JP6090059B2 - バルブタイミング調整装置 - Google Patents

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Description

本発明は、バルブタイミング調整装置に関する。
従来、モータの回転力を利用して内燃機関のバルブタイミングを調整する電動式のバルブタイミング調整装置が知られている。電動式のバルブタイミング調整装置では、クランク軸の回転が伝達される駆動側回転体とカム軸に回転を伝達する従動側回転体という2つの回転体を、遊星歯車が連結している。モータから加えられる回転力によって遊星歯車が2つの回転体の相対回転位相を変更すると、カム軸によって開閉駆動されるバルブの開閉タイミングが変更される。
上述のようなバルブタイミング調整装置では、一方の回転体の内側に遊星歯車が配置されており、2つの回転体と遊星歯車との連結部はポンプから供給されるオイルによって潤滑されている。ポンプによるオイルの供給は常時行われ、余剰分のオイルは、一方の回転体の中央部にある通孔から外部へ排出される。また、特許文献1に開示の装置では、2つの回転体と遊星歯車との接触による摩耗等に起因して生じる異物を外部へ排出するために、一方の回転体が径方向へ貫通する排出孔をさらに有している。オイルに混入した異物は、回転により生じる遠心力を利用してオイルと共に排出孔から外部へ排出される。
特開2008−215312号公報
しかしながら、従来のバルブタイミング調整装置では、潤滑に必要なオイルをポンプから常時供給する必要がある。特に特許文献1に開示の装置では、一方の回転体の通孔に加え、排出孔からもオイルが排出されるので、オイルの消費量が過大となる。オイルの消費量が過大となることは、オイルポンプの吐出圧を保つために内燃機関の動力が無駄に使われ、車両の燃費を低下させていることを意味する。
本発明は、このような点に鑑みて創作されたものであり、その目的は、車両の燃費を向上させることができるバルブタイミング調整装置を提供することにある。
本発明に係るバルブタイミング調整装置は、第一回転体、第二回転体、位相調整機構および静止体を備えている。第一回転体は、駆動軸と連動して回転可能な容器状である。第二回転体は、オイルを輸送するための第一輸送流路を有する従動軸の端部に接続され、従動軸と連動して回転可能である。位相調整機構は、第一回転体の内部に配置され、第一回転体と第二回転体とを回転伝達可能に連結し、モータから加えられる回転力によって第一回転体と第二回転体との相対回転位相を変化可能である。静止体は、第一回転体の外側に配置され、従動軸を回転可能に支持する。
第一回転体は、当該第一回転体を内外に貫通し、第一回転体の内部空間にあるオイルを第一回転体外へ排出する排出流路を有している。静止体は、排出流路と第一輸送流路とを接続可能であり、排出流路から排出された潤滑油を第一輸送流路に輸送する第二輸送流路を有している。第二回転体は、排出流路に対し径方向内側で当該第二回転体を貫通し、第一輸送流路と第一回転体の内部空間とを接続可能であり、第一輸送流路から供給された潤滑油を第一回転体の内部空間に導入する導入流路を有している。
上記構成において、内燃機関の運転中、第一回転体、第二回転体および位相調整機構は、駆動軸または従動軸と連動して回転する。そのため、第一回転体の内部空間にあるオイルには遠心力が生じる。遠心力によって第一回転体の内周面に張り付くオイルは、逃げ道として設けられた排出流路を通じて静止体の第二輸送流路に流れ込む。第二輸送流路ではオイルに遠心力がかからないため、元から第二輸送流路にあるオイルは、排出流路から勢いよく流れ込むオイルに押されて径方向内側へ流れる。その後、第一輸送流路および導入流路を通じて再び第一回転体の内部空間に戻る。
以上のように、オイルは、第一回転体と共に回転することで生じる遠心力によって、ポンプを用いずとも第一回転体の内部空間および各流路からなる循環経路を循環することができる。そのため、従来、ポンプからバルブタイミング調整装置に常時供給されていたオイルが不要となり、その分、オイルの消費量を低減することができる。したがって、内燃機関の動力損失が低減し、車両の燃費を向上させることができる。
本発明の一実施形態によるバルブタイミング調整装置を示す図である。 図1のII−II線断面図である。 図1のIII−III線断面図である。 図1のIV−IV線断面図である。 図1のV−V線断面図である。 図1の矢印VI部分を拡大して示す図である。 図1のバルブタイミング調整装置が適用された内燃機関を示す模式図である。
以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。
まず、本実施形態のバルブタイミング調整装置1が設けられる内燃機関90の駆動力伝達系について、図7を参照して概略を説明する。バルブタイミング調整装置1は、車両に搭載された内燃機関90内でクランク軸97からカム軸2、94へ回転を伝達する駆動力伝達系に設置される。駆動力伝達系では、内燃機関90の駆動軸としてのクランク軸97に支持されるギア98と、従動軸としてのカム軸2、94に支持されるギア(スプロケット部材)61、95とにタイミングチェーン96が巻き掛けられ、クランク軸97からカム軸2に駆動力が伝達される。カム軸2は、カム機構を経由して吸気弁91を開閉駆動し、カム軸94はカム機構を経由して排気弁92を開閉駆動する。
本実施形態に係るバルブタイミング調整装置1は、カム軸2の端部に接続され、クランク軸97とカム軸2と相対回転位相を調整して吸気弁91の所望の開閉タイミングを実現する。なお、本実施形態では、カム軸2は内燃機関90のシリンダヘッド(図示しない)の上部を構成するカムキャリア30に支持されている(図1参照)。カムキャリア30は、請求の範囲に記載の「静止体」に相当する。
(基本構成)
以下、バルブタイミング調整装置1の基本構成について、図1〜図3を参照して説明する。図1に示すように、バルブタイミング調整装置1は、モータ40、制御装置(図示しない)、駆動回転体60、従動回転体70、遊星歯車80、遊星キャリア83、及び、転がり軸受84、85を備えている。なお、図1の上下方向は車両の天地方向と実質的に一致する。また、以下では説明のために、カム軸2の延びる方向を軸方向と称し、軸方向に直交する方向を径方向と称する。また、以下の説明において単に「内側」および「外側」という場合、カム軸2の軸を中心とした径方向内側および径方向外側を示している。
モータ40は、例えばブラシレスモータ等の電動モータであり、正逆回転自在に支持される制御軸41を有している。制御軸41はカム軸2と同軸である。制御装置は、例えば駆動回路及びその制御用マイクロコンピュータ等から構成されており、モータ40と電気的に接続されている。制御装置は、クランク軸97及びカム軸2間の相対回転位相を調整するため、モータ40への通電によって制御軸41の回転状態を制御する。
駆動回転体60は、スプロケット部材61、歯車部材62、第1カバー部材63、および第2カバー部材64を有している。スプロケット部材61及び第1カバー部材63の間には歯車部材62が挟まれ、これらはカム軸2と同軸に共締めされている。また、第2カバー部材64は第1カバー部材63に同軸上で締結されている。駆動回転体60は全体としてカム軸2と同軸の容器状に構成され、その内部空間には従動回転体70、遊星歯車80、遊星キャリア83、及び、転がり軸受84、85が配置される。
スプロケット部材61は有底円筒状であり、カム軸2に挿通される底部614を有する。スプロケット部材61の外周部にはスプロケット歯611が周方向に複数形成されている。図7を参照して説明したように、タイミングチェーン96がスプロケット歯611に掛け渡されることにより、スプロケット部材61はクランク軸97と連結する。クランク軸97の回転がタイミングチェーン96を通じてスプロケット部材61へ伝達されため、駆動回転体60はクランク軸97と連動して周方向に回転する。このときの駆動回転体60の回転方向は、図2の時計方向になる。また、スプロケット部材61の内側部分には、複数のストッパ凹部612が周方向に間隔をあけて形成されている。
歯車部材62は円環板状であり、その内周部には複数の内歯から構成される駆動側内歯車部621が形成されている。第1カバー部材63は、歯車部材62の駆動側内歯車部621を軸方向から覆うように形成されている。第2カバー部材64は、モータ40に挿通されつつ、第1カバー部材621の軸方向の開口を覆うように形成されている。以上のスプロケット部材61、歯車部材62、第1カバー部材63、および第2カバー部材64が組み合わさることにより、容器状の駆動回転体60が構成される。
従動回転体70は有底円筒状であり、スプロケット部材61の内側に配置されている。また、従動回転体70は、カム軸2の端部に対して同軸に締結される底部75を有する。この締結によって、従動回転体70は、カム軸2と連動して回転可能となっている。ここで、従動回転体70の回転方向は、駆動回転体60と同じ図3の時計方向になる。
従動回転体70の内周部には、複数の内歯から構成される従動側内歯車部71が形成されている。従動側内歯車部71の内径は駆動側内歯車部621の内径よりも小さく設定され、また従動側内歯車部71の歯数は駆動側内歯車部621の歯数よりも少なく設定されている。従動側内歯車部71は、駆動側内歯車部621から軸方向にずれて配置されている。従動回転体70の外周部には、矩形断面を有する複数のストッパ凸部72が周方向に間隔をあけて形成されている。各ストッパ凸部72は、スプロケット部材61の各ストッパ凹部612に挿入された状態で揺動可能となっている。
遊星歯車80は、全体として段付円筒状であり、歯車部材62および従動回転体70の内側に配置されている。遊星歯車80には、外側へ向けて突出する複数の外歯から構成された2つの外歯車部81、82が形成されている。2つの外歯車部81、82は軸方向にずれて配置されており、モータ40側を駆動側外歯車部81、カム軸2側を従動側外歯車部82と称する。従動側外歯車部82の外径は駆動側外歯車部81の外径よりも小さく設定されている。
図2に示すように、駆動側外歯車部81は、その外歯が駆動側内歯車部621の内歯と噛合するように、駆動側内歯車部621の内側に配置される。一方、図3に示すように、従動側外歯車部82は、その外歯が従動側内歯車部71の内歯と噛合するように、従動側内歯車部71の内側に配置される。また駆動側外歯車部81および従動側外歯車部82の歯数は、それぞれ駆動側内歯車部621および従動側内歯車部71の歯数よりも同数ずつ少なく設定されている。
遊星キャリア83は、全体として段付筒状であり、第1カバー部材63および遊星歯車80の内側に配置される。遊星キャリア83は、その内周面が制御軸41の継手材42と嵌合することにより、制御軸41と一体に回転可能である。遊星キャリア83の内周面は、制御軸41と同軸である。
遊星キャリア83の外周面のうち、第1カバー部材63側の外周面はカム軸2と同軸である。遊星キャリア83は、転がり軸受85を介して第1カバー部材63により相対回転可能に支持されている。
また、遊星キャリア83の外周面のうち、遊星歯車80側の外周面は、カム軸2に対して偏心した円筒面状を呈している。この偏心した外周面は、転がり軸受84を介して遊星歯車80を遊星運動可能に支持している。ここで遊星運動とは、遊星歯車80が遊星キャリア83の外周面の偏心軸を中心に自転しつつ、遊星キャリア83の内周面の軸を中心に公転する運動をいう。
以上のように、バルブタイミング調整装置1は、制御軸41の回転状態に応じた遊星キャリア83の回転運動を遊星歯車80の遊星運動へと変換する。これによって、駆動回転体60と従動回転体70との相対回転位相、すなわちクランク軸97とカム軸2との相対回転位相を調整し、バルブタイミングを調整する。本実施形態では、遊星歯車80および遊星キャリア83が、請求の範囲に記載の「位相調整機構」を構成する。
例えば、制御軸41が駆動回転体60と同速回転するときには、遊星キャリア83が駆動側内歯車部621に対して相対回転しない。このとき、遊星歯車80は遊星運動せずに、駆動回転体60および従動回転体70と連れ回りする。その結果、駆動回転体60と従動回転体70との相対回転位相は変化しないため、バルブタイミングは保持されることになる。
一方、制御軸41が駆動回転体60よりも高速に回転するときには、遊星キャリア83が駆動側内歯車部621に対して進角側へ相対回転する。このとき、遊星歯車80は、駆動側外歯車部81および従動側外歯車部82が駆動側内歯車部621および従動側内歯車部71に噛合しつつ遊星運動する。その結果、従動回転体70が駆動回転体60に対する進角側へと相対回転して、駆動回転体60と従動回転体70との相対回転位相が進角側へ変化するため、バルブタイミングは進角する。
また一方、制御軸41が駆動回転体60よりも低速に回転する又は駆動回転体60に対して逆回転するときには、遊星キャリア83が駆動側内歯車部621に対して遅角側へと相対回転する。このとき、遊星歯車80は、駆動側外歯車部81および従動側外歯車部82が駆動側内歯車部621および従動側内歯車部71に噛合しつつ遊星運動する。その結果、従動回転体70が駆動回転体60に対して遅角側へ相対回転し、駆動回転体60と従動回転体70との相対回転位相が遅角側へ変化するため、バルブタイミングは遅角する。
このような駆動回転体60と従動回転体70との相対回転位相の変化は、ストッパ凸部72が対応するストッパ凹部612の内面に周方向に当接することにより規制される。なお、当該規制は1組のストッパ凸部72及びストッパ凹部612によって行われればよく、他の3組は予備的に設けられている。
(特徴構成)
以下、バルブタイミング調整装置1の特徴構成について、図1、図4〜図6を参照して説明する。バルブタイミング調整装置1および接続相手のカム軸2には、駆動回転体60の内部空間を経由して潤滑液であるオイルを循環させるための流路が形成されている。この流路について以下に説明する。
図1に示すように、カム軸2には、軸方向に延びるカム軸側輸送流路21が形成されている。カム軸側輸送流路21は、従動回転体70に接するカム軸2の端面まで延びており、カム軸側輸送流路21の一端は従動回転体70側に開口している。また、カム軸側輸送流路21の反対側の端部には、カム軸2の側面に開口した連結孔22が形成されている。カム軸2のカム軸側輸送流路21および連結孔22は、請求の範囲に記載の「第一輸送流路」を構成している。
カム軸2と軸方向に接する従動回転体70の底部75には、カム軸2側に開口する導入溝74が形成されている。図4に示すように、導入溝74はカム軸2と同心の環状に形成されており、導入溝74の開口はカム軸2のカム軸側輸送流路21に連通している。また、従動回転体70の底部75には、従動回転体70を軸方向に貫通する導入孔76が形成されている。導入孔76の一方の端部は導入溝74の底に開口しており、他方の端部は駆動回転体60の内部空間に開口している。導入孔76および導入溝74は請求の範囲に記載の「導入流路」を構成する。
駆動回転体60の内側には、オイルが駆動側内歯車部621と駆動側外歯車部81との嵌合部、従動側内歯車部71と従動側外歯車部82との嵌合部、および、転がり軸受84、85の摺動面などを循環することを可能にする部材間の隙間としての内部空間が存在する。
カムキャリア30と軸方向に接するスプロケット部材61の底部614には、スプロケット部材61を軸方向に貫通する排出孔615が形成されている。また、スプロケット部材61の底部614には、カムキャリア30側に開口する排出溝617が形成されている。図4に示すように、排出溝617は、カム軸2と同心の環状に形成されている。排出孔615の一方の端部は排出溝617の底に開口しており、他方の端部は駆動回転体60の内部空間に開口している。排出孔615および排出溝617は請求の範囲に記載の「排出流路」を構成する。
スプロケット部材61の排出孔615は、従動回転体70の導入孔76よりも径方向外側に配置されている。具体的には、駆動回転体60の内部空間に開口する排出孔615の開口縁616の径方向外側の一部が、スプロケット部材61の内周面618に接している。
カムキャリア30の支持部31には、カム軸2の軸心に向かって開口する連結溝33が形成されている。図5に示すように、連結溝33はカム軸2と同心の環状に形成されており、連結溝33の開口は、カム軸2の連結孔22に連通している。また、カムキャリア30には、連結溝33とスプロケット部材61の排出溝617とを連通するカムキャリア側輸送流路32が形成されている。カムキャリア側輸送流路32の一端は排出溝617の開口に連通しており、他端は連結溝33の底に開口している。カムキャリア30の連結溝33およびカムキャリア側輸送流路32は、請求の範囲に記載の「第二輸送流路」を構成している。
カムキャリア側輸送流路32は、カムキャリア30のうち、地方向側を通るように形成される。また、カムキャリア側輸送流路32には、地方向側に凹む異物溜まり部34が形成されている。異物溜まり部34の開口は天方向側を向いている。
以上のように、カム軸2のカム軸側輸送流路21および連結孔22、従動回転体70の導入溝74および導入孔76、スプロケット部材61の排出孔615および排出溝617、および、カムキャリア30のカムキャリア側輸送流路32および連結溝33によって、駆動回転体60の内部空間を介してオイルが循環するための循環経路10が構成される。
なお、非回転体であるカムキャリア30に対して、カム軸2およびスプロケット部材61は回転運動するため、スプロケット部材61の底部614およびカム軸2の側面は、カムキャリア30に対して摺動可能に接している。ここで、排出溝617は環状に形成されているため、スプロケット部材61の回転時にも、排出孔615は排出溝617を介してカムキャリア側輸送流路32と常に連通している。同様に、連結溝33は環状に形成されているため、カム軸2の回転時にも、カムキャリア側輸送流路32は連結溝33を介して連結孔22と常に連通している。
また、カムキャリア30とスプロケット部材61との間には、カムキャリア側輸送流路32および排出溝617よりも外側にオイルシール51が設けられる。オイルシール51は、カムキャリア30とスプロケット部材61との隙間を液密に封止する。同様に、カムキャリア30とカム軸2との間には、連結溝33および連結孔22に対して軸方向外側にオイルシール52が設けられる。オイルシール52は、カムキャリア30とカム軸2との隙間を液密に封止する。
また、図6に示すように、駆動回転体60には、内部空間からオイルを漏らすことのないように、複数のOリング54、55、56が設けられる。具体的には、Oリング54はスプロケット部材61と歯車部材62との間に設けられ、Oリング55は歯車部材62と第1カバー部材63との間に設けられ、Oリング56は第1カバー部材63と第2カバー部材64との間に設けられている。これによって、駆動回転体60を構成する各部材間からオイルが漏れることが防止される。さらに、第2カバー部材64と制御軸41との間にはオイルシール54が設けられ、第2カバー部材64と制御軸41との隙間を液密に封止する。
次に、オイルの流れについて図1を参照して説明する。まず、駆動回転体60の内部空間および循環経路10を合わせた領域には、オイルが入れられている。このオイルの量は、循環経路10の総容量よりも多い量である。これによって、駆動回転体60の内部空間には常にオイルが存在することになる。
内燃機関の始動前、オイルは駆動回転体60の内部および循環経路10の地方向側に溜まった状態である。内燃機関が始動すると、駆動回転体60および従動回転体70の回転が開始し、駆動回転体60の内部空間に存在するオイルには遠心力が作用する。
駆動回転体60の内部空間で遠心力を受けたオイルは、排出孔615に流入する。排出孔615に流れ込んだオイルは、排出溝617を介してカムキャリア側輸送流路32に流入する。カムキャリア30は回転しないため、カムキャリア側輸送流路32を流れるオイルは後から流れてくるオイルに押され、連結溝33および連結孔22を介してカム軸側輸送流路21に流入する。また、カムキャリア30は回転しないため、カムキャリア側輸送流路32を流れるオイルに含まれる異物は、重力によって異物溜まり部34に沈む。
カム軸側輸送流路21に流入したオイルは、後からカム軸側輸送流路21に流入してくるオイルに押されて、従動回転体70の導入溝74に流入する。オイルは環状の導入溝74に沿って広がり、導入孔76を介して駆動回転体60の内部空間に流れ込む。
駆動回転体60の内部空間に導入されたオイルは、部材間の嵌合部や摺動面などを潤滑する。具体的には、導入孔76から流れ込む勢いによってモータ40側へ軸方向に流れこみ、転がり軸受84、85等の摺動面を潤滑する。それと共に、オイルは駆動回転体60の回転による遠心力によって径方向の外側へ流れ、駆動回転体60、従動回転体70、および遊星歯車80の嵌合部分を潤滑しながら、最終的に駆動回転体60の内周面618に到達する。その後、オイルは後から流れてくるオイルに押され、内周面618に繋がる排出孔615に流入する。排出孔615に流れ込んだオイルは、排出溝617を介してカムキャリア側輸送流路32に再び流入する。
以上に説明するオイルの流れにより、内燃機関の運転中、オイルは常に駆動回転体60の内部空間および循環経路10を循環しながら、駆動回転体60、従動回転体70および遊星歯車80の嵌合部、並びに、転がり軸受84、85等の摺動面を潤滑する。
(効果)
一般的に、車両には内燃機関に潤滑用オイルを供給するために、オイルポンプ等から構成される潤滑装置が搭載される。潤滑装置のオイルポンプは内燃機関の動力を利用して駆動される。本実施形態に係るバルブタイミング装置1では、駆動回転体60の回転によってオイルが循環するため、オイルポンプからバルブタイミング装置1にオイルを供給する必要がない。よって、オイルポンプの吐出力を抑制することができ、ひいては内燃機関の燃費を向上させることができる。
また、本実施形態に係るバルブタイミング装置1によれば、循環経路10中に異物溜まり34が設けられているため、オイルに混入した異物をオイルから除去することができる。さらに、異物溜まり部34は、非回転体であるカムキャリア30内で地方向側に凹むように形成されているため、内燃機関が停止した場合にも異物が異物溜まり部34から流れ出る恐れはない。よって、循環するオイルを清浄に保つことができる。
また、カムキャリア30とスプロケット部材61、およびカムキャリア30とカム軸2というように、相対回転する2つの部材の間には少なからず隙間が必要である。相対回転する2つの部材にそれぞれ形成された流路を接続する構成では、上記隙間を通じてオイルが漏れる可能性がある。そこで、本実施形態に係るバルブタイミング装置1では、カムキャリア30とスプロケット部材61との間の隙間のうち、カムキャリア側輸送流路32および排出溝617に対して外側にはオイルシール51を設けている。このため、オイルの漏れを防ぐことができる。同様に、カムキャリア30とカム軸2との間の隙間うち、連結溝33と連結孔22に対して軸方向外側にオイルシール52が設けられていることにより、オイルの漏れを防ぐことができる。
(他の実施形態)
上述の実施形態では、カムキャリア側輸送流路32に開口する凹状の異物溜まり部34が形成されているが、本発明はこれに限られず、カムキャリア側輸送流路32にオイル中の異物を捕捉するフィルタ35が設けられていてもよい。例えば、異物溜まり部34と共にフィルタ35を設置してもよいし、フィルタ35を単独で設置してもよい。
また、上述の実施形態では、カムキャリア側輸送流路32と排出孔15とを連通させる環状溝に関して、上述の実施形態ではスプロケット部材61に環状の排出溝617が形成されているが、本発明はこれに限られず、カムキャリア30に環状の排出溝が形成されていてもよい。同様に、カムキャリア側輸送流路32と連結孔22とを連通させる環状溝に関して、上述の実施形態ではカムキャリア30に環状の連結溝33が形成されているが、本発明はこれに限られず、カム軸2の連結孔22が環状の連結溝として形成されていてもよい。
また、上述の実施形態では、排出孔615がスプロケット部材61を軸方向に貫通しているが、径方向に貫通していてもよい。この場合、排出孔615の開口縁616の全部が、スプロケット部材61の内周面618に接しており、排出溝617はカムキャリア30と径方向に接するスプロケット部材61の外周部に形成される。
また、上述の実施形態では、カムキャリア30が静止体を構成しているが、本発明はこれに限られない。例えば、カムキャリア30とは別体の静止体が、駆動回転体60の外側に配置され、カムキャリアの端部を支持していてもよい。
以上、本発明はこのような実施形態に限定されるものではなく、発明の趣旨を逸脱しない範囲において、種々の形態で実施することができる。
1 ・・・バルブタイミング調整装置
2 ・・・カム軸(従動軸)
21 ・・・カム軸側輸送流路(第一輸送流路)
22 ・・・連結孔(第一輸送流路)
30 ・・・カムキャリア(静止体)
32 ・・・カムキャリア側輸送流路(第二輸送流路)
33 ・・・連結溝(第二輸送流路)
60 ・・・駆動回転体(第一回転体)
615・・・排出孔(排出流路)
617・・・排出溝(排出流路)
618・・・内周面
70 ・・・従動回転体(第二回転体)
74 ・・・導入溝(導入流路)
76 ・・・導入孔(導入流路)
80 ・・・遊星歯車(位相調整機構)
83 ・・・遊星キャリア(位相調整機構)

Claims (6)

  1. 内燃機関(90)の駆動軸(97)から従動軸(2)に駆動力を伝達するとともに、前記従動軸により開閉駆動される吸気弁(91)および排気弁(92)の少なくとも一方の開閉タイミングを調整するバルブタイミング調整装置(1)であって、
    前記駆動軸と連動して回転可能である容器状の第一回転体(60)と、
    オイルを輸送するための第一輸送流路(21、22)を有する前記従動軸の端部に接続され、前記従動軸と連動して回転可能な第二回転体(70)と、
    前記第一回転体の内部に配置され、前記第一回転体と前記第二回転体とを回転伝達可能に連結し、モータ(40)から加えられる回転力によって前記第一回転体と前記第二回転体との相対回転位相を変化可能な位相調整機構(80、83)と、
    前記第一回転体の外部に配置され、前記従動軸を回転可能に支持する静止体(30)と、
    を備え、
    前記第一回転体は、当該第一回転体を内外に貫通し、前記第一回転体の内部空間にあるオイルを当該第一回転体の外部へ排出する排出流路(615、617)を有し、
    前記静止体は、前記排出流路と前記第一輸送流路とを接続し、前記排出流路から排出されたオイルを前記第一輸送流路に輸送する第二輸送流路(32、33)を有し、
    前記第二回転体は、前記排出流路に対し径方向内側で当該第二回転体を貫通し、前記第一輸送流路と前記第一回転体の前記内部空間とを接続し、前記第一輸送流路から供給されたオイルを前記第一回転体の前記内部空間に導入する導入流路(74、76)を有することを特徴とするバルブタイミング調整装置。
  2. 前記第一回転体の前記内部空間に開口する前記排出流路の開口縁(616)は、少なくとも一部が前記第一回転体の内周面(618)に接していることを特徴とする請求項に記載のバルブタイミング調整装置。
  3. 前記第一回転体の前記内部空間、前記排出流路、前記第二輸送流路、前記第一輸送流路および前記導入流路を合わせた領域には、前記排出流路、前記第二輸送流路、前記第一輸送流路および前記導入流路の総容量よりも多いオイルが入っていることを特徴とする請求項1または2に記載のバルブタイミング調整装置。
  4. 前記第二輸送流路には、天地方向の地側に凹む異物溜まり部(34)が形成されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載のバルブタイミング調整装置。
  5. 前記第二輸送流路には、オイル中の異物を捕捉するフィルタ(35)が設けられていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載のバルブタイミング調整装置。
  6. 前記第一回転体と前記静止体との間において、前記排出流路および前記第二輸送流路に対して径方向外側には、前記第一回転体と前記非回転体との隙間を液密に封止するシール部材(51)が設けられていることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載のバルブタイミング調整装置。
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