JPH09240138A - インクジェットプリント方法 - Google Patents

インクジェットプリント方法

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JPH09240138A
JPH09240138A JP7933196A JP7933196A JPH09240138A JP H09240138 A JPH09240138 A JP H09240138A JP 7933196 A JP7933196 A JP 7933196A JP 7933196 A JP7933196 A JP 7933196A JP H09240138 A JPH09240138 A JP H09240138A
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dye
ink
printing method
parts
jet printing
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JP7933196A
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English (en)
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Masahiro Haruta
昌宏 春田
Shoji Koike
祥司 小池
Kinu Shirota
衣 城田
Tomoya Yamamoto
智也 山本
Mariko Suzuki
真理子 鈴木
Shinichi Hakamata
慎一 袴田
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Original Assignee
Canon Inc
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 淡色部の粒状感を改善し、カラー記録の場合
の混色部の発色均一性を向上させ、なめらかな諧調性を
示すインクジェットプリント方法を提供する。 【構成】 布又は不織布に、染料含有濃度の異なる二種
以上のインクを用いて、階調性の有る画像を形成するイ
ンクジェットプリント方法において、染料含有濃度の低
いインクによって形成される画像ドット位置に、染料溶
解剤を含有するインクを画像形成前又は後に付与し、画
像形成後に加熱発色処理するインクジェットプリント方
法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はインクジェット法に
より布に階調性の有る画像のプリントを行う方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来、捺染の主流はスクリーン捺染法お
よびローラー捺染法が行なわれている。しかしながら、
これらの方法は、少ない品種で多量生産には適するが、
多品種で少量生産に不向きであり、流行への迅速な対応
も困難であることから、最近では無製版の電子捺染シス
テムの確立が要望されている。この要望に対してインク
ジェット記録による捺染方法が数多く提案されており、
各方面からの期待も大きくなっている。
【0003】インクジェット捺染の現状としては、いく
つかの課題を乗り越えて良好なものが得られるようにな
りつつあるが、大きな課題として画像のハイライト部の
粒状感が挙げられる。
【0004】この問題はインクジェット方式の本質的な
問題ではあるが、事務用カラープリンターの分野では種
々検討され改善されつつある。例えば、小さなインク滴
の打ち込み数を制御するマルチドロップレット方式や、
異なる染料濃度のインクを複数用いる濃淡インク方法の
採用により画像の粒状性は改善される。一方、インクジ
ェット捺染分野では、例えば、染料含有濃度の低いイン
クを数種用いてそれに対応する数のヘッドで記録する方
法や、特開昭60−134085号公報および特開平7
−258981号公報に示されているように、通常の染
料濃度インクと染料を含まないインクを用いて少ないヘ
ッド数で、淡色部の粒状性を軽減しようとする方法であ
って、まばらにドットが打たれる淡色画像領域に染料の
含まれないインクを記録前又は記録後に打ち込んで、ド
ットの形状をぼかすことで目的を達成しようとするもの
が提案されている。さらに、特開平7−54283号公
報には、上記二つの技術の組み合わせによる方法が示さ
れている。
【0005】しかしながら、これら従来の技術でもいま
だ十分な問題解決には至っていないのが現状であり、さ
らなる改善がもとめられている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上記
の様な従来技術の問題を解決するためになされたもので
あり、特に布又は不織布にインクジェットプリントをす
る際に、淡色部の粒状性を格段に改善すると共に、カラ
ー記録の場合の混色部の発色均一性を向上させるインク
ジェットプリント方法を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】即ち、本発明は、染料含
有濃度の異なる二種以上のインクを用いて、階調性の有
る画像を形成するインクジェットプリント方法におい
て、染料含有濃度の低いインクによって形成される画像
ドット位置に、染料溶解剤を含有するインクを画像形成
前又は後に付与し、画像形成後に加熱発色処理すること
を特徴とするインクジェットプリント方法である。
【0008】本発明において、加熱発色処理が湿熱処理
であるのが好ましい。また、布又は不織布に階調性の有
る画像を形成するのが好ましい。また、染料溶解剤が常
温で固体の有機化合物であるのが好ましい。また、染料
が分散染料又は油性染料であるのが好ましい。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、本発明について詳細に説明
する。本発明は、染料含有濃度の異なる二種以上の濃淡
インクを用いて粒状感の無い、なめららかな階調の画像
を得るインクジェットプリント方法の改良を行ったもの
である。すなわち、淡インクで記録される画像のハイラ
イト部分の粒状性や、カラー記録の場合の混色部におけ
る異なるドット分離による色調のちらつきを改良するも
のである。
【0010】本発明者らが鋭意検討した結果、上記二つ
の改良点は以下に示す方法によって改善されることがわ
かった。すなわち、淡インクで記録を行う部分に、イン
ク中の染料を熱時溶解させることのできる物質である染
料溶解剤を含有するインクを別のインクジェットノズル
から吐出し付与する。次いで、加熱発色処理工程の熱で
記録ドット内の染料を染料溶解剤に溶解せしめてドット
の輪郭をボケさせることにより本発明の目的が達成され
るものである。
【0011】染料溶解剤を含有するインク(以下、染料
溶解剤含有インクと記す)の付与方法は、淡インクの記
録される前、又は後のいずれでもよく、カラー記録の場
合は、色調の異なる複数の淡インクが存在するが、色調
の違いによらず淡インクが記録される部分には全て染料
溶解剤含有インクを付与する必要がある。
【0012】このように、本発明を特徴づける染料溶解
剤含有インクは、通常のインクジェットインクで用いる
材料がそのまま使用可能であり、染料の代わりに染料溶
解剤を含有せしめるものである。ここで言う染料溶解剤
とは、記録媒体上に打ち込まれたインク中の染料を、発
色処理時の熱で単分子状に溶解し、記録媒体中に広く拡
散するのを助ける物質である。好ましい染料溶解剤の例
としては、染料の種類や構造によって異なるが、一般的
には極性の強い高沸点有機溶剤、低融点有機固体、活性
剤等である。
【0013】具体的には、高沸点有機溶剤としては、例
えばピロリドン、メチルピロリドン、ホルムアミド、ジ
メチルホルムアミド、ジエチレングリコールモノフェニ
ルエーテル、スルホラン等、低融点有機固体としては、
例えば尿素、チオ尿素、エチレンカーボネート、トリメ
チロループロパン、サリチル酸、パラトルイル酸、レゾ
ルシン、ジフェニール、オルトフェニルフェノール、フ
ェノール等、活性剤としては、例えばモノステアリン酸
プロピレングリコール、ポリオキシエチレングリセリン
モノステアレート、テトラグリセリルモノステアレー
ト、ソルビタンモノイソステアレート、ポリオキシエチ
レンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンノニ
ルフェニルエーテル硫酸ナトリウム等が挙げられる。
【0014】これらの染料溶解剤の中でも、より好まし
いものとしては、常温で固体の有機化合物であって、固
体状態の活性剤も好ましい。この好ましい理由として
は、発色処理時の熱によってだけ染料を溶解することが
出来るために画像のプリント時のニジミによる解像度の
低下を抑えつつ発色効率を上げる事が出来るためであ
る。
【0015】又、染料溶解剤のインク中の含有量は、イ
ンク全重量に対して0.1〜20重量%、好ましくは
0.5〜15重量%であり、溶解又は分散状態で用い
る。0.1重量%未満では本発明の効果が充分にあらわ
れず、20重量%を越えると目詰りや不吐出の原因とな
るので好ましくない。
【0016】染料溶解剤含有インクには、上記の染料溶
解剤の他に含有される成分としては、具体的には、ジエ
チレングリコール、プロピレングリコール、ポリエチレ
ングリコール等のグリコール類や、グリセリンモノフェ
ニルエーテル等のグリコールエーテル類、アセチレング
リコールのエチレンオキサイド付加物等の界面活性剤等
が挙げられる。
【0017】それらの成分の含有量は、それぞれグリコ
ール類又はグリコールエーテル類は2〜40%、界面活
性剤は0.05〜5%である。
【0018】次に、本発明において使用する被記録媒体
としては、紙、布、不織布、フィルム、金属、木版、陶
磁器等あらゆるものが使用可能であるが、なかでも特に
布や不織布が効果的に用いられる。このような布類を構
成する素材としては、綿、絹、羊毛、レーヨン、ナイロ
ン、アクリル、アセテート、ポリエステル、ポリウレタ
ンなどの単独又は混紡品である。
【0019】また上記の様な本発明に用いる被記録媒体
は、必要に応じてインクの吸収性向上やニジミ防止のた
めに前処理を施す事が出来る。例えば樹脂類や金属塩
類、活性剤類等が用いられる。特に布や不織布に対して
は、尿素、水溶性高分子、水溶性金属塩等を0.01〜
20重量%含有させたものが好適である。
【0020】水溶性高分子の例としては、トウモロコ
シ、小麦等の澱粉物質、カルボキシメチルセルロース、
メチルセロース、ヒドロキシエチルセルロース等のセル
ロース系物質、アルギン酸ナトリウム、アラビヤゴム、
ローカストビーンガム、トラガントガム、グアーガム等
の多糖類、ゼラチン、カゼイン等の蛋白質、タンニン系
物質、リグニン系物質等の公知の天然水溶性高分子があ
げられる。合成高分子としては、例えばポリビニルアル
コール、ポリビニルピロリドン、ポリエチレンオキサイ
ド、ポリアクリル酸、スチレン/無水マイレン酸系水溶
性高分子等が挙げられる。
【0021】水溶性金属塩としては、例えばアルカル金
属、アルカリ土類金属のハロゲン化物やスルホン化物、
有機酸塩等で、具体的には、塩化ナトリウム、塩化カリ
ウム、硫酸ナトリウム、酢酸ナトリウム、塩化カルシユ
ウム、塩化マグシユウム等が挙げられる。
【0022】次に、本発明を主に特徴づける染料含有イ
ンクについて説明する。本発明に使用するインクは、染
料の含有濃度が異なる二種以上のインクを用いると共
に、上記の染料の代わりに染料溶解剤含有インクを併用
することにより、粒状性の目立たない、なめらかな階調
性の画像を得るものである。
【0023】かかる本発明における染料含有インクに用
いる染料としては、酸性染料、直接性染料、塩基性染
料、反応性染料、分散染料、油性染料等が用いられる
が、被記録媒体の材質によって適宜選択する必要があ
り、例えば、布に記録を行う場合は綿や絹は反応性染
料、ナイロンは酸性染料、ポリエステルは分散染料が適
している。本発明で最も効果的な組み合わせは、分散染
料や油性染料を用いてポリエステル等の疎水性繊維から
なる布、他繊維との混紡布、又は不織布である。
【0024】又、染料の含有量としてはインク全重量に
対して0.1〜25重量%、好ましくは0.3〜20重
量%の範囲である。さらに又、本発明においては濃淡の
二種類以上の染料含有量を有するインクが必要であっ
て、この濃と淡のインクの染料含有比率は3/1〜10
/1、好ましくは4/1〜8/1である。
【0025】以下に染料の具体例を挙げるが、これに限
定されるものではない。反応染料としては、C.I.リ
アクチィブイエロー15、42;C.I.リアクチィブ
レッド24、218;C.I.リアクチィブブルー3
8、220、酸性染料としては、C.I.アシッドレッ
ド24;C.I.アシッドイエロー142;C.I.ア
シッドブルー185、分散染料としては、C.I.デイ
スパースイエロー99、126、160、198;C.
I.デイスパースレッド135、152、348;C.
I.デイスパースブルー165、257、87、60等
が挙げられる。
【0026】本発明に使用する染料含有インクは、少な
くとも、上述した染料、染料を分散する化合物、及び水
性液媒体を含有する。前記染料および染料溶解剤を分散
する化合物としては、いわゆる分散剤、界面活性剤、樹
脂等を用いることができる。
【0027】分散剤または界面活性剤としては、アニオ
ン系、ノニオン系のいずれも使用できる。アニオン系の
ものとしては、脂肪酸塩、アルキル硫酸エステル塩、ア
ルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルナフタレンスル
ホン酸塩、ジアルキルスルホコハク酸塩、アルキルリン
酸エステル塩、ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合
物、ポリオキシエチレンアルキル硫酸エステル塩、及び
これらの置換誘導体等;ノニオン系のものとしては、ポ
リオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレ
ンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレン脂肪
酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエ
チレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン
アルキルアミン、グリセリン脂肪酸エステル、オキシエ
チレンオキシプロピレンブロックポリマー、及びこれら
の置換誘導体等が挙げられる。
【0028】樹脂分散剤としては、スチレン及びその誘
導体、ビニルナフタレン及びその誘導体、α,β−エチ
レン性不飽和カルボン酸の脂肪族アルコールエステル
等、アクリル酸及びその誘導体、マイレン酸及びその誘
導体、イタコン酸及びその誘導体、フマール酸及びその
誘導体、酢酸ビニル、ビニルアルコール、ビニルピロリ
ドン、アクリルアミド、及びその誘導体等から選ばれた
少なくとも2つ以上の単量体(このうち少なくとも1つ
は親水性単量体)からなるブロック共重合体、ランダム
共重合体及びグラフト共重合体、並びにこれらの塩等を
挙げることができる。これらの樹脂は、塩基を溶解させ
た水溶液に可溶なアルカリ可溶型樹脂であることが好ま
しい。
【0029】更に、本発明に使用する染料含有インク
は、水溶液媒体を含有し、必須成分である水、イオン交
換水は、インク全重量に対して10〜93重量%、好ま
しくは25〜87重量%、より好ましくは30〜82重
量%の範囲で含有する。
【0030】更に、水性液媒体としては、水のほかに有
機溶剤を併有することが好ましい。有機溶剤としては、
例えば、アセトン、ジアセトンアルコールなどのケトン
又はケトアルコール類;テトラヒドロフラン、ジオキサ
ン等のエーテル類;ジエチレングリコール、トリエチレ
ングリコール、テトラエチレングリコール、ジプロピレ
ングリコール、トリプロピレングリコール、ポリエチレ
ングリコール、ポリプロピレングリコール等のオキシエ
チレン又はオキシプロピレン付加重合体;エチレングリ
コール、プロピレングリコール、トリメチレングリコー
ル、ブチレングリコール、1,2,6−ヘキサントリオ
ール、ヘキシレングリコール等のアルキレン基が2乃至
6個の炭素原子を含むアルキレングリコール類;チオジ
グリコール;グリセリン;エチレングリコールモノメチ
ル(又はエチル)エーテル、ジエチレングリコールモノ
メチル(又はエチル)エーテル、トリエチレングリコー
ルモノメチル(又はエチル)エーテル等の多価アルコー
ルの低級アルキルエーテル類;トリエチレングリコール
ジメチル(又はエチル)エーテル、テトラエチレングリ
コールジメチル(又はエチル)エーテル等の多価アルコ
ールの低級ジアルキルエーテル類;スルホラン、N−メ
チル−2−ピロリドン、1,3−ジメチル−2−イミダ
ゾリジノン、ビスヒドロキシエチルスルホン等が挙げら
れる。
【0031】上記のような媒体を併用する場合は単独で
も混合物としても使用できるが、最も好ましい液媒体組
成は、これら溶剤が少なくとも1種の多価アルコールを
含有するものである。中でも、チオジグリコール、ジエ
チレングリコールの単独もしくはジエチレングリコー
ル、チオジグリコール混合系は特に良好なものである。
【0032】上記水溶性有機溶剤の含有量は、一般には
インクの全重量に対して5〜60重量%、好ましくは5
〜50重量%の範囲である。
【0033】本発明に使用する染料含有インクの主要成
分は上記の通りであるが、その他公知の各種の粘度調整
剤、表面張力調整剤、蛍光増白剤、消泡剤等の添加剤を
必要に応じて添加することができる。例えば、ポリビニ
ルアルコール、セルロース類、水溶性樹脂等の粘度調整
剤;ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等の表
面張力調整剤;緩衝液によるpH調整剤、防カビ剤等で
ある。
【0034】また染料を分散させるため以外の目的のた
めに、インクの成分として各種の界面活性剤等を必要に
応じて添加することができる。
【0035】本発明における染料含有インクは、上記の
染料、染料を分散させる化合物、溶剤、水、その他添加
物とともに、従来公知の分散方法、混合方法等を用いて
製造することができる。
【0036】本発明のインクジェットプリント方法は、
上記布帛等に、階調性のある画像を作成するために、濃
淡二種類のインクを用いると共に、淡インクを記録する
部分に、本発明の染料溶解剤含有インクを打ち込んで、
ハイライト部の階調性を向上させる。又、多くの色調の
フルカラー画像を得るために、1色または2色以上のイ
ンクによる混色部を形成するものである。
【0037】インクジェットプリントに用いるインクジ
ェット方式は、従来公知のいずれのインクジェット方式
でもよいが、例えば、特開昭54−59936号公報に
記載されている方法で、熱エネルギーの作用を受けたイ
ンクが急激な体積変化を生じ、この状態変化による作用
力によって、インクをノズルから吐出させる方式、即
ち、バブルジェット方式が最も有効である。
【0038】これは、上記方式は複数のノズルを有する
記録ヘッドを用いる場合、各ノズル間のインクの吐出速
度のばらつきが小さく、インクの吐出速度が5〜20m
/secの範囲に集約されており、この速度で分散染料
を含むインクが布帛に衝突した場合の着滴時の液滴の繊
維に対する浸透の具合が最適となるためと思われる。
【0039】本発明では、かかる方式で長時間連続的に
プリントを行ってもそのヒーター上の異物の沈着や断線
が発生せず、安定したプリントが可能である。
【0040】上記インクジェットプリント方法におい
て、特に高い効果を得る条件としては、吐出液滴が20
〜200pl、インク打込量が4〜40nl/mm2
駆動周波数1.5KHz以上、及びヘッド温度35〜6
0℃が好ましい。
【0041】以上のようにして布帛上に付与されたイン
クは、この状態では単に付着しているに過ぎないので、
引続き繊維への色素の染着及び未染着の色素の除去工程
を施す必要がある。このような染着及び未染着の色素の
除去方法は、従来公知の方法でよい。
【0042】なかでも、染着法に関しては、HTスチー
ミング法(湿熱処理法)を用いることが好ましい。さら
にHTスチーミング法の場合、綿、絹、ナイロン等は1
00℃〜110℃で2分〜30分間の処理条件の場合が
好ましく、ポリエステルの場合は、160℃〜180℃
で6分〜8分間の処理条件の場合が好ましい。
【0043】なお、得られたプリント物は、必要に応じ
て、所望の大きさに切り離され、切り離された片は縫
着、接着、溶着等、最終的な加工品を得るための工程が
施され、ネクタイ、ハンカチ等の加工品を得ることがで
きる。
【0044】
【実施例】次に実施例及び比較例を挙げて本発明を更に
具体的に説明する。なお、文中部及び%とあるのは特に
断りのない限り重量基準である。
【0045】実施例1 ポリエステル布(サテン)をあらかじめアルギン酸ソー
ダの1.0%水溶液でパッド処理して(絞り率:70
%)乾燥し、被記録媒体とした。次に、以下に示した組
成の濃淡二色のインク(a−1,a−2)と、染料溶解
剤含有インク(A)を作成し各々別のインクジェットヘ
ッドに充填した。これらのヘッドをBJカラープリンタ
ー(キャノン社製、BJC−820J)に搭載して単色
の濃度諧調パターンを上記被記録媒体に出力した。
【0046】濃インクと淡インクの打ち込み割合を変化
させて滑らかな濃度諧調が得られるように印字信号を定
めると共に、淡インクの打ち込まれる部分に染料溶解剤
含有インク(A)が打ち込まれるように印字信号を制御
した。本実施例においては、先ず淡インク(a−2)を
打ち込み、その後に染料溶解剤含有インク(A)を打ち
込み、次に濃インク(a−1)を打ち込んでプリントを
行なった。
【0047】このようにして得られたプリント布を18
0℃、8分のHTスチーマーによる蒸熱処理を行ない、
次いで常法により、還元洗浄、水洗を行ない、乾燥し
た。得られた濃度諧調パターンは低濃度域の粒状感が無
く、なめらかな諧調性を実現した。
【0048】 分散染料液(I〜1V)の作成 βナフタレンスルホン酸ホルムアルデヒド縮合物 20部 イオン交換水 55部 ジエチレングリコール 10部 上記成分を混合し、この溶液に新たに下記分散染料15
部をそれぞれ加え、30分間プレミキシングを行った
後、下記の条件で分散処理を行った。
【0049】 分散染料 C.I.ディスパーズ イエロー 198(分散染料液I用) C.I.ディスパーズ レッド 152(分散染料液II用) C.I.ディスパーズ ブルー 165(分散染料液III用) C.I.ディスパーズ ブルー 87(分散染料液IV用) 分散機 サンドグラインダー(五十嵐機械社製) 粉砕メディア ジルコニウムビーズ1mm径 粉砕メディアの充填率 50%(体積) 回転数 1500rpm 粉砕時間 3時間 さらに、フロロポアフィルターFP−250(住友電工
社製)にてろ過し粗大粒子を除去して分散染料液(I〜
IV)を得た。
【0050】 濃インク(a−1)の製造 分散染料液(I) 20部 分散染料液(II) 10部 分散染料液(III) 20部 チオジグリコール 20部 ジエチレングリコール 15部 イオン交換水 15部 上記の全成分を混合し、混合液を水酸化ナトリウムでp
H8に調整し、2時間攪拌した後、フロロポアフィルタ
ーFP−100(商品名、住友電工社製)にてろ過し、
濃インク(a−1)を得た。
【0051】 淡インク(a−2)の製造 分散染料液(I) 4部 分散染料液(II) 2部 分散染料液(III) 4部 ビスヒドロキシエチルスルホン 20部 ジエチレングリコール 15部 イオン交換水 55部 上記の全成分を混合し、混合液を水酸化ナトリウムでp
H8に調整した。2時間攪拌した後、フロロポアフィル
タFP−100(商品名 住友電工社製)にてろ過し、
淡インク(a−2)を得た。
【0052】 染料溶解剤含有インク(A)の製造 エチレンカーボネート 10部 ジエチレングリコール 10部 イオン交換水 80部 上記の全成分を混合し、1時間攪拌した後、フロロポア
フィルターFP−100にてろ過し、染料溶解剤含有イ
ンク(A)を得た。
【0053】実施例2 ポリエステル布(デシン)をあらかじめポリビニルピロ
リドンの3%水溶液でパッド処理して(絞り率:80
%)乾燥し、被記録媒体とした。
【0054】次に、以下に示した組成のカラーインク
(b−1,b−2,c−1,c−2,d)と、染料溶解
剤含有インク(B)を作成し、各々別のインクジェット
ヘッドに充填した。これらのヘッドをBJカラープリン
ターに搭載してフルカラーの濃淡画像を上記被記録媒体
に出力した。実施例1と同様に出力信号を制御して、濃
インク、淡インク、および染料溶解剤含有インク(B)
を打込で画像を形成した。
【0055】本実施例においては、JBカラープリンタ
ーが4本のヘッドしか持っていないので、はじめに淡イ
ンクの2種と染料溶解剤含有インク(B)を搭載し、先
ず染料溶解剤含有インク(B)を打ち込み、その後に淡
インクを打ち込み、次に淡インクの代わりに、濃インク
を入れかえてb−1,c−1,dを打ち込んでプリント
を行なった。
【0056】このようにして、得られたプリント布を実
施例1と同様に蒸熱処理し、次いで常法により還元洗
浄、水洗を行なって、プリント物を得た。得られたプリ
ント物はハイライト部の粒状感もなく、更に異色による
混色部のチラツキも目立たなかった。
【0057】 インク(b−1)、(b−2)の製造 分散染料液(II) 30部 チオジグリコール 10部 ジエチレングリコール 15部 イオン交換水 45部 上記の全成分を混合し、混合液を水酸化ナトリウムでp
H8に調整した。2時間攪拌した後、フロロポアフィル
ターFP−100にてろ過し、濃色のマゼンタインク
(b−1)を得た。
【0058】又、上記組成の内の分散染料液(II)の
量を5部にして、代りにインク交換水の量を70部に増
加して、その他の成分の量は同じにした淡色のマゼンタ
インク(b−2)も同様に作成した。
【0059】 インク(c−1)、(c−2)の製造 分散染料液(IV) 40部 ビスヒドロキシエチルスルホン 10部 ジエチレングリコール 20部 イオン交換水 30部 上記の全成分を混合し、混合液を水酸化ナトリウムでp
H8に調整した。2時間攪拌した後、フロロポアフィル
タ−FP−100でろ過し、濃色のシアンインク(c−
1)を得た。
【0060】又上記組成の内、分散染料液(III)の
量を6部にし、代わりにイオン交換水を64部に増加し
て、その他の成分の量は同じになるようにして淡色のシ
アンインク(c−2)を得た。
【0061】 インク(d)の製造 分散染料液(I) 30部 ビスヒドロキシエチルスルホン 15部 ジエチレングリコール 15部 イオン交換水 40部 上記の全成分を混合し、混合液を水酸化ナトリウムでp
H8に調整した。2時間攪拌した後、フロロポアフィル
タ−FP−100でろ過し、イエローインク(d)を得
た。
【0062】 染料溶解剤含有インク(B) パラトルイル酸 10部 ジエチレングリコール 20部 チオジグリコール 10部 イオン交換水 59部 ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル 1部 上記の全成分を混合し、混合液をホモミキサーで粉砕分
散した。得られたインクをセルロースフィルターでろ過
し、染料溶解剤含有インク(B)を得た。
【0063】実施例3 木綿布をあらかじめ、アルギン酸ソーダ1%、食塩3
%、炭酸水素ナトリウム2%の水溶液でパッド処理し
(絞り率:60%)乾燥し、被記録媒体とした。
【0064】次に、以下に示した組成の濃淡二色のイン
ク(e−1,e−2)と、染料溶解剤含有インク(C)
を作成し、各々別々のインクジェットヘッドに充填し
た。これらのヘッドをBJカラープリンターに搭載して
単色の濃度諧調パターンを上記被記録媒体に出力した。
出力の方法は実施例1と同様に行なった。
【0065】本実施例においては、先ず染料溶解剤含有
インク(C)を打ち込み、その後に淡インク(e−2)
を打ち込み、次に濃インク(e−1)を打ち込んでプリ
ントを行なった。
【0066】このようにして得られた印字布を103
℃、6分間のHTスチーマーによる蒸熱処理を行なっ
て、次いで洗浄乾燥工程を経て、プリント布を得た。得
られたプリント布の濃度諧調パターンは、低濃度域の粒
状感が少なく、なめらかな諧調性を示した。
【0067】 インク(e−1)、(e−2)の製造 C.I.リアクティブレッド24 7部 チオジグリコール 15部 ジエチレングリコール 10部 グリセリン 5部 イオン交換水 63部 上記の全成分を混合した液を水酸化ナトリウムでpH
7.5に調整し、2時間攪拌した後、フロロポアフィル
ターFP−100にてろ過し、濃色インク(e−1)を
得た。
【0068】又、上記成分の内、C.I.リアクティブ
レッド24の量を1部にし、その代りにイオン交換水を
69部に増やして、その他の成分はそのままにして、淡
インク(e−2)を得た。
【0069】 染料溶解剤含有インク(C)の製造 尿素 10部 ピロリドン 5部 ジエチレングリコール 10部 グリセリン 5部 イオン交換水 70部 上記全成分を混合し、1時間攪拌した後、フロロポアフ
ィルターFP−100でろ過して、染料溶解剤含有イン
ク(C)を得た。
【0070】
【発明の効果】以上説明した様に、本発明によれば、特
に布又は不織布にインクジェットプリントをする際に、
淡色部の粒状感を格段に改善する共に、カラー記録の場
合の混色部の発色均一性を向上させ、なめらかな諧調性
を示すインクジェットプリント方法を提供できる効果が
ある。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 D06P 5/00 111 B41J 3/04 101Z (72)発明者 山本 智也 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 鈴木 真理子 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 袴田 慎一 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 染料含有濃度の異なる二種以上のインク
    を用いて、階調性の有る画像を形成するインクジェット
    プリント方法において、染料含有濃度の低いインクによ
    って形成される画像ドット位置に、染料溶解剤を含有す
    るインクを画像形成前又は後に付与し、画像形成後に加
    熱発色処理することを特徴とするインクジェットプリン
    ト方法。
  2. 【請求項2】 加熱発色処理が湿熱処理である請求項1
    記載のインクジェットプリント方法。
  3. 【請求項3】 布又は不織布に画像を形成する請求項1
    記載のインクジェットプリント方法。
  4. 【請求項4】 染料溶解剤が常温で固体の有機化合物で
    ある請求項1記載のインクジェットプリント方法。
  5. 【請求項5】 染料が分散染料又は油性染料である請求
    項1記載のインクジェットプリント方法。
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