JP5894949B2 - 水系顔料分散物、その製造方法及びインクジェット記録用インク - Google Patents
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Description
しかし、上記水系顔料分散体の製造方法としては、水系分散体を製造した後、酸析、再分散という工程を通って製造されている。そのため、製造工程が通常の水系顔料分散体に比べ長く、必要以上にエネルギーや手間がかかるという問題点を生じている。
更に上記の改良方法として、まず、架橋性官能基と酸性基とを有する疎水性樹脂、又は、自己架橋性官能基と酸性基とを有する疎水性樹脂を、架橋前の段階では水性媒体中に溶解するが、架橋後には水性媒体中に析出する量の塩基で酸性基を中和して水溶性樹脂とし、この水溶性樹脂と顔料と、必要により架橋剤とを水性媒体中に溶解・分散させて、水溶性樹脂が溶解し、顔料が分散した水系分散体を得た後、顔料の分散を維持しつつ水溶性樹脂を架橋反応させて顔料の周囲に水溶性樹脂の架橋物を析出させることにより、酸析、再分散という工程がなくとも、顔料の表面に水溶性樹脂の架橋物が固着し、容易に水系顔料分散体が製造できる方法が、特許文献2に記載されている。
上記の方法では架橋剤を用いる際に特許文献1では比較的高温(95℃)で、また特許文献2ではオートクレーブを用い圧力をかけ、140℃で架橋しており、工程としても好ましくない。また、特許文献3ではイソシアネート/アミンを用いた架橋反応、特許文献4ではイソシアネート/ヒドロキシルを用いた架橋反応が100℃以下で行われる例が記載されている。
上記いずれの分散方法で製造された分散物もインクジェット記録用インクに用いた場合、分散物の安定性がまだ不十分でノズルを詰まらせる等の欠点があることが判明している。
また、国際公開第06/064193号パンフレット(特許文献5)には、上記特許文献1〜4より改良された分散方法が記載されている。しかしながら、同特許文献に記載の方法は、同特許文献に具体的に記載されたイエローの顔料、特に従来知られているイエローアゾ顔料(例えばC.I. Pigment Yellow 74、C.I. Pigment Yellow 128、C.I. Pigment Yellow 155、C.I. Pigment Yellow 150、C.I. Pigment Yellow 180、C.I. Pigment Yellow 213)に適用した場合には、良好な印画濃度が得られ、印画物の画質(特に光沢性)やインクの貯蔵安定性が得られるものの、さらなる改良が強く望まれていた。
また、特許文献7にはインクジェット記録用インク使用した際に、好適な印字濃度及び光沢性を有するイエローアゾ顔料の水系顔料分散物、分散方法が記載されている。
<1>
着色剤、分散剤、防腐剤、水を含む水系顔料分散物であって、
前記着色剤がCuKα特性X線回折におけるブラッグ角(2θ±0.2°)が7.2°、13.4°、15.0°及び25.9°に特徴的X線回折ピークを有する下記式(1)又はその互変異性体で表される分子の集合体であるアゾ顔料を含み、
多価金属イオンの含有量がそれぞれ10ppm以下であり、
前記多価金属イオンが、Fe 3+ 、Fe 2+ 、Mg 2+ 、Ca 2+ 、Sr 2+ 、Ba 2+ 、Cd 2+ 、Ni 2+ 、Zn 2+ 、Cu 2+ 、Co 2+ 、Pb 2+ 、Mn 2+ 、Al 3+ 、Cr 3+ 、Sn 4+ からなる群より選択される少なくとも1種であることを特徴とする水系顔料分散物。
<2>
前記多価金属イオンの含有量がそれぞれ0.001〜5ppmであることを特徴とする<1>に記載の水系顔料分散物。
<3>
前記多価金属イオンが、Fe 3+ 、Fe 2+ 、Mg 2+ 、Ca 2+ 、Ni 2+ 、Zn 2+ 、Al 3+ からなる群より選択される少なくとも1種であることを特徴とする<1>又は<2>に記載の水系顔料分散物。
<4>
前記分散剤が水溶性高分子分散剤であり、1分子中に少なくとも1つのカルボキシ基を有し、酸価が少なくとも50mgKOH/g以上であり、質量平均分子量が10000以上200000以下であることを特徴とする<1>〜<3>のいずれか1項に記載の水系顔料分散物。
<5>
前記水溶性高分子分散剤が、下記一般式(IA)で表される構造を有する化合物であることを特徴とする<4>に記載の水系顔料分散物。
一般式(IA)
(一般式(IA)中、R 1 、R 3 はそれぞれ独立に水素原子、又はメチル基を表し、R 2 は、アルキル基、アラルキル基、又はアリール基を表し、置換基を有していても有していなくても良い。n、mはそれぞれ独立に1〜100までの数字を表し、n+mは100以下である。)
<6>
前記水溶性高分子分散剤が、下記一般式(IIA)で表される構造を有する化合物であることを特徴とする<4>又は<5>に記載の水系顔料分散物。
一般式(IIA)
(一般式(IIA)中、Meはメチル基を表し、R 21 はベンジル基、メチル基、2−エチルヘキシル基、又はエチルオキシフェニル基を表す。n、mはそれぞれ独立に1〜100までの数字を表し、n+mは100以下である。)
<7>
前記防腐剤が、複素環化合物、フェノール誘導体、フェノキシエーテル誘導体、及びアルカンジオール類からなる群より選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする<1>〜<6>のいずれか1項に記載の水系顔料分散物。
<8>
前記防腐剤が複素環化合物であり、該複素環化合物がチアゾール系化合物又はベンゾトリアゾール系化合物である、<7>記載の水系顔料分散物。
<9>
前記水系顔料分散物が、架橋剤により架橋されていることを特徴とする<1>〜<8>のいずれか1項に記載の水系顔料分散物。
<10>
前記架橋剤が少なくとも2つのエポキシ基を含むことを特徴とする<9>に記載の水系顔料分散物。
<11>
以下の(a)〜(d)の成分を混合して、架橋反応を行い、架橋反応後に(e)を添加する工程、その後に膜精製を行い、さらに(f)を添加する工程
を含むことを特徴とする<1>〜<10>のいずれか1項に記載の水系顔料分散物の製造方法。
(a)30〜99.7部の水
(b)0.1〜50部の前記式(1)で表される分子の集合体であるアゾ顔料
(c)0.1〜40部のビニルポリマー
(d)0.00001〜10部の架橋剤
(e)(b)に対して0.01〜15質量%のキレート剤
(f)(b)に対して0.1〜10質量%の防腐剤
部は質量を表し、水系顔料分散物の総質量を100質量部とした際に(a)+(b)+(c)+(d)の和は100質量部以下である。
<12>
防腐剤を添加する前に、殺菌することを特徴とする<11>に記載の水系顔料分散物の製造方法。
<13>
架橋反応後に、顔料に対して0.01〜15質量%のキレート剤を添加し、その後に膜精製することを特徴とする<11>または<12>に記載の水系顔料分散物の製造方法。
<14>
防腐剤を添加した後にろ過することを特徴とする<11>〜<13>のいずれか一項に記載の水系顔料分散物の製造方法。
<15>
<1>〜<10>のいずれか1項に記載の水系顔料分散物を含有する着色組成物。
<16>
<1>〜<10>のいずれか1項に記載の水系顔料分散物、または<15>に記載の着色組成物を含有するインクジェット記録用インク。
本発明は、前記<1>〜<16>に係る発明であるが、以下、それ以外の事項についても参考のため記載している。
〔1〕
着色剤、分散剤、防腐剤、水を含む水系顔料分散物であって、
前記着色剤がCuKα特性X線回折におけるブラッグ角(2θ±0.2°)が7.2°、13.4°、15.0°及び25.9°に特徴的X線回折ピークを有する下記式(1)又はその互変異性体で表される分子の集合体であるアゾ顔料を含み、
多価金属イオンの含有量がそれぞれ10ppm以下であることを特徴とする水系顔料分散物。
式(1)
〔2〕
前記分散剤が水溶性高分子分散剤であり、1分子中に少なくとも1つのカルボキシ基を有し、酸価が少なくとも50mgKOH/g以上であり、質量平均分子量が10000以上200000以下であることを特徴とする〔1〕に記載の水系顔料分散物。
〔3〕
前記水溶性高分子分散剤が、下記一般式(IA)で表される構造を有する化合物であることを特徴とする〔2〕に記載の水系顔料分散物。
一般式(IA)
(一般式(IA)中、R1、R3はそれぞれ独立に水素原子、又はメチル基を表し、R2は、アルキル基、アラルキル基、又はアリール基を表し、置換基を有していても有していなくても良い。n、mはそれぞれ独立に1〜100までの数字を表し、n+mは100以下である。)
〔4〕
前記水溶性高分子分散剤が、下記一般式(IIA)で表される構造を有する化合物であることを特徴とする〔2〕又は〔3〕に記載の水系顔料分散物。
一般式(IIA)
(一般式(IIA)中、Meはメチル基を表し、R21はベンジル基、メチル基、2−エチルヘキシル基、又はエチルオキシフェニル基を表す。n、mはそれぞれ独立に1〜100までの数字を表し、n+mは100以下である。)
〔5〕
前記防腐剤が、複素環化合物、フェノール誘導体、フェノキシエーテル誘導体、及びアルカンジオール類からなる群より選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする〔1〕〜〔4〕のいずれかに記載の水系顔料分散物。
〔6〕
前記防腐剤が複素環化合物であり、該複素環化合物がチアゾール系化合物又はベンゾトリアゾール系化合物である、〔5〕記載の水系顔料分散物。
〔7〕
前記水系顔料分散物が、架橋剤により架橋されていることを特徴とする〔1〕〜〔6〕のいずれか1項に記載の水系顔料分散物。
〔8〕
前記架橋剤が少なくとも2つのエポキシ基を含むことを特徴とする〔7〕に記載の水系顔料分散物。
〔9〕
以下の(a)〜(d)の成分を混合して、架橋反応を行い、架橋反応後に(e)を添加する工程、その後に膜精製を行い、さらに(f)を添加する工程
を含むことを特徴とする〔1〕〜〔8〕のいずれか1項に記載の水系顔料分散物の製造方法。
(a)30〜99.7部の水
(b)0.1〜50部の前記式(1)で表される分子の集合体であるアゾ顔料
(c)0.1〜40部のビニルポリマー
(d)0.00001〜10部の架橋剤
(e)(b)に対して0.01〜15質量%のキレート剤
(f)(b)に対して0.1〜10質量%の防腐剤
部は質量を表し、水系顔料分散物の総質量を100質量部とした際に(a)+(b)+(c)+(d)の和は100質量部以下である。
〔10〕
防腐剤を添加する前に、殺菌することを特徴とする〔9〕に記載の水系顔料分散物の製造方法。
〔11〕
架橋反応後に、顔料に対して0.01〜15質量%のキレート剤を添加し、その後に膜精製することを特徴とする〔9〕または〔10〕に記載の水系顔料分散物の製造方法。
〔12〕
防腐剤を添加した後にろ過することを特徴とする〔9〕〜〔11〕のいずれか一項に記載の水系顔料分散物の製造方法。
〔13〕
〔1〕〜〔8〕のいずれか1項に記載の水系顔料分散物を含有する着色組成物。
〔14〕
〔1〕〜〔8〕のいずれか1項に記載の水系顔料分散物、または〔13〕に記載の着色組成物を含有するインクジェット記録用インク。
本発明は、着色剤、分散剤、防腐剤、水を含む顔料分散物であって、
前記着色剤がCuKα特性X線回折におけるブラッグ角(2θ±0.2°)が4.8°、7.2°及び9.7°に特徴的X線回折ピークを有する下記式(1)又はその互変異性体で表される分子の集合体であるアゾ顔料を含み、
多価金属イオンの含有量が10ppm以下であることを特徴とする水系顔料分散物である。
分散剤は顔料粒子に吸着しているので、分散剤が凝集すると、顔料粒子ごと凝集し、粗大粒子が増加してしまう。これら2点の複合的な作用により、長期保存後の連続吐出性を劇的に改善したと考えている。
本発明の水系顔料分散物の製造方法は、以下の(a)〜(d)の成分を混合して、架橋反応を行い、架橋反応後に(e)を添加する工程、その後に膜精製を行い、さらに(f)を添加する工程を含む。
(a)30〜99.7部の水
(b)0.1〜50部の前記式(1)で表される分子の集合体であるアゾ顔料
(c)0.1〜40部のビニルポリマー
(d)0.00001〜10部の架橋剤
(e)(b)に対して0.01〜15質量%のキレート剤
(f)(b)に対して0.1〜10質量%の防腐剤
部は質量を表し、水系顔料分散物の総重量を100質量部とした際に(a)+(b)+(c)+(d)の和は100質量部以下である。
以下、本発明における式(1)で表されるアゾ化合物及びアゾ顔料について詳細に説明する。なお当該アゾ顔料は、その塩、水和物又は溶媒和物であってもよい。
4.8°、7.2°及び9.7°に特徴的なX線回折ピークを有する結晶形態は、さらに、4.8°、7.2°、9.5°、9.7°、及び20.0°に特徴的なX線回折ピークを有する結晶形態がより好ましい。その中でも特に、4.8°、7.2°、9.5°、9.7°、20.0°、24.1°および26.8°に特徴的なX線回折ピークを有する結晶形態が最も好ましい。
本発明の着色剤としてδ型の結晶形態を有する式(1)のアゾ顔料は、着色剤の総重量を100とした場合にδ型の結晶形態の含有量としては、1以上100以下が好ましく、50以上100以下がさらに好ましく、80以上100以下がより好ましい。(1)−δ型の結晶形以外に存在しても良い結晶形としては、例えば(1)−α型、(1)−β型、(1)−γ型、(1)−ε型、(1)−ζ型、(1)−η型、非晶質が挙げられ、これらの結晶形を含んでいても含まなくても良い。また、2種類以上の結晶形が存在していても良い。
式(1)で表されるアゾ顔料の1次粒子を透過型顕微鏡で観察した際の長軸方向の長さが0.01μm未満である場合には、粒子の比表面積が大きくなるため、光やオゾンに対する堅牢性が著しく低下する場合や、さらに比表面積が大きくなることで一次粒子が強固に凝集して難分散性になる場合がある。一方、20μm超過である場合には、分散して所望の体積平均粒子径にした際に過分散状態になり、活性面が露出することで顔料粒子表面が不安定になるために凝集しやすくなり、顔料分散物の保存安定性が悪くなる場合がある。
以下に、式(1)で表されるδ型結晶形態アゾ顔料は特開2012−177110号公報記載の方法で合成することができる。
上記製造方法により得られる式(1)で表されるアゾ顔料粒子の体積平均粒子径は、0.01〜10μmであることが好ましく、更に0.01〜3μmであることが好ましく、0.02〜0.5μmであることがより好ましい。中でも、0.02〜0.2μmであることが特に好ましく、0.02〜0.15μmであることが最も好ましい。
ソルベントソルトミリングとしては、例えば、粗アゾ顔料と、無機塩と、それを溶解しない有機溶剤とを混練機に仕込み、その中で混練磨砕を行うことが挙げられる。上記無機塩としては、水溶性無機塩が好適に使用でき、例えば塩化ナトリウム、塩化カリウム、硫酸ナトリウム等の無機塩を用いることが好ましい。また、平均粒子径0.5〜50μmの無機塩を用いることがより好ましい。
当該無機塩の使用量は、粗アゾ顔料に対して3〜20質量倍とするのが好ましく、5〜15質量倍とするのがより好ましい。有機溶剤としては、水溶性有機溶剤が好適に使用でき、混練時の温度上昇により溶剤が蒸発し易い状態になるため、安全性の点から高沸点溶剤が好ましい。
本発明において分散剤は低分子および高分子、さらに水溶性および水不溶性の中から任意で選択できるが、印画物の画質の観点から、高分子が好ましい。さらに、水系で分散を行うので、分散性、分散物安定性の観点から、水溶性であることが好ましい。本発明において分散剤は、水溶性高分子分散剤であることが特に好ましい。
また、本発明において「分散剤」は、架橋剤で架橋化された状態のものも意味する。本発明の顔料分散物では、この分散剤が顔料に吸着されたものが望ましい。
ポリマー中にあるカルボキシ基は酸(−COOH)の形でも、塩の形でもよい。塩としては、例えば、金属イオン、アンモニウム、置換アンモニウム、4級アンモニウムまたはピリジニウム塩などが挙げられる。好ましくは、金属イオン、アンモニウムであり、さらに好ましくはカリウムイオン、ナトリウムイオンである。
ポリマーへのカルボキシ基の導入は少なくとも1つのカルボキシ基を含むモノマーの共重合によって得られる。好ましいポリビニルには、モノマーとしてイタコン酸、マレイン酸、フマール酸、クロトン酸、メタクリル酸、アクリル酸、β−カルボキシエチルアクリレートを用いるが、好ましくはメタクリル酸、アクリル酸、を用いる。
ポリマーは他の安定性基を持っていてもよい。安定性基の選択及びその量は溶媒の性質に大きく依存する。安定性基は実際、親水性(例えば、極性溶媒)であるか、疎水性(例えば、無極性溶媒)であるかに依存する。
好ましいポリマー分散剤は親水性モノマー、疎水性モノマーの両方から得られる。
疎水性モノマーは疎水性基を含むモノマーである。疎水性基を有する代表的なものは3以下で好ましくは0の親水性基を持つ、炭化水素類、フルオロカーボン類、ポリC3−4アルキレンオキシ類及びアルキルシロキサン類である。疎水性基は、好ましくはC3−50鎖であり、また疎水性モノマー中にプロピレンオキシドを側鎖または直鎖に有し得る。
ポリマーは、ホモポリマーでもよいが、好ましくは共重合体(コポリマー)である。ポリマーはランダムポリマー(統計上短いブロックまたはセグメント)であってもグラフトポリマー(長いブロックまたはセグメント)であってもよい。また、ポリマーは交互(alternating)ポリマーでもよい。ポリマーは分岐していてもよいが、好ましくは直鎖である。ポリマーは2以上のセグメント(例えば、ブロック及びグラフト、コポリマー)を持っていてもよいが好ましくはランダムである。
ポリマーが2以上のセグメントを持つ場合の態様では、少なくとも1つのセグメントは疎水性であり、少なくとも1つのセグメントは互いに関連性の親水性であることが好ましい。疎水性及び親水性セグメントをつくる好ましい方法はそれぞれ疎水性及び親水性モノマーの共重合による。ポリマーが少なくとも1つの疎水性セグメント及び少なくとも1つの親水性セグメントをもつ場合、カルボキシル基は疎水性セグメントにあっても、また親水性セグメントにあっても、また両方のセグメントにあってもよい。
ビニルポリマーは好ましくは共重合体(コポリマー)である。
疎水性モノマー及び親水性モノマーから導かれるコポリビニル分散剤は好ましくは実質的にセグメントをもたない。例えば、コポリビニルポリマーはセグメント長が非常に短いか存在しないようなフリーラジカル重合によって製造される。かかる場合はしばしば「ランダム」重合と呼ばれる。セグメントをもつコポリビニルポリマーはリビング重合、特に原子団転移(group transfer)重合、原子転移(atom transfer)重合、マクロモノマー(macromonomer)重合、グラフト重合、アニオンまたはカチオン重合のような重合方法によって製造される。好適な親水性ビニルモノマーは非イオン性及びイオン性モノマーである。好ましい非イオン性モノマーは糖類、グルコース、アミド、ピロリドンであり、特にヒドロキシ基及びエトキシ基をもつものである。好ましい非イオン性モノマーの例としては、ヒドロキシ エチルアクリレート、ヒドロキシ エチルメタアクリレート、ビニルピロリドン、エトキシ化された(メタ)アクリレート及び(メタ)アクリルアミドが挙げられる。好適なイオン性ビニルモノマーはカチオン性であってもよいが、好ましくはアニオン性である。
好ましいアニオン性ビニルモノマーはカルボキシ基および/または燐酸基および/またはスルホン酸基(これらの酸はフリーでも塩でもよい)を含むものである。好ましい例として、(メタ)アクリル酸、スチレンスルホン酸、ビニルベンジルスルホン酸、ビニルスルホン酸、(メタ)アクリロイルオキシアルキルスルホン酸(例えば、アクリロイルオキシメチルスルホン酸、アクリロイルオキシエチルスルホン酸、アクリロイルオキシプロピルスルホン酸、アクリロイルオキシブチルスルホン酸、メタクリロイルオキシメチルスルホン酸、メタクリロイルオキシエチルスルホン酸、メタクリロイルオキシプロピルスルホン酸、メタクリロイルオキシブチルスルホン酸)、2−アクリルアミド−2−アルキルアルカンスルホン酸(例えば、2−アクリルアミド−2−メチルエタンスルホン酸、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、2−アクリルアミド−2−メチルブタンスルホン酸)、2−メタクリルアミド−2−アルキルアルカンスルホン酸(例えば、2−メタクリルアミド−2−メチルエタンスルホン酸、2−メタクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、2−メタクリルアミド−2−メチルブタンスルホン酸)、モノ−(アクリロイルオキシアルキル)燐酸塩(例えば、モノ−(アクリロイルオキシエチル)燐酸塩、モノ−(3−アクリロイルオキシプロピル)燐酸塩)、モノ−(メタクリロイルオキシアルキル)燐酸塩(例えば、モノ−(メタクリロイルオキシエチル)燐酸塩、モノ−(3−メタクリロイルオキシプロピル)燐酸塩)が挙げられる。
好ましいカチオンビニルモノマーは4級アミン、ピリジン、グアニジン及びビグアニジン基を含むものである。
好ましい疎水性ビニルモノマーは親水性基を持たない。好ましい疎水性ビニルモノマーとしてはC1−20−ヒドロカルビル(メタ)アクリレート、ブタジエン、スチレン及びビニルナフタレンが挙げられ、C1−20−ヒドロカルビル(メタ)アクリレート(例、メチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、イソボルニルアクリレート、ラウリルアクリレート、ステアリルアクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート)が好ましく、メチルメタクリレート、ベンジルメタクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、フェノキシエチルメタクリレートが特に好ましい。これらのヒドロカルビル基は分岐でもよいが、好ましくは直鎖である。
ポリエステルはジカルボン酸とジオールとのエステル化で製造されるのが典型的なものである。
カルボキシル基を有するポリウレタンは、例えば、カルボキシル基を導入する成分としてのジメチロールプロピオン酸の如きカルボキシル基と水酸基とを有する化合物を含有するポリオール成分と、ポリイソシアネート成分とを反応させることによって、容易に製造することができる。
一般式(IA)
一般式(IIA)
R2はアルキル基、又はアリール基であることが好ましく、ベンジル基、メチル基、2−エチルヘキシル基、又はエチルオキシフェニル基であることがより好ましい。
分散剤の質量平均分子量は10000以上200000以下が好ましく、さらに15000以上150000以下であることが好ましく、中でも20000以上100000以下であることがより好ましい。10000以上では印画物の画質が優れ好ましい一方、200000以下では、粘度が高くなるのを抑制でき、さらに貯蔵安定性の低下を防ぎ、好ましい。
本発明において、分散剤が水溶性高分子であり、1分子中に少なくとも1つのカルボキシ基を有し、酸価が少なくとも50mgKOH/g以上であり、質量平均分子量が10000以上200000以下であることが特に好ましい。
分散剤の含有量は、顔料100質量部に対して20〜100質量部の範囲であることが好ましく、より好ましくは25〜90質量部の範囲であり、さらに好ましくは30〜70質量部の範囲である。また、分散剤は、単独で用いても、複数のものを組み合わせて用いてもよい。
分散剤の含有量が20質量部以下の場合、分散剤の量が顔料に対して不十分になり、貯蔵安定性が不十分になる。一方、100質量部以上の場合、粘度が高くなり、さらに貯蔵安定性が低下するため不適である。
前記顔料分散物中の着色剤の含有量をP、分散剤の含有量をDとし、含有量Dと含有量Pとの比をD/P値としたときに、D/P値が0.15以上1.0以下であることが好ましく、0.16以上0.8以下であることがより好ましく、0.17以上0.7以下であることが更に好ましい。
分散剤は架橋剤と架橋するために十分な酸価をもつ必要があり、少なくとも50mgKOH/g以上の酸価をもつものが好ましい。分散剤が水溶性高分子分散剤であり、該水溶性高分子分散剤が少なくとも1つのカルボキシ基を有し、少なくとも50mgKOH/g以上の酸価を有することがより好ましい。
全ての態様において、上記の酸価は好ましくは70〜200mgKOH/gであり、より好ましくは70〜160mgKOH/gである。係る酸価をもつ分散剤は改良された保存安定性を与える。
また、50mgKOH/gより低いと、水系溶媒への溶解性が低いため不適である。
分散剤は水不溶性、水溶性のどちらでも良いが、水への溶解性として、1g/100mL以上であることが好ましく、さらに好ましくは、3g/100mL以上であり、特に好ましくは5g/100mL以上である。
1g/(100m)L未満では、水への溶解性が低いために、顔料粒子に吸着しにくくなり、分散性が低下する場合がある。
前記水系分散物が、架橋剤により架橋されていることが好ましい。
本発明のより好ましい形態は、分散剤は架橋する前に顔料表面に吸着し、相対的に安定な分散物が形成され、そしてこの分散工程に引き続き、架橋剤を用いて架橋する工程を実施することによりより高度な保存安定性を有し、印画物の画質に優れる分散物が得られる。
少なくとも50mg/KOH以上の酸価をもつ分散剤を用いる場合には、架橋剤はオリゴマー分散基を持っていても、持たなくてもよい。「オリゴマー」という言葉は分子量に上限はないし、また繰り返し単位の上限もない意味で用いる。1以上のオリゴマー分散基を持つ架橋剤は生じた微粒子分散物の安定性を増加させる。この増加された安定性はインクジェット記録に用いる液体展色剤(ビヒクル)において特に有用である。それは50mg/KOH以下の酸価をもつ分散剤では分散が困難であるからである。
また、無水フタル酸、無水コハク酸等の酸無水物も架橋剤として用いることができる。
本発明では架橋反応は100℃以下、pH6以上で行うことが好ましい。更に好ましい架橋反応は30℃〜90℃、より好ましくは40℃〜85℃である。
架橋反応の好ましいpHは7〜10であり、より好ましくは8〜9.5である。
カルボキシ基とエポキシ基の間の架橋反応を100℃以下、pH6以上で行うことが好ましい。
膜精製には逆浸透膜(NF膜)、限外ろ過膜(UF膜)を使用することができ、加圧してもしなくても良いが、加圧する場合の方が、精製に要する時間が短くなり、効率的である。UF膜としては、分画分子量10000以上200000以下が好ましく、20000以上100000以下がより好ましい。10000未満では精製するための時間が長くなってしまうため、非効率である。一方、200000超過では、分散剤が流出してしまう可能性があるため、好ましくない。
(a)30〜99.7部、好ましくは50〜90部の水
(b)0.1〜50部、好ましくは1〜30部の式(1)で表される顔料
(c)0.1〜40部、好ましくは1〜30部のビニルポリマー
(d)0.00001〜10部、好ましくは0.0001〜5部の架橋剤
上記で、「部」は質量を表し、水系顔料分散物の総質量を100質量部とした際に(a)+(b)+(c)+(d)の和は100質量部以下である。
また(b)/(c)=の比は10/2〜1/1が好ましく、(c)/(d)の比は100/1〜5/1が好ましい。好ましくは上記の方法において、アゾ顔料、水、ビニルポリマーは同時でも、またどのような順でも混合してもよい。それから残りの成分が上記混合物に加えられる。さらに膜精製を行うことが好ましい。
本発明で使用する顔料は、その平均一次粒子径が0.01μm以上20μm以下であることが好ましく、0.01μm以上5μm以下であることが更に好ましく、0.02μm以上0.5μm以下であることがより好ましい。中でも、0.02μm以上0.2μm以下が特に好ましく、0.03μm以上0.15μm以下が最も好ましい。
防腐剤について説明する。本発明において、防腐剤とは微生物、特に細菌・真菌(カビ)の発生、発育を防止する機能を有するものを言う。
本発明に使用可能な防腐剤としては、種々のものが使用可能である。
防腐剤としては、重金属イオンを含有する無機物系の防腐剤(銀イオン含有物など)や塩類をまず挙げることができる。有機系の防腐剤としては、第4級アンモニウム塩(テトラブチルアンモニウムクロリド、セチルピリジニウムクロリド、ベンジルトリメチルアンモニウムクロリド等)、フェノール誘導体(フェノール、クレゾール、ブチルフェノール、キシレノール、ビスフェノール等)、フェノキシエーテル誘導体(フェノキシエタノール等)、ヘテロ環化合物(ベンゾトリアゾール、プロキセル(PROXEL)、1,2−ベンゾイソチアゾリン−3−オン等)、酸アミド類、カルバミン酸、カルバメート類、アミジン・グアニジン類、ピリジン類(ナトリウムピリジンチオン−1−オキシド等)、ジアジン類、トリアジン類、ピロール・イミダゾール類、オキサゾール・オキサジン類、チアゾール・チアジアジン類、チオ尿素類、チオセミカルバジド類、ジチオカルバメート類、スルフィド類、スルホキシド類、スルホン類、スルファミド類、抗生物質類(ペニシリン、テトラサイクリン等)、デヒドロ酢酸ナトリウム、安息香酸ナトリウム、p−ヒドロキシ安息香酸エチルエステル、及びその塩など種々のものが使用可能である。また、防腐剤としては防菌防微ハンドブック(技報堂:1986)、防菌防黴剤事典(日本防菌防黴学会事典編集委員会編)等に記載のものも使用し得る。
防腐剤としてはフェノール誘導体、複素環化合物が好ましく、複素環化合物が更に好ましい。
複素環化合物としては、チアゾール系化合物又はベントトリアゾール系化合物であることが好ましい。チアゾール系化合物は、防腐剤のなかでも、特に防黴剤として機能する。チアゾール系化合物としては、ベンズイソチアゾリン、イソチアゾリン、1,2−ベンズイソチアゾリン−3−オン、5−クロロ−2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オン、2−(チオシアノメチルチオ)ベンズチアゾール、2−メルカプトベンズチアゾール及び3−アリルオキシ−1,2−ベンズイソチアゾール−1,1−オキシド等を挙げることができる。また、チアゾール系防黴剤としてアーチ・ケミカルズ(株)より製造販売されているProxel(商標)シリーズ(BDN,BD20,GXL,LV,XL2及びUltra10等)を使用することもできる。
防腐剤が、複素環化合物、フェノール誘導体、フェノキシエーテル誘導体、及びアルカンジオール類からなる群より選ばれる少なくとも1種であることが好ましく、少なくとも1種の防腐剤が、複素環化合物であることがより好ましい。
防腐剤が複素環化合物であり、該複素環化合物がチアゾール系化合物又はベンゾトリアゾール系化合物であることが更に好ましい。
本発明でいう殺菌とは、殺菌作用のある操作を意味し、例えば、UV等の光照射、加熱、アルコール等の殺菌効果を有する添加剤の添加が挙げられる。その中でも。光照射、加熱が好ましい。
光照射手段としては、400nm以下の近紫外光から紫外光を照射できるものが好ましく、具体的にはキセノンランプ、高圧水銀ランプ、ブラックライト、殺菌ランプ等を用いることができる。
加熱条件としては、40℃以上100℃以下が好ましく、50℃以上85℃以下がより好ましく、60℃以上80℃以下が最も好ましい。加熱時間としては、5分以上が好ましく、5分以上24時間以内がさらに好ましく、30分以上12時間以内がより好ましい。
本発明でいう多価金属イオンとは、例えばFe3+、Fe2+、Mg2+、Ca2+、Sr2+、Ba2+、Cd2+、Ni2+、Zn2+、Cu2+、Co2+、Pb2+、Mn2+、Al3+、Cr3+、Sn4+などを挙げることができる。
水系顔料分散物中の多価金属イオンの含有量は、それぞれ10ppm以下であることが好ましい。さらに好ましくは、0.001〜5ppmである。水系顔料分散物中の多価金属イオンの含有量を、上記で規定した量とすることにより、本発明の水系顔料分散物中の顔料および/または分散剤は、凝集による粗大粒子の増大を抑制することができる。
水系顔料分散物中の多価金属イオンの含有量は、好ましくは下記表2、より好ましくは下記表3に挙げるとおりである。
本発明に使用できるキレート剤としては、特に制限はないが、キレート安定度定数が8以上であるキレート剤を含有することが、本発明の目的効果の観点から好ましい。ここでいうキレート安定度定数とは、L.G.Sillen,A.E.Marttell著“Stability Constants of Metal−ion Complexes”The Chemical Society,London(1964)、S.Chaberek,A.E.Martell著“Organic Sequestering Agents” Wiley(1959)等により一般に知られた定数を意味する。
本発明の顔料分散物は、ろ過により粗大粒子を除去することが好ましい。ろ過するタイミングとしては、顔料を分散した後であればいつでもよいが、防腐剤を添加した後、あるいは顔料分散液を完成させる最後の工程として行うことがより好ましい。殺菌、特に高温で加熱した後では、顔料分散物の一部が乾燥、あるいは熟成されて、粗大粒子が沈降していることがあるからである。
用いることのできるフィルターとしては、ろ過ができればなんでも良いが、ろ布、ろ紙、メンブレンが好ましい。孔径としては、0.1mm以下が好ましく、10μm以下がより好ましく、5μm以下がさらに好ましく、1μm以下が特に好ましい。
本発明の着色組成物は、上記した本発明のアゾ顔料、その塩、水和物又は溶媒和物を少なくとも1種含有する。本発明の着色組成物は、媒体を含有させることができるが、媒体として溶媒を用いた場合は特にインクジェット記録用インクとして好適である。本発明の着色組成物は、媒体として、親油性媒体や水性媒体を用いて、それらの中に、本発明の顔料を分散させることによって作製することができる。好ましくは、水性媒体を用いる場合である。本発明の着色組成物には、媒体を除いたインク用組成物も含まれる。本発明の着色組成物は、必要に応じてその他の添加剤を、本発明の効果を害しない範囲内において含有しうる。その他の添加剤としては、例えば、乾燥防止剤(湿潤剤)、褪色防止剤、乳化安定剤、浸透促進剤、紫外線吸収剤、防黴剤、pH調整剤、表面張力調整剤、消泡剤、粘度調整剤、分散剤、分散安定剤、防錆剤、キレート剤等の公知の添加剤(特開2003−306623号公報に記載)が挙げられる。これらの各種添加剤は、水溶性インクの場合にはインク液に直接添加する。油溶性インクの場合には、アゾ顔料分散物の調製後分散物に添加するのが一般的であるが、調製時に油相又は水相に添加してもよい。
本発明の前記顔料分散物が適用されるインクジェット記録用インク(組成物)は、顔料を吸着した樹脂の平均粒子径(Mv)が20〜250nmの範囲であることが好ましく、20〜100nmの範囲であることが更に好ましい。顔料を吸着した樹脂の平均粒子径が20nm以上であれば、分散安定性が向上するため良好な保存安定性や吐出安定性を得ることができ、さらに記録物の高いOD値を確保することができる。また、顔料を吸着した樹脂の平均粒子径が250nm以下であれば、ノズル目詰まりを防止することができ、さらに顔料を吸着した樹脂の沈降も抑制することができる。
α型結晶形態を有する式(1)のアゾ顔料(1)−1は特開2012−177110号公報記載の方法で合成した。得られたアゾ顔料(1)−1の一次粒子の長軸方向の長さは約10μmであった。得られたアゾ顔料(1)−1のX線回折の測定を上記の条件により行ったところ、ブラッグ角(2θ±0.2°)が6.5°、7.1°及び21.8°に特徴的なX線回折ピークを示した。
β型結晶形態を有する式(1)のアゾ顔料(1)−2は特開2012−177110号公報記載の方法で合成した。得られたアゾ顔料(1)−2の一次粒子の長軸方向の長さは約10μmであった。得られたアゾ顔料(1)−2のX線回折の測定を上記の条件により行ったところ、ブラッグ角(2θ±0.2°)が6.3°、6.4°及び22.3°に特徴的なX線回折ピークを示した。
γ型結晶形態を有する式(1)のアゾ顔料(1)−3は特開2012−177110号公報記載の方法で合成した。得られたアゾ顔料(1)−3の一次粒子の長軸方向の長さは約0.5μmであった。得られたアゾ顔料(1)−3のX線回折の測定を上記の条件により行ったところ、ブラッグ角(2θ±0.2°)が5.9°及び7.0°に特徴的なX線回折ピークを示した。
δ型結晶形態を有する式(1)のアゾ顔料(1)−4は特開2012−177110号公報記載の方法で合成した。得られたアゾ顔料(1)−4の一次粒子の長軸方向の長さは約0.5μmであった。得られたアゾ顔料(1)−4のX線回折の測定を上記の条件により行ったところ、ブラッグ角(2θ±0.2°)が4.8°、7.2°及び9.7°に特徴的なX線回折ピークを示した。
ε型結晶形態を有する式(1)のアゾ顔料(1)−5は特開2012−177110号公報記載の方法で合成した。得られたアゾ顔料(1)−5の一次粒子の長軸方向の長さは約15μmであった。得られたアゾ顔料(1)−5のX線回折の測定を上記の条件により行ったところ、ブラッグ角(2θ±0.2°)が4.9°、8.9°及び13.1°に特徴的なX線回折ピークを示した。
ζ型結晶形態を有する式(1)のアゾ顔料(1)−6は特開2012−177110号公報記載の方法で合成した。得られたアゾ顔料(1)−6の一次粒子の長軸方向の長さは約0.5μmであった。得られたアゾ顔料(1)−6のX線回折の測定を上記の条件により行ったところ、ブラッグ角(2θ±0.2°)が6.6°、9.2°、10.3°、21.4°及び25.6°に特徴的なX線回折ピークを示した。
η型結晶形態を有する式(1)のアゾ顔料(1)−7は特開2012−177110号公報記載の方法で合成した。得られたアゾ顔料(1)−7の一次粒子の長軸方向の長さは約15μmであった。得られたアゾ顔料(1)−7のX線回折の測定を上記の条件により行ったところ、ブラッグ角(2θ±0.2°)が4.8°、9.2°及び13.0°に特徴的なX線回折ピークを示した。
合成例(1)−4で得られたδ型結晶形態を有する式(1)のアゾ顔料(1)−4をソルトミリングを行い、一次粒子の長軸方向の長さが0.05μmのδ型結晶形態を有する式(1)のアゾ顔料(1)−8を得た。得られたアゾ顔料(1)−8のX線回折の測定を上記の条件により行ったところ、ブラッグ角(2θ±0.2°)が4.8°、7.2°及び9.7°に特徴的なX線回折ピークを示した。
〔合成例(1)−9〕
窒素雰囲気下、ジプロピレングリコール58.7gを内温70℃に昇温し、ここにメタクリル酸を10.8g、メタクリル酸ベンジルを39.4g、V−601を1.2g、ジプロピレングリコールを58.7gを混合した溶液を3時間かけて滴下した。同温度にてさらに1時間攪拌した後、V−601(重合開始剤:和光純薬社製)を0.6g添加し、同温度にてさらに2時間攪拌した。同温度にて50%水酸化カリウム水溶液を11.3g滴下した後、同温度で1時間攪拌した。室温にまで冷却し、メタクリル酸ベンジル(66.7モル%)、メタクリル酸(33.3モル%)の共重合体(Mw=83,000、酸価140mgKOH)のジプロピレングリコール溶液を得た。
合成例(1)−6のV−601の量を1.2gから2.5gに増量し、さらに温度を86℃にし、同様の操作を行うことで、メタクリル酸ベンジル(66.7モル%)、メタクリル酸(33.3モル%)の共重合体(Mw=25,000、酸価128mgKOH)のジプロピレングリコール溶液を得た。
合成例(1)−6のメタクリル酸の量を9.0g、メタクリル酸ベンジルの量を43.3gにし、V−601の量を1.2gから2.5gに増量、さらに温度を86℃にし、同様の操作を行うことで、メタクリル酸ベンジル(70.2モル%)、メタクリル酸(29.8モル%)の共重合体(Mw=31,000、酸価106mgKOH)のジプロピレングリコール溶液を得た。
合成例(1)−9のメタクリル酸の量を7.0g、メタクリル酸ベンジルの量を47.3gにし、V−601の量を1.2gから2.5gに増量、さらに温度を86℃にし、同様の操作を行うことで、メタクリル酸ベンジル(76.7モル%)、メタクリル酸(23.3モル%)の共重合体(Mw=36,000、酸価81mgKOH)のジプロピレングリコール溶液を得た。
合成例(1)−9のメタクリル酸の量を14.3g、メタクリル酸ベンジルの量を32.3gにし、同様の操作を行うことで、メタクリル酸ベンジル(52.4モル%)、メタクリル酸(47.6モル%)の共重合体(Mw=83,000、酸価195mgKOH)のジプロピレングリコール溶液を得た。
粉体のアゾ顔料(1)−8、1.60gに合成例(1)−11で得られた分散剤(メタクリル酸ベンジル(70.2モル%)、メタクリル酸(29.8モル%)の共重合体のジプロピレングリコール溶液、Mw=31,000、酸価106mgKOH)4.00g(固形分含率20.0%、固形分0.80g)、イオン交換水1.67gを混合し、0.1mmφのジルコニア製のビーズ54gを用いて遊星型のボールミルで3時間分散した。分散終了後、ろ布を用いてビーズを分離し、イオン交換水で洗浄し顔料濃度13.5重量%の粗顔料分散液(1)−1を9.18g得た。
得られた粗顔料分散液(1)−1、3.52gにデナコールEX−321(ナガセケムテックス株式会社製)を0.0133g、6.18%のホウ酸水溶液0.095g、イオン交換水1.23gを加え、70℃にて5時間攪拌した。その後、40wt%のエチレンジアミン四酢酸ナトリウム水溶液0.049gを添加し、同温度にて1時間撹拌した。反応終了後、室温まで冷却し、遠心分離機でさらに粗大粒子を沈降させ、さらに孔径0.3μmのフィルターを通して粗大粒子を除去した。沈降した固体を除去した後、分画分子量50,000のフィルターを用いて、イオン交換水で十分に洗浄した。その後、70℃にて1時間加熱し、室温に冷却した後、Proxel GXLを0.010gを添加し、孔径1.0μmのフィルターを通して粗大粒子を除去し、顔料濃度10.2%の顔料分散液(1)−1を4.07g得た。
得られた顔料分散液(1)−1を一部室温にて乾燥させ、得られた固体のX線回折の測定を上記の条件により行ったところ、ブラッグ角(2θ±0.2°)が4.8°、7.2°及び9.7°に特徴的なX線回折ピークを示した。
また、顔料分散液中に含まれる多価金属イオンをICP発光分析により測定したところ、以下の表の通りであった。
粉体のアゾ顔料(1)−1、1.60gに合成例(1)−9で得られた分散剤(メタクリル酸ベンジル(66.7モル%)、メタクリル酸(33.3モル%)の共重合体のジプロピレングリコール溶液、Mw=83,000、酸価140mgKOH)2.57g(固形分含率30・8%、固形分0.792g)、イオン交換水4.64gを混合し、0.1mmφのジルコニア製のビーズ54gを用いて遊星型のボールミルで11時間分散した。分散終了後、ろ布を用いてビーズを分離し、イオン交換水で洗浄し顔料濃度14.8重量%の粗顔料分散液(1)−2を7.46g得た。
得られた粗顔料分散液(1)−2、7.46gにデナコールEX−321(ナガセケムテックス株式会社製)を0.054g、6.18%のホウ酸水溶液0.385g、イオン交換水3.58gを加え、70℃にて5時間攪拌した。その後、40wt%のエチレンジアミン四酢酸ナトリウム水溶液0.113gを添加し、同温度にて1時間撹拌した。反応終了後、室温まで冷却し、孔径1.0μmのフィルターを通して粗大粒子を除去した後、遠心分離機でさらに粗大粒子を沈降させた。沈降した固体を除去した後、分画分子量50,000のフィルターを用いて、イオン交換水で十分に洗浄した。その後、70℃にて1時間加熱し、室温に冷却した後、Proxel GXLを0.022gを添加し、孔径1.0μmのフィルターを通して粗大粒子を除去し、顔料濃度12.1%の顔料分散液(1)−2を8.80g得た。
得られた顔料分散液(1)−2を一部室温にて乾燥させ、得られた固体のX線回折の測定を上記の条件により行ったところ、ブラッグ角(2θ±0.2°)が4.8°、7.2°及び9.7°に特徴的なX線回折ピークを示した。
また、顔料分散液中に含まれる多価金属イオンをICP発光分析により測定したところ、以下の表の通りであった。
得られた粗顔料分散液(1)−1、3.52gにデナコールEX−321(ナガセケムテックス株式会社製)を0.025g、6.18%のホウ酸水溶液0.180g、イオン交換水1.23gを加え、70℃にて5時間攪拌した。その後、40wt%のエチレンジアミン四酢酸ナトリウム水溶液0.053gを添加し、同温度にて1時間撹拌した。反応終了後、室温まで冷却し、孔径1.0μmのフィルターを通して粗大粒子を除去した後、遠心分離機でさらに粗大粒子を沈降させた。沈降した固体を除去した後、分画分子量50,000のフィルターを用いて、イオン交換水で十分に洗浄した。その後、70℃にて1時間加熱し、室温に冷却した後、Proxel GXLを0.010gを添加し、孔径1.0μmのフィルターを通して粗大粒子を除去し、顔料濃度10.1%の顔料分散液(1)−3を4.15g得た。
得られた顔料分散液(1)−3を一部室温にて乾燥させ、得られた固体のX線回折の測定を上記の条件により行ったところ、ブラッグ角(2θ±0.2°)が4.8°、7.2°及び9.7°に特徴的なX線回折ピークを示した。
また、顔料分散液中に含まれる多価金属イオンをICP発光分析により測定したところ、以下の表の通りであった。
粗顔料分散液(1)−1、3.52gにデナコールEX−321(ナガセケムテックス株式会社製)を0.018g、6.18%のホウ酸水溶液0.128g、イオン交換水1.23gを加え、70℃にて5時間攪拌した。その後、40wt%のエチレンジアミン四酢酸ナトリウム水溶液0.053gを添加し、同温度にて1時間撹拌した。反応終了後、室温まで冷却し、孔径1.0μmのフィルターを通して粗大粒子を除去した後、遠心分離機でさらに粗大粒子を沈降させた。沈降した固体を除去した後、分画分子量50,000のフィルターを用いて、イオン交換水で十分に洗浄した。その後、70℃にて1時間加熱し、室温に冷却した後、Proxel GXLを0.011gを添加し、孔径1.0μmのフィルターを通して粗大粒子を除去し、顔料濃度10.1%の顔料分散液(1)−4を4.33g得た。
得られた顔料分散液(1)−4を一部室温にて乾燥させ、得られた固体のX線回折の測定を上記の条件により行ったところ、ブラッグ角(2θ±0.2°)が4.8°、7.2°及び9.7°に特徴的なX線回折ピークを示した。
また、顔料分散液中に含まれる多価金属イオンをICP発光分析により測定したところ、以下の表の通りであった。
粉体のアゾ顔料(1)−8、1.80gに合成例(1)−11で得られた分散剤(メタクリル酸ベンジル(70.2モル%)、メタクリル酸(29.8モル%)の共重合体のジプロピレングリコール溶液、Mw=31,000、酸価106mgKOH)4.50g(固形分含率20.0%、固形分0.90g)、水1.88gを混合し、0.1mmφのジルコニア製のビーズ61gを用いて遊星型のボールミルで4時間分散した。分散終了後、ろ布を用いてビーズを分離し、イオン交換水で洗浄し顔料濃度14.8重量%の粗顔料分散液(1)−5を11.50g得た。
得られた粗顔料分散液(1)−5、3.59gにデナコールEX−321(ナガセケムテックス株式会社製)を0.013g、6.18%のホウ酸水溶液0.093g、イオン交換水1.72gを加え、70℃にて5時間攪拌した。その後、40wt%のエチレンジアミン四酢酸ナトリウム水溶液0.055gを添加し、同温度にて1時間撹拌した。反応終了後、室温まで冷却し、孔径1.0μmのフィルターを通して粗大粒子を除去した後、遠心分離機でさらに粗大粒子を沈降させた。沈降した固体を除去した後、分画分子量50,000のフィルターを用いて、イオン交換水で十分に洗浄した。その後、70℃にて1時間加熱し、室温に冷却した後、Proxel GXLを0.009gを添加し、孔径1.0μmのフィルターを通して粗大粒子を除去し、顔料濃度10.2%の顔料分散液(1)−5を4.11g得た。
得られた顔料分散液(1)−5を一部室温にて乾燥させ、得られた固体のX線回折の測定を上記の条件により行ったところ、ブラッグ角(2θ±0.2°)が4.8°、7.2°及び9.7°に特徴的なX線回折ピークを示した。
また、顔料分散液中に含まれる多価金属イオンをICP発光分析により測定したところ、以下の表の通りであった。
粗顔料分散液(1)−5、3.59gにデナコールEX−321(ナガセケムテックス株式会社製)を0.017g、6.18%のホウ酸水溶液0.120g、イオン交換水1.70gを加え、70℃にて5時間攪拌した。その後、40wt%のエチレンジアミン四酢酸ナトリウム水溶液0.055gを添加し、同温度にて1時間撹拌した。反応終了後、室温まで冷却し、孔径1.0μmのフィルターを通して粗大粒子を除去した後、遠心分離機でさらに粗大粒子を沈降させた。沈降した固体を除去した後、分画分子量50,000のフィルターを用いて、イオン交換水で十分に洗浄した。その後、70℃にて1時間加熱し、室温に冷却した後、Proxel GXLを0.012gを添加し、孔径0.3μmのフィルターを通して粗大粒子を除去し、顔料濃度10.1%の顔料分散液(1)−6を4.33g得た。
得られた顔料分散液(1)−6を一部室温にて乾燥させ、得られた固体のX線回折の測定を上記の条件により行ったところ、ブラッグ角(2θ±0.2°)が4.8°、7.2°及び9.7°に特徴的なX線回折ピークを示した。
また、顔料分散液中に含まれる多価金属イオンをICP発光分析により測定したところ、以下の表の通りであった。
粉体のアゾ顔料(1)−8、1.40gに合成例(1)−11で得られた分散剤(メタクリル酸ベンジル(70.2モル%)、メタクリル酸(29.8モル%)の共重合体のジプロピレングリコール溶液、Mw=31,000、酸価106mgKOH)2.80g(固形分含率20.0%、固形分0.56g)、イオン交換水2.16gを混合し、0.1mmφのジルコニア製のビーズ47gを用いて遊星型のボールミルで5時間分散した。分散終了後、ろ布を用いてビーズを分離し、イオン交換水で洗浄し顔料濃度13.5重量%の粗顔料分散液(1)−7を9.12g得た。
得られた粗顔料分散液(1)−7、4.50gにデナコールEX−321(ナガセケムテックス株式会社製)を0.012g、6.18%のホウ酸水溶液0.062g、イオン交換水1.56gを加え、70℃にて5時間攪拌した。その後、40wt%のエチレンジアミン四酢酸ナトリウム水溶液0.062gを添加し、同温度にて1時間撹拌した。反応終了後、室温まで冷却し、孔径1.0μmのフィルターを通して粗大粒子を除去した後、遠心分離機でさらに粗大粒子を沈降させた。沈降した固体を除去した後、分画分子量50,000のフィルターを用いて、イオン交換水で十分に洗浄した。その後、70℃にて1時間加熱し、室温に冷却した後、Proxel GXLを0.013gを添加し、孔径1.0μmのフィルターを通して粗大粒子を除去し、顔料濃度10.2%の顔料分散液(1)−7を4.32g得た。
得られた顔料分散液(1)−7を一部室温にて乾燥させ、得られた固体のX線回折の測定を上記の条件により行ったところ、ブラッグ角(2θ±0.2°)が4.8°、7.2°及び9.7°に特徴的なX線回折ピークを示した。
また、顔料分散液中に含まれる多価金属イオンをICP発光分析により測定したところ、以下の表の通りであった。
粗顔料分散液(1)−7、4.50gにデナコールEX−321(ナガセケムテックス株式会社製)を0.015g、6.18%のホウ酸水溶液0.109g、イオン交換水1.51gを加え、70℃にて5時間攪拌した。その後、40wt%のエチレンジアミン四酢酸ナトリウム水溶液0.062gを添加し、同温度にて1時間撹拌した。反応終了後、室温まで冷却し、孔径1.0μmのフィルターを通して粗大粒子を除去した後、遠心分離機でさらに粗大粒子を沈降させた。沈降した固体を除去した後、分画分子量50,000のフィルターを用いて、イオン交換水で十分に洗浄した。その後、70℃にて1時間加熱し、室温に冷却した後、Proxel GXLを0.012gを添加し、孔径1.0μmのフィルターを通して粗大粒子を除去し、顔料濃度10.1%の顔料分散液(1)−8を4.88g得た。
得られた顔料分散液(1)−8を一部室温にて乾燥させ、得られた固体のX線回折の測定を上記の条件により行ったところ、ブラッグ角(2θ±0.2°)が4.8°、7.2°及び9.7°に特徴的なX線回折ピークを示した。
また、顔料分散液中に含まれる多価金属イオンをICP発光分析により測定したところ、以下の表の通りであった。
粉体のアゾ顔料(1)−8、1.80gに合成例(1)−11で得られた分散剤(メタクリル酸ベンジル(70.2モル%)、メタクリル酸(29.8モル%)の共重合体のジプロピレングリコール溶液、Mw=31,000、酸価106mgKOH)5.40g(固形分含率20.0%、固形分1.08g)、イオン交換水0.98gを混合し、0.1mmφのジルコニア製のビーズ61gを用いて遊星型のボールミルで3時間分散した。分散終了後、ろ布を用いてビーズを分離し、イオン交換水で洗浄し顔料濃度14.9重量%の粗顔料分散液(1)−9を11.30g得た。
得られた粗顔料分散液(1)−9、3.95gにデナコールEX−321(ナガセケムテックス株式会社製)を0.020g、6.18%のホウ酸水溶液0.141g、水1.94gを加え、70℃にて5時間攪拌した。その後、40wt%のエチレンジアミン四酢酸ナトリウム水溶液0.060gを添加し、同温度にて1時間撹拌した。反応終了後、室温まで冷却し、孔径1.0μmのフィルターを通して粗大粒子を除去した後、遠心分離機でさらに粗大粒子を沈降させた。沈降した固体を除去した後、分画分子量50,000のフィルターを用いて、イオン交換水で十分に洗浄した。その後、70℃にて1時間加熱し、室温に冷却した後、Proxel GXLを0.013gを添加し、孔径1.0μmのフィルターを通して粗大粒子を除去し、顔料濃度10.0%の顔料分散液(1)−9を5.11g得た。
得られた顔料分散液(1)−9を一部室温にて乾燥させ、得られた固体のX線回折の測定を上記の条件により行ったところ、ブラッグ角(2θ±0.2°)が4.8°、7.2°及び9.7°に特徴的なX線回折ピークを示した。
また、顔料分散液中に含まれる多価金属イオンをICP発光分析により測定したところ、以下の表の通りであった。
粗顔料分散液(1)−9、3.75gにデナコールEX−321(ナガセケムテックス株式会社製)を0.017g、6.18%のホウ酸水溶液0.122g、イオン交換水1.91gを加え、70℃にて5時間攪拌した。その後、40wt%のエチレンジアミン四酢酸ナトリウム水溶液0.060gを添加し、同温度にて1時間撹拌した。反応終了後、室温まで冷却し、孔径1.0μmのフィルターを通して粗大粒子を除去した後、遠心分離機でさらに粗大粒子を沈降させた。沈降した固体を除去した後、分画分子量50,000のフィルターを用いて、イオン交換水で十分に洗浄した。その後、70℃にて1時間加熱し、室温に冷却した後、Proxel GXLを0.013gを添加し、孔径5.0μmのフィルターを通して粗大粒子を除去し、顔料濃度10.0%の顔料分散液(1)−10を5.18g得た。
得られた顔料分散液(1)−10を一部室温にて乾燥させ、得られた固体のX線回折の測定を上記の条件により行ったところ、ブラッグ角(2θ±0.2°)が4.8°、7.2°及び9.7°に特徴的なX線回折ピークを示した。
また、顔料分散液中に含まれる多価金属イオンをICP発光分析により測定したところ、以下の表の通りであった。
粗顔料分散液(1)−9、3.75gにデナコールEX−321(ナガセケムテックス株式会社製)を0.022g、6.18%のホウ酸水溶液0.157g、イオン交換水1.90gを加え、70℃にて5時間攪拌した。その後、40wt%のエチレンジアミン四酢酸ナトリウム水溶液0.060gを添加し、同温度にて1時間撹拌した。反応終了後、室温まで冷却し、孔径1.0μmのフィルターを通して粗大粒子を除去した後、遠心分離機でさらに粗大粒子を沈降させた。沈降した固体を除去した後、分画分子量50,000のフィルターを用いて、イオン交換水で十分に洗浄した。その後、70℃にて1時間加熱し、室温に冷却した後、Proxel GXLを0.012gを添加し、孔径1.0μmのフィルターを通して粗大粒子を除去し、顔料濃度10.3%の顔料分散液(1)−11を4.55g得た。
得られた顔料分散液(1)−11を一部室温にて乾燥させ、得られた固体のX線回折の測定を上記の条件により行ったところ、ブラッグ角(2θ±0.2°)が4.8°、7.2°及び9.7°に特徴的なX線回折ピークを示した。
また、顔料分散液中に含まれる多価金属イオンをICP発光分析により測定したところ、以下の表の通りであった。
得られた粗顔料分散液(1)−1、3.52gにデナコールEX−321(ナガセケムテックス株式会社製)を0.0133g、6.18%のホウ酸水溶液0.095g、水1.20gを加え、70℃にて5時間攪拌した。その後、40wt%のエチレンジアミン四酢酸ナトリウム水溶液0.049gを添加し、同温度にて1時間撹拌した。反応終了後、室温まで冷却し、孔径1.0μmのフィルターを通して粗大粒子を除去した後、遠心分離機でさらに粗大粒子を沈降させた。沈降した固体を除去した後、分画分子量50,000のフィルターを用いて、劣化したイオン交換水で十分に洗浄した。その後、70℃にて1時間加熱し、室温に冷却した後、Proxel GXLを0.010gを添加し、孔径1.0μmのフィルターを通して粗大粒子を除去し、顔料濃度10.1%の顔料分散液(1)−12を3.99g得た。
得られた顔料分散液(1)−12を一部室温にて乾燥させ、得られた固体のX線回折の測定を上記の条件により行ったところ、ブラッグ角(2θ±0.2°)が4.8°、7.2°及び9.7°に特徴的なX線回折ピークを示した。
また、顔料分散液中に含まれる多価金属イオンをICP発光分析により測定したところ、以下の表の通りであった。
得られた粗顔料分散液(1)−1、3.52gにデナコールEX−321(ナガセケムテックス株式会社製)を0.0133g、6.18%のホウ酸水溶液0.095g、水1.25gを加え、70℃にて5時間攪拌した。その後、40wt%のエチレンジアミン四酢酸ナトリウム水溶液0.049gを添加し、同温度にて1時間撹拌した。反応終了後、室温まで冷却し、孔径1.0μmのフィルターを通して粗大粒子を除去した後、遠心分離機でさらに粗大粒子を沈降させた。沈降した固体を除去した後、分画分子量50,000のフィルターを用いて、イオン交換水で十分に洗浄した。その後、70℃にて1時間加熱し、室温に冷却した後、テトラブチルアンモニウムクロリドを0.009gを添加し、孔径1.0μmのフィルターを通して粗大粒子を除去し、顔料濃度10.5%の顔料分散液(1)−13を3.88g得た。
得られた顔料分散液(1)−13を一部室温にて乾燥させ、得られた固体のX線回折の測定を上記の条件により行ったところ、ブラッグ角(2θ±0.2°)が4.8°、7.2°及び9.7°に特徴的なX線回折ピークを示した。
また、顔料分散液中に含まれる多価金属イオンをICP発光分析により測定したところ、以下の表の通りであった。
得られた粗顔料分散液(1)−1、3.52gにデナコールEX−321(ナガセケムテックス株式会社製)を0.0133g、6.18%のホウ酸水溶液0.095g、水1.21gを加え、70℃にて5時間攪拌した。その後、40wt%のエチレンジアミン四酢酸ナトリウム水溶液0.049gを添加し、同温度にて1時間撹拌した。反応終了後、室温まで冷却し、孔径1.0μmのフィルターを通して粗大粒子を除去した後、遠心分離機でさらに粗大粒子を沈降させた。沈降した固体を除去した後、分画分子量50,000のフィルターを用いて、イオン交換水で十分に洗浄した。その後、70℃にて1時間加熱し、室温に冷却した後、クレゾールを0.010gを添加し、孔径1.0μmのフィルターを通して粗大粒子を除去し、顔料濃度10.1%の顔料分散液(1)−14を4.11g得た。
得られた顔料分散液(1)−14を一部室温にて乾燥させ、得られた固体のX線回折の測定を上記の条件により行ったところ、ブラッグ角(2θ±0.2°)が4.8°、7.2°及び9.7°に特徴的なX線回折ピークを示した。
また、顔料分散液中に含まれる多価金属イオンをICP発光分析により測定したところ、以下の表の通りであった。
得られた粗顔料分散液(1)−1、3.52gに、水1.25gを加え、70℃にて5時間攪拌した。その後、40wt%のエチレンジアミン四酢酸ナトリウム水溶液0.049gを添加し、同温度にて1時間撹拌した。反応終了後、室温まで冷却し、孔径1.0μmのフィルターを通して粗大粒子を除去した後、遠心分離機でさらに粗大粒子を沈降させた。沈降した固体を除去した後、分画分子量50,000のフィルターを用いて、イオン交換水で十分に洗浄した。その後、70℃にて1時間加熱し、室温に冷却した後、Proxel GXLを0.010gを添加し、孔径1.0μmのフィルターを通して粗大粒子を除去し、顔料濃度10.2%の顔料分散液(1)−15を4.22g得た。
得られた顔料分散液(1)−15を一部室温にて乾燥させ、得られた固体のX線回折の測定を上記の条件により行ったところ、ブラッグ角(2θ±0.2°)が4.8°、7.2°及び9.7°に特徴的なX線回折ピークを示した。
また、顔料分散液中に含まれる多価金属イオンをICP発光分析により測定したところ、以下の表の通りであった。
得られた粗顔料分散液(1)−1、3.52gにデナコールEX−321(ナガセケムテックス株式会社製)を0.0133g、6.18%のホウ酸水溶液0.095g、水1.21gを加え、70℃にて5時間攪拌した。その後、40wt%のエチレンジアミン四酢酸ナトリウム水溶液0.049gを添加し、同温度にて1時間撹拌した。反応終了後、室温まで冷却し、孔径1.0μmのフィルターを通して粗大粒子を除去した後、遠心分離機でさらに粗大粒子を沈降させた。沈降した固体を除去した後、分画分子量50,000のフィルターを用いて、イオン交換水で十分に洗浄した。その後、70℃にて1時間加熱し、室温に冷却した後、Proxel GXLを0.001gを添加し、孔径1.0μmのフィルターを通して粗大粒子を除去し、顔料濃度10.1%の顔料分散液(1)−16を4.14g得た。
得られた顔料分散液(1)−16を一部室温にて乾燥させ、得られた固体のX線回折の測定を上記の条件により行ったところ、ブラッグ角(2θ±0.2°)が4.8°、7.2°及び9.7°に特徴的なX線回折ピークを示した。
また、顔料分散液中に含まれる多価金属イオンをICP発光分析により測定したところ、以下の表の通りであった。
得られた粗顔料分散液(1)−1、3.52gにデナコールEX−321(ナガセケムテックス株式会社製)を0.0133g、6.18%のホウ酸水溶液0.095g、水1.20gを加え、70℃にて5時間攪拌した。反応終了後、室温まで冷却し、孔径1.0μmのフィルターを通して粗大粒子を除去した後、遠心分離機でさらに粗大粒子を沈降させた。沈降した固体を除去した後、分画分子量50,000のフィルターを用いて、イオン交換水で十分に洗浄した。その後、70℃にて1時間加熱し、室温に冷却した後、Proxel GXLを0.030gを添加し、孔径1.0μmのフィルターを通して粗大粒子を除去し、顔料濃度10.3%の比較顔料分散液(1)−17を3.98g得た。
得られた顔料分散液(1)−17を一部室温にて乾燥させ、得られた固体のX線回折の測定を上記の条件により行ったところ、ブラッグ角(2θ±0.2°)が4.8°、7.2°及び9.7°に特徴的なX線回折ピークを示した。
また、顔料分散液中に含まれる多価金属イオンをICP発光分析により測定したところ、以下の表の通りであった。
粉体のアゾ顔料(1)−8、1.80gに合成例(1)−10で得られた分散剤(メタクリル酸ベンジル(66.7モル%)、メタクリル酸(33.3モル%)の共重合体のジプロピレングリコール溶液、Mw=25,000、酸価128mgKOH)3.00g(固形分含率30.0%、固形分0.90g)、イオン交換水4.77gを混合し、0.1mmφのジルコニア製のビーズ61gを用いて遊星型のボールミルで6時間分散した。分散終了後、ろ布を用いてビーズを分離し、イオン交換水で洗浄し顔料濃度13.8重量%の粗顔料分散液(1)−18を13.8g得た。
得られた粗顔料分散液(1)−18、6.88gにデナコールEX−321(ナガセケムテックス株式会社製)を0.047g、6.18%のホウ酸水溶液0.332g、イオン交換水2.61gを加え、70℃にて5時間攪拌した。その後、40wt%のエチレンジアミン四酢酸ナトリウム水溶液0.097gを添加し、同温度にて1時間撹拌した。反応終了後、室温まで冷却し、孔径1.0μmのフィルターを通して粗大粒子を除去した後、遠心分離機でさらに粗大粒子を沈降させた。沈降した固体を除去した後、分画分子量50,000のフィルターを用いて、イオン交換水で十分に洗浄した。その後、70℃にて1時間加熱し、室温に冷却した後、Proxel GXLを0.019gを添加し、孔径1.0μmのフィルターを通して粗大粒子を除去し、顔料濃度10.0%の顔料分散液(1)−18を7.51g得た。
得られた顔料分散液(1)−18を一部室温にて乾燥させ、得られた固体のX線回折の測定を上記の条件により行ったところ、ブラッグ角(2θ±0.2°)が4.8°、7.2°及び9.7°に特徴的なX線回折ピークを示した。
また、顔料分散液中に含まれる多価金属イオンをICP発光分析により測定したところ、以下の表の通りであった。
得られた粗顔料分散液(1)−18、6.88gにデナコールEX−321(ナガセケムテックス株式会社製)を0.010g、6.18%のホウ酸水溶液0.071g、イオン交換水2.61gを加え、70℃にて5時間攪拌した。その後、40wt%のエチレンジアミン四酢酸ナトリウム水溶液0.097gを添加し、同温度にて1時間撹拌した。反応終了後、室温まで冷却し、孔径1.0μmのフィルターを通して粗大粒子を除去した後、遠心分離機でさらに粗大粒子を沈降させた。沈降した固体を除去した後、分画分子量50,000のフィルターを用いて、イオン交換水で十分に洗浄した。その後、70℃にて1時間加熱し、室温に冷却した後、Proxel GXLを0.018gを添加し、孔径1.0μmのフィルターを通して粗大粒子を除去し、顔料濃度10.5%の顔料分散液(1)−19を7.33g得た。
得られた顔料分散液(1)−19を一部室温にて乾燥させ、得られた固体のX線回折の測定を上記の条件により行ったところ、ブラッグ角(2θ±0.2°)が4.8°、7.2°及び9.7°に特徴的なX線回折ピークを示した。
また、顔料分散液中に含まれる多価金属イオンをICP発光分析により測定したところ、以下の表の通りであった。
粉体のアゾ顔料(1)−1、1.80gに合成例(1)−10で得られた分散剤(メタクリル酸ベンジル(66.7モル%)、メタクリル酸(33.3モル%)の共重合体のジプロピレングリコール溶液、Mw=25,000、酸価128mgKOH)3.00g(固形分含率30.0%、固形分0.90g)、イオン交換水4.77gを混合し、0.1mmφのジルコニア製のビーズ61gを用いて遊星型のボールミルで4時間分散した。分散終了後、ろ布を用いてビーズを分離し、イオン交換水で洗浄し顔料濃度13.85重量%の粗顔料分散液(1)−20を13.4g得た。
得られた粗顔料分散液(1)−20、6.70gにデナコールEX−321(ナガセケムテックス株式会社製)を0.010g、6.18%のホウ酸水溶液0.070g、イオン交換水2.59gを加え、70℃にて5時間攪拌した。その後、40wt%のエチレンジアミン四酢酸ナトリウム水溶液0.095gを添加し、同温度にて1時間撹拌した。反応終了後、室温まで冷却し、孔径1.0μmのフィルターを通して粗大粒子を除去した後、遠心分離機でさらに粗大粒子を沈降させた。沈降した固体を除去した後、分画分子量50,000のフィルターを用いて、イオン交換水で十分に洗浄した。その後、70℃にて1時間加熱し、室温に冷却した後、Proxel GXLを0.020gを添加し、孔径1.0μmのフィルターを通して粗大粒子を除去し、顔料濃度10.1%の顔料分散液(1)−20を8.19g得た。
得られた顔料分散液(1)−20を一部室温にて乾燥させ、得られた固体のX線回折の測定を上記の条件により行ったところ、ブラッグ角(2θ±0.2°)が4.8°、7.2°及び9.7°に特徴的なX線回折ピークを示した。
また、顔料分散液中に含まれる多価金属イオンをICP発光分析により測定したところ、以下の表の通りであった。
粉体のアゾ顔料(1)−2、1.80gに合成例(1)−10で得られた分散剤(メタクリル酸ベンジル(66.7モル%)、メタクリル酸(33.3モル%)の共重合体のジプロピレングリコール溶液、Mw=25,000、酸価128mgKOH)3.00g(固形分含率30.0%、固形分0.90g)、イオン交換水4.77gを混合し、0.1mmφのジルコニア製のビーズ61gを用いて遊星型のボールミルで4時間分散した。分散終了後、ろ布を用いてビーズを分離し、イオン交換水で洗浄し顔料濃度15.31重量%の粗顔料分散液(1)−21を11.78g得た。
得られた粗顔料分散液(1)−21、5.89gにデナコールEX−321(ナガセケムテックス株式会社製)を0.010g、6.18%のホウ酸水溶液0.068g、イオン交換水3.13gを加え、70℃にて5時間攪拌した。その後、40wt%のエチレンジアミン四酢酸ナトリウム水溶液0.093gを添加し、同温度にて1時間撹拌した。反応終了後、室温まで冷却し、孔径1.0μmのフィルターを通して粗大粒子を除去した後、遠心分離機でさらに粗大粒子を沈降させた。沈降した固体を除去した後、分画分子量50,000のフィルターを用いて、イオン交換水で十分に洗浄した。その後、70℃にて1時間加熱し、室温に冷却した後、Proxel GXLを0.018gを添加し、孔径1.0μmのフィルターを通して粗大粒子を除去し、顔料濃度10.0%の顔料分散液(1)−21を7.30g得た。
得られた顔料分散液(1)−21を一部室温にて乾燥させ、得られた固体のX線回折の測定を上記の条件により行ったところ、ブラッグ角(2θ±0.2°)が4.8°、7.2°及び9.7°に特徴的なX線回折ピークを示した。
また、顔料分散液中に含まれる多価金属イオンをICP発光分析により測定したところ、以下の表の通りであった。
粉体のアゾ顔料(1)−3、1.80gに合成例(1)−10で得られた分散剤(メタクリル酸ベンジル(66.7モル%)、メタクリル酸(33.3モル%)の共重合体のジプロピレングリコール溶液、Mw=25,000、酸価128mgKOH)3.00g(固形分含率30.0%、固形分0.90g)、イオン交換水4.77gを混合し、0.1mmφのジルコニア製のビーズ61gを用いて遊星型のボールミルで5時間分散した。分散終了後、ろ布を用いてビーズを分離し、イオン交換水で洗浄し顔料濃度15.31重量%の粗顔料分散液(1)−22を12.90g得た。
得られた粗顔料分散液(1)−22、6.45gにデナコールEX−321(ナガセケムテックス株式会社製)を0.010g、6.18%のホウ酸水溶液0.072g、イオン交換水3.14gを加え、70℃にて5時間攪拌した。その後、40wt%のエチレンジアミン四酢酸ナトリウム水溶液0.098gを添加し、同温度にて1時間撹拌した。反応終了後、室温まで冷却し、孔径1.0μmのフィルターを通して粗大粒子を除去した後、遠心分離機でさらに粗大粒子を沈降させた。沈降した固体を除去した後、分画分子量50,000のフィルターを用いて、イオン交換水で十分に洗浄した。その後、70℃にて1時間加熱し、室温に冷却した後、Proxel GXLを0.021gを添加し、孔径1.0μmのフィルターを通して粗大粒子を除去し、顔料濃度10.0%の顔料分散液(1)−22を8.25g得た。
得られた顔料分散液(1)−22を一部室温にて乾燥させ、得られた固体のX線回折の測定を上記の条件により行ったところ、ブラッグ角(2θ±0.2°)が4.8°、7.2°及び9.7°に特徴的なX線回折ピークを示した。
また、顔料分散液中に含まれる多価金属イオンをICP発光分析により測定したところ、以下の表の通りであった。
粉体のアゾ顔料(1)−5、1.80gに合成例(1)−10で得られた分散剤(メタクリル酸ベンジル(66.7モル%)、メタクリル酸(33.3モル%)の共重合体のジプロピレングリコール溶液、Mw=25,000、酸価128mgKOH)3.00g(固形分含率30.0%、固形分0.90g)、イオン交換水4.77gを混合し、0.1mmφのジルコニア製のビーズ61gを用いて遊星型のボールミルで6時間分散した。分散終了後、ろ布を用いてビーズを分離し、イオン交換水で洗浄し顔料濃度13.11重量%の粗顔料分散液(1)−23を12.60g得た。
得られた粗顔料分散液(1)−23、6.30gにデナコールEX−321(ナガセケムテックス株式会社製)を0.009g、6.18%のホウ酸水溶液0.062g、イオン交換水1.96gを加え、70℃にて5時間攪拌した。その後、40wt%のエチレンジアミン四酢酸ナトリウム水溶液0.085gを添加し、同温度にて1時間撹拌した。反応終了後、室温まで冷却し、孔径1.0μmのフィルターを通して粗大粒子を除去した後、遠心分離機でさらに粗大粒子を沈降させた。沈降した固体を除去した後、分画分子量50,000のフィルターを用いて、イオン交換水で十分に洗浄した。その後、70℃にて1時間加熱し、室温に冷却した後、Proxel GXLを0.018gを添加し、孔径1.0μmのフィルターを通して粗大粒子を除去し、顔料濃度10.3%の顔料分散液(1)−23を7.35g得た。
得られた顔料分散液(1)−23を一部室温にて乾燥させ、得られた固体のX線回折の測定を上記の条件により行ったところ、ブラッグ角(2θ±0.2°)が4.8°、7.2°及び9.7°に特徴的なX線回折ピークを示した。
また、顔料分散液中に含まれる多価金属イオンをICP発光分析により測定したところ、以下の表の通りであった。
粉体のアゾ顔料(1)−6、1.80gに合成例(1)−10で得られた分散剤(メタクリル酸ベンジル(66.7モル%)、メタクリル酸(33.3モル%)の共重合体のジプロピレングリコール溶液、Mw=25,000、酸価128mgKOH)3.00g(固形分含率30.0%、固形分0.90g)、イオン交換水4.77gを混合し、0.1mmφのジルコニア製のビーズ61gを用いて遊星型のボールミルで5時間分散した。分散終了後、ろ布を用いてビーズを分離し、イオン交換水で洗浄し顔料濃度11.98重量%の粗顔料分散液(1)−24を14.58g得た。
得られた粗顔料分散液(1)−24、7.29gにデナコールEX−321(ナガセケムテックス株式会社製)を0.009g、6.18%のホウ酸水溶液0.066g、イオン交換水1.44gを加え、70℃にて5時間攪拌した。その後、40wt%のエチレンジアミン四酢酸ナトリウム水溶液0.090gを添加し、同温度にて1時間撹拌した。反応終了後、室温まで冷却し、孔径1.0μmのフィルターを通して粗大粒子を除去した後、遠心分離機でさらに粗大粒子を沈降させた。沈降した固体を除去した後、分画分子量50,000のフィルターを用いて、イオン交換水で十分に洗浄した。その後、70℃にて1時間加熱し、室温に冷却した後、Proxel GXLを0.020gを添加し、孔径1.0μmのフィルターを通して粗大粒子を除去し、顔料濃度10.0%の顔料分散液(1)−24を8.03g得た。
得られた顔料分散液(1)−24を一部室温にて乾燥させ、得られた固体のX線回折の測定を上記の条件により行ったところ、ブラッグ角(2θ±0.2°)が4.8°、7.2°及び9.7°に特徴的なX線回折ピークを示した。
また、顔料分散液中に含まれる多価金属イオンをICP発光分析により測定したところ、以下の表の通りであった。
粉体のアゾ顔料(1)−7、1.80gに合成例(1)−10で得られた分散剤(メタクリル酸ベンジル(66.7モル%)、メタクリル酸(33.3モル%)の共重合体のジプロピレングリコール溶液、Mw=25,000、酸価128mgKOH)3.00g(固形分含率30.0%、固形分0.90g)、イオン交換水4.77gを混合し、0.1mmφのジルコニア製のビーズ61gを用いて遊星型のボールミルで7時間分散した。分散終了後、ろ布を用いてビーズを分離し、イオン交換水で洗浄し顔料濃度12.43重量%の粗顔料分散液(1)−25を12.07g得た。
得られた粗顔料分散液(1)−25、6.03gにデナコールEX−321(ナガセケムテックス株式会社製)を0.008g、6.18%のホウ酸水溶液0.056g、イオン交換水1.47gを加え、70℃にて5時間攪拌した。その後、40wt%のエチレンジアミン四酢酸ナトリウム水溶液0.077gを添加し、同温度にて1時間撹拌した。反応終了後、室温まで冷却し、孔径1.0μmのフィルターを通して粗大粒子を除去した後、遠心分離機でさらに粗大粒子を沈降させた。沈降した固体を除去した後、分画分子量50,000のフィルターを用いて、イオン交換水で十分に洗浄した。その後、70℃にて1時間加熱し、室温に冷却した後、Proxel GXLを0.016gを添加し、孔径1.0μmのフィルターを通して粗大粒子を除去し、顔料濃度9.90%の顔料分散液(1)−25を6.60g得た。
得られた顔料分散液(1)−25を一部室温にて乾燥させ、得られた固体のX線回折の測定を上記の条件により行ったところ、ブラッグ角(2θ±0.2°)が4.8°、7.2°及び9.7°に特徴的なX線回折ピークを示した。
また、顔料分散液中に含まれる多価金属イオンをICP発光分析により測定したところ、以下の表28の通りであった。
得られた粗顔料分散液(1)−1、3.52gにデナコールEX−321(ナガセケムテックス株式会社製)を0.0133g、6.18%のホウ酸水溶液0.095g、イオン交換水1.23gを加え、70℃にて5時間攪拌した。その後、40wt%のエチレンジアミン四酢酸ナトリウム水溶液0.049gを添加し、同温度にて1時間撹拌した。反応終了後、室温まで冷却し、遠心分離機でさらに粗大粒子を沈降させ、沈降した固体を除去した後、分画分子量50,000のフィルターを用いて、イオン交換水で十分に洗浄した。その後、70℃にて1時間加熱し、室温に冷却した後、Proxel GXLを0.010gを添加し、顔料濃度10.5%の顔料分散液(1)−1を3.88g得た。
得られた顔料分散液(1)−1を一部室温にて乾燥させ、得られた固体のX線回折の測定を上記の条件により行ったところ、ブラッグ角(2θ±0.2°)が4.8°、7.2°及び9.7°に特徴的なX線回折ピークを示した。
また、顔料分散液中に含まれる多価金属イオンをICP発光分析により測定したところ、以下の表29の通りであった。
得られた粗顔料分散液(1)−1、3.40gにデナコールEX−321(ナガセケムテックス株式会社製)を0.0133g、6.18%のホウ酸水溶液0.095g、水1.25gを加え、70℃にて5時間攪拌した。反応終了後、室温まで冷却し、孔径1.0μmのフィルターを通して粗大粒子を除去した後、遠心分離機でさらに粗大粒子を沈降させた。沈降した固体を除去した後、分画分子量50,000のフィルターを用いて、水道水で十分に洗浄した。その後、70℃にて1時間加熱し、室温に冷却した後、Proxel GXLを0.010gを添加し、孔径1.0μmのフィルターを通して粗大粒子を除去し、顔料濃度10.3%の比較顔料分散液(1)−1を4.03g得た。
得られた比較顔料分散液(1)−1を一部室温にて乾燥させ、得られた固体のX線回折の測定を上記の条件により行ったところ、ブラッグ角(2θ±0.2°)が4.8°、7.2°及び9.7°に特徴的なX線回折ピークを示した。
また、顔料分散液中に含まれる多価金属イオンをICP発光分析により測定したところ、以下の表30の通りであった。
得られた粗顔料分散液(1)−1、3.40gにデナコールEX−321(ナガセケムテックス株式会社製)を0.0133g、6.18%のホウ酸水溶液0.095g、水1.25gを加え、70℃にて5時間攪拌した。その後、40wt%のエチレンジアミン四酢酸ナトリウム水溶液0.049gを添加し、同温度にて1時間撹拌した。反応終了後、室温まで冷却し、孔径1.0μmのフィルターを通して粗大粒子を除去した後、遠心分離機でさらに粗大粒子を沈降させた。沈降した固体を除去した後、分画分子量50,000のフィルターを用いて、水で十分に洗浄した。その後、70℃にて1時間加熱し、室温に冷却し、孔径1.0μmのフィルターを通して粗大粒子を除去し、顔料濃度10.1%の比較顔料分散液(1)−2を3.92g得た。
得られた比較顔料分散液(1)−2を一部室温にて乾燥させ、得られた固体のX線回折の測定を上記の条件により行ったところ、ブラッグ角(2θ±0.2°)が4.8°、7.2°及び9.7°に特徴的なX線回折ピークを示した。
また、顔料分散液中に含まれる多価金属イオンをICP発光分析により測定したところ、以下の表の通りであった。
得られた粗顔料分散液(1)−1、3.40gにデナコールEX−321(ナガセケムテックス株式会社製)を0.0133g、6.18%のホウ酸水溶液0.095g、水1.25gを加え、70℃にて5時間攪拌した。反応終了後、室温まで冷却し、孔径1.0μmのフィルターを通して粗大粒子を除去した後、遠心分離機でさらに粗大粒子を沈降させた。沈降した固体を除去した後、分画分子量50,000のフィルターを用いて、水道水で十分に洗浄し、孔径1.0μmのフィルターを通して粗大粒子を除去し、顔料濃度10.0%の比較顔料分散液(1)−3を4.11g得た。
得られた比較顔料分散液(1)−3を一部室温にて乾燥させ、得られた固体のX線回折の測定を上記の条件により行ったところ、ブラッグ角(2θ±0.2°)が4.8°、7.2°及び9.7°に特徴的なX線回折ピークを示した。
また、顔料分散液中に含まれる多価金属イオンをICP発光分析により測定したところ、以下の表32の通りであった。
上記実施例(1)−1〜(1)−26、及び比較例(1)−1〜(1)−3で作製した顔料分散液それぞれ 2.78gに、水1.21g、2−ピロリジノン0.17g、グリセロール0.83g、1,2−ヘキサンジオール0.22g、エチレングリコール0.28g、サーフィノール465、0.03gの混合溶液を加え、十分に攪拌し、顔料濃度5wt%の顔料インク(1)−1〜(1)−26、及び比較顔料インク(1)−1〜(1)−3を5.5g得た。
〔評価〕
上記水系インクをイエローインクとし、市販のセイコーエプソン社製のプリンター(型番:PX−V630)を用い、セイコーエプソン社製写真紙クリスピア、キヤノン社製PT−101、及びHP社製アドバンスフォトペーパーに推奨モードきれいでベタ印字する。
セイコーエプソン社製写真紙クリスピア、キヤノン社製PT−101、及びHP社製アドバンスフォトペーパーにベタ印字したサンプルを目視にて評価を行った。ムラがないものをA、ややムラがあるものをB、明らかにムラがあるものをCとして評価する。
さらに、上記実施例(1)−1〜(1)−26、及び比較例(1)−1〜(1)−3で作製した顔料分散液をそれぞれ60℃にて4週間静置(長期保存)した後、顔料インクを作成し、セイコーエプソン社製写真紙クリスピア、キヤノン社製PT−101、及びHP社製アドバンスフォトペーパーにベタ印字したサンプルを目視にて評価を行った。ムラがないものをA、ややムラがあるものをB、明らかにムラがあるものをCとして評価する。
個数カウント方式 粒度分布計アキュサイザー780APSを用いて、長期保存前後の顔料分散物を測定した。保存の前後で0.5μm以上の粗大粒子の数の増加量が50%未満をA、50%以上100%未満をB、100%以上をCとして評価する。
Claims (16)
- 着色剤、分散剤、防腐剤、水を含む顔料分散物であって、
前記着色剤がCuKα特性X線回折におけるブラッグ角(2θ±0.2°)が4.8°、7.2°及び9.7°に特徴的X線回折ピークを有する下記式(1)又はその互変異性体で表される分子の集合体であるアゾ顔料を含み、
多価金属イオンの含有量がそれぞれ10ppm以下であり、
前記多価金属イオンが、Fe 3+ 、Fe 2+ 、Mg 2+ 、Ca 2+ 、Sr 2+ 、Ba 2+ 、Cd 2+ 、Ni 2+ 、Zn 2+ 、Cu 2+ 、Co 2+ 、Pb 2+ 、Mn 2+ 、Al 3+ 、Cr 3+ 、Sn 4+ からなる群より選択される少なくとも1種であることを特徴とする水系顔料分散物。
- 前記多価金属イオンの含有量がそれぞれ0.001〜5ppmであることを特徴とする請求項1に記載の水系顔料分散物。
- 前記多価金属イオンが、Fe 3+ 、Fe 2+ 、Mg 2+ 、Ca 2+ 、Ni 2+ 、Zn 2+ 、Al 3+ からなる群より選択される少なくとも1種であることを特徴とする請求項1又は2に記載の水系顔料分散物。
- 前記分散剤が水溶性高分子分散剤であり、1分子中に少なくとも1つのカルボキシ基を有し、酸価が少なくとも50mgKOH/g以上であり、質量平均分子量が10000以上200000以下であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の水系顔料分散物。
- 前記防腐剤が、複素環化合物、フェノール誘導体、フェノキシエーテル誘導体、及びアルカンジオール類からなる群より選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の水系顔料分散物。
- 前記防腐剤が複素環化合物であり、該複素環化合物がチアゾール系化合物又はベンゾトリアゾール系化合物である、請求項7記載の水系顔料分散物。
- 前記水系顔料分散物が、架橋剤により架橋されていることを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載の水系顔料分散物。
- 前記架橋剤が少なくとも2つのエポキシ基を含むことを特徴とする請求項9に記載の水系顔料分散物。
- 以下の(a)〜(d)の成分を混合して、架橋反応を行い、架橋反応後に(e)を添加する工程、その後に膜精製を行い、さらに(f)を添加する工程
を含むことを特徴とする請求項1〜10のいずれか1項に記載の水系顔料分散物の製造方法。
(a)30〜99.7部の水
(b)0.1〜50部の前記式(1)で表される分子の集合体であるアゾ顔料
(c)0.1〜40部のビニルポリマー
(d)0.00001〜10部の架橋剤
(e)(b)に対して0.01〜15質量%のキレート剤
(f)(b)に対して0.1〜10質量%の防腐剤
部は質量を表し、水系顔料分散物の総質量を100質量部とした際に(a)+(b)+(c)+(d)の和は100質量部以下である。 - 防腐剤を添加する前に、殺菌することを特徴とする請求項11に記載の水系顔料分散物の製造方法。
- 架橋反応後に、顔料に対して0.01〜15質量%のキレート剤を添加し、その後に膜精製することを特徴とする請求項11または12に記載の水系顔料分散物の製造方法。
- 防腐剤を添加した後にろ過することを特徴とする請求項11〜13のいずれか一項に記載の水系顔料分散物の製造方法。
- 請求項1〜10のいずれか1項に記載の水系顔料分散物を含有する着色組成物。
- 請求項1〜10のいずれか1項に記載の水系顔料分散物、または請求項15に記載の着色組成物を含有するインクジェット記録用インク。
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