JP2016069630A - 水性顔料分散液及びその製造方法、着色組成物、インク組成物、並びに、インクジェット記録方法 - Google Patents

水性顔料分散液及びその製造方法、着色組成物、インク組成物、並びに、インクジェット記録方法 Download PDF

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美彰 永田
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Keiichi Tateishi
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Abstract

【課題】保存安定性に優れる水性顔料分散液及びその製造方法、並びに、上記水性顔料分散液を用いた着色組成物、インク組成物及びインクジェット記録方法を提供すること。
【解決手段】工程Aとして、式1で表されるアゾ顔料又はその互変異性体、第一の分散剤及び水を混合し、混合物を作製する工程、工程Bとして、前記混合物を分散機で分散し、水性顔料分散液Aを得る工程、並びに、工程Cとして、工程Bで得られた水性顔料分散液Aに第二の分散剤を添加し、水性顔料分散液を得る工程、をこの順で含むことを特徴とする水性顔料分散液の製造方法。
Figure 2016069630

【選択図】なし

Description

本発明は、水性顔料分散液及びその製造方法、着色組成物、インク組成物、並びに、インクジェット記録方法に関する。
近年、画像記録材料としては、特にカラー画像を形成するための材料が主流であり、具体的には、インクジェット方式の記録材料、感熱転写方式の記録材料、電子写真方式の記録材料、転写式ハロゲン化銀感光材料、印刷インキ、記録ペン等が盛んに利用されている。また、撮影機器では電荷結合素子(CCD)などの撮像素子において、ディスプレイでは液晶ディスプレイ(LCD)やプラズマディスプレイ(PDP)においてカラー画像を記録・再現するためにカラーフィルターが使用されている。これらのカラー画像記録材料やカラーフィルターでは、フルカラー画像を表示あるいは記録するために、いわゆる加法混色法や減法混色法の3原色の色素(染料や顔料)が使用されている。
アゾ顔料は、色彩的特性である色相及び着色力に優れているため、印刷インク、インクジェット記録用インク組成物、電子写真材料などに広く使用されている。
各種着色組成物において、顔料を着色剤として用いる場合、固体である顔料の分散性、分散安定性を確保することが重要である。
公害防止や労働衛生の面から、塗料、印刷インクのような着色剤を使用する業界では水系化指向が強い。また、情報の記録に用いられるボールペン、サインペン等の文具やインクジェットに代表されるプリンターやプロッター等の記録液は、毒性や衛生の面から水系化が進んでいる。
更に、近年、顔料のような水に不溶性の固体を分散させた水分散物は、インクジェット記録用インク組成物などとして多く利用されている。
また、従来の顔料分散液としては、特許文献1及び2に記載のものが知られている。
特開2011−74376号公報 特開2011−46870号公報
本発明が解決しようとする課題は、保存安定性に優れる水性顔料分散液及びその製造方法、並びに、上記水性顔料分散液を用いた着色組成物、インク組成物及びインクジェット記録方法を提供することである。
本発明の上記課題は、以下の<1>、<7>〜<9>、又は<11>に記載の手段により解決された。好ましい実施態様である<2>〜<6>及び<10>と共に以下に記載する。
<1> 工程Aとして、式1で表されるアゾ顔料又はその互変異性体、第一の分散剤及び水を混合し、混合物を作製する工程、工程Bとして、上記混合物を分散機で分散し、水性顔料分散液Aを得る工程、並びに、工程Cとして、工程Bで得られた水性顔料分散液Aに第二の分散剤を添加し、水性顔料分散液を得る工程、をこの順で含むことを特徴とする水性顔料分散液の製造方法、
Figure 2016069630
<2> 第一の分散剤及び第二の分散剤の少なくとも一方が、高分子分散剤である、<1>に記載の水性顔料分散液の製造方法、
<3> 第一の分散剤及び第二の分散剤が、下記(i)〜(iii)のいずれかを満たす、<1>又は<2>に記載の水性顔料分散液の製造方法、
(i)第一の分散剤が長鎖脂肪酸塩であり、かつ、第二の分散剤の酸価とアミン価の合計が30mgKOH/g以上であり、アミン価が5mgKOH/g以上であり、アミン価が酸価よりも大きい、
(ii)第一の分散剤の酸価とアミン価の合計が30mgKOH/gより小さく、アミン価が5mgKOH/g以上であり、アミン価が酸価よりも大きく、かつ、第二の分散剤の酸価とアミン価の合計が30mgKOH/g以上であり、酸価がアミン価以上である、
(iii)第一の分散剤の酸価とアミン価の合計が30mgKOH/gより小さく、酸価が5mgKOH/g以上であり、酸価がアミン価以上であり、かつ、第二の分散剤の酸価とアミン価の合計が30mgKOH/g以上であり、アミン価が5mgKOH/g以上であり、アミン価が酸価よりも大きい、
<4> 工程Bの後に、工程Dとして、加熱処理を行う工程を更に含む、<1>〜<3>のいずれか1つに記載の水性顔料分散液の製造方法、
<5> 式1で表されるアゾ顔料又はその互変異性体に対し、第一の分散剤及び第二の分散剤の合計含有量が、10〜80質量%である、<1>〜<4>のいずれか1つに記載の水性顔料分散液の製造方法、
<6> 式1で表されるアゾ顔料又はその互変異性体が、ソルトミリングしていないものである、<1>〜<5>のいずれか1つに記載の水性顔料分散液の製造方法、
<7> <1>〜<6>のいずれか1つに記載の水性顔料分散液の製造方法により製造された水性顔料分散液、
<8> <7>に記載の水性顔料分散液を含有する着色組成物、
<9> <7>に記載の水性顔料分散液、又は、<8>に記載の着色組成物を含有するインク組成物、
<10> インクジェット記録用インク組成物である、<9>に記載のインク組成物、
<11> <10>に記載のインクジェット記録用インク組成物を記録媒体上にインクジェット方式により吐出する工程を含む、インクジェット記録方法。
本発明によれば、保存安定性に優れる水性顔料分散液及びその製造方法、並びに、上記水性顔料分散液を用いた着色組成物、インク組成物及びインクジェット記録方法を提供することができる。
以下、本発明について詳細に説明する。
なお、本明細書中、「xx〜yy」の記載は、xx及びyyを含む数値範囲を表す。また、「主鎖末端の少なくとも1つに塩基性官能基を有するポリマー」等を単に「成分A」等ともいう。
また、本発明において、「質量%」と「重量%」とは同義であり、「質量部」と「重量部」とは同義である。
また、本発明において、2以上の好ましい態様の組み合わせは、より好ましい態様である。
本明細書中、式で表される化合物における基の表記に関して、置換あるいは無置換を記していない場合、当該基が更に置換基を有することが可能な場合には、他に特に規定がない限り、無置換の基のみならず置換基を有する基も包含する。例えば、式の説明において、「Rはアルキル基、シクロアルキル基、アリール基を表す」との記載があれば、「Rは無置換アルキル基、置換アルキル基、無置換シクロアルキル基、置換シクロアルキル基、無置換アリール基又は置換アリール基を表す」ことを意味する。また、本明細書中、(メタ)アクリルは、アクリルとメタクリルとを共に含む概念を表し、(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル酸等についても同様である。
また、本明細書におけるポリマーには、コポリマーを含むものとする。
(水性顔料分散液の製造方法及び水性顔料分散液)
本発明の水性顔料分散液(以下、単に「顔料分散液」ともいう。)の製造方法は、工程Aとして、式1で表されるアゾ顔料又はその互変異性体、第一の分散剤及び水を混合し、混合物を作製する工程、工程Bとして、上記混合物を分散機で分散し、水性顔料分散液Aを得る工程、並びに、工程Cとして、工程Bで得られた水性顔料分散液Aに第二の分散剤を添加し、水性顔料分散液を得る工程、をこの順で含むことを特徴とする。
また、本発明の水性顔料分散液は、本発明の水性顔料分散液の製造方法により製造された水性顔料分散液である。
Figure 2016069630
本発明の水性顔料分散液の製造方法においては、第一の分散剤及び第二の分散剤として特定の化合物を使用することにより、短時間の分散で所望の粒子径の顔料分散液が得られ、更に、保存安定性に優れ、インク組成物に用いた場合に画像堅牢性に優れる水性顔料分散液を容易に得ることができる。顔料粒子との吸着性が弱い分散剤の場合、易分散性を示す場合が多いが、顔料粒子への吸着性が弱いために顔料粒子からの脱着が生じやすく、保存安定性に劣る場合が多い。一方、保存安定性に優れる分散剤は、顔料粒子から脱着しにくいため分散性が悪いことが多い。本発明において、特に特定の分散剤を併用することで、それぞれの効果が効果的に得られたと推測している。
<工程A>
本発明の水性顔料分散液の製造方法は、工程Aとして、式1で表されるアゾ顔料又はその互変異性体、第一の分散剤、及び水を混合し、混合物を作製する工程を含有する。
工程Aにおける式1で表されるアゾ顔料又はその互変異性体、第一の分散剤、の詳細については後述する。
上記混合物における式1で表されるアゾ顔料(以下、「特定顔料」ともいう。)及びその互変異性体の総含有量は、混合物の全質量に対し、0.1〜30質量%であることが好ましく、0.5〜25質量%であることがより好ましく、1〜20質量%であることが更に好ましく、5〜15質量%であることが特に好ましい。
上記混合物における第一の分散剤の総含有量は、混合物の全質量に対し、0.1〜30質量%であることが好ましく、0.5〜25質量%であることがより好ましく、1〜20質量%であることが更に好ましく、5〜15質量%であることが特に好ましい。
工程Aにおける混合方法は、特に制限はなく、公知の混合方法、及び、公知の混合装置を用いることができるが、撹拌混合により混合することが好ましい。
また、工程Aにおける混合温度や混合時間は、特に限定されず、所望の混合の進行状況に応じ適宜選択すればよい。
工程Aにおいては、式1で表されるアゾ顔料、第一の分散剤及び水の混合は特に制限はなく、任意の順で混合し、混合物を作製すればよいが、あらかじめ、特定顔料、第一の分散剤並びに、水を混合して、混合物を得ることが好ましい。
また、工程Aにおける混合分散時間は特に限定されず、所望の分散状態に応じ適宜選択すればよい。
また、工程Aにおいて、必要に応じ、後述する防腐剤や多価金属イオン等の他の成分を添加してもよい。
<工程B>
本発明の水性顔料分散液の製造方法は、工程Bとして、上記混合物を分散機で分散し、水性顔料分散液を得る工程を含む。
工程Bにおける分散方法は、公知の方法や分散装置などを利用して行うことができ、特に限定されない。
工程Bでは、式1で表されるアゾ顔料の体積平均粒子径が所望の範囲となるように、分散することが好ましく、式1で表されるアゾ顔料の体積平均粒子径が100nm以下となるように、分散することがより好ましい。
工程Bにおける混合物の分散方法は、公知の方法や分散装置などを利用して行うことができ、特に限定されない。工程Bには、例えば、ミル方式(例えば、コロイドミル、ボールミル、サンドミル、ビーズミル、アトライター、ロールミル、ジェットミル、ペイントシェイカー、アジテーターミル等)、超音波方式(超音波ホモジナイザー)、高圧乳化分散方式(高圧ホモジナイザー;具体的な市販装置としてはゴーリンホモジナイザー、マイクロフルイダイザー、DeBEE2000等)、高速撹拌型分散機等を使用することができる。
これらの中でも、ミル方式であることが好ましく、媒体分散方式(コロイドミル、ボールミル、サンドミル、ビーズミル等)であることがより好ましく、ビーズミルが更に好ましい。
<工程C>
本発明の水性顔料分散液の製造方法は、工程Cとして、工程Bで得られた水性顔料分散液Aに第二の分散剤を添加し、水性顔料分散液を得る工程を含む。
上記水性顔料分散液における第二の分散剤の総含有量は、混合物の全質量に対し、0.1〜20質量%であることが好ましく、0.2〜17質量%であることがより好ましく、0.3〜15質量%であることが更に好ましく、0.5〜10質量%であることが特に好ましい。
また、式1で表されるアゾ顔料又はその互変異性体に対する、第一の分散剤及び第二の分散剤の合計含有量は、10〜80質量%であることが好ましく、20〜80質量%であることがより好ましく、30〜70質量%であることが更に好ましい。
<工程D>
本発明の水性顔料分散液の製造方法は、工程Bの後に、工程Dとして、加熱処理を行う工程(以下、単に「加熱処理工程」ともいう。)を更に含むことが好ましく、工程Cの後に、加熱処理工程を更に含むことがより好ましい。加熱処理工程を有することにより、水性顔料分散液中の顔料と分散剤との関係がより安定なものとなり、保存安定性により優れた水性顔料分散液が得られる。
加熱処理工程における加熱温度としては、40℃以上100℃以下が好ましく、50℃以上85℃以下がより好ましく、60℃以上80℃以下が更に好ましい。
また、加熱処理工程における加熱時間としては、5分以上が好ましく、5分以上24時間以下がより好ましく、30分以上12時間以下が更に好ましい。
また、加熱処理工程において、撹拌を行いながら加熱処理を行ってもよい。
本発明の水性顔料分散液の製造方法は、上記の工程A〜工程Dに加え、他の工程を含んでいてもよい。
<pH調整工程>
本発明の水性顔料分散液の製造方法は、pH調整工程を有していてもよい。pHを特定の値に調整することにより、保存安定性に優れた水性顔料分散液が得られる。
pH調整工程は、工程A及び工程Bの後であれば所望のタイミングで行えばよいが、工程Cと工程Dとの間、又は、工程Dの後に行うことが好ましく、工程Dの後に行うことがより好ましい。
また、本発明の水性顔料分散液の製造方法は、工程C、後述する脱イオン工程、pH調整工程、及び、工程Dの順で行うか、又は、工程C、工程D、後述する脱イオン工程、及び、pH調整工程の順で行うことが好ましく、工程C、工程D、後述する脱イオン工程、及び、pH調整工程の順で行うことが特に好ましい。
pH調整剤としては、調合される記録用インクに悪影響を及ぼさずにpHを所望の値に調整できるものであれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、アルコールアミン類(例えば、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、トリイソプロパノールアミン、2−アミノ−2−エチル−1,3プロパンジオールなど)、アルカリ金属水酸化物(例えば、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなど)、アンモニウム水酸化物(例えば、水酸化アンモニウム、第4級アンモニウム水酸化物)、ホスホニウム水酸化物、アルカリ金属炭酸塩などが挙げられる。
分散液のpHとしては、保存安定性の観点から6〜11とすることが好ましく、7〜10とすることが特に好ましい。
<殺菌工程>
本発明でいう殺菌とは、殺菌作用のある操作を意味し、例えば、紫外線(UV)等の光照射、アルコール等の殺菌効果を有する添加剤の添加が挙げられる。その中でも。光照射が好ましい。
殺菌工程を有することにより、保存安定性により優れた水性顔料分散液が得られる。
光照射手段としては、400nm以下の近紫外光〜紫外光を照射できるものが好ましく、具体的にはキセノンランプ、高圧水銀ランプ、ブラックライト、殺菌ランプ等を用いることが好ましい。
光照射時間や光照射量は、特に制限はなく、適宜選択することができる。
<脱イオン工程>
本発明の水性顔料分散液の製造方法は、脱イオン工程を有していてもよい。特定顔料や分散剤に不純物として含まれるイオン成分を除去することにより、保存安定性に優れた水性顔料分散液が得られる。
脱イオン工程は、所望のタイミングで行えばよいが、工程Cと工程Dとの間、又は、工程Dの後に行うことが好ましく、工程Dの後に行うことがより好ましい。
イオン成分を除去する方法としては、限外ろ過、ナノろ過等の膜分離法によるものや、イオン交換樹脂を加えて処理する方法等が挙げられる。
<遠心分離工程>
本発明の水性顔料分散液の製造方法は、工程C又はDにおいて得られた水性顔料分散液を遠心分離する工程を含んでいてもよい。遠心分離操作により粗大粒子を除去することができる。また、本発明の水性顔料分散液の製造方法は、工程Bの前に、上記水性顔料分散液A、及び、上記水性顔料分散液を遠心分離する工程を含んでいてもよい。
遠心分離工程を行うのは、後述するろ過工程前であることが好ましい。ろ過工程前に遠心分離工程を有することにより、粗大粒子が目詰まりを起こしてろ過性が低下することを抑制できる。
遠心分離する際の遠心力としては、500G〜50,000Gが好ましく、700G〜20,000Gがより好ましく、1,000G〜15,000Gが更に好ましい。500G以上であると、粗大粒子を十分沈降除去でき、50,000G以下であると、分散している顔料の沈降が抑制される。
<ろ過工程>
本発明の水性顔料分散液の製造方法は、工程Bにおいて得られた水性顔料分散液A及び/又は工程C、Dにて得られた水性顔料分散液をろ過する工程を有していてもよい。
ろ過により粗大粒子を除去することができる。ろ過工程を行うのは、顔料を分散した後であれば特に限定されないが、防腐剤を添加した後、又は、水性顔料分散液を完成させる最後の工程として行うことが好ましい。
特に、上記加熱処理工程を有する場合には、分散している顔料及び分散剤の一部が乾燥、あるいは熟成されて、粗大粒子となり、沈降している場合があるからである。
用いることのできるフィルターとしては、ろ過を行うことができれば特に限定されないが、ろ布、ろ紙、メンブレンが好ましい。フィルターの孔径としては、0.1mm以下が好ましく、10μm以下がより好ましく、5μm以下が更に好ましく、1μm以下が特に好ましい。
以下、本発明で用いられる、式1で表されるアゾ顔料又はその互変異性体、第一の分散剤、及び、第二の分散剤の詳細について説明する。
<式1で表されるアゾ顔料>
以下、本発明における式1で表されるアゾ顔料について、詳細に説明する。
なお、式1で表されるアゾ顔料は、その塩、水和物又は溶媒和物であってもよい。
式1で表されるアゾ顔料において、結晶中に水分子を含む水和物、あるいは、溶媒(例えば、メタノール、エタノール、2−プロパノール、t−ブチルアルコール等のアルコール類や、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類や、アセトニトリル、ジメチルスルホキシド,ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン、トルエン等の非プロトン性溶媒など)を含む溶媒和物であってもよい。
また、式1で表されるアゾ顔料に関しては、スキーム1のような互変異性体(例えば、アゾ−ヒドラゾンの互変異性体)やスキーム2で表されるような幾何異性体も、本発明においては、これらの式に含まれるものとする。なお、(t)Cは、t−ブチル基を表す。
Figure 2016069630
Figure 2016069630
〔式1で表されるアゾ顔料の合成〕
式1で表されるアゾ顔料は、例えば、特開2010−159405号公報に記載の方法で合成することができる。
得られる生成物は、通常の有機合成反応の後処理方法に従って処理した後、精製してあるいは精製せずに供することができる。
すなわち、例えば、反応系から遊離したものを精製せずに、又は、再結晶、造塩等にて精製する操作を単独又は組み合わせて行い、供することができる。
また、反応終了後、水又は氷にあけ、遊離したもの又は有機溶剤/水溶液にて抽出したものを、精製せずに又は再結晶、晶析、造塩等にて精製する操作を単独に又は組み合わせて行った後、供することもできる。なお、水又は氷にあける際に、反応溶媒を予め留去してもよく、また、留去せずに水又は氷にあけてもよい。更に、水又は氷にあけた後、中和してもよく、また、中和しなくてもよい。
〔後処理〕
式1で表されるアゾ顔料は、必要に応じて後処理を行ったものであってもよい。この後処理の方法としては、例えば、ソルベントソルトミリング、ソルトミリング、ドライミリング、ソルベントミリング、アシッドペースティング等の摩砕処理、溶媒加熱処理などによる顔料粒子制御工程、樹脂、界面活性剤及び分散剤等による表面処理工程が挙げられる。
ソルベントソルトミリングやソルトミリングに代表される後処理を行うことにより、一次粒子径を小さくすることができる。そのため、顔料粒子をより好ましい形態とするためには、ソルベントソルトミリング、ソルトミリング又はドライミリングを行うことが、分散性及び経時安定性の観点では好ましい。
本発明の水性顔料分散液の製造方法は、このような後処理、特にソルベントソルトミリングやソルトミリングを行わないことが好ましい。本発明の水性顔料分散液の製造方法であれば、このような後処理を行わなくても、保存安定性に十分優れた水性顔料分散剤が得られるため、コストや工程の簡便性の面で優れる。
また、本発明の水性顔料分散液における式1で表されるアゾ顔料は、ソルトミリングしていないものであることが好ましい。
−ソルベントソルトミリング−
ソルベントソルトミリングとしては、例えば、粗アゾ顔料と、無機塩と、それを溶解しない有機溶剤とを混練機に仕込み、その中で混練磨砕を行うことが挙げられる。上記無機塩としては、水溶性無機塩が好適に使用でき、例えば、塩化ナトリウム、塩化カリウム、硫酸ナトリウム等の無機塩を用いることが好ましい。また、平均粒子径0.5〜50μmの無機塩を用いることがより好ましい。
上記無機塩の使用量は、粗アゾ顔料に対して3〜20質量倍とするのが好ましく、5〜15質量倍とするのがより好ましい。有機溶剤としては、水溶性有機溶剤が好適に使用でき、混練時の温度上昇により溶剤が蒸発し易い状態になるため、安全性の点から高沸点溶剤が好ましい。
このような有機溶剤としては、例えば、ジエチレングリコール、グリセリン、エチレングリコール、プロピレングリコール、液体ポリエチレングルコール、液体ポリプロピレングリコール、2−(メトキシメトキシ)エタノール、2−ブトキシエタノール、2ー(イソペンチルオキシ)エタノール、2−(ヘキシルオキシ)エタノール、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、トリエチレングリコール、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、1−メトキシ−2−プロパノール、1−エトキシ−2−プロパノール、ジプロピレングリコール、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコール又はこれらの混合物が挙げられる。
上記水溶性有機溶剤の使用量は、粗アゾ顔料に対して0.1〜5質量倍が好ましい。混練温度は、20℃〜130℃が好ましく、40℃〜110℃が特に好ましい。
混練機としては、例えば、ニーダーやミックスマーラー等が使用できる。
〔式1で表されるアゾ顔料の平均一次粒子径〕
上記式1で表されるアゾ顔料の一次粒子を、透過型顕微鏡で観察した際の長軸方向の長さは、平均値として、0.01μm以上10μm以下であることが好ましく、0.01μm以上3μm以下であることがより好ましく、0.02μm以上0.5μm以下であることが更に好ましく、0.02μm以上0.2μm以下が特に好ましく、0.02μm以上0.15μm以下が最も好ましい。上記範囲であると、光やオゾンに対してより高い堅牢性を示し、分散性に優れ、水性顔料分散液の保存安定性により優れる。
本発明の水性顔料分散液における式1で表されるアゾ顔料及びその互変異性体の総含有量は、水性顔料分散液の全質量に対し、0.1〜30質量%であることが好ましく、0.5〜25質量%であることがより好ましく、1〜20質量%であることが更に好ましく、5〜15質量%であることが特に好ましい。
〔全ての方法を通じての粒子径〕
式1で表されるアゾ顔料の体積平均粒子径は、0.01〜10μmであることが好ましく、0.01〜3μmであることがより好ましく、0.02〜0.5μmであることが更に好ましく、0.02〜0.2μmであることが特に好ましく、0.02〜0.15μmであることが最も好ましい。
なお、顔料の体積平均粒子径とは、顔料そのものの粒子径、又は、顔料に分散剤等の添加物が付着している場合には、添加物が付着した粒子径をいう。本発明において、顔料の体積平均粒子径の測定装置には、ナノトラックUPA粒度分析計(UPA−EX150;日機装(株)製)を用いることができる。その測定は、水性顔料分散液3mlを測定セルに入れ、所定の測定方法に従って行うことができる。なお、測定時に入力するパラメーターとしては、粘度には顔料分散液の粘度を、分散粒子の密度には顔料の密度を用いる。
<第一の分散剤、及び、第二の分散剤>
本発明の水性顔料分散液は、第一の分散剤、及び、第二の分散剤を含有する。
本発明における第一の分散剤と第二の分散剤とは、異なる分散剤であること以外は、特に制限はないが、第一の分散剤及び第二の分散剤が、下記(i)〜(iii)のいずれかを満たすことが好ましく、(ii)を満たすことが最も好ましい。
(i)第一の分散剤が長鎖脂肪酸塩であり、かつ、第二の分散剤の酸価とアミン価の合計が30mgKOH/g以上であり、アミン価が5mgKOH/g以上であり、アミン価が酸価よりも大きい。
(ii)第一の分散剤の酸価とアミン価の合計が30mgKOH/gより小さく、アミン価が5mgKOH/g以上であり、アミン価が酸価よりも大きく、かつ、第二の分散剤の酸価とアミン価の合計が30mgKOH/g以上であり、酸価がアミン価以上である。
(iii)第一の分散剤の酸価とアミン価の合計が30mgKOH/gより小さく、酸価が5mgKOH/g以上であり、酸価がアミン価以上であり、かつ、第二の分散剤の酸価とアミン価の合計が30mgKOH/g以上であり、アミン価が5mgKOH/g以上であり、アミン価が酸価よりも大きい。
本発明における酸価とは、分散剤固形分1gあたりの酸価を表し、JIS K 0070に準じ、電位差滴定法によって求めることができる。アミン価とは、分散剤固形分1gあたりのアミン価を表し、0.1mol/Lの塩酸水溶液を用い、電位差滴定法によって求めたのち、水酸化カリウムの当量に換算した値をいう。
上記(i)の態様において、第一の分散剤として用いられる長鎖脂肪酸塩としては、炭素数12〜36の長鎖脂肪酸のアルカリ金属塩であることが好ましく、具体的には、オレイン酸ナトリウム、オレイン酸カリウム、ステアリン酸ナトリウム、ステアリン酸カリウム、パルミチン酸ナトリウム、パルミチン酸カリウム等が例示される。これらの中でも、オレイン酸ナトリウム及びステアリン酸ナトリウムが好ましく例示される。
また、上記(i)の態様における第二の分散剤としては、酸価とアミン価の合計が30mgKOH/g以上であり、30〜150mgKOH/gであることが好ましく、30〜100mgKOH/gであることがより好ましい。アミン価は5mgKOH/g以上であり、5〜150mgKOH/gであることが好ましく、10〜100mgKOH/g以上であることがより好ましい。アミン価と酸価との差(アミン価−酸価)は、0〜200mgKOH/gであることが好ましく、0〜150mgKOH/gであることがより好ましく、0〜100mgKOH/gであることが更に好ましい。
上記(ii)の態様における第一の分散剤としては、酸価とアミン価の合計が30mgKOH/gより小さく、5〜25mgKOH/gであることが好ましく、10〜25mgKOH/gであることがより好ましい。アミン価と酸価との差(アミン価−酸価)は、0.1〜25mgKOH/gであることが好ましく、1〜20mgKOH/gであることがより好ましい。
上記(ii)の態様における第二の分散剤としては、酸価とアミン価の合計が30mgKOH/g以上であり、30〜150mgKOH/gであることが好ましく、30〜100mgKOH/gであることがより好ましい。また、酸価とアミン価との差(酸価−アミン価)は、0〜200mgKOH/gであることが好ましく、0〜150mgKOH/gであることがより好ましく、0〜100mgKOH/gであることが更に好ましい。
上記(iii)の態様における第一の分散剤としては、酸価とアミン価の合計が30mgKOH/gより小さく、5〜25mgKOH/gであることが好ましく、10〜25mgKOH/gであることがより好ましい。また、酸価が5mgKOH/g以上であり、5〜150mgKOH/gであることが好ましく、10〜100mgKOH/g以上であることがより好ましい。また、酸価とアミン価との差(酸価−アミン価)は、0.1〜25mgKOH/gであることが好ましく、1〜20mgKOH/gであることがより好ましい。
上記(iii)の態様における第二の分散剤としては、酸価とアミン価の合計が30mgKOH/g以上であり、30〜150mgKOH/gであることが好ましく、30〜100mgKOH/gであることがより好ましい。また、アミン価が5mgKOH/g以上であり、5〜150mgKOH/gであることが好ましく、10〜100mgKOH/g以上であることがより好ましい。また、アミン価と酸価との差(アミン価−酸価)は、0〜200mgKOH/gであることが好ましく、0〜150mgKOH/gであることがより好ましく、0〜100mgKOH/gであることが更に好ましい。
また、第一の分散剤及び第二の分散剤は、下記(iv)〜(v)のいずれかを満たすことが好ましい。
(iv)第一の分散剤が群Aから選ばれた分散剤であり、第二の分散剤が群Dから選ばれた分散剤である。
(v)第一の分散剤が群Bから選ばれた分散剤であり、第二の分散剤が群Cから選ばれた分散剤である。
群A:EFKA 4560、EFKA 4580、EFKA 4585、DISPERBYK−183及びDISPERBYK−184
群B:DISPERBYK−190、DISPERBYK−2091、EFKA 4520、オレイン酸ナトリウム、ステアリン酸ナトリウム
群C:EFKA 4510、EFKA 5071、EFKA 6220、EFKA 4800
群D:DISPERBYK−181、DISPERBYK−180、DISPERBYK−187、DISPERBYK−194、DISPERBYK−2090、EFKA 6225
これらのうち、第一の分散剤と第二の分散剤の特に好ましい組み合わせ(第一の分散剤、第二の分散剤)としては、(EFKA 4585、DISPERBYK−181)、(EFKA 4585、DISPERBYK−187)、(DISPERBYK−184、DISPERBYK−187)、(EFKA 5071、DISPERBYK−2090)、(EFKA 4560、DISPERBYK−187)が例示され、これらの中でも、(EFKA 4585、DISPERBYK−181)、(EFKA 4585、DISPERBYK−187)、(EFKA 4560、DISPERBYK−187)がより好ましく、(EFKA 4585、DISPERBYK−181)、(EFKA 4585、DISPERBYK−187)、が更に好ましく、(EFKA 4585、DISPERBYK−181)の組み合わせが最も好ましい。
なお、上記EFKA(登録商標)シリーズは、ビーエーエスエフ社製分散剤であり、上記DISPERBYK(登録商標)シリーズは、ビックケミー社製分散剤である。
以下に、これらの市販品の酸価及びアミン価の値を示す。
Figure 2016069630
分散性及び顔料分散液の保管安定性の観点から、第一の分散剤、及び、第二の分散剤は、いずれも水溶性の分散剤であることが好ましい。
第一の分散剤、及び、第二の分散剤は、水への溶解性が、1g/100mL以上であることが好ましく、3g/100mL以上であることがより好ましく、5g/100mL以上であることが更に好ましい。水への溶解性が1g/100mL以上であると、水への溶解性に優れ、特定顔料への吸着性に優れ、良好な分散性が得られる。
また、印画物の画質の観点から、第一の分散剤、及び、第二の分散剤のいずれかは、高分子分散剤であることが好ましく、第一の分散剤が少なくとも高分子分散剤であることがより好ましい。
なお、本発明における高分子分散剤とは、重量平均分子量が1,000以上である分散剤である。
本発明において、分散剤の重量平均分子量は、5,000以上200,000以下が好ましく、8,000以上150,000以下であることがより好ましく、10,000以上100,000以下であることが更に好ましい。重量平均分子量が5,000以上では印画物の画質が優れ、一方、200,000以下では、粘度が高くなるのを抑制でき、更に貯蔵安定性の低下を防ぐ。
本発明において、化合物の重量平均分子量の測定方法は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー法によりポリスチレン標準又はポリエチレンオキサイド標準で測定するものとする。なお、高分子分散剤の重量平均分子量としてカタログ値がある場合は、カタログ値を採用することもできる。
本発明において、高分子分散剤は、ポリウレタン、ポリエステル、及び/又は、ポリビニル系樹脂を含むことが好ましく、ポリウレタン、ポリエステル及び/又はポリビニル系樹脂であることがより好ましく、ポリビニル系樹脂であることが更に好ましい。
高分子分散剤は、親水性モノマー、疎水性モノマーの両方を重合して得られた分散剤であることが好ましい。
なお、本発明におけるポリビニル系樹脂とは、エチレン性不飽和モノマーの単独重合体又は共重合体であり、アクリル樹脂やスチレン樹脂等が挙げられる。
親水性モノマーは、イオン性基又は非イオン性基である親水性を含むモノマーである。イオン性基はカチオンであってもアニオンであってもよい。
カチオン性基も、また、アニオン性基も、分散剤に両性的安定性(amphoteric stabilisation)を与える。
好ましいアニオン性基は、カルボキシル基、フェノール性ヒドロキシ基、スルホン酸基、硫酸基、ホスホン酸基、ポリ燐酸基、燐酸基、及び、これらの塩である。
好ましいカチオン性基は、第四級アンモニウム基、ベンサルコニウム基、グアニジニウム基、ビグアニジニウム基、及び、ピリジニウム基である。これらは水酸化物、硫酸塩、硝酸塩、塩化物、臭化物、ヨウ化物及びフッ化物のような塩の形でもよい。
非イオン性基は、グルコキシド構造、糖構造、ピロリドン構造、アクリルアミド基、ヒドロキシ基又はポリ(アルキレンオキシド)基であることが好ましく、ポリ(エチレンオキシド)基又はポリ(プロピレンオキシド)基であることがより好ましく、−(CH2CH2O)nH又は−(CH2CH2O)n1-4−アルキルであることが更に好ましい。ここで、nは3〜200(好ましくは4〜20)を表す。また、これ以降、例えばC1-4−の表現は、「炭素数1〜4の」を表す。
ポリマーは、非イオン性基のみを、ポリマー全体で複数の非イオン性基を、また、非イオン性基を含む1以上のポリマー鎖を含んでいてもよい。ヒドロキシ基は、例えば、ポリビニルアルコール、ヒドロキシ基を有する(メタ)アクリル化合物又はセルロースを用いて挿入される。エチレンオキシ基はポリエチレンオキシドのようなポリマー鎖を用いて挿入される。
疎水性モノマーは、疎水性基を含むモノマーである。疎水性基を有する代表的なものは3以下、好ましくは0の親水性基を持つ、炭化水素類、フルオロカーボン類、ポリC3-4−アルキレンオキシ類及びアルキルシロキサン類である。また、疎水性モノマー中にプロピレンオキシドを側鎖又は直鎖に有し得る。
ポリマーは、ホモポリマーでもよいが、好ましくは共重合体(コポリマー)である。ポリマーはランダムポリマー(統計上短いブロック又はセグメント)であってもグラフトポリマー(長いブロック又はセグメント)であってもよい。また、ポリマーは、交互(alternating)ポリマーでもよい。ポリマーは、分岐していてもよいが、好ましくは直鎖である。ポリマーは2以上のセグメント(例えば、ブロック及びグラフト、コポリマー)を持っていてもよいが、好ましくはランダムである。
ポリマーが2以上のセグメントを持つ場合の態様では、少なくとも1つのセグメントは疎水性であり、少なくとも1つのセグメントは互いに関連性の親水性であることが好ましい。疎水性及び親水性セグメントをつくる好ましい方法はそれぞれ疎水性及び親水性モノマーの共重合による。ポリマーが少なくとも1つの疎水性セグメント及び少なくとも1つの親水性セグメントをもつ場合、カルボキシル基は疎水性セグメントにあっても、また親水性セグメントにあっても、また両方のセグメントにあってもよい。
ビニルポリマー(ポリビニル系樹脂)は、どのような適切な手段によって製造されてもよい。ビニルポリマーの好ましい製造方法は、特に(メタ)アクリレートとビニルナフタレンやスチレンモノマー等のようなビニルモノマーを用いるフリーラジカル重合である。適切なフリーラジカル重合は懸濁重合、溶液重合、分散重合、乳化重合に限定されないが、好ましくは溶液重合である。
ビニルポリマーは、(メタ)アクリレートモノマーを用いる場合が好ましい。
ビニルポリマーは、好ましくは共重合体(コポリマー)である。
疎水性モノマー及び親水性モノマーから導かれるコポリマーは、好ましくは実質的にセグメントを有しない。例えば、上記コポリマーはセグメント長が非常に短いか存在しないようなフリーラジカル重合によって製造される。かかる場合はしばしば「ランダム」重合と呼ばれる。セグメントをもつコポリビニルポリマーはリビング重合、特に原子団転移(group transfer)重合、原子転移(atom transfer)重合、マクロモノマー(macromonomer)重合、グラフト重合、アニオン又はカチオン重合のような重合方法によって製造される。
好適な親水性ビニルモノマーは、非イオン性及びイオン性モノマーである。
好ましい非イオン性モノマーは、糖類、グルコース化合物、アミド化合物、ピロリドン化合物であり、特にヒドロキシ基及びエトキシ基をもつものである。
好ましい非イオン性モノマーの例としては、ヒドロキシエチルアクリレート、ヒドロキシエチルメタクリレート、ビニルピロリドン、エトキシ化された(メタ)アクリレート及び(メタ)アクリルアミドが挙げられる。
好適なイオン性ビニルモノマーは、カチオン性であってもよい。
好ましいアニオン性ビニルモノマーはカルボキシル基、燐酸基、及びスルホン酸基(これらの酸はフリーでも塩でもよい。)よりなる群から選択される少なくとも1つを含むものである。好ましい例として、(メタ)アクリル酸、スチレンスルホン酸、ビニルベンジルスルホン酸、ビニルスルホン酸、(メタ)アクリロイルオキシアルキルスルホン酸(例えば、アクリロイルオキシメチルスルホン酸、アクリロイルオキシエチルスルホン酸、アクリロイルオキシプロピルスルホン酸、アクリロイルオキシブチルスルホン酸、メタクリロイルオキシメチルスルホン酸、メタクリロイルオキシエチルスルホン酸、メタクリロイルオキシプロピルスルホン酸、メタクリロイルオキシブチルスルホン酸)、2−アクリルアミド−2−アルキルアルカンスルホン酸(例えば、2−アクリルアミド−2−メチルエタンスルホン酸、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、2−アクリルアミド−2−メチルブタンスルホン酸)、2−メタクリルアミド−2−アルキルアルカンスルホン酸(例えば、2−メタクリルアミド−2−メチルエタンスルホン酸、2−メタクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、2−メタクリルアミド−2−メチルブタンスルホン酸)、モノ(アクリロイルオキシアルキル)燐酸塩(例えば、モノ(アクリロイルオキシエチル)燐酸塩、モノ(3−アクリロイルオキシプロピル)燐酸塩)、モノ(メタクリロイルオキシアルキル)燐酸塩(例えば、モノ(メタクリロイルオキシエチル)燐酸塩、モノ(3−メタクリロイルオキシプロピル)燐酸塩)が挙げられる。
好ましいカチオンビニルモノマーは、第四級アンモニウム基、ピリジニウム基、グアニジニウム基又はビグアニジニウム基を含むものである。
好ましい疎水性ビニルモノマーは、親水性基を持たない。好ましい疎水性ビニルモノマーとしては、C1-20−ヒドロカルビル(メタ)アクリレート、ブタジエン、スチレン及びビニルナフタレンが挙げられ、C1-20−ヒドロカルビル(メタ)アクリレート(例えば、メチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート)が好ましく、メチルメタクリレート、ベンジルメタクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、フェノキシエチルメタクリレートが特に好ましい。これらのヒドロカルビル基は分岐でもよいが、好ましくは直鎖である。
少なくとも1つのカルボキシル基を持つポリエステルは、ジオールモノマーと過剰量のジカルボン酸モノマーとの反応によっても生成される。カルボキシル基は、カルボキシル基を持つジオールとジカルボン酸モノマーとの共重合によっても導入できる。
ポリエステルは、ジカルボン酸とジオールとのエステル化で製造されることが典型的なものである。
カルボキシル基を有するポリエステルは、例えば、カルボキシル基含有化合物と水酸基含有化合物とを、カルボキシル基が残存するように、溶融法、溶剤法などの公知の方法によって脱水縮合反応を行うことにより製造することができる。
ポリエステルは、一塩基酸、多塩基酸の如きカルボキシル基を有する化合物と、ジオール、ポリオールの如き水酸基を有する化合物とを適宜選択して脱水縮合させて得られるもの等が挙げられ、更に、油脂類又は脂肪酸類を使用したものがアルキッド樹脂となる。
本発明で使用するポリエステルが有するカルボキシル基は、主に、ポリエステルを構成する二塩基酸以上の多塩基酸に由来する未反応のカルボキシル基である。
多塩基酸としては、例えば、アジピン酸、(無水)コハク酸、セバシン酸、ダイマー酸、(無水)マレイン酸、(無水)フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、テトラヒドロ(無水)フタル酸、ヘキサヒドロ(無水)フタル酸、ヘキサヒドロテレフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、(無水)トリメリット酸、(無水)ピロメリット酸などが挙げられる。
多塩基酸以外に使用可能なカルボキシル基を有する化合物としては、例えば、テレフタル酸ジメチルの如き酸の低級アルキルエステル類;安息香酸、p−ターシャリーブチル安息香酸、ロジン、水添ロジンの如き一塩基酸類;脂肪酸及び油脂類;分子末端に1個又は2個のカルボキシル基を有するマクロモノマー類;5−ソジウムスルフォイソフタル酸及びそのジメチルエステル類などが挙げられる。
水酸基を有する化合物としては、例えば、エチレングリコール、ネオペンチルグリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、2,2−ジエチル−1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,3−プロパンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、1,5−ペンタンジオール、ビスフェノールAのアルキレンオキサイド付加物、水添ビスフェノールA、水添ビスフェノールAのアルキレンオキサイド付加物、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコールの如きジオール類;グリセリン、トリメチロールプロパン、トリメチロールエタン、ジグリセリン、ペンタエリスリトール、トリスヒドロキシエチルイソシアヌレートの如きポリオール類;「カージュラE−10」(シェル化学工業(株)製の合成脂肪酸のグリシジルエステル)などのモノグリシジル化合物類、分子片末端に水酸基を2個有するマクロモノマー類などが挙げられる。
また、ポリエステルを合成する際に、ひまし油、12−ヒドロキシステアリン酸などの水酸基含有脂肪酸又は油脂類;ジメチロールプロピオン酸、p−ヒドロキシ安息香酸、ε−カプロラクトンの如きカルボキシル基と水酸基とを有する化合物なども使用できる。
更に、二塩基酸の一部をジイソシアネート化合物に代えることもできる。
また、カルボキシル基を有するポリエステルは、水酸基を有するポリエステルに、無水マレイン酸、無水フタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、無水トリメリット酸などの無水酸を付加反応せしめる方法によっても製造することができる。
水酸基とカルボキシル基とを有するポリエステルは、例えば、ポリエステル樹脂の脱水縮合反応において、公知の方法に従って、水酸基とカルボキシル基とが残存するように反応させることによって容易に製造することができる。
第三級アミノ基とカルボキシル基とを有するポリエステルは、例えば、トリエタノールアミン、N−メチルジエタノールアミン、N,N−ジメチルエタノールアミン等の第三級アミノ基と水酸基とを有する化合物を、ポリエステル樹脂を製造する際のアルコール成分として使用することによって容易に製造することができる。
ラジカル重合性不飽和基とカルボキシル基とを有するポリエステルは、例えば、水酸基とカルボキシル基とを有するポリエステルに、2−メタクリロイルオキシエチルイソシアネートなどのイソシアネート基を有するラジカル重合性不飽和基含有モノマー類、又は、無水マレイン酸などのラジカル重合性不飽和基を有する無水酸を付加反応せしめる方法、カルボキシル基を有するポリエステル樹脂に、エポキシ基を有する重合性モノマー類を付加反応せしめる方法、酸成分として無水マレイン酸などのラジカル重合性不飽和基含有モノマーを使用してポリエステル樹脂を合成する方法、等によって容易に製造することができる。
ポリウレタンはポリイソシアネート成分(例えば、ジイソシアネート)とポリオール成分(例えば、ジオール)との縮合反応で好ましく製造される。
カルボキシル基を有するポリウレタンは、例えば、カルボキシル基を導入する成分としてのジメチロールプロピオン酸の如きカルボキシル基と水酸基とを有する化合物を含有するポリオール成分と、ポリイソシアネート成分とを反応させることによって、容易に製造することができる。
ポリオール成分としては、ポリエステルの製造方法において掲げたジオール成分のほか、必要に応じて、3官能以上のポリオール化合物を使用することもできる。
ポリイソシアネート成分としては、例えば、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、フェニレンジイソシアネート、1,5−ナフタレンジイソシアネート、メタキシリレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、水添トリレンジイソシアネート、水添4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、水添メタキシリレンジイソシアネート、粗製4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネートの如きジイソシアネート化合物のほか、ポリメチレンポリフェニルイソシアネートの如きポリイソシアネート化合物も使用できる。
ポリウレタンの製造は、常法に従えばよい。例えば、イソシアネート基と反応しない不活性な有機溶剤溶液中で、室温又は40〜100℃程度の温度で付加反応を行うことが好ましい。その際、ジブチル錫ジラウレート等の公知の触媒を使用してもよい。
ポリウレタンを製造する際の反応系には、ジアミン、ポリアミン、N−メチルジエタノールアミンの如きN−アルキルジアルカノールアミン;ジヒドラジド化合物などの公知の鎖伸長剤も使用できる。
水酸基とカルボキシル基とを有するポリウレタンは、例えば、ポリウレタンを製造する際に、イソシアネート基よりも水酸基が多くなる割合で反応させることにより容易に製造することができる。あるいは、カルボキシル基と末端イソシアネート基とを有するポリイソシアネートに、1分子中に水酸基を2個以上有する化合物を付加反応させることによっても容易に製造することができる。
第三級アミノ基とカルボキシル基とを有するポリウレタンは、例えば、ポリオール成分の一部としてN−メチルジエタノールアミンなどのN−アルキルジアルカノールアミンを使用することにより容易に製造することができる。
ブロック化イソシアネート基とカルボキシル基とを有するポリウレタンは、例えば、カルボキシル基と末端イソシアネート基とを有するポリイソシアネートに、公知のブロック剤を付加反応させることによって容易に製造することができる。
エポキシ基とカルボキシル基とを有するポリウレタンは、例えば、カルボキシル基と末端イソシアネート基とを有するポリイソシアネートに、水酸基とエポキシ基とを有する化合物を付加反応させることによって容易に製造することができる。
水酸基とエポキシ基とを有する化合物としては、例えば、グリシドール、グリセリンジグリシジルエーテル、トリメチロールプロパンジグリシジルエーテル、ビスフェノールAのジグリシジルエーテル等が挙げられる。
ラジカル重合性不飽和基を、酸性基としてカルボキシル基を有するポリウレタンは、例えば、末端イソシアネート基を有するポリイソシアネートに、前述した如き水酸基を有する重合性モノマー類、及びグリセロールモノ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレートなどの水酸基とラジカル重合性不飽和基とを有する化合物を付加反応せしめる方法等によって容易に製造することができる。
加水分解性アルコキシシラン基を、酸性基としてカルボキシル基を有するポリウレタンは、例えば、末端イソシアネート基を有するポリイソシアネートに、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシランの如きイソシアネート基と反応しうる活性水素を有するシランカップリング剤を付加反応させる方法等により容易に製造することができる。
ポリマーは、使用する分散媒に合うように、また、用いられる最終組成物(例えば、インク組成物)中の液体展色剤(ベヒクル)に合うように選ばれる。例えば、水性顔料分散液が水性のインクジェット記録用インク組成物に用いられる場合には、ポリマーは親水性であることが好ましい。
市販の分散剤としては、水系に用いることができ、かつ著しく着色していなければいずれでもよいが、例えば、日本ルーブリゾール(株)製のSOLESEPERSE(登録商標)シリーズである、SOLSPERSE20000、SOLSPERSE27000、SOLSPERSE41000、SOLSPERSE41090、SOLSPERSE43000、SOLSPERSE44000、SOLSPERSE54000;ビックケミー社製のDISPERBYK(登録商標)シリーズである、DISPERBYK−180、DISPERBYK−181、DISPERBYK−182、DISPERBYK−183、DISPERBYK−184、DISPERBYK−185、DISPERBYK−187、DISPERBYK−190、DISPERBYK−191、DISPERBYK−192、DISPERBYK−193、DISPERBYK−194、DISPERBYK−2010、DISPERBYK−2012、DISPERBYK−2013、DISPERBYK−2015、DISPERBYK−2055、DISPERBYK−2060、DISPERBYK−2061、DISPERBYK−2090、DISPERBYK−2091、DISPERBYK−2095、DISPERBYK−2096;ビーエーエスエフ社製のEFKA(登録商標)シリーズである、EFKA 4500、EFKA 4510、EFKA 4520、EFKA 4550、EFKA 4560、EFKA 4570、EFKA 4580、EFKA 4585、EFKA 4800、EFKA 5071、EFKA 6220、EFKA 6225、EFKA 6230、Dispex(登録商標) Ultra PX 4575等を用いることができる。
本発明の水性顔料分散液中の式1で表されるアゾ顔料の含有量をP、分散剤の含有量をDとし、含有量Dと含有量Pとの比をD/P値としたときに、D/P値が0.1以上0.8以下であることが好ましく、0.2以上0.75以下であることがより好ましく、0.3以上0.7以下であることが更に好ましい。
本発明の水性顔料分散液中の式1で表されるアゾ顔料の含有量をP、第一の分散剤の含有量をDとし、含有量Dと含有量Pとの比(質量比)をD/P値としたときに、D/P値が、0.05以上1.2以下であることが好ましく、0.1以上0.8以下であることがより好ましく、0.2以上0.75以下であることが更に好ましく、0.3以上0.7以下であることが特に好ましい。上記範囲であると、保存安定性により優れる。
本発明の水性顔料分散液中の式1で表されるアゾ顔料の含有量をP、第二の分散剤の含有量をDとし、含有量Dと含有量Pとの比(質量比)をD/P値としたときに、D/P値が、0.05以上1.2以下であることが好ましく、0.1以上0.8以下であることがより好ましく、0.2以上0.75以下であることが更に好ましく、0.3以上0.7以下であることが特に好ましい。上記範囲であると、保存安定性により優れる。
また、本発明の水性顔料分散液中における第一の分散剤の含有量Dと、第二の分散剤の含有量Dとの質量比は、D:D=5:1〜1:5であることが好ましく、3:1〜1:3であることがより好ましく、1:2〜2:1であることが更に好ましい。上記範囲であると、保存安定性により優れる。
また、本発明の水性顔料分散液中の第一の分散剤及び第二の分散剤の総含有量は、式1で表されるアゾ顔料100質量部に対して、10〜80質量部であることが好ましく、20〜75質量部であることがより好ましく、30〜70質量部であることが更に好ましい。
また、本発明の水性顔料分散液は、第一の分散剤及び第二の分散剤以外の他の分散剤を含有していてもよい。
他の分散剤を含有する場合、他の分散剤は、アミン価5mgKOH/g以上かつアミン価>酸価である分散剤であるか、又は、長鎖脂肪酸塩、若しくは、酸価が5mgKOH/g以上かつ酸価≧アミン価である分散剤であることが好ましい。他の分散剤が上記分散剤でない場合、第一の分散剤及び第二の分散剤の総含有量は、水性顔料分散液中の分散剤の全質量に対し、50質量%以上であることが好ましく、70質量%以上であることがより好ましく、90質量%以上であることが更に好ましい。
<水>
本発明の水性顔料分散液は、分散媒として水を含有する。
水としては、水道水や井水等であってもよく、特に制限はないが、例えば、イオン交換水、限外ろ過水、逆浸透水、蒸留水等の純水や超純水が好ましい。更に、カビやバクテリア等の発生を防ぐ目的で、紫外線処理、過酸化水素水処理等により滅菌された水を用いることも好ましい。
また、本発明において、水性顔料分散液は、上記の水に加えて、有機溶剤を含有してもよい。なお、含有する有機溶剤の量は、水の含有量よりも少ないことが好ましく、水性顔料分散液が含有する水100質量部に対して、有機溶剤の含有量は100質量部未満であることが好ましく、50質量部以下であることがより好ましく、30質量部以下であることが更に好ましく、10質量部以下であることが特に好ましく、含有しないことが最も好ましい。
併用する有機溶剤は、水溶性有機溶剤であることが好ましく、エタノール、メタノール、ブタノール、プロパノール、イソプロパノール等の炭素数1〜4のアルキルアルコール類、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノ−nプロピルエーテル、エチレングリコールモノ−iso−プロピルエーテル、ジエチレングリコールモノ−iso−プロピルエーテル、エチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、エチレングリコールモノ−t−ブチルエーテル、ジエチレングリコールモノ−t−ブチルエーテル、1−メチル−1−メトキシブタノール、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノ−n−プロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノ−iso−プロピルエーテル等のグリコールエーテル類、2−ピロリドン、ホルムアミド、アセトアミド、ジメチルスルホキシド、ソルビット、ソルビタン、アセチン、ジアセチン、トリアセチン、スルホラン等が挙げられる。これらは1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
<その他の成分>
本発明の水性顔料分散液は、式1で表されるアゾ顔料、第一の分散剤、第二の分散剤、及び、水に加え、その他の成分を含有していてもよい。
その他の成分としては、防腐剤、多価イオン等が例示される。
<防腐剤>
防腐剤について説明する。本発明において、防腐剤とは微生物、特に細菌・真菌(カビ)の発生、発育を防止する機能を有するものをいう。
本発明に使用可能な防腐剤としては、種々のものが使用可能である。
防腐剤としては、重金属イオンを含有する無機物系の防腐剤(銀イオン含有物など)や塩類をまず挙げることができる。有機系の防腐剤としては、第四級アンモニウム塩(テトラブチルアンモニウムクロリド、セチルピリジニウムクロリド、ベンジルトリメチルアンモニウムクロリド等)、フェノール誘導体(フェノール、クレゾール、ブチルフェノール、キシレノール、ビスフェノール等)、フェノキシエーテル誘導体(フェノキシエタノール等)、ヘテロ環化合物(ベンゾトリアゾール、プロキセル(PROXEL)、1,2−ベンゾイソチアゾリン−3−オン等)、酸アミド類、カルバミン酸、カルバメート類、アミジン・グアニジン類、ピリジン類(ナトリウムピリジンチオン−1−オキシド等)、ジアジン類、トリアジン類、ピロール・イミダゾール類、オキサゾール・オキサジン類、チアゾール・チアジアジン類、チオ尿素類、チオセミカルバジド類、ジチオカルバメート類、スルフィド類、スルホキシド類、スルホン類、スルファミド類、抗生物質類(ペニシリン、テトラサイクリン等)、デヒドロ酢酸ナトリウム、安息香酸ナトリウム、p−ヒドロキシ安息香酸エチルエステル、及び、その塩など種々のものが使用可能である。
また、防腐剤としては、防菌防微ハンドブック(技報堂出版(株):1986)、防菌防黴剤事典(日本防菌防黴学会事典編集委員会編)等に記載のものも使用することができる。
これらの化合物は、油溶性の構造、水溶性の構造のものなど種々のものが使用可能であるが、好ましくは水溶性の化合物である。
防腐剤としては、フェノール誘導体、又は複素環化合物が好ましく、複素環化合物が更に好ましい。
複素環化合物としては、チアゾール系化合物又はベンゾトリアゾール系化合物であることが好ましい。チアゾール系化合物は、防腐剤の中でも、特に防黴剤として機能する。チアゾール系化合物としては、ベンズイソチアゾリン、イソチアゾリン、1,2−ベンズイソチアゾリン−3−オン、5−クロロ−2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オン、2−(チオシアノメチルチオ)ベンズチアゾール、2−メルカプトベンズチアゾール及び3−アリルオキシ−1,2−ベンズイソチアゾール−1,1−オキシド等を挙げることができる。また、チアゾール系防黴剤としては、アーチ・ケミカルズ(株)より製造販売されているProxel(商標)シリーズ(BDN、BD20、GXL、LV、XL2及びUltra10等)を使用することもできる。
ベンゾトリアゾール系化合物は、防腐剤の中でも、特に防錆剤として機能し、例えばインクジェットヘッドを構成する金属材料(特に42合金(42%ニッケルを含有するニッケル−鉄合金))がインクとの接触を原因の一つとする錆の発生を防止することができる。ベンゾトリアゾール系化合物としては、1H−ベンゾトリアゾール、4−メチル−1H−ベンゾトリアゾール、5−メチル−1H−ベンゾトリアゾール及びこれらのナトリウム塩又はカリウム塩等を挙げることができる。
防腐剤は単独でも2種以上を組み合わせ水溶液に添加することができる。
防腐剤が、複素環化合物、フェノール誘導体、フェノキシエーテル誘導体、及び、アルカンジオール類よりなる群から選ばれた少なくとも1種であることが好ましく、少なくとも1種の防腐剤が、複素環化合物であることがより好ましい。
防腐剤が複素環化合物であり、上記複素環化合物がチアゾール系化合物又はベンゾトリアゾール系化合物であることが更に好ましい。
水性顔料分散液中の防腐剤の含有量は、広い範囲で使用可能であるが、式1で表されるアゾ顔料に対して、0.01〜20質量%が好ましく、0.1〜10質量%がより好ましく、0.5〜5質量%が更に好ましい。防腐剤の含有量を上記の範囲とすることで水溶液中の菌の増殖を抑制するという効果がある。
<多価金属イオン>
本発明の水性顔料分散液は、多価金属イオンを含有してもよい。
本発明でいう多価金属イオンとは、例えば、Fe3+、Fe2+、Mg2+、Ca2+、Sr2+、Ba2+、Cd2+、Ni2+、Zn2+、Cu2+、Co2+、Pb2+、Mn2+、Al3+、Cr3+、Sn4+などを挙げることができる。
水性顔料分散液中の多価金属イオンの含有量は、それぞれ10ppm以下であることが好ましく、それぞれ0.001〜5ppmであることがより好ましい。水性顔料分散液中の多価金属イオンの含有量を、上記で規定した量とすることにより、本発明の水性顔料分散液中の顔料及び/又は分散剤は、凝集による粗大粒子の増大を抑制することができる。
(着色組成物)
本発明の着色組成物は、本発明の水性顔料分散剤を含有する。
本発明の着色組成物は、必要に応じてその他の添加剤を、本発明の効果を害しない範囲内において含有しうる。その他の添加剤としては、例えば、乾燥防止剤(湿潤剤)、褪色防止剤、乳化安定剤、浸透促進剤、紫外線吸収剤、防黴剤、pH調整剤、表面張力調整剤、消泡剤、粘度調整剤、分散剤、分散安定剤、防錆剤、キレート剤等の公知の添加剤(特開2003−306623号公報に記載)が挙げられる。これらの各種添加剤は、水溶性インクの場合にはインク液に直接添加する。
本発明で得られる水性顔料分散液を用いた着色組成物としては、例えば、自動車、塗装鋼板、建材、缶等の水性塗料、繊維を染色する捺染剤、グラビアインキ、フレキソインキ等の水性インキ、水性ボールペン、万年筆、水性サインペン、水性マーカー等の筆記具用インキ、バブルジェット(登録商標)方式、サーマルジェット方式、ピエゾ方式等のオンデマンドタイプのインクジェットプリンター用の水性記録液、液晶テレビ、ラップトップ型のパソコン等に使用されるカラーフィルター用の分散液等が挙げられるが、これらの用途に限定されるものではない。
上記着色組成物は、本発明によって得られる水性顔料分散液と、塗膜形成性樹脂、その硬化剤、各種助剤、有機溶剤、水、塩基性物質、各種顔料等とをその用途に応じて適宜選択混合して、調製される。
本発明によって得られる水性顔料分散液の着色組成物中での含有割合は、顔料換算で50質量%以下が好ましく、0.1〜40質量%の範囲が特に好ましい。顔料の割合が50質量%を超えると、着色組成物中の粘度が高くなり、被塗物を着色することができなくなる傾向にある。
塗膜形成性樹脂としては、例えば、にかわ、ゼラチン、カゼイン、アルブミン、アラビアゴム、フィッシュグリューなどの天然タンパク質やアルギン酸、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ポリエチレンオキシド、ヒドロキシエチルセルロース、ポリビニルアルコール、ポリアクリルアミド、芳香族アミド、ポリアクリル酸、ポリビニルエーテル、ポリビニルピロリドン、アクリル樹脂、ポリエステル、アルキド樹脂、ウレタン樹脂、アミド樹脂、メラミン樹脂、エーテル樹脂、フッ素樹脂、スチレンアクリル樹脂、スチレンマレイン酸樹脂等の合成高分子、感光性樹脂、熱硬化性樹脂、紫外線硬化樹脂、電子線硬化樹脂等の一般的なものが挙げられるが、特にこれらに限定されない。また、これらは着色組成物の用途によって、選択され使用される。
これらの塗膜形成性樹脂の着色組成物中の割合は、0〜50質量%の範囲が好ましい。用途によって、水性顔料分散液に使用されている分散剤等における樹脂成分が塗膜にするための樹脂として作用したり、塗膜化用の樹脂を必要としない用途、例えば、記録液等の用途があり、着色組成物中に必ずしも塗膜形成性樹脂を必要とはしない。
塗膜形成性樹脂の硬化剤としては、例えば、メラミン樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、尿素樹脂等のアミノ樹脂、トリメチロールフェノール、その縮合物等のフェノール樹脂、テトラメチレンジイソシアネート(TDI)、ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、ナフタレンジイソシアネート(NDI)、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、キシリレンジイソシアネート(XDI)、それらの変性イソシアネートやブロックドイソシアネート等のポリイソシアネート、脂肪族アミン、芳香族アミン、N−メチルピペラジン、トリエタノールアミン、モルホリン、ジアルキルアミノエタノール、ベンジルジメチルアミン等のアミン類、ポリカルボン酸、無水フタル酸、無水マレイン酸、無水ヘキサヒドロフタル酸、無水ピロメリット酸、無水ベンゾフェノンテトラカルボン酸、エチレングリコールビストリメリテート等の酸無水物、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、フェノール系エポキシ樹脂、グリシジルメタクリレート共重合体、カルボン酸のグリシジルエステル樹脂、脂環式エポキシ等のエポキシ化合物、ポリエーテルポリオール、ポリブタジエングリコール、ポリカプロラクトンポリオール、トリスヒドロキシエチルイソシアネート(THEIC)等のアルコール類、ペルオキシドによるラジカル硬化あるいはUV硬化や電子線硬化に用いる不飽和基含有化合物としてのポリビニル化合物、ポリアリル化合物、グリコールやポリオールとアクリル酸又はメタクリル酸の反応物等のビニル化合物等が挙げられる。
硬化剤は、用途や適性により適宜選択され使用されるが、使用されないこともある。硬化剤の使用割合は、塗膜形成性樹脂100質量%に対して、0〜50質量%の範囲が好ましく、0〜40質量%の範囲が特に好ましい。
有機溶剤としては、例えば、メチルアルコール、エチルアルコール、n−ブチルアルコール、イソブチルアルコール、tert−ブチルアルコール、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール等のアルコール類;ジメチルホルムアルデヒド、ジメチルアセトアミド等のアミド類;アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類;テトラヒドロフラン、ジオキサン、エチレングリコールメチルエーテル、エチレングリコールエチルエーテル、ジエチレングリコールメチルエーテル、ジエチレングリコールエチルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル等のエーテル類;エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、トリエチレングリコール、1,2,6−ヘキサントリオール、チオジグリコール、ジエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、グリセリン等の多価アルコール類;N−メチル−ピロリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン等が挙げられる。これらの水溶性有機溶剤の中でも、多価アルコール類とエーテル類が好ましい。
有機溶剤の水性着色液中の含有割合は、50質量%以下が好ましく、0〜30質量%の範囲が特に好ましい。特に、水性着色液の性能が劣ることがなければ、環境問題から全く含まないものが好ましいのはいうまでもない。
必要に応じて使用される助剤としては、分散湿潤剤、皮張り防止剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、防腐剤、防黴剤、pH調整剤、粘度調整剤、キレート剤、界面活性剤等の各種助材や安定剤が挙げられるが、これらに限定されない。
塩基性物質としては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等の無機化合物;エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、N−メチルエタノールアミン、N−エチルジエタノールアミン、2−アミノ−2−メチルプロパノール、2−エチル−2−アミノ−1,3−プロパンジオール、2−(アミノエチル)エタノールアミン、トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン、アンモニア、ピペリジン、モルフォリン等の有機アミン化合物が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
これらの着色組成物に本発明の水性顔料分散液を分散させる分散機としては、ディスパーのような簡単な公知の分散機で十分であるが、これらに限定されるものではない。
着色組成物を製造する方法としては、本発明の水性顔料分散液と、塗膜形成性樹脂、硬化剤、各種助剤、有機溶剤、水、各種顔料組成物等とを添加撹拌混合するだけで製造できるが、高粘度の樹脂や有機溶剤を添加する場合は、本発明の水性顔料分散液を撹拌し、その中に、上記樹脂や硬化剤、有機溶剤、各種助剤を順次添加する方法がより好ましい。
また、本発明によって得られる水性顔料分散液を含有する着色組成物は、その用途に合わせて製造することができる。更に、着色組成物に要求される貯蔵安定性、溶剤安定性や筆記具等のペン先でのノズルの詰まりを防止する親水性等の性能や、耐水性、耐候性、透明性や鮮明性等の諸適性に優れた塗膜の性能を提供できる。
(インク組成物)
本発明のインク組成物は、本発明の水性顔料分散剤を原料として用いたインク組成物であり、本発明の水性顔料分散液を含有することが好ましい。
インク組成物としては、特に限定されず、上述した着色組成物を適宜インク用途に使用すればよい。具体的には、グラビアインキ、フレキソインキ等の水性インキ、水性ボールペン、万年筆、水性サインペン、水性マーカー等の筆記具用インキ、バブルジェット(登録商標)方式、サーマルジェット方式、ピエゾ方式等のオンデマンドタイプのインクジェットプリンター用のインクとして使用することができる。
これらの中でも、本発明のインク組成物は、インクジェット記録用インク組成物として好適である。
本発明の水性顔料分散液が適用されるインクジェット記録用インク組成物は、顔料の平均粒子径(Mv)が20〜250nmの範囲であることが好ましく、20〜100nmの範囲であることが更に好ましい。顔料の平均粒子径が20nm以上であれば、分散安定性が向上するため良好な保存安定性や吐出安定性を得ることができ、更に記録物の高いOD値を確保することができる。また、顔料の平均粒子径が250nm以下であれば、ノズル目詰まりを防止することができ、更に顔料を吸着した樹脂の沈降も抑制することができる。
インクジェット記録用インク組成物は、本発明の水性顔料分散液を用いて製造されるものであって、インク組成物全量に対する顔料の含有量が、2〜15質量%の範囲であることが好ましい。顔料含有量が2質量%以上であれば、記録物の高いOD値を確保することができる。また、顔料含有量が15質量%以下であれば、インクジェット適正物性値に合わせやすく、更に良好な保存安定性や吐出安定性を確保することができる。
また、インクジェット記録用インク組成物は、溶剤として、水以外に、有機溶剤を併用することもできる。このような有機溶剤としては、水と相溶性を有し、記録媒体へのインク組成物の浸透性及びノズル目詰まり防止性を向上させるとともに、後述する浸透剤等のインク組成物中成分の溶解性を向上させるものが好ましい。
例えば、エタノール、メタノール、ブタノール、プロパノール、イソプロパノール等の炭素数1〜4のアルキルアルコール類、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノ−nプロピルエーテル、エチレングリコールモノ−iso−プロピルエーテル、ジエチレングリコールモノ−iso−プロピルエーテル、エチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、エチレングリコールモノ−t−ブチルエーテル、ジエチレングリコールモノ−t−ブチルエーテル、1−メチル−1−メトキシブタノール、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノ−n−プロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノ−iso−プロピルエーテル等のグリコールエーテル類、2−ピロリドン、ホルムアミド、アセトアミド、ジメチルスルホキシド、ソルビット、ソルビタン、アセチン、ジアセチン、トリアセチン、及び、スルホラン等が挙げられる。これら溶剤の1種又は2種以上を、本発明のインク組成物中に好ましくは0〜10質量%で用いることができる。
インクジェット記録用インク組成物には、印字品質を向上させる点から、界面活性剤を含有させることが好ましい。
界面活性剤としては、一般的に使用されるアニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、両性界面活性剤及びノニオン性界面活性剤から選択できるが、この中でもノニオン性界面活性剤が特に好ましい。
ノニオン性界面活性剤の具体例としては、アセチレングリコール系界面活性剤、アセチレンアルコール系界面活性剤、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンフェニルエーテル等が挙げられ、これらを用いることにより、イオン性の界面活性剤と比較して発泡の少ないインク組成物を得ることができる。更にノニオン性界面活性剤の中でも、アセチレングリコール系界面活性剤が、発泡がほとんどないインク組成物を得ることができ、インクジェット記録に用いる場合、特に好ましい。
このようなアセチレングリコール系界面活性剤としては、例えば、2,4,7,9−テトラメチル−5−デシン−4,7−ジオール、3,6−ジメチル−4−オクチン−3,6−ジオール、3,5−ジメチル−1−ヘキシン−3−オール、又はこれらの物質それぞれにおける複数の水酸基それぞれにエチレンオキシ基若しくはプロピレンオキシ基を平均1〜30個付加してなる物質等が挙げられる。
また、アセチレングリコール系界面活性剤としては、市販品を用いることもでき、例えば、「オルフィンE1010」及び「オルフィンSTG」(以上、日信化学工業(株)製)等が挙げられる。これらの1種又は2種以上を用いることができる。
アセチレングリコール系界面活性剤の含有量は、本発明のインク組成物中、0.1〜3質量%であることが好ましく、0.5〜1.5質量%であることがより好ましい。
インクジェット記録用インク組成物には、記録媒体への定着性を更に向上させて、記録する画像の耐擦性を高めるために、浸透剤を含有させることが好ましい。
このような浸透剤としては、ジエチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、ジエチレングリコールモノ−t−ブチルエーテル、トリエチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、プロピレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノ−n−ブチルエーテル等のグリコールエーテル類が好ましく、特に、ジエチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、トリエチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノ−n−ブチルエーテルが優れた浸透性能と取り扱いが容易であるという点から好ましい。
浸透剤の含有量は、インク組成物の浸透性及び速乾性を向上させて、インクの滲み発生を有効に防止できる点で、本発明のインク組成物中、1〜20質量%であることが好ましく、2〜10質量%であることがより好ましい。
インクジェット記録用インク組成物には、ノズル目詰まりを防止して信頼性をより高めるために、水溶性グリコール類を含有させることが好ましい。
このような水溶性グリコール類としては、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、分子量2,000以下のポリエチエングリコール、1,3−プロピレングリコール、イソブチレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,2−ヘキサンジオール、1,6−ヘキサンジオール等の二価のアルコールや、グリセリン、メソエリスリトール、ペンタエリスリトール等の三価以上のアルコール等が挙げられる。
水溶性グリコール類は、1種又は2種以上を用いることができる。
水溶性グリコール類の含有量は、本発明のインク組成物中に1〜30質量%であることが好ましい。
また、インクジェット記録用インク組成物には、上記水溶性グリコール類と同様に、ノズルの目詰まり防止のために、防黴剤や防腐剤を含有させることもできる。
例えば、安息香酸ナトリウム、ペンタクロロフェノールナトリウム、2−ピリジンチオール−1−オキサイドナトリウム、ソルビン酸ナトリウム、デヒドロ酢酸ナトリウム、1,2−ジベンジソチアゾリン−3−オン(AVECIA社のプロキセルCRL、プロキセルBDN、プロキセルGXL、プロキセルXL−2、プロキセルTN)等が挙げられる。
これら防黴剤や防腐剤の1種又は2種以上を、本発明のインク組成物中に好ましくは0.01〜0.5質量%で用いることができる。
インクジェット記録用インク組成物は、印字濃度の向上及び液安定性の観点から、そのpHを6〜11とすることが好ましく、7〜10とすることがより好ましい。インク組成物のpHを上記範囲内とするためには、pH調整剤を含有させることが好ましい。
pH調整剤としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム等の無機アルカリ類、アンモニア、トリエタノールアミン、エチルジエタノールアミン、ジエチルエタノールアミン、トリプロパノールアミン等の炭素数6〜10の第三級アミン類等が挙げられる。
pH調整剤は、その1種又は2種以上を、本発明のインク組成物中に好ましくは0.01〜2質量%で用いることができる。
本発明のインクジェット記録方法は、本発明のインクジェット記録用インク組成物を記録媒体上にインクジェット方式により吐出する工程を含む。
本発明のインクジェット記録方法は、インクを微細なノズルより液滴として吐出して、その液滴を記録媒体に付着させるいかなる方式も使用することができる。
その幾つかを説明する。まず静電吸引方式がある。この方式はノズルとノズルの前方に置いた加速電極の間に強電界を印可し、ノズルからインクを液滴状で連続的に噴射させ、インク滴が偏向電極間を飛翔する間に印刷情報信号を偏向電極に与えて記録する方式、あるいはインク滴を偏向することなく印刷情報信号に対応して噴射させる方式がある。
第二の方式としては、小型ポンプでインク液に圧力を加え、ノズルを水晶振動子等で機械的に振動させることにより、強制的にインク滴を噴射させる方式である。噴射したインク滴は噴射と同時に帯電させ、インク滴が偏向電極間を飛翔する間に印刷情報信号を偏向電極に与えて記録する。
第三の方式は、圧電素子を用いる方式であり、インクに圧電素子で圧力と印刷情報信号を同時に加え、インク滴を噴射・記録させる方式である。
第四の方式は、熱エネルギーの作用によりインクを急激に体積膨張させる方式であり、インクを印刷情報信号に従って微小電極で加熱発泡させ、インク滴を噴射・記録させる方式である。
以上のいずれの方式もインク組成物を用いたインクジェット記録方法に使用することができる。本発明のインクジェット記録用インク組成物を適用することにより、いずれのインクジェット記録方式であっても、優れた吐出安定性、ノズル目詰まり防止性を実現し得る。
本発明のインクジェット記録方法に用いることができる記録媒体としては、特に限定されず、支持体や記録材料として公知の記録媒体を使用することができる。例えば、紙、プラスチック(例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン等)がラミネートされた紙、金属(例えば、アルミニウム、亜鉛、銅等)製の板、プラスチック(例えば、二酢酸セルロース、三酢酸セルロース、プロピオン酸セルロース、酪酸セルロース、酢酸酪酸セルロース、硝酸セルロース、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリプロピレン、ポリカーボネート、ポリビニルアセタール等)製のフィルム、上述した金属がラミネートされた又は蒸着された紙又はプラスチックフィルム等が挙げられる。
本発明の記録物は、少なくとも本発明のインク組成物を用いてインクジェット記録が行われて得られたものである。この記録物は、本発明のインク組成物を用いることにより、インク組成物の、特にインク組成物中の顔料の定着性が向上し、濃度、耐擦過性及び光沢性に優れた文字や図形等の画像を形成することができる。
以下、実施例により本発明を更に具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例における形態に限定されるものではない。なお、特に断りのない限り、「部」、及び「%」は質量基準である。
<顔料分散液中の粒子径の測定方法>
顔料分散液中の粒子径は、日機装(株)製Nanotrac150(UPA−EX150)を用いて測定した。
<アゾ顔料(1)の合成>
式1で表されるアゾ顔料であるアゾ顔料(1)は、特開2010−159405号公報に記載の方法で合成した。得られたアゾ顔料(1)の一次粒子の長軸方向の長さは、約0.2μmであった。
<水性顔料分散液A−Aの製造>
特定顔料として、アゾ顔料(1)を15.0部と、分散剤1として、ビーエーエスエフ(株)社製EFKA4585(固形分濃度:〜50%)を7.5部と、水82.0部とを混合し、直径0.1mmのジルコニアビーズ375部とともにサンドグラインダミルTSG1(アイメックス社製)を用いて毎分1,500回転、45℃で分散を行った。なお、固形分濃度が〜50%であるとは、固形分濃度が約50%であることを表し、以下に記載した説明における固形分濃度及び表2〜表6中の固形分濃度についても同様である。体積平均粒子径Mvが100nm以下となるまで分散を行った後、ジルコニアビーズを分離し、顔料濃度14.2%の水性顔料分散液A−Aを95部得た。体積平均粒子径Mvが100nm以下となるまで3時間を要した。
<水性顔料分散液1の製造>
20部の水性顔料分散液A−Aを撹拌している中に、分散剤2として、ビックケミー(株)社製DISPERBYK181(固形分濃度:〜63%)1.1部と水6.7部との混合液をゆっくり加え、常温にて1時間撹拌し、顔料濃度10.2質量%の水性顔料分散液1を得た。水性顔料分散液中のアゾ顔料の含有量をP、第一の分散剤及び第二の分散剤の合計含有量をDとし、含有量Dと含有量Pとの比(質量比)をD/Pとしたところ、D/P=0.5であった。なお、以下に記載した表2〜表6中のD/Pも、同様に計算した値である。
<水性顔料分散液2〜9の製造>
水性顔料分散液1の製造において用いられた分散剤2を、下記表2に記載の化合物に変更した以外は、水性顔料分散液1の製造と同様に、水性顔料分散液2〜9を製造した。
<水性顔料分散液10〜11の製造>
水性顔料分散液1を60℃にて1時間加熱することにより、水性顔料分散液10を得た。同様にして、水性顔料分散液3を60℃にて1時間加熱することにより水性顔料分散液11を得た。
<水性顔料分散液12の製造>
8部の水性顔料分散液1に対し、イオン交換樹脂(オルガノ(株)製 アンバーライトMB−2)0.4部を加えて約4時間撹拌した後、イオン交換樹脂を除去した。その後、トリイソプロパノールアミン(和光純薬工業(株)製)を加えてpHを9.0に調整して水性顔料分散液12を得た。
<水性顔料分散液13の製造>
8部の水性顔料分散液2に対し、イオン交換樹脂(オルガノ(株)製 アンバーライトMB−2)0.4部を加えて約4時間撹拌した後、イオン交換樹脂を除去した。その後、トリイソプロパノールアミン(和光純薬工業(株)製)を加えてpHを9.0に調整して水性顔料分散液13を得た。
Figure 2016069630
<水性顔料分散液A−B〜A−Iの製造>
水性顔料分散液A−Aの製造において用いられた分散剤1を、下記表3に記載の化合物に変更した以外は、水性顔料分散液A−Aの製造と同様に、水性顔料分散液A−B〜A−Iを製造した。
Figure 2016069630
<水性顔料分散液14〜24の製造>
水性顔料分散液1の製造において用いられた水性顔料分散液A−A及び分散剤2を、下記表4に記載の化合物に変更した以外は、水性顔料分散液1の製造と同様に、水性顔料分散液14〜24を製造した。
Figure 2016069630
<水性顔料分散液25の製造>
水性顔料分散液24を50℃1時間加熱し、水性顔料分散液25を得た。
<比較用水性顔料分散液1の製造>
水性顔料分散液1の製造において、アゾ顔料(1)をP.Y.74(ピグメントイエロー74、大日精化(株)製)に替えて同様にして比較水性顔料分散液1を得た。
<微細アゾ顔料(1)の合成>
得られたアゾ顔料(1)をソルトミリングを行い、一次粒子の長軸方向の長さが0.03μmの微細アゾ顔料(1)を得た。ソルトミリングは以下の方法にて行った。
以下の組成となるように、スーパーミキサーにアゾ顔料(1)及び食塩を投入して混合した。スーパーミキサーを回転させながらジエチレングリコールを少しずつ添加して混合物(以下、「予備混合物」ということがある)を調製した。
・アゾ顔料(1) ・・・150部
・食塩(赤穂化成(株)製 オシオミクロンT−0) ・・・1,500部
・ジエチレングリコール ・・・300部
続いて、連続式1軸混練機(浅田鉄工(株)製、ミラクルKCK−L)の磨砕部及び押し出し部の5箇所の温度を15〜20℃に、軸回転数50rpmに設定し、上記で得られた予備混合物を投入し、混練物を得た。この時、電流値(負荷)は約4Aで、吐出量は50g/分、吐出物の温度は16℃であった。
こうして得られた混練物を1%希塩酸5,000部へ投入して撹拌処理を行った後、ろ過及び十分に水洗をして食塩及びジエチレングリコールを除去し、乾燥した。
<水性顔料分散液A−A’〜A−F’の製造>
水性顔料分散液A−Aの製造において用いられたアゾ顔料(1)の代わりに、微細アゾ顔料(1)を用い、分散剤2を、下記表5に記載の化合物に変更した以外は、水性顔料分散液1の製造と同様に、水性顔料分散物液A−A’〜A−F’を製造した。
Figure 2016069630
<水性顔料分散液26〜29の製造>
水性顔料分散液1の製造において用いられた水性顔料分散液A−A及び分散剤2を、下記表6に記載の化合物に変更した以外は、水性顔料分散液1の製造と同様に、水性顔料分散液26〜29を製造した。
Figure 2016069630
<顔料インクIの作製>
上記実施例の水性顔料分散液1〜29、及び比較用水性顔料分散液1及び水性顔料分散液A−A〜A−Iをそれぞれ、総質量が10.88部で顔料濃度が6.90質量%となるように水を添加し、そこに、2−ピロリジノン0.45部、グリセロール2.25部、1,2−ヘキサンジオール0.60部、エチレングリコール0.75部、サーフィノール465(界面活性剤、日信化学工業(株)製)、0.08部の混合溶液を加え、十分に撹拌し、顔料濃度5質量%の顔料インクI−1〜I−29、比較顔料インクI−1及び顔料インクI−A〜I−Iを得た。評価結果は表7に記載した。
<顔料インクIIの作製>
上記実施例の水性顔料分散液1〜29、及び比較例の水性顔料分散液1及び水性顔料分散液A−A〜A−Iをそれぞれ、総質量が11.15部で顔料濃度が6.73質量%となるように水を添加し、そこに、トリエチレングリコールモノブチルエーテル1.50部、エチレングリコール2.25部、サーフィノール485(界面活性剤、日信化学工業(株)製)、0.11部の混合溶液を加え、十分に撹拌し、顔料濃度5質量%の顔料インクII−1〜II−25、比較顔料インクII−1及び顔料インクII−A〜II−Iを得た。評価結果は表7に記載した。
(評価)
<保存安定性>
上記の水性顔料分散液1〜29、比較水性顔料分散液1、水性顔料分散液A−A〜A−I、顔料インクI−1〜I−29、及び比較顔料インクI−1及び顔料インクI−A〜I−I、顔料インクII−1〜II−29、及び比較顔料インクII−1及び顔料インクII−A〜II−Iをそれぞれ60℃にて4週間静置した。評価結果は表7に記載した。
<粘度>
4週間静置した水性顔料分散液及び顔料インクの粘度が(東機産業(株)製RE80L型粘度計を用いて、25℃、100rpmの条件で測定)、変化率が5%以内のものをA、5%を超えて10%未満のものをB、10%以上15%未満のものをC、15%以上のものをDとして評価した。評価結果は表7に記載した。
<粒子径>
4週間静置前後の水性顔料分散液及び顔料インクの体積平均粒子径を測定し(日機装(株)製Nanotrac150(UPA−EX150)を用いて測定)、4週間静置前後における体積平均粒子径の変化率が10%以内のものをA、変化率が10%を超えて15%未満のものをB、変化率が15%以上20%未満のものをC、変化率が20%以上のものをDとして評価した。
<画像堅牢性>
上記水系インクをイエローインクとし、市販のセイコーエプソン(株)製のプリンター(型番:PX−V630)を用い、富士フイルム(株)製写真紙 画彩にODが1.0になるように印画し、アトラス社製ウェザーメーターを用いて画像にキセノン光(10万ルックス)を2週間照射した。試験前後のODをX−rite310にて測定し、ODの残存率を求め評価した。残存率が90%以上をA、90%未満80%以上をB、80%未満をCとして評価した。評価結果は表7に記載した。
Figure 2016069630
微細アゾ顔料(1)を用いても良好な結果が得られた。また、ソルトミリングを行っていないアゾ顔料(1)を用いても、ソルトミリングに供した微細アゾ顔料(1)を用いても、本発明の水性顔料分散液及びそれを用いた顔料インクは、同等の性能だった。

Claims (11)

  1. 工程Aとして、式1で表されるアゾ顔料又はその互変異性体、第一の分散剤及び水を混合し、混合物を作製する工程、
    工程Bとして、前記混合物を分散機で分散し、水性顔料分散液Aを得る工程、並びに、
    工程Cとして、工程Bで得られた水性顔料分散液Aに第二の分散剤を添加し、水性顔料分散液を得る工程、をこの順で含むことを特徴とする
    水性顔料分散液の製造方法。
    Figure 2016069630
  2. 第一の分散剤及び第二の分散剤の少なくとも一方が、高分子分散剤である、請求項1に記載の水性顔料分散液の製造方法。
  3. 第一の分散剤及び第二の分散剤が、下記(i)〜(iii)のいずれかを満たす、請求項1又は2に記載の水性顔料分散液の製造方法。
    (i)第一の分散剤が長鎖脂肪酸塩であり、かつ、第二の分散剤の酸価とアミン価の合計が30mgKOH/g以上であり、アミン価が5mgKOH/g以上であり、アミン価が酸価よりも大きい
    (ii)第一の分散剤の酸価とアミン価の合計が30mgKOH/gより小さく、アミン価が5mgKOH/g以上であり、アミン価が酸価よりも大きく、かつ、第二の分散剤の酸価とアミン価の合計が30mgKOH/g以上であり、酸価がアミン価以上である。
    (iii)第一の分散剤の酸価とアミン価の合計が30mgKOH/gより小さく、酸価が5mgKOH/g以上であり、酸価がアミン価以上であり、かつ、第二の分散剤の酸価とアミン価の合計が30mgKOH/g以上であり、アミン価が5mgKOH/g以上であり、アミン価が酸価よりも大きい
  4. 工程Bの後に、工程Dとして、加熱処理を行う工程を更に含む、請求項1〜3のいずれか1項に記載の水性顔料分散液の製造方法。
  5. 式1で表されるアゾ顔料又はその互変異性体に対し、第一の分散剤及び第二の分散剤の合計含有量が、10〜80質量%である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の水性顔料分散液の製造方法。
  6. 式1で表されるアゾ顔料又はその互変異性体が、ソルトミリングしていないものである、請求項1〜5のいずれか1項に記載の水性顔料分散液の製造方法。
  7. 請求項1〜6のいずれか1項に記載の水性顔料分散液の製造方法により製造された水性顔料分散液。
  8. 請求項7に記載の水性顔料分散液を含有する着色組成物。
  9. 請求項7に記載の水性顔料分散液、又は、請求項8に記載の着色組成物を含有するインク組成物。
  10. インクジェット記録用インク組成物である、請求項9に記載のインク組成物。
  11. 請求項10に記載のインクジェット記録用インク組成物を記録媒体上にインクジェット方式により吐出する工程を含む、インクジェット記録方法。
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