JP4678537B2 - バルブタイミング調整装置 - Google Patents

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Description

本発明は、内燃機関においてクランク軸からのトルク伝達によりカム軸が開閉する吸気弁及び排気弁のうち少なくとも一方のバルブタイミングを調整するバルブタイミング調整装置に関する。
従来、クランク軸と連動回転する回転体及びカム軸と連動回転する回転体の少なくとも一方に設けた歯車部に遊星歯車を噛合させて、それら回転体間の相対位相を遊星歯車の遊星運動により変化させるようにしたバルブタイミング調整装置が知られている。
このようなバルブタイミング調整装置の一種として特許文献1に開示の装置では、カム軸の連動回転体に設けた導入孔部を通じて、クランク軸の連動回転体内に潤滑液を導入することにより、それら各回転体の歯車部と遊星歯車との噛合部分等を潤滑するようにしている。こうした潤滑作用により、耐久性の向上が可能となるのである。
また、バルブタイミング調整装置の別の一種として特許文献2に開示の装置では、内燃機関の始動時においてクランク軸及びカム軸の各連動回転体間の相対位相を、当該始動を許容する始動位相に保持するようにしている。こうした始動位相の保持作用によれば、機関始動性の保証が可能となる。
特開2007−71056号公報 特開2005−146993号公報
さて、特許文献1,2に開示の装置を組み合わせることによれば、耐久性の向上と機関始動性の保証とを両立させることができるはずである。しかしながら、本発明者らが鋭意研究を行った結果、機関始動性を保証しようとすると、耐久性の低下を招くことが懸念されるとの知見が、得られたのである。以下、その理由を説明する。
特許文献1に開示の装置では、遊星歯車を支持する遊星キャリアを回転駆動してクランク軸及びカム軸の各連動回転体間の相対位相を調整するために、電動モータの回転軸体に設けられた継手部を当該遊星キャリアの嵌合凹部に嵌合させている。故に、装置の組立時において継手部を嵌合凹部に嵌合し易くするには、それら継手部と嵌合凹部との間に適当なクリアランスを確保しておくことが必要となる。こうしたクリアランスを確保する場合、組立後の作動時において継手部と嵌合凹部との相対摺動によって磨耗を惹起するおそれがあるが、潤滑液の導入によって当該磨耗は抑制されることになる。
しかし、特許文献2に開示の装置に準じてクランク軸及びカム軸の各連動回転体間の相対位相を始動位相に保持するようにした内燃機関の始動時には、当該始動に伴って供給が開始される潤滑液はクランク軸の連動回転体内に十分に充填されておらず、継手部及び嵌合凹部の嵌合部分にまで行き渡らないおそれがある。この場合、カム軸から伝達されるカムトルクの変動等によって継手部と嵌合凹部とが相対摺動すると、それら継手部及び嵌合凹部間の磨耗を抑制することが困難となり、耐久性が低下してしまうのである。
本発明は、このような問題に鑑みてなされたものであって、その目的は、耐久性の向上と機関始動性の保証とを両立させるバルブタイミング調整装置を提供することにある。
請求項1に記載の発明は、内燃機関においてクランク軸からのトルク伝達によりカム軸が開閉する吸気弁及び排気弁のうち少なくとも一方のバルブタイミングを調整するバルブタイミング調整装置において、クランク軸及びカム軸のうち一方と連動して回転する第一回転体と、第一回転体内に収容され、クランク軸及びカム軸のうち他方と連動して回転する第二回転体と、第一回転体及び第二回転体のうち少なくとも一方に設けられ、内燃機関の始動に伴って供給が開始される潤滑液を第一回転体内に導入する導入孔部と、第一回転体及び第二回転体のうち少なくとも一方に設けられる歯車部と、第一回転体内に収容され、歯車部に噛合しつつ遊星運動することにより第一回転体及び第二回転体の間の相対位相(以下、「回転体間位相」という)を変化させる遊星歯車と、第一回転体内に収容され、嵌合凹部を有し、遊星歯車を遊星運動可能に支持する遊星キャリアと、嵌合凹部に嵌合する回転軸体を有し、回転軸体の回転状態を制御することにより回転体間位相を調整する制御手段であって、内燃機関の始動時に当該回転状態を制御することにより回転体間位相を内燃機関の始動位相に保持する制御手段と、を備え、嵌合凹部は、遊星キャリアの軸方向端面に開口し、上記導入孔部としての第一導入孔部は、始動位相において遊星キャリアの軸方向端面における嵌合凹部の開口と向き合うことを特徴とする。
このような発明によると、回転体間位相が始動位相に保持される内燃機関の始動時には、第一導入孔部が遊星キャリアの軸方向端面における嵌合凹部の開口と向き合うことになる。故に、内燃機関の始動に伴う供給開始によって第一導入孔部を通じて第一回転体内に導入される潤滑液を、遊星キャリアの軸方向端面における開口から嵌合凹部内へと確実に流入させて、当該嵌合凹部と回転軸体との嵌合部分にまで行き渡らせることができる。したがって、嵌合凹部と回転軸体とが相対摺動することになっても、それら嵌合凹部及び回転軸体間の磨耗を抑制することができるので、耐久性が向上し、またそれと共に始動位相の保持によって、機関始動性が保証されるのである。
請求項2に記載の発明によると、嵌合凹部は、筒状を呈する遊星キャリアの内周面に開口する。ここで、内燃機関の始動に伴う供給開始によって第一回転体内に導入される潤滑液は、クランク軸又はカム軸と連動する第一回転体の回転によって生じた遠心力の作用を受けるため、遊星キャリアの内周面に開口する嵌合凹部には、通常、流入し難くなる。しかし、上述したように内燃機関の始動時には、遊星キャリアの軸方向端面における嵌合凹部の開口に対して第一導入孔部が向き合うことになるので、潤滑液を当該嵌合凹部内に確実に流入させて、嵌合凹部及び回転軸体間の磨耗を抑制することができるのである。
内燃機関の始動完了後において、回転軸体の制御により回転体間位相が始動位相と同一の位相に保持されるときには、第一導入孔部が遊星キャリアの軸方向端面における嵌合凹部の開口と向き合う。この場合、第一導入孔部を通じて導入される潤滑液は、嵌合凹部内に流入し易くなるので、第一回転体内のうち嵌合凹部以外の箇所には行き渡り難くなるおそれがある。
そこで、請求項3に記載の発明によると、上記導入孔部としての第二導入孔部は、始動位相において遊星キャリアの軸方向端面のうち嵌合凹部の開口から外れた部分と向き合う。これにより、始動位相においては、第二導入孔部が遊星キャリアの軸方向端面のうち嵌合凹部の開口から外れた部分と向き合うので、当該第二導入孔部を通じて導入される導入液を第一回転体内の嵌合凹部以外の箇所にまで行き渡らせることが可能になる。したがって、内燃機関の始動完了後において回転体間位相が始動位相と同一の位相に保持されるときであっても、第一回転体内の潤滑が不十分となって耐久性が低下する事態を回避できるのである。
請求項4に記載の発明によると、遊星歯車は、遊星キャリアの外周側に支持される。ここで始動位相においては、遊星キャリアの軸方向端面のうち嵌合凹部から外れた部分と向き合う第二導入孔部を通じて第一回転体内に導入された潤滑液が、クランク軸又はカム軸と連動する第一回転体の回転によって生じた遠心力の作用を受けて、当該遊星キャリアの外周側へと流動する。故に、遊星キャリアの外周側に支持される遊星歯車と歯車部との噛合部分には、第二導入孔部を通じて第一回転体内に導入されて遠心力の作用により当該外周側へと流動する潤滑液を容易に行き渡らせることができる。したがって、内燃機関の始動完了後において回転体間位相が始動位相と同一の位相に保持されるときであっても、遊星歯車及び歯車部の噛合部分が潤滑不十分となって耐久性が低下する事態を回避できるのである。
請求項5に記載の発明によると、制御手段は、通電により回転軸体を回転駆動する電動アクチュエータと、電動アクチュエータへの通電を制御する通電制御回路部と、を有する。このような発明によれば、回転軸体を回転駆動する電動アクチュエータへの通電を制御することにより、回転体間位相を正確に調整可能となる。故に、内燃機関の始動時には、回転体間位相を始動位相に正確に保持して、第一導入孔部を通じた嵌合凹部内への潤滑液流入を確実なものとし得るので、機関始動性の保証と耐久性の向上との両立に貢献することができるのである。
尚、以上において「内燃機関の始動時」とは、スタータの補助により内燃機関がクランキングされているときを意味し、また「内燃機関の始動完了」とは、内燃機関が完爆してスタータの補助なく継続回転可能となったことを意味する。
以下、本発明の複数の実施形態を図面に基づいて説明する。尚、各実施形態において対応する構成要素には同一の符号を付すことにより、重複する説明を省略する。
(第一実施形態)
図1は、本発明の第一実施形態によるバルブタイミング調整装置1を示している。バルブタイミング調整装置1は、内燃機関のクランク軸(図示しない)からカム軸2に機関トルクを伝達する伝達系に設けられている。尚、本実施形態においてカム軸2は内燃機関の吸気弁(図示しない)を開閉するものであり、バルブタイミング調整装置1は当該吸気弁のバルブタイミングを調整する。
(基本的構成)
図1に示すようにバルブタイミング調整装置1は、電気制御系4と位相調整機構8とを組み合わせて構成されている。
「制御手段」としての電気制御系4は、電動モータ5及び通電制御回路部6を備えている。電動モータ5は例えばブラシレスモータ等であり、回転軸体7を有している。電動モータ5は、通電により制御トルクを回転軸体7に発生させることで、当該軸体7を図2の反時計方向又は時計方向に回転駆動する。通電制御回路部6は例えば制御コンピュータ及び通電ドライバ等からなり、電動モータ5の外部及び/又は内部に配置されている。通電制御回路部6は電動モータ5と電気的に接続されており、内燃機関の状態に応じて電動モータ5への通電を制御することにより、回転軸体7の回転状態を制御する。
図1に示すように位相調整機構8は、「第一回転体」としての駆動側回転体10、「第二回転体」としての従動側回転体20、遊星キャリア40及び遊星歯車50を備えている。
図1〜3に示すように、駆動側回転体10は全体として筒状を呈しており、位相調整機構8の他の構成要素20,40,50を内部に収容している。駆動側回転体10は、共に有底筒状に形成された歯車部材12及びスプロケット13を同軸上に螺子止めしてなる。
図1,2に示すように歯車部材12の周壁部には、歯底円の内周側に歯先円を有する駆動側内歯車部14が設けられている。スプロケット13の周壁部には、径方向外側に突出する歯16が回転方向に複数設けられている。スプロケット13は、それらの歯16とクランク軸の複数の歯との間で環状のタイミングチェーンが掛け渡されることにより、クランク軸と連繋する。したがって、クランク軸から出力された機関トルクがタイミングチェーンを通じてスプロケット13に入力されるときには、駆動側回転体10はクランク軸と連動して回転する。このとき駆動側回転体10の回転方向は、図2の反時計方向且つ図3の時計方向となる。
図1,3に示すように、従動側回転体20は有底円筒状を呈し、駆動側回転体10の内周側に同心上に嵌合している。従動側回転体20の底壁部には、螺子止めによってカム軸2と同軸上に連結される連結部21が設けられている。この連結により従動側回転体20は、カム軸2と連動して回転可能となっており、また駆動側回転体10に対して進角側X及び遅角側Yに相対回転可能となっている。
従動側回転体20の周壁部には、歯底円の内周側に歯先円を有する従動側内歯車部22が設けられている。ここで、従動側内歯車部22の内径は駆動側内歯車部14の内径よりも小さく設定され、また従動側内歯車部22の歯数は駆動側内歯車部14の歯数よりも少なく設定されている。従動側内歯車部22は、駆動側内歯車部14に対して軸方向にずれて配置されている。
図1〜3に示すように、遊星キャリア40は全体として筒状を呈しており、内周面41によって入力部41を形成している。入力部41は、回転体10,20及び回転軸体7に対して同心上に配置されており、回転軸体7と嵌合連結されている。これにより遊星キャリア40は、駆動トルクの発生に応じて回転軸体7と一体に回転可能となっており、また駆動側内歯車部14に対して進角側X及び遅角側Yに相対回転可能となっている。
遊星キャリア40はさらに、入力部41に対して偏心する外周面44によって偏心部44を形成している。偏心部44は、遊星歯車50の中心孔51の内周側にベアリング45を介して嵌合している。これにより遊星歯車50は、駆動側内歯車部14に対する遊星キャリア40の相対回転に応じて遊星運動可能に、偏心部44によって支持されている。ここで遊星運動とは、遊星歯車50が偏心部44の偏心中心線周りに自転しつつ、遊星キャリア40の回転方向に公転する遊星運動をいう。
遊星歯車50は段付円筒状を呈し、歯底円の外周側に歯先円を有する駆動側外歯車部52及び従動側外歯車部54をそれぞれ大径部分及び小径部分によって形成している。駆動側外歯車部52及び従動側外歯車部54の歯数は、それぞれ駆動側内歯車部14及び従動側内歯車部22の歯数よりも同数ずつ少なくなるように設定されている。駆動側外歯車部52は駆動側内歯車部14の内周側に配置されて、当該歯車部14と噛合している。また、駆動側外歯車部52よりも連結部21側の従動側外歯車部54は従動側内歯車部22の内周側に配置されて、当該歯車部22と噛合している。
このように回転体10,20間を連繋してなる差動歯車式の位相調整機構8は、カム軸2に発生するカムトルクを回転軸体7に伝達しつつ、駆動側及び従動側回転体10,20間の相対位相である回転体間位相を回転軸体7の回転状態に応じて調整することとなる。
具体的には、回転軸体7が駆動側回転体10と同速回転することにより、遊星キャリア40が駆動側内歯車部14に対して相対回転しないときには、遊星歯車50が遊星運動しないで、回転体10,20と一体に回転する。即ち、回転体間位相は変化しないので、それに合わせてバルブタイミングが保持されることになる。
一方、回転軸体7が駆動側回転体10に対して高速回転することにより、遊星キャリア40が駆動側内歯車部14に対して進角側Xに相対回転するときには、遊星歯車50の遊星運動により、従動側回転体20が駆動側回転体10に対する進角側Xに相対回転する。即ち、回転体間位相が進角側Xに変化するので、それに合わせてバルブタイミングが進角することになる。
また一方、回転軸体7が駆動側回転体10に対して低速回転又は逆回転することにより、遊星キャリア40が駆動側内歯車部14に対して遅角側Yに相対回転するときには、遊星歯車50の遊星運動により、従動側回転体20が駆動側回転体10に対して遅角側Yに相対回転する。即ち、回転体間位相が遅角側Yに変化するので、それに合わせてバルブタイミングが遅角することになる。
以上、第一実施形態の基本的構成について説明した。以下、第一実施形態の特徴的構成について詳細に説明する。
(特徴的構成1:連結構造)
図4,5に示すように、回転軸体7は、軸部材70と継手部材72とを組み合わせて構成されている。金属製の軸部材70は、ストレートな丸棒状を呈している。軸部材70は、電動モータ5が発生する制御トルクによって回転する。
金属製の継手部材72は、スリーブ部74及び嵌合突部76を有している。スリーブ部74は円筒状を呈しており、遊星キャリア40の入力部41の内周側に同心的に配置されている。スリーブ部74の内周側には、軸部材70の一端部が挿入されている。スリーブ部74と軸部材70とには、接続ピン78が径方向に嵌挿されており、それによって継手部材72が軸部材70と一体に回転可能となっている。嵌合突部76は、スリーブ部74の回転方向に略等間隔をあけた二箇所から径方向の外側に突出する形態で、設けられている。各嵌合突部76は、スリーブ部74の軸方向の平面視(図5参照)において矩形柱状を呈している。
金属製の遊星キャリア40において入力部41には、その回転方向に略等間隔をあけた二箇所に嵌合凹部80が設けられている。各嵌合凹部80は、入力部41の軸方向全域に延びる矩形溝状を呈している。これにより各嵌合凹部80は、遊星キャリアの40の内周面41及び軸方向の両端面42,43に開口する形となっている。このような各嵌合凹部80には、それぞれ対応する継手部材72の嵌合突部76が嵌合しており、それによって回転軸体7が遊星キャリア40に連結されている。
(特徴的構成2:潤滑構造)
図1,3に示すように、従動側回転体20の連結部21には、「潤滑液」としての潤滑油を駆動側回転体10内に導入する導入孔部90が設けられている。各導入孔部90は、従動側回転体20の回転方向に互いに略等間隔をあけており、それぞれ一端部においてカム軸2の供給孔部3と常時連通するようになっている。ここで供給孔部3は、内燃機関用のポンプ9から潤滑油が供給される通路を形成しており、また当該ポンプ9は、内燃機関が出力する機関トルクによって機械的に駆動されるメカポンプである。したがって、導入孔部90に対しては、内燃機関の始動に伴って潤滑油の供給が開始され、内燃機関の始動完了後の定常運転中は当該油供給が継続されて、内燃機関の停止と共に当該油供給がカットされるようになっている。
図1,4に示すように、各導入孔部90の供給孔部3と反対側端部は、従動側回転体20の連結部21において軸方向の遊星キャリア40側を向く内側面24に開口している。これにより各導入孔部90は、遊星キャリア40の近傍において駆動側回転体10内と常時連通し、供給孔部3からの供給潤滑油を当該回転体10内に導入するようになっている。
そして、特に本実施形態では、図3〜5に示すように、従動側回転体20の内側面24における各導入孔部90の開口90aと、遊星キャリア40の一端面42における各嵌合凹部80の開口80aとが、所定の回転間位相において回転要素10,20,40の軸方向に向き合うようになっている。ここで、各導入孔部90と各嵌合凹部80とが開口80a,90a同士を向き合わせるときの回転体間位相は、内燃機関の始動に最適な始動位相Psに設定されており、例えば最遅角位相よりも進角側X且つ最進角位相よりも遅角側Yの中間位相が好適に採用される。
また、このような本実施形態では、回転体間位相が始動位相Psと異なるときに各導入孔部90の開口90aが、遊星キャリア40の端面42のうち各嵌合凹部80の開口80aから外れた部分と向き合うようになっている。
以上、第一実施形態の特徴的構成について説明した。以下、第一実施形態の特徴的作動について詳細に説明する。
(始動時作動)
完全停止状態の内燃機関がイグニッションスイッチのオン指令等の始動指令を受けたときには、通電制御回路部6が当該始動指令を検知して始動処理を開始する。具体的に始動処理では、内燃機関が完爆するまでの間、電動モータ5への通電制御により、回転体間位相を調整して始動位相Psに保持する。
その結果、各導入孔部90の開口90aが各嵌合凹部80の開口80aと向き合うことになるので、始動に伴う供給開始によって各導入孔部90を通じて駆動側回転体10内に導入される潤滑油は、回転軸体7の各嵌合突部76が嵌合する各嵌合凹部80内に開口80a側から確実に流入し得る。これによれば、各嵌合凹部80と各嵌合突部76との嵌合部分に潤滑油を行き渡らせることができるので、カム軸2から伝達されるカムトルクの変動等によって各嵌合凹部80と各嵌合突部76との間に相対摺動が生じたとしても、磨耗が抑制されるのである。したがって、耐久性が向上することになり、またそれと共に始動位相Psの保持によって機関始動性が保証されることになる。
尚、始動処理中において各導入孔部90から駆動側回転体10内に導入される潤滑油の一部は、駆動側回転体10等の回転によって生じる遠心力の作用を受けることで、遊星キャリア40の外周側に支持される遊星歯車50と各内歯車部22,14との噛合部分側に供給されることになる。
(定常運転時作動)
内燃機関の始動が完了して定常運転状態となると、通電制御回路部6は、定常運転処理を開始する。具体的に定常運転処理では、電動モータ5への通電制御により、回転体間位相を内燃機関の状態に適した位相に調整する。このとき、内燃機関によって駆動されるポンプ9からの供給油量は始動時と比べて増加しているので、各導入孔部90から導入される潤滑油によって駆動側回転体10内が満たされた状態となる。これによれば、各嵌合凹部80と各嵌合突部76との嵌合部分も、遊星歯車50と各内歯車部22,14との噛合部分も、潤滑油に浸した状態として、耐久性を向上させることができるのである。
(第二実施形態)
図6,7に示すように、本発明の第二実施形態は第一実施形態の変形例である。
第二実施形態による連結部121には、始動位相Psにおいて開口90aを嵌合凹部80の開口80aと向き合わせる「第一導入孔部」としての導入孔部90が一つだけ設けられる代わりに、別の開口位置の導入孔部190が「第二導入孔部」として一つ設けられている。
導入孔部190の開口190aは、図6,7に示すように始動位相Psにおいて、遊星キャリア40の端面42のうち各嵌合凹部80の開口80aから外れた部分と向き合い、また始動位相Psと異なる回転体間位相において、一方の嵌合凹部80の開口80aと向き合うようになっている。尚、この導入孔部190は、導入孔部90と同様にカム軸2の供給孔部3と常時連通して、ポンプ9からの潤滑油の供給を受けるようになっている。
こうした第二実施形態において、通電制御回路部6が位相調整を行う定常運転処理中に回転体間位相が始動位相Psと同一の位相に保持されるときには、導入孔部190の開口190aが、遊星キャリア40の端面42のうち各嵌合凹部80の開口80aから外れた部分と向き合う。故に、導入孔部190からの潤滑油は、駆動側回転体10等の回転によって生じる遠心力の作用を受けることで、各嵌合凹部80内には向かわず、遊星キャリア40の外周側に支持される遊星歯車50と各内歯車部22,14との噛合部分に行き渡り易くなる。したがって、遊星歯車50と各内歯車部22,14との噛合部分について、潤滑油に十分に浸すことができる。
それと共に、定常運転処理中の回転体間位相が始動位相Psと同一の位相に保持されるときには、導入孔部90の開口90aが一方の嵌合凹部80の開口80aと向き合うことになる。故に、開口80a,90a同士が導入孔部90と向き合う嵌合凹部80には、導入孔部90からの潤滑油を確実に流入させて、当該嵌合凹部80と嵌合突部76との嵌合部分を潤滑油に十分に浸すことができる。またこのときには、駆動側回転体10内が潤滑油で満たされた状態となっているので、他方の嵌合凹部80と嵌合突部76との嵌合部分についても、潤滑油に浸すことができる。
以上、第二実施形態によれば、機関始動性の保証と耐久性の顕著な向上とを両立的に達成することが、可能となるのである。
(他の実施形態)
以上、本発明の複数の実施形態について説明したが、本発明はそれらの実施形態に限定して解釈されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲内において種々の実施形態に適用することができる。
具体的には、第一実施形態における二つの導入孔部90のうち一方を、第二実施形態に準じて設けないようにしてもよい。また、第二実施形態においては、第一実施形態に準じて導入孔部90を二つ設けるようにしてもよいし、導入孔部190を複数設けるようにしてもよい。さらに、導入孔部90,190については、バルブタイミング調整装置1の構造に応じて、回転体10に設けるようにしてもよいし、回転体10,20の双方に跨って設けるようにしてもよい。
「潤滑液」としての潤滑油を導入孔部90,190に供給するためのポンプ9は、内燃機関の始動に伴って当該供給を開始するものであれば、内燃機関によって駆動されるメカポンプ以外にも、例えば内燃機関の運転に伴う通電によって作動する電動ポンプを使用してもよい。また、「潤滑液」としては、内燃機関用の潤滑油以外を使用してもよい。
位相調整機構8としては、クランク軸の連動回転体10及びカム軸2の連動回転体20の双方に設けた歯車部14,22に遊星歯車50を噛合連繋させてなる差動歯車機構以外にも、本発明の作用効果が得られるものであれば、適宜使用することができる。例えば、回転体10がカム軸2と連動して回転し、回転体20がクランク軸と連動して回転するものを使用してもよい。またあるいは、クランク軸の連動回転体及びカム軸の連動回転体のうちいずれか一方に設けた歯車部に遊星歯車を噛合させて、それら回転体のうちいずれか他方を遊星歯車の遊星運動に応じて回転駆動させる構成のものを使用してもよい。
「制御手段」は、「電動アクチュエータ」としての電動モータ5と通電制御回路部6とを組み合わせたもの以外にも、始動位相Psを継続して実現するように回転軸体7の回転状態を制御可能なものであれば、適宜使用することができる。また、「電動アクチュエータ」としては、電動モータ以外にも、例えば電磁式ブレーキ又は流体式ブレーキ等の電動ブレーキや、油圧モータを使用してもよい。さらに、回転軸体7としては、例えば、継手部材72を軸部材70に直接に固着してなるものであってもよいし、嵌合突部76を軸部材70に直接形成してなるものであってもよい。
そして、本発明は、吸気弁のバルブタイミングを調整する装置以外にも、排気弁のバルブタイミングを調整する装置や、吸気弁及び排気弁の双方のバルブタイミングを調整する装置にも適用することができる。
本発明の第一実施形態によるバルブタイミング調整装置を示す図であって、図3のI−I線断面図である。 図1のII−II線断面図である。 図1のIII−III線断面図である。 図3のIV−IV線断面図である。 図4のV−V線断面図である。 本発明の第二実施形態によるバルブタイミング調整装置を示す図であって、図3に対応する断面図である。 図6のVII−VII線断面図である。
符号の説明
1 バルブタイミング調整装置、2 カム軸、3 供給孔部、4 電気制御系(制御手段)、5 電動モータ、6 通電制御回路部、7 回転軸体、8 位相調整機構、9 ポンプ、10 駆動側回転体(第一回転体)、12 歯車部材、13 スプロケット、14 駆動側内歯車部(歯車部)、20 従動側回転体(第二回転体)、21,121 連結部、22 従動側内歯車部(歯車部)、24 内側面、40 遊星キャリア、41 入力部・内周面、42 端面(軸方向端面)、44 偏心部、52 駆動側外歯車部、54 従動側外歯車部、70 軸部材、72 継手部材、74 スリーブ部、76 嵌合突部、78 接続ピン、80 嵌合凹部、80a 開口、90 導入孔部(第一導入孔部)、90a 開口、190 導入孔部(第二導入孔部)、190a 開口

Claims (5)

  1. 内燃機関においてクランク軸からのトルク伝達によりカム軸が開閉する吸気弁及び排気弁のうち少なくとも一方のバルブタイミングを調整するバルブタイミング調整装置において、
    前記クランク軸及び前記カム軸のうち一方と連動して回転する第一回転体と、
    前記第一回転体内に収容され、前記クランク軸及び前記カム軸のうち他方と連動して回転する第二回転体と、
    前記第一回転体及び前記第二回転体のうち少なくとも一方に設けられ、前記内燃機関の始動に伴って供給が開始される潤滑液を前記第一回転体内に導入する導入孔部と、
    前記第一回転体及び前記第二回転体のうち少なくとも一方に設けられる歯車部と、
    前記歯車部に噛合する状態で前記第一回転体内に収容され、遊星運動することにより前記第一回転体及び前記第二回転体の間の相対位相を変化させる遊星歯車と、
    前記第一回転体内に収容され、嵌合凹部を有し、前記遊星歯車を遊星運動可能に支持する遊星キャリアと、
    前記嵌合凹部に嵌合する回転軸体を有し、前記回転軸体の回転状態を制御することにより前記相対位相を調整する制御手段であって、前記内燃機関の始動時に当該回転状態を制御することにより前記相対位相を前記内燃機関の始動位相に保持する制御手段と、
    を備え、
    前記嵌合凹部は、前記遊星キャリアの軸方向端面に開口し、
    前記導入孔部としての第一導入孔部は、前記始動位相において前記端面における前記嵌合凹部の開口と向き合うことを特徴とするバルブタイミング調整装置。
  2. 前記嵌合凹部は、筒状を呈する前記遊星キャリアの内周面に開口することを特徴とする請求項1に記載のバルブタイミング調整装置。
  3. 前記導入孔部としての第二導入孔部は、前記始動位相において前記端面のうち前記嵌合凹部の開口から外れた部分と向き合うことを特徴とする請求項1又は2に記載のバルブタイミング調整装置。
  4. 前記遊星歯車は、前記遊星キャリアの外周側に支持されることを特徴とする請求項3に記載のバルブタイミング調整装置。
  5. 前記制御手段は、
    通電により前記回転軸体を回転駆動する電動アクチュエータと、
    前記電動アクチュエータへの通電を制御する通電制御回路部と、
    を有することを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載のバルブタイミング調整装置。
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