JP6090320B2 - インクジェット捺染インクセット - Google Patents

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Description

本発明は、インクジェット捺染インクセットに関する。
現在、捺染方法の主流はスクリーン捺染及びローラ捺染である。一方、多品種を少量だけ生産する方法として、インクジェット方式による捺染プリントシステム(インクジェット捺染方法)が普及しつつある。インクジェット捺染方法は、インクの微小液滴をインクジェット記録ヘッドより吐出させ、印刷対象となる記録媒体に着弾させて行う方法である。インクジェット捺染方法は、その機構が比較的簡便、安価で、かつ高精細で高品位な画像を形成できる。
インクジェット捺染方法は、一般に布帛に樹脂成分やアルカリ成分を付与する前処理工程、インクジェット法で捺染インクを吐出して布帛に着弾させるインク付与工程、着弾させたインク中の染料を加熱処理等で定着・発色させる発色工程、および布帛中の余剰な捺染インクや前処理剤成分を除去する洗浄工程などを含む。インクジェット捺染方法は、従来のローラ捺染等とは異なり、版を作製する必要がない。また階調性に富んだ画像を形成できる。さらに、インクジェット捺染方法で使用されるインクの量は、画像形成に必要な量だけである。そのため、インクジェット捺染方法は従来方法と比較すると、廃液が少なく優れた画像形成方法である。
インクジェット捺染インクで使用される色材の種類には酸性染料、分散染料、反応染料または顔料が主に挙げられる。セルロースを主成分とする布帛への画像形成には、反応染料が用いられている。反応染料は、反応性が高いビニルスルホン型と、画像堅牢性が高いモノクロルトリアジン型の2種に大別される。
ビニルスルホン型反応染料は従来のスクリーン捺染などでよく用いられている。しかしながら、反応性の高いビニルスルホン型反応染料をインクジェット捺染インクに含有させて長期間保管した場合、インクの保存安定性が低下しやすい。これは、インク中のビニルスルホン型反応染料が水やグリコールなどと反応してしまうためである。
この問題を解決するために、インクジェット捺染インクに緩衝剤を添加してインクの保存安定性を高めることが検討されている(特許文献1、2参照)。
特表2003−521572号公報 特開平6−271801号公報
しかしながら、特許文献1および2には、発色工程後に経時で生じる画像の発色濃度の低下について検討されていない。発色工程後の画像の発色濃度の低下は、画像形成後の布帛にアルカリ成分が残留することで生じる。ビニルスルホン型反応染料は、モノクロロトリアジン型反応染料に比べて、布帛と反応染料との結合が安定ではない。そのため、発色工程後から洗浄工程を行うまでの間に、布帛に残留したアルカリ成分によって、布帛とビニルスルホン型反応染料との結合が分解されやすい。つまり、経時で画像の発色濃度が低下しやすい。
この問題は、特にビニルスルホン型反応染料を含む濃色インクと淡色インクとからなるインクジェット捺染インクセットの淡色インクを用いて形成した画像で生じやすい。つまり、淡色画像で生じやすい。淡色インクは、濃色インクよりもビニルスルホン型反応染料の含有量が少ないため、ビニルスルホン型反応染料が加水分解されて発生する酸成分も少ない。そのため、淡色画像は布帛に付与されたアルカリ成分を消費(中和)しにくい。
さらに、濃色インクに多官能のビニルスルホン型反応染料を用いる場合、布帛とビニルスルホン型反応染料とを反応させるために、多くのアルカリ成分を布帛に前処理することが必要となる。そのような布帛に対して、淡色インクのみを用いて画像を形成した場合、前処理されたアルカリ成分の多くが消費されずに布帛に残留してしまう。そして、淡色インクのみを用いて形成された画像が布帛に残留した多くのアルカリ成分に晒されることで、経時に発色濃度が低下してしまう。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、インクの保存安定性に優れ、かつ、発色工程から洗浄工程までの間に、長い時間が経過しても画像の発色濃度の低下を抑制できるインクジェット捺染インクセットを提供することを目的とする。
本発明者は、鋭意検討した結果、濃色インクと淡色インクとを含むインクセットにおいて、淡色インクのpHを濃色インクのpHよりも低く設定することで、淡色インクを用いて画像を形成した後に、布帛に残留するアルカリ成分が消費されることを見出した。これにより、布帛にアルカリ成分が過剰に残留しなくなり、発色工程から洗浄工程までの間に、時間が経過した場合であっても、淡色インクにより形成された画像の発色濃度の低下を抑制できることを見出した。
本発明の上記目的は、以下の構成により達成される。
[1] ビニルスルホン基を有する反応染料と、酸性域にpKaを有する緩衝剤と、を含む濃色インクおよび淡色インクのインクジェット捺染インクセットにおいて、
前記濃色インクのpHが、前記濃色インクに含まれる緩衝剤のpKa−1.5以上pKa+1.5以下の範囲内であり、かつ、前記淡色インクのpHが、前記淡色インクに含まれる緩衝剤のpKa−1.5以上pKa+1.5以下の範囲内であり、
下記式(1)および(2)を満たすインクジェット捺染インクセット。
式(1):濃色インクのpH−淡色インクのpH≧0.5
式(2):淡色インクの反応染料の含有量/濃色インクの反応染料の含有量≧0.1
[2] 前記濃色インクのpHが、前記濃色インクに含まれる緩衝剤のpKa超pKa+1.5以下であり、かつ、
前記淡色インクのpHが、前記淡色インクに含まれる緩衝剤のpKa−1.5以上pKa未満であることを特徴とする、[1]に記載のインクジェット捺染インクセット。
[3] 前記淡色インクに含まれる緩衝剤のモル量が、前記濃色インクに含まれる緩衝剤のモル量に対して、1〜25倍であることを特徴とする、[1]または[2]に記載のインクジェット捺染インクセット。
[4] 前記反応染料が二官能であることを特徴とする、[1]〜[3]のいずれか一項に記載のインクジェット捺染インクセット。
[5] 前記反応染料が1分子中にビニルスルホン基を2つ有することを特徴とする、[4]に記載のインクジェット捺染インクセット。
[6] 前記反応染料が、C.I.リアクティブブラック5であることを特徴とする、[5]に記載のインクジェット捺染インクセット。
本発明のインクジェット捺染インクセットによれば、インクの保存安定性に優れ、かつ、発色工程から時間が経過しても捺染画像の発色濃度の低下を抑制できる。
インクジェット捺染装置の構成の一例を示す部分概略図である。
1.インクジェット捺染インクセットについて
本発明のインクジェット捺染インクセットは、濃色インクと淡色インクとのセットである。濃色インクおよび淡色インクの各インクには、それぞれビニルスルホン基を有する反応染料と、酸性域にpKaを有する緩衝剤とを含む。濃色インクおよび淡色インクの各インクには、必要に応じて、水溶性有機溶剤やその他の添加剤等をさらに含んでもよい。
<インクジェット捺染インクセットに含まれる各成分>
(反応染料)
本発明で用いる反応染料は、ビニルスルホン基を有する反応染料(以下、「ビニルスルホン型反応染料」ともいう)である。モノクロロトリアジン基を有する反応染料(以下、「モノクロロトリアジン型反応染料」ともいう)よりも、ビニルスルホン型反応染料は高い染着性を有する。
ビニルスルホン型反応染料は、下記一般式(1)と下記一般式(1’)の構造との平衡関係を有する。
D−SO−CHCH−O−SONa(1) ⇔ D−SOCH=CH+HO−SONa(1’)
[式中、Dは色素母体を表す]
ビニルスルホン型反応染料は、ビニルスルホン型反応染料のビニル基が布帛のヒドロキシル基に求核付加反応し、布帛と反応する。
本発明で用いる反応染料は、1または2以上のビニルスルホン基を有する。反応染料は、布帛に対する染着性を高める観点から、布帛と反応する官能基を2つ有していてもよいが、2以上の官能基のうち1つ以上が、ビニルスルホン基であればよい。2つの反応性官能基を有する二官能反応染料には、1分子中に2つのビニルスルホン基を有する反応染料(以下、「ビニルスルホン型同種二官能反応染料」ともいう)と、1分子中に1つのビニルスルホン基と1つのモノクロロトリアジン基とを有する反応染料(以下、「異種二官能反応染料」ともいう)とが含まれる。本発明で用いるビニルスルホン基を有する反応染料は、布帛に対する染着性をより高める観点から、ビニルスルホン型同種二官能反応染料であることが好ましい。
反応染料に異種二官能反応染料を用いる場合、反応染料と布帛との反応は、上記の求核付加反応だけではなく、求核置換反応も生じうる。これは、異種二官能反応染料の有するモノクロロ置換1,3,5−トリアジン−2−イル骨格のクロロ基が、布帛のヒドロキシル基に求核置換反応することによって生じる。
ビニルスルホン基を有する反応染料の例には、C.I.リアクティブイエロー15、C.I.リアクティブイエロー37、C.I.リアクティブイエロー42;C.I.リアクティブオレンジ16、C.I.リアクティブオレンジ74、C.I.リアクティブオレンジ107;C.I.リアクティブレッド23、C.I.リアクティブレッド35、C.I.リアクティブレッド106、C.I.リアクティブレッド180;C.I.リアクティブバイオレット5、C.I.リアクティブブルー19、C.I.リアクティブブルー21、C.I.リアクティブブルー38、C.I.リアクティブブルー229;C.I.リアクティブブラウン18;C.I.リアクティブブラック5、C.I.リアクティブブラック14、C.I.リアクティブブラック31などが含まれる。これらの中でも、ビニルスルホン型同種二官能反応染料であるC.I.リアクティブブラック5が好ましい。
(緩衝剤)
緩衝剤は、緩衝剤を含む溶液に外部から酸や塩基が加えられても、その溶液のpHを大きく変化させない性質(緩衝作用)を有する化合物である。緩衝剤のpHは、化合物の種類によって選択できる。
一般的に緩衝剤は、pKa±1.5の範囲内で強い緩衝作用を発現しやすい。なお、pKaとは下記の酸解離反応における酸解離定数(Ka)の対数値であり、pKa=−log10Kaで表わされる数値である。
HA ⇔ [H][A
Ka=[H][A]/[HA]
[式中、Hはプロトン、Aは共役塩基、HAは酸を表わす]
本発明で用いる緩衝剤は、酸性域にpKaを有する。具体的には、pH6.5以下にpKaを有する緩衝剤である。緩衝剤が複数のpKaを有する場合、いずれかのpKaが酸性域にあればよい。酸性域にpKaを有する緩衝剤の例には、クエン酸(3.1、4.8、6.4)、シュウ酸(3.8)、マロン酸(5.3)、琥珀酸(4.0、5.2)、グルタル酸(4.1、5.0)、マレイン酸(5.8)、乳酸(3.9)、リンゴ酸(3.5、5.1)、酒石酸(3.0、4.4)、ジグリコール酸(2.8、3.9)、ピリジン−2−カルボン酸(5.4)、EDTA(2.7、6.2)等が含まれる。なお、括弧内の値はpKaの値である。
インクに緩衝剤を含有させることで、インクに多少の酸や塩基が加えられたり、インクが蒸発や希釈されてインク組成の濃度が変化した場合でも、インクのpHの変動を抑制できる。なお、緩衝剤の種類、または緩衝剤の含有量などによって、インクのpHの値をある程度調整できる。
(水溶性有機溶剤)
濃色インクおよび淡色インクは、それぞれ水溶性有機溶剤を含んでもよい。水溶性有機溶剤は、反応染料および緩衝剤を溶解できるものであれば、特に制限されない。
本発明で用いてもよい水溶性有機溶剤の例には、
アルコール類(例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、イソブタノール、sec−ブタノール、t−ブタノール);
多価アルコール類(例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、ブチレングリコール、ヘキサンジオール、ペンタンジオール、グリセリン、ヘキサントリオール、チオジグリコール);
アミン類(例えば、エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、N−メチルジエタノールアミン、N−エチルジエタノールアミン、モルホリン、N−エチルモルホリン、エチレンジアミン、ジエチレンジアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、ポリエチレンイミン、ペンタメチルジエチレントリアミン、テトラメチルプロピレンジアミン);
アミド類(例えば、ホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド等);
複素環類(例えば、2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン、シクロヘキシルピロリドン、2−オキサゾリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン等);
スルホキシド類(例えば、ジメチルスルホキシド)等が含まれる。
(その他の添加剤)
濃色インクおよび淡色インクには、尿素化合物、界面活性剤、防腐剤、防黴剤、pH調整剤などのその他の添加剤をさらに含んでもよい。
[尿素化合物]
本発明で用いてもよい尿素化合物は、尿素、チオ尿素、アルキル置換尿素、およびアルキルチオ尿素類等でありうる。より具体的な例には、尿素、エチレン尿素、ジメチル尿素、モノメチルチオ尿素、チオ尿素、またはジメチルチオ尿素等が含まれるが、インクの保存安定性の観点から、エチレン尿素が好ましい。尿素化合物は反応染料の布帛への染着性を高める。
[界面活性剤]
本発明で用いてもよい界面活性剤の例には、ジアルキルスルホコハク酸塩類、アルキルナフタレンスルホン酸塩類、ポリオキシエチレンアルキルエーテル類、ポリオキシエチレンアルキルアリルエーテル類、アセチレングリコール類、ポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレンブロックコポリマー類、アルキルアミン塩類、第四級アンモニウム塩類、シリコン系界面活性剤、またはフッ素系界面活性剤等が含まれる。これらのなかでも、アセチレングリコール系の界面活性剤は、比較的起泡性が低く、インクの表面張力を調整できる。そのため、インクジェット記録ヘッドからのインクの射出性が高まる。
[防腐剤、防黴剤]
本発明で用いてもよい防腐剤、防黴剤の例には、芳香族ハロゲン化合物(例えば、Preventol CMK)、メチレンジチオシアナート、含ハロゲン窒素硫黄化合物、1,2−ベンズイソチアゾリン−3−オン(例えば、PROXEL GXL)等が含まれる。防腐剤、防黴剤はインクの保存安定性を高める。
[pH調整剤]
本発明で用いてもよいpH調整剤の例には、水酸化ナトリウムなどでありうる。pH調整剤を含むことで、濃色インクのpHを所望の値に調整できる。
<濃色インクおよび淡色インクについて>
(濃色インクの組成)
インクジェット捺染インクセットにおける濃色インクのビニルスルホン型反応染料の含有量は、濃色インク全量に対して5〜30質量%であることが好ましく、15〜25質量%であることがより好ましい。濃色インクのビニルスルホン型反応染料の含有量が過多であると、インク粘度が上昇してしまい、インクジェット記録ヘッドからのインクの射出性が低下しやすい。
濃色インクの酸性域にpKaを有する緩衝剤の含有量は、濃色インク全量に対して0.05〜2質量%であることが好ましい。緩衝剤の含有量が過少であると、濃色インクに含まれる緩衝剤の緩衝作用が弱く、濃色インクのpHを一定にしにくい。そのため、濃色インクの保存中に、ビニルスルホン型反応染料から生じた酸成分により、濃色インクのpHが低下してしまい、濃色インク中に固形分が析出したりするおそれがある。一方、緩衝剤の含有量が過多であると、緩衝剤が濃色インク中で析出し、インクジェット記録ヘッドのノズルを詰まらせることがある。
水溶性有機溶剤の含有量は濃色インク全量に対して、5〜50質量%であることが好ましい。水溶性有機溶剤の含有量を前記の範囲内とすることで、インクジェット記録ヘッドのノズル面に付着したインクが乾燥することで生じるノズル詰まりなどを抑制できる。
その他の添加剤として、尿素化合物の含有量は、濃色インク全量に対して0.1〜10質量%であることが好ましく;界面活性剤の含有量は、濃色インクの表面張力を30〜60mN/mとするように調整されることが好ましく、具体的には、濃色インク全量に対して、0.0001〜5質量%であることが好ましい。
(淡色インクの組成)
インクジェット捺染インクセットにおける淡色インクのビニルスルホン型反応染料の含有量は、比率:「0.1≦淡色インクの反応染料の含有量/濃色インクの反応染料の含有量≦0.5」を満たす。
上記比率が小さすぎる、すなわち濃色インクに比べ、淡色インクの反応染料の含有量が少なすぎると、淡色インクのpHを濃色インクのpHより小さくしても、布帛に付与されたアルカリを十分に消費(中和)できない。淡色インクはビニルスルホン型反応染料の含有量が少ないため、反応染料から生じる酸成分が少ないためである。そのため、布帛に残留するアルカリ量が多くなり、布帛とビニルスルホン型反応染料との結合が分解されやすくなる。そして、淡色インクを用いて形成した画像の発色濃度が経時に低下してしまう。
淡色インクの酸性域にpKaを有する緩衝剤の含有量は、淡色インク全量に対して0.1〜5質量%であることが好ましい。特に、淡色インクに含まれる酸性域にpKaを有する緩衝剤のモル量が、濃色インクに含まれる酸性域にpKaを有する緩衝剤のモル量に対して、1〜25倍であることが好ましく、1〜10倍であることがより好ましい。これにより、濃色インクと淡色インクとの各インクに含まれる反応染料の含有量がそれぞれ所望量であるとき、淡色インクを用いて画像を形成した場合であっても、布帛に付与されたアルカリ成分を消費できる。布帛に残留するアルカリ成分を減らすことで、布帛とビニルスルホン型反応染料との結合が分解されにくくなり、経時で生じる画像の発色濃度の低下を抑制できる。なお、淡色インクに含まれる酸性域にpKaを有する緩衝剤は、濃色インクに含まれるものと同じであってもよいし、別であってもよい。
淡色インクには、濃色インクと同様に、水溶性有機溶剤やその他の添加剤をさらに含んでもよい。
(濃色インクおよび淡色インクの物性)
本発明のインクジェット捺染インクセットの濃色インクのpHおよび淡色インクのpHは、式「濃色インクのpH−淡色インクのpH≧0.5」を満たし、「濃色インクのpH−淡色インクのpH≧1.0」を満たすことが好ましく、「濃色インクのpH−淡色インクのpH≧2.0」を満たすことがより好ましい。
上記式を満たす理由は以下の通りである。淡色インクは、濃色インクよりも、ビニルスルホン型反応染料の含有量が少ない。よって、淡色インクで画像を形成すると、前処理工程において布帛に付与されたアルカリ成分は消費されにくい。そのため、布帛とビニルスルホン型反応染料との結合が分解されやすくなる。そこで、淡色インクのpHを濃色インクのpHよりも低くすることで、淡色インクを用いて画像形成した場合であっても、前処理工程において布帛に付与されたアルカリ成分を消費しやすくなる。そのため、経時で生じる画像の発色濃度の低下を抑制できる。さらに、多官能の反応染料をインクに含む場合、前処理工程において布帛に多くのアルカリ成分が付与されたとしても、淡色インクを用いて形成した画像の発色濃度が経時で低下することを抑制できる。なお、上記式を満たすには、濃色インクおよび淡色インクの各インクに含有させる緩衝剤やpH調整剤の量を適宜調整すればよい。
また、濃色インクのpHが、濃色インクに含まれる緩衝剤のpKa−1.5以上pKa+1.5以下であり、かつ、淡色インクのpHが、淡色インクに含まれる緩衝剤のpKa−1.5以上pKa+1.5以下である。緩衝剤が強い緩衝作用を有する範囲内に、各インクのpHを調整することで、各インクのpHを変動しにくくできる。これにより、ビニルスルホン型反応染料から生じる酸成分によって、インクの保存安定性が低下することを抑制できる。すなわち、ビニルスルホン型反応染料を多く含む濃色インクの保存安定性を高めることに有効である。
特に、濃色インクのpHは、濃色インクに含まれる緩衝剤のpKaに対して、pKa超pKa+1.5以下であることが好ましい。濃色インクのpHを前記の範囲内にすると、濃色インクに含まれる緩衝剤は酸よりも共役塩基の割合が多くなる。すなわち、ビニルスルホン型反応染料から生じる酸成分を消費しやすくなる。
さらに、淡色インクのpHは、淡色インクに含まれる緩衝剤のpKaに対して、pKa−1.5以上pKa未満であることが好ましい。具体的には、淡色インクのpHは、6.4未満であることが好ましく、6.0未満であることがより好ましい。淡色インクのpHを前記の範囲内にすると、淡色インクに含まれる緩衝剤は共役塩基よりも酸の割合が多くなる。すなわち、淡色インクは布帛に残留したアルカリ成分を消費しやすくなる。
本発明のインクジェット捺染インクセットの濃色インクおよび淡色インクは、インクジェット記録ヘッドからの射出性の観点から、25℃におけるインク粘度が1〜40mPa・sであることが好ましく、5〜40mPa・sであることがより好ましく、5〜20mPa・sであることがさらに好ましい。
25℃におけるインクの表面張力は、濃色インクおよび淡色インクのともに30〜60mN/mであることが好ましい。表面張力が30mN/m未満である場合、布帛に対するインクの濡れ性が高すぎるため、画像が滲みやすい。一方、表面張力が60mN/m超である場合、布帛に対するインクの濡れ性が低下し、インクの浸透力が低下しやすい。
<濃色インクおよび淡色インクの調製>
本発明のインクジェット捺染インクセットの濃色インクおよび淡色インクの各インクは、ビニルスルホン型反応染料と、緩衝剤と、必要に応じて、他の成分とを混合するステップを経て製造される。
2.インクジェット捺染装置とそれを用いたインクジェット捺染方法
<インクジェット捺染方法について>
本発明のインクジェット捺染インクセットを用いるインクジェット捺染方法は、(1)布帛に前処理剤を付与する工程(前処理工程)と、(2)前処理剤が付与された布帛に捺染インクの液滴を吐出して画像を形成する工程(インク付与工程)と、(3)布帛に着弾した染料を繊維に定着させる工程(発色工程)と、を含み、(4)インク付与後の布帛を乾燥させる工程(予備乾燥工程)と、(5)布帛へ染着できなかった染料や前処理剤を除去する工程(洗浄工程)と、(6)洗浄された布帛を乾燥する工程(乾燥工程)と、をさらに含んでもよい。
(前処理工程)
前処理工程は布帛に前処理剤を付与する工程である。布帛に前処理剤を付与する方法の例には、パッド法、コーティング法、スプレー法、またはインクジェット法等が含まれる。これらの方法によって、前処理剤を布帛上に付与できる。前処理剤が付与された布帛の例には、特開昭62−53492号公報に記載のインク受容層を有する布帛類、または特公平3−46589号公報に記載の還元防止剤やアルカリ剤を含有させた布帛などが含まれる。
均一な画像を得る観点から布帛に前処理剤を塗布する前に、布帛繊維に付着した天然不純物(油脂、ロウ、ペクチン質、天然色素等)、布帛製造過程で用いた薬剤の残留物(のり剤等)、または布帛に付着したよごれなどを洗浄しておくことが好ましい。布帛を洗浄する洗浄剤には、水酸化ナトリウム、若しくは炭酸ナトリウムなどのアルカリ剤、陰イオン性若しくは非イオン性の界面活性剤、または酵素等が含まれる。
前処理剤は、少なくとも、樹脂成分、アルカリ剤、及びヒドロトロピー剤を含有することが好ましく、その他に還元防止剤、防腐剤、またはキレート剤等の添加剤をさらに含有してもよい。
樹脂成分の例には、グアー、ローカストビーン等の天然ガム類、澱粉類、アルギン酸ナトリウム、ふのり等の海草類、ペクチン酸等の植物皮類、メチル繊維素、エチル繊維素、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース等の繊維素誘導体、焙焼澱粉、アルファ澱粉、カルボキシメチル澱粉、カルボキシエチル澱粉、ヒドロキシエチル澱粉等の加工澱粉、シラツガム系、ローストビーンガム系等の加工天然ガム、アルギン誘導体又、ポリビニールアルコール、ポリアクリル酸エステル等の合成糊、エマルジョン等が含まれる。
アルカリ剤の例には、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等の水酸化アルカリ金属、モノ,ジ,トリエタノールアミン等のアミン類、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、重炭酸ナトリウム(炭酸水素ナトリウム)等の炭酸若しくは重炭酸アルカリ金属塩等、酢酸カルシウム、酢酸バリウム等の有機酸金属塩やアンモニア及びアンモニア化合物等、スチーミングまたは乾熱下でアルカリ剤となるトリクロロ酢酸ナトリウム等が含まれる。これらの中でも、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウムが好ましい。アルカリ剤の付与量は、布帛に対して0.1〜10質量%であることが好ましく、0.5〜5質量%であることがより好ましい。適度なアルカリ剤が布帛に存在することで、反応染料を含む捺染インクを確実に染着させることができる。そのため、布帛にアルカリ剤をあらかじめ含有させることが好ましい。
ヒドロトロピー剤の例には、尿素、エチレン尿素、ジメチル尿素、チオ尿素、モノメチルチオ尿素、ジメチルチオ尿素等のアルキル尿素等が含まれる。ヒドロトロピー剤の添加により、画像濃度が向上するためである。
前処理剤の付与量(絞り率)、または前処理剤に含まれる樹脂成分の量は、布帛の種類やその用途に応じて適宜設定される。
前処理剤には必要に応じて還元防止剤、防腐剤、またはキレート剤をさらに含んでもよい。還元防止剤は、m−ニトロベンゼンスルホン酸ナトリウム等であればよい。防腐剤は、捺染インクの防腐剤として例示した防腐剤であってもよく、また同一であってもよい。キレート剤は、エチレンジアミン四酢酸塩、ニトリロトリ酢酸塩、ヘキサメタリン酸塩、ピロリン酸塩、又はメタリン酸塩等であればよい。
布帛に付与された前処理剤は、温風、ホットプレート、またはヒートローラー等を用いて加熱乾燥させることもできる。
布帛を構成する繊維素材は反応染料で染色可能な繊維を含有するものであれば、特に制限はないが、綿などのセルロース繊維または絹などの蛋白繊維などであることが好ましい。布帛は、これらの繊維を、織物、編布、不織布等、いずれかの形態にしたものであればよい。また、本発明で使用しうる布帛は、反応染料で染色可能な繊維のみから構成されることが好ましいが、レーヨン、ポリウレタン、ポリエステル、若しくはアクリル等との混紡織布又は混紡不織布などであってもよい。また、布帛を構成する繊維の太さは、10〜100dの範囲内であることが好ましい。
(インク付与工程)
インク付与工程は、インクジェット記録ヘッドからインクジェット捺染インクセットのインク液滴を布帛に向けて吐出して、発色前の画像を形成する工程である。複数のインクジェット記録ヘッドを搭載するヘッドキャリッジに対して、布帛を相対移動させながら、インクジェット捺染インクセットのインク液滴を吐出し、布帛に着弾させる。なお、濃色インクおよび淡色インクのインク液滴は別々に吐出しても、同時に吐出してもよい。インク液滴が着弾する時の布帛の表面温度は、特に限定されないが発色前画像の滲み抑制等の観点から、35〜70℃の範囲で加熱されることが好ましい。
(予備乾燥工程)
予備乾燥工程は、インク付与後の布帛を乾燥させる工程である。特に限定されないが、予備乾燥は150℃以下で0.5〜30分間布帛を乾燥させることが好ましい。乾燥方法の例には、空気対流方式、加熱ロール直付け方式、または照射方式等が含まれる。具体的には、布帛にインクの付与を行い、その布帛が巻き取られる前に上記の条件および方法で布帛を乾燥させればよい。
(発色工程)
発色工程とは、インク付与後の布帛中へ十分に染着されていない反応染料を布帛中に染着させて、インク本来の色相を発現させる工程である。その方法は、従来公知の方法でよく、捺染インクや布帛などにより適宜選択される。例えば、蒸気によるスチーミング;乾熱によるベーキング、サーモゾル;過熱蒸気によるHTスチーマー;加圧蒸気によるHPスチーマーなどが含まれる。高熱の蒸気によりインク中の反応染料を定着させる場合(スチーミングなど)、セルロース系繊維は95〜105℃で、5〜15分間処理されることが好ましく;また絹や羊毛等のアミド系繊維は95〜105℃で、20〜40分間処理されることが好ましい。また、インクが付与された布帛は直ちに発色させてもよく、時間が経過してから発色させてもよい。
(洗浄工程)
洗浄工程は布帛の発色工程後に布帛へ染着できなかった反応染料や前処理剤を除去する工程である。布帛へ染着できなかった反応染料の除去は、従来公知の洗浄方法を用いることができ、捺染インクや布帛などにより適宜選択される。例えば、セルロース繊維は水洗、湯洗の後に非イオン系洗浄剤を含むソーピング浴で処理後、湯洗、水洗を行なうことが一般的である。未染着の反応染料の除去を行うことで、洗濯堅牢性、耐水堅牢性、耐汗堅牢性等が良好になりやすい。布帛に染着できなかった反応染料があると、洗濯堅牢性、耐水堅牢性、耐汗堅牢性などが得られにくい。
(乾燥工程)
乾燥工程は前記洗浄工程の後に行われ、洗浄された布帛を乾燥させる工程である。乾燥方法は特に限定されないが、洗浄された布帛を絞ったり、干したり、または乾燥機(ヒートロール、アイロン等)を使用して乾燥させる。
<インクジェット捺染装置について>
以下において、図面を参照しながらインク付与工程と予備乾燥工程とを行う装置について説明するが、インクジェット捺染装置はこれに限定されない。
図1は、インクジェット捺染装置の構成の一例を示す部分概略図である。インクジェット捺染装置は、布帛Pを搬送する搬送手段2と、布帛Pにインクジェット捺染インクセットのインク液滴を吐出する複数のインクジェット記録ヘッド(不図示)を搭載するヘッドキャリッジ5と、布帛Pに温風を付与する温風付与手段6と、を有する。
搬送手段2は、粘着性ベルト21と、サポートローラ22と、搬送ローラ23と、ニップローラ24と、を備えている。粘着性ベルト21は、サポートローラ22と搬送ローラ23とに保持され、サポートローラ22と搬送ローラ23との間を周回している。ニップローラ24は、粘着性ベルト21を介して、搬送ローラ23に対向して配置されている。
温風付与手段6およびヘッドキャリッジ5は布帛Pの上方に配置される。温風付与手段6は、内部に布帛に風を吹きつけるファン6Aと温度制御ができる発熱体6Bとを備えている。一方、ヘッドキャリッジ5にはインクジェット記録ヘッドが搭載されている。インクジェット記録ヘッドの種類は特に制限されず、サーマル型、ピエゾ型のいずれであってもよい。インクジェット記録ヘッドのノズル径は、10〜100μmであることが好ましく、10〜50μmであることがより好ましい。ノズル径が10μm未満の場合は不溶物によるノズル目詰まりが生じやすいためである。一方、100μm超の場合は、形成画像の鮮鋭性が低くなるためである。また、吐出するインク液滴サイズは、4〜150plであることが好ましく、5〜80plであることがより好ましい。インク液滴サイズが4pl未満の場合は、吐出されたインク液滴がヘッド近傍の気流の影響を受けやすいためである。一方、150pl超の場合は、形成画像の粒状感が目立つためである。
搬送ローラ23が駆動すると、粘着性ベルト21の上面に配置された布帛Pがニップローラ24下面に搬送される。布帛Pは粘着性ベルト21とニップローラ24により加圧されて、粘着性ベルト21に固定される。粘着性ベルト21に固定された布帛Pは、ヘッドキャリッジ5の下方に搬送される。ヘッドキャリッジ5に搭載される複数のインクジェット記録ヘッドは、インクジェット捺染インクセットのインク液滴を吐出し、前処理剤が付与された布帛の一定領域(着弾可能領域)に着弾させ、画像を形成する。次いで、温風付与手段6から温度制御された風または温風を吹き付けて、布帛Pに形成された画像を乾燥させる。
以下において、実施例を参照して本発明をより詳細に説明する。これらの実施例によって、本発明の範囲は限定して解釈されない。
<インク組成>
(反応染料)
C.I.リアクティブブラック5(ビニルスルホン型同種二官能反応染料)
C.I.リアクティブブラウン9(ビニルスルホン基とモノクロロトリアジン基とを有する異種二官能反応染料)
C.I.リアクティブブルー222(ビニルスルホン基とモノクロロトリアジン基とを有する異種二官能反応染料)
C.I.リアクティブブルー194(ビニルスルホン基とモノクロロトリアジン基とを有する異種二官能反応染料)
C.I.リアクティブブルー19(ビニルスルホン型単官能反応染料)
C.I.リアクティブブルー5(モノクロロトリアジン型単官能反応染料)
(緩衝剤)
クエン酸(pKa:3.1、4.8、6.4)
酒石酸(pKa:3.0、4.4)
乳酸(pKa:3.9)
マロン酸(pKa:5.3)
(pH調整剤)
水酸化ナトリウム
<インクセットの調製>
(実施例1の濃色インク)
反応染料としてC.I.リアクティブブラック5を10質量部;緩衝剤としてクエン酸を0.2質量部;水溶性有機溶剤としてエチレングリコールを20質量部、グリセリンを5質量部;pH調整剤として適量の水酸化ナトリウムを混合した。得られた混合物に全量が100質量部となるようにイオン交換水を加えて、濃色インクを調製した。なお、水酸化ナトリウムは、濃色インクのpHが6.0となる量を添加した。インクのpHは、東亜ディーケーケー社製、HM−20S型を用いて測定した。
(実施例1の淡色インク)
反応染料としてC.I.リアクティブブラック5を2質量部;緩衝剤としてクエン酸を0.2質量部;水溶性有機溶剤としてエチレングリコールを20質量部、プロピレングリコールを10質量部、グリセリンを5質量部;pH調整剤として適量の水酸化ナトリウムを混合した。得られた混合物に全量が100質量部となるようにイオン交換水を加えて、淡色インクを調製した。なお、水酸化ナトリウムは、淡色インクのpHが5.5となる量を添加した。
(実施例2〜13、比較例1〜7のインクセットの調製)
反応染料および緩衝剤の種類・添加量を表1〜4に示されるように変更し、水酸化ナトリウムの添加量をインクのpHが表1〜4に示されるように調整した以外は、実施例1の濃色インクおよび淡色インクからなるインクセットと同様にして、実施例2〜13、比較例1〜7のインクセットを調製した。
<インクジェット捺染方法>
(前処理工程)
100%コットン布帛(綿ブロードシル付、色染社製)を用意し、下記の前処理剤を絞り率80%で付与した後、乾燥させた。
(前処理剤)
アルギン酸ナトリウム 5質量部
尿素 10質量部
炭酸水素ナトリウム 5質量部
イオン交換水 80重量部
(インク付与工程)
実施例および比較例のインクセットをナッセンジャーV(コニカミノルタIJ社製)にそれぞれセットした。主走査540dpi×副走査540dpiにて、濃色インクのみを用いて形成したベタ画像1、同一領域に濃色インクのベタ画像と淡色インクのベタ画像とを重ね印刷したベタ画像2、および淡色インクのみを用いて形成したベタ画像3をそれぞれ形成した。なお、dpiとは、2.54cm当たりのインク液滴(ドット)の数を表す。
(発色工程)
画像が形成された布帛を、相対湿度100%、温度95℃の条件下で15分間スチーム処理して、染料を定着および発色させた。
<画像評価>
(スチーム後の安定性評価)
発色工程後の布帛をすぐにソーピング剤を用いて洗浄したベタ画像1〜3と、発色工程後の布帛を30℃にて1週間放置した後にソーピング剤を用いて洗浄したベタ画像1〜3と、をそれぞれ用意した。これらのベタ画像1〜3のL*、a*、b*値を測色計X−Rite938を用いて測定した。発色工程後すぐに洗浄したベタ画像1と、1週間放置した後に洗浄したベタ画像1とのΔE(ΔE:L*の差、a*の差、b*の差をそれぞれ2乗して加え、その平方根をとる)を算出した。ベタ画像1と同様に、ベタ画像3についてもΔEを算出した。下記の基準に従って評価した結果を表1〜4に示す。
◎:ΔE<2
○:2≦ΔE<3
△:3≦ΔE<5
×:5≦ΔE
一方、ベタ画像2の評価では、ベタ画像2に含まれる濃色ベタ画像および淡色ベタ画像について、L*、a*、b*値をそれぞれ測定した。発色工程後すぐに洗浄した濃色ベタ画像および淡色ベタ画像のΔEと、1週間放置した後に洗浄した濃色ベタ画像および淡色ベタ画像のΔEとの差分の絶対値(ΔEdiff)を算出した。下記の基準に従って評価した結果を表1〜4に示す。
◎:ΔEdiff<2
○:2≦ΔEdiff<3
△:3≦ΔEdiff<5
×:5≦ΔEdiff
(インクの保存安定性評価)
上記のインクジェット捺染方法で使用するインクセットとして、調製から1日経過した後のインクセットと、調製から1ヶ月放置した後のインクセットと、をそれぞれ用いた。この2種のインクセットを用いて、上記と同様にベタ画像1、3をそれぞれ形成した。なお、ベタ画像1、3はいずれも発色工程の直後にソーピング剤を用いて洗浄した。調製から1日経過した後のインクセットと、調製から1ヶ月放置した後のインクセットとを用いて作製したベタ画像1、3のそれぞれのΔEを算出した。下記の基準に従って評価した結果を表1〜4に示す。
◎:ΔE<2
○:2≦ΔE<3
△:3≦ΔE<5
×:5≦ΔE
Figure 0006090320
表1には、濃色インクのpHと淡色インクのpHとを調整したインクセットの例が記載されている。実施例1〜4のインクセットは、ΔpHが0.5以上であるため、淡色インクが布帛に付与されたアルカリ成分を消費しやすい。そのため、淡色インクを用いて形成したベタ画像2および3の「スチーム後の安定性」の評価が良い。特に、インクセットのΔpHが1.0以上である実施例2、4では、ベタ画像2および3の「スチーム後の安定性」の評価が優れている。
一方、比較例1、2のインクセットは、ΔpHが0.5未満であるため、淡色インクは濃色インクに比べ、布帛に付与されたアルカリ成分を非常に消費しにくい。すなわち、発色工程後すぐに洗浄した濃色ベタ画像と淡色ベタ画像とのΔEに比べ、1週間放置した後に洗浄した濃色ベタ画像と淡色ベタ画像とのΔEが変動しやすい。そのため、ベタ画像2の「スチーム後の安定性」の評価が低かった。また、比較例1の淡色インクのpHは高いため、淡色淡色インクは布帛に付与されたアルカリ成分を消費しにくい。そのため、ベタ画像3の「スチーム後の安定性」の評価が低かった。
Figure 0006090320
表2には、濃色インクおよび淡色インクに含まれる反応染料の量や種類と、緩衝剤の量とを変更した例が示されている。実施例5の淡色インクには反応染料が1.0質量%含まれる。そのため、淡色インクを用いて形成したベタ画像2および3の「スチーム後の安定性」の評価がよい。特に、1分子中に2つのビニルスルホン基を有するビニルスルホン型同種二官能反応染料を含む実施例5の淡色インクは、反応染料から生じる酸成分が多く、布帛に付与されたアルカリ成分を消費しやすい。そのため、淡色インクのみを用いて形成したベタ画像3の「スチーム後の安定性」の評価が優れている。
一方、比較例3、4のインクセットの淡色インクは、反応染料の含有量が少なすぎるため、布帛に付与されたアルカリ成分が消費されにくい。そのため、発色工程から洗浄工程までの時間が長いと、布帛と反応染料との結合が分解されてしまい、ベタ画像2および3の「スチーム後の安定性」の評価が低かった。また、比較例5の淡色インクには緩衝剤が含まれていない。淡色インクが緩衝剤を含まないことで、反応染料から生じた酸成分により淡色インクのpHが低下し、反応染料が淡色インクに含まれる成分と反応してしまうと考えられる。そのため、布帛に結合できる反応染料の量が少なく、ベタ画像3の「インク保存安定性」の評価が低かった。さらに、比較例6のインクセットでは、濃色インク中の反応染料の濃度に対する、淡色インク中の反応染料の濃度が低すぎるため、ベタ画像2および3の「スチーム後の安定性」の評価が低かった。
Figure 0006090320
表3は、濃色インクおよび淡色インクに含まれる反応染料の種類を変更した例が記載されている。実施例6〜10のインクセットに含まれる反応染料は、ビニルスルホン基を有する反応染料である。特に、実施例6のインクセットに含まれる反応染料は、ビニルスルホン型同種二官能反応染料であるため、発色工程から洗浄工程までの間に反応染料から生じる酸成分が多く;布帛に付与されたアルカリ成分が消費されやすい。そのため、他の反応染料を含有する実施例7〜10よりも、ベタ画像3の「スチーム後の安定性」の評価が優れている。
一方、比較例7のインクセットに含まれる反応染料は、反応性官能基がモノクロロトリアジン基のみであるモノクロロトリアジン型単官能反応染料である。モノクロロトリアジン型単官能反応染料はビニルスルホン型反応染料に対して、酸成分の発生量が少ない。その反応染料を少量含む淡色インクは、布帛に付与されたアルカリ成分を消費しにくく;布帛と反応染料との結合が分解されやすい。そのため、比較例7は、実施例8〜12に対して、ベタ画像3の「スチーム後の安定性」の評価が低下した。
Figure 0006090320
表4は、濃色インクおよび淡色インクに含まれる緩衝剤の種類を変更した例記載されている。実施例11〜13は、各インクセットに含まれる緩衝剤の種類がそれぞれ異なっても、濃色インクのpHと淡色インクのpHとの差が0.5以上であり、濃色インクのpHが濃色インクに含まれる緩衝剤のpKa−1.5以上pKa+1.5以下の範囲内であり、かつ、淡色インクのpHが淡色インクに含まれる緩衝剤のpKa−1.5以上pKa+1.5以下の範囲内であるため、良好な結果が得られている。特に、実施例11と13のインクセットは、濃色インクのpHが濃色インクに含まれる緩衝剤のpKa超pKa+1.5以下であり、かつ、淡色インクのpHが淡色インクに含まれる緩衝剤のpKa−1.5以上pKa未満である。そのため、全ての評価項目において優れた結果が得られている。
本出願は、同出願人により先にされた日本国特許出願、すなわち、特願2012−162532号(出願日2012年7月23日)に基づく優先権主張を伴うものであって、これらの明細書の内容を参照して本発明の一部としてここに組み込むものとする。
本発明によれば、インクの保存安定性に優れ、かつ、発色工程から時間が経過しても捺染画像の発色濃度の低下を抑制できるインクジェット捺染インクセットを提供することができる。
P 布帛
2 搬送手段
21 粘着性ベルト
22 サポートローラ
23 搬送ローラ
24 ニップローラ
5 ヘッドキャリッジ
6 温風付与手段
6A ファン
6B 発熱体

Claims (6)

  1. ビニルスルホン基を有する反応染料と、酸性域にpKaを有する緩衝剤と、を含む濃色インクおよび淡色インクのインクジェット捺染インクセットにおいて、
    前記濃色インクのpHが、前記濃色インクに含まれる緩衝剤のpKa−1.5以上pKa+1.5以下の範囲内であり、かつ、前記淡色インクのpHが、前記淡色インクに含まれる緩衝剤のpKa−1.5以上pKa+1.5以下の範囲内であり、
    下記式(1)および(2)を満たすインクジェット捺染インクセット。
    式(1):濃色インクのpH−淡色インクのpH≧0.5
    式(2):淡色インクの反応染料の含有量/濃色インクの反応染料の含有量≧0.1
  2. 前記濃色インクのpHが、前記濃色インクに含まれる緩衝剤のpKa超pKa+1.5以下であり、かつ、
    前記淡色インクのpHが、前記淡色インクに含まれる緩衝剤のpKa−1.5以上pKa未満であることを特徴とする、請求項1に記載のインクジェット捺染インクセット。
  3. 前記淡色インクに含まれる緩衝剤のモル量が、前記濃色インクに含まれる緩衝剤のモル量に対して、1〜25倍であることを特徴とする、請求項1または2に記載のインクジェット捺染インクセット。
  4. 前記反応染料が二官能であることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか一項に記載のインクジェット捺染インクセット。
  5. 前記反応染料が1分子中にビニルスルホン基を2つ有することを特徴とする、請求項4に記載のインクジェット捺染インクセット。
  6. 前記反応染料が、C.I.リアクティブブラック5であることを特徴とする、請求項5に記載のインクジェット捺染インクセット。
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