JP6091509B2 - 分散体を作製するためのプロセス、分散体、使用、および方法 - Google Patents

分散体を作製するためのプロセス、分散体、使用、および方法 Download PDF

Info

Publication number
JP6091509B2
JP6091509B2 JP2014533978A JP2014533978A JP6091509B2 JP 6091509 B2 JP6091509 B2 JP 6091509B2 JP 2014533978 A JP2014533978 A JP 2014533978A JP 2014533978 A JP2014533978 A JP 2014533978A JP 6091509 B2 JP6091509 B2 JP 6091509B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
dispersant
dispersion
iii
weight
acid
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2014533978A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2014530920A5 (ja
JP2014530920A (ja
Inventor
リチャード コードウェル
リチャード コードウェル
ゴードン エリス
ゴードン エリス
オーウェン ロズマン
オーウェン ロズマン
ネイル タラント
ネイル タラント
Original Assignee
フジフィルム イメージング カラーランツ リミテッド
フジフィルム イメージング カラーランツ リミテッド
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by フジフィルム イメージング カラーランツ リミテッド, フジフィルム イメージング カラーランツ リミテッド filed Critical フジフィルム イメージング カラーランツ リミテッド
Publication of JP2014530920A publication Critical patent/JP2014530920A/ja
Publication of JP2014530920A5 publication Critical patent/JP2014530920A5/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6091509B2 publication Critical patent/JP6091509B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C09DYES; PAINTS; POLISHES; NATURAL RESINS; ADHESIVES; COMPOSITIONS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; APPLICATIONS OF MATERIALS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • C09DCOATING COMPOSITIONS, e.g. PAINTS, VARNISHES OR LACQUERS; FILLING PASTES; CHEMICAL PAINT OR INK REMOVERS; INKS; CORRECTING FLUIDS; WOODSTAINS; PASTES OR SOLIDS FOR COLOURING OR PRINTING; USE OF MATERIALS THEREFOR
    • C09D11/00Inks
    • C09D11/30Inkjet printing inks
    • C09D11/32Inkjet printing inks characterised by colouring agents
    • C09D11/324Inkjet printing inks characterised by colouring agents containing carbon black
    • C09D11/326Inkjet printing inks characterised by colouring agents containing carbon black characterised by the pigment dispersant
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C09DYES; PAINTS; POLISHES; NATURAL RESINS; ADHESIVES; COMPOSITIONS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; APPLICATIONS OF MATERIALS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • C09BORGANIC DYES OR CLOSELY-RELATED COMPOUNDS FOR PRODUCING DYES, e.g. PIGMENTS; MORDANTS; LAKES
    • C09B67/00Influencing the physical, e.g. the dyeing or printing properties of dyestuffs without chemical reactions, e.g. by treating with solvents grinding or grinding assistants, coating of pigments or dyes; Process features in the making of dyestuff preparations; Dyestuff preparations of a special physical nature, e.g. tablets, films
    • C09B67/0001Post-treatment of organic pigments or dyes
    • C09B67/0004Coated particulate pigments or dyes
    • C09B67/0008Coated particulate pigments or dyes with organic coatings
    • C09B67/0013Coated particulate pigments or dyes with organic coatings with polymeric coatings
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C09DYES; PAINTS; POLISHES; NATURAL RESINS; ADHESIVES; COMPOSITIONS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; APPLICATIONS OF MATERIALS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • C09BORGANIC DYES OR CLOSELY-RELATED COMPOUNDS FOR PRODUCING DYES, e.g. PIGMENTS; MORDANTS; LAKES
    • C09B67/00Influencing the physical, e.g. the dyeing or printing properties of dyestuffs without chemical reactions, e.g. by treating with solvents grinding or grinding assistants, coating of pigments or dyes; Process features in the making of dyestuff preparations; Dyestuff preparations of a special physical nature, e.g. tablets, films
    • C09B67/0071Process features in the making of dyestuff preparations; Dehydrating agents; Dispersing agents; Dustfree compositions
    • C09B67/0084Dispersions of dyes
    • C09B67/0085Non common dispersing agents
    • C09B67/009Non common dispersing agents polymeric dispersing agent
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C09DYES; PAINTS; POLISHES; NATURAL RESINS; ADHESIVES; COMPOSITIONS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; APPLICATIONS OF MATERIALS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • C09BORGANIC DYES OR CLOSELY-RELATED COMPOUNDS FOR PRODUCING DYES, e.g. PIGMENTS; MORDANTS; LAKES
    • C09B67/00Influencing the physical, e.g. the dyeing or printing properties of dyestuffs without chemical reactions, e.g. by treating with solvents grinding or grinding assistants, coating of pigments or dyes; Process features in the making of dyestuff preparations; Dyestuff preparations of a special physical nature, e.g. tablets, films
    • C09B67/0097Dye preparations of special physical nature; Tablets, films, extrusion, microcapsules, sheets, pads, bags with dyes
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C09DYES; PAINTS; POLISHES; NATURAL RESINS; ADHESIVES; COMPOSITIONS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; APPLICATIONS OF MATERIALS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • C09DCOATING COMPOSITIONS, e.g. PAINTS, VARNISHES OR LACQUERS; FILLING PASTES; CHEMICAL PAINT OR INK REMOVERS; INKS; CORRECTING FLUIDS; WOODSTAINS; PASTES OR SOLIDS FOR COLOURING OR PRINTING; USE OF MATERIALS THEREFOR
    • C09D11/00Inks
    • C09D11/30Inkjet printing inks
    • C09D11/32Inkjet printing inks characterised by colouring agents
    • C09D11/322Pigment inks
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C09DYES; PAINTS; POLISHES; NATURAL RESINS; ADHESIVES; COMPOSITIONS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; APPLICATIONS OF MATERIALS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • C09KMATERIALS FOR MISCELLANEOUS APPLICATIONS, NOT PROVIDED FOR ELSEWHERE
    • C09K23/00Use of substances as emulsifying, wetting, dispersing, or foam-producing agents
    • C09K23/34Higher-molecular-weight carboxylic acid esters

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Materials Engineering (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Wood Science & Technology (AREA)
  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Dispersion Chemistry (AREA)
  • Inks, Pencil-Leads, Or Crayons (AREA)
  • Ink Jet (AREA)
  • Ink Jet Recording Methods And Recording Media Thereof (AREA)
  • Processes Of Treating Macromolecular Substances (AREA)
  • Pigments, Carbon Blacks, Or Wood Stains (AREA)

Description

本発明は、分散体を作製するためのプロセスに関し、本発明はさらに、前記プロセスによって作製された分散体、およびこの分散体のサーマルインクジェット印刷における使用に関する。この分散体は、インク、チント、塗料、熱可塑性材料、および熱硬化性材料を含む広範囲の様々な用途において有用である。この分散体は、特に、インクジェット印刷用インクの作製に、特にはサーマルインクジェット印刷用インクの作製に適する。
インクジェット印刷は、インクの微小液滴がノズルから基体上へ吐出される非接触印刷法である。液滴吐出にはいくつかの方法が存在し、圧電、音、および熱が挙げられる。各方法は、インクジェット印刷用インクに圧力パルスを与え、それによって、基体へ向けてのインク液滴の制御された吐出が行われる。サーマルインクジェット印刷では、抵抗器に電圧が印加され、それが急速に加熱されてインクジェット印刷用インク中の液体ビヒクルの一部を蒸発させ、それによって蒸気の気泡が形成される。気泡の形成によって引き起こされた圧力上昇および膨張により、プリンターノズルから少量のインクが吐出される。電圧が切られると、蒸気の気泡は萎む。そして、次のインクがインクジェットプリンターヘッドへ引き込まれ、サイクルが完了する。最近のサーマルインクジェットプリンターでは、液滴吐出のための工程サイクルは、一般的に高い頻度で行われ、1秒間に1000回を超える場合も多い。典型的なサーマルインクジェット印刷ノズルは、望ましくは、その耐用期間全体で、100万回を優に超える回数の吐出を行うべきである。
サーマルインクジェットプリンターは、望ましくは、プリンターヘッドの耐用期間全体にわたり、信頼性および正確性を持って吐出を行うべきである。残念なことに、印刷画質が時間と共に劣化する傾向にある場合が多い。観察することができる場合のある印刷欠陥の例としては:ピクセル抜け、ライン抜け、およびインク液滴の制御されない方向または制御されない量の吐出が挙げられる。
多くの場合、サーマルインクジェットプリンター中の抵抗器の熱循環が、最終的にはインクジェットプリンターの適正な運転を阻害し得るインク中の成分のゆっくりした劣化に対する少なくとも部分的な原因であると推測される。
染料系インク(着色剤が液体ビヒクルに可溶性である)は、サーマルインクジェットプリンターにおいて比較的堅牢な性能を示す傾向にある。対照的に、顔料系インク(着色剤が液体ビヒクル中に粒子分散体として存在する)は、大きく性能が落ちる傾向にある。1つの特定の問題は、顔料分散体のコロイド安定性の問題である。凝塊または凝集するいかなる顔料粒子も、熱抵抗器の付着汚染、ノズルの被覆、またはインクジェットプリンターノズルの閉塞を容易に引き起こし得る。顔料系インクは、耐光、耐オゾン堅牢性、および光学濃度などの特性において、染料系インクと比較した場合に優れている傾向にあり、従って、サーマルインクジェット印刷に適する顔料系インクが望まれている。
従って、上記の問題点の1つ以上について少なくとも部分的に対処するサーマルインクジェット印刷用インクの作製に用いることができる分散体が求められている。
<先行技術>
PCT特許出願公開WO2010/038071は、インクジェット印刷用インクを作製するための被包された顔料の分散体を開示している。印刷は、サーマルインクジェット印刷であってもよい。
上記の問題に直面して、本発明者らは、驚くべきことに、粒子状固体の分散体を特定の方法で作製した場合、得られたインクが、サーマルインクジェットプリンターにおいて改善された長期的堅牢性および操作性を提供することを見出した。
本発明の第一の態様によると、
i)粒子状固体と、液体媒体と、架橋性基および1000から70000の重量平均分子量を有する分散剤と、を含む分散体を提供する段階と、
ii)前記粒子状固体および前記液体媒体の存在下で前記分散剤を架橋し、それによって、被包された粒子状固体の分散体を作製する段階であって、前記架橋は、分散剤1gあたり、前記分散剤中の架橋性基の0.01から0.5ミリモルが架橋されるように行われる段階と、
を含む、分散体を作製するためのプロセスであって、前記プロセスはさらに、
iii)金属キレート化剤を前記分散体に添加することと、
段階iii)の後に、
iv)前記金属キレート化剤の少なくとも一部を前記分散体から除去する段階と、
を任意の段階で含む、プロセスが提供される。
<定義>
特に断りのない限り、本明細書において、「1つの(a)」および「1つの(an)」の単語は、1つ以上を意味する。従って、例えば、「1つの(a)」粒子状固体は、2つ以上の粒子状固体の存在の可能性を含み、同様に、「1つの(a)」分散剤は、2つ以上の分散剤の存在の可能性を含む。
<粒子状固体>
粒子状固体はいかなる種類のものであってもよい。粒子状固体は、液体媒体に不溶性である染料であってよく、より好ましくは、粒子状固体は、顔料である。顔料は、無機もしくは有機顔料物質、またはこれらの混合物を含んでよく、好ましくは無機もしくは有機顔料物質、またはこれらの混合物である。顔料は、液体媒体に不溶性(定義上)である。本発明者らが意味する不溶性とは、液体媒体において好ましくは1重量%以下、より好ましくは0.1重量%以下の溶解度を有することである。溶解度は、好ましくは、25℃の温度で測定される。溶解度は、好ましくは、pH8で測定される。好ましくは、溶解度は、水中で、より好ましくは、脱イオン水中で(好ましくは、pH8に調節されて)測定される。
好ましい顔料は、有機顔料であり、例えば、Third Edition of the Colour Index (1971)およびそれに続く改訂版、ならびにそれに対する補遺において、「顔料」の見出しのチャプターに記載されている顔料の種類のいずれかである。有機顔料の例は、アゾ(ジスアゾおよび縮合アゾを含む)、チオインディゴ、インダントロン、イソインダントロン、アンタントロン、アントラキノン、イソジベンズアントロン、トリフェンジオキサジン、キナクリドン、およびフタロシアニン系、特に銅フタロシアニンおよびその核ハロゲン化誘導体からのものである。好ましい有機顔料は、フタロシアニン、特に銅フタロシアニン顔料、アゾ顔料、インダントロン、アンタントロン、およびキナクリドンである。
好ましい無機顔料としては、カーボンブラック(特にガスブラック)、二酸化チタン、二酸化ケイ素、酸化アルミニウム、酸化および硫化鉄が挙げられる。
インクジェットの場合、特に適切な顔料は、カーボンブラック、C.I.ピグメントレッド122、C.I.ピグメントブルー15:3、およびC.I.ピグメントイエロー74である。これらの顔料は、カラーインクセットのためのブラック、マゼンタ、シアン、およびイエローインクの作製に用いることができる。当然、多くの別の選択肢としての顔料も存在する。
顔料は、その表面に水分散性基が共有結合するように、表面処理されていないことが好ましい。顔料は、分散剤の補助なしには水に分散することができないことが好ましい。
<分散体>
段階i)における分散体は、好ましくは、液体媒体中に均一に分散された粒子状固体を含む。好ましくは、分散体は、流体であり、より好ましくは、液体である。より好ましくは、分散体は、25℃の温度で液体である。
分散体は、1ミクロン以上の平均サイズを有する粒子を含んでよく(例:粒子状固体の粒子のプレ混合物)、またはより好ましくは、それは、1ミクロン未満の平均サイズを有する粒子を含んでよい(例:粉砕処理された分散体)。
プレ混合物は、攪拌、振とう、転動などを含む多数の方法によって形成することができる。これらは、エネルギーが比較的低い傾向にあり、粒子状固体の平均粒子サイズを大きく低下させることがない傾向にある。
より好ましくは、段階i)における粒子は、粉砕されたものである。適切な粉砕方法としては、ホモジナイゼーション、マイクロフルイダイゼーション、超音波処理、およびビーズミリングが挙げられ、これらの組み合わせも含む。得られる粉砕分散体は、好ましくは、10から500nm、より好ましくは、30から300nm、特には、50から200nmの平均粒子サイズを有する。粒子サイズとは、好ましくは、直径、または非球状粒子の場合は有効直径を意味する。より好ましくは、平均粒子サイズは、Z−平均である。好ましくは、粒子サイズは、光散乱法によって測定される。粒子サイズを測定するための好ましい装置は、Malvern Zetasizer(商標)(特には、Zetasizer(商標)Nano ZS90)である。
好ましくは、段階i)における分散体は、液体媒体および分散剤の存在下で粒子状固体を粉砕することによって作製されたものである。
好ましくは、分散剤は、粒子状固体の表面に少なくとも部分的に吸着されている。好ましくは、分散剤は、液体媒体中の粒子状固体をコロイド的に安定化させる。
段階i)における分散体において、分散剤は、粒子状固体の100重量部あたり、好ましさの増加する順序で、1から150、5から100、10から90、15から80、15から70、15から60、20から50、20から45重量部の分散剤で存在することが好ましい。粒子状固体に対する分散剤のこのような量が、コロイド安定性と長期的なサーマルインクジェット印刷性能との最適なバランスに対応することが見出された。
段階i)における分散体中の粒子状固体は、好ましくは、分散体に対して、0.1から40、より好ましくは、0.1から30、特には、1から20重量%で存在する。
段階i)における分散体自体は、2段階:
ia)粒子状固体および液体媒体を含む分散体を提供する段階;
ib)段階ia)における分散体に、架橋性基および1000から70000の重量平均分子量を有する分散剤を添加する段階;
で提供されてよい。
そのようなスキームにおいて、粒子状固体は、分散剤が存在する時点で、上述のように粉砕されることが好ましい。
<分散剤>
適切ないかなる分散剤が用いられてもよい。好ましい分散剤としては、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリウレタン、ポリ−アミノ−トリアジン、および特には、エチレン性不飽和モノマーの重合から得られたポリマーが挙げられる。これらの分散剤の物理的組み合わせ、およびこれらの分散剤の化学的グラフト物が用いられてよい。
重量平均分子量は、好ましくは、ゲル浸透クロマトグラフィーによって確認される。好ましくは、分子量は、既知分子量のポリスチレン標準をレファレンスとして確認される。ゲル浸透クロマトグラフィー用の溶媒は、好ましくは、ジメチルホルムアミドである。
好ましくは、架橋前の分散剤の重量平均分子量は、5000から50000、より好ましくは、5000から45000、特には、5000から40000、最も特には、5000から30000である。本発明者らは、これらのより低い分子量が、より良好な最終サーマルインクジェット印刷性能に対応することを見出した。
分散剤中の架橋性基は、好ましくは、オキセタン、カルボジイミド、シロキサン、イソシアネート、アジリジン、アミノ、チオール、ヒドロキシル(−OH)、エポキシ、ならびに特には、その塩を含むカルボン酸基およびホスホン酸基から選択される。
<エチレン性不飽和モノマーの重合から得られる分散剤>
分散剤がエチレン性不飽和モノマーの重合から得られる場合、分散剤は、スチレン、アクリルアミド、アクリロニトリル、および特には、(メタ)アクリレートから選択されるモノマーの重合から得られることが好ましい。
好ましくは、エチレン性不飽和モノマーのうちの少なくとも1つは、オキセタン、カルボジイミド、シロキサン、イソシアネート、アジリジン、アミノ、チオール、ヒドロキシル(−OH)、エポキシ、ならびに特には、その塩を含むカルボン酸基およびホスホン酸基から好適に選択される架橋性基を有する。
好ましくは、エチレン性不飽和モノマーは、全エチレン性不飽和モノマーに対して、少なくとも50重量%、より好ましくは、少なくとも60重量%、特には、少なくとも70重量%のベンジル(メタ)アクリレートを含む。ベンジルメタクリレートが、ベンジルアクリレートよりも好ましい。
好ましくは、ポリマー分散剤は、少なくとも成分i)およびii):
i)各々がイオン性基を持たない1つ以上の(メタ)アクリレートモノマーの70から95部;
ii)各々が少なくとも1つのイオン性基を持つ1つ以上の(メタ)アクリレートモノマーの5から30部;
を共重合することによって得られる、または得られ得るものであり、
ここで、成分i)およびii)の部を加算した合計は100であり、部はすべて重量基準である。
より好ましくは、ポリマー分散剤は、少なくとも成分i)からiii):
i)各々がイオン性基を持たない1つ以上の(メタ)アクリレートモノマーの70から95部;
ii)各々が少なくとも1つのイオン性基を持つ1つ以上の(メタ)アクリレートモノマーの5から30部;
iii)各々がポリエチレンオキシ基を有する1つ以上のエチレン性不飽和モノマーの20重量部以下;
を共重合することによって得られる、または得られ得るものであり、
ここで、成分i)からiii)の部を加算した合計は100であり、部はすべて重量基準である。
好ましくは、ポリマー分散剤は、(メタ)アクリレートモノマー由来の繰り返し単位を含むか、または該繰り返し単位から構成される。
<成分i)におけるモノマー>
好ましくは、成分i)は、少なくとも40、より好ましくは、少なくとも45重量部、さらにより好ましくは、少なくとも50重量部、特には、少なくとも60重量部、より特には、少なくとも70重量部のベンジルメタクリレートを含む。好ましくは、成分i)は、ベンジルメタクリレートのみから構成される。本発明者らは、ベンジルメタクリレートの量を増加させることで、光学濃度などのインク特性の改善が得られることを見出した。
成分i)がベンジルメタクリレート以外のモノマーを含む場合、それらは、好ましくは、C1−20ヒドロカルビル(メタ)アクリレートである。好ましくは、C1−20ヒドロカルビル基は、アルキル基である。アルキル基は、直鎖状または分岐鎖状であってよい。その好ましい例としては、ブチル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、メチル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、およびステアリル(メタ)アクリレートが挙げられる。成分i)に含めるのに適するベンジルメタクリレート以外のその他のモノマーとしては、末端がOHまたはアルキルであってよいポリプロピレンオキシ(メタ)アクリレートが挙げられる。
好ましくは、成分i)は、70から92、より好ましくは、70から90、特には、75から85重量部で存在する。
成分i)は、1つ以上の非イオン性架橋性基を有する1つ以上の(メタ)アクリレートを含んでよい。非イオン性架橋性基の好ましい例としては、オキセタン、カルボジイミド、シロキサン、イソシアネート、アジリジン、ならびに特には、アミノ、チオール、ヒドロキシル、およびエポキシ架橋性基が挙げられる。
<成分ii)におけるモノマー>
好ましくは、成分ii)におけるモノマー中のイオン性基は、アニオン性である。アニオン性基の好ましい例としては、リン含有酸基(ホスホン酸およびリン酸)、スルホン酸基、およびカルボン酸基が挙げられる。
カルボン酸基およびホスホン酸基は、好ましい水性液体媒体中で粒子状固体をコロイド的に安定化する傾向にあり、イオン性架橋性基を提供することから、特に好ましい。
好ましくは、成分ii)における(メタ)アクリレートモノマーは、各々、1から3つ、より好ましくは、1または2つ、特には、1つだけのイオン性基を有する。
カルボン酸基を有する(メタ)アクリレートモノマーの好ましい例は、イタコン酸、フマル酸、マレイン酸、クロトン酸、ベータカルボキシエチルアクリレート、アクリル酸、および特には、メタクリル酸が挙げられる。好ましくは、成分ii)は、メタクリル酸を含み、より好ましくは、成分ii)は、メタクリル酸のみを含む。
好ましくは、成分ii)は、8から30、より好ましくは、10から30、特には、12から25重量部で存在する。
分散剤中のイオン性基は、酸(プロトン化された)の形態、塩(例:金属イオン塩)の形態、またはこれらの混合の形態で存在してよい。
好ましくは、分散剤は、塩の形態であるイオン性基を有する。好ましい塩は、アルカリ金属(特にナトリウム、カリウム、およびリチウム)、ならびにアミン、有機アミン、およびアルカノールアミンとの塩である。
好ましくは、中和度は、少なくとも50モル%、より好ましくは、少なくとも70モル%、特には、少なくとも80モル%である。中和は、200モル%以下、より好ましくは、150モル%以下で行われることが好ましい。好ましくは、このモル%値は、ミリモル/gで表されるポリマー分散剤の酸価に基づく。従って、2ミリモル/gの酸価を有するポリマー分散剤に対する50モル%の中和剤は、1ミリモル/gの一塩基性中和剤(mono-basic neutralizing agent)に相当する。
<成分iii)におけるモノマー>
好ましさが増加する順序で、成分iii)は、各々がポリエチレンオキシ基を有するエチレン性不飽和モノマーの10部、5部、2部、1部、0.5部、および0部以下である。本発明者らが意味するエチレン性不飽和とは、好ましくは、C=Cである。本発明の目的のために、モノマーが成分i)およびiii)、またはii)およびiii)に属することが可能である場合、それは、成分iii)に属する。従って、ポリエチレンオキシ基を有するエチレン性不飽和モノマーは、その他の基に関わらず、常に成分iii)に属する。
本発明者らが意味するポリエチレンオキシ基とは、nが2以上である(CHCHO)−であるか、またはこれを含むいずれかの基である。ポリエチレンオキシ鎖における末端基は、いかなる種類のものであってもよい。従って、アルキル、アリール、ヘテロシクリル、およびH末端ポリエチレンオキシ基を有するエチレン性不飽和モノマーはまた、成分iii)によってその量が制限される。
成分iii)にいずれかのモノマーが存在する場合、ポリエチレンオキシ基を有するエチレン性不飽和モノマーは、好ましくは、(メタ)アクリレートである。
本発明者らは、少量のこれらの種のモノマーに関する、成分iii)に表した要件の結果として、改善された光学濃度、安定性、およびインクジェットプリンターにおけるプリンター信頼性を提供する分散体が得られることを見出した。
<所望に応じて存在してよいモノマー>
成分i)からiii)におけるモノマー以外の所望に応じて存在してよいモノマーが、追加で存在してよい。
好ましくは、共重合組成物は、50重量部以下、より好ましくは、20重量部以下、特には、10重量部以下、より特には、5重量部以下の、成分i)からiii)で述べたもの以外の所望に応じて存在してよいモノマーを含む。
ポリマーは、成分i)からiii)のみから構成される組成物の共重合によって得られる、または得られ得ることが特に好ましい。
好ましくは、架橋前の分散剤は、分散剤1gあたり、0.5から6ミリモル、より好ましくは、0.5から4ミリモル、特には、1から3ミリモル、より特には、1から2.7ミリモル、最も特には、1.2から2.5ミリモルの酸価を有する。
好ましくは、分散剤中の酸基はすべて、カルボン酸基、ホスホン酸基、およびスルホン酸基、またはこれらの塩から選択される基として存在する。
<好ましいポリマー分散剤>
上記を考慮して、好ましいポリマー分散剤は、成分i)からiii):
i)各々がイオン性基を持たず、少なくとも40部がベンジルメタクリレートである1つ以上の(メタ)アクリレートモノマーの70から95部;
ii)メタクリル酸の5から30部;
iii)各々がポリエチレンオキシ基を有する1つ以上のエチレン性不飽和モノマーの5部以下、より好ましくは、0部;
を共重合することによって得られる、または得られ得るものであり、
ここで、成分i)からiii)の部を加算した合計は100であり、部はすべて重量基準である。
さらにより好ましくは、ポリマー分散剤は、少なくとも成分i)からiii):
i)ベンジルメタクリレートの70から95部;
ii)メタクリル酸の5から30部;
iii)各々がポリエチレンオキシ基を有する1つ以上のエチレン性不飽和モノマーの5部以下、より好ましくは、0部;
を共重合することによって得られる、または得られ得るものであり、
ここで、成分i)からiii)の部を加算した合計は100であり、部はすべて重量基準である。
これらのポリマー分散剤において、成分i)からiii)で述べたもの以外のモノマーが存在しないことが好ましい。
<分散剤の作製>
分散剤は、特に限定されることなく、いかなる種類の重合方法によって作製されてもよい。乳化、バルク、懸濁、および特には、溶液重合法が用いられてよい。重合に用いられる開始剤は、カチオン性、アニオン性、またはより好ましくは、フリーラジカルであってよい。重合は、好ましくは、本発明による要件に従って分子量が制限されるように、1つ以上の連鎖移動剤の存在下におけるフリーラジカル重合によって行われる。
好ましい連鎖移動剤としては:
i)ブチルメルカプタン、オクチルメルカプタン、ドデシルメルカプタン、テトラデシルメルカプタン、メルカプトプロピオン酸、ブチル3−メルカプトプロピオネート、および2−メルカプトエタノールなどのメルカプタン;
ii)ジメチルキサントゲンジスルフィドおよびジイソプロピルキサントゲンジスルフィドなどのサントゲンジスルフィド;
iii)テトラメチルチウラムジスルフィドおよびテトラブチルチウラムジスルフィドなどのチウラムジスルフィド;
iv)四塩化炭素および臭化エチレンなどのハロゲン化炭化水素;
v)ペンタフェニルエタン;アクロレイン、メタクロレイン;アリルアルコール;2−エチルヘキシルチオグリコレートなどの炭化水素;
vi)テルピノレン、[アルファ]−テルピネン、[ガンマ]−テルピネン、ジペンテン、[アルファ]−メチルスチレンダイマー、9,10−ジヒドロアントラセン、1,4−ジヒドロナフタレン、インデン、および1,4−シクロヘキサジエンなどの不飽和環状炭化水素;ならびに、
vii)2,5−ジヒドロフランなどの不飽和へテロ環式化合物、
が挙げられる。
これらの中でも、メルカプタンが好ましい。
好ましくは、分散剤の作製に用いられる全モノマーの全連鎖移動剤に対する重量比は、5:1から160:1、より好ましくは、5:1から100:1、特には、10:1から50:1である。
<液体媒体>
液体媒体は、好ましくは、水であるか、または水を含み(すなわち、水性)、従って、分散体は、水性であることが好ましい。本発明者らは、本発明の第一の態様に従うプロセスが、水性液体媒体において最も効果的に作用することを見出した。
液体媒体は、1つ以上の硬化性液体を含んでよい。硬化性液体の例としては、UVまたは電子線照射によって重合可能であるモノマーが挙げられる。しかし、液体媒体は、硬化性ではないことが好ましい。好ましくは、液体媒体は、モノマー(例:エチレン性不飽和モノマー)を含まない。
ある場合では、液体媒体は、水、および所望に応じて1つ以上の有機液体、好ましくは水混和性有機液体を含む。好ましくは、水は、液体媒体中の全液体成分に対して、少なくとも10重量%、より好ましくは、少なくとも30重量%、特には、少なくとも40重量%、より特には、少なくとも50重量%の量で液体媒体中に存在し、残りが、1つ以上の水混和性有機液体である。
液体媒体中に含めるための好ましい水混和性有機液体としては:
i)C1−6アルカノール、好ましくは、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、sec−ブタノール、tert−ブタノール、n−ペンタノール、シクロペンタノール、およびシクロヘキサノール;
ii)直鎖状アミド、好ましくは、ジメチルホルムアミドまたはジメチルアセタミド;
iii)水混和性エーテル、好ましくは、テトラヒドロフランおよびジオキサン;
iv)ジオール、好ましくは、2から12個の炭素原子を有するジオール、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、ペンチレングリコール、ヘキシレングリコール、およびチオジグリコール、ならびにオリゴ−およびポリ−アルキレングリコール、好ましくは、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、およびポリプロピレングリコール;
v)トリオール、好ましくは、グリセロールおよび1,2,6−ヘキサントリオール;
vi)ジオールのモノ−C1−4−アルキルエーテル、好ましくは、2から12個の炭素原子を有するジオールのモノ−C1−4−アルキルエーテル、特には、2−メトキシエタノール、2−(2−メトキシエトキシ)エタノール、2−(2−エトキシエトキシ)−エタノール、2−[2−(2−メトキシエトキシ)エトキシ]エタノール、2−[2−(2−エトキシエトキシ)−エトキシ]−エタノール、およびエチレングリコールモノアリルエーテル;
vii)環状アミド、好ましくは、2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン、N−エチル−2−ピロリドン、カプロラクタム、および1,3−ジメチルイミダゾリドン;
viii)水混和性スルホキシドおよびスルホン、好ましくは、スルホランおよびジメチルスルホキシド、
が挙げられる。
これらの水混和性有機液体の中でも、ジプロピレングリコールが特に好ましい。
好ましくは、液体媒体は、水、および所望に応じて1つ以上の、特には、所望に応じて1から3つの水混和性有機液体を含む。
<架橋>
好ましくは、架橋反応は、分散剤分子と粒子状固体の各粒子とを恒久的に会合させる。本質的には、架橋反応は、粒子状固体の粒子周囲の適切な位置に分散剤分子を固定し、それによって、それらが粒子状固体表面から実質的に脱着できなくなることが好ましい。好ましくは、分散剤は、架橋することによって、粒子状固体の各粒子の周囲に架橋シェルを形成する。好ましくは、分散剤は、粒子状固体表面自体に結合はしていない。
分散剤中の架橋性基は、非イオン性、またはより好ましくは、イオン性基であってよい。
架橋反応は、好ましくは、共有結合を形成する架橋である。
分散剤中の適切な非イオン性架橋性基としては、オキセタン、カルボジイミド、シロキサン、イソシアネート、アジリジン、ならびに特には、アミノ、チオール、ヒドロキシル、およびエポキシ基が挙げられる。
分散剤中の好ましいイオン性架橋性基としては、その塩を含むカルボン酸基およびホスホン酸基が挙げられる。
分散剤が自己架橋性である場合、分散剤は、好ましくは、架橋性基の共反応性対を含む。以下の考え得る対が特に適切であり:1つの架橋性基が、アミノ、チオール、ヒドロキシル、ならびに特にはカルボン酸(その塩を含む)およびホスホン酸(その塩を含む)基から選択され、第二の架橋性基が、オキセタン、カルボジイミド、イソシアネート、アジリジン、およびエポキシ基から選択される。
より好ましくは、架橋は、架橋剤を添加することによって行われる。この場合、分散剤は、好ましくは、アミノ、チオール、ヒドロキシル、カルボン酸(その塩を含む)およびホスホン酸(その塩を含む)基から選択される架橋性基を有する。これらの中でも、その塩を含むカルボン酸基およびホスホン酸基が特に好ましい。
架橋剤は、アジリジン、カルボジイミド、イソシアネート、オキセタン、またはより好ましくは、エポキシドであってよい。
特に好ましいエポキシドとしては、ソルビトールポリグリシジルエーテル、ポリグリセロールポリグリシジルエーテル、ペンタエリスリトールポリグリシジルエーテル、ジグリセロールポリグリシジルエーテル、グリセロールポリグリシジルエーテル、トリメチロールプロパンポリグリシジルエーテル、レゾルシノールジグリシジルエーテル、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、水素化ビスフェノールAジグリシジルエーテル、エチレングリコールジグリシジルエーテル、ジエチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、プロピレングリコールジグリシジルエーテル、ジプロピレングリコールジグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテル、ポリブタジエンジグリシジルエーテルが挙げられる。
架橋剤は、2つ以上の架橋基を有していてよい。
これらの中で、本発明者らは、トリメチロールプロパンポリグリシジルエーテルが特に好ましいことを見出した。このエポキシ架橋剤は、ナガセケムテックス(Nagase Chemtex)製のDenacol(商標)EX−321として入手可能である。
特に好ましい組み合わせは、分散剤中の架橋性基が、その塩を含むカルボン酸およびホスホン酸から選択され、好ましくは、架橋剤がエポキシドである場合である。
段階i)で述べたように、2つ以上の架橋性分散剤が存在する場合、架橋の度合いという点での上述の好ましい条件を満たすように、存在するすべての架橋性分散剤が架橋されることが好ましい。
本発明における分散剤が、所望に応じて含んでよい非架橋性分散剤を含むことも可能である。そのような分散剤が、まったく架橋されず、架橋量の算出において主要な意味を持つものではないことはほとんど言うまでもない。
<架橋の度合い>
本発明者らは、架橋の度合いを非常に低いレベルに制御することによって、得られる分散体が、バランスの取れた良好なコロイド安定性(特に、より多い量の水混和性有機液体の存在下で)とサーマルインクジェットプリンターにおける良好な操作性とを示すことを見出した。
分散剤1gあたり0.01から0.5ミリモルの架橋性基という必要とされる低いレベルの架橋を達成するための1つの好ましい方法は、架橋反応で必要とされる厳密に正確なモル化学量論で架橋剤を添加することである。例として、0.25ミリモル/gで架橋されるべき分散剤を4g含有する段階i)における分散体は、1ミリモルの架橋性基を反応させることに相当する。架橋剤が二官能である場合、分散剤を所望される度合いまで架橋するのに必要とされる架橋剤は、0.5ミリモルだけということになる。従って、一般則として、添加される架橋剤のモル量(分散剤のミリモル/gにおける)は、式(1)で与えられ:
M/F −(1)
式中:
Mは、1gあたりの分散剤における架橋性基の目的とする架橋モル量(0.01から0.5ミリモル/g)であり;
Fは、架橋剤の平均官能数(すなわち、架橋剤1分子あたりの架橋基の平均数)である。従って、例えば、ジエポキシドは、平均官能数2を有し、一方トリエポキシドは、平均官能数3を有する。
別の好ましい方法は、分散剤が、自己架橋性であり、架橋がすべて完了した際に、必要とされるレベルに対応する架橋性基の全量が組み入れられるように分散剤を作製することである。従って、例えば、0.1ミリモル/gのエポキシ基および0.1ミリモル/gのカルボン酸基を含む自己架橋性分散剤は、分散剤1gあたり0.2ミリモルの架橋性基が架橋されるように架橋する。0.1ミリモル/gのエポキシ基および2ミリモル/gのカルボン酸基を含有する分散剤であっても、得られる架橋は0.2ミリモル/gだけであり、それは、この場合、エポキシ基の量が制限されていることによって、架橋の度合いが化学量論的に制限されるからである。
架橋の度合いは、実験によって特定されてよく(従って、実際の値であってよく)、またはより好ましくは、架橋の度合いは、架橋前に存在する架橋性基のモル量に基づく理論値であってもよい。
架橋の度合いを特定するための理論的手法においては、架橋反応の効率を100%と仮定して算出することが好ましい。
好ましさの増加する順序で、分散剤1gあたり、分散剤中の架橋性基の0.45、0.4、0.35、0.30、0.27、0.25、0.20、0.17、および0.15ミリモル以下が架橋されることが好ましい。
好ましさの増加する順序で、分散剤1gあたり、分散剤中の架橋性基の0.02、0.03、0.05ミリモル以上が架橋されることが好ましい。
架橋は、好ましくは、分散剤1gあたり、分散剤中の架橋性基の0.01から0.4、より好ましくは、0.02から0.3、特には、0.05から0.3、より特には、0.05から0.25、さらにより特には、0.05から0.20、最も特には、0.05から0.15ミリモルが架橋されるように行われる。
好ましくは、架橋の方法は、上記で指定した量をF(上述のように、架橋剤の平均官能数)で除したものに等しいモル量で存在する架橋剤を添加することによって行われる。従って、ジエポキシドを用いて0.01から0.5ミリモル/gの架橋を達成するためには、分散剤1gあたり僅かに0.005から0.25ミリモルのジエポキシドを必要とするだけである。
好ましくは、架橋は、分散剤1gあたり0.01/Fから0.5/F、より好ましくは、0.02/Fから0.3/F、特には、0.05/Fから0.3/F、より特には、0.05/Fから0.25/F、さらにより特には、0.05/Fから0.20/F、最も特には、0.05/Fから0.15/Fミリモルの架橋剤のモル量で架橋剤を添加することによって行われ、ここで、Fは、架橋剤1分子あたりの架橋基の平均数である。
例えば、架橋剤の構造が明確に規定されない場合(例:ポリマー性架橋剤)、またはそれが知的所有権下にある場合では、架橋剤の平均官能数が販売業者から提供されない場合がある。
有難いことに、架橋基のモル質量(WPC)は、一般的に、架橋剤の供給業者によって提供される。従って、例えば、エポキシ官能性架橋剤の場合、エポキシ基のモル質量(WPE)は、供給業者から容易に入手可能である。従って、分散剤の2gに対して目的とする0.01から0.5ミリモル/gの架橋を行う場合、WPE値が140であるエポキシド架橋剤を用いると、140×2×0.01×10−3gから140×2×0.5×10−3gの架橋剤が必要となる。従って、一般的に述べると、架橋剤の量は、M(上記で定める通り)×WPCで与えられ、これは、分散剤1gあたりの架橋剤のg数である。
好ましくは、架橋反応は、分散体を加熱することによって行われる。加熱段階における好ましい温度は、30から150℃、より好ましくは、35から120℃、特には、40から100℃、より特には、45から90℃である。架橋反応の時間は、好ましくは、15分間から24時間、より好ましくは、30分間から16時間、特には、1から10時間である。
架橋反応は、触媒によって促進されてよい。
<金属キレート化剤の添加>
段階iii)において、金属キレート化剤が分散体に添加される。適切な金属キレート化剤の例としては、有機酸、特には(アミノカルボン酸およびアミノホスホン酸)、オキシム、およびチオカルバメートが挙げられる。
これらの中でも、アミノカルボン酸およびアミノホスホン酸が好ましい。
好ましい金属キレート化剤としては、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)、ニトリロ三酢酸(NTA)、ジエチレントリアミン五酢酸(DTPA)、エチレングリコール−ビス(2−アミノ−エチルエーテル)N,N,N’N’−四酢酸(EGTA)、ブチレンジアミン四酢酸、(1,2−シクロへキシレンジニトリロ−)四酢酸(CyDTA)、エチレンジアミンテトラプロピオン酸、(ヒドロキシエチル)エチレンジアミン三酢酸(HEDTA)、N,N,N’,N’−エチレンジアミンテトラ(メチレンホスホン酸)(EDTMP)、トリエチレンテトラミン六酢酸(TTHA)、1,3−ジアミノ−2−ヒドロキシプロパン−N,N,N’,N’−四酢酸(DHPTA)、メチルイミノ二酢酸、プロピレンジアミン四酢酸、エチレンジアミン−N,N’ビス(o−ヒドロキシフェニル)酢酸(EDDHA、好ましくは、o,o異性体)、エチレンジアミンジ(o−ヒドロキシ−p−メチルフェニル酢酸)(EDDHMA)、エチレンジアミンジ(5−カルボキシ−2−ヒドロキシフェニル酢酸)(EDDCHA)、エチレンジアミンジ(2−ヒドロキシ−5−スルホフェニル酢酸)(EDDHSA)、N,N−ビス(2−ヒドロキシベンジル)エチレンジアミン−N,N−二酢酸(HBED)、エチレンジアミン−N,N’−ビス−(2−ヒドロキシフェニルグリシン)(EHPG)、
1,5,9−トリアザシクロドデカン−N,N’,N’’−トリス(メチレンホスホン酸)(DOTRP)、1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン−N,N’,N’’,N’’’−テトラキス(メチレンホスホン酸)(DOTP)、ニトリロトリス(メチレン)トリホスホン酸、ジエチレントリアミンペンタ(メチレンホスホン酸)(DETAP)、アミノトリ(メチレンホスホン酸)、1−ヒドロキシエチレン−1,1−ジホスホン酸、ビス(ヘキサメチレン)トリアミンホスホン酸、1,4,7−トリアザシクロノナン−N,N’,N’’−トリス(メチレンホスホン酸)(NOTP)、N−(ホスホノメチル)イミノ二酢酸(PMIDA)、
2−ホスホノブタン−1,2,4−トリ−カルボン酸、クエン酸、酒石酸、グルコン酸、グルコヘプトネート、サッカリン酸、グリセリン酸、シュウ酸、フタル酸、マレイン酸、マンデル酸、マロン酸、乳酸、サリチル酸、5−スルホサリチル酸、カテコール、没食子酸、没食子酸プロピル、ピロガロール、8−ヒドロキシキノリン、システインなどが挙げられる。2つ以上の金属キレート化剤が用いられてもよい。
これらの中でも、その塩を含むグルコン酸、EDTA、PMIDA、NTA、DTPA、HEDTA、EDDHA、およびHBEDが好ましい。好ましくは、金属キレート化剤は、EDTAであるか、またはEDTAを含む。
金属キレート化剤は、遊離酸(プロトン化された)、塩、またはこれらの混合物の形態であってよい。
好ましくは、金属キレート化剤は、塩の形態で存在する。好ましい塩としては、アンモニア、より特には、第I族アルカリ金属(特に、ナトリウムおよびカリウム)の塩が挙げられる。
<金属キレート化剤の添加>
段階iii)およびiv)は、段階的に行われてよく[例:段階iii)に続いて段階iv)]、または段階iii)およびiv)は、部分的もしくは完全に同時に行われてもよい。
段階的添加およびその次の同時添加の両方を行うことも可能である(例:膜洗浄)。
段階的添加の場合、金属キレート化剤が分散体に添加され、金属キレート化剤および分散体が混合され、金属キレート化剤が存在する金属不純物にキレートするための時間が取られ、次に、金属キレート化剤の少なくとも一部が段階iv)で除去される。
段階的添加の場合、金属キレート化剤および分散体は、少なくとも1分間、より好ましくは、少なくとも15分間、特には、少なくとも30分間にわたって互いに接触されることが好ましい。好ましくは、接触時間は、1週間以下、より好ましくは、48時間以下、さらにより好ましくは、10時間以下、特には、6時間以下、より特には、4時間以下である。接触時間は、段階iv)の開始時に終了すると見なされる。
同時添加の場合、金属キレート化剤が分散体に添加され、同時に、金属キレート化剤が分散体から除去される。これを行う1つの方法は、金属キレート化剤を含有する洗浄液を用いた分散体のクロスフロー膜ろ過によるものである。この手法では、金属キレート化剤を含まない第二の洗浄液を続いて用いることが好ましい。
好ましくは、金属キレート化剤は、水性液体中(特に水中)の溶液として添加される。
好ましくは、金属キレート化剤は、分散体のpHが7から13、より好ましくは、7.5から12、特には、8から11の状態で、分散体に添加される。これは、多くの金属に対して、およびカルボン酸基で安定化される分散剤に対して、良好に作用する傾向にある。
場合によっては、金属キレート化剤が、1から7、より好ましくは、2から7、特には、2から5のpHで添加されることが望ましい場合がある。そのような場合の例は、分散体が高レベルの鉄イオンを有する場合、または分散剤が、陽イオンの電荷を有するか、またはスルホもしくはホスホイオン性基を有する場合であり得る。
好ましくは、金属キレート化剤は、30から100℃、より好ましくは、40から90℃、特には、45から80℃の温度で分散体に添加される。本発明者らは、これらの温度が、速度および容易さを望ましく改善し、それにより金属不純物が除去され得ることを見出した。
場合によっては、金属キレート化剤が、0から50℃、より好ましくは、0から35℃、特には、5から30℃の温度で分散体に添加されることが望ましい場合がある。そのような場合は、良好な金属イオンの除去を維持しながら、よりエネルギー効率が高いという利点を有する。
好ましくは、分散体に添加される金属キレート化剤の総量は、粒子状固体の重量に対して、0.01から15重量%、より好ましくは、0.01から10重量%、特には、0.5から8重量%、最も特には、1から6重量%である。
好ましくは、分散体に添加される金属キレート化剤の総モル量は、粒子状固体1gあたり、2.0マイクロモルから0.3ミリモル、より好ましくは、0.02ミリモルから0.15ミリモルの金属キレート化剤である。
本発明者らは、これらの量が、金属不純物の良好な除去を提供することを見出した。
金属キレート化剤が除去する好ましい金属としては、カルシウム、マグネシウム、亜鉛、銅、コバルト、アルミニウム、スズ、およびマンガンが挙げられる。有効に除去可能であるその他の金属としては、鉄およびチタンが挙げられる。
<金属キレート化剤の少なくとも一部の除去>
金属キレート化剤の少なくとも一部の除去は、多数の方法によって行われてよい。ある場合では、粒子状固体がろ取されて、金属キレート化剤を含まない液体媒体が添加されてよい。
好ましい場合では、金属キレート化剤は、膜ろ過、特には、クロスフローモードでの膜ろ過によって除去される。好ましくは、分散体は、金属キレート化剤を含まない洗浄液で洗浄される。洗浄が、金属キレート化剤を含有する洗浄液で既に行われていた場合、続いて金属キレート化剤を含有しない洗浄液で洗浄されることが好ましい。
洗浄液は、好ましくは、水性であり、より好ましくは、洗浄液は水である。水は、逆浸透、蒸留、および/または脱イオン樹脂によって精製されたものであることが好ましい。好ましくは、洗浄液は、5から8のpHを有する。
場合によっては、水および塩基を含有する洗浄液でまず洗浄し、次に水単独で洗浄することが好ましい。好ましい塩基は、アルカリ金属水酸化物、特には、KOHおよびNaOHである。
用いられる洗浄液の体積は、好ましくは、分散体の体積の1から1000倍、より好ましくは、2から100倍、特には、5から50倍である。
膜ろ過のための好ましい膜は、0.01から0.3ミクロン、より好ましくは、0.05から0.3ミクロン、特には、0.05から0.2ミクロンの平均ポアサイズを有する。最も好ましい膜は、約0.1から0.2ミクロンの平均ポアサイズを有する。
好ましい膜はまた、そのカットオフ分子量(MWC)によって選択されてもよい。好ましい膜は、5000から200000、より好ましくは、10000から100000、特には、20000から70000ダルトン(g/モル)のMWCを有する。
本発明者らの研究では、膜ろ過の段階は、分散体が約1から25重量%、より好ましくは、2から20重量%、特には、5から15重量%の粒子状固体を含有する場合に最も良好に作用する傾向にある。
除去段階iv)の後、膜フィルターを用いることで、分散体が濃縮されてよい。好ましくは、最終分散体は、分散体に対して5から25重量%、特には、7から20重量%、より特には、10から18重量%の粒子状固体を含有する。
好ましくは、段階iii)およびiv)は、最終分散体が、カルシウム、マグネシウム、亜鉛、銅、コバルト、アルミニウム、スズ、マンガン、チタン、および鉄から選択される遊離金属を合計で、重量基準で500ppm未満、より好ましくは、250ppm未満、さらにより好ましくは、100ppm未満、特には、50ppm未満含有するようになされる。1ppmとは、1000000重量部の分散体あたり1重量部の金属を意味する。
<段階の順序>
段階i)からiv)は、多くの異なる順序で行われてよい。段階の好ましい順序は、i)、iii)、iv)、ii)であり、より好ましくは、i)、ii)、iii)、およびiv)である。プロセスを、段階i)、iii)、iv)、ii)、iii)、iv)で行うことも可能であり、ここでは、添加および除去の段階が、段階i)の後に、そして再度、段階ii)の後に行われる。上述のように、段階iii)およびiv)は、別々に、部分的に同時に、および同時に行われてよい。
好ましいプロセスでは、段階は、i)、ii)、iii)、iv)の順序で行われ、段階iii)およびiv)は、別々に行われる。
上述のように、段階i)における分散体は、2つの段階ia)およびib)で提供されてよい。この2段階での分散体の提供においても、段階iii)が任意の段階で行われることが可能である。従って、段階iii)は、例えば、段階ia)の後、段階ib)の後、または段階ii)の後に行われてよい。従って、このスキームにおいて、段階の好ましい順序としては:
ia)、iii)、iv)、ib)、ii);
ia)、ib)、iii)、iv)、ii);
ia)、ib)、ii)、iii)、iv);
ia)、iii)、iv)、ib)、ii)、iii)、iv)、
が挙げられる。
<インク>
本発明の第一の態様に従うプロセスで作製された分散体は、インク、特には、インクジェット印刷用インク、最も好ましくは、サーマルインクジェット印刷用インクの作製に特に有用である。
好ましくは、インクは、25℃の温度で測定された場合に、50mPa・s未満、より好ましくは、30mPa・s未満、特には、15mPa・s未満の粘度を有する。好ましくは、粘度は、ニュートン粘度である。粘度測定のための好ましい装置は、Brookfield DV II粘度計であり、好ましくは、0または18のスピンドル番号が用いられる。好ましくは、粘度は、100Hzのせん断速度で測定される。
好ましくは、インクは、25℃の温度で測定された場合に、20から65ダイン/cm、より好ましくは、30から60ダイン/cmの表面張力を有する。好ましくは、表面張力は、Kibron Aquapi張力計の装置によって測定される。これは、好ましくは、静的または平衡表面張力である。
インクのpHは、好ましくは、4から11、より好ましくは、7から10である。
好ましくは、インクを作製するためのプロセスは、例えばろ過または遠心分離によって直径1ミクロンを超える粒子サイズを有する粒子を除去する段階を含む。好ましくは、インクにおける直径1ミクロンよりも大きいサイズを有する粒子は、10重量%未満、より好ましくは、2重量%未満、特には、1重量%未満である。
好ましくは、インク中の粒子状固体の量は、0.1から15重量%、より好ましくは、1から10重量%、特には、1から7重量%である。
好ましくは、インクの場合、粒子状固体は顔料である。
好ましくは、インクは、水および有機液体を、99:1から1:99、より好ましくは、99:1から50:50、特には、95:5から70:30の重量比で含有する。
好ましい有機液体は、水混和性有機液体、およびそのような液体の混合物である。好ましい水混和性有機液体は、上記で述べた通りである。
好ましくは、インクは、水、および2つ以上の、特には、2から8つの水混和性有機液体を含む。
インク用に特に好ましい水混和性有機液体は、環状アミド、特には、2−ピロリドン、N−メチル−ピロリドン、およびN−エチル−ピロリドン;ジオール、特には、1,5−ペンタンジオール、エチレングリコール、チオジグリコール、ジエチレングリコール、およびトリエチレングリコール;ならびに、ジオールのモノ−C1−4−アルキルおよびジ−C1−4−アルキルエーテル、より好ましくは、2から12個の炭素原子を有するジオールのモノ−C1−4−アルキルエーテル、特には、2−メトキシ−2−エトキシ−2−エトキシエタノールである。
水と1つ以上の有機液体との混合物を含むさらなる適切なインク媒体の例は、米国特許第4,963,189号、米国特許第4,703,113号、米国特許第4,626,284号、および欧州特許第425150A号に記載されている。
インクは、所望に応じて、1つ以上のインク添加剤を含有していてよい。好ましくは、インクは、粘度調整剤、pH緩衝剤、バインダー、金属キレート化剤、界面活性剤、腐食防止剤、殺生物剤、染料、および/またはコゲーション低減添加剤(kogation reducing additives)から選択される1つ以上の添加剤をさらに含む。好ましくは、本発明の第一の態様に従うプロセスは、これらの添加剤の1つ以上を添加することをさらに含む。
好ましくは、インクジェット印刷用インク(特に、サーマルインクジェット印刷用インク)は、本発明の第一の態様に従うプロセスを含むプロセスによって作製される。
<プロセスによる生成物>
本発明の第二の態様によると、本発明の第一の態様に従うプロセスによって得られる、または得られ得る分散体が提供される。
好ましくは、本発明の第二の態様に従う分散体は、カルシウム、マグネシウム、亜鉛、銅、コバルト、アルミニウム、スズ、マンガン、チタン、および鉄から選択される遊離金属を合計で、重量基準で、500ppm未満、より好ましくは、250ppm未満、さらにより好ましくは、100ppm未満、特には、50ppm未満含有する。1ppmとは、1000000重量部の分散体あたり1重量部の金属を意味する。本発明者らは、遊離の語では、粒子状固体自体の一部であるいずれの金属も含まれないことを意図している。従って、例えば、銅フタロシアニン自体の中の銅は、遊離金属としてカウントされない。従って、遊離金属は、粒子状固体自体からは分離されているものである。
遊離金属は、単純な塩、複合体の形態、または金属酸化物などの微細に分散された粒子の形態であってよい。
遊離金属の量の測定のためには、被包された粒子状固体を分散体から分離することが好ましい。これは、限外ろ過、凝集、または特には、遠心分離によって行われてよい。そして、上清の金属含有量が、元素分析などの方法によって確認されてよい。元素分析の好ましい形態は、誘導結合プラズマ−発光分析器(ICP−OES)である。遊離金属イオン特定のための好ましいICP−OES装置は、Perkin Elmer 3300DVである。
<使用>
本発明の第二の態様に従う分散体は、特に、サーマルインクジェットプリンターから基体上へ印刷するのに有用である。
<方法>
本発明の第二の態様に従う分散体は、特に、基体上へのサーマルインクジェット印刷の方法に適している。
本発明を、以下の実施例によってさらに説明するが、ここで、特に断りのない限り、部およびパーセントはすべて重量基準である。
以下に記載する実施例を必要に応じてスケール変更できるように、量は部の単位で表した。実際に行った実験では、部はすべてグラムであった。
<1.1 分散剤溶液(1)の作製>
モノマー供給組成物は、ベンジルメタクリレート(785部)、メタクリル酸(215部)、ブチル3−メルカプトプロピオネート(75部)、およびジプロピレングリコール(385部)を混合することで作製した。
開始剤供給組成物は、tert−ブチルペルオキシ−2−エチルヘキサノエート(17.72部)およびジプロピレングリコール(510部)を混合することで作製した。
ジプロピレングリコール(635部)を、反応容器内で85℃に加熱し、連続的に攪拌し、窒素ガス雰囲気でパージした。モノマー供給組成物および開始剤供給組成物を、内容物を攪拌し、温度を85℃に維持し、窒素雰囲気を維持しながら、反応容器中へゆっくり供給した。モノマー供給物は、4時間かけて反応器へ供給し、一方開始剤供給物は、5時間かけて供給した。反応容器の内容物をさらに2時間、85℃に維持し、その後25℃に冷却した。最終固形分は40%であった。これを分散剤溶液(1)と称した。
分散剤(1)は、好ましい方法を用いてGPCによって測定された12,500の数平均分子量、16,500の重量平均分子量、および1.32の多分散度を有するアクリルコポリマーであった。分散剤(1)は、分散剤1gあたり2.5ミリモルの酸基に相当する酸価を有していた。分散剤(1)は、ベンジルメタクリレートおよびメタクリル酸由来の繰り返し単位を、それぞれ重量基準で78.5:21.5の比率で含有していた。
<1.2 比較分散剤溶液(1)の作製>
モノマー供給組成物は、ベンジルメタクリレート(785部)、メタクリル酸(215部)、ブチル3−メルカプトプロピオネート(5.97部)、およびジプロピレングリコール(770部)を混合することで作製した。
開始剤供給組成物は、tert−ブチルペルオキシ−2−エチルヘキサノエート(17.60部)およびジプロピレングリコール(380部)を混合することで作製した。
ジプロピレングリコール(380部)を、反応容器内で80℃に加熱し、連続的に攪拌し、窒素ガス雰囲気でパージした。モノマー供給組成物および開始剤供給組成物を、内容物を攪拌し、温度を80℃に維持し、窒素雰囲気を維持しながら、反応容器中へゆっくり供給した。モノマー供給物、および開始剤供給物は、いずれも4時間かけて反応器へ供給した。反応容器の内容物をさらに6時間、80℃に維持し、その後25℃に冷却した。最終固形分は40%であった。これを比較分散剤溶液(1)と称した。
比較分散剤(1)は、GPCによって測定された51,154の数平均分子量、86,797の重量平均分子量、および1.7の多分散度を有するアクリルコポリマーであった。比較分散剤(1)は、分散剤1gあたり2.5ミリモルの酸基に相当する酸価を有していた。比較分散剤(1)は、ベンジルメタクリレートおよびメタクリル酸由来の繰り返し単位を、それぞれ重量基準で78.5:21.5の比率で含有していた。比較分散剤(1)は、本発明の要件に対して重量平均分子量が高すぎるという点で異なっている。
<2.1 分散剤水溶液(1)>
1.1で作製した分散剤溶液(1)(100部)を、水酸化カリウム水溶液で中和して、pHが約9である水溶液を得た。これにより、約20重量%の分散剤(1)を含有する分散剤水溶液(1)を得た。
<2.2 比較分散剤水溶液(1)>
1.2で作製した比較分散剤溶液(1)(100部)を、水酸化カリウム水溶液で中和して、pHが約9である水溶液を得た。これにより、約31.1重量%の比較分散剤(1)を含有する比較分散剤水溶液(1)を得た。
<3. 粉砕によるミルベースの作製>
<3.1 シアンミルベース(1)>
顔料粉末(大日精化製TRB−2、C.I.ピグメントブルー15:3の200部)、2.1で作製した分散剤水溶液(1)(300部)、および水(500部)を一緒に混合して、プレ混合物を形成した。
このプレ混合物を、プラネタリーミキサーを用いて1時間、続いてSilverson(商標)ミキサーによりさらに2時間充分に混合した。混合後、この混合物を、0.8mmのビーズを入れた横型ビーズミルへ移した。次に、混合物を8時間粉砕(ミリング)した。
次に、ミリングビーズを、ミリングした混合物から分離した。これにより、シアンミルベース(1)を得た。
得られたミルベース中の顔料粒子は、107nmのZ平均粒子サイズを有していた。Z平均粒子サイズは、マルバーン(Malvern)製のZetasizer(商標)3000を用い、すべての分散体について確認した。
<3.2 比較シアンミルベース(1)>
顔料粉末(大日精化製TRB−2の213部)、2.2で作製した比較分散剤水溶液(1)(205部)、および水(582部)を一緒に混合して、プレ混合物を形成した。
このプレ混合物を、トリプルシャフトミキサーを用いて7時間充分に混合した。混合後、この混合物を、0.8mmのビーズを入れた横型ビーズミルへ移した。次に、混合物を22時間粉砕(ミリング)した。
次に、ミリングビーズを、ミリングした混合物から分離した。これにより、比較シアンミルベース(1)を得た。得られたミルベース中の顔料粒子は、124nmのZ平均粒子サイズを有していた。
<4. 分散剤の架橋による被包粒子状固体の作製>
<4.1 分散剤の架橋>
項目3.1から3.2において上記で作製したミルベースすべてについて、水を添加することにより、分散体に対して5重量%から15重量%の顔料含有量に調節した。
次に、各ミルベース中の分散剤を、架橋剤としてトリメチロールプロパンポリグリシジルエーテル(ナガセケムテックス(Nagase ChemteX)より入手したDenacol EX−321(商標)、エポキシあたりの質量=140、以降EX−321と略す)を用いて架橋した。これにより、分散剤中のカルボン酸基の一部が架橋され、それによって顔料粒子が被包された。架橋反応は、ホウ酸(アルドリッチより入手)の存在下で行った。各場合において、表1に示した成分の量を含有する混合物を作製した。架橋反応は、上述の混合物を、約65℃の温度に5時間加熱することによって行った。これにより、表1のカラム1に示す名称の様々な被包顔料分散体が作製された。架橋の度合いは、特定量のエポキシ架橋剤を用いることによって制御した。
<5. 金属キレート化剤の分散体への添加>
上記4.1で作製した被包顔料分散体を、いくつかの場合では、金属キレート化剤としてのEDTA四ナトリウムまたはN−(ホスホノメチル)イミノ二酢酸(PMIDA)四ナトリウムのいずれかで処理した。架橋段階の完了後、キレート化剤の10重量%水溶液を、被包顔料分散体および比較被包顔料分散体に、約65℃の温度で添加し、1時間静置し、その後25℃まで冷却した。添加したキレート化剤の量は、分散体における顔料含有量に対して4重量%であった。
<6. 金属キレート化剤の少なくとも一部の除去>
上記5で作製した被包顔料分散体は、多くの場合では、カットオフ分子量50kDまたは平均ポアサイズ0.1ミクロンを有する膜を用いて精製した。膜精製は、クロスフローモードで行った。被包顔料分散体を、被包顔料分散体の体積1に対して約10洗浄体積の純粋脱イオン水によるダイアフィルトレーションに掛けた。次に、膜を用いて被包分散体を濃縮し、約10から15重量%の固形分に戻した。
これにより、表2に示すように、架橋のレベルが様々であり、様々な度合いの精製が施された種々の異なる最終被包顔料分散体が作製された。
<7. インクおよび比較インクの作製>
上記の各最終被包顔料分散体を用いて、以下の組成を有するインクまたは比較インクを作製した。
<インクビヒクル>
被包顔料 2.5部
2−ピロリドン 2.83部
グリセロール 9.44部
1,2ヘキサンジオール 3.78部
Surfynol(商標)465 0.95部
純水 100部とするのに充分な量
Surfynol(登録商標)465は、エアプロダクツ(Air Products)から入手可能である界面活性剤である。
−2.5部の被包顔料>
2.5重量部の顔料を用いてインクを作製した。従って、最終被包顔料分散体が、全分散体に対して10重量%の顔料を含有する場合、インクの配合には、25重量部が用いられることになる。
このインク配合物を用いて、以下のインクを作製した:
<8. サーマルインクジェットプリントヘッド操作性の評価>
項目7で作製したインクを、Canon MX7600サーマルインクジェットプリンターの空カートリッジに充填した。標準テストパターンを用いて、各インクにより最大100ページを普通紙上に印刷し、印刷画質を以下のスケールに従って目視で評価した:
A:印刷画質の劣化がまったくなく、100ページを印刷することができた。
B:100ページを印刷することができたが、試験の過程で印刷画質が劣化した。
C:このインクで印刷することができたのは100ページ未満だった。
試験の結果を表4に示した。
表4から、本発明に従うプロセスによって作製した分散体を、サーマルインクジェットプリンターにおける操作性が改善されるインクジェット印刷用インクの作製に用いることができることは容易に分かる。また、本発明の要件のいずれかが満たされない場合、それは、サーマルインクジェット印刷性能の著しい劣化をもたらすことも分かる。
本発明者らは、本発明の範囲内の多くの異なる変更を伴う場合に、同様に有利な結果を得た。
例えば:
i) C.I.ピグメントレッド122、C.I.ピグメントイエロー74、およびカーボンブラックなどの別の選択肢としての粒子状固体;
ii) 32000および39000などの別の選択肢としての重量平均分子量を有する分散剤;
iii) 1.5ミリモル/gの酸基などの別の選択肢としての酸価を有する分散剤;
iv) 粒子状固体に対して異なる重量比率で用いられた分散剤(例:粒子状固体の重量に対して40および50%の分散剤);
v) ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテル、およびポリグリセロールポリグリシジルエーテルを含む異なる架橋剤;
vi)分散剤中の架橋性基の0.5ミリモル/gを架橋するのに充分な量の架橋剤を含む、異なる量の架橋;
vii) 粒子状固体の重量に対して1重量%を含む、異なる量の金属キレート化剤;
viii)分散体の体積の3×および6×を含む、精製段階で用いられる異なる洗浄体積;
を用いても、良好な結果を得た。
全体として、これらの変更のすべてにおいても、やはり、上記セクション8において「A」または「B」のスコアでランク付けされるようなサーマルインクジェット操作性を提供するインクへ配合することができる分散体が得られる。従って、本発明は、非常に多用途であり、広く応用可能である。
<9. さらなるインク>
表IおよびIIに記載のさらなるインクを作製することができ、ここで、FECD1は、最終被包シアン分散体(1)であり、FECD2は、最終被包シアン分散体(2)であり、上記段階6で作製したものである。インク添加剤の名称は以下で定める通りである。第二カラム以降で示される数値は、該当する成分の部の数値を意味し、部はすべて重量基準である。これらのインクは、圧電、メムジェット(Memjet)、および特にはサーマルインクジェット印刷によって紙に適用することができる。
以下の略語を、表IおよびIIで用いる:
PG=プロピレングリコール
DEG=ジエチレングリコール
NMP=N−メチルピロリドン
DMK=ジメチルケトン
IPA=イソプロパノール
MEOH=メタノール
2P=2−ピロリドン
MIBK=メチルイソブチルケトン
P12=プロパン−1,2−ジオール
BDL=ブタン−2,3−ジオール
Surf=エアプロダクツ製Surfynol(商標)465
PHO=NaHPO および
TBT=ターシャリーブタノール
TDG=チオジグリコール
GLY=グリセロール
nBDPG=ジプロピレングリコールのモノ−n−ブチルエーテル
nBDEG=ジエチレングリコールのモノ−n−ブチルエーテル
nBTEG =トリエチレングリコールのモノ−n−ブチルエーテル

Claims (9)

  1. i)粒子状固体と、液体媒体と、架橋性基および1000から70000の重量平均分子量を有する分散剤と、を含む分散体を提供する段階と、
    ii)前記粒子状固体および前記液体媒体の存在下で前記分散剤を架橋し、それによって、被包された粒子状固体の分散体を作製する段階であって、前記架橋は、分散剤1gあたり、前記分散剤中の架橋性基の0.01から0.5ミリモルが架橋されるように行われる段階と、
    を含む、分散体を作製するためのプロセスであって、前記プロセスはさらに、
    iii)金属キレート化剤を前記分散体に添加することと、
    段階iii)の後に、
    iv)前記金属キレート化剤の少なくとも一部を前記分散体から除去する段階と、
    を任意の段階で含む、プロセス。
  2. 前記段階が、i)、iii)、iv)、ii)またはi)、ii)、iii)、iv)の順序で行われる、請求項1に記載のプロセス。
  3. 段階i)が、
    ia)粒子状固体および液体媒体を含む分散体を提供する段階と、
    ib)段階ia)における前記分散体に、架橋性基および1000から70000の重量平均分子量を有する分散剤を添加する段階と、
    を含む、請求項1に記載のプロセス。
  4. 前記段階が、
    ia)、iii)、iv)、ib)、ii)、または
    ia)、ib)、iii)、iv)、ii)、または
    ia)、ib)、ii)、iii)、iv)、または
    ia)、iii)、iv)、ib)、ii)、iii)、iv)
    の順序で行われる、請求項3に記載のプロセス。
  5. 前記架橋が、分散剤1gあたり0.01/Fから0.5/Fミリモルの架橋剤のモル量で架橋剤を添加することによって行われ、Fは、架橋剤1分子あたりの架橋基の平均数である、請求項1から4のいずれか一項に記載のプロセス。
  6. 前記分散剤中の前記架橋性基が、その塩を含むカルボン酸基およびホスホン酸基から選択され、
    架橋前の前記分散剤が、分散剤1gあたり0.5から4ミリモルの酸価を有し、
    前記分散剤が、前記粒子状固体の100重量部あたり15から60重量部で存在する、
    請求項1から5のいずれか一項に記載のプロセス。
  7. 前記分散剤が、少なくとも50重量%のベンジル(メタ)アクリレートを含むエチレン性不飽和モノマーを重合することによって作製される、請求項1から6のいずれか一項に記載のプロセス。
  8. 前記粒子状固体が、顔料である、請求項1から7のいずれか一項に記載のプロセス。
  9. 請求項1から8のいずれか一項に記載のプロセスを含む、インクジェット印刷用インクを作製するためのプロセス。
JP2014533978A 2011-10-06 2012-09-26 分散体を作製するためのプロセス、分散体、使用、および方法 Active JP6091509B2 (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
GBGB1117187.3A GB201117187D0 (en) 2011-10-06 2011-10-06 A process for preparing a dispersion, dispersion, use and method
GB1117187.3 2011-10-06
PCT/GB2012/052374 WO2013050740A1 (en) 2011-10-06 2012-09-26 A process for preparing a dispersion, dispersion, use and method

Publications (3)

Publication Number Publication Date
JP2014530920A JP2014530920A (ja) 2014-11-20
JP2014530920A5 JP2014530920A5 (ja) 2015-11-12
JP6091509B2 true JP6091509B2 (ja) 2017-03-08

Family

ID=45035195

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2014533978A Active JP6091509B2 (ja) 2011-10-06 2012-09-26 分散体を作製するためのプロセス、分散体、使用、および方法

Country Status (5)

Country Link
US (1) US9777174B2 (ja)
EP (1) EP2764064B1 (ja)
JP (1) JP6091509B2 (ja)
GB (1) GB201117187D0 (ja)
WO (1) WO2013050740A1 (ja)

Families Citing this family (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN107709287B (zh) 2015-06-25 2020-07-17 阿克苏诺贝尔化学品国际有限公司 制备酚乙二胺二乙酸化合物的方法
CN107743480B (zh) 2015-06-25 2020-07-17 阿克苏诺贝尔化学品国际有限公司 制备酚乙二胺二乙酸化合物的方法
GB201513018D0 (en) * 2015-07-23 2015-09-09 Fujifilm Imaging Colorants Ltd Process, dispersions and use
EP3352975B1 (en) * 2016-02-25 2020-07-01 Hewlett-Packard Development Company, L.P. Three-dimensional (3d) printing with a sintering aid/fixer fluid and a liquid functional material
DE112017005486T5 (de) * 2016-10-31 2019-07-18 Cabot Corporation Polymere für tintenstrahltintenzusammensetzungen
CN109776811B (zh) * 2017-11-15 2021-07-06 浙江工商大学 一种草甘膦分子印迹固相萃取小柱的制备和应用

Family Cites Families (25)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US4758415A (en) 1980-12-22 1988-07-19 Basf Corporation Process for removing soluble metal cations in iron oxide pigments
US4626284A (en) 1983-10-08 1986-12-02 Mitsubishi Chemical Industries Ltd. Recording liquid
GB8421551D0 (en) 1984-08-24 1984-09-26 Ici Plc Water-soluble dye
US4963189A (en) 1989-08-24 1990-10-16 Hewlett-Packard Company Waterfast ink formulations with a novel series of anionic dyes containing two or more carboxyl groups
US5062892A (en) 1989-10-27 1991-11-05 Hewlett-Packard Company Ink additives for improved ink-jet performance
JP3630089B2 (ja) 1999-09-29 2005-03-16 セイコーエプソン株式会社 インク組成物およびそれを用いたインクジェット記録方法
US6468340B1 (en) 2000-10-30 2002-10-22 Hewlett-Packard Company Laked dye solubilization with complexing agent
GB0427747D0 (en) 2004-12-18 2005-01-19 Avecia Ltd Process
WO2007126145A2 (en) 2006-04-28 2007-11-08 Kao Corporation Water-based inks for ink-jet printing
WO2008043984A1 (en) 2006-10-11 2008-04-17 Fujifilm Imaging Colorants Limited Process, composition and ink
JP5284581B2 (ja) 2006-12-19 2013-09-11 花王株式会社 インクジェット記録用水系インク
KR101462536B1 (ko) * 2007-12-17 2014-11-19 삼성디스플레이 주식회사 안료 분산계 및 안료의 캡슐화 방법
GB0805154D0 (en) 2008-03-20 2008-04-23 Fujifilm Imaging Colorants Ltd Ink,process and use
GB0813433D0 (en) * 2008-07-23 2008-08-27 Fujifilm Imaging Colorants Ltd Process
US20100038071A1 (en) 2008-08-13 2010-02-18 William Tass Scott Multi-Stage Spring For Use With Artificial Lift Plungers
GB0817998D0 (en) 2008-10-02 2008-11-05 Fujifilm Imaging Colorants Ltd Process,dispersions and use
GB0817996D0 (en) * 2008-10-02 2008-11-05 Fujifilm Imaging Colorants Ltd Process, dispersions and use
JP5364357B2 (ja) 2008-12-11 2013-12-11 花王株式会社 サーマルインクジェット記録用水分散体の製造方法
GB0913925D0 (en) 2009-08-11 2009-09-16 Fujifilm Imaging Colorants Ltd Monomers,polymers,dispersions and inks
WO2011063188A1 (en) 2009-11-23 2011-05-26 E. I. Du Pont De Nemours And Company Method of preparing cross-linked colorant dispersions
GB0921009D0 (en) * 2009-12-01 2010-01-13 Fujifilm Imaging Colorants Ltd Process for preparing a dispersion of a particulate solid
JP5875992B2 (ja) 2010-02-26 2016-03-02 フジフィルム・イメイジング・カラランツ・リミテッド 封入固体粒子の調製方法
GB201003259D0 (en) * 2010-02-26 2010-04-14 Fujifilm Imaging Colorants Ltd Process for preparing encapsulated pigment particles
US8927624B2 (en) 2010-05-14 2015-01-06 Fujifilm Imaging Colorants Limited Dispersion, process for preparing a dispersion and ink jet printing ink
CN103354828B (zh) 2011-02-04 2015-04-01 富士胶片株式会社 水系颜料分散物及其制造方法以及喷墨记录用墨水

Also Published As

Publication number Publication date
US9777174B2 (en) 2017-10-03
US20140292940A1 (en) 2014-10-02
EP2764064B1 (en) 2015-08-26
WO2013050740A1 (en) 2013-04-11
EP2764064A1 (en) 2014-08-13
GB201117187D0 (en) 2011-11-16
JP2014530920A (ja) 2014-11-20

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6091509B2 (ja) 分散体を作製するためのプロセス、分散体、使用、および方法
JP5856861B2 (ja) 水系顔料分散物、その製造方法及びインクジェット記録用インク
WO2006043700A1 (ja) インクジェット記録用インク
JP2009084494A (ja) 水系着色剤分散物、水系着色剤分散物の製造方法、及びインクジェット記録用水系インク
JP2008230161A (ja) 画像形成方法及び記録物
US9371459B2 (en) Inkjet inks and ink sets
CN106009924B (zh) 颜料分散物及其制造方法
JP2011528981A (ja) 粒状個体の分散物の調製方法
JP5894948B2 (ja) 水系顔料分散物、その製造方法及びインクジェット記録用インク
JP6296265B1 (ja) 着色剤分散物、着色剤分散物の製造方法及びインクジェット記録用インク
US9441121B2 (en) Dispersions, process for preparing dispersions, inks and uses
JP2010209252A (ja) 水性顔料分散物の製造方法、及びインクジェット記録用水性顔料インク
WO2018124120A1 (ja) 水系インク用の洗浄液
US20140061544A1 (en) Aqueous pigment dispersions and inkjet inks
JP2008094938A (ja) 分散樹脂及びインクジェット用顔料インク
JP5894949B2 (ja) 水系顔料分散物、その製造方法及びインクジェット記録用インク
JP6954034B2 (ja) 水性着色剤分散体、水性着色剤分散体の製造方法及びインクジェット記録用インク
JP2009219968A (ja) カプセル化物及びその製造方法並びにインク組成物
JP2013133344A (ja) 水性インク組成物
JP6406089B2 (ja) インクジェットインク用水性顔料分散体
JP2014070119A (ja) 顔料分散剤
JP2024091507A (ja) 着色剤分散体、インキ、インキセット、および印刷物
WO2022065321A1 (ja) インクジェットプリンタ用洗浄液、インクジェットプリンタの洗浄方法及び保管方法、並びに液セット
JP2015183161A (ja) インクジェットインク用水性顔料分散体
JP2016216542A (ja) 洗浄液及び洗浄方法

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20150924

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20150924

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20160912

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20160920

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20161219

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20170110

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20170207

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6091509

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250