JP2011057731A - 顔料誘導体、これを用いた顔料分散体及び顔料水性インク - Google Patents

顔料誘導体、これを用いた顔料分散体及び顔料水性インク Download PDF

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Abstract

【課題】分散性、及び、加熱時の保存安定性が非常に高く、光堅牢性に優れた顔料分散物を得ることのできる顔料誘導体、これを用いた顔料分散体、及びその顔料分散体から構築される顔料水性インクを提供する。
【解決手段】一般式(1−1)等で表される化合物、その塩、水和物又は溶媒和物である顔料誘導体、及びこれを用いた顔料分散体、及びその顔料分散物。
Figure 2011057731

一般式(1−1)A及びBは、それぞれ独立に、5〜6員の複素環を表す。nは1〜3の整数を表す。一般式(1−1)中、Aは、エチレン基等表し、Bは水酸基又は−NH−A−Aで表される基を表し、Aはイオン性親水性基を表す。mは1〜4の整数を表す。
【選択図】なし

Description

本発明は、非凝集性に優れた水系又は非水系顔料分散体を提供するための顔料誘導体及びこれと顔料とを含む顔料分散体及び顔料水性インクに関し、より詳細には、塗料、カラーレジスト、水系又は非水系のインクジェット用インキ等の顔料分散体に適した顔料誘導体及びこれと顔料とを含む顔料分散体及び顔料水性インクに関し、分散性に優れ、高堅牢性に優れた顔料分散体及び顔料水性インクに関するものである。
一般に、顔料は、塗料やインキビヒクル中で分散されると、凝集を生じて流動性を悪化させ、他の顔料との混合時の色分れ、塗面光沢の低下等、各種の好ましくない現象を生じることが多い。
このような顔料の欠陥を改良するために、界面活性剤、金属石けん、各種樹脂などによる顔料の表面処理や、有機顔料の各種の誘導体の利用などが提案されている。
例えば、特許文献1や特許文献2ではアゾ系色素のトリアジン系酸型誘導体が、特許文献3ではアゾ系色素を除くアミノ基を有する有機顔料からのトリアジン系酸型誘導体、特許文献4ではキナクリドン色素とトリアジン系誘導体などの利用が報告されている。しかしながら、未だに誘導体の色相の鮮明性等の点や、特に、色あせの原因である光堅牢性は充分に満足し得るものが得られていないのが実状である。
また、顔料の分散技術は、インクジェット記録の分野に於いては非常に重要である。このインクジェット記録は、微細なノズルからインクを小滴として吐出し、文字や図形を被記録体表面に記録する方法である。インクジェット記録方式としては電歪素子を用いて電気信号を機械信号に変換し、ノズルヘッド部分に貯えたインクを断続的に吐出して被記録体表面に文字や記号を記録する方法、ノズルヘッド部分に貯えたインクを吐出部分に極近い一部を急速に加熱して泡を発生させ、その泡による体積膨張で断続的に吐出して、被記録体表面に文字や記号を記録する方法などが実用化されている。
このようなインクジェット記録に用いられるインクは顔料分散体としての粒度分布が小さいこと、熱が加わってもその粒度分布に変化がないこと、様々な被記録体表面に均一に印字できムラがないことなどの特性が要求されている。
しかしながら、上記のインク物性を満足できる形態まで改善し、更に高い光堅牢性を付与したインクの技術は未だ世の中には存在していない。
特開平7−126546号公報 特許第4168118号明細書 特開平9−122470号公報 特開2007−186681号公報
本発明は、上記従来技術の問題点を解決するために為されたものであり、本発明は、有機顔料を含有する塗料、カラーレジスト、水系又は非水系のインクジェット用インキ等のビヒクル中での顔料の結晶成長を防止し、その結果、分散安定性に優れた水系又は非水系の顔料分散体を得ることのできる顔料誘導体、これを用いた顔料分散剤及び顔料水性インクを提供することを目的とする。
より具体的には、分散性、及び、加熱時の保存安定性が非常に高く、光堅牢性に優れた顔料分散物を得ることのできる顔料誘導体、これを用いた顔料分散体、及びその顔料分散体から構築される顔料水性インクを提供することを目的とする。
本発明者らが鋭意検討したところ、光堅牢性を満足するには従来にはない新規な顔料を用い、易分散性及び加熱時の保存安定性を達成するには分散対象である顔料の骨格に類似した顔料誘導体が必要なことが判った。これにより、上記問題点を解決し得る水系又は非水系顔料分散剤として使用し得る実用上極めて有用な顔料誘導体、及びこれを用いた顔料水性インクの開発が達成できた。
すなわち、本発明の上記目的は下記方法によって達成された。
〔1〕 一般式(1−1)若しくは(1−2)で表される化合物、その塩、水和物又は溶媒和物である顔料誘導体。
Figure 2011057731
Figure 2011057731
一般式(1−1)及び(1−2)中、A及びBは、それぞれ独立に、5〜6員の複素環を表す。nは1〜3の整数を表す。nが2若しくは3の場合は、[A−N=N−B]で表される構造は、A若しくはBを介した2量体若しくは3量体を表す。
一般式(1−1)中、Aは、エチレン基、フェニレン基及びナフチレン基からなる群から選択される基を表し、置換基を有していてもよい。Bは水酸基又は−NH−A−Aで表される基を表し、Aはイオン性親水性基を表す。mは1〜4の整数を表す。
一般式(1−2)中、Q及びQは、それぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜2の低級アルキル基若しくは低級アルコキシ基又は水酸基を表し、Wは、B群で示される化合物群から選ばれる2価の連結基であり、A及びBは、それぞれ独立に、−NH−L−SOHで示される基又は水酸基を表す。ここでLは、エチレン基、フェニレン基及びナフチレン基からなる群から選択される基であって、これらは置換基を有していてもよい。
Figure 2011057731
R’は、水素原子、アルキル基、アリール基、又は複素環基を表す。
〔2〕 一般式(1−1)若しくは(1−2)で表される化合物又はその塩が、一般式(2−1)若しくは(2−2)で表される化合物、その塩、水和物又は溶媒和物であることを特徴とする上記〔1〕の顔料誘導体。
Figure 2011057731
Figure 2011057731
一般式(2−1)及び(2−2)中、Gはアルキル基、アリール基、又は5〜6員の複素環基を表し、R及びQは、それぞれ独立に、水素原子又は一価の置換基を表す。HetはA群から選ばれる5員複素環基を表す。*は、一般式(2−1)及び(2−2)中のアゾ基との結合部位を表す。(A群の化合物中、X、Y、Z、W、W、W、W、Wは、それぞれ独立に、水素原子又は一価の置換基を表す。)
Figure 2011057731
nは1〜3の整数を表す。nが2若しくは3の場合は、下記一般式(A)で表される構造が、置換基R、G、Q、Het若しくは、置換基Qを介した2量体若しくは3量体を表す。
Figure 2011057731
一般式(2−1)中、A、A2、B及びmの定義は、一般式(1−1)におけるA、A2、B及びmの定義と同様である。
一般式(2−2)中、Q、Q、W、A及びBの定義は、一般式(1−2)におけるQ、Q、W、A及びBの定義と同様である。
〔3〕 一般式(2−1)若しくは(2−2)で表される化合物又はその塩が、一般式(3−1)若しくは(3−2)で表される化合物、その塩、水和物又は溶媒和物であることを特徴とする上記〔2〕の顔料誘導体。
Figure 2011057731
Figure 2011057731
一般式(3−1)及び(3−2)中、G、R、Q、X、Y及びZの定義は、一般式(2−1)及び(2−2)におけるG、R、Q、X、Y及びZの定義と同様である。nは1〜3の整数を表す。nが2若しくは3の場合は、下記一般式(B)で表される構造が、置換基R、G、Q、X、Y、Z若しくは置換基Qを介した2量体若しくは3量体を表す。
Figure 2011057731
一般式(3−1)中、A、A2、B及びmの定義は、一般式(1−1)におけるA、A2、B及びmの定義と同様である。
一般式(3−2)中、Q、Q、W、A及びBの定義は、一般式(1−2)におけるQ、Q、W、A及びBの定義と同様である。
〔4〕 一般式(4)で表される顔料と、上記〔1〕又は〔2〕に記載の顔料誘導体とを含有する顔料分散体。
Figure 2011057731
一般式(4)中、Gはアルキル基、アリール基、又は5〜6員の複素環基を表し、R及びQは、それぞれ独立に、水素原子又は一価の置換基を表す。HetはA群から選ばれる5員複素環基を表す。*は、一般式(4)で示されるアゾ基との結合部位を表す。(A群の化合物中、X、Y、Z、W、W、W、W、Wは、それぞれ独立に、水素原子又は一価の置換基を表す。)
Figure 2011057731
nは1〜3の整数を表す。nが2若しくは3の場合は、一般式(4)で表される顔料は、置換基R、G、Q、Het若しくは、置換基Qを介した2量体若しくは3量体を表す。
〔5〕 一般式(5)で表される顔料と、上記〔3〕に記載の顔料誘導体とを含有する顔料分散体。
Figure 2011057731
一般式(5)中、Gはアルキル基、アリール基、又は5〜6員の複素環基を表し、R、Q、X、Y及びZは、それぞれ独立に、水素原子又は一価の置換基を表す。nは1〜3の整数を表す。nが2若しくは3の場合は、一般式(5)で表される顔料は、置換基R、G、Q、X、Y、Z若しくは置換基Qを介した2量体若しくは3量体を表す。
〔6〕 前記顔料が一般式(6)で表されることを特徴とする上記〔4〕又は〔5〕に記載の顔料分散体。
Figure 2011057731
一般式(6)中、R、R、X、X、Y、Y、Z、及びZはそれぞれ独立に、水素原子又は置換基を示し、Gは一価の置換基を有していても良い5〜6員含窒素複素環を示す。
〔7〕 上記〔4〕〜〔6〕のいずれかに記載の顔料分散体を用いることを特徴とする顔料水性インク。
本発明の顔料誘導体によれば、従来の顔料誘導体と比べると、分散性すなわち易分散性(分散時の進行)に優れており、作成された顔料分散体においては、加熱時の保存安定性が良好でかつそれを用いた顔料水性インクで印字した画像は従来にない光堅牢性が実現できる。
以下、本発明について詳細に説明する。
まず、本明細書において用いられる一価の置換基について若干説明する。本明細書において用いられる一価の置換基としては、以下の基(これらの基を「置換基」と称する)が挙げられる。
例えば、ハロゲン原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、複素環基、シアノ基、ヒドロキシル基、ニトロ基、カルボキシル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、シリルオキシ基、複素環オキシ基、アシルオキシ基、カルバモイルオキシ基、アルコキシカルボニルオキシ基、アリールオキシカルボニルオキシ基、アミノ基、アシルアミノ基、アミノカルボニルアミノ基、アルコキシカルボニルアミノ基、アリールオキシカルボニルアミノ基、スルファモイルアミノ基、アルキル又はアリールスルホニルアミノ基、ヒドラジノ基、メルカプト基、アルキルチオ基、アリールチオ基、複素環チオ基、スルファモイル基、スルホ基、アルキル又はアリールスルフィニル基、アルキル又はアリールスルホニル基、アシル基、アリールオキシカルボニル基、アルコキシカルボニル基、カルバモイル基、アリール又は複素環アゾ基、イミド基、ホスホノ基、ホスフィノ基、ホスフィニル基、ホスフィニルオキシ基、ホスフィニルアミノ基、シリル基が例として挙げられる。これらの置換基は更に置換されてもよく、更なる置換基としては、以上に説明した置換基から選択される基を挙げることができる。
本明細書において用いられる脂肪族基とは、アルキル基、置換アルキル基、アルケニル基、置換アルケニル基、アルキニル基、置換アルキニル基を意味する。また、本明細書で用いられる芳香族基とは、アリール基及び置換アリール基を意味する。
更に詳しくは、ハロゲン原子としては、例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が挙げられる。
アルキル基としては、直鎖、分岐、環状の置換若しくは無置換のアルキル基が挙げられ、シクロアルキル基、ビシクロアルキル基、更に環構造が多いトリシクロ構造なども包含するものである。以下に説明する置換基の中のアルキル基(例えば、アルコキシ基、アルキルチオ基のアルキル基)もこのような概念のアルキル基を表す。詳細には、アルキル基としては、好ましくは、炭素数1から30のアルキル基、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、t−ブチル基、n−オクチル基、エイコシル基、2−クロロエチル基、2−シアノエチル基、2―エチルヘキシル基等が挙げられ、シクロアルキル基としては、好ましくは、炭素数3から30の置換又は無置換のシクロアルキル基、例えば、シクロヘキシル基、シクロペンチル基、4−n−ドデシルシクロヘキシル基等が挙げられ、ビシクロアルキル基としては、好ましくは、炭素数5から30の置換若しくは無置換のビシクロアルキル基、つまり、炭素数5から30のビシクロアルカンから水素原子を一個取り去った一価の置換基、例えば、ビシクロ[1,2,2]ヘプタン−2−イル基、ビシクロ[2,2,2]オクタン−3−イル基等が挙げられる。
アルケニル基としては、直鎖、分岐、環状の置換若しくは無置換のアルケニル基が挙げられ、シクロアルケニル基、ビシクロアルケニル基を包含する。詳細には、アルケニル基としては、好ましくは、炭素数2から30の置換又は無置換のアルケニル基、例えば、ビニル基、アリル基、プレニル基、ゲラニル基、オレイル基等が挙げられ、シクロアルケニル基としては、好ましくは、炭素数3から30の置換若しくは無置換のシクロアルケニル基、つまり、炭素数3から30のシクロアルケンの水素原子を一個取り去った一価の置換基、例えば、2−シクロペンテン−1−イル基、2−シクロヘキセン−1−イル基等が挙げられ、ビシクロアルケニル基としては、置換若しくは無置換のビシクロアルケニル基、好ましくは、炭素数5から30の置換若しくは無置換のビシクロアルケニル基、つまり二重結合を一個持つビシクロアルケンの水素原子を一個取り去った一価の置換基、例えば、ビシクロ[2,2,1]ヘプト−2−エン−1−イル基、ビシクロ[2,2,2]オクト−2−エン−4−イル基等が挙げられる。
アルキニル基としては、好ましくは、炭素数2から30の置換又は無置換のアルキニル基、例えば、エチニル基、プロパルギル基、トリメチルシリルエチニル基等が挙げられる。
アリール基としては、好ましくは、炭素数6から30の置換若しくは無置換のアリール基、例えば、フェニル基、p−トリル基、ナフチル基、m−クロロフェニル基、o−ヘキサデカノイルアミノフェニル基等が挙げられる。
複素環基としては、好ましくは、5又は6員の置換若しくは無置換の芳香族若しくは非芳香族の複素環化合物から一個の水素原子を取り除いた一価の置換基であり、更に好ましくは、炭素数3から30の5又は6員の芳香族の複素環基であり、単環構造であっても、2つ以上の環が縮合した多環構造であってもよい。また、上記複素環基としては、N、O、S原子のいずれかを少なくとも含む複素環基が好ましい。例えば、チエニル基、フリル基、ピロリル基、インドリル基、イミダゾリル基、ベンズイミダゾリル基、ピラゾリル基、インダゾリル基、チアゾリル基、ベンゾチアゾリル基、イソチアゾリル基、ベンゾイソチアゾリル基、オキサゾリル基、ベンゾオキサゾリル基、イソオキサゾリル基、1,2,4−チアジアゾリル基、1,3,4−チアジアゾリル基、1,2,4−オキサジアゾリル基、1,3,4−オキサジアゾリル基、トリアゾリル基、ピリジル基、ピラジル基、ピリミジル基、ピリダジル基、1,3,5−トリアジル基、キノリル基、イソキノリル基、フタラジニル基等が挙げられる。
アルコキシ基としては、好ましくは、炭素数1から30の置換若しくは無置換のアルコキシ基、例えば、メトキシ基、エトキシ基、イソプロポキシ基、t−ブトキシ基、n−オクチルオキシ基、2−メトキシエトキシ基等が挙げられる。
アリールオキシ基としては、好ましくは、炭素数6から30の置換若しくは無置換のアリールオキシ基、例えば、フェノキシ基、2−メチルフェノキシ基、4−t−ブチルフェノキシ基、3−ニトロフェノキシ基、2−テトラデカノイルアミノフェノキシ基等が挙げられる。
シリルオキシ基としては、好ましくは、炭素数0から20の置換若しくは無置換のシリルオキシ基、例えば、トリメチルシリルオキシ基、ジフェニルメチルシリルオキシ基等が挙げられる。
複素環オキシ基としては、好ましくは、炭素数2から30の置換若しくは無置換の複素環オキシ基、例えば、1−フェニルテトラゾール−5−オキシ基、2−テトラヒドロピラニルオキシ基等が挙げられる。
アシルオキシ基としては、好ましくは、ホルミルオキシ基、炭素数2から30の置換若しくは無置換のアルキルカルボニルオキシ基、炭素数6から30の置換若しくは無置換のアリールカルボニルオキシ基、例えば、アセチルオキシ基、ピバロイルオキシ基、ステアロイルオキシ基、ベンゾイルオキシ基、p−メトキシフェニルカルボニルオキシ基等が挙げられる。
カルバモイルオキシ基としては、好ましくは、炭素数1から30の置換若しくは無置換のカルバモイルオキシ基、例えば、N,N−ジメチルカルバモイルオキシ基、N,N−ジエチルカルバモイルオキシ基、モルホリノカルボニルオキシ基、N,N−ジ−n−オクチルアミノカルボニルオキシ基、N−n−オクチルカルバモイルオキシ基等が挙げられる。
アルコキシカルボニルオキシ基としては、好ましくは、炭素数2から30の置換若しくは無置換アルコキシカルボニルオキシ基、例えば、メトキシカルボニルオキシ基、エトキシカルボニルオキシ基、t−ブトキシカルボニルオキシ基、n−オクチルカルボニルオキシ基等が挙げられる。
アリールオキシカルボニルオキシ基としては、好ましくは、炭素数7から30の置換若しくは無置換のアリールオキシカルボニルオキシ基、例えば、フェノキシカルボニルオキシ基、p−メトキシフェノキシカルボニルオキシ基、p−n−ヘキサデシルオキシフェノキシカルボニルオキシ基等が挙げられる。
アミノ基としては、アルキルアミノ基、アリールアミノ基、複素環アミノ基を含み、好ましくは、アミノ基、炭素数1から30の置換若しくは無置換のアルキルアミノ基、炭素数6から30の置換若しくは無置換のアニリノ基、例えば、メチルアミノ基、ジメチルアミノ基、アニリノ基、N−メチル−アニリノ基、ジフェニルアミノ基等が挙げられる。
アシルアミノ基としては、好ましくは、ホルミルアミノ基、炭素数1から30の置換若しくは無置換のアルキルカルボニルアミノ基、炭素数6から30の置換若しくは無置換のアリールカルボニルアミノ基、例えば、アセチルアミノ基、ピバロイルアミノ基、ラウロイルアミノ基、ベンゾイルアミノ基、3,4,5−トリ−n−オクチルオキシフェニルカルボニルアミノ基等が挙げられる。
アミノカルボニルアミノ基としては、好ましくは、炭素数1から30の置換若しくは無置換のアミノカルボニルアミノ基、例えば、カルバモイルアミノ基、N,N−ジメチルアミノカルボニルアミノ基、N,N−ジエチルアミノカルボニルアミノ基、モルホリノカルボニルアミノ基等が挙げられる。
アルコキシカルボニルアミノ基としては、好ましくは、炭素数2から30の置換若しくは無置換アルコキシカルボニルアミノ基、例えば、メトキシカルボニルアミノ基、エトキシカルボニルアミノ基、t−ブトキシカルボニルアミノ基、n−オクタデシルオキシカルボニルアミノ基、N−メチルーメトキシカルボニルアミノ基等が挙げられる。
アリールオキシカルボニルアミノ基としては、好ましくは、炭素数7から30の置換若しくは無置換のアリールオキシカルボニルアミノ基、例えば、フェノキシカルボニルアミノ基、p−クロロフェノキシカルボニルアミノ基、m−n−オクチルオキシフェノキシカルボニルアミノ基等が挙げられる。
スルファモイルアミノ基としては、好ましくは、炭素数0から30の置換若しくは無置換のスルファモイルアミノ基、例えば、スルファモイルアミノ基、N,N−ジメチルアミノスルホニルアミノ基、N−n−オクチルアミノスルホニルアミノ基等が挙げられる。
アルキル又はアリールスルホニルアミノ基としては、好ましくは、炭素数1から30の置換若しくは無置換のアルキルスルホニルアミノ基、炭素数6から30の置換若しくは無置換のアリールスルホニルアミノ基、例えば、メチルスルホニルアミノ基、ブチルスルホニルアミノ基、フェニルスルホニルアミノ基、2,3,5−トリクロロフェニルスルホニルアミノ基、p−メチルフェニルスルホニルアミノ基等が挙げられる。
アルキルチオ基としては、好ましくは、炭素数1から30の置換若しくは無置換のアルキルチオ基、例えば、メチルチオ基、エチルチオ基、n−ヘキサデシルチオ基等が挙げられる。
アリールチオ基としては、好ましくは、炭素数6から30の置換若しくは無置換のアリールチオ基、例えば、フェニルチオ基、p−クロロフェニルチオ基、m−メトキシフェニルチオ基等が挙げられる。
複素環チオ基としては、好ましくは、炭素数2から30の置換又は無置換の複素環チオ基、例えば、2−ベンゾチアゾリルチオ基、1−フェニルテトラゾール−5−イルチオ基等が挙げられる。
スルファモイル基としては、好ましくは、炭素数0から30の置換若しくは無置換のスルファモイル基、例えば、N−エチルスルファモイル基、N−(3−ドデシルオキシプロピル)スルファモイル基、N,N−ジメチルスルファモイル基、N−アセチルスルファモイル基、N−ベンゾイルスルファモイル基、N−(N‘−フェニルカルバモイル)スルファモイル基等が挙げられる。
アルキル又はアリールスルフィニル基としては、好ましくは、炭素数1から30の置換又は無置換のアルキルスルフィニル基、6から30の置換又は無置換のアリールスルフィニル基、例えば、メチルスルフィニル基、エチルスルフィニル基、フェニルスルフィニル基、p−メチルフェニルスルフィニル基等が挙げられる。
アルキル又はアリールスルホニル基としては、好ましくは、炭素数1から30の置換又は無置換のアルキルスルホニル基、6から30の置換又は無置換のアリールスルホニル基、例えば、メチルスルホニル基、エチルスルホニル基、フェニルスルホニル基、p−メチルフェニルスルホニル基等が挙げられる。
アシル基としては、好ましくは、ホルミル基、炭素数2から30の置換又は無置換のアルキルカルボニル基、炭素数7から30の置換若しくは無置換のアリールカルボニル基、炭素数2から30の置換若しくは無置換の炭素原子でカルボニル基と結合している複素環カルボニル基、例えば、アセチル基、ピバロイル基、2−クロロアセチル基、ステアロイル基、ベンゾイル基、p−n−オクチルオキシフェニルカルボニル基、2−ピリジルカルボニル基、2−フリルカルボニル基等が挙げられる。
アリールオキシカルボニル基としては、好ましくは、炭素数7から30の置換若しくは無置換のアリールオキシカルボニル基、例えば、フェノキシカルボニル基、o−クロロフェノキシカルボニル基、m−ニトロフェノキシカルボニル基、p−t−ブチルフェノキシカルボニル基等が挙げられる。
アルコキシカルボニル基としては、好ましくは、炭素数2から30の置換若しくは無置換アルコキシカルボニル基、例えば、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、t−ブトキシカルボニル基、n−オクタデシルオキシカルボニル基等が挙げられる。
カルバモイル基としては、好ましくは、炭素数1から30の置換若しくは無置換のカルバモイル基、例えば、カルバモイル基、N−メチルカルバモイル基、N,N−ジメチルカルバモイル基、N,N−ジ−n−オクチルカルバモイル基、N−(メチルスルホニル)カルバモイル基等が挙げられる。
アリール又は複素環アゾ基としては、好ましくは炭素数6から30の置換若しくは無置換のアリールアゾ基、炭素数3から30の置換若しくは無置換の複素環アゾ基、例えば、フェニルアゾ、p−クロロフェニルアゾ、5−エチルチオ−1,3,4−チアジアゾール−2−イルアゾ等が挙げられる。
イミド基としては、好ましくは、N−スクシンイミド基、N−フタルイミド基等が挙げられる。
ホスフィノ基としては、好ましくは、炭素数0から30の置換若しくは無置換のホスフィノ基、例えば、ジメチルホスフィノ基、ジフェニルホスフィノ基、メチルフェノキシホスフィノ基等が挙げられる。
ホスフィニル基としては、好ましくは、炭素数0から30の置換若しくは無置換のホスフィニル基、例えば、ホスフィニル基、ジオクチルオキシホスフィニル基、ジエトキシホスフィニル基等が挙げられる。
ホスフィニルオキシ基としては、好ましくは、炭素数0から30の置換若しくは無置換のホスフィニルオキシ基、例えば、ジフェノキシホスフィニルオキシ基、ジオクチルオキシホスフィニルオキシ基等が挙げられる。
ホスフィニルアミノ基としては、好ましくは、炭素数0から30の置換若しくは無置換のホスフィニルアミノ基、例えば、ジメトキシホスフィニルアミノ基、ジメチルアミノホスフィニルアミノ基が挙げられる。
シリル基としては、好ましくは、炭素数0から30の置換若しくは無置換のシリル基、例えば、トリメチルシリル基、t−ブチルジメチルシリル基、フェニルジメチルシリル基等が挙げられる。
上記の置換基の中で、水素原子を有するものは、該水素原子が上記の置換基で置換されていても良い。そのような置換基の例としては、アルキルカルボニルアミノスルホニル基、アリールカルボニルアミノスルホニル基、アルキルスルホニルアミノカルボニル基、アリールスルホニルアミノカルボニル基が挙げられる。その例としては、メチルスルホニルアミノカルボニル基、p−メチルフェニルスルホニルアミノカルボニル基、アセチルアミノスルホニル基、ベンゾイルアミノスルホニル基が挙げられる。
以下、本発明の顔料誘導体について詳細に説明する。
本発明の顔料誘導体は、一般式(1−1)若しくは(1−2)で表される化合物、その塩、水和物又は溶媒和物である。
Figure 2011057731
Figure 2011057731
一般式(1−1)及び(1−2)中、A及びBは、それぞれ独立に、5〜6員の複素環を表す。nは1〜3の整数を表す。nが2若しくは3の場合は、[A−N=N−B]で表される構造は、A若しくはBを介した2量体若しくは3量体を表す。
一般式(1−1)中、Aは、エチレン基、フェニレン基及びナフチレン基からなる群から選択される基を表し、置換基を有していてもよい。Bは水酸基又は−NH−A−Aで表される基を表し、Aはイオン性親水性基を表す。mは1〜4の整数を表す。
一般式(1−2)中、Q及びQは、それぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜2の低級アルキル基若しくは低級アルコキシ基又は水酸基を表し、Wは、B群で示される化合物群から選ばれる2価の連結基であり、A及びBは、それぞれ独立に、−NH−L−SOHで示される基又は水酸基を表す。ここでLは、エチレン基、フェニレン基及びナフチレン基からなる群から選択される基であって、これらは置換基を有していてもよい。
Figure 2011057731
R’は、水素原子、アルキル基、アリール基、又は複素環基を表す。
先ず、一般式(1−1)で表される化合物、及び、一般式(1−2)で表される化合物は、いずれも、上記[A−N=N−B]で表されるアゾ構造を有している。この顔料誘導体のアゾ構造は、同等の[A−N=N−B]で表されるアゾ顔料(A,B,nの定義は前記同様)に対して強い相互作用を呈する。ここで、[A−N=N−B]で表されるアゾ顔料は、光堅牢性が非常に高いという知見を本発明者らは得ている。
更に、一般式(1−1)で表される化合物、及び、一般式(1−2)で表される化合物は、いずれも、[A−N=N−B]で表されるアゾ構造の反対側の末端に、水性媒体(及び必要に応じて併用される分散剤)に対して相互作用可能なイオン性親水性基を有しており、かつ、このアゾ構造とイオン性親水性基とが、剛直鎖(一般式(1−1)においては、フタルイミドに由来する2価の基とトリアジン環基とが組み合わされた基であり、一般式(1−2)においては、フェニレン基とトリアジン環基とが組み合わされた基である)を介して連結されている。よって、イオン性親水性基は、常に、アゾ構造に対して離れた状態で位置することになるため、イオン性親水性基がアゾ構造に近接するなどして、イオン性親水性基が有する本来の親水性能が損なわれる虞れが低減される。このように、一般式(1−1)又は(1−2)で表される化合物は、イオン性親水性基の親水性能を最大限に発揮することができる化合物である。
よって、一般式(1−1)又は(1−2)で表される化合物は、特に[A−N=N−B]で表されるアゾ構造と組み合わされた場合、分散性、及び、加熱時の保存安定性が非常に高く、光堅牢性に優れた顔料分散物を得ることのできる顔料誘導体となる。
以下、各置換基について詳細に説明する。
一般式(1−1)及び(1−2)中、A及びBは、それぞれ独立に、5〜6員の置換若しくは無置換の、芳香族若しくは非芳香族の複素環基を表し、それらは更に縮環していてもよい。より好ましくは、炭素数3から30の5〜6員の芳香族の複素環基であり、更に好ましくは炭素数3〜10の5員の芳香族の複素環基である。
前記A及びBの示す複素環基として、置換位置を限定しないで例示すると、ピリジン、ピラジン、ピリダジン、ピリミジン、トリアジン、キノリン、イソキノリン、キナゾリン、シンノリン、フタラジン、キノキサリン、ピロール、インドール、フラン、ベンゾフラン、チオフェン、ベンゾチオフェン、ピラゾール、イミダゾール、ベンズイミダゾール、トリアゾール、オキサゾール、ベンズオキサゾール、チアゾール、ベンゾチアゾール、イソチアゾール、ベンズイソチアゾール、チアジアゾール、イソオキサゾール、ベンズイソオキサゾール、ピロリジン、ピペリジン、ピペラジン、イミダゾリジン又はチアゾリンである。好ましくは、ピリジン、ピロール、チオフェン、ピラゾール、イミダゾール、チアゾール又はチアジアゾールであり、より好ましくは、チオフェン、ピラゾール、イミダゾール、チアゾール又はチアジアゾールであり、更に好ましくはチオフェン、ピラゾール又はチアゾールである。
前記複素環基が、更に置換基を有することが可能な基であるときは、以下に挙げたような置換基を更に有してもよい。
炭素数1〜12の直鎖又は分岐鎖アルキル基、炭素数7〜18の直鎖又は分岐鎖アラルキル基、炭素数2〜12の直鎖又は分岐鎖アルケニル基、炭素数2〜12の直鎖又は分岐鎖アルキニル基、炭素数3〜12の直鎖又は分岐鎖シクロアルキル基、炭素数3〜12の直鎖又は分岐鎖シクロアルケニル基、ハロゲン原子(例えば、塩素原子、臭素原子)、アリール基(例えば、フェニル、4−t−ブチルフェニル、2,4−ジ−t−アミルフェニル)、複素環基(例えば、イミダゾリル、ピラゾリル、トリアゾリル、2−フリル、2−チエニル、2−ピリミジニル、2−ベンゾチアゾリル)、シアノ基、ヒドロキシル基、ニトロ基、カルボキシ基、アミノ基、アルキルオキシ基(例えば、メトキシ、エトキシ、2−メトキシエトキシ、2−メチルスルホニルエトキシ)、アリールオキシ基(例えば、フェノキシ、2−メチルフェノキシ、4−t−ブチルフェノキシ、3−ニトロフェノキシ、3−t−ブチルオキシカルボニルフェノキシ、3−メトキシカルボニルフェニルオキシ、アシルアミノ基(例えば、アセトアミド、ベンズアミド、4−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシフェノキシ)ブタンアミド)、アルキルアミノ基(例えば、メチルアミノ、ブチルアミノ、ジエチルアミノ、メチルブチルアミノ)、アニリノ基(例えば、フェニルアミノ、2−クロロアニリノ)、ウレイド基(例えば、フェニルウレイド、メチルウレイド、N,N−ジブチルウレイド)、スルファモイルアミノ基(例えば、N,N−ジプロピルスルファモイルアミノ)、アルキルチオ基(例えば、メチルチオ、オクチルチオ、2−フェノキシエチルチオ)、アリールチオ基(例えば、フェニルチオ、2−ブトキシ−5−t−オクチルフェニルチオ、2−カルボキシフェニルチオ)、アルキルオキシカルボニルアミノ基(例えば、メトキシカルボニルアミノ)、アルキルスルホニルアミノ基及びアリールスルホニルアミノ基(例えば、メチルスルホニルアミノ、フェニルスルホニルアミノ、p−トルエンスルホニルアミノ)、カルバモイル基(例えば、N−エチルカルバモイル、N,N−ジブチルカルバモイル)、スルファモイル基(例えば、N−エチルスルファモイル、N,N−ジプロピルスルファモイル、N−フェニルスルファモイル)、スルホニル基(例えば、メチルスルホニル、オクチルスルホニル、フェニルスルホニル、p−トルエンスルホニル)、アルキルオキシカルボニル基(例えば、メトキシカルボニル、ブチルオキシカルボニル)、複素環オキシ基(例えば、1−フェニルテトラゾール−5−オキシ、2−テトラヒドロピラニルオキシ)、アゾ基(例えば、フェニルアゾ、4−メトキシフェニルアゾ、4−ピバロイルアミノフェニルアゾ、2−ヒドロキシ−4−プロパノイルフェニルアゾ)、アシルオキシ基(例えば、アセトキシ)、カルバモイルオキシ基(例えば、N−メチルカルバモイルオキシ、N−フェニルカルバモイルオキシ)、シリルオキシ基(例えば、トリメチルシリルオキシ、ジブチルメチルシリルオキシ)、アリールオキシカルボニルアミノ基(例えば、フェノキシカルボニルアミノ)、イミド基(例えば、N−スクシンイミド、N−フタルイミド)、複素環チオ基(例えば、2−ベンゾチアゾリルチオ、2,4−ジ−フェノキシ−1,3,5−トリアゾール−6−チオ、2−ピリジルチオ)、スルフィニル基(例えば、3−フェノキシプロピルスルフィニル)、ホスホニル基(例えば、フェノキシホスホニル、オクチルオキシホスホニル、フェニルホスホニル)、アリールオキシカルボニル基(例えば、フェノキシカルボニル)、アシル基(例えば、アセチル、3−フェニルプロパノイル、ベンゾイル)、イオン性親水性基(例えば、カルボキシル基、スルホ基、ホスホノ基及び4級アンモニウム基)が挙げられる。
前記A及びBの有しても良い好ましい置換基としては、直鎖又は分岐鎖アルキル基、ハロゲン原子、アリール基、複素環基、シアノ基、ヒドロキシル基、アミノ基、アルキルオキシ基、アリールオキシ基、アシルアミノ基、アルキルアミノ基、アニリノ基、カルバモイル基、スルファモイル基、スルホニル基、アルキルオキシカルボニル基、複素環オキシ基、アシル基又はイオン性親水性基である。より好ましくは、直鎖又は分岐鎖アルキル基、アリール基、複素環基、シアノ基、ヒドロキシル基、アミノ基、アルキルオキシ基、アリールオキシ基、アルキルアミノ基、アニリノ基、カルバモイル基、スルファモイル基、スルホニル基、アルキルオキシカルボニル基、アシル基又はイオン性親水性基である。更に好ましくは、直鎖又は分岐鎖アルキル基、複素環基、シアノ基、ヒドロキシル基、アミノ基、カルバモイル基、スルファモイル基、スルホニル基、アルキルオキシカルボニル基又はイオン性親水性基である。最も好ましくは、直鎖又は分岐鎖アルキル基、複素環基、シアノ基、ヒドロキシル基、アミノ基、カルバモイル基、アルキルオキシカルボニル基又はイオン性親水性基である。
nは1〜3の整数を表す。nとして好ましいnは1又は2であり、更に好ましくはnは2である。
nが2若しくは3の場合は、[A−N=N−B]で表される構造は、A若しくはBを介した2量体若しくは3量体を表す。nが2若しくは3の場合の結合様式としては、A及びBが示す複素環が、直接単結合で連結されていてもよい。また2価の置換基若しくは3価の置換基を介して連結されていても良く、すなわちA及びBの有することができる置換基を介して結合しても良い。より好ましいA及びBが示す複素環基の連結様式は2価若しくは3価の連結基を介して連結する様式である。
nが2の場合の連結基として好ましくは、置換基を有していても良いアルキレン基(例、メチレン、エチレン、プロピレン、ブチレン、ペンチレン)、アルケニレン基(例、エテニレン、プロぺニレン)、アルキニレン基(例、エチニレン、プロピニレン)、アリーレン基(例、フェニレン、ナフチレン)、二価の複素環基(例、6−クロロ−1、3、5−トリアジン−2、4ージイル基、ピリミジン2、4−ジイル基、キノキサリンー2、3−ジイル基、ピリダジン−3,6−ジイル)、−O−、−CO−、−NR’−(R’は水素原子、アルキル基又はアリール基)、−S−、−SO−、−SO−又はこれらの組み合わせ(例えば−NHCHCHNH−、−NHCONH−等)であることが好ましい。上記連結基群の中でもより好ましくは、置換基を有していても良いアルキレン基、置換基を有していても良いアリーレン基、置換基を有していても良い2価の複素環基、−NR’−、−CO−、及びその組み合わせであり、更に好ましくは、置換基を有していても良いアルキレン基、置換基を有していても良いアリーレン基、置換基を有していても良い2価の複素環基であり、特に好ましくは置換基を有していても良い2価の複素環基である。
2価の連結基の総炭素数は0乃至50であることが好ましく、0乃至30であることがより好ましく、0乃至10であることが最も好ましい。
nが3の場合の連結基として好ましくは、アルキレン基、アルケニレン基、アルキニレン基、アリーレン基、3価の複素環基、>N−、又はこれらの組み合わせ(例えば>NCHCHNH−、>NCONH−等)であることが好ましい。より好ましくはアルキレン基、アルケニレン基、アルキニレン基、アリーレン基又は3価の複素環基であり、更に好ましくはアルキレン基、アリーレン基又は3価の複素環基である。
3価の連結基の総炭素数は0乃至50であることが好ましく、0乃至30であることがより好ましく、0乃至10であることが最も好ましい。
一般式(1−1)において、Aは、エチレン、フェニレン又はナフチレンの2価の基を表しこれらは置換基を有していてもよい。Aとして好ましくはエチレン又はフェニレンの2価の基であり、置換基としては、先述のA及びBが有することのできる置換基と同義であり、中でも好ましい置換基は、直鎖又は分岐鎖アルキル基又はイオン性親水性基である。
はイオン性親水性基を表し、詳しくは、カルボキシル基、スルホ基、ホスホノ基又は4級アンモニウム基である。イオン性親水性基の中でも、カルボキシル基、スルホ基又は4級アンモニウム基が好ましく、更に好ましくはカルボキシル基又はスルホ基である。
は水酸基又は、−NH−A−Aで表される基を示す。より好ましくは−NH−A−Aで表される基である。
−NH−A−Aで表される基に誘導できる代表的な化合物例は、Aがカルボキシル基の場合、グリシン、アラニン、β−アラニン、フェニルアラニンなどのアミノ酸、p−アミノ安息香酸、4−アミノフタル酸、5−アミノイソフタル酸などが挙げられる。A2がスルホ基の場合、タウリン、スルファニル酸、3,5−ジスルホアニリン又はトビアス酸が挙げられる。
mは1〜4の整数を表す。より好ましくは、mは1〜3であり、更に好ましくは1〜2である。
本発明の一般式(1−1)で表される顔料誘導体として特に好ましい組み合わせは、以下の(イ)〜(ト)を含むものである。
(イ)A及びBの示す複素環基として好ましいものは5員の複素環基であり、特に好ましくはチオフェン、ピラゾール又はチアゾールである。
(ロ)A及びBが表す複素環基の置換基として、特に好ましい基は、直鎖又は分岐鎖アルキル基、複素環基、シアノ基、ヒドロキシル基、アミノ基、カルバモイル基、アルキルオキシカルボニル基又はイオン性親水性基である。
(ハ)Aとして特に好ましくはエチレン又はフェニレンの2価の基であり、置換基として特に好ましい置換基は、直鎖又は分岐鎖アルキル基又はイオン性親水性基である。
(ニ)Aの表すイオン性親水性基の中でも、特に好ましくはカルボキシル基又はスルホ基である。
(ホ)Bの表す基として特に好ましくは−NH−A−Aで表される基である。
(ヘ)nが示す整数として特に好ましくはnが2である。
(ト)nが2の場合の連結様式として特に好ましくは、2価の置換基を介して連結されている様式であり、その2価の連結基して特に好ましいものは、置換基を有していても良い2価の複素環基である。2価の連結基の総炭素数として特に好ましくは0〜10である。
なお、一般式(1−1)で表される顔料誘導体の好ましい置換基の組み合わせについては、種々の置換基の少なくとも1つが前記の好ましい基である顔料誘導体が好ましく、より多くの種々の置換基が前記好ましい基である顔料誘導体がより好ましく、全ての置換基が前記好ましい基である顔料誘導体が最も好ましい。
一般式(1−2)において、Q及びQはそれぞれ独立に水素原子、炭素数1〜2の低級アルキル基若しくは低級アルコキシ基又は水酸基を表す。炭素数1〜2の低級アルキル基若しくは低級アルコキシ基の例として、メチル基、エチル基、メトキシ基、エトキシ基が挙げられる。Q及びQとして、好ましくは、水素原子、メチル基、エチル基、メトキシ基、水酸基であり、更に好ましくは水素原子又はメチル基である。
及びBは、それぞれ独立に−NH−L−SOHで示される基又は−OH基の何れかである。−NH−L−SOH中のLはエチレン基、フェニレン基及びナフチレン基から選択される基であり、好ましくはエチレン基又はナフチレン基である。
−NH−L−SOHで表される基を誘導する化合物として代表的な例は、タウリン、スルファニル酸、3,5−ジスルホアニリン又はトビアス酸が挙げられる。中でもタウリン、スルファニル酸又はトビアス酸がより好ましく、更に好ましくは、タウリン、トビアス酸である。
一般式(1−2)中のWは、B群から選ばれる2価の連結基を表され、これらの組み合わせ(例えば、−NHCO−、−C(=O)O−など)であっても良い。好ましくは、アルキレン基、アリーレン基、エーテル基、アミノ基、スルホニル基や、B群で示される連結基の組み合わせでなるエステル基、カルバモイル基、スルファモイル基、アルコキシ基、フェノキシ基が好ましい。中でも、アルキレン基、アリーレン基、アミノ基、エステル基、カルバモイル基、アルコキシ基が好ましく、特に好ましくは、アルキレン基、アリーレン基、アミノ基、エステル基、カルバモイル基である。
本発明の一般式(1−2)で表される顔料誘導体として特に好ましい組み合わせは、以下の(イ)〜(チ)を含むものである。
(イ)A及びBの示す複素環基として好ましいものは5員の複素環基であり、特に好ましくはチオフェン、ピラゾール又はチアゾールである。
(ロ)A及びBが表す複素環基の置換基として、特に好ましい基は、直鎖又は分岐鎖アルキル基、複素環基、シアノ基、ヒドロキシル基、アミノ基、カルバモイル基、アルキルオキシカルボニル基又はイオン性親水性基である。
(ハ)nが示す整数として特に好ましくはnが2である。
(ニ)nが2の場合の連結様式として特に好ましくは、2価の置換基を介して連結されている様式であり、その2価の連結基して特に好ましいものは、置換基を有していても良い2価の複素環基である。2価の連結基の総炭素数として特に好ましくは0〜10である。
(ホ)Q及びQとしては、水素原子、メチル基、エチル基、メトキシ基、水酸基が好ましく、特に好ましくは水素原子又はメチル基である。
(へ)Wが表すB群から選ばれる2価の連結基(これらの組み合わせであっても良い)として特に好ましくはアルキレン基、アリーレン基、アミノ基、エステル基、カルバモイル基である。
(ト)A及びBが表す−NH−L−SOHにおいて、個の基を誘導する化合物として代表的な例として特に好ましくはタウリン、トビアス酸である。
(チ)Lはエチレン基、フェニレン基及びナフチレン基から選択される基であり、特に好ましくはエチレン基又はナフチレン基である。
なお、一般式(1−2)で表される顔料誘導体の好ましい置換基の組み合わせについては、種々の置換基の少なくとも1つが前記の好ましい基である顔料誘導体が好ましく、より多くの種々の置換基が前記好ましい基である顔料誘導体がより好ましく、全ての置換基が前記好ましい基である顔料誘導体が最も好ましい。
一般式(1−1)若しくは(1−2)で表される化合物、その塩、水和物又は溶媒和物である顔料誘導体は、一般式(2−1)若しくは(2−2)で表される化合物、その塩、水和物又は溶媒和物である顔料誘導体であることが好ましい。
Figure 2011057731
Figure 2011057731
一般式(2−1)及び(2−2)中、Gはアルキル基、アリール基、又は5〜6員の複素環基を表し、R及びQは、それぞれ独立に、水素原子又は一価の置換基を表す。HetはA群から選ばれる5員複素環基を表す。*は、一般式(2−1)及び(2−2)中のアゾ基との結合部位を表す。(A群の化合物中、X、Y、Z、W、W、W、W、Wは、それぞれ独立に、水素原子又は一価の置換基を表す。)
Figure 2011057731
nは1〜3の整数を表す。nが2若しくは3の場合は、下記一般式(A)で表される構造が、置換基R、G、Q、Het若しくは、置換基Qを介した2量体若しくは3量体を表す。
Figure 2011057731
一般式(2−1)中、A、A2、B及びmの定義及び詳細は、一般式(1−1)におけるA、A2、B及びmの定義及び詳細と同様であり、好ましい例及び好ましい値も同様である。
一般式(2−2)中、Q、Q、W、A及びBの定義及び詳細は、一般式(1−2)におけるQ、Q、W、A及びBの定義及び詳細と同様であり、好ましい例も同様である。
一般式(2−1)及び(2−2)中、Gが表すアルキル基は、置換基を有していても良い炭素数1〜30のアルキル基であり、好ましくは置換基を有していていも良い炭素数1〜12のアルキル基であり、更に好ましくは置換基を有していても良い炭素数1〜18のアルキル基である。Gが表すアリール基は、置換基を有していても良い炭素数1〜30のアリール基であり、好ましくは置換基を有していても良い置換基を有していても良い炭素数1〜12のアリール基であり、更に好ましくは置換基を有していても良い炭素数1〜6のアリール基である。なお、アリール基は縮合環であっても良い。
Gが表す5〜6員の複素環基は、置換基を有していても良い芳香族若しくは非芳香族の複素環基である。それらは更に縮環していてもよい。より好ましくは、炭素数3から30の5若しくは6員の芳香族の複素環基であり、更に好ましくは炭素数3〜10の6員芳香族複素環基である。Gの示す複素環基としては、置換位置を限定しないで例示すると、ピリジン、ピラジン、ピリダジン、ピリミジン、トリアジン、キノリン、イソキノリン、キナゾリン、シンノリン、フタラジン、キノキサリン、ピロール、インドール、フラン、ベンゾフラン、チオフェン、ベンゾチオフェン、ピラゾール、イミダゾール、ベンズイミダゾール、トリアゾール、オキサゾール、ベンズオキサゾール、チアゾール、ベンゾチアゾール、イソチアゾール、ベンズイソチアゾール、チアジアゾール、イソオキサゾール、ベンズイソオキサゾール、ピロリジン、ピペリジン、ピペラジン、イミダゾリジン又はチアゾリンが好ましい。中でもピリジン、ピラジン、ピリダジン、ピリミジン、トリアジン、フタラジン、キノキサリン、チオフェン、ピラゾール、イミダゾール、トリアゾール、チアゾール、イソチアゾール、チアジアゾール、ピロリジン、ピペリジン、ピペラジン、イミダゾリジン又はチアゾリンがより好ましく、続いて、ピリジン、ピラジン、ピリダジン、ピリミジン又はトリアジンが更に好ましく、特に好ましくは、ピラジン、ピリダジン、ピリミジン又はトリアジンである。
R及びQはそれぞれ独立に、水素原子又は一価の置換基を表わす。
一般式(2−1)及び(2−2)中、R及びQの好ましい置換基例を詳細に説明する。
R及びQが水素原子又は一価の置換基を示す場合、この一価の置換基の例としては、ハロゲン原子、アルキル基、シクロアルキル基、アラルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、複素環基、シアノ基、ヒドロキシル基、ニトロ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、シリルオキシ基、複素環オキシ基、アシルオキシ基、カルバモイルオキシ基、アルコキシカルボニルオキシ基、アリールオキシカルボニルオキシ基、アミノ基(アルキルアミノ基、アリールアミノ基)、アシルアミノ基(アミド基)、アミノカルボニルアミノ基(ウレイド基)、アルコキシカルボニルアミノ基、アリールオキシカルボニルアミノ基、スルファモイルアミノ基、アルキルスルホニルアミノ基、アリールスルホニルアミノ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、複素環チオ基、スルファモイル基、アルキルスルフィニル基、アリールスルフィニル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、アシル基、アリールオキシカルボニル基、アルコキシカルボニル基、カルバモイル基、ホスフィノ基、ホスフィニル基、ホスフィニルオキシ基、ホスフィニルアミノ基、シリル基、アゾ基、又はイミド基を挙げることができ、各々は更に置換基を有していてもよい。
中でも特に好ましいものは、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アリール基、複素環基、シアノ基、アルコキシ基、アミド基、ウレイド基、アルキルスルホニルアミノ基、アリールスルホニルアミノ基、スルファモイル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、カルバモイル基、又はアルコキシカルボニル基であり、特に水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アリール基、シアノ基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、アルコキシカルボニル基、又は複素環基が好ましく、水素原子、アルキル基、アリール基、シアノ基、アルキルスルホニル基又はアルコキシカルボニル基が最も好ましい。
以下に、前記R及びQを更に詳しく説明する。
R及びQで表されるハロゲン原子は、塩素原子、臭素原子、又はヨウ素原子を表す。中でも塩素原子、又は臭素原子が好ましく、特に塩素原子が好ましい。
R及びQで表されるアルキル基は、置換若しくは無置換のアルキル基が含まれる。置換又は無置換のアルキル基は、炭素原子数が1〜30のアルキル基が好ましい。置換基の例としては、上記Gが更に置換基を有することが可能な基であるときに挙げたような置換基と同じものが挙げられる。中でも、ヒドロキシ基、アルコキシ基、シアノ基、及びハロゲン原子、スルホ基(塩の形でもよい) 又はカルボキシル基(塩の形でもよい)が好ましい。前記アルキル基の例には、メチル、エチル、ブチル、t−ブチル、n−オクチル、エイコシル、2−クロロエチル、ヒドロキシエチル、シアノエチル又は4−スルホブチルを挙げることが出来る。
R及びQで表されるシクロアルキル基は、置換若しくは無置換のシクロアルキル基が含まれる。置換基又は無置換のシクロアルキル基は、炭素原子数が5〜30のシクロアルキル基が好ましい。置換基の例としては、上記Gが更に置換基を有することが可能な基であるときに挙げたような置換基と同じものが挙げられる。前記シクロアルキル基の例にはシクロヘキシル、シクロペンチル、又は4−n−ドデシルシクロヘキシルを挙げることができる。
R及びQで表されるアラルキル基は、置換若しくは無置換のアラルキル基が含まれる。置換若しくは無置換のアラルキル基としては、炭素原子数が7〜30のアラルキル基が好ましい。置換基の例としては、上記Gが更に置換基を有することが可能な基であるときに挙げたような置換基と同じものが挙げられる。前記アラルキルの例にはベンジル及び2−フェネチルを挙げることが出来る。
R及びQで表されるアルケニル基は、直鎖、分岐、環状の置換若しくは無置換のアルケニル基を表す。好ましくは炭素数2−30の置換又は無置換のアルケニル基、例えば、ビニル、アリル、プレニル、ゲラニル、オレイル、2−シクロペンテンー1−イル、2−シクロヘキセンー1−イルなどを挙げることが出来る。
R及びQで表されるアルキニル基は、炭素数2から30の置換又は無置換のアルキニル基であり、例えば、エチニル、又はプロパルギルを挙げることが出来る。
R及びQで表されるアリール基は、炭素数6から30の置換若しくは無置換のアリール基、例えばフェニル、p−トリル、ナフチル、m−クロロフェニル、又はo−ヘキサデカノイルアミノフェニルである。置換基の例としては、上記Gが更に置換基を有することが可能な基であるときに挙げたような置換基と同じものが挙げられる。
R及びQで表される複素環基は、5又は6員の置換若しくは無置換の、芳香族若しくは非芳香族の複素環化合物から一個の水素原子を取り除いた一価の置換基であり、それらは更に縮環していてもよい。更に好ましくは、炭素数3から30の5若しくは6員の芳香族の複素環基である。置換基の例としては、上記Gが更に置換基を有することが可能な基であるときに挙げたような置換基と同じものが挙げられる。前記複素環基の例には、置換位置を限定しないで例示すると、ピリジン、ピラジン、ピリダジン、ピリミジン、トリアジン、キノリン、イソキノリン、キナゾリン、シンノリン、フタラジン、キノキサリン、ピロール、インドール、フラン、ベンゾフラン、チオフェン、ベンゾチオフェン、ピラゾール、イミダゾール、ベンズイミダゾール、トリアゾール、オキサゾール、ベンズオキサゾール、チアゾール、ベンゾチアゾール、イソチアゾール、ベンズイソチアゾール、チアジアゾール、イソオキサゾール、ベンズイソオキサゾール、ピロリジン、ピペリジン、ピペラジン、イミダゾリジン、チアゾリンなどが挙げられる。
R及びQで表されるアルコキシ基は、置換若しくは無置換のアルコキシ基が含まれる。置換若しくは無置換のアルコキシ基としては、炭素原子数が1〜30のアルコキシ基が好ましい。置換基の例としては、上記Gが更に置換基を有することが可能な基であるときに挙げたような置換基と同じものが挙げられる。前記アルコキシ基の例には、メトキシ、エトキシ、イソプロポキシ、n−オクチルオキシ、メトキシエトキシ、ヒドロキシエトキシ及び3−カルボキシプロポキシなどを挙げることが出来る。
R及びQで表されるアリールオキシ基は、炭素数6から30の置換若しくは無置換のアリールオキシ基が好ましい。置換基の例としては、上記Gが更に置換基を有することが可能な基であるときに挙げたような置換基と同じものが挙げられる。前記アリールオキシ基の例には、フェノキシ、2−メチルフェノキシ、4−t−ブチルフェノキシ、3−ニトロフェノキシ、2−テトラデカノイルアミノフェノキシなどを挙げることが出来る。
R及びQで表されるシリルオキシ基は、炭素数3から20のシリルオキシ基が好ましく、例えば、トリメチルシリルオキシ、t−ブチルジメチルシリルオキシなどを挙げることが出来る。
R及びQで表されるで表される複素環オキシ基は、炭素数2から30の置換若しくは無置換の複素環オキシ基が好ましい。置換基の例としては、上記Gが更に置換基を有することが可能な基であるときに挙げたような置換基と同じものが挙げられる。前記複素環オキシ基の例には、例えば、1−フェニルテトラゾールー5−オキシ、2−テトラヒドロピラニルオキシなどを挙げることが出来る。
R及びQで表されるアシルオキシ基は、ホルミルオキシ基、炭素数2から30の置換若しくは無置換のアルキルカルボニルオキシ基、炭素数6から30の置換若しくは無置換のアリールカルボニルオキシ基が好ましく、置換基の例としては、上記Gが更に置換基を有することが可能な基であるときに挙げたような置換基と同じものが挙げられる。前記アシルオキシ基の例には、例えば、ホルミルオキシ、アセチルオキシ、ピバロイルオキシ、ステアロイルオキシ、ベンゾイルオキシ、p−メトキシフェニルカルボニルオキシなどを挙げることが出来る。
R及びQで表されるカルバモイルオキシ基は、炭素数1から30の置換若しくは無置換のカルバモイルオキシ基が好ましく、置換基の例としては、上記Gが更に置換基を有することが可能な基であるときに挙げたような置換基と同じものが挙げられる。前記カルバモイルオキシ基の例には、例えば、N,N−ジメチルカルバモイルオキシ、N,N−ジエチルカルバモイルオキシ、モルホリノカルボニルオキシ、N,N−ジ−n−オクチルアミノカルボニルオキシ、N−n−オクチルカルバモイルオキシなどを挙げることが出来る。
R及びQで表されるアルコキシカルボニルオキシ基は、炭素数2から30の置換若しくは無置換アルコキシカルボニルオキシ基が好ましく、置換基の例としては、上記Gが更に置換基を有することが可能な基であるときに挙げたような置換基と同じものが挙げられる。前記アルコキシカルボニルオキシ基の例には、例えばメトキシカルボニルオキシ、エトキシカルボニルオキシ、t−ブトキシカルボニルオキシ、n−オクチルカルボニルオキシなどを挙げることが出来る。
R及びQで表されるで表されるアリールオキシカルボニルオキシ基は、炭素数7から30の置換若しくは無置換のアリールオキシカルボニルオキシ基が好ましく、置換基の例としては、上記Gが更に置換基を有することが可能な基であるときに挙げたような置換基と同じものが挙げられる。前記アリールオキシカルボニルオキシ基の例には、例えば、フェノキシカルボニルオキシ、p−メトキシフェノキシカルボニルオキシ、p−n−ヘキサデシルオキシフェノキシカルボニルオキシなどを挙げることが出来る。
R及びQで表されるアミノ基は、炭素数1から30の置換若しくは無置換のアルキルアミノ基、炭素数6から30の置換若しくは無置換のアリールアミノ基が好ましく、置換基の例としては、上記Gが更に置換基を有することが可能な基であるときに挙げたような置換基と同じものが挙げられる。前記アミノ基の例には、例えば、アミノ、メチルアミノ、ジメチルアミノ、アニリノ、N-メチル−アニリノ、ジフェニルアミノ、ヒドロキシエチルアミノ、カルボキシエチルアミノ、スルフォエチルアミノ、3,5−ジカルボキシアニリノなどを挙げることが出来る。
R及びQで表されるアシルアミノ基は、ホルミルアミノ基、炭素数1から30の置換若しくは無置換のアルキルカルボニルアミノ基、炭素数6から30の置換若しくは無置換のアリールカルボニルアミノ基が好ましく、置換基の例としては、上記Gが更に置換基を有することが可能な基であるときに挙げたような置換基と同じものが挙げられる。前記アシルアミノ基の例には、例えば、ホルミルアミノ、アセチルアミノ、ピバロイルアミノ、ラウロイルアミノ、ベンゾイルアミノ、3,4,5−トリ−n−オクチルオキシフェニルカルボニルアミノなどを挙げることが出来る。
R及びQで表されるアミノカルボニルアミノ基は、炭素数1から30の置換若しくは無置換のアミノカルボニルアミノ基が好ましく、置換基の例としては、上記Gが更に置換基を有することが可能な基であるときに挙げたような置換基と同じものが挙げられる。前記アミノカルボニルアミノ基の例には、例えば、カルバモイルアミノ、N,N−ジメチルアミノカルボニルアミノ、N,N−ジエチルアミノカルボニルアミノ、モルホリノカルボニルアミノなどを挙げることが出来る。
R及びQで表されるアルコキシカルボニルアミノ基は、炭素数2から30の置換若しくは無置換アルコキシカルボニルアミノ基が好ましく、置換基の例としては、上記Gが更に置換基を有することが可能な基であるときに挙げたような置換基と同じものが挙げられる。前記アルコキシカルボニルアミノ基の例には、例えば、メトキシカルボニルアミノ、エトキシカルボニルアミノ、t−ブトキシカルボニルアミノ、n−オクタデシルオキシカルボニルアミノ、N−メチルーメトキシカルボニルアミノなどを挙げることが出来る。
R及びQで表されるアリールオキシカルボニルアミノ基は、炭素数7から30の置換若しくは無置換のアリールオキシカルボニルアミノ基が好ましく、置換基の例としては、上記Gが更に置換基を有することが可能な基であるときに挙げたような置換基と同じものが挙げられる。前記アリールオキシカルボニルアミノ基の例には、例えば、フェノキシカルボニルアミノ、p−クロロフェノキシカルボニルアミノ、m−n−オクチルオキシフェノキシカルボニルアミノなどを挙げることが出来る。
R及びQで表されるスルファモイルアミノ基は、炭素数0から30の置換若しくは無置換のスルファモイルアミノ基が好ましく、置換基の例としては、上記Gが更に置換基を有することが可能な基であるときに挙げたような置換基と同じものが挙げられる。前記スルファモイルアミノ基の例には、例えば、スルファモイルアミノ、N,N−ジメチルアミノスルホニルアミノ、N−n−オクチルアミノスルホニルアミノなどを挙げることが出来る。
R及びQで表されるアルキル及びアリールスルホニルアミノ基は、炭素数1から30の置換若しくは無置換のアルキルスルホニルアミノ基、炭素数6から30の置換若しくは無置換のアリールスルホニルアミノ基が好ましく、置換基の例としては、上記Gが更に置換基を有することが可能な基であるときに挙げたような置換基と同じものが挙げられる。前記アルキルスルホニルアミノ基及びアリールスルホニルアミノ基の例には、例えば、メチルスルホニルアミノ、ブチルスルホニルアミノ、フェニルスルホニルアミノ、2,3,5−トリクロロフェニルスルホニルアミノ、p−メチルフェニルスルホニルアミノなどを挙げることが出来る。
R及びQで表されるアルキルチオ基は、炭素数1から30の置換若しくは無置換のアルキルチオ基が好ましく、置換基の例としては、上記Gが更に置換基を有することが可能な基であるときに挙げたような置換基と同じものが挙げられる。前記アルキルチオ基の例には、例えばメチルチオ、エチルチオ、n−ヘキサデシルチオなどを挙げることが出来る。
R及びQで表されるアリールチオ基は炭素数6から30の置換若しくは無置換のアリールチオ基が好ましく、置換基の例としては、上記Gが更に置換基を有することが可能な基であるときに挙げたような置換基と同じものが挙げられる。前記アリールチオ基の例には、例えば、フェニルチオ、p−クロロフェニルチオ、m−メトキシフェニルチオなどを挙げることが出来る。
R及びQで表される複素環チオ基は、炭素数2から30の置換又は無置換の複素環チオ基が好ましく、置換基の例としては、上記Gが更に置換基を有することが可能な基であるときに挙げたような置換基と同じものが挙げられる。前記複素環チオ基の例には、例えば、2−ベンゾチアゾリルチオ、1−フェニルテトラゾール−5−イルチオなどを挙げることが出来る。
R及びQで表されるスルファモイル基は、炭素数0から30の置換若しくは無置換のスルファモイル基が好ましく、置換基の例としては、上記Gが更に置換基を有することが可能な基であるときに挙げたような置換基と同じものが挙げられる。前記スルファモイル基の例には、例えば、N−エチルスルファモイル、N−(3−ドデシルオキシプロピル)スルファモイル、N,N−ジメチルスルファモイル、N−アセチルスルファモイル、N−ベンゾイルスルファモイル、N−(N‘−フェニルカルバモイル)スルファモイル)などを挙げることが出来る。
R及びQで表されるアルキル及びアリールスルフィニル基は、炭素数1から30の置換又は無置換のアルキルスルフィニル基、6から30の置換又は無置換のアリールスルフィニル基が好ましく、置換基の例としては、上記Gが更に置換基を有することが可能な基であるときに挙げたような置換基と同じものが挙げられる。前記アルキル及びアリールスルフィニル基の例には、例えば、メチルスルフィニル、エチルスルフィニル、フェニルスルフィニル、p−メチルフェニルスルフィニルなどを挙げることが出来る。
R及びQで表されるアルキル及びアリールスルホニル基は、炭素数1から30の置換又は無置換のアルキルスルホニル基、6から30の置換又は無置換のアリールスルホニル基が好ましく、置換基の例としては、上記Gが更に置換基を有することが可能な基であるときに挙げたような置換基と同じものが挙げられる。前記アルキル及びアリールスルホニル基の例には、例えば、メチルスルホニル、エチルスルホニル、フェニルスルホニル、p−トルエンスルホニルなどを挙げることが出来る。
R及びQで表されるアシル基は、ホルミル基、炭素数2から30の置換又は無置換のアルキルカルボニル基、炭素数7から30の置換若しくは無置換のアリールカルボニル基、炭素数4から30の置換若しくは無置換の炭素原子でカルボニル基と結合している複素環カルボニル基が好ましく、置換基の例としては、上記Gが更に置換基を有することが可能な基であるときに挙げたような置換基と同じものが挙げられる。前記アシル基の例には、例えば、アセチル、ピバロイル、2−クロロアセチル、ステアロイル、ベンゾイル、p−n−オクチルオキシフェニルカルボニル、2―ピリジルカルボニル、2―フリルカルボニルなどを挙げることが出来る。
R及びQで表されるアリールオキシカルボニル基は、炭素数7から30の置換若しくは無置換のアリールオキシカルボニル基が好ましく、置換基の例としては、上記Gが更に置換基を有することが可能な基であるときに挙げたような置換基と同じものが挙げられる。前記アリールオキシカルボニル基の例には、例えば、フェノキシカルボニル、o−クロロフェノキシカルボニル、m−ニトロフェノキシカルボニル、p−t−ブチルフェノキシカルボニルなどを挙げることが出来る。
R及びQで表されるアルコキシカルボニル基は、炭素数2から30の置換若しくは無置換アルコキシカルボニル基が好ましく、置換基の例としては、上記Gが更に置換基を有することが可能な基であるときに挙げたような置換基と同じものが挙げられる。前記アルコキシカルボニル基の例には、例えば、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、t−ブトキシカルボニル、n−オクタデシルオキシカルボニルなどを挙げることが出来る。
R及びQで表されるカルバモイル基は、炭素数1から30の置換若しくは無置換のカルバモイル基が好ましく、置換基の例としては、上記Gが更に置換基を有することが可能な基であるときに挙げたような置換基と同じものが挙げられる。前記カルバモイル基の例には、例えば、カルバモイル、N−メチルカルバモイル、N,N−ジメチルカルバモイル、N,N−ジ−n−オクチルカルバモイル、N−(メチルスルホニル)カルバモイルなどを挙げることが出来る。
R及びQで表されるホスフィノ基は、炭素数2から30の置換若しくは無置換のホスフィノ基が好ましく、置換基の例としては、上記Gが更に置換基を有することが可能な基であるときに挙げたような置換基と同じものが挙げられる。前記ホスフィノ基の例には、例えば、ジメチルホスフィノ、ジフェニルホスフィノ、メチルフェノキシホスフィノなどを挙げることが出来る。
R及びQで表されるホスフィニル基は、炭素数2から30の置換若しくは無置換のホスフィニル基が好ましく、置換基の例としては、上記Gが更に置換基を有することが可能な基であるときに挙げたような置換基と同じものが挙げられる。前記ホスフィニル基の例には、例えば、ホスフィニル、ジオクチルオキシホスフィニル、ジエトキシホスフィニルなどを挙げることが出来る。
R及びQで表されるホスフィニルオキシ基は、炭素数2から30の置換若しくは無置換のホスフィニルオキシ基が好ましく、置換基の例としては、上記Gが更に置換基を有することが可能な基であるときに挙げたような置換基と同じものが挙げられる。前記ホスフィニルオキシ基の例には、例えば、ジフェノキシホスフィニルオキシ、ジオクチルオキシホスフィニルオキシなどを挙げることが出来る。
R及びQで表されるホスフィニルアミノ基は、炭素数2から30の置換若しくは無置換のホスフィニルアミノ基が好ましく、置換基の例としては、上記Gが更に置換基を有することが可能な基であるときに挙げたような置換基と同じものが挙げられる。前記ホスフィニルアミノ基の例には、例えば、ジメトキシホスフィニルアミノ、ジメチルアミノホスフィニルアミノなどを挙げることが出来る。
R及びQで表されるシリル基は、炭素数3から30の置換若しくは無置換のシリル基が好ましく、置換基の例としては、上記Gが更に置換基を有することが可能な基であるときに挙げたような置換基と同じものが挙げられる。前記シリル基の例には、例えば、トリメチルシリル、t−ブチルジメチルシリル、フェニルジメチルシリルなどを挙げることが出来る。
R及びQで表されるアゾ基は、例えば、フェニルアゾ、4−メトキシフェニルアゾ、4−ピバロイルアミノフェニルアゾ、2−ヒドロキシ−4−プロパノイルフェニルアゾなどを挙げることが出来る。
R及びQで表されるイミド基は、例えば、N−スクシンイミド、N−フタルイミドなどを挙げることが出来る。
R及びQが二価の置換基を示す場合、二価の置換基としては、アルキレン基(例、メチレン、エチレン、プロピレン、ブチレン、ペンチレン)、アルケニレン基(例、エテニレン、プロぺニレン)、アルキニレン基(例、エチニレン、プロピニレン)、アリーレン基(例、フェニレン、ナフチレン)、二価の複素環基(例、6−クロロ−1、3、5−トリアジン−2、4ージイル基、ピリミジン2、4−ジイル基、キノキサリンー2、3−ジイル基、ピリダジン−3,6−ジイル)、−O−、−CO−、−NR’−(R’は水素原子、アルキル基又はアリール基)、−S−、−SO−、−SO−又はこれらの組み合わせ(例えば−NHCHCHNH−、−NHCONH−等)であることが好ましい。
置換基の例としては、一価の置換基で説明した置換基と同義である。
上記R’のアルキル基及びアリール基は、上記で説明した一価の置換基と同義である。
更に好ましくは、炭素数10以下のアルキレン基、炭素数10以下のアルケニレン基、炭素数10以下のアルキニレン基、炭素数6以上10以下のアリーレン基、二価の複素環基、−S−、−SO−、―SO−又はこれらの組み合わせ(例えば−SCHCHS−、−SCHCHCHS−等)であることが更に好ましい。
二価の連結基の総炭素数は0乃至50であることが好ましく、0乃至30であることがより好ましく、0乃至10であることが最も好ましい。
R及びQが3価の置換基を示す場合、3価の置換基としては、アルキレン基、アルケニレン基、アルキニレン基、アリーレン基、3価の複素環基、>N−、又はこれらの組み合わせ(例えば>NCHCHNH−、>NCONH−等)であることが好ましい。より好ましくはアルキレン基、アルケニレン基、アルキニレン基、アリーレン基又は3価の複素環基であり、更に好ましくはアルキレン基、アリーレン基又は3価の複素環基である。
3価の連結基の総炭素数は0乃至50であることが好ましく、0乃至30であることがより好ましく、0乃至10であることが最も好ましい。
一般式(2−1)及び(2−2)中、Hetは上記A群から選ばれる5員複素環基を表す。
Hetが表す複素環基の例としては、上記A群の内、(1)、(2)、(3)、(4)、(5)、(6)、(7)、(8)、(9)、(10)、(11)が好ましく、更に(2)、(5)、(6)、(7)、(8)、(9)、(10)が好ましく、特に(2)、(5)、(6)、(7)、(10)が好ましく、その中でも(2)、(7)が好ましく、(2)が最も好ましい。
X、Y、Z、W、W、W、W、Wで表される置換基としては、炭素数1〜12の直鎖又は分岐鎖アルキル基、炭素数7〜18の直鎖又は分岐鎖アラルキル基、炭素数2〜12の直鎖又は分岐鎖アルケニル基、炭素数2〜12の直鎖又は分岐鎖アルキニル基、炭素数3〜12の直鎖又は分岐鎖シクロアルキル基、炭素数3〜12の直鎖又は分岐鎖シクロアルケニル基。例えばメチル、エチル、n-プロピル、i-プロピル、n-ブチル、i-ブチル、sec-ブチル、t−ブチル、2−エチルヘキシル、2−メチルスルホニルエチル、3−フェノキシプロピル、トリフルオロメチル、シクロペンチル)、ハロゲン原子(例えば、塩素原子、臭素原子)、アリール基(例えば、フェニル、4−t−ブチルフェニル、2,4−ジ−t−アミルフェニル)、ヘテロ環基(例えば、イミダゾリニル、ピラゾリニル、トリアゾリニル、2−フリル、2−チエニル、2−ピリミジル、2−ベンゾチアゾリニル)、シアノ基、ヒドロキシル基、ニトロ基、カルボキシ基、アミノ基、アルキルオキシ基(例えば、メトキシ、エトキシ、2−メトキシエトキシ、2−メチルスルホニルエトキシ)、アリールオキシ基(例えば、フェノキシ、2−メチルフェノキシ、4−t−ブチルフェノキシ、3−ニトロフェノキシ、3−t−ブチルオキシカルボニルフェノキシ、3−メトキシカルボニルフェニルオキシ、アシルアミノ基(例えば、アセトアミド、ベンズアミド、4−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシフェノキシ)ブタンアミド)、アルキルアミノ基(例えば、メチルアミノ、ブチルアミノ、ジエチルアミノ、メチルブチルアミノ)、アリールアミノ基(例えば、フェニルアミノ、2−クロロアニリノ)、ウレイド基(例えば、フェニルウレイド、メチルウレイド、N,N−ジブチルウレイド)、スルファモイルアミノ基(例えば、N,N−ジプロピルスルファモイルアミノ)、アルキルチオ基(例えば、メチルチオ、オクチルチオ、2−フェノキシエチルチオ)、アリールチオ基(例えば、フェニルチオ、2−ブトキシ−5−t−オクチルフェニルチオ、2−カルボキシフェニルチオ)、アルキルオキシカルボニルアミノ基(例えば、メトキシカルボニルアミノ)、アルキルスルホニルアミノ基及びアリールスルホニルアミノ基(例えば、メチルスルホニルアミノ、フェニルスルホニルアミノ、p−トルエンスルホニルアミノ)、カルバモイル基(例えば、N−エチルカルバモイル、N,N−ジブチルカルバモイル)、スルファモイル基(例えば、N−エチルスルファモイル、N,N−ジプロピルスルファモイル、N−フェニルスルファモイル)、スルホニル基(例えば、メチルスルホニル、オクチルスルホニル、フェニルスルホニル、p−トルエンスルホニル)、アルキルオキシカルボニル基(例えば、メトキシカルボニル、ブチルオキシカルボニル)、ヘテロ環オキシ基(例えば、1−フェニルテトラゾール−5−オキシ、2−テトラヒドロピラニルオキシ)、アゾ基(例えば、フェニルアゾ、4−メトキシフェニルアゾ、4−ピバロイルアミノフェニルアゾ、2−ヒドロキシ−4−プロパノイルフェニルアゾ)、アシルオキシ基(例えば、アセトキシ)、カルバモイルオキシ基(例えば、N−メチルカルバモイルオキシ、N−フェニルカルバモイルオキシ)、シリルオキシ基(例えば、トリメチルシリルオキシ、ジブチルメチルシリルオキシ)、アリールオキシカルボニルアミノ基(例えば、フェノキシカルボニルアミノ)、イミド基(例えば、N−スクシンイミド、N−フタルイミド)、ヘテロ環チオ基(例えば、2−ベンゾチアゾリルチオ、2,4−ジ−フェノキシ−1,3,5−トリアゾール−6−チオ、2−ピリジルチオ)、スルフィニル基(例えば、3−フェノキシプロピルスルフィニル)、ホスホニル基(例えば、フェノキシホスホニル、オクチルオキシホスホニル、フェニルホスホニル)、アリールオキシカルボニル基(例えば、フェノキシカルボニル)、アシル基(例えば、アセチル、3−フェニルプロパノイル、ベンゾイル)、イオン性親水性基(例えば、カルボキシル基、スルホ基、ホスホノ基及び4級アンモニウム基)が挙げられる。
本発明のアゾ顔料がイオン性親水性基を置換基として含有する場合は、多価金属カチオンとの塩(例えば、マグネシウム、カルシウム、バリウム)であることが好ましく、レーキ顔料であることが特に好ましい。
上記A群において、X及びWの好ましい置換基例は、それぞれ独立に電子求引性基である。特に、ハメットの置換基定数σp値が0.20以上の電子求引性基であり、より好ましくは、σp値が0.30以上の電子求引性基であることが好ましい。上限としては1.0以下の電子求引性基である。
σp値が0.20以上の電子求引性基であるXの具体例としては、アシル基、アシルオキシ基、カルバモイル基、アルキルオキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、シアノ基、ニトロ基、ジアルキルホスホノ基、ジアリールホスホノ基、ジアリールホスフィニル基、アルキルスルフィニル基、アリールスルフィニル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、スルホニルオキシ基、アシルチオ基、スルファモイル基、チオシアネート基、チオカルボニル基、ハロゲン化アルキル基、ハロゲン化アルコキシ基、ハロゲン化アリールオキシ基、ハロゲン化アルキルアミノ基、ハロゲン化アルキルチオ基、σp値が0.20以上の他の電子求引性基で置換されたアリール基、ヘテロ環基、ハロゲン原子、アゾ基、又はセレノシアネート基が挙げられる。
X及びWの好ましい例としては、それぞれ独立に炭素数2〜12のアシル基、炭素数2〜12のアシルオキシ基、炭素数1〜12のカルバモイル基、炭素数2〜12のアルキルオキシカルボニル基、炭素数7〜18のアリールオキシカルボニル基、シアノ基、ニトロ基、炭素数1〜12のアルキルスルフイニル基、炭素数6〜18のアリールスルフイニル基、炭素数1〜12のアルキルスルホニル基、炭素数6〜18のアリールスルホニル基、炭素数0〜12のスルファモイル基、炭素数1〜12のハロゲン化アルキル基、炭素数1〜12のハロゲン化アルキルオキシ基、炭素数1〜12のハロゲン化アルキルチオ基、炭素数7〜18のハロゲン化アリールオキシ基、2つ以上のσp0.20以上の他の電子求引性基で置換された炭素数7〜18のアリール基、及び窒素原子、酸素原子、又はイオウ原子を有する5〜8員環で炭素数1〜18のヘテロ環基を挙げることができる。
更に好ましくは、シアノ基、炭素数1〜12のアルキルスルホニル基、炭素数6〜18のアリールスルホニル基、又は炭素数0〜12のスルファモイル基である。特に好ましいものは、シアノ基、炭素数1〜8のアルキルスルホニル基、炭素数6〜12のアリールスルホニル基、又は炭素数0〜8のスルファモイル基であり、その中でもシアノ基、メタンスルホニル基、フェニルスルホニル基、スルファモイル基が好ましく、更にシアノ基、メタンスルホニル基が好ましく、シアノ基が最も好ましい。
上記A群において、Zの好ましい例は、水素原子、置換若しくは無置換のアルキル基、置換若しくは無置換のシクロアルキル基、置換若しくは無置換のアルケニル基、置換若しくは無置換のアルキニル基、置換若しくは無置換のアラルキル基、置換若しくは無置換のアリール基、置換若しくは無置換のヘテロ環基、置換若しくは無置換のアルキルスルホニル基、置換若しくは無置換のアリールスルホニル基又はアシル基を示す。特に好ましい置換基は、置換若しくは無置換のアリール基、置換若しくは無置換のへテロ環基、置換若しくは無置換のアルキルスルホニル基、置換若しくは無置換のアリールスルホニル基又はアシル基であり、その中でも特に好ましい置換基は、置換若しくは無置換のアリール基、置換若しくは無置換のへテロ環基が好ましく、特に、置換若しくは無置換のへテロ環基が好ましく、置換若しくは無置換の含窒素へテロ環基が最も好ましい。置換基の例としては、上記A群におけるX、Y、Z、W、W、W、W、Wで挙げた置換基と同じものを挙げることができる。
上記A群において、Y及びW1〜Wの好ましい例は、それぞれ独立に水素原子、置換若しくは無置換の総炭素数C1〜C12のアルキル基、置換若しくは無置換の総炭素数C6〜C18のアリール基、又は置換若しくは無置換の総炭素数C4〜C12ヘテロ環基が好ましく、その中でも、水素原子、総炭素原子数C1〜C8の直鎖アルキル基及び又は分岐のアルキル基が好ましく、特に水素原子、又はC1〜C8のアルキル基が好ましく、水素原子が最も好ましい。
本発明の一般式(2−1)で表される顔料誘導体として特に好ましい組み合わせは、以下の(イ)〜(チ)を含むものである。
(イ)Gは好ましくは炭素数3〜10の6員芳香族複素環基を表し、特に好ましくはピラジン、ピリダジン、ピリミジン又はトリアジンである。
(ロ)R及びQの特に好ましい例は、水素原子、アルキル基、アリール基、シアノ基、アルキルスルホニル基又はアルコキシカルボニル基が最も好ましい。
(ハ)Aとして特に好ましくはエチレン又はフェニレンの2価の基であり、置換基として特に好ましい置換基は、直鎖又は分岐鎖アルキル基又はイオン性親水性基である。
(ニ)Aの表すイオン性親水性基の中でも、特に好ましくはカルボキシル基又はスルホ基である。
(ホ)Bの表す基として特に好ましくは−NH−A−Aで表される基である。
(ヘ)nが示す整数として特に好ましくはnが2である。
(ト)nが2の場合の連結様式として特に好ましくは、2価の置換基を介して連結されている様式であり、その2価の連結基して特に好ましいものは、置換基を有していても良い2価の複素環基である。2価の連結基の総炭素数として特に好ましくは0〜10である。
(チ)Hetの表す5員複素環基として特に好ましくは、A群中の(2)である。
なお、一般式(2−1)で表される顔料誘導体の好ましい置換基の組み合わせについては、種々の置換基の少なくとも1つが前記の好ましい基である顔料誘導体が好ましく、より多くの種々の置換基が前記好ましい基である顔料誘導体がより好ましく、全ての置換基が前記好ましい基である顔料誘導体が最も好ましい。
本発明の一般式(2−2)で表される顔料誘導体として特に好ましい組み合わせは、以下の(イ)〜(リ)を含むものである。
(イ)Gは好ましくは炭素数3〜10の6員芳香族複素環基を表し、特に好ましくはピラジン、ピリダジン、ピリミジン又はトリアジンである。
(ロ)R及びQの特に好ましい例は、水素原子、アルキル基、アリール基、シアノ基、アルキルスルホニル基又はアルコキシカルボニル基が最も好ましい。
(ハ)nが示す整数として特に好ましくはnが2である。
(ニ)nが2の場合の連結様式として特に好ましくは、2価の置換基を介して連結されている様式であり、その2価の連結基して特に好ましいものは、置換基を有していても良い2価の複素環基である。2価の連結基の総炭素数として特に好ましくは0〜10である。
(ホ)Hetの表す5員複素環基として特に好ましくは、A群中の化合物(2)である。
(ヘ)Q及びQとしては、水素原子、メチル基、エチル基、メトキシ基、水酸基が好ましく、特に好ましくは水素原子又はメチル基である。
(ト)Wが表すB群から選ばれる2価の連結基(これらの組み合わせであっても良い)として特に好ましくはアルキレン基、アリーレン基、アミノ基、エステル基、カルバモイル基である。
(チ)A及びBが表す−NH−L−SOHにおいて、個の基を誘導する化合物として代表的な例として特に好ましくはタウリン、トビアス酸である。
(リ)Lはエチレン基、フェニレン基及びナフチレン基から選択される基であり、特に好ましくはエチレン基又はナフチレン基である。
なお、一般式(2−2)で表される顔料誘導体の好ましい置換基の組み合わせについては、種々の置換基の少なくとも1つが前記の好ましい基である顔料誘導体が好ましく、より多くの種々の置換基が前記好ましい基である顔料誘導体がより好ましく、全ての置換基が前記好ましい基である顔料誘導体が最も好ましい。
一般式(2−1)若しくは(2−2)で表される化合物、その塩、水和物又は溶媒和物である顔料誘導体は、一般式(3−1)若しくは(3−2)で表される化合物、その塩、水和物又は溶媒和物である顔料誘導体であることが好ましい。
Figure 2011057731
Figure 2011057731
一般式(3−1)及び(3−2)中、G、R、Q、X、Y及びZの定義及び詳細は、一般式(2−1)及び(2−2)におけるG、R、Q、X、Y及びZの定義及び詳細と同様であり、好ましい例も同様である。nは1〜3の整数を表す。nが2若しくは3の場合は、下記一般式(B)で表される構造が、置換基R、G、Q、X、Y、Z若しくは置換基Qを介した2量体若しくは3量体を表す。
Figure 2011057731
一般式(3−1)中、A、A2、B及びmの定義及び詳細は、一般式(1−1)におけるA、A2、B及びmの定義及び詳細と同様であり、好ましい例も同様である。
一般式(3−2)中、Q、Q、W、A及びBの定義及び詳細は、一般式(1−2)におけるQ、Q、W、A及びBの定義及び詳細と同様であり、好ましい例も同様である。
以下、一般式(3−1)及び(3−2)中、X、Y及びZの好ましい置換基例を詳細に説明する。
X、Y及びZが水素原子又は一価の置換基を示す場合、この一価の置換基の例としては、ハロゲン原子、アルキル基、シクロアルキル基、アラルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、複素環基、シアノ基、ヒドロキシル基、ニトロ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、シリルオキシ基、複素環オキシ基、アシルオキシ基、カルバモイルオキシ基、アルコキシカルボニルオキシ基、アリールオキシカルボニルオキシ基、アミノ基(アルキルアミノ基、アリールアミノ基)、アシルアミノ基(アミド基)、アミノカルボニルアミノ基(ウレイド基)、アルコキシカルボニルアミノ基、アリールオキシカルボニルアミノ基、スルファモイルアミノ基、アルキルスルホニルアミノ基、アリールスルホニルアミノ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、複素環チオ基、スルファモイル基、アルキルスルフィニル基、アリールスルフィニル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、アシル基、アリールオキシカルボニル基、アルコキシカルボニル基、カルバモイル基、ホスフィノ基、ホスフィニル基、ホスフィニルオキシ基、ホスフィニルアミノ基、シリル基、アゾ基、又はイミド基を挙げることができ、各々は更に置換基を有していてもよい。
中でも特に好ましいものは、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アリール基、複素環基、シアノ基、アルコキシ基、アミド基、ウレイド基、アルキルスルホニルアミノ基、アリールスルホニルアミノ基、スルファモイル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、カルバモイル基、又はアルコキシカルボニル基であり、特に水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アリール基、シアノ基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、アルコキシカルボニル基、又は複素環基が好ましく、水素原子、アルキル基、アリール基、シアノ基、アルキルスルホニル基又はアルコキシカルボニル基が最も好ましい。
前記X、Y及びZが表す各置換基については、一般式(2−1)又は(2−2)のR及びQが表す各置換基の詳細及び好ましい例と同義である。
本発明の一般式(3−1)で表される顔料誘導体として特に好ましい組み合わせは、以下の(イ)〜(リ)を含むものである。
(イ)Gは好ましくは炭素数3〜10の6員芳香族複素環基を表し、特に好ましくはピラジン、ピリダジン、ピリミジン又はトリアジンである。
(ロ)R及びQの特に好ましい例は、水素原子、アルキル基、アリール基、シアノ基、アルキルスルホニル基又はアルコキシカルボニル基である。
(ハ)X、Y及びZの特に好ましい例は、水素原子、アルキル基、アリール基、シアノ基、アルキルスルホニル基又はアルコキシカルボニル基である。
(ニ)Aとして特に好ましくはエチレン又はフェニレンの2価の基であり、置換基として特に好ましい置換基は、直鎖又は分岐鎖アルキル基又はイオン性親水性基である。
(ホ)Aの表すイオン性親水性基の中でも、特に好ましくはカルボキシル基又はスルホ基である。
(ヘ)Bの表す基として特に好ましくは−NH−A−Aで表される基である。
(ト)nが示す整数として特に好ましくはnが2である。
(チ)nが2の場合の連結様式として特に好ましくは、2価の置換基を介して連結されている様式であり、その2価の連結基して特に好ましいものは、置換基を有していても良い2価の複素環基である。2価の連結基の総炭素数として特に好ましくは0〜10である。
(リ)Hetの表す5員複素環基として特に好ましくは、A群中の化合物(2)である。
なお、一般式(3−1)で表される顔料誘導体の好ましい置換基の組み合わせについては、種々の置換基の少なくとも1つが前記の好ましい基である顔料誘導体が好ましく、より多くの種々の置換基が前記好ましい基である顔料誘導体がより好ましく、全ての置換基が前記好ましい基である顔料誘導体が最も好ましい。
本発明の一般式(3−2)で表される顔料誘導体として特に好ましい組み合わせは、以下の(イ)〜(リ)を含むものである。
(イ)Gは好ましくは炭素数3〜10の6員芳香族複素環基を表し、特に好ましくはピラジン、ピリダジン、ピリミジン又はトリアジンである。
(ロ)R及びQの特に好ましい例は、水素原子、アルキル基、アリール基、シアノ基、アルキルスルホニル基又はアルコキシカルボニル基である。
(ハ)X、Y及びZの特に好ましい例は、水素原子、アルキル基、アリール基、シアノ基、アルキルスルホニル基又はアルコキシカルボニル基である。
(ニ)nが示す整数として特に好ましくはnが2である。
(ホ)nが2の場合の連結様式として特に好ましくは、2価の置換基を介して連結されている様式であり、その2価の連結基して特に好ましいものは、置換基を有していても良い2価の複素環基である。2価の連結基の総炭素数として特に好ましくは0〜10である。
(ヘ)Q及びQとしては、水素原子、メチル基、エチル基、メトキシ基、水酸基が好ましく、特に好ましくは水素原子又はメチル基である。
(ト)Wが表すB群から選ばれる2価の連結基(これらの組み合わせであっても良い)として特に好ましくはアルキレン基、アリーレン基、アミノ基、エステル基、カルバモイル基である。
(チ)A及びBが表す−NH−L−SOHにおいて、個の基を誘導する化合物として代表的な例として特に好ましくはタウリン、トビアス酸である。
(リ)Lはエチレン基、フェニレン基及びナフチレン基から選択される基であり、特に好ましくはエチレン基又はナフチレン基である。
なお、一般式(3−2)で表される顔料誘導体の好ましい置換基の組み合わせについては、種々の置換基の少なくとも1つが前記の好ましい基である顔料誘導体が好ましく、より多くの種々の置換基が前記好ましい基である顔料誘導体がより好ましく、全ての置換基が前記好ましい基である顔料誘導体が最も好ましい。
本発明は、一般式(4)で表される顔料と、一般式(1−1)若しくは(1−2)で表される顔料誘導体、あるいは、一般式(2−1)若しくは(2−2)で表される顔料誘導体とを含有する顔料分散体にも関し、顔料分散体は、一般式(4)で表される顔料と一般式(2−1)若しくは(2−2)で表される顔料誘導体とを含有することがより好ましい。
以下、一般式(4)について説明する。
Figure 2011057731
一般式(4)中、Gはアルキル基、アリール基、又は5〜6員の複素環基を表し、R及びQは、それぞれ独立に、水素原子又は一価の置換基を表す。HetはA群から選ばれる5員複素環基を表す。*は、一般式(4)で示されるアゾ基との結合部位を表す。(A群の化合物中、X、Y、Z、W、W、W、W、Wは、それぞれ独立に、水素原子又は一価の置換基を表す。)
Figure 2011057731
nは1〜3の整数を表す。nが2若しくは3の場合は、一般式(4)で表される顔料は、置換基R、G、Q、Het若しくは、置換基Qを介した2量体若しくは3量体を表す。
一般式(4)中のG、R、Q、Het及びnについては、一般式(2−1)又は(2−2)で説明したG、R、Q、Het及びnの詳細及び好ましい例と同義である。
本発明の一般式(4)で表される顔料として特に好ましい組み合わせは、以下の(イ)〜(ホ)を含むものである。
(イ)Gは好ましくは炭素数3〜10の6員芳香族複素環基を表し、特に好ましくはピラジン、ピリダジン、ピリミジン又はトリアジンである。
(ロ)R及びQの特に好ましい例は、水素原子、アルキル基、アリール基、シアノ基、アルキルスルホニル基又はアルコキシカルボニル基が最も好ましい。
(ハ)nが示す整数として特に好ましくはnが2である。
(ニ)nが2の場合の連結様式として特に好ましくは、2価の置換基を介して連結されている様式であり、その2価の連結基して特に好ましいものは、置換基を有していても良い2価の複素環基である。2価の連結基の総炭素数として特に好ましくは0〜10である。
(ホ)Hetの表す5員複素環基として特に好ましくは、A群中の化合物(2)である。
なお、一般式(4)で表される顔料の好ましい置換基の組み合わせについては、種々の置換基の少なくとも1つが前記の好ましい基である顔料が好ましく、より多くの種々の置換基が前記好ましい基である顔料がより好ましく、全ての置換基が前記好ましい基である顔料が最も好ましい。
上記一般式(4)で表される顔料として、下記一般式(5)で表される顔料がより好ましい。
Figure 2011057731
一般式(5)中、Gはアルキル基、アリール基、又は5〜6員の複素環基を表し、R、Q、X、Y及びZはそれぞれ独立に、水素原子又は一価の置換基を表し、nは1〜3の整数を表す。nが2若しくは3の場合は、一般式(5)で表される顔料は、置換基R、G、Q、X、Y、Z若しくは置換基Qを介した2量体若しくは3量体を表す。
一般式(5)中のG、R、Q、X、Y、Z及びnについては、一般式(3−1)及び(3−2)で説明したG、R、Q、X、Y、Z及びnの詳細及び好ましい例と同義である。
本発明の一般式(5)で表される顔料として特に好ましい組み合わせは、以下の(イ)〜(ホ)を含むものである。
(イ)Gは好ましくは炭素数3〜10の6員芳香族複素環基を表し、特に好ましくはピラジン、ピリダジン、ピリミジン又はトリアジンである。
(ロ)R及びQの特に好ましい例は、水素原子、アルキル基、アリール基、シアノ基、アルキルスルホニル基又はアルコキシカルボニル基である。
(ハ)X、Y及びZの特に好ましい例は、水素原子、アルキル基、アリール基、シアノ基、アルキルスルホニル基又はアルコキシカルボニル基である。
(ニ)nが示す整数として特に好ましくはnが2である。
(ホ)nが2の場合の連結様式として特に好ましくは、2価の置換基を介して連結されている様式であり、その2価の連結基して特に好ましいものは、置換基を有していても良い2価の複素環基である。2価の連結基の総炭素数として特に好ましくは0〜10である。
なお、一般式(5)で表される顔料の好ましい置換基の組み合わせについては、種々の置換基の少なくとも1つが前記の好ましい基である顔料が好ましく、より多くの種々の置換基が前記好ましい基である顔料がより好ましく、全ての置換基が前記好ましい基である顔料が最も好ましい。
特に、本発明の顔料分散体は、一般式(5)で表される顔料と、一般式(3−1)若しくは(3−2)で表される顔料誘導体とを含有することが好ましい。
また、本発明の顔料分散体において、一般式(4)又は(5)で表される顔料は、一般式(6)で表される顔料が好ましい。
Figure 2011057731
一般式(6)中、R、R、X、X、Y、Y、Z、及びZは、それぞれ独立に、水素原子又は置換基を示し、Gは一価の置換基を有していても良い5〜6員含窒素複素環を示す。
一般式(6)中、R及びRについては、一般式(3−1)及び(3−2)で説明したRの詳細及び好ましい例と同義である。X及びXについては、一般式(3−1)及び(3−2)で説明したXの詳細及び好ましい例と同義である。Y及びYについては、一般式(3−1)及び(3−2)で説明したYの詳細及び好ましい例と同義である。Z及びZについては、一般式(3−1)及び(3−2)で説明したZの詳細及び好ましい例と同義である。Gについては、一般式(3−1)及び(3−2)で説明したGの詳細及び好ましい例と同義である。
本発明の一般式(6)で表される顔料として特に好ましい組み合わせは、以下の(イ)〜(ハ)を含むものである。
(イ)Gは好ましくは炭素数3〜10の6員芳香族複素環基を表し、特に好ましくはピラジン、ピリダジン、ピリミジン又はトリアジンである。
(ロ)R、R、Q及びQの特に好ましい例は、水素原子、アルキル基、アリール基、シアノ基、アルキルスルホニル基又はアルコキシカルボニル基である。
(ハ)X、X、Y、Y、Z及びZの特に好ましい例は、水素原子、アルキル基、アリール基、シアノ基、アルキルスルホニル基又はアルコキシカルボニル基である。
なお、一般式(6)で表される顔料の好ましい置換基の組み合わせについては、種々の置換基の少なくとも1つが前記の好ましい基である顔料が好ましく、より多くの種々の置換基が前記好ましい基である顔料がより好ましく、全ての置換基が前記好ましい基である顔料が最も好ましい。
以下に前記一般式(1−1)〜一般式(3−2)で示される顔料誘導体、一般式(4)〜一般式(6)で示される顔料の具体例を以下に示すが、本発明に用いられる顔料誘導体及び顔料は、下記の例に限定されるものではない。また、以下の具体例の構造は化学構造上取りうる数種の互変異性体の中から極限構造式の形で示されるが、記載された構造以外の互変異性体のものであっても良いことはいうまでもない。
以下、一般式(1−1)〜一般式(3−2)で表される顔料誘導体における置換基Aの具体例を示す。
Figure 2011057731
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以下、一般式(1−1)〜一般式(3−2)で表される顔料誘導体における置換基B及び一般式(4)〜一般式(6)で示される顔料における置換基Hetの具体例を示す。
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以下に一般式(1−1)で表される顔料誘導体の具体例を示す。
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以下、一般式(1−2)で表される顔料誘導体の具体例を示す。
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以下、一般式(4)、一般式(5)、及び一般式(6)で表される顔料の具体例を一般式(7)の構造を使って下記表に示す。
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本発明において、一般式(1−1)〜一般式(3−2)で示される顔料誘導体、一般式(4)〜一般式(6)で示される顔料は、酸基のある場合には、酸基の一部あるいは全部が塩型のものであってもよく、塩型の顔料と遊離酸型の顔料が混在していてもよい。上記の塩型の例としてNa、Li、K等のアルカリ金属の塩、アルキル基若しくはヒドロキシアルキル基で置換されていてもよいアンモニウムの塩、又は有機アミンの塩が挙げられる。有機アミンの例として、低級アルキルアミン、ヒドロキシ置換低級アルキルアミン、カルボキシ置換低級アルキルアミン及び炭素数2〜4のアルキレンイミン単位を2〜10個有するポリアミン等が挙げられる。これらの塩型の場合、その種類は1種類に限られず複数種混在していてもよい。
更に、一般式(1−1)〜一般式(3−2)で示される顔料誘導体、及び、一般式(4)〜一般式(6)で示される顔料において、その1分子中に酸基が複数個含まれる場合は、その複数の酸基は塩型あるいは酸型であり互いに異なるものであってもよい。また、これらの顔料誘導体、及び、顔料は、結晶中に水分子を含む水和物、あるいは、溶媒(例えば、メタノール,エタノール,2−プロパノール,t−ブチルアルコール等のアルコール類や、ジメチルスルホキシド,ジメチルホルムアミド,ジメチルアセトアミド,N−メチルピロリドン等の非プロトン性溶媒、アセトン,メチルエチルケトン等のケトン系溶媒など)を含む溶媒和物であっても良い。
また、一般式(1−1)〜一般式(3−2)で示される顔料誘導体における顔料構造、及び、一般式(4)〜一般式(6)で示される顔料に関しては、その互変異性体(例えば、アゾ−ヒドラゾンの互変異性体)も、本発明においては、これらの一般式に含まれるものとする。
〔顔料の製造〕
以下に一般式(4)〜一般式(6)で表される顔料の製造方法の一例について説明する。例えば複素環アミン(一般にジアゾ成分という)を酸性条件でジアゾニウム化し、これを複素環からなるカプラー成分と混合することでカップリング反応が進行する。常法による後処理を行って、一般式(4)〜一般式(6)の顔料を製造することができる。
上記ジアゾ成分である複素環アミンは、一般的には公知慣用の方法、例えば、Helv.Chim.Acta,41,1958,1052〜1056やHelv.Chim.Acta,42,1959,349〜352等に記載の方法、及び、それに準じた方法で製造することができる。
上記カプラー成分は、国際公開第06/082669号や特開2006−57076号公報に記載の方法、及び、それに準じた方法で製造することができる。
上記ジアゾ成分のジアゾニウム化反応は、例えば、硫酸、リン酸、酢酸、塩酸、メタンスルホン酸などの酸性溶媒中、亜硝酸ナトリウム、ニトロシル硫酸、亜硝酸イソアミル等の試薬を15℃以下の温度で10分〜6時間程度反応させることで行うことができる。
カップリング反応は、上述の方法で得られたジアゾニウム塩とカプラー成分とを40℃以下、好ましくは、25℃以下で10分〜12時間程度反応させることで行うことができる。
このようにして反応させたものは、結晶が析出しているものもあるが、一般的には反応液に水、あるいはアルコール系溶媒を添加し、結晶を析出させ、結晶を濾取することができる。また、反応液にアルコール系溶媒、水等を添加して結晶を析出させて、析出した結晶を濾取することができる。濾取した結晶を必要に応じて洗浄・乾燥して、一般式(4)〜一般式(6)で表される顔料を得ることができる。
上記の製造方法によって、上記一般式(4)〜一般式(6)で表される顔料は粗顔料(クルード)として得られるが、本発明の顔料として用いる場合、後処理を行うことが望ましい。この後処理の方法としては、例えば、ソルベントソルトミリング、ソルトミリング、ドライミリング、ソルベントミリング、アシッドペースティング等の磨砕処理、溶媒加熱処理などによる顔料粒子制御工程、樹脂、界面活性剤及び分散剤等による表面処理工程が挙げられる。
本発明の一般式(4)〜一般式(6)で表される化合物は後処理として溶媒加熱処理及び/又はソルベントソルトミリングを行うことが好ましい。
溶媒加熱処理に使用される溶媒としては、例えば、水、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素系溶媒、クロロベンゼン、o−ジクロロベンゼン等のハロゲン化炭化水素系溶媒、イソプロパノール、イソブタノール等のアルコール系溶媒、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン等の極性非プロトン性有機溶媒、氷酢酸、ピリジン、又はこれらの混合物等が挙げられる。上記で挙げた溶媒に、更に無機又は有機の酸又は塩基を加えても良い。溶媒加熱処理の温度は所望する顔料の一次粒子径の大きさによって異なるが、40〜150℃が好ましく、60〜100℃が更に好ましい。また、処理時間は、30分〜24時間が好ましい。
ソルベントソルトミリングとしては、例えば、粗顔料と、無機塩と、それを溶解しない有機溶剤とを混練機に仕込み、その中で混練磨砕を行うことが挙げられる。上記無機塩としては、水溶性無機塩が好適に使用でき、例えば塩化ナトリウム、塩化カリウム、硫酸ナトリウム等の無機塩を用いることが好ましい。また、平均粒子径0.5〜50μmの無機塩を用いることがより好ましい。当該無機塩の使用量は、粗アゾ顔料に対して3〜20質量倍とするのが好ましく、5〜15質量倍とするのがより好ましい。有機溶剤としては、水溶性有機溶剤が好適に使用でき、混練時の温度上昇により溶剤が蒸発し易い状態になるため、安全性の点から高沸点溶剤が好ましい。このような有機溶剤としては、例えばジエチレングリコール、グリセリン、エチレングリコール、プロピレングリコール、液体ポリエチレングルコール、液体ポリプロピレングリコール、2−(メトキシメトキシ)エタノール、2−ブトキシエタノール、2ー(イソペンチルオキシ)エタノール、2−(ヘキシルオキシ)エタノール、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングルコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、トリエチレングリコール、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、1−メトキシ−2−プロパノール、1−エトキシ−2−プロパノール、ジプロピレングリコール、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコール又はこれらの混合物が挙げられる。当該水溶性有機溶剤の使用量は、粗アゾ顔料に対して0.1〜5質量倍が好ましい。混練温度は、20〜130℃が好ましく、40〜110℃が特に好ましい。混練機としては、例えばニーダーやミックスマーラー等が使用できる。
〔顔料誘導体の製造〕
本発明の顔料誘導体は以下の方法で製造されるが、これに限定していない。
方法(1)は、一般式(4)〜一般式(6)で表される顔料の骨格(窒素原子など)や置換基を修飾又は置換する方法でイオン性親水性基を有する化合物を連結する。
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反応式1及び反応式2中、Mは顔料、ジアゾ成分又はカプラー成分を表し、R及びRは置換基を示すが、RとRは、上記一般式(1−1)においては、−NH−A−A、及びBに対応し、上記一般式(1−2)においては、A、及びBに対応している。よって、RとRは、何れか一方、若しくは両方にイオン性親水性基が置換されている。Rは脱離基でありRとしてクロロ原子、アルコキシ基やアリールオキシ基が挙げられる。顔料にイオン性親水性基を有する化合物を共有結合で連結する方法(1)と、顔料のアゾカップリングの原料(ジアゾ成分とカプラー成分)がイオン性親水性基を有する化合物を共有結合で連結しておき、これらを前述の顔料の製造で説明した方法でアゾカップリングする方法(2)が挙げられる。出発原料としてM−NH若しくはM−CORのMが顔料である場合(すなわち、Mが[A−N=N−B]で表される顔料(A及びBは、それぞれ独立に、5〜6員の複素環を表す)である場合)は方法(1)であり、M−NH若しくはM−CORのMがジアゾ成分やカプラー成分である場合は方法(2)による顔料誘導体の製造法を意味する。
反応式1中、M−NH中の−NHは、特に限定されず−NHの代わりに顔料上の求核種であれば上記のスキームにしたがって反応を実施することができる。求核種としては、顔料上の窒素原子、炭素原子、酸素原子、硫黄原子などが挙げられる。例えば、反応(a)、(b)、(c)は4−アミノフタルイミドを顔料、ジアゾ成分又はカプラー成分に結合させて、に塩化シアヌル若しくは塩化シアヌル誘導体を導入する方法である。反応(d)は塩化シアヌル誘導体と顔料、ジアゾ成分又はカプラー成分を連結しMが顔料であれば顔料誘導体が、Mがジアゾ成分又はカプラー成分であれば、それらをアゾカップリングすることで所望の顔料誘導体を誘導することができる。
反応式2中、M−COR中の−CORは、特にこの置換基に限定されず、例えば−CORのように求電子置換反応できる反応種や、顔料上の窒素原子、炭素原子、酸素原子、硫黄原子などへの求電子反応であれば上記の反応式2に従って反応を実施することができる。例えば、反応(e)、(f)、(g)はフェニレンジアミンを顔料、ジアゾ成分又はカプラー成分に結合し、アミド結合を形成させる方法である。この反応式2におけるRは例えばクロロ原子やアルコキシ基、アリールオキシ基が挙げられる。次に塩化シアヌル若しくは塩化シアヌル誘導体を導入する方法である。反応(h)は塩化シアヌル誘導体と顔料、ジアゾ成分又はカプラー成分を連結しMが顔料であれば顔料誘導体が、Mがジアゾ成分又はカプラー成分であれば、それらをアゾカップリングすることで所望の顔料誘導体を誘導することができる。
〔顔料分散体の作成〕
本発明の顔料分散体について説明する。顔料誘導体及び顔料による顔料分散体について、顔料100%質量部に対し、顔料誘導体を0.1〜50%質量部の割合で配合するのが好ましい。より好ましくは、0.5〜40%質量部であり、更に好ましくは1.0〜40%質量部における配合である。顔料誘導体が0.1%質量部以上で、顔料及び顔料分散体の凝集原因である顔料の結晶成長を抑制でき、また分散ポリマーとの相互作用が良好となり、結果、顔料及び顔料誘導体の分散が易分散化できる。また、顔料誘導体を50%質量部以下で使用することで顔料誘導体の酸基由来のアニオン電荷が過剰とならず顔料分散体における媒体で程よく安定化され凝集が抑制されることで顔料及び顔料誘導体の分散が易分散化できる。
本発明の顔料誘導体の使用方法としては、顔料誘導体と顔料とを粉体で配合して用いるのが一般的であるが、水系又は非水系ビヒクルに顔料とともに添加しても良い。また、予め顔料自体の調製時に配合して利用することもできる。また、上記の粗顔料の後処理を顔料誘導体と混合した状態で実施しても良い。
本発明の顔料分散体の構成要素である顔料誘導体は、少なくとも一般式(1−1)〜一般式(3−2)で表される化合物又はその塩(例えば、金属塩、アンモニウム塩若しくはアミン塩)からなり、これを用いて一般式(4)〜一般式(6)の顔料を分散できる。
本発明における顔料分散体は、前記一般式(1−1)〜一般式(3−2)で表される顔料誘導体、一般式(4)〜一般式(6)で表される顔料、及びビニルポリマー(以下「樹脂」又は「特定樹脂」ともいう)を含有する。
本発明における顔料を含有する顔料分散体は、特定樹脂及び顔料更に顔料誘導体等を用いて従来の物理的、化学的方法によって製造することができる。例えば、特開平9−151342号、特開平10−140065号、特開平11−209672号、特開平11−172180号、特開平10−25440号、又は特開平11−43636号の各公報に記載の方法により製造することができる。具体的には、特開平9−151342号及び特開平10−140065号の各公報に記載の転相法と酸析法等が挙げられ、中でも、分散安定性の点で転相法が好ましい。
a)転相法
転相法は、基本的には、自己分散能又は溶解能を有する樹脂と顔料との混合溶融物を水に分散させる自己分散(転相乳化)させる方法であり、顔料を含有する顔料分散体を得ることができる。ここで、混合溶融物とは、溶解せず混合した状態、溶解して混合した状態、又はこれら両者の状態のいずれの状態を含むものをいう。「転相法」のより具体的な製造方法は、特開平10−140065号に記載の方法が挙げられる。
b)酸析法
酸析法は、樹脂と顔料とからなる含水ケーキを用意し、その含水ケーキ中の、樹脂が有するアニオン性基の一部又は全部を、塩基性化合物を用いて中和することによって、顔料を含有する顔料分散体を製造する方法である。
酸析法は、具体的には、(1)樹脂と顔料とをアルカリ性水性媒体中に分散し、必要に応じて加熱処理を行なって樹脂のゲル化を図る工程と、(2)pHを中性又は酸性にすることによって樹脂を疎水化して、樹脂を顔料に強く固着する工程と、(3)必要に応じて、濾過及び水洗を行って含水ケーキを得る工程と、(4)含水ケーキを中の、樹脂が有するアニオン性基の一部又は全部を、塩基性化合物を用いて中和し、その後、水性媒体中に再分散する工程と、(5)必要に応じて加熱処理を行い、樹脂のゲル化を図る工程と、を含む方法がある。
上記の転相法及び酸析法のより具体的な製造方法は、特開平9−151342号、特開平10−140065号の各公報に記載の方法が挙げられる。
本発明において、顔料及び顔料誘導体等を含有する顔料分散体は、特定樹脂を水性分散物として得る工程、具体的には下記の工程(1)及び工程(2)を含む方法により顔料を及び顔料誘導体等を含有する顔料分散体の分散物を調製する調製工程を設けて得ることができ、また、本発明の顔料水性インクの製造は、この調製工程を設け、得られた顔料及び顔料誘導体等を含有する顔料分散体の分散物を水と水溶性有機溶媒更には添加剤と共に用いて水性インクとする方法により好適に行なえる。
工程(1):既述の本発明における特定樹脂、有機溶媒、中和剤、顔料、及び水を含有する混合物を攪拌等により分散して分散物を得る工程
工程(2):前記分散物から前記有機溶媒を除去する工程
攪拌方法には特に制限はなく、一般に用いられる混合攪拌装置や、必要に応じて例えば、ボールミル、ロールミル、ビーズミル、高圧ホモジナイザー、高速攪拌型分散機、超音波ホモジナイザ−などを使用することができる。
有機溶媒としては、アルコール系溶媒、ケトン系溶媒、及びエーテル系溶媒が好ましく挙げられる。
前記アルコール系溶媒としては、i−プロピルアルコール、n−ブタノール、t−ブタノール、エタノール等が挙げられる。前記ケトン系溶媒としては、アセトン、メチルエチルケトン、ジエチルケトン、メチルイソブチルケトン等が挙げられる。前記エーテル系溶媒としては、ジブチルエーテル、ジオキサン等が挙げられる。これらの溶媒の中では、メチルエチルケトン等のケトン系溶媒とi−プロピルアルコール等のアルコール系溶媒が好ましく、メチルエチルケトンが最も好ましい。
中和剤は、解離性基の一部又は全部が中和され、特定樹脂が水中で安定した乳化又は分散状態を形成するために用いられる。特定樹脂が解離性基としてアニオン性の解離基を有する場合、用いられる中和剤としては有機アミン化合物、アンモニア、アルカリ金属の水酸化物等の塩基性化合物が挙げられる。前記有機アミン化合物の例としては、モノメチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、モノエチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、モノプロピルアミン、ジプロピルアミン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、N,N−ジメチル−エタノールアミン、N,N−ジエチル−エタノールアミン、2−ジメチルアミノ−2−メチル−1−プロパノール、2−アミノ−2−メチル−1−プロパノール、N−メチルジエタノールアミン、N−エチルジエタノールアニン、モノイソプロパノールアミン、ジイソプロパノールアミン、トリイソプロパノールアミン等が挙げられる。前記アルカリ金属の水酸化物としては、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等が挙げられる。中でも、水中での分散安定化の観点から、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、トリエチルアミン、トリエタノールアミンが好ましく、特に水酸化ナトリウム、水酸化カリウムが好ましい。
前記塩基性化合物の含有量は、解離性基100モル%に対して、5〜120モル%の範囲が好ましく、10〜120モル%の範囲がより好ましく、80〜120モル%の範囲が更に好ましい。該含有量は、5モル%以上であると水中での分散安定化に効果的であり、120モル%以下であると水溶性成分を低下させる効果がある。
前記工程(2)では、前記工程(1)で得られた分散物から、減圧蒸留等の常法により有機溶剤を留去して水系へと転相することで、顔料の粒子表面が前記樹脂で被覆された顔料を含有する顔料分散体の分散物を得ることができる。得られた分散物中の有機溶媒は実質的に除去されており、ここでの有機溶媒の量は、好ましくは0.2質量%以下であり、更に好ましくは0.1質量%以下である。
より具体的には、例えば、(1)アニオン性基を有する、本発明における特定樹脂を有機溶剤に溶解した溶液と塩基性化合物(中和剤)と水とを混合して中和する工程と、(2)得られた混合液に顔料を混合して懸濁液とした後に、分散機等で顔料を分散して顔料分散液を得る工程と、(3)有機溶剤を例えば蒸留して除去することによって、顔料を、アニオン性基を有する特定樹脂で被覆し、水性媒体中に分散させて水性分散体とする工程と、を設けて、インクジェット記録用水性インクを製造することができる。
なお、より具体的には、特開平11−2096722号公報及び特開平11−172180号の記載を参照することができる。
本発明の顔料分散体中に含まれる顔料の平均粒子径は、10〜400nmの範囲であることが好ましく、10〜200nmの範囲がより好ましく、50〜150nmの範囲が更に好ましい。平均粒子径は、10nm以上であると製造適性が向上し、400nm以下であると保存安定性が良好になる。なお、顔料を含有する顔料分散体の粒径分布に関しては、特に制限はなく、広い粒径分布を持つもの、又は単分散の粒径分布を持つもののいずれでもよい。
顔料分散体中の顔料の平均粒子径及び粒径分布は、ナノトラック粒度分布測定装置UPA−EX150(日機装(株)製)を用いて、動的光散乱法により体積平均粒径を測定することにより求められるものである。
本発明における顔料分散体中における顔料の含有量としては、顔料分散体の分散安定性、濃度の観点から、1〜10質量%が好ましく、2〜8質量%がより好ましく、2〜6質量%が特に好ましい。
〔ポリマー〕
本発明の顔料分散体は、顔料分散性の向上を目的に、ポリマーを含有しても良い。
顔料分散に使用するポリマーは、ポリアクリル酸エステル、スチレン−アクリル酸共重合体、ポリスチレン、ポリエステル、ポリアミド、ポリイミド、含珪素ポリマー、含硫黄ポリマーからなる群から選ばれた1種以上を主成分とすることが好ましい。本発明で用いるアセチレングリコール系界面活性剤、アセチレンアルコール系界面活性剤、シリコン系界面活性剤、ジ(トリ)エチレングリコールモノブチルエーテル及び(ジ)プロピレングリコールモノブチルエーテルから選ばれた1種以上からなる物質は好適な分散を行なうことでポリマーが安定に色剤を包含できる。
更に、顔料の分散に寄与するポリマーを構築する物質の疎水基は少なくともアルキル基、シクロアルキル基又はアリール基から選ばれた1種以上であることが好ましい。そして、前述の親水性官能基を有する物質の親水基が少なくともカルボキシル基、スルホン酸基、ヒドロキシル基、アミノ基、若しくはアミド基又はそれらの塩基であることが好ましい。それら分散ポリマーを形成する物質の具体例として2重結合を有するアクリロイル基、メタクリロイル基、ビニル基あるいはアリール基を有するモノマーやオリゴマー類を用いることができる。例えばスチレン、テトラヒドロフルフリルアクリレート、ブチルメタクリレート、(α,2,3又は4)−アルキルスチレン、(α,2,3又は4)−アルコキシスチレン、3,4−ジメチルスチレン、α−フェニルスチレン、ジビニルベンゼン、ビニルナフタレン、ジメチルアミノ(メタ)アクリレート、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノプロピルアクリルアミド、N,N−ジメチルアミノエチルアクリレート、アクリロイルモルフォリン、N,N−ジメチルアクリルアミド、N−イソプロピルアクリルアミド、N,N−ジエチルアクリルアミド、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、エチルヘキシル(メタ)アクリレート、その他アルキル(メタ)アクリレート、メトキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基のジエチレングリコール又はポリエチレングリコールの(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、イソボニル(メタ)アクリレート、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート、その他含フッ素、含塩素、含珪素(メタ)アクリレート、(メタ)アクリルアミド、マレイン酸アミド、(メタ)アクリル酸等の1官能の他に架橋構造を導入する場合は(モノ、ジ、トリ、テトラ、ポリ)エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,8−オクタンジオール及び1,10−デカンジオール等の(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、グリセリン(ジ、トリ)(メタ)アクリレート、ビスフェノールA又はFのエチレンオキシド付加物のジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等アクリル基やメタクリル基を有する化合物を用いることができる。
また、ポリアクリル酸エステル、スチレン−アクリル酸共重合体、ポリスチレン、ポリエステル、ポリアミド、ポリイミド、含珪素ポリマー、含硫黄ポリマーからなる群から選ばれた1種以上を主成分とするようにこれらのポリマーを添加しながら作成することもできる。
重合開始剤は過硫酸カリウムや過硫酸アンモニウムの他に、過硫酸水素やアゾビスイソブチロニトリル、過酸化ベンゾイル、過酸化ジブチル、過酢酸、クメンヒドロパーオキシド、t−ブチルヒドロキシパーオキシド、パラメンタンヒドロキシパーオキシドなどラジカル重合に用いられる一般的な開始剤を用いることができる。
本発明における、乳化重合では連鎖移動剤を用いることもできる。例えば、t−ドデシルメルカプタンの他にn−ドデシルメルカプタン、n−オクチルメルカプタン、キサントゲン類であるジメチルキサントゲンジスルフィド、ジイソブチルキサントゲンジスルフィド、あるいはジペンテン、インデン、1,4−シクロヘキサジエン、ジヒドロフラン、キサンテンなどが挙げられる。
本発明における顔料分散体中におけるポリマーの含有量としては、1〜20質量%が好ましく、1〜15質量%がより好ましく、1〜10質量%が特に好ましい。
〔顔料水性インク〕
<水溶性溶媒>
本発明の顔料水性インクは、前記した顔料分散体を用いて得られるものであり、顔料水性インクがインクジェット用インクである場合には、更に、水溶性溶媒を含むことが好ましい。
水溶性溶媒としては、水溶性有機溶剤が挙げられる。水溶性有機溶剤は乾燥防止剤、湿潤剤あるいは浸透促進剤の目的で使用される。
ノズルのインク噴射口において該インクジェット用インクが乾燥することによる目詰まりを防止する目的で乾燥防止剤が用いられ、乾燥防止剤や湿潤剤としては、水より蒸気圧の低い水溶性有機溶剤が好ましい。また、インクジェット用インクを紙により良く浸透させる目的で浸透促進剤として、水溶性有機溶剤が好適に使用される。
水溶性有機溶媒の例として、グリセリン、1,2,6−ヘキサントリオール、トリメチロールプロパン、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ペンタエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリオキシエチレングリセリルエーテル、ポリオキシプロピレングリセリルエーテル、2−ブテン−1,4−ジオール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、2−メチル−2,4−ペンタンジオール、1,2−オクタンジオール、1,2−ヘキサンジオール、1,2−ペンタンジオール、4−メチル−1,2−ペンタンジオール等のアルカンジオール(多価アルコール類);ヴルコース、マンノース、フルクトース、リボース、キシロース、アラビノース、ガラクトース、アルドン酸、グルシトール、(ソルビット)、マルトース、セロビオース、ラクトース、スクロース、トレハロース、マルトトリオース等の糖類;糖アルコール類;ピアルロン酸類;尿素類等のいわゆる固体湿潤剤;エタノール、メタノール、ブタノール、プロパノール、イソプロパノールなどの炭素数1〜4のアルキルアルコール類;エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノ−n−プロピルエーテル、エチレングリコールモノ−i−プロピルエーテル、ジエチレングリコールモノ−i−プロピルエーテル、エチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、エチレングリコールモノ−t−ブチルエーテル、ジエチレングリコールモノ−t−ブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノ−t−ブチルエーテル、プロピレングリコールモノ−n−プロピルエーテル、プロピレングリコールモノ−i−プロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノ−n−プロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノ−i−プロピルエーテルなどのグリコールエーテル類;2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、ホルムアミド、アセトアミド、ジメチルスルポキシド、ソルビット、ソルビタン、アセチン、ジアセチン、トリアセチン、スルホラン等が挙げられ、これらの1種又は2種以上を用いることができる。
乾燥防止剤や湿潤剤の目的としては,ポリオール化合物が有用であり、例えば、グリセリン、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、1,3−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、3−メチル−1,3−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、テトラエチレングリコール、1,6−ヘキサンジオール、2−メチル−2,4−ペンタンジオール、ポリエチレングリコール、1,2,4−ブタントリオール、1,2,6−ヘキサントリオール、などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
浸透剤の目的としては、ポリオール化合物が好ましく、脂肪族ジオールとしては、例えば、2-ブチル−2-エチルー1,3-プロパンジオール、2−エチル−2−メチル−1,3−プロパンジオール、3,3−ジメチル−1,2−ブタンジオール、2,2−ジエチル−1,3−プロパンジオール、2−メチル−2−プロピル−1,3−プロパンジオール、2,4−ジメチル−2,4−ペンタンジオール、2,5−ジメチル−2,5−ヘキサンジオール、5−ヘキセン−1,2−ジオール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオールなどが挙げられる。これらの中でも、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオールが好ましい例として挙げることができる。
浸透剤の添加量は、インクの全質量に対して1.5〜5質量%の範囲が好ましい。1.5質量%以上ではにじみが軽減され、印字品質が向上する。5質量%以下では、見合った浸透性の向上効果が得られ、印字品質が向上し、粘度増加の弊害がない。
本発明に使用される水溶性溶媒は、単独で使用しても、2種類以上混合して使用しても構わない。水溶性溶媒の好ましい例として、グリセリン、ジプロピレングリコール、ポリオキシエチレングリセリルエーテル、ポリオキシプロピレングリセリルエーテルを挙げることができる。
水溶性有機溶媒の含有量としては、インクの全質量に対して5質量%以上60質量%以下、好ましくは、10質量%以上40質量%以下で使用される。
本発明に使用される水の添加量は特に制限は無いが、インクの全質量に対して好ましくは、10質量%以上99質量%以下であり、より好ましくは、30質量%以上80質量%以下である。更に好ましくは、50質量%以上70質量%以下である。
<界面活性剤>
本発明の顔料水性インクは、表面張力調整剤を含有することが好ましい。表面張力調整剤としてはノニオン、カチオン、アニオン、ベタイン界面活性剤が挙げられる。表面張力の調整剤の添加量は、インクジェットで良好に打滴するために、本発明のインクの表面張力を20〜60mN/mに調整する量が好ましく、より好ましくは20〜45mN/m、更に好ましくは25〜40mN/mに調整できる量である。
本発明における界面活性剤としては、分子内に親水部と疎水部を合わせ持つ構造を有する化合物等が有効に使用することができ、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、両性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤のいずれも使用することができる。更には、上記高分子物質(高分子分散剤)を界面活性剤としても使用することもできる。その具体的には、アセチレングリコール系界面活性剤、アセチレンアルコール系界面活性剤及びシリコン系界面活性剤から選ばれた1種以上であることが好ましい。これらの界面活性剤を用いることで普通紙上のにじみが更に低減され、専用紙上での線幅を適当な程度に調整することができる。
顔料水性インクは、インクの全質量に対して、前述のアセチレングリコール系界面活性剤、アセチレンアルコール系界面活性剤及びシリコン系界面活性剤から選ばれた1種以上を0.1質量%以上5質量%以下含むことが好ましい。インクジェットインクのような低粘度、小ドット径及び動的挙動があるものは、動的表面張力を40mN/m以下にする添加量が好ましい。動的表面張力が40mN/mを超えるとにじみが多くなる。5%を超えると印字品質の効果が頭打ちであり、添加しても粘度が上昇して使いづらくなり、ヘッドの先端にインクが付着しやすくなり、印字が乱れやすくなる。0.1質量%未満では印字品質向上の効果が低くなる。より好ましい添加量は0.15〜2%である。
アニオン系界面活性剤の具体例としては、例えば、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ラウリル硫酸ナトリウム、アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウム、アルキルナフタレンスルホン酸ナトリウム、ジアルキルスルポコハク酸ナトリウム、ステアリン酸ナトリウム、オレイン酸カリウム、ナトリウムジオクチルスルホサクシネート、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンアルキルエーテ硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸ナトリウム、ジアルキルスルポコハク酸ナトリウム、ステアリン酸ナトリウム、オレイン酸ナトリウム、t−オクチルフェノキシエトキシポリエトキシエチル硫酸ナトリウム塩等が挙げられ、これらの1種、又は2種以上を選択することができる。
ノニオン性界面活性剤の具体例としては、例えば、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、オキシエチレン・オキシプロピレンブロックコポリマー、t−オクチルフェノキシエチルポリエトキシエタノール、ノニルフェノキシエチルポリエトキシエタノール等が挙げられ、これらの1種、又は2種以上を選択することができる。
カチオン性界面活性剤としては、テトラアルキルアンモニウム塩、アルキルアミン塩、ベンザルコニウム塩、アルキルピリジウム塩、イミダゾリウム塩等が挙げられ、具体的には、例えば、ジヒドロキシエチルステアリルアミン、2−ヘプタデセニル−ヒドロキシエチルイミダゾリン、ラウリルジメチルベンジルアンモニウムクロライド、セチルピリジニウムクロライド、ステアラミドメチルピリジウムクロライド等が挙げられる。
<その他成分>
本発明の顔料水性インクは、その他の添加剤を含有してもよい。その他の添加剤としては、例えば、紫外線吸収剤、褪色防止剤、防黴剤、pH調整剤、防錆剤、酸化防止剤、乳化安定剤、防腐剤、消泡剤、粘度調整剤、分散安定剤、キレート剤等の公知の添加剤が挙げられる。
紫外線吸収剤としては、例えば、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、サリチレート系紫外線吸収剤、シアノアクリレート系紫外線吸収剤、ニッケル錯塩系紫外線吸収剤、などが挙げられる。
褪色防止剤としては、各種の有機系及び金属錯体系の褪色防止剤を使用することができる。有機の褪色防止剤としてはハイドロキノン類、アルコキシフェノール類、ジアルコキシフェノール類、フェノール類、アニリン類、アミン類、インダン類、クロマン類、アルコキシアニリン類、ヘテロ環類などがあり、金属錯体としてはニッケル錯体、亜鉛錯体などがある。
防黴剤としてはデヒドロ酢酸ナトリウム、安息香酸ナトリウム、ナトリウムピリジンチオン−1−オキシド、p−ヒドロキシ安息香酸エチルエステル、1,2−ベンズイソチアゾリン−3−オン、ソルビン酸ナトリウム、ペンタクロロフェノールナトリウムなどが挙げられる。
pH調整剤としては、調合される記録用インクに悪影響を及ぼさずにpHを所望の値に調整できるものであれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、アルコールアミン類(例えば、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、2−アミノ−2−エチル−1,3プロパンジオールなど)、アルカリ金属水酸化物(例えば、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなど)、アンモニウム水酸化物(例えば、水酸化アンモニウム、第4級アンモニウム水酸化物)、ホスホニウム水酸化物、アルカリ金属炭酸塩などが挙げられる。
防錆剤としては、例えば、酸性亜硫酸塩、チオ硫酸ナトリウム、チオジグリコール酸アンモン、ジイソプロピルアンモニウムニトライト、四硝酸ペンタエリスリトール、ジシクロヘキシルアンモニウムニトライトなどが挙げられる。これらはインク中に0.02質量%〜1.00質量%使用するのが好ましい。その添加量の適正値は0.005質量%〜0.5質量%である。0.005質量%以上で防錆効果が得られ、0.5質量%未満では色剤の分散安定性が良好である。より好ましい添加量は0.008質量%〜0.1質量%である。
酸化防止剤としては、例えば、フェノール系酸化防止剤(ヒンダードフェノール系酸化防止剤を含む)、アミン系酸化防止剤、硫黄系酸化防止剤、りん系酸化防止剤などが挙げられる。
キレート剤としては、例えば、エチレンジアミン四酢酸ナトリウム、ニトリロ三酢酸ナトリウム、ヒドロキシエチルエチレンジアミン三酢酸ナトリウム、ジエチレントリアミン五酢酸ナトリウム、ウラミル二酢酸ナトリウムなどが挙げられる。その添加量の適正値は0.005%〜1%である。0.005%以上では十分なキレート効果が得られ、1%以下ではとキレート効果が保たれた状態で色剤の分散安定性が良好である。より好ましい添加量は0.01%〜0.3%である。
<樹脂微粒子>
本発明の顔料水性インクは樹脂微粒子あるいはポリマーラテックスを含有してもよい。樹脂微粒子あるいはポリマーラテックスとしては、アクリル系樹脂、酢酸ビニル系樹脂、スチレン−ブタジエン系樹脂、塩化ビニル系樹脂、アクリル−スチレン系樹脂、ブタジエン系樹脂、スチレン系樹脂、架橋アクリル樹脂、架橋スチレン系樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、フェノール樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン系樹脂、パラフィン系樹脂、フッ素系樹脂等を用いることができる。アクリル系樹脂、アクリル−スチレン系樹脂、スチレン系樹脂、架橋アクリル樹脂、架橋スチレン系樹脂を好ましい例として挙げることができる。
樹脂微粒子の好ましい例として、自己分散性ポリマー微粒子を挙げることができる。自己分散性ポリマー微粒子とは、他の界面活性剤の不存在下に、ポリマー自身が有する官能基(特に、酸性基又はその塩)によって、水性媒体中で分散状態となりうる高分子ポリマーであって、遊離の乳化剤を含有しない高分子ポリマーの微粒子を意味する。ここで分散状態とは、水性媒体中に高分子ポリマーが液体状態で分散された乳化状態(エマルジョン)、及び、水性媒体中に高分子ポリマーが固体状態で分散された分散状態(サスペンジョン)の両方の状態を含むものである。本発明では高分子ポリマーが固体状態で分散された分散状態となりうる高分子ポリマーであることが好ましい。
本発明で好ましく用いられる自己分散性ポリマー微粒子は、自己分散性の観点から、親水性の構成単位と芳香族基含有モノマーに由来する構成単位とを含む高分子ポリマーを含むことが好ましい。
前記親水性の構成単位は、親水性基含有モノマーに由来するものであれば特に制限はなく、1種の親水性基含有モノマーに由来するものであっても、2種以上の親水性基含有モノマーに由来するものであってもよい。前記親水性基としては、特に制限はなく、解離性基であってもノニオン性親水性基であってもよい。前記親水性基は、自己分散促進の観点、形成された乳化又は分散状態の安定性の観点から、解離性基であることが好ましく、アニオン性の解離基であることがより好ましい。前記解離性基としては、カルボキシル基、リン酸基、スルホン酸基などが挙げられ、中でも、インク組成物を構成した場合の定着性の観点から、カルボキシル基が好ましい。解離性基含有モノマーとしては、例えば、不飽和カルボン酸モノマー、不飽和スルホン酸モノマー、不飽和リン酸モノマー等が挙げられる。
不飽和カルボン酸モノマーとして具体的には、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、イタコン酸、マレイン酸、フマル酸、シトラコン酸、2−メタクリロイルオキシメチルコハク酸等が挙げられる。不飽和スルホン酸モノマーとして具体的には、スチレンスルホン酸、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、3−スルホプロピル(メタ)アクリレート、ビス−(3−スルホプロピル)−イタコン酸エステル等が挙げられる。不飽和リン酸モノマーとして具体的には、ビニルホスホン酸、ビニルホスフェート、ビス(メタクリロキシエチル)ホスフェート、ジフェニル−2−アクリロイロキシエチルホスフェート、ジフェニル−2−メタクリロイロキシエチルホスフェート、ジブチル−2−アクリロイロキシエチルホスフェート等が挙げられる。分散安定性、吐出安定性の観点から、不飽和カルボン酸モノマーが好ましく、アクリル酸及びメタクリル酸がより好ましい。
前記芳香族基含有モノマーは、芳香族基と重合性基とを含む化合物であれば特に制限はない。前記芳香族基は芳香族炭化水素に由来する基であっても、芳香族複素環に由来する基であってもよい。水性媒体中での粒子形状安定性の観点から、芳香族炭化水素に由来する芳香族基であることが好ましい。また前記重合性基は、縮重合性の重合性基であっても、付加重合性の重合性基であってもよい。本発明においては水性媒体中での粒子形状安定性の観点から、付加重合性の重合性基であることが好ましく、エチレン性不飽和結合を含む基であることがより好ましい。
芳香族基含有モノマーは、芳香族炭化水素に由来する芳香族基とエチレン性不飽和結合とを有するモノマーであることが好ましく、芳香族基含有(メタ)アクリレートモノマーであることがより好ましい。前記芳香族基含有モノマーとしては、例えば、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、スチレン系モノマー等が挙げられる。中でも、ポリマー鎖の親水性と疎水性のバランスとインク定着性の観点から、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、及びフェニル(メタ)アクリレートから選ばれる少なくとも1種であることが好ましく、フェノキシエチル(メタ)アクリレートであることがより好ましく、フェノキシエチルアクリレートであることが特に好ましい。
なお、「(メタ)アクリレート」は、アクリレート又はメタクリレートを意味する。自己分散性ポリマー微粒子は、芳香族基含有(メタ)アクリレートモノマーに由来する構成単位を含み、その含有量が10質量%〜95質量%であることが好ましい。芳香族基含有(メタ)アクリレートモノマーの含有量が10質量%〜95質量%であることで、自己乳化又は分散状態の安定性が向上し、更にインク粘度の上昇を抑制することができる。自己分散状態の安定性、芳香環同士の疎水性相互作用による水性媒体中での粒子形状の安定化、粒子の適度な疎水化による水溶性成分量の低下の観点から、15質量%〜90質量%であることがより好ましく、15質量%〜80質量%であることがより好ましく、25質量%〜70質量%であることが特に好ましい。
自己分散性ポリマー微粒子は、例えば、芳香族基含有モノマーからなる構成単位と、解離性基含有モノマーからなる構成単位とから構成することができるが、必要に応じて、その他の構成単位を更に含んで構成することができる。
前記その他の構成単位を形成するモノマーとしては、前記芳香族基含有モノマーと解離性基含有モノマーと共重合可能なモノマーであれば特に制限はない。中でも、ポリマー骨格の柔軟性やガラス転移温度(Tg)制御の容易さの観点から、アルキル基含有モノマーであることが好ましい。
前記アルキル基含有モノマーとしては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、i−プロピル(メタ)アクリレート、n−プロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、エチルヘキシル(メタ)アクリレート等のアルキル(メタ)アクリレート;ヒドロキシメチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシペンチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシヘキシル(メタ)アクリレート等の水酸基を有するエチレン性不飽和モノマー;ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート等のジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリレート;N−ヒドロキシメチル(メタ)アクリルアミド、Nーヒドロキシエチル(メタ)アクリルアミド、N−ヒドロキシブチル(メタ)アクリルアミド等のN−ヒドロキシアルキル(メタ)アクリルアミド;N−メトキシメチル(メタ)アクリルアミド、N−エトキシメチル(メタ)アクリルアミド、N−(n−,イソ)ブトキシメチル(メタ)アクリルアミド、N−メトキシエチル(メタ)アクリルアミド、N−エトキシエチル(メタ)アクリルアミド、N−(n−、イソ)ブトキシエチル(メタ)アクリルアミド等のN−アルコキシアルキル(メタ)アクリルアミド等の(メタ)アクリルアミド等が挙げられる。
本発明における自己分散性ポリマー微粒子を構成する高分子ポリマーの分子量範囲は、重量平均分子量で、3000〜20万であることが好ましく、5000〜15万であることがより好ましく、10000〜10万であることが更に好ましい。重量平均分子量を3000以上とすることで水溶性成分量を効果的に抑制することができる。また、重量平均分子量を20万以下とすることで、自己分散安定性を高めることができる。
なお、重量平均分子量は、ゲル透過クロマトグラフ(GPC)によって測定することできる。
自己分散性ポリマー微粒子を構成する高分子ポリマーは、ポリマーの親疎水性制御の観点から、芳香族基含有(メタ)アクリレートモノマーを共重合比率として15〜90質量%とカルボキシル基含有モノマーとアルキル基含有モノマーとを含み、酸価が25〜100であって、重量平均分子量が3000〜20万であることが好ましく、芳香族基含有(メタ)アクリレートモノマーを共重合比率として15〜80質量%とカルボキシル基含有モノマーとアルキル基含有モノマーとを含み、酸価が25〜95であって、重量平均分子量が5000〜15万であることがより好ましい。
自己分散性ポリマー微粒子の平均粒径は、10nm〜1μmの範囲が好ましく、10〜200nmの範囲がより好ましく、20〜100nmの範囲が更に好ましく、20〜50nmの範囲が特に好ましい。
自己分散性ポリマー微粒子の添加量はインクの全質量に対して、0.5〜20質量%が好ましく、3〜20質量%がより好ましく、5〜15質量%が更に好ましい。
自己分散性ポリマー微粒子のガラス転移温度Tgは30℃以上であることが好ましく、40℃以上がより好ましく、50℃以上が更に好ましい。
また、ポリマー粒子の粒径分布に関しては、特に制限は無く、広い粒径分布を持つもの、又は単分散の粒径分布を持つもの、いずれでもよい。また、単分散の粒径分布を持つポリマー微粒子を、2種以上混合して使用してもよい。
<プリント性を向上させる液体組成物>
本発明には、プリント性を向上させる液体組成物を印字媒体に付与することが好ましい例として挙げることができる。
本発明に用いることができるプリント性を向上させる液体組成物の好ましい一例として、インクのpHを変化させることにより凝集物を生じさせる液体組成物を挙げることができる。このとき、液体組成物のpHは1〜6であることが好ましく、pHは2〜5であることがより好ましく、pHは3〜5であることが更に好ましい。液体組成物の成分として、ポリアクリル酸、酢酸、グリコール酸、マロン酸、リンゴ酸、マレイン酸、アスコルビン酸、コハク酸、グルタル酸、フマル酸、クエン酸、酒石酸、乳酸、スルホン酸、オルトリン酸、ピロリドンカルボン酸、ピロンカルボン酸、ピロールカルボン酸、フランカルボン酸、ビリジンカルボン酸、クマリン酸、チオフェンカルボン酸、ニコチン酸、若しくはこれらの化合物の誘導体、又はこれらの塩等の中から選ばれることが好ましい。これらの化合物は、1種類で使用されてもよく、2種類以上併用されてもよい。
また、本発明に用いることができるプリント性を向上させる液体組成物の好ましい一例として、多価金属塩あるいはポリアリルアミンを添加した処理液を挙げることができる。液体組成物の成分として、多価金属塩として周期表の2A属のアルカリ土類金属(例えば、マグネシウムとカルシウム);周期表の3B属の遷移金属(例えば、ランタン);周期表の3A属からのカチオン(例えば、アルミニウム);ランタニド類(例えば、ネオジム);及びポリアリルアミン、ポリアリルアミン誘導体、を挙げることができる。好ましい例として、カルシウムとマグネシウムを挙げることができる。カルシウム又はマグネシウムの対塩として好ましく採用されるアニオンは、カルボン酸塩(蟻酸、酢酸、安息香酸塩など)、硝酸塩、塩化物、及びチオシアン酸塩を挙げることができる。処理液への添加量として、当該塩は約1〜約10重量%、好ましくは約1.5〜約7重量%、より好ましくは約2〜約6重量%の範囲の量で処理液中に存在させることができる。
〔インク物性〕
本発明のインクの表面張力は、20mN/m以上60mN/m以下であることが好ましい。より好ましくは、20mN以上45mN/m以下であり、更に好ましくは、25mN/m以上40mN/m以下である。
本発明のインクの20℃での粘度は、1.2mPa・s以上15.0mPa・s以下であることが好ましく、より好ましくは2mPa・s以上13mPa・s未満、更に好ましくは2.5mPa・s以上10mPa・s未満である。
〔インクジェット記録方法〕
本発明に好ましいインクジェット記録方法として、インクジェット記録用インクにエネルギーを供与して、公知の受像材料、即ち普通紙、樹脂コート紙、例えば特開平8−169172号公報、同8−27693号公報、同2−276670号公報、同7−276789号公報、同9−323475号公報、特開昭62−238783号公報、特開平10−153989号公報、同10−217473号公報、同10−235995号公報、同10−337947号公報、同10−217597号公報、同10−337947号公報等に記載されているインクジェット専用紙、フィルム、電子写真共用紙、布帛、ガラス、金属、陶磁器等に画像を形成する。なお、本発明に好ましいインクジェット記録方法として特開2003−306623号公報の段落番号0093〜0105の記載が適用できる。
画像を形成する際に、光沢性や耐水性を与えたり耐候性を改善する目的からポリマーラテックス化合物を併用してもよい。ラテックス化合物を受像材料に付与する時期については、着色剤を付与する前であっても、後であっても、また同時であってもよく、したがって添加する場所も受像紙中であっても、インク中であってもよく、あるいはポリマーラテックス単独の液状物として使用しても良い。具体的には、特開2002−166638(特願2000−363090)、特開2002−121440(特願2000−315231)、特開2002−154201(特願2000−354380)、特開2002−144696(特願2000−343944)、特開2002−080759(特願2000−268952)に記載された方法を好ましく用いることができる。
本発明に好ましい画像形成方式の一例として、
第一の工程:プリント性を向上させる液体組成物を記録媒体に付与する工程。
第二の工程:前記液体組成物が付与された記録媒体にインク組成物を付与する工程。
その他の工程:その他の工程としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、乾燥除去工程、加熱定着工程等が挙げられる。前記乾燥除去工程としては、記録媒体に付与されたインク組成物におけるインク溶媒を乾燥除去する以外は特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。前記加熱定着工程としては、前記インクジェット記録方法で用いられるインク中に含まれるラテックス粒子を溶融定着する以外は特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
本発明に好ましい画像形成方式のもう一つの例として、
第一の工程:プリント性を向上させる液体組成物を中間転写体に付与する工程。
第二の工程:前記液体組成物が付与された中間転写体にインク組成物を付与する工程。
第三の工程:前記中間転写体に形成されたインク画像を記録媒体に転写する工程。
その他の工程:その他の工程としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、乾燥除去工程、加熱定着工程等が挙げられる。
顔料及び顔料誘導体の前駆体の合成については、WO2009005137に開示の方法を使って合成することができ、顔料として化合物506、化合物542を、顔料誘導体の前駆体として、化合物503を合成した。以下にスキームを示す。
Figure 2011057731
化合物73の合成
4−アミノフタルイミド 8.79gを水20mLに加え、そこへ、90%のパラホルムアルデヒドを1.79g室温で加えた。続いて、80℃で1時間攪拌し、4℃まで冷却後、塩化シアヌル 10gを添加した。続いて、炭酸水素ナトリウム 4.56gの水溶液50mLを滴下し、4℃で1時間攪拌した。そこへ、スルファニル酸 18.78gを添加し、50℃に加温後、炭酸水素ナトリウム 9.11gの水溶液50mLを15分で滴下した。内温 90℃で5時間攪拌後、冷却し、析出した固体を濾別した。次に乾燥した析出物と化合物503 14.96gをテトラヒドロフラン 50mLに加え、更に硫酸 1滴を加えて還流温度で3時間攪拌した。冷却後水にあけ、結晶を単離し乾燥した。収量 30.6gの黄色結晶を得た。MS:m/z 1878(M−)の結果から、顔料に導入されたフタルイミドメチル誘導体の個数は2個であった。
化合物273の合成
塩化シアヌル 10gを0℃に冷却したアセトン100mLに混合した。そこへ4−アミノブロモベンジル 10.09gを添加し、炭酸水素ナトリウム 4.56gの水溶液50mLを滴下した。続いて、タウリン 13.57g及び炭酸水素ナトリウム 9.11gを添加後、還流温度で5時間反応させた。冷却後、析出した固体を濾別した。次に乾燥した析出物と化合物503 14.96g、更に、をテトラヒドロフラン 50mLに加え、更に炭酸カリウム 7.49gを加えて還流温度で2時間攪拌した。冷却後水にあけ、結晶を単離し乾燥した。収量 26.91gの黄色結晶を得た。MS:m/z 1548(M−)の結果から、顔料に導入されたベンジル誘導体の個数は2個であった。
(実施例1)
顔料分散体の調整
化合物506 200mg、化合物73 50mg、グリセリン 500mg、オレイン酸ナトリウム 50mg及び超純水 4200mgとジルコニアビーズ(φ0.1mm)の10gをジルコニアポットに入れ、遊星ボールミル(フリッチュ社 P−7型)により、回転数300rpm、2時間で分散した。
化合物506及び顔料誘導体である化合物73を表25〜28に示した化合物に変更した以外は実施例1と同様に顔料分散体を作成した。なお、比較として、特許第4168118号に記載の方法で顔料誘導体である比較化合物1〜比較化合物3を合成した。
Figure 2011057731
(加熱時分散体安定性の評価)
表25〜28に示す顔料インク組成物をPET製容器に密栓し58℃環境下に4週間経時した。加熱前後の体積平均粒子径(nm)(表25〜28中、MVで示す)をナノトラック粒度分布測定装置UPA−EX150(日機装(株)製)を用いて測定した。評価の基準を以下に示す。
A・・・加熱前の体積平均粒子径MVが200未満で、かつ加熱前後のMVの差(ΔMV)が25未満のサンプル
B・・・加熱前の体積平均粒子径:MVが200未満で、かつ加熱前後のMVの差(ΔMV)が25以上50未満のサンプル
C・・・A及びBの範囲外に該当するサンプル
上記の基準に従い評価後、A,B,Cの順でインク組成物としての品質が悪化したと判断した。
(インク組成物の作成)
実施例1の顔料分散体 25質量部
グリセリン 5質量部
ジエチレングリコール 5質量部
トリエチレングリコールモノブチルエーテル 5質量部
ポリオキシプロピレングリセリルエーテル 10質量部
ジプロピレングリコール 5質量部
トリエタノールアミン 1質量部
オルフィンE1010(日信化学工業(株)製) 1質量部
イオン交換水 43質量部
上記を混合しインク組成物を得た。
東亜DKK(株)製pHメータ−WM−50EGにて、インク組成物のpHを測定したところ、pHは8.5であった。
実施例1で作成した顔料分散体を表25〜28に示す実施例2〜実施例100、参考例1〜4、及び、比較例1〜21の顔料分散体に変更した以外は実施例1と同様にインク組成物を作成した。なお、表中、PY74は、C.I.ピグメントイエロー74を表す。
(印字画像評価実験)
上記で作成したインク組成物を富士フイルムDimatix社製DMP−2831プリンターを用い、受像シートには、紙aとしてEPSON 写真用紙<光沢>と、紙bとして写真用紙クリスピア<高光沢>、紙cとしてCanon社製PR101を、紙dとしてHewlett−Packard社製アドバンストフォトペーパーを、紙eとして富士フイルム株式会社製画彩を使用し、階段状に濃度が変化した単色画像パターンをPM−G800にて印字させ、画像堅牢性の評価を行った。
画像堅牢性について色濃度を測定することで以下の評価を行った。
光堅牢性は印字直後の画像濃度CiをX−rite 310にて測定した後、アトラス社製ウェザーメーターを用い画像にキセノン光(10万ルックス)を7日照射した後、再び画像濃度Cfを測定し色素の残存率(Cf/Ci)×100を求め評価を行った。色素の残像率について反射濃度が0.7,1.2,2.0の3点にて評価し、いずれの濃度でも色素の残存率が85%以上の場合をA、1点が85%未満の場合をB、2点が85%の場合をC、3点全ての濃度で85%未満の場合をDとした。
表25〜28の結果から、本発明の顔料分散物は強制加熱試験においても体積平均粒径に影響を与えることがないため、長期保存安定性に優れる。また、顔料分散物を用いて作成したインク組成物を使った印字画像は顔料及び顔料誘導体自身の光堅牢性が向上したために、従来の顔料及び従来の顔料誘導体では実現できなかった高堅牢性が達成できた。
Figure 2011057731
Figure 2011057731
Figure 2011057731
Figure 2011057731

Claims (7)

  1. 一般式(1−1)若しくは(1−2)で表される化合物、その塩、水和物又は溶媒和物である顔料誘導体。
    Figure 2011057731
    Figure 2011057731
    一般式(1−1)及び(1−2)中、AおよびBは、それぞれ独立に、5〜6員の複素環を表す。nは1〜3の整数を表す。nが2もしくは3の場合は、[A−N=N−B]で表される構造は、AもしくはBを介した2量体もしくは3量体を表す。
    一般式(1−1)中、Aは、エチレン基、フェニレン基及びナフチレン基からなる群から選択される基を表し、置換基を有していてもよい。Bは水酸基又は−NH−A−Aで表される基を表し、Aはイオン性親水性基を表す。mは1〜4の整数を表す。
    一般式(1−2)中、QおよびQは、それぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜2の低級アルキル基もしくは低級アルコキシ基又は水酸基を表し、Wは、B群で示される化合物群から選ばれる2価の連結基であり、AおよびBは、それぞれ独立に、−NH−L−SOHで示される基又は水酸基を表す。ここでLは、エチレン基、フェニレン基およびナフチレン基からなる群から選択される基であって、これらは置換基を有していてもよい。
    Figure 2011057731
    R’は、水素原子、アルキル基、アリール基、又は複素環基を表す。
  2. 一般式(1−1)若しくは(1−2)で表される化合物又はその塩が、一般式(2−1)若しくは(2−2)で表される化合物、その塩、水和物又は溶媒和物であることを特徴とする請求項1の顔料誘導体。
    Figure 2011057731
    Figure 2011057731
    一般式(2−1)及び(2−2)中、Gはアルキル基、アリール基、または5〜6員の複素環基を表し、R及びQは、それぞれ独立に、水素原子または一価の置換基を表す。HetはA群から選ばれる5員複素環基を表す。*は、一般式(2−1)及び(2−2)中のアゾ基との結合部位を表す。(A群の化合物中、X、Y、Z、W、W、W、W、Wは、それぞれ独立に、水素原子又は一価の置換基を表す。)
    Figure 2011057731
    nは1〜3の整数を表す。nが2もしくは3の場合は、下記一般式(A)で表される構造が、置換基R、G、Q、Hetもしくは、置換基Qを介した2量体もしくは3量体を表す。
    Figure 2011057731
    一般式(2−1)中、A、A2、B及びmの定義は、一般式(1−1)におけるA、A2、B及びmの定義と同様である。
    一般式(2−2)中、Q、Q、W、A及びBの定義は、一般式(1−2)におけるQ、Q、W、A及びBの定義と同様である。
  3. 一般式(2−1)若しくは(2−2)で表される化合物又はその塩が、一般式(3−1)若しくは(3−2)で表される化合物、その塩、水和物又は溶媒和物であることを特徴とする請求項2の顔料誘導体。
    Figure 2011057731
    Figure 2011057731
    一般式(3−1)及び(3−2)中、G、R、Q、X、Y及びZの定義は、一般式(2−1)及び(2−2)におけるG、R、Q、X、Y及びZの定義と同様である。nは1〜3の整数を表す。nが2もしくは3の場合は、下記一般式(B)で表される構造が、置換基R、G、Q、X、Y、Zもしくは置換基Qを介した2量体もしくは3量体を表す。
    Figure 2011057731
    一般式(3−1)中、A、A2、B及びmの定義は、一般式(1−1)におけるA、A2、B及びmの定義と同様である。
    一般式(3−2)中、Q、Q、W、A及びBの定義は、一般式(1−2)におけるQ、Q、W、A及びBの定義と同様である。
  4. 一般式(4)で表される顔料と、請求項1又は2に記載の顔料誘導体とを含有する顔料分散体。
    Figure 2011057731
    一般式(4)中、Gはアルキル基、アリール基、または5〜6員の複素環基を表し、R及びQは、それぞれ独立に、水素原子または一価の置換基を表す。HetはA群から選ばれる5員複素環基を表す。*は、一般式(4)で示されるアゾ基との結合部位を表す。 (A群の化合物中、X、Y、Z、W、W、W、W、Wは、それぞれ独立に、水素原子又は一価の置換基を表す。)
    Figure 2011057731
    nは1〜3の整数を表す。nが2もしくは3の場合は、一般式(4)で表される顔料は、置換基R、G、Q、Hetもしくは、置換基Qを介した2量体もしくは3量体を表す。
  5. 一般式(5)で表される顔料と、請求項3に記載の顔料誘導体とを含有する顔料分散体。
    Figure 2011057731
    一般式(5)中、Gはアルキル基、アリール基、または5〜6員の複素環基を表し、R、Q、X、Y及びZは、それぞれ独立に、水素原子または一価の置換基を表す。nは1〜3の整数を表す。nが2もしくは3の場合は、一般式(5)で表される顔料は、置換基R、G、Q、X、Y、Zもしくは置換基Qを介した2量体もしくは3量体を表す。
  6. 前記顔料が一般式(6)で表されることを特徴とする請求項4又は5に記載の顔料分散体。
    Figure 2011057731
    一般式(6)中、R、R、X、X、Y、Y、Z、及びZはそれぞれ独立に、水素原子または置換基を示し、Gは一価の置換基を有していても良い5〜6員含窒素複素環を示す。
  7. 請求項4〜6のいずれかに記載の顔料分散体を用いることを特徴とする顔料水性インク。
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Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2016047588A1 (ja) * 2014-09-26 2016-03-31 富士フイルム株式会社 水性顔料分散液及びその製造方法、着色組成物、インク組成物、インクジェット記録用インク組成物、並びに、インクジェット記録方法

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WO2016047588A1 (ja) * 2014-09-26 2016-03-31 富士フイルム株式会社 水性顔料分散液及びその製造方法、着色組成物、インク組成物、インクジェット記録用インク組成物、並びに、インクジェット記録方法

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