JP6271751B2 - 水性顔料分散液及びその製造方法、着色組成物、インク組成物、インクジェット記録用インク組成物、並びに、インクジェット記録方法 - Google Patents
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Description
各種着色組成物において、顔料を着色剤として用いる場合、固体である顔料の分散性、分散安定性を確保することが重要である。
公害防止や労働衛生の面から、塗料、印刷インクのような着色剤を使用する業界では水系化指向が強い。また、情報の記録に用いられるボールペン、サインペン等の文具やインクジェットに代表されるプリンターやプロッター等の記録液は、毒性や衛生の面から水系化が進んでいる。
更に、近年、顔料のような水に不溶性の固体を分散させた水分散物は、インクジェット記録用インク組成物などとして多く利用されている。
また、従来の顔料分散液としては、特許文献1及び2に記載のものが知られている。
<1> 少なくとも式1で表されるアゾ顔料及び/又はその互変異性体と、第一の分散剤と、第二の分散剤と、水とを含有し、下記の工程bを経て得られることを特徴とする水性顔料分散液、
工程b:式1で表されるアゾ顔料及び/又はその互変異性体、第一の分散剤、並びに、第二の分散剤を水中に分散して水性顔料分散液を得る工程
<3> 第一の分散剤及び第二の分散剤の少なくとも一方が高分子分散剤である、<1>又は<2>に記載の水性顔料分散液、
<4> 第一の分散剤が、アミン価が5mgKOH/g以上であり、かつ、アミン価が酸価よりも大きく、第二の分散剤が、長鎖脂肪酸塩、又は、酸価が5mgKOH/g以上であり、かつ、酸価がアミン価以上である、<1>〜<3>のいずれか1つに記載の水性顔料分散液、
<5> 工程bの後に、更に、工程c:水性顔料分散液を加熱処理する工程を経て得られる、<1>〜<4>のいずれか1つに記載の水性顔料分散液、
<6> 式1で表されるアゾ顔料及び/又はその互変異性体の合計含有量100質量部に対して、分散剤を合計して10〜80質量部含有する、<1>〜<5>のいずれか1つに記載の水性顔料分散液、
<7> 式1で表されるアゾ顔料及び/又はその互変異性体が、ソルトミリング処理されていない、<1>〜<6>のいずれか1つに記載の水性顔料分散液、
<8> 少なくとも下記の工程bを有することを特徴とする水性顔料分散液の製造方法、
工程b:式1で表されるアゾ顔料及び/又はその互変異性体、第一の分散剤、並びに、第二の分散剤を水中に分散して水性顔料分散液を得る工程
<10> 第一の分散剤が、アミン価が5mgKOH/g以上であり、かつ、アミン価が酸価よりも大きく、第二の分散剤が、長鎖脂肪酸塩、又は、酸価が5mgKOH/g以上であり、かつ、酸価がアミン価以上である、<8>又は<9>に記載の水性顔料分散液の製造方法、
<11> 工程bの後に、更に、工程c:水性顔料分散液を加熱処理する工程を有する、<8>〜<10>のいずれか1つに記載の水性顔料分散液の製造方法、
<12> <1>〜<7>のいずれか1つに記載の水性顔料分散液を含有する、着色組成物、
<13> <1>〜<7>のいずれか1つに記載の水性顔料分散液を含有する、インク組成物、
<14> インクジェット記録用インク組成物である、<13>に記載のインク組成物、
<15> <14>に記載のインクジェット記録用インク組成物を記録媒体上に吐出する工程を含む、インクジェット記録方法。
本明細書における基(原子団)の表記において、置換及び無置換を記していない表記は、置換基を有さないものとともに置換基を有するものをも包含するものである。例えば、「アルキル基」とは、置換基を有さないアルキル基(無置換アルキル基)のみならず、置換基を有するアルキル基(置換アルキル基)をも包含するものである。
また、本明細書における化学構造式は、水素原子を省略した簡略構造式で記載する場合もある。
また、本発明において、「質量%」と「重量%」とは同義であり、「質量部」と「重量部」とは同義である。
また、本発明において、好ましい態様の組み合わせは、より好ましい。
本発明の水性顔料分散液は、少なくとも式1で表されるアゾ顔料及び/又はその互変異性体と、第一の分散剤と、第二の分散剤と、水とを含有し、以下の工程bを経て得られることを特徴とする。
工程b:式1で表されるアゾ顔料及び/又はその互変異性体、第一の分散剤、並びに、第二の分散剤を水中に分散して水性顔料分散液を得る工程
なお、以下の説明において、式1で表されるアゾ顔料及び/又はその互変異性体を、「特定顔料」ともいう。
すなわち、本発明の水性分散液は、本発明の水性分散液の製造方法により得られた水性分散液であり、水性分散液の各成分及び水性分散液の製造方法に使用される各工程は共通であり、その好ましい態様も同様である。
本発明者らは鋭意検討した結果、複数の分散剤を併用することによって、分散安定性に優れた水性顔料分散液が得られることを見いだし、本発明を完成するに至ったものである。
上述の効果の詳細な作用機構は不明であるが、複数の分散剤を併用することで、顔料分散液の経時安定性を向上させる上で必要な、「顔料への分散剤の吸着」と、「分散剤が吸着した顔料粒子同士の反発」を同時に満足するようになったものと推測している。複数の分散剤、特に、特定の複数の分散剤を併用することによって、優れた経時安定性が得られたものと推定される。
以下、本発明の水性分散液に使用される各成分について説明する。
本発明の水性顔料分散液は、式1で表されるアゾ顔料及び/又はその互変異性体(特定顔料)を含有する。なお、上記アゾ顔料及び/又はその互変異性体は、その塩、水和物、又は、溶剤和物であってもよい。
特定顔料は、例えば、特開2010−159405号公報に記載の方法で合成することができる。
得られる生成物は通常の有機合成反応の後処理方法に従って処理した後、精製して、又は、精製せずに供することができる。
すなわち、例えば、反応系から遊離したものを精製せずに、又は、再結晶、造塩等にて精製する操作を単独、又は組み合わせて行い、供することができる。
また、反応終了後、水、又は氷にあけ、遊離したもの又は有機溶剤/水溶液にて抽出したものを、精製せずに又は再結晶、晶析、造塩等にて精製する操作を単独又は組み合わせて行った後、供することもできる。なお、水、又は氷にあける際に、反応溶剤を予め留去してもよく、また、留去せずに水、又は氷にあけてもよい。更に、水、又は氷にあけた後、中和してもよく、また、中和しなくてもよい。
ソルベントソルトミリングやソルトミリングに代表される後処理を行うことにより、一次粒子径を小さくすることができる。そのため、顔料粒子をより好ましい形態とするためには、ソルベントソルトミリング、ソルトミリング又はドライミリングを行うことが、分散性及び経時安定性の観点では好ましい。
本発明の水性顔料分散液の製造方法は、このような後処理、特にソルベントソルトミリングやソルトミリングを行わないことが好ましい。本発明の水性顔料分散液の製造方法であれば、このような後処理を行わなくても、保存安定性に十分優れた水性顔料分散剤が得られるため、コストや工程の簡便性の面で優れる。
また、本発明の水性顔料分散液における式1で表されるアゾ顔料は、ソルトミリングしていないものであることが好ましい。
ソルベントソルトミリングとしては、例えば、粗特定顔料と、無機塩と、それを溶解しない有機溶剤とを混練機に仕込み、その中で混練磨砕を行うことが挙げられる。上記無機塩としては、水溶性無機塩が好適に使用でき、例えば塩化ナトリウム、塩化カリウム、硫酸ナトリウム等の無機塩を用いることが好ましい。また、平均粒子径0.5〜50μmの無機塩を用いることがより好ましい。
無機塩の使用量は、粗特定顔料に対して3〜20質量倍とすることが好ましく、5〜15質量倍とすることがより好ましい。有機溶剤としては、水溶性有機溶剤が好適に使用でき、混練時の温度上昇により溶剤が蒸発しやすい状態になるため、安全性の点から高沸点溶剤が好ましい。
上記製造方法によって得られる特定顔料の1次粒子を、透過型顕微鏡で観察した際の長軸方向の長さは、平均値として、0.01μm以上10μm以下であることが好ましく、0.01μm以上3μm以下であることがより好ましく、0.02μm以上0.5μm以下であることが更に好ましく、0.02μm以上0.2μm以下が特に好ましく、0.02μm以上0.15μm以下が最も好ましい。
特定顔料の1次粒子を透過型電子顕微鏡で観察した際の長軸方向の平均長さが0.01μm以上であると、粒子の比表面積が大きくなりすぎず、光やオゾンに対する堅牢性に優れるので好ましい。また、一次粒子の凝集が抑制されて、良好な分散性が得られるので好ましい。一方、10μm以下であると、分散して所望の体積平均粒子径にした場合に、過分散とならず、活性面の露出が抑制され、凝集が抑制される結果、水性顔料分散液の経時安定性に優れるので好ましい。
すなわち、特定顔料の1次粒子の長軸方向の長さが、上記の範囲内ならば、光やオゾンに対して高い堅牢性を示し、分散性に優れ、その水性顔料分散液は経時安定性に優れ、好ましい。
また、本発明の水性顔料分散液は、特定顔料以外の顔料を含有することを排除するものではないが、特定顔料以外の顔料の含有量は、特定顔料の含有量よりも少ないことが好ましい。特定顔料の水性顔料分散液中の含有量を100質量部としたとき、特定顔料以外の顔料の含有量は、100質量部未満であることが好ましく、50質量部以下であることがより好ましく、30質量部以下であることが更に好ましく、5質量部以下であることが特に好ましく、含有しないことが最も好ましい。
なお、顔料粒子の体積平均粒子径とは、顔料そのものの粒子径、又は顔料に分散剤等の添加物が付着している場合には、添加物が付着した粒子径をいう。本発明において、顔料粒子の体積平均粒子径の測定装置には、ナノトラックUPA粒度分析計(UPA−EX150;日機装(株)製)を用いることができる。その測定は、水性顔料分散液3mlを測定セルに入れ、所定の測定方法に従って行うことができる。なお、測定時に入力するパラメーターとしては、粘度にはインク粘度を、分散粒子の密度には顔料の密度を用いる。
本発明の水性顔料分散液は、第一の分散剤、及び、第二の分散剤の少なくとも2種の分散剤を含有する。
本発明において分散剤は低分子及び高分子、更に、水溶性及び水不溶性の中から任意で選択できるが、印画物の画質の観点から、高分子であることが好ましい。更に、水系で分散を行うので、分散性、分散物安定性の観点から、水溶性であることが好ましい。本発明において分散剤は、水溶性高分子であることが特に好ましい。
高分子分散剤は、親水性モノマー、疎水性モノマーの両方を重合して得られた分散剤であることが好ましい。
なお、本発明におけるポリビニル系樹脂とは、エチレン性不飽和モノマーの単独重合体又は共重合体であり、アクリル樹脂やスチレン樹脂等が挙げられる。
カチオン性基も、また、アニオン性基も、分散剤に両性的安定性(amphoteric stabilisation)を与える。
好ましいアニオン性基は、カルボキシル基、フェノール性ヒドロキシ基、スルホン酸基、硫酸基、ホスホン酸基、ポリ燐酸基、燐酸基、及び、これらの塩である。
好ましいカチオン性基は、第四級アンモニウム基、ベンサルコニウム基、グアニジニウム基、ビグアニジニウム基、及び、ピリジニウム基である。これらは水酸化物、硫酸塩、硝酸塩、塩化物、臭化物、ヨウ化物及びフッ化物のような塩の形でもよい。
好ましい非イオン性基は、グルコキシド構造、糖構造、ピロリドン構造、アクリルアミド基、ヒドロキシ基及びポリ(アルキレンオキシド)基であり、より好ましくはポリ(エチレンオキシド)基又はポリ(プロピレンオキシド)基であり、更に好ましくは−(CH2CH2O)nH又は−(CH2CH2O)nC1-4−アルキルである。ここで、nは3〜200(好ましくは4〜20)を表す。また、これ以降、例えばC1-4−の表現は、「炭素数1〜4の」を表す。
ポリマーは非イオン性基のみを、ポリマー全体で複数の非イオン性基を、また、非イオン性基を含む1以上のポリマー鎖を含んでいてもよい。ヒドロキシ基は、例えば、ポリビニルアルコール、ヒドロキシ基を有する(メタ)アクリル化合物及びセルロースを用いて挿入される。エチレンオキシ基はポリエチレンオキシドのようなポリマー鎖を用いて挿入される。
ポリマーは、ホモポリマーでもよいが、好ましくは共重合体(コポリマー)である。ポリマーはランダムポリマー(統計上短いブロック又はセグメント)であってもグラフトポリマー(長いブロック又はセグメント)であってもよい。また、ポリマーは交互(alternating)ポリマーでもよい。ポリマーは分岐していてもよいが、好ましくは直鎖である。ポリマーは2以上のセグメント(例えば、ブロック及びグラフト、コポリマー)を持っていてもよいが好ましくはランダムである。
ポリマーが2以上のセグメントを持つ場合の態様では、少なくとも1つのセグメントは疎水性であり、少なくとも1つのセグメントは互いに関連性の親水性であることが好ましい。疎水性及び親水性セグメントを作製する好ましい方法はそれぞれ疎水性及び親水性モノマーの共重合による。ポリマーが少なくとも1つの疎水性セグメント及び少なくとも1つの親水性セグメントを持つ場合、カルボキシル基は疎水性セグメントにあっても、また親水性セグメントにあっても、また両方のセグメントにあってもよい。
ビニルポリマーは(メタ)アクリレートモノマーを用いる場合が好ましい。
ビニルポリマーは好ましくは共重合体(コポリマー)である。
疎水性モノマー及び親水性モノマーから導かれるコポリマーは好ましくは実質的にセグメントをもたない。例えば、上記コポリマーはセグメント長が非常に短いか存在しないようなフリーラジカル重合によって製造される。かかる場合はしばしば「ランダム」重合と呼ばれる。セグメントを持つコポリマーはリビング重合、特に原子団転移(group transfer)重合、原子転移(atom transfer)重合、マクロモノマー(macromonomer)重合、グラフト重合、アニオン又はカチオン重合のような重合方法によって製造される。好適な親水性ビニルモノマーは非イオン性及びイオン性モノマーである。好ましい非イオン性モノマーは糖類、グルコース化合物、アミド化合物、ピロリドン化合物であり、特にヒドロキシ基及びエトキシ基を持つものである。好ましい非イオン性モノマーの例としては、ヒドロキシエチルアクリレート、ヒドロキシエチルメタクリレート、ビニルピロリドン、エトキシ化された(メタ)アクリレート及び(メタ)アクリルアミドが挙げられる。好適なイオン性ビニルモノマーはカチオン性であってもよい。
好ましいカチオンビニルモノマーは、第四級アンモニウム基、ピリジニウム基、グアニジニウム基又はビグアニジニウム基を含むものである。
好ましい疎水性ビニルモノマーは親水性基を持たない。好ましい疎水性ビニルモノマーとしてはC1-20−ヒドロカルビル(メタ)アクリレート、ブタジエン、スチレン及びビニルナフタレンが挙げられ、C1-20−ヒドロカルビル(メタ)アクリレート(例、メチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、イソボルニルアクリレート、ラウリルアクリレート、ステアリルアクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート)が好ましく、メチルメタクリレート、ベンジルメタクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、フェノキシエチルメタクリレートが特に好ましい。これらのヒドロカルビル基は分岐でもよいが、好ましくは直鎖である。
ポリエステルはジカルボン酸とジオールとのエステル化で製造されることが典型的なものである。
カルボキシル基を有するポリエステルは、例えば、カルボキシル基含有化合物と水酸基含有化合物とを、カルボキシル基が残存するように、溶融法、溶剤法などの公知の方法によって脱水縮合反応を行うことにより製造することができる。
ポリエステルは、一塩基酸、多塩基酸の如きカルボキシル基を有する化合物と、ジオール、ポリオールの如き水酸基を有する化合物とを適宜選択して脱水縮合させて得られるもの等が挙げられ、更に、油脂類又は脂肪酸類を使用したものがアルキッド樹脂となる。
多塩基酸としては、例えば、アジピン酸、(無水)コハク酸、セバシン酸、ダイマー酸、(無水)マレイン酸、(無水)フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、テトラヒドロ(無水)フタル酸、ヘキサヒドロ(無水)フタル酸、ヘキサヒドロテレフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、(無水)トリメリット酸、(無水)ピロメリット酸などが挙げられる。
更に、二塩基酸の一部をジイソシアネート化合物に代えることもできる。
また、カルボキシル基を有するポリエステルは、水酸基を有するポリエステルに、無水マレイン酸、無水フタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、無水トリメリット酸などの無水酸を付加反応せしめる方法によっても製造することができる。
水酸基とカルボキシル基とを有するポリエステルは、例えば、ポリエステル樹脂の脱水縮合反応において、公知の方法に従って、水酸基とカルボキシル基とが残存するように反応させることによって容易に製造することができる。
カルボキシル基を有するポリウレタンは、例えば、カルボキシル基を導入する成分としてのジメチロールプロピオン酸の如きカルボキシル基と水酸基とを有する化合物を含有するポリオール成分と、ポリイソシアネート成分とを反応させることによって、容易に製造することができる。
ポリオール成分としては、ポリエステルの製造方法において掲げたジオール成分のほか、必要に応じて、3官能以上のポリオール化合物を使用することもできる。
ポリイソシアネート成分としては、例えば、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、フェニレンジイソシアネート、1,5−ナフタレンジイソシアネート、メタキシリレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、水添トリレンジイソシアネート、水添4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、水添メタキシリレンジイソシアネート、粗製4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネートの如きジイソシアネート化合物のほか、ポリメチレンポリフェニルイソシアネートの如きポリイソシアネート化合物も使用できる。
ポリウレタンを製造する際の反応系には、ジアミン、ポリアミン、N−メチルジエタノールアミンの如きN−アルキルジアルカノールアミン;ジヒドラジド化合物などの公知の鎖伸長剤も使用できる。
第3級アミノ基とカルボキシル基とを有するポリウレタンは、例えば、ポリオール成分の一部としてN−メチルジエタノールアミンなどのN−アルキルジアルカノールアミンを使用することにより容易に製造することができる。
ブロック化イソシアネート基とカルボキシル基とを有するポリウレタンは、例えば、カルボキシル基と末端イソシアネート基とを有するポリイソシアネートに、公知のブロック剤を付加反応させることによって容易に製造することができる。
エポキシ基とカルボキシル基とを有するポリウレタンは、例えば、カルボキシル基と末端イソシアネート基とを有するポリイソシアネートに、水酸基とエポキシ基とを有する化合物を付加反応させることによって容易に製造することができる。
水酸基とエポキシ基とを有する化合物としては、例えば、グリシドール、グリセリンジグリシジルエーテル、トリメチロールプロパンジグリシジルエーテル、ビスフェノールAのジグリシジルエーテル等が挙げられる。
本発明において、高分子分散剤の重量平均分子量は5,000以上200,000以下であることが好ましく、8,000以上150,000以下であることがより好ましく、10,000以上100,000以下であることが更に好ましい。5,000以上では印画物の画質が優れ好ましい一方、200,000以下では、粘度が高くなるのを抑制でき、更に貯蔵安定性の低下を防ぎ、好ましい。
本発明において、化合物の重量平均分子量の測定方法は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー法によりポリスチレン標準又はポリエチレンオキサイド標準で測定するものとする。なお、高分子分散剤の重量平均分子量としてカタログ値がある場合は、カタログ値を採用することもできる。
本発明において、第一の分散剤は、アミン価が5mgKOH/g以上であり、かつ、アミン価が酸価よりも大きいことが好ましい。また、第二の分散剤は、長鎖脂肪酸塩、又は、酸価が5mgKOH/g以上であり、かつ、酸価がアミン価以上であることが好ましい。
第一の分散剤のアミン価は、7〜150mgKOH/gであることがより好ましく、10〜100mgKOH/gであることが更に好ましい。
また、第一の分散剤のアミン価は、酸価よりも大きいことが好ましく、アミン価と酸価との差(アミン価−酸価)が、3〜100mgKOH/gであることがより好ましく、5〜70mgKOH/gであることが更に好ましく、10〜50mgKOH/gであることが特に好ましい。
群A:EFKA 4510(酸価:17mgKOH/g、アミン価:40mgKOH/g)、EFKA 4560(酸価:0mgKOH/g、アミン価:22mgKOH/g)、EFKA 4580(酸価:0mgKOH/g、アミン価:16mgKOH/g)、EFKA 4585(酸価:0mgKOH/g、アミン価:20mgKOH/g)、EFKA 4800(酸価:0mgKOH/g、アミン価:37mgKOH/g)、EFKA 5071(酸価:80mgKOH/g、アミン価:95mgKOH/g)、EFKA 6220(酸価:20mgKOH/g、アミン価:30mgKOH/g)、DISPERBYK−183(酸価:0mgKOH/g、アミン価:17mgKOH/g)、DISPERBYK−184(酸価:0mgKOH/g、アミン価:14mgKOH/g)
これらの中でも、第一の分散剤としては、EFKA 4560、EFKA 4580、EFKA 4585、EFKA 4800、EFKA 5071、DISPERBYK−183、DISPERBYK−184がより好ましく、EFKA 4560、EFKA 4585、EFKA 4800、DISPERBYK−183、DISPERBYK−184が更に好ましく、EFKA 4560、EFKA 4585、DISPERBYK−184が特に好ましく、EFKA 4585が最も好ましい。
長鎖脂肪酸塩としては、炭素数14〜36の長鎖脂肪酸のアルカリ金属塩であることが好ましく、具体的には、オレイン酸ナトリウム、オレイン酸カリウム、ステアリン酸ナトリウム、ステアリン酸カリウム、パルミチン酸ナトリウム、パルミチン酸カリウム、等が例示される。これらの中でも、オレイン酸ナトリウム及びステイリン酸ナトリウムが好ましく例示される。
また、酸価がアミン価以上であることが好ましく、酸価とアミン価との差(酸価−アミン価)は、0〜200mgKOH/gであることが好ましく、0〜150mgKOH/gであることがより好ましく、0〜100mgKOH/gであることが更に好ましい。
群B:DISPERBYK−181(酸価:30mgKOH/g、アミン価:0mgKOH/g)、DISPERBYK−180(酸価:95mgKOH/g、アミン価:95mgKOH/g)、DISPERBYK−187(酸価:35mgKOH/g、アミン価:35mgKOH/g)、DISPERBYK−190(酸価:10mgKOH/g、アミン価:0mgKOH/g)、DISPERBYK−194(酸価:70mgKOH/g、アミン価:0mgKOH/g)、DISPERBYK−2090(酸価:60mgKOH/g、アミン価:0mgKOH/g)、DISPERBYK−2091(酸価:15mgKOH/g、アミン価:0mgKOH/g)、EFKA 4520(酸価:6mgKOH/g、アミン価:6mgKOH/g)、EFKA 6225(酸価:50mgKOH/g、アミン価:40mgKOH/g)、長鎖脂肪酸塩
これらの中でも、第二の分散剤としては、DISPERBYK−181、DISPERBYK−180、DISPERBYK−187、DISPERBYK−190、DISPERBYK−2090、EFKA 6225がより好ましく、DISPERBYK−181、DISPERBYK−187、DISPERBYK−190、DISPERBYK−2090、EFKA 6225が更に好ましく、DISPERBYK−181、DISPERBYK−187、DISPERBYK−2090、EFKA 6225が特に好ましく、DISPERBYK−181が最も好ましい。
第一の分散剤と第二の分散剤との質量比が上記範囲内であると、経時安定性に優れるので好ましい。
なお、本発明において、分散剤は2種類の併用に限定されるものではなく、第一の分散剤及び第二の分散剤に加え、水性顔料分散液が第三の分散剤等の他の分散剤を含有していてもよい。なお、上記のアミン価及び酸価等の要件を満たす第一の分散剤と、アミン価及び酸価等の要件を満たす、又は、長鎖脂肪酸塩である第二の分散剤の含有量の合計は、分散剤全体の50質量%以上であることが好ましく、70質量%以上であることがより好ましく、90質量%以上であることが更に好ましい。
分散剤の合計含有量は、特定顔料100質量部に対して10〜80質量部の範囲であることが好ましく、より好ましくは20〜75質量部の範囲であり、更に好ましくは30〜70質量部の範囲である。また、分散剤は、単独で用いても、複数のものを組み合わせて用いてもよい。
分散剤の含有量が10質量部以上であると、分散剤の量が特定顔料に対して十分であり、経時安定性に優れる。一方、80質量部以下であると、粘度の上昇が抑制され、更に経時安定性に優れる。
上記水性顔料分散液中の着色剤の含有量をP、分散剤の含有量をDとし、含有量Dと含有量Pとの比をD/P値としたときに、D/P値が0.1以上0.8以下であることが好ましく、0.2以上0.75以下であることがより好ましく、0.3以上0.7以下であることが更に好ましい。
分散剤は水不溶性、水溶性のどちらでもよいが、水への溶解性として、1g/100mL以上であることが好ましく、より好ましくは、3g/100mL以上であり、更に好ましくは5g/100mL以上である。
水への溶解性が1g/100mL以上であると、水への溶解性に優れ、特定顔料への吸着性に優れ、良好な分散性が得られる。
本発明の水性顔料分散液は、分散媒として水を含有する。
分散媒としては、例えば、イオン交換水、限外ろ過水、逆浸透水、蒸留水等の純水や超純水が好ましい。更に、カビやバクテリア等の発生を防ぐ目的で紫外線処理、過酸化水素水処理等により滅菌された水を用いることも好ましい。
併用する有機溶剤は、水溶性有機溶剤であることが好ましく、エタノール、メタノール、ブタノール、プロパノール、イソプロパノール等の炭素数1〜4のアルキルアルコール類、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノ−nプロピルエーテル、エチレングリコールモノ−iso−プロピルエーテル、ジエチレングリコールモノ−iso−プロピルエーテル、エチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、エチレングリコールモノ−t−ブチルエーテル、ジエチレングリコールモノ−t−ブチルエーテル、1−メチル−1−メトキシブタノール、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノ−n−プロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノ−iso−プロピルエーテル等のグリコールエーテル類、2−ピロリドン、ホルムアミド、アセトアミド、ジメチルスルホキシド、ソルビット、ソルビタン、アセチン、ジアセチン、トリアセチン、スルホラン等が挙げられる。これらは1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
<防腐剤>
防腐剤について説明する。本発明において、防腐剤とは微生物、特に細菌・真菌(カビ)の発生、発育を防止する機能を有するものをいう。
本発明に使用可能な防腐剤としては、種々のものが挙げられる。
防腐剤としては、重金属イオンを含有する無機物系の防腐剤(銀イオン含有物など)や塩類をまず挙げることができる。有機系の防腐剤としては、第4級アンモニウム塩(テトラブチルアンモニウムクロリド、セチルピリジニウムクロリド、ベンジルトリメチルアンモニウムクロリド等)、フェノール誘導体(フェノール、クレゾール、ブチルフェノール、キシレノール、ビスフェノール等)、フェノキシエーテル誘導体(フェノキシエタノール等)、ヘテロ環化合物(ベンゾトリアゾール、プロキセル(PROXEL)、1,2−ベンゾイソチアゾリン−3−オン等)、酸アミド類、カルバミン酸、カルバメート類、アミジン・グアニジン類、ピリジン類(ナトリウムピリジンチオン−1−オキシド等)、ジアジン類、トリアジン類、ピロール・イミダゾール類、オキサゾール・オキサジン類、チアゾール・チアジアジン類、チオ尿素類、チオセミカルバジド類、ジチオカルバメート類、スルフィド類、スルホキシド類、スルホン類、スルファミド類、抗生物質類(ペニシリン、テトラサイクリン等)、デヒドロ酢酸ナトリウム、安息香酸ナトリウム、p−ヒドロキシ安息香酸エチルエステル、及びその塩など種々のものが使用可能である。また、防腐剤としては防菌防黴ハンドブック(技報堂:1986)、防菌防黴剤事典(日本防菌防黴学会事典編集委員会編)等に記載のものも使用し得る。
防腐剤としてはフェノール誘導体、又は、複素環化合物が好ましく、複素環化合物がより好ましい。
複素環化合物としては、チアゾール系化合物又はベンズトリアゾール系化合物であることが好ましい。チアゾール系化合物は、防腐剤の中でも、特に防黴剤として機能する。チアゾール系化合物としては、ベンズイソチアゾリン、イソチアゾリン、1,2−ベンズイソチアゾリン−3−オン、5−クロロ−2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オン、2−(チオシアノメチルチオ)ベンズチアゾール、2−メルカプトベンズチアゾール及び3−アリルオキシ−1,2−ベンズイソチアゾール−1,1−オキシド等を挙げることができる。また、チアゾール系防黴剤としてアーチ・ケミカルズ(株)より製造販売されているProxel(商標)シリーズ(BDN,BD20,GXL,LV,XL2及びUltra10等)を使用することもできる。
防腐剤が、複素環化合物、フェノール誘導体、フェノキシエーテル誘導体、及びアルカンジオール類からなる群より選ばれる少なくとも1種であることが好ましく、少なくとも1種の防腐剤が、複素環化合物であることがより好ましい。
防腐剤が複素環化合物であり、上記複素環化合物がチアゾール系化合物又はベンゾトリアゾール系化合物であることが更に好ましい。
本発明において、水性顔料分散液は、多価金属イオンを含有してもよい。
本発明でいう多価金属イオンとしては、例えばFe3+、Fe2+、Mg2+、Ca2+、Sr2+、Ba2+、Cd2+、Ni2+、Zn2+、Cu2+、Co2+、Pb2+、Mn2+、Al3+、Cr3+、Sn4+などを挙げることができる。
水性顔料分散液中の多価金属イオンの含有量は、それぞれ10ppm以下であることが好ましい。より好ましくは、0.001〜5ppmである。水性顔料分散液中の多価金属イオンの含有量を、上記で規定した量とすることにより、本発明の水性顔料分散液中の顔料及び/又は分散剤は、凝集による粗大粒子の増大を抑制することができる。
本発明の水性顔料分散液の製造方法は、工程b:特定顔料、第一の分散剤、及び、第二の分散剤を水中に分散して水性顔料分散液を得る工程を含む。また、工程bに先立ち、工程a:特定顔料、第一の分散剤、第二の分散剤、並びに、水を混合する工程を有することが好ましい。また、工程bの後に、更に、工程c:得られた水性顔料分散液を加熱処理する工程を有することが好ましい。
また、本発明の水性顔料分散液は、上記工程bを経て製造された水性顔料分散液であり、更に、上記工程bに先立ち、工程aを経て製造された水性顔料分散液であることが好ましく、また、工程bの後に、上記工程cを経て製造された水性顔料分散液であることが好ましい。
以下、それぞれの工程について説明する。
本発明の水性顔料分散液の製造方法は、工程a:式1で表されるアゾ顔料及び/又はその互変異性体、第一の分散剤、第二の分散剤、並びに、水を混合して混合液を得る混合工程(以下、単に混合工程ともいう。)を有することが好ましい。予め液体媒体と混合し、顔料の凝集体が濡れることによって、分散されていない粗大粒子が残存することなく、均一に分散できるからである。
なお、本発明において、例えば、特定顔料、第一の分散剤、及び、水を混合して混合液を作製した後、分散機に上記混合液と第二の分散剤を添加して分散するなど、特定顔料、第一の分散剤、第二の分散剤、並びに、水を混合して混合液を得る工程を経ずに、水性顔料分散液を得てもよい。
上記混合工程において使用する混合装置としては、公知の撹拌機等から適宜選択すればよく、特に限定されない。また、スターラー等を用いて撹拌してもよい。
また、混合温度は特に限定されないが、15〜60℃であることが好ましく、20〜50℃であることがより好ましく、20〜40℃であることが更に好ましい。
本発明の水性顔料分散液の製造方法は、工程b:式1で表されるアゾ顔料及び/又はその互変異性体(特定顔料)、第一の分散剤、並びに、第二の分散剤を水中に分散して水性顔料分散液を得る工程(以下、単に分散工程ともいう。)を含有する。
上記分散工程は、公知の方法や分散装置などを利用して行うことができ、特に限定されない。分散工程は、例えば、ミル方式(例えば、コロイドミル、ボールミル、サンドミル、ビーズミル、アトライター、ロールミル、ジェットミル、ペイントシェイカー、アジテーターミル等)、超音波方式(超音波ホモジナイザー)、高圧乳化分散方式(高圧ホモジナイザー;具体的な市販装置としてはゴーリンホモジナイザー、マイクロフルイダイザー、DeBEE2000等)、高速撹拌型分散機等を使用することができる。
これらの中でも、ミル方式であることが好ましく、媒体分散方式(コロイドミル、ボールミル、サンドミル、ビーズミル等)であることが更に好ましい。
なお、本発明の水性顔料分散液の製造方法はこれに限定されず、特定顔料、第一の分散剤、第二の分散剤、及び、水を、直接分散機に導入してもよく、また、特定顔料、第一の分散剤、水を混合して第一の混合液を調製し、第二の分散剤及び水を混合して第二の混合液を調製し、分散機に第一の混合液と、第二の混合液とを導入して、分散処理を行ってもよい。本発明において、分散処理を行う際に、特定顔料、第一の分散剤、第二の分散剤及び水が存在していれば、分散機への導入順序や、混合の有無は特に限定されない。
分散工程では、特定顔料の体積平均粒子径が所望の範囲となるように、分散することが好ましい。
本発明の水性顔料分散液の製造方法は、上記工程bの後に、更に、工程c:水性顔料分散液を加熱処理する工程(以下、単に加熱処理工程ともいう。)を有することが好ましい。
加熱処理工程を有することにより、水性顔料分散液中の黴等の微生物を減少させることができ、より保存安定性に優れた水性顔料分散液が得られる。
加熱工程における加熱温度としては、40℃以上100℃以下が好ましく、50℃以上85℃以下がより好ましく、60℃以上80℃以下が更に好ましい。
加熱時間としては、5分以上が好ましく、5分以上24時間以内がより好ましく、30分以上12時間以内が更に好ましい。
本発明の水性顔料分散液の製造方法は、水性顔料分散液のpHを調整するpH調整工程を含んでいてもよい。pHを特定の値に調整することにより、保存安定性に優れた水性顔料分散液が得られる。
pH調整工程は、工程a及び工程bの後であれば所望のタイミングで行えばよいが、工程bと工程cとの間、又は、工程cの後に行うことが好ましく、工程cの後に行うことがより好ましい。
また、本発明の水性顔料分散液の製造方法は、工程b、後述する脱イオン工程、pH調整工程、及び、工程cの順で行うか、又は、工程b、工程c、後述する脱イオン工程、及び、pH調整工程の順で行うことが好ましく、工程b、工程c、後述する脱イオン工程、及び、pH調整工程の順で行うことが特に好ましい。
pH調整剤としては、調合される記録用インクに悪影響を及ぼさずにpHを所望の値に調整できるものであれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、アルコールアミン類(例えば、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、トリイソプロパノールアミン、2−アミノ−2−エチル−1,3−プロパンジオールなど)、アルカリ金属水酸化物(例えば、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなど)、アンモニウム水酸化物(例えば、水酸化アンモニウム、第四級アンモニウム水酸化物)、ホスホニウム水酸化物、アルカリ金属炭酸塩などが挙げられる。
水性顔料分散液のpHとしては、保存安定性の観点から、6〜11とすることが好ましく、7〜10とすることが特に好ましい。
本発明でいう殺菌とは、殺菌作用のある操作を意味し、例えば、UV等の光照射、アルコール等の殺菌効果を有する添加剤の添加が挙げられる。その中でも。光照射が好ましい。
殺菌工程を有することにより、細菌等からの老廃物の発生を防ぎ、より保存安定性に優れた水性顔料分散液が得られる。
光照射時間は特に限定されないが、1分〜2時間であることが好ましく、3分〜1時間30分であることがより好ましく、5分〜1時間であることが更に好ましい。
本発明の水性顔料分散液の製造方法は、イオン成分を少なくとも一部除去する脱イオン工程を含んでいてもよい。特定顔料や分散剤に不純物として含まれるイオン成分を除去することにより、保存安定性に優れた水性顔料分散液を得られる。
脱イオン工程は、所望のタイミングで行えばよいが、工程bと工程cとの間、又は、工程cの後に行うことが好ましく、工程cの後に行うことがより好ましい。
イオン成分を除去する方法としては、限外ろ過、ナノろ過等の膜分離法によるものや、イオン交換樹脂を加えて処理する方法等が挙げられる。
本発明の水性顔料分散液の製造方法は、遠心分離工程を有していてもよい。遠心分離操作により粗大粒子を除去することができる。
遠心分離工程を行うのは、顔料を分散した後(工程bの後)であれば特に限定されないが、後述するろ過工程前であることが好ましい。ろ過工程前に遠心分離工程を有することにより、粗大粒子が目詰まりを起こしてろ過性が低下することを抑制できる。
遠心分離する際の遠心力としては、500G〜50,000Gが好ましく、700G〜20,000Gがより好ましく、1,000G〜15,000Gが更に好ましい。500G以上であると、粗大粒子が沈降するため好ましく、50,000G以下であると、分散している顔料粒子の沈降が抑制されるので好ましい。
本発明の水性顔料分散液の製造方法は、ろ過工程を有していてもよい。
ろ過により粗大粒子を除去することができる。ろ過工程を行うのは、顔料を分散した後(工程bの後)であれば特に限定されないが、防腐剤を添加した後、又は、顔料分散液を完成させる最後の工程として行うことが好ましい。
特に、加熱工程を有する場合には、顔料分散物の一部が乾燥、あるいは熟成されて、粗大粒子が沈降していることがあるからである。
用いることのできるフィルターとしては、ろ過を行うことができれば特に限定されないが、ろ布、ろ紙、メンブレンが好ましい。孔径としては、0.1mm以下が好ましく、10μm以下がより好ましく、5μm以下が更に好ましく、1μm以下が特に好ましい。
本発明の着色組成物は、上記した本発明の水性顔料分散液を含有する。
本発明の着色組成物は、必要に応じてその他の添加剤を、本発明の効果を害しない範囲内において含有し得る。その他の添加剤としては、例えば、乾燥防止剤(湿潤剤)、褪色防止剤、乳化安定剤、浸透促進剤、紫外線吸収剤、防黴剤、pH調整剤、表面張力調整剤、消泡剤、粘度調整剤、分散剤、分散安定剤、防錆剤、キレート剤等の公知の添加剤(特開2003−306623号公報に記載)が挙げられる。これらの各種添加剤は、水溶性インクの場合にはインク液に直接添加する。
本発明のインク組成物は、本発明の水性顔料分散液を含有する。インク組成物としては、特に限定されず、上述した着色組成物を適宜インク用途に使用すればよい。具体的には、グラビアインキ、フレキソインキ等の水性インキ、水性ボールペン、万年筆、水性サインペン、水性マーカー等の筆記具用インキ、バブルジェット(登録商標)方式、サーマルジェット方式、ピエゾ方式等のオンデマンドタイプのインクジェットプリンター用のインクとして使用することができる。
これらの中でも、本発明のインク組成物は、インクジェット記録用インク組成物として好適である。
・EFKA 4560(ビーエーエスエフ社製、酸価:0mgKOH/g、アミン価:22mgKOH/g、固形分40質量%)
・EFKA 4580(ビーエーエスエフ社製、酸価:0mgKOH/g、アミン価:16mgKOH/g、固形分40質量%)
・EFKA 4585(ビーエーエスエフ社製、酸価:0mgKOH/g、アミン価:20mgKOH/g、固形分50質量%)
・EFKA 5071(ビーエーエスエフ社製、酸価:80mgKOH/g、アミン価:95mgKOH/g、固形分53質量%)
・DISPERBYK−184(ビックケミー社製、酸価:0mgKOH/g、アミン価:14mgKOH/g、固形分52質量%)
・DISPERBYK−181(ビックケミー社製、酸価:30mgKOH/g、アミン価:0mgKOH/g、固形分63質量%)
・DISPERBYK−180(ビックケミー社製、酸価:95mgKOH/g、アミン価:95mgKOH/g、固形分79質量%)
・DISPERBYK−187(ビックケミー社製、酸価:35mgKOH/g、アミン価:35mgKOH/g、固形分70質量%)
・DISPERBYK−190(ビックケミー社製、酸価:10mgKOH/g、アミン価:0mgKOH/g、固形分40質量%)
・DISPERBYK−2090(ビックケミー社製、酸価:60mgKOH/g、アミン価:0mgKOH/g、固形分81質量%)
・SOLSEPERSE27000(日本ルーブリゾール(株)製、OH価:1,005mgKOH/g)
・オレイン酸ナトリウム(和光純薬工業(株)製)
<顔料分散液1の製造>
アゾ顔料(1)を10.0部、ビーエーエスエフ社製EFKA 4585(固形分濃度:50質量%)を5.0部、ビックケミー社製DISPERBYK−181(固形分濃度:63質量%)を4.0部、水75.5部を混合し、直径0.1mmのジルコニアビーズ375部とともにサンドグラインダミルTSG1(アイメックス社製)を用いて毎分1,500回転、45℃で分散を行った。体積平均粒子径Mvが100nm以下となるまで分散を行った後、ジルコニアビーズを分離し、顔料濃度9.8%の顔料分散液1を85部得た。なお、顔料濃度は質量%であり、以下同様である。
アゾ顔料(1)を10.0部、ビーエーエスエフ社製EFKA 4585(固形分濃度:50質量%)を5.0部、ビックケミー社製DISPERBYK−181(固形分濃度:63質量%)を1.0部、水84.0部を混合し、直径0.1mmのジルコニアビーズ375部とともにサンドグラインダミルTSG1(アイメックス社製)を用いて毎分1,500回転、45℃で分散を行った。体積平均粒子径Mvが100nm以下となるまで分散を行った後、ジルコニアビーズを分離し、顔料濃度10.1%の顔料分散液2を92部得た。
アゾ顔料(1)を10.0部、ビーエーエスエフ社製EFKA 4585(固形分濃度:50質量%)を4.5部、ビックケミー社製DISPERBYK−181(固形分濃度:63質量%)を1.0部、水84.5部を混合し、直径0.1mmのジルコニアビーズ375部とともにサンドグラインダミルTSG1(アイメックス社製)を用いて毎分1,500回転、45℃で分散を行った。体積平均粒子径Mvが100nm以下となるまで分散を行った後、ジルコニアビーズを分離し、顔料濃度10.2%の顔料分散液3を89部得た。
アゾ顔料(1)を10.0部、ビーエーエスエフ社製EFKA 4585(固形分濃度:50質量%)を4.0部、ビックケミー社製DISPERBYK−181(固形分濃度:63質量%)を1.5部、水84.5部を混合し、直径0.1mmのジルコニアビーズ375部とともにサンドグラインダミルTSG1(アイメックス社製)を用いて毎分1,500回転、45℃で分散を行った。体積平均粒子径Mvが100nm以下となるまで分散を行った後、ジルコニアビーズを分離し、顔料濃度10.0%の顔料分散液4を87部得た。
アゾ顔料(1)を10.0部、ビーエーエスエフ社製EFKA 4585(固形分濃度:50質量%)を5.0部、ビックケミー社製DISPERBYK−180(固形分濃度:79質量%)を3.2部、水80.0部を混合し、直径0.1mmのジルコニアビーズ375部とともにサンドグラインダミルTSG1(アイメックス社製)を用いて毎分1,500回転、45℃で分散を行った。体積平均粒子径Mvが100nm以下となるまで分散を行った後、ジルコニアビーズを分離し、顔料濃度10.1%の顔料分散液5を81部得た。
アゾ顔料(1)を10.0部、ビーエーエスエフ社製EFKA 4585(固形分濃度:50質量%)を6.0部、ビーエーエスエフ社製EFKA 5071(固形分濃度:53質量%)を1.9部、水81.5部を混合し、直径0.1mmのジルコニアビーズ375部とともにサンドグラインダミルTSG1(アイメックス社製)を用いて毎分1,500回転、45℃で分散を行った。体積平均粒子径Mvが100nm以下となるまで分散を行った後、ジルコニアビーズを分離し、顔料濃度10.0%の顔料分散液6を83部得た。
アゾ顔料(1)を10.0部、ビーエーエスエフ社製EFKA 4585(固形分濃度:50質量%)を4.0部、ビックケミー社製DISPERBYK−187(固形分濃度:70質量%)を2.9部、水84.1部を混合し、直径0.1mmのジルコニアビーズ375部とともにサンドグラインダミルTSG1(アイメックス社製)を用いて毎分1,500回転、45℃で分散を行った。体積平均粒子径Mvが100nm以下となるまで分散を行った後、ジルコニアビーズを分離し、顔料濃度9.9%の顔料分散液7を89部得た。
同様にして、以下の表1記載のように分散剤を組み合わせて顔料分散液8〜16を作製した。
顔料分散液1を60℃1時間加熱し、顔料分散液17を得た。
80部の顔料分散液2に対し、イオン交換樹脂(オルガノ(株)製アンバーライトMB−2)4部を加えて約4時間撹拌した後、イオン交換樹脂を除去した。その後、トリイソプロパノールアミン(和光純薬工業(株)製)を加えてpHを9.0に調整して顔料分散液18を得た。
80部の顔料分散液9に対し、イオン交換樹脂(オルガノ(株)製アンバーライトMB−2)4部を加えて約4時間撹拌した後、イオン交換樹脂を除去した。その後、トリイソプロパノールアミン(和光純薬工業(株)製)を加えてpHを9.0に調整して顔料分散液19を得た。
アゾ顔料(1)を10部、オレイン酸ナトリウムを3部、グリセリン10部、水77部を混合し、直径0.1mmのジルコニアビーズ375部とともにサンドグラインダミルTSG1(アイメックス社製)を用いて毎分1,500回転、45℃で分散を行った。体積平均粒子径Mvが100nm以下となるまで分散を行った後、ジルコニアビーズを分離し、顔料濃度9.9%の比較顔料分散液1を78部得た。
顔料分散液1の製造において、アゾ顔料(1)をピグメントイエロー(P.Y.)74に替えて同様にして比較顔料分散液2を得た。
アゾ顔料(1)を10.0部、ビーエーエスエフ社製EFKA 4585(固形分濃度:50質量%)を10.0部、水45.0部を混合し、直径0.1mmのジルコニアビーズ375部とともにサンドグラインダミルTSG1(アイメックス社製)を用いて毎分1,500回転、45℃で分散を行った。体積平均粒子径Mvが100nm以下となるまで分散を行った後、ジルコニアビーズを分離し、顔料濃度15.2%の比較顔料分散液3を51部得た。
アゾ顔料(1)を10.0部、ビックケミー社製DISPERBYK−181(固形分濃度:63質量%)を7.9部、水47.2部を混合し、直径0.1mmのジルコニアビーズ375部とともにサンドグラインダミルTSG1(アイメックス社製)を用いて毎分1,500回転、45℃で分散を行った。体積平均粒子径Mvが100nm以下となるまで分散を行った後、ジルコニアビーズを分離し、顔料濃度15.1%の比較顔料分散液4を57部得た。
アゾ顔料(1)を10.0部、ビックケミー社製DISPERBYK−180(固形分濃度:79質量%)を6.3部、水50.0部を混合し、直径0.1mmのジルコニアビーズ375部とともにサンドグラインダミルTSG1(アイメックス社製)を用いて毎分1,500回転、45℃で分散を行った。体積平均粒子径Mvが100nm以下となるまで分散を行った後、ジルコニアビーズを分離し、顔料濃度14.9%の比較顔料分散液5を59部得た。
アゾ顔料(1)を10.0部、ビックケミー社製DISPERBYK−184(固形分濃度:52質量%)を9.6部、水46.0部を混合し、直径0.1mmのジルコニアビーズ375部とともにサンドグラインダミルTSG1(アイメックス社製)を用いて毎分1,500回転、45℃で分散を行った。体積平均粒子径Mvが100nm以下となるまで分散を行った後、ジルコニアビーズを分離し、顔料濃度15.1%の比較顔料分散液6を59部得た。
アゾ顔料(1)を10.0部、ビーエーエスエフ社製EFKA 5071(固形分濃度:53質量%)を9.4部、水45.1部を混合し、直径0.1mmのジルコニアビーズ375部とともにサンドグラインダミルTSG1(アイメックス社製)を用いて毎分1,500回転、45℃で分散を行った。体積平均粒子径Mvが100nm以下となるまで分散を行った後、ジルコニアビーズを分離し、顔料濃度15.4%の比較顔料分散液7を53部得た。
アゾ顔料(1)を10.0部、ビックケミー社製DISPERBYK−2090(固形分濃度:81質量%)を6.2部、水48.3部を混合し、直径0.1mmのジルコニアビーズ375部とともにサンドグラインダミルTSG1(アイメックス社製)を用いて毎分1,500回転、45℃で分散を行った。体積平均粒子径Mvが100nm以下となるまで分散を行った後、ジルコニアビーズを分離し、顔料濃度15.3%の比較顔料分散液8を55部得た。
アゾ顔料(1)を10.0部、ビックケミー社製DISPERBYK−190(固形分濃度:40質量%)を12.5部、水42.9部を混合し、直径0.1mmのジルコニアビーズ375部とともにサンドグラインダミルTSG1(アイメックス社製)を用いて毎分1,500回転、45℃で分散を行った。体積平均粒子径Mvが100nm以下となるまで分散を行った後、ジルコニアビーズを分離し、顔料濃度15.1%の比較顔料分散液9を58部得た。
<顔料インクIの調製>
上記実施例の顔料分散液1〜19、及び比較例の顔料分散液1〜9をそれぞれ総質量が10.88部で顔料濃度が6.90%となるように水を添加し、そこに、2−ピロリジノン0.45部、グリセロール2.25部、1,2−ヘキサンジオール0.60部、エチレングリコール0.75部、サーフィノール465 0.08部の混合溶液を加え、十分に撹拌し、顔料濃度5質量%の顔料インクI−1〜I−19、及び比較顔料インクI−1〜I−9を得た。
上記実施例の顔料分散液1〜19、及び比較例の顔料分散液1〜9をそれぞれ総質量が11.15部で顔料濃度が6.73%となるように水を添加し、そこに、トリエチレングリコールモノブチルエーテル1.50部、エチレングリコール2.25部、サーフィノール485 0.11部の混合溶液を加え、十分に撹拌し、顔料濃度5質量%の顔料インクII−1〜II−19、及び比較顔料インクII−1〜II−9を得た。
<保存安定性>
上記の顔料分散液1〜19、及び比較例の顔料分散液1〜9、顔料インクI−1〜I−19、比較顔料インクI−1〜I−9、顔料インクII−1〜II−19、及び比較顔料インクII−1〜II−9をそれぞれ60℃にて4週間静置した。
〔粘度〕
4週間静置した顔料分散液及び顔料インクの粘度を測定し(東機産業(株)製RE80L型粘度計を用いて、25℃、100rpmの条件で測定)、変化率が5%以内のものをA、変化率が5%を超えて10%未満のものをB、変化率が10%以上15%未満のものをC、変化率が15%以上のものをDとして評価した。
4週間静置した顔料分散液及び顔料インクの表面張力を測定し(自動表面張力計 CBVP−A3を用いて25℃にて測定)、変化率が5%以内のものをA、変化率が5%を超えて10%未満のものをB、変化率が10%以上15%未満のものをC、変化率が15%以上のものをDとして評価した。
4週間静置前後の顔料分散液及び顔料インクの体積平均粒子径を測定し(日機装(株)製Nanotrac150(UPA−EX150)を用いて測定)、4週間静置前後における体積平均粒子径の変化率が10%以内のものをA、変化率が10%を超えて15%未満のものをB、変化率が15%以上20%未満のものをC、変化率が20%以上のものをDとして評価した。
上記水系インクをイエローインクとし、市販のセイコーエプソン(株)製のインクジェットプリンター(型番:PX−V630)を用い、富士フイルム(株)製写真紙(画彩)にODが1.0になるように印画し、アトラス社製ウェザーメーターを用いて画像にキセノン光(10万ルックス)を2週間照射した。試験前後のODをX−rite310にて測定し、ODの残存率を求め評価した。残存率が90%以上をA、残存率が90%未満80%以上をB、残存率が80%未満をCとして評価した。
得られたアゾ顔料(1)を、ソルトミリングを行い、一次粒子の長軸方向の長さが0.03μmの微細アゾ顔料(1)を得た。ソルトミリングは以下の方法にて行った。
以下の組成となるように、スーパーミキサーにアゾ顔料(1)及び食塩を投入して混合した。スーパーミキサーを回転させながらジエチレングリコールを少しずつ添加して混合物(以下、「予備混合物」ということがある。)を調製した。
・アゾ顔料(1):150部
・食塩(赤穂化成(株)製、オシオミクロンT−0):1,500部
・ジエチレングリコール:300部
続いて、連続式1軸混練機(浅田鉄工(株)製、ミラクルKCK−L)の磨砕部及び押し出し部の5箇所の温度を15〜20℃に、軸回転数50rpmに設定し、上記で得られた予備混合物を投入し、混練物を得た。この時、電流値(負荷)は約4Aで、吐出量は50g/分、吐出物の温度は16℃であった。
こうして得られた混練物を1%希塩酸5,000部へ投入して撹拌処理を行った後、ろ過及び十分に水洗をして食塩及びジエチレングリコールを除去し、乾燥した。
顔料分散液の製造において、アゾ顔料(1)の代わりに、微細アゾ顔料(1)を用いて、同様にして表3に記載のように顔料分散液101〜110を作製した。
80部の顔料分散液102に対し、イオン交換樹脂(オルガノ(株)製アンバーライトMB−2)4部を加えて約4時間撹拌した後、イオン交換樹脂を除去し、その後トリイソプロパノールアミン(和光純薬工業(株)製)を加えてpHを9.0に調整した。
上記顔料分散液1を用いた顔料インクI及び顔料インクIIと同様にして、顔料分散液101〜顔料分散液111を用いて顔料インクI−101〜I−111、及び、顔料インクII−101〜II−111をそれぞれ調製した。
上記の顔料インクI−1及び顔料インクII−1と同様にして、顔料分散液101〜111、顔料インクI−101〜111、及び、顔料インクII−101〜II−111を用いて、保存安定性を評価した。また、顔料インクI−101〜111、及び、顔料インクII−101〜II−111を用いて、画像堅牢性を評価した。
結果を以下の表4に示す。
Claims (12)
- 少なくとも式1で表されるアゾ顔料及び/又はその互変異性体と、第一の高分子分散剤と、第二の高分子分散剤と、水とを含有し、
第一の高分子分散剤が、アミン価が5mgKOH/g以上であり、かつ、アミン価が酸価よりも大きく、
第二の高分子分散剤が、酸価が5mgKOH/g以上であり、かつ、酸価がアミン価以上であり、
下記の工程bを経て得られることを特徴とする
水性顔料分散液。
工程b:式1で表されるアゾ顔料及び/又はその互変異性体、第一の高分子分散剤、並びに、第二の高分子分散剤を水中に分散して水性顔料分散液を得る工程
- 第一の高分子分散剤及び第二の高分子分散剤の重量平均分子量が共に5,000以上200,000以下である、請求項1に記載の水性顔料分散液。
- 工程bの後に、更に、工程c:水性顔料分散液を加熱処理する工程を経て得られる、請求項1又は2に記載の水性顔料分散液。
- 式1で表されるアゾ顔料及び/又はその互変異性体の合計含有量100質量部に対して、分散剤を合計して10〜80質量部含有する、請求項1〜3のいずれか1項に記載の水性顔料分散液。
- 式1で表されるアゾ顔料及び/又はその互変異性体が、ソルトミリング処理されていない、請求項1〜4のいずれか1項に記載の水性顔料分散液。
- 少なくとも下記の工程bを有することを特徴とする水性顔料分散液の製造方法。
工程b:式1で表されるアゾ顔料及び/又はその互変異性体、アミン価が5mgKOH/g以上であり、かつ、アミン価が酸価よりも大きい第一の高分子分散剤、並びに、酸価が5mgKOH/g以上であり、かつ、酸価がアミン価以上である第二の高分子分散剤を水中に分散して水性顔料分散液を得る工程
- 工程bに先立ち、工程a:式1で表されるアゾ顔料及び/又はその互変異性体、アミン価が5mgKOH/g以上であり、かつ、アミン価が酸価よりも大きい第一の高分子分散剤、酸価が5mgKOH/g以上であり、かつ、酸価がアミン価以上である第二の高分子分散剤、並びに、水を混合する工程を有する、請求項6に記載の水性顔料分散液の製造方法。
- 工程bの後に、更に、工程c:水性顔料分散液を加熱処理する工程を有する、請求項6又は7に記載の水性顔料分散液の製造方法。
- 請求項1〜5のいずれか1項に記載の水性顔料分散液を含有する、着色組成物。
- 請求項1〜5のいずれか1項に記載の水性顔料分散液を含有する、インク組成物。
- インクジェット記録用インク組成物である、請求項10に記載のインク組成物。
- 請求項11に記載のインクジェット記録用インク組成物を記録媒体上に吐出する工程を含む、インクジェット記録方法。
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