。
【0126】
交流モータM1は、エンジン40の始動時、エンジン40を駆動し、エンジン40の回転数がアイドル回転数Neidlに到達すると、180度矩形波通電方式でトルクを発生し、その発生したトルクを駆動輪50へ伝達する。
【0127】
つまり、交流モータM1は、エンジン40の始動時、エンジン40のスタータとして機能し、エンジン40の回転数がアイドル回転数Neidlに到達すると、駆動輪50を駆動する駆動モータとして機能する。
【0128】
したがって、制御装置30は、エンジン40の始動時、図11に示すフローチャートに従って、順次、120度矩形波通電方式および180度矩形波通電方式で交流モータM1を駆動するようにインバータ10を制御し、エンジン40の回転数がアイドル回転数Neidlに到達すると、180度矩形波通電方式で交流モータM1を駆動するようにインバータ10を制御する。
【0129】
なお、交流モータM1は、エコランに従ってエンジン40がアイドルストップした後のエンジン40の始動時にエンジン40のスタータとして機能し、イグニッションキーによりエンジン40が起動される場合は、本来のスタータ(図示せず)がエンジン40を始動する。
【0130】
また、制御装置30の駆動指令生成部31および回転数算出部32における交流モータの駆動制御は、CPU(Central Processing Unit)によって行なうことも可能であり、その場合、CPUは、図11に示すフローチャートの各ステップを備えるプログラムをROM(Read Only Memory)から読出し、その読出したプログラムを実行して図11に示すフローチャートに従って交流モータM1の各相に電流を流す通電方式を120度矩形波通電方式から180度矩形波通電方式に切替えて交流モータM1を駆動するようにインバータ10を制御する。したがって、ROMは、図11に示すフローチャートの各ステップを備えるプログラムを記録したコンピュータ(CPU)読取り可能な記録媒体に相当する。
【0131】
さらに、位置センサー20(センサー21〜23)および回転数算出部32は、「回転数検出手段」を構成する。
【0132】
実施の形態1によれば、モータ制御装置は、エンジンの始動時、エンジンに連結された交流モータを120度矩形波通電方式および180度矩形波通電方式で順次駆動するようにインバータを制御する制御装置を備えるので、交流モータの回転数の低速領域から高速領域にわたって出力トルクが最大になるように交流モータを駆動できる。その結果、エンジンの始動をスムーズに行なうことができる。また、エンジンの始動時間を短縮できる。
【0133】
[実施の形態2]
図12を参照して、実施の形態2によるモータ制御装置100Aは、モータ制御装置100の制御装置30を制御装置30Aに代え、温度センサー60を追加したものであり、その他は、モータ制御装置100と同じである。
【0134】
温度センサー60は、交流モータM1の温度Tmを検出し、その検出した温度Tmを制御装置30Aの回転数算出部32Aへ出力する。
【0135】
制御装置30Aは、制御装置30の回転数算出部32を回転数算出部32Aに代えたものであり、その他は、制御装置30と同じである。
【0136】
回転数算出部32Aは、温度センサー60からの温度Tmを受け、その受けた温度Tmに対応する臨界回転数MRNcrttmを検出する。そして、回転数算出部32Aは、位置センサー20からの位置信号Hu,Hv,Hwに基づいて算出したモータ回転数MRNを、検出した臨界回転数MRNcrttmと比較し、モータ回転数MRNが臨界回転数MRNcsttmよりも低いとき、Lレベルのモータ回転数RPMを駆動指令生成部31へ出力し、モータ回転数MRNが臨界回転数MRNcrttmに到達すると、Hレベルのモータ回転数RPMを駆動指令生成部31へ出力する。
【0137】
図13および図14を参照して、回転数算出部32Aにおける臨界回転数MRNcrttmの検出方法について説明する。図13は、交流モータM1の温度を変えた場合における交流モータM1の出力トルクとモータ回転数との関係を示す。図13において、縦軸は、交流モータM1の出力トルクを表わし、横軸は、交流モータM1のモータ回転数を表わす。
【0138】
曲線k11,k12,k13,k14,k15は、120度矩形波通電方式によって交流モータM1の各相に電流を流した場合の交流モータM1の出力トルクとモータ回転数との関係を示し、曲線k21,k22,k23,k24,k25は、180度矩形波通電方式によって交流モータM1の各相に電流を流した場合の交流モータM1の出力トルクとモータ回転数との関係を示す。
【0139】
そして、温度Tmの上昇に伴い、120度矩形波通電方式によって交流モータM1の各相に電流を流した場合の交流モータM1の出力トルクとモータ回転数との関係は、曲線k11から曲線k15へシフトし、180度矩形波通電方式によって交流モータM1の各相に電流を流した場合の交流モータM1の出力トルクとモータ回転数との関係は、曲線k21から曲線k25へシフトする。
【0140】
したがって、温度Tmの上昇に伴い、曲線k11〜k15がそれぞれ曲線k21〜k25と交わる点は、点A、点B、・・・、点Eへシフトする。その結果、温度Tmの上昇に伴い、交流モータM1の臨界回転数MRNcrttmは、点F、点G、・・・、点Jへシフトする。
【0141】
このように、交流モータM1の温度Tmが上昇すると、臨界回転数MRNcrttmは、低回転数側にシフトする。
【0142】
図14は、温度Tmと臨界回転数MRNcrttmとの関係を示す。縦軸は、臨界回転数MRNcrttmを表わし、横軸は、温度Tmを表わす。図14を参照して、臨界回転数MRNcrttmと温度Tmとの関係は、直線k4で示すように、温度Tmの上昇に伴い、臨界回転数MRNcrttmが低下する関係である。
【0143】
したがって、回転数算出部32Aは、直線k4で示す臨界回転数MRNcrttmと温度Tmとの関係をマップとして保持しており、温度センサー60から交流モータM1の温度Tmを受けると、その受けた温度Tmに対応する臨界回転数MRNcrttmを、保持したマップを参照して検出する。
【0144】
そして、回転数算出部32Aは、位置信号Hu,Hv,Hwに基づいて算出したモータ回転数MRNを、検出した臨界回転数MRNcrttmと比較し、モータ回転数MRNが臨界回転数MRNcrttmよりも低いときLレベルのモータ回転数RPMを生成して駆動指令生成部31へ出力し、モータ回転数MRNが臨界回転数MRNcrttmに到達するとHレベルのモータ回転数RPMを生成して駆動指令生成部31へ出力する。
【0145】
たとえば、回転数算出部32Aが温度Tmに基づいて、図13の点Fで示す臨界回転数MRNcrttmを検出した場合、回転数算出部32Aは、モータ回転数MRNが0〜臨界回転数MRNcrttmまでの間、Lレベルのモータ回転数RPMを生成して駆動指令生成部31へ出力し、モータ回転数MRNが臨界回転数MRNcrttmに到達すると、Hレベルのモータ回転数RPMを生成して駆動指令生成部31へ出力する。
【0146】
そうすると、駆動指令生成部31は、上述したように、Lレベルのモータ回転数RPMに応じて、120度矩形波通電方式で交流モータM1の各相に電流を流すようにインバータ10を制御し、Hレベルのモータ回転数RPMに応じて、180度矩形波通電方式で交流モータM1の各相に電流を流すようにインバータ10を制御する。つまり、駆動指令生成部31は、モータ回転数MRNが0〜臨界回転数MRNcrttmまでの間、交流モータM1が曲線k11に従ってトルクを出力するようにインバータ10を制御し、モータ回転数MRNが臨界回転数MRNcrttmに到達すると、交流モータM1が曲線k21に従ってトルクを出力するようにインバータ10を制御する。
【0147】
図15を参照して、エンジン40の始動時におけるモータ制御装置100Aの動作について説明する。図15に示すフローチャートは、図11に示すフローチャートのステップS30をステップS22,S24,S26に代えたものであり、その他は、図11に示すフローチャートと同じである。なお、図15に示すフローチャートは、一定時間ごとに実行される。
【0148】
図15を参照して、ステップS20の後、温度センサー60は、交流モータM1の温度Tmを検出し、その検出した温度Tmを回転数算出部32Aへ出力する(ステップS22)。そして、回転数算出部32Aは、図14に示すマップ(直線k4で示される)を参照して温度Tmに対応する臨界回転数MRNcrttmを検出する(ステップS24)。
【0149】
そうすうると、回転数算出部32Aは、ステップS20で検出したモータ回転数MRNが臨界回転数MRNcrttmよりも低いか否かを判定し(ステップS26)、モータ回転数MRNが臨界回転数MRNcrttmよりも低いときLレベルのモータ回転数RPMを生成して駆動指令生成部31へ出力する。そして、上述したステップS40が実行される。
【0150】
そして、モータ回転数MRNが臨界回転数MRNcrttmに到達するまで、ステップS20,S22,S24,S26およびステップS40が実行され、ステップS26において、モータ回転数MRNが臨界回転数MRNcrttmに到達したと判定されると、回転数算出部32Aは、Hレベルのモータ回転数RPMを生成して駆動指令生成部31へ出力する。そして、上述したステップS50が実行される。
【0151】
そして、モータ回転数MRNがアイドル回転数Neidlに到達するまで、ステップS20,S22,S24,S26およびステップS50が実行され、ステップS60において、モータ回転数MRNがアイドル回転数Neidlに到達したと判定されると、エンジン40の始動動作が終了する。
【0152】
このように、実施の形態2においては、制御装置30Aは、交流モータM1の温度Tmに応じた臨界回転数MRNcrttmを検出し、その検出した臨界回転数MRNcrttmを基準にして、エンジン40の始動時、交流モータM1の通電方式を120度矩形波通電方式から180度矩形波通電方式に切替えるようにインバータ10を制御する。
【0153】
なお、温度Tmが上昇するに伴い、臨界回転数MRNcrttmが低下し、その低下した臨界回転数MRNcrttmを基準にして交流モータM1の通電方式を120度矩形波通電方式から180度矩形波通電方式に切替えるようにインバータ10を制御することは、検出された温度Tmに応じて決定されるタイミングで120度矩形波通電方式から180度矩形波通電方式への通電方式の切替えを制御することに相当する。
【0154】
また、温度Tmが上昇するに伴い、臨界回転数MRNcrttmが低下し、その低下した臨界回転数MRNcrttmを基準にして交流モータM1の通電方式を120度矩形波通電方式から180度矩形波通電方式に切替えるようにインバータ10を制御することは、交流モータM1の通電方式を120度矩形波通電方式から180度矩形波通電方式に切替えるタイミングを早くしてインバータ10を制御することに相当する。温度Tmが上昇するに伴い、臨界回転数MRNcrttmは低回転数側にシフトする。したがって、温度Tmが上昇すると、交流モータM1の回転開始から臨界回転数MRNcrttmへ到達するまでの時間が短くなるからである。
【0155】
さらに、位置センサー20(センサー21〜23)および回転数算出部32Aは、「回転数検出手段」を構成する。
【0156】
さらに、制御装置30Aの駆動指令生成部31および回転数算出部32Aにおける交流モータの駆動制御は、CPUによって行なうことも可能であり、その場合、CPUは、図15に示すフローチャートの各ステップを備えるプログラムをROMから読出し、その読出したプログラムを実行して図15に示すフローチャートに従って交流モータM1の各相に電流を流す通電方式を120度矩形波通電方式から180度矩形波通電方式に切替えて交流モータM1を駆動するようにインバータ10を制御する。したがって、ROMは、図15に示すフローチャートの各ステップを備えるプログラムを記録したコンピュータ(CPU)読取り可能な記録媒体に相当する。
【0157】
その他は、実施の形態1と同じである。
実施の形態2によれば、モータ制御装置は、エンジンの始動時、エンジンに連結された交流モータを、交流モータの温度に対応した臨界回転数で120度矩形波通電方式から180度矩形波通電方式に切替えて駆動するようにインバータを制御する制御装置を備えるので、交流モータの温度が変化しても交流モータの回転数の低速領域から高速領域にわたって出力トルクが最大になるように交流モータを駆動できる。その結果、交流モータの温度が変化しても、エンジンの始動をスムーズに行なうことができ、エンジンの始動時間を短縮できる。
【0158】
上述した実施の形態1および2においては、インバータ10は、直流電源Bからの直流電圧を受けるとして説明したが、この発明においては、インバータ10は、直流電源からの直流電圧を昇圧した直流電圧を受けてもよい。
【0159】
すなわち、直流電圧Bが出力する直流電圧よりも電圧レベルが低い直流電圧を出力する直流電源B1と昇圧コンバータとを直流電源Bに代えて設ける。直流電源B1は、直流電圧を昇圧コンバータに出力する。そして、昇圧コンバータは、直流電圧を昇圧してコンデンサC1に供給する。
【0160】
直流電源B1と昇圧コンバータとを用いたモータ制御装置においても、エンジン40の始動時、交流モータM1をエンジン40のスタータとして機能させ、エンジン40がアイドル回転数Neidlに到達した後は、交流モータM1を駆動輪50を駆動する駆動モータとして機能させることができる。
【0161】
また、上記においては、3相同期式の交流モータM1に対する通電方式について説明したが、この発明は、これに限らず、一般に、電流利用率が最大になる通電方式と電圧利用率が最大になる通電方式とにより交流モータを駆動するモータ制御装置、または電流利用率が最大になる通電方式と電圧利用率が最大になる通電方式とにより交流モータの駆動制御をコンピュータに実行させるためのプログラムを記録したコンピュータ読取り可能な記録媒体であればよい。
【0162】
さらに、上記においては、インバータ10は、MOSトランジスタにより構成されると説明したが、この発明においては、NPNトランジスタであってもよい。
【0163】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施の形態の説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施の形態1によるモータ制御装置の概略ブロック図である。
【図2】図1に示す位置センサーの配置図である。
【図3】図1に示す駆動指令生成部の回路図である。
【図4】図3に示す駆動指令生成部の等価回路図である。
【図5】図3に示す駆動指令生成部の他の等価回路図である。
【図6】120度矩形波通電方式における信号のタイミングチャートである。
【図7】180度矩形波通電方式における信号のタイミングチャートである。
【図8】交流モータの出力トルクとモータ回転数との関係図である。
【図9】図2に示す角度θと交流モータの出力トルクとの関係図である。
【図10】交流モータにおけるステータ磁力とロータ磁力との関係図である。
【図11】実施の形態1におけるエンジン始動時のモータ制御装置の動作を説明するためのフローチャートである。
【図12】実施の形態2によるモータ制御装置の概略ブロック図である。
【図13】温度をパラメーターとする交流モータの出力トルクとモータ回転数との関係図である。
【図14】臨界回転数と交流モータの温度との関係図である。
【図15】実施の形態2におけるエンジン始動時のモータ制御装置の動作を説明するためのフローチャートである。
【符号の説明】
10,329〜332 インバータ、20 位置センサー、21〜23 センサー、30,30A 制御装置、31 駆動指令生成部、32,32A 回転数算出部、40 エンジン、50 駆動輪、60 温度センサー、100,100A モータ制御装置、311〜328 ANDゲート、333〜338 ORゲート、B 直流電源、C1 コンデンサ、Tr1〜Tr6 MOSトランジスタ、D1〜D6 ダイオード、M1 交流モータ。

Claims (12)

  1. エンジンに連結されたモータを駆動する駆動回路と、
    前記エンジンの始動時、前記モータの各相に電流を流す通電方式を電流利用率が最も高い第1の通電方式から電圧利用率が最も高い第2の通電方式に切替えるように前記駆動回路を制御する制御回路とを備えるモータ制御装置。
  2. 前記制御回路は、前記モータの回転数がアイドル回転数よりも低く設定された臨界回転数に到達すると、前記第1の通電方式から前記第2の通電方式に切替えるように前記駆動回路を制御し、
    前記臨界回転数は、前記第1の通電方式における前記モータの出力トルクが前記第2の通電方式における前記モータの出力トルクに一致する前記モータの回転数である、請求項1に記載のモータ制御装置。
  3. 前記第1の通電方式は、120度矩形波通電方式であり、
    前記第2の通電方式は、180度矩形波通電方式である、請求項2に記載のモータ制御装置。
  4. 前記モータの回転子の位置を検出する位置センサーをさらに備え、
    前記位置センサーは、前記120度矩形波通電方式において前記モータが最大トルクを出力する位置に配置される、請求項3に記載のモータ制御装置。
  5. 前記制御回路は、車両のアイドルストップ後の発進時に前記モータを駆動するように前記駆動回路を制御する、請求項1から請求項4のいずれか1項に記載のモータ制御装置。
  6. 前記モータの温度を検出する温度センサーをさらに備え、
    前記制御回路は、前記検出された温度に応じて決定されるタイミングで前記通電方式の切替えを制御する、請求項1から請求項5のいずれか1項に記載のモータ制御装置。
  7. 前記制御回路は、前記温度の上昇に伴い、より早いタイミングで前記通電方式の切替えを制御する、請求項6に記載のモータ制御装置。
  8. 前記モータの温度を検出する温度センサーと、
    前記モータのモータ回転数を検出する回転数検出手段とをさらに備え、
    前記制御回路は、前記臨界回転数と前記温度との関係を示すマップを保持し、前記回転数検出手段から受けた前記モータ回転数が前記検出された温度に対応する臨界回転数に到達したとき、前記通電方式の切替えを制御する、請求項2から請求項5のいずれか1項に記載のモータ制御装置。
  9. エンジンに連結されたモータの駆動制御を実行させるためのプログラムを記録したコンピュータ読取り可能な記録媒体であって、
    前記エンジンの始動指令を受ける第1のステップと、
    前記モータのモータ回転数を検出する第2のステップと、
    前記検出されたモータ回転数をアイドル回転数よりも低く設定された臨界回転数と比較する第3のステップと、
    前記検出されたモータ回転数が前記臨界回転数よりも低いとき、電流利用率が最も高い第1の通電方式で前記モータの各相に電流を流す第4のステップと、
    前記検出されたモータ回転数が前記臨界回転数以上であるとき、電圧利用率が最も高い第2の通電方式で前記モータの各相に電流を流す第5のステップとをコンピュータに実行させ、
    前記臨界回転数は、アイドル回転数よりも低く設定され、前記第1の通電方式における前記モータの出力トルクが前記第2の通電方式における前記モータの出力トルクに一致する前記モータの回転数である、コンピュータに実行させるためのプログラムを記録したコンピュータ読取り可能な記録媒体。
  10. 前記モータの温度を検出する第6のステップをさらにコンピュータに実行させ、
    前記第3のステップは、
    前記検出された温度に対応する臨界回転数を検出する第1のサブステップと、前記検出されたモータ回転数を前記温度に対応する臨界回転数と比較する第2のサブステップとを含み、
    前記第4のステップは、前記検出されたモータ回転数が前記温度に対応する臨界回転数よりも低いとき、前記第1の通電方式で前記モータの各相に電流を流し、
    前記第5のステップは、前記検出されたモータ回転数が前記温度に対応する臨界回転数に到達したとき、前記第2の通電方式で前記モータの各相に電流を流す、請求項9に記載のコンピュータに実行させるためのプログラムを記録したコンピュータ読取り可能な記録媒体。
  11. 前記第2のサブステップは、前記温度と前記臨界回転数との関係を示すマップを参照して前記温度に対応する臨界回転数を検出する、請求項10に記載のコンピュータに実行させるためのプログラムを記録したコンピュータ読取り可能な記録媒体。
  12. 前記第1の通電方式は、120度矩形波通電方式であり、前記第2の通電方式は、180度矩形波通電方式である、請求項9から請求項11のいずれか1項に記載のコンピュータに実行させるためのプログラムを記録したコンピュータ読取り可能な記録媒体。
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