JP2013147983A - バルブタイミング調整装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】構成の複雑化を回避しつつ、相対位相の保持のためにアクチュエータにて消費される電力を低減できるバルブタイミング調整装置の提供。
【解決手段】遊星歯車50は、クランク軸と連動回転する駆動回転体10と、カム軸2と連動回転する従動回転体20とに連繋しており、遊星キャリア40の回転を遊星運動により減速することで、駆動回転体10及び従動回転体20間の相対位相を変化させる。遊星キャリア40は、従動回転体20に設けられた対向面部27に接触面部48を接触させることにより、制動トルクを生じさることができる。故に、各回転体10,20の相対位相、ひいては機関位相を保持する際に、アクチュエータ4から遊星キャリア40に入力される入力トルクが、抑えられる。したがって、アクチュエータ4の消費電力は、低減可能となる。
【選択図】図4

Description

本発明は、内燃機関においてクランク軸からのトルク伝達によりカム軸が開閉する動弁のバルブタイミングを調整するバルブタイミング調整装置に関する。
従来、クランク軸と連動回転する駆動回転体並びにカム軸と連動回転する従動回転体に遊星歯車を連繋させ、当該遊星歯車の遊星運動によってクランク軸及びカム軸間の相対位相(以下、「機関位相」という)を変化させるバルブタイミング調整装置が、知られている。こうした構成のバルブタイミング調整装置では、例えば特許文献1に開示の構成のように、遊星歯車を支持する入力回転体が、制御アクチュエータから入力されるトルクによって回転する。入力回転体の回転は、遊星歯車の遊星運動によって減速されて、駆動回転体及び従動回転体間の相対位相を変化させている。
ここで、上述のようなバルブタイミング調整装置では、機関位相を一定に維持すべき状況が生じる。故に、特許文献1〜5に開示の装置では、機関位相を一定に維持させるために、駆動回転体と従動回転体との相対位相を保持する保持機構が追加されている。また、特許文献6に開示の装置では、上述のような保持機構の追加に伴う構成の複雑化を回避するために、相対位相の保持は、制御アクチュエータにおける入力回転体の回転を制御することにより、実現されている。
特開2010−1877号公報 特開2010−14097号公報 特開2010−281292号公報 特開2005−133544号公報 独国特許出願公開第102009019397A1号明細書 特開2010−255494号公報
さて、特許文献6に開示の装置では、入力回転体の回転が減速されて駆動回転体及び従動回転体間の相対位相を変化させているので、入力回転体と駆動回転体及び従動回転体との回転速度の差が、大きくなる。故に、入力回転体は、駆動回転体及び従動回転体と接触しないように、装置内に設けられていた。こうした構成では、入力回転体の相対回転を妨げる高いトルクを当該入力回転体に作用させることが、困難となる。よって、駆動回転体及び従動回転体間の相対位相を保持する際には、制御アクチュエータは、高いトルクを入力回転体に入力し続けなければならなくなる。故に、制御アクチュエータにて消費される電力は、高くならざるを得なかった。
本発明は、以上説明した問題に鑑みてなされたものであって、その目的は、バルブタイミング調整装置の構成の複雑化を回避しつつ、相対位相の保持のためにアクチュエータにて消費される電力を低減することにある。
上記目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、内燃機関においてクランク軸からのトルク伝達によりカム軸が開閉する動弁のバルブタイミングを調整するバルブタイミング調整装置であって、クランク軸と連動回転する駆動回転体と、カム軸と連動回転する従動回転体と、遊星キャリアを有し、遊星キャリアに入力する入力トルクを発生するアクチュエータと、遊星キャリアに支持されて駆動回転体及び従動回転体に連繋し、遊星キャリアの回転を遊星運動により減速して、駆動回転体及び従動回転体間の相対位相を変化させる遊星歯車と、を備え、遊星キャリアは、駆動回転体及び従動回転体のいずれか一方の回転体に接触する接触部、を形成することを特徴とする。
この発明では、駆動回転体及び従動回転体のいずれか一方の回転体に接触部を敢えて接触させることにより、当該一方の回転体から遊星キャリアに、当該遊星キャリアの相対回転を妨げるトルク(以下、「制動トルク」という)が作用するよう構成されている。この制動トルクは、駆動回転体及び従動回転体と遊星キャリアとの間の回転速度の差が大きくなるに従って、高くなる。故に、一方の回転体に接触部を接触させる構成では、高い制動トルクを遊星キャリアに入力させ続けることが可能となる。
そして、上述の制動トルクは、相対位相の変化を妨げる方向に作用する。故に、相対位相を保持するために必要なトルク(以下「保持トルク」という)において、制動トルクの占める割合を高められるので、アクチュエータから遊星キャリアに入力される入力トルクは、低く抑えられる。したがって、バルブタイミング調整装置は、構成の複雑化を回避されつつ、相対位相の保持のためにアクチュエータにて消費される電力を低減することができる。
請求項2に記載の発明では、接触部は、遊星キャリアの軸方向における両端面のいずれか一方に形成されることを特徴とする。
この発明のようなバルブタイミング調整装置は、内燃機関の全長短縮に寄与するため、軸方向に短くなるよう構成されている。故に、遊星キャリアの周壁面よりも軸方向のいずれか一方の端面に接触部を形成する方が、当該接触部の面積は、確保され易くなる。以上により、接触部にて生じる摩擦力を増加させ易くなるので、遊星キャリアに作用する制動トルクは向上し得る。したがって、相対位相の保持のためにアクチュエータにて消費される電力は、さらに低減可能となる。
請求項3に記載の発明では、遊星キャリアは、軸方向に沿う特定方向への移動を許容され、一方の回転体は、特定方向において接触部と対向することにより当該接触部との間にて第一隙間を形成する第一対向部、を有し、遊星歯車は、特定方向において駆動回転体と対向することにより当該駆動回転体との間にて第二隙間を形成する第二対向部、及び特定方向において従動回転体と対向することにより当該従動回転体との間にて第三隙間を形成する第三対向部、を有し、第一隙間は、第二隙間及び第三隙間よりも狭いことを特徴とする。
また請求項4に記載の発明では、一方の回転体は、特定方向とは反対の方向への移動を許容され、駆動回転体及び従動回転体のうち他方の回転体と反対方向において対向することにより、当該他方の回転体との間にて第三隙間を形成する第三対向部、を有し、第一隙間は、第三隙間よりも狭いことを特徴とする。
これらの発明のようなバルブタイミング調整装置では、互いに組み付けられた各構成間のクリアランス等に起因して、遊星キャリア及び一方の回転体は、軸方向に僅かに移動可能である。故に、遊星キャリアは、支持している遊星歯車と一体的に、軸方向に沿う特定方向への移動を許容され、一方の回転体は、特定方向とは反対の方向への移動を許容され得る。
以上の構成にて、接触部と第一対向部との間を第一隙間、遊星歯車と第二対向部との間を第二隙間、他方の回転体と一方の回転体の第三対向部との間を第三隙間、とする。そして、第一隙間を第二隙間よりも狭くすれば、遊星キャリア及び遊星歯車の特定方向への一体的な移動により、第二隙間よりも第一隙間が先に消失して、接触部は、一方の回転体の第一対向部に接触し得る。さらに、第一隙間を第三隙間よりも狭くすれば、一方の回転体の反対方向への移動により、第三隙間よりも第一隙間が先に消失して、接触部は、当該一方の回転体の第一対向部に接触し得る。
ここまで説明したように、各構成間に生じている各隙間の大きさを調整することで、一方の回転体に接触部を接触させる作動が、確実となり得る。故に、接触部にて発生する制動トルクを保持トルクとして用いることが可能となる。したがって、アクチュエータにて消費される電力を低減する効果発揮の確実性が、向上する。
請求項5に記載の発明は、カム軸から各構成間を潤滑する潤滑流体が供給されるバルブタイミング調整装置であって、駆動回転体及び従動回転体は、一方の回転体よりも特定方向に位置して潤滑流体を溜める流体室、を区画し、従動回転体は、潤滑流体を流体室に供給する供給路、を形成することを特徴とする。
この発明によれば、カム軸から供給された潤滑流体は、当該カム軸と連動回転する従動回転体の形成する供給路を通じて、駆動回転体及び従動回転体によって区画される流体室に供給される。一方の回転体は、当該回転体よりも特定方向に位置する流体室の潤滑流体の圧力を、特定方向とは反対の方向に受ける。故に、一方の回転体の第一対向部は、反対方向に位置する遊星キャリアの接触部に押し付けられる。以上により、接触部と第一対向部との間にて生じる摩擦力が増加するので、遊星キャリアに作用する制動トルクは、向上する。したがって、アクチュエータにて消費される電力は、さらに低減可能となる。
請求項6に記載の発明のバルブタイミング調整装置は、アクチュエータにおいて遊星キャリアの回転速度を制御する目標値が変化しても相対位相の保持される目標値の領域を不感帯領域とすると、不感帯領域のうちで中間よりも低い回転速度領域に属する保持値を記憶する記憶手段と、記憶手段に記憶された保持値を目標値として、遊星キャリアの回転速度が当該保持値となるようにアクチュエータを制御する制御手段と、をさらに備えることを特徴とする。
この発明のようなバルブタイミング調整装置では、各構成間に生じる摩擦等に起因して、遊星キャリアの回転速度を制御する目標値が変化しても、相対位相の保持される場合が存在し得る。このような相対位相の保持可能な目標値の領域を不感帯領域とすると、制御手段は、相対位相を保持する際に、不感帯領域のうちで中間よりも低い回転速度領域に属する保持値を目標値として、アクチュエータにおける遊星キャリアの回転速度を制御する。以上によれば、遊星キャリアの回転速度を不必要に上げるようとするアクチュエータの作動が回避されるので、当該アクチュエータにて消費される電力は、相対位相を保持可能としたうえで、低減され得る。そして、こうした制御による消費電力の低減効果が、制動トルクの作用による構造的な消費電力の低減効果と相俟って発揮されることにより、アクチュエータにて消費電力は、さらに低減可能となるのである。
本発明の第一実施形態によるバルブタイミング調整装置を示す図であって、図2のI−I線断面図である。 図1のII−II線断面図である。 図1のIII−III線断面図である。 本発明の第一実施形態の特徴的構成を説明するための図である。 図4の領域Vを拡大した拡大図である。 図4の領域VIを拡大した拡大図である。 内燃機関におけるクランク軸の回転速度とカムトルクとの相関を示す図である。 制動トルクの入力がない場合における、クランク軸の回転速度とアクチュエータの消費電力との相関を示す図である。 クランク軸の回転速度と潤滑油の圧力との相関を示す図である。 図4の変形例を示す図である。 図10の変形例を示す図である。
以下、本発明の複数の実施形態を図面に基づいて説明する。尚、各実施形態において対応する構成要素には同一の符号を付すことにより、重複する説明を省略する場合がある。各実施形態において構成の一部分のみを説明している場合、当該構成の他の部分については、先行して説明した他の実施形態の構成を適用することができる。また、各実施形態の説明において明示している構成の組み合わせばかりではなく、特に組み合わせに支障が生じなければ、明示していなくても複数の実施形態の構成同士を部分的に組み合せることができる。
(第一実施形態)
以下、本発明の第一実施形態を図面に基づいて説明する。図1に示すバルブタイミング調整装置1は、車両に搭載され、内燃機関のクランク軸(図示しない)からカム軸2へ機関トルクを伝達する伝達系に設置されている。ここで、第一実施形態のカム軸2は、内燃機関の動弁のうち吸気弁(図示しない)を機関トルクの伝達により、開閉するものである。したがって、バルブタイミング調整装置1は、クランク軸に対するカム軸2の相対位相としての機関位相を変化させることで、当該吸気弁のバルブタイミングを調整する。
(基本構成)
以下、バルブタイミング調整装置1の基本構成について説明する。バルブタイミング調整装置1は、アクチュエータ4、通電制御回路部7及び遊星歯車機構8等を組み合わせてなる。
アクチュエータ4は、例えばブラシレスモータ等の電動モータであり、内燃機関の固定節に固定されるケース5と、当該ケース5により正逆回転自在に支持される回転軸6と、遊星歯車機構8の一部となる遊星キャリア40とを有している。通電制御回路部7は、例えば駆動ドライバ及びその制御用マイクロコンピュータ等から構成され、ケース5の外部及び/又は内部に配置されてアクチュエータ4と電気的に接続されている。通電制御回路部7は、内燃機関の運転状態に応じたバルブタイミングを実現するための通電をアクチュエータ4に対して行い、回転軸6の回転駆動を制御する。
遊星歯車機構8は、駆動回転体10、従動回転体20、上述の遊星キャリア40、遊星歯車50、及び繭ばね70等によって構成されている。遊星歯車機構8は、遊星歯車50の遊星運動によって遊星キャリア40の回転速度を150分の1程度まで減速して、従動回転体20に伝達する。尚、遊星歯車機構8における減速比は、適宜変更されてよい。
図1〜3に示すように、全体として中空状の駆動回転体10は、遊星歯車機構8の最外郭を形成する要素であって、当該機構8の他の構成要素20,40,50,及び繭ばね70を内部空間に収容している。駆動回転体10は、歯車部材12及びスプロケット部材13の間に筒壁部材14を同軸上に共締めすることにより、形成されている。
図1,2に示すように、有底円筒状の歯車部材12は、歯底円の内周側に歯先円を有する駆動側内歯車部18を周壁部に形成している。図1,3に示すように段付円筒状のスプロケット部材13は、周壁部から径方向外側へ突出する複数の歯19を回転方向に等間隔に有している。スプロケット部材13は、それらの歯19とクランク軸の複数の歯との間でタイミングチェーン(図示しない)が掛け渡されることにより、クランク軸と連繋する。かかる連繋により、クランク軸の機関トルクがタイミングチェーンを通じてスプロケット部材13へ伝達されるときには、駆動回転体10はクランク軸と連動して回転する。このとき駆動回転体10の回転方向は、図2の反時計方向及び図3の時計方向となる。
有底円筒状の従動回転体20は、それよりも大径円筒状の筒壁部材14の内周側に同軸上に配置されている。図1に示すように従動回転体20は、カム軸2に同軸上に固定される固定部21を底壁部に形成している。かかる固定形態により従動回転体20は、カム軸2と連動して回転可能且つ駆動回転体10に対して相対回転可能となっている。ここで、従動回転体20の回転方向は、駆動回転体10と同じ図3の時計方向に設定されている。
図1,3に示すように従動回転体20は、歯底円の内周側に歯先円を有する従動側内歯車部22を周壁部に形成している。従動側内歯車部22の内径は駆動側内歯車部18の内径よりも小さく設定され、また従動側内歯車部22の歯数は駆動側内歯車部18の歯数よりも少なく設定されている。従動側内歯車部22は、駆動側内歯車部18に対して軸方向にずれて配置されている。
図1〜3に示すように、全体として筒状の遊星キャリア40は、周壁部のうち回転体10,20及び回転軸6と同軸上に配置される円筒面状の内周面に、連結部41を形成している。連結部41は、回転軸6に設けられた継手部43が嵌合により連結される嵌合溝部42を有している。かかる嵌合形態により遊星キャリア40は、回転軸6と一体に回転可能且つ駆動側内歯車部18に対して相対回転可能となっている。
遊星キャリア40は、各外歯車部18,22の内周側に配置され、周壁部のうち回転体10,20及び回転軸6から偏心した円筒状の外周壁面に、偏心支持部46を形成している。偏心支持部46は、転がり軸受60を介して遊星歯車50の中心孔51に嵌合することで当該歯車50を内周側から支持して、この遊星歯車50を遊星運動可能に軸受している。ここで遊星運動とは、遊星歯車50が要素10,20,6に対する偏心支持部46の偏心軸線まわりに自転しつつ、要素40,6の回転軸線まわりに公転する運動をいう。したがって、アクチュエータ4から入力される入力トルクによって回転軸6と共に遊星キャリア40が遊星歯車50の公転方向へ回転するときには、当該歯車50が遊星運動することになる。加えて、遊星キャリア40は、回転軸6に組み付けられた状態にて、軸方向に僅かに移動可能である。
全体として段付円筒状の遊星歯車50は、歯底円の外周側に歯先円を有する駆動側外歯車部52及び従動側外歯車部54を、それぞれ周壁部の大径部分及び小径部分に形成している。遊星歯車50の内周には、転がり軸受60が設けられている。転がり軸受60の内周壁部61が偏心支持部46に外嵌されることで、駆動側内歯車部18の内周側に配置される駆動側外歯車部52は、要素10,20,6に対する偏心支持部46の偏心方向にて当該内歯車部18と噛合している。加えて、駆動側外歯車部52から軸方向にずれて従動側内歯車部22の内周側に配置される従動側外歯車部54は、要素10,20,6に対する偏心支持部46の偏心方向にて当該内歯車部22と噛合している。従動側外歯車部54の外径は駆動側外歯車部52の外径よりも小さく設定され、またそれら従動側外歯車部54及び駆動側外歯車部52の歯数は、それぞれ従動側内歯車部22及び駆動側内歯車部18の歯数よりも同数ずつ少なく設定されている。
繭ばね70は、収容溝47に収容されることにより、遊星歯車50の転がり軸受60と遊星キャリア40の偏心支持部46との間に介装されている。繭ばね70は、帯状の金属製の部材を湾曲させることにより形成されており、概ねU字状の断面を有する板ばねである。一対の繭ばね70は、帯状の両端部が遊星歯車50の径方向において対向し且つそれら両端部間の開口が遊星歯車50の周方向を向くようにして、各収容溝47に収容されている。各繭ばね70の外周側の部分であって、転がり軸受60の内周壁部61と接触する付勢面部71は、当該内周壁部61を介して遊星歯車50を外周側へ付勢している。繭ばね70を収容する一対の収容溝47は、偏心支持部46のうち遊星キャリア40の中心に対して偏心方向に位置する部分を、周方向に挟むようにして設けられている。各収容溝47は、偏心支持部46におけるカム軸2側の端面からアクチュエータ4側に向かって軸方向に沿って伸びており、径方向外側の遊星歯車50に向かって開口している。
以上のように回転体10,20間を歯車連繋してなる遊星歯車機構8は、アクチュエータ4によって駆動された一体要素6,40の回転を減速することにより、駆動回転体10及び従動回転体20の間の相対位相となる機関位相に応じたバルブタイミングを実現する。具体的には、回転軸6と共に遊星キャリア40が駆動回転体10と同速に回転駆動されるときには、当該キャリア40が駆動側内歯車部18に対して相対回転しないので、遊星歯車50が遊星運動せずに回転体10,20と連れ回りする。その結果、機関位相の変化は生じないので、バルブタイミングが保持されることになる。
一方、回転軸6と共に遊星キャリア40が駆動回転体10よりも高速に回転駆動されるときには、当該キャリア40が駆動側内歯車部18に対して進角側へと相対回転することで、遊星歯車50が遊星運動する。その結果、駆動回転体10に対して従動回転体20が進角側へ相対回転するので、機関位相の進角側への変化が生じてバルブタイミングが進角することになる。
また一方、回転軸6と共に遊星キャリア40が駆動回転体10よりも低速に回転する又は駆動回転体10と反対方向へ回転駆動されるときには、当該キャリア40が駆動側内歯車部18に対して遅角側へと相対回転することで、遊星歯車50が遊星運動する。その結果、駆動回転体10に対して従動回転体20が遅角側へ相対回転するので、機関位相の遅角側への変化が生じてバルブタイミングが遅角することになる。
以上のバルブタイミング調整装置1において、通電制御回路部7により実施されるアクチュエータ4の制御について、詳しく説明する。
通電制御回路部7は、アクチュエータ4の回転軸6の回転速度を、目標値としての目標回転速度に一致させるためのフィードバック制御を実施する。具体的に、通電制御回路部7は、アクチュエータ4への通電量を示すデューティ比を、フィードバック制御の制御量として算出する。通電制御回路部7は、算出したデューティ比に基づいて、アクチュエータ4の各相巻線への通電タイミング、通電時間、実効電圧を決定し、回転軸6の回転速度が目標回転速度となるよう制御する。
ここで、目標回転速度が変化しても相対位相の変化しない不感帯が、遊星歯車機構8には生じる。この相対位相の保持される目標回転速度の領域を不感帯領域とすると、当該不感帯領域うちで最も低い目標回転速度が、最低保持回転速度となる。通電制御回路部7は、最低保持回転速度に設定された保持回転速度を保持値として記憶している。通電制御回路部7は、バルブタイミングを保持する際に、保持回転速度を上述の目標回転速度として、回転軸6の回転速度が当該保持回転速度となるように、フィードバック制御の制御量を算出する。
さらに、通電制御回路部7は、工場からの出荷時に予め記憶された初期の保持回転速度を、新たな保持回転速度にて更新することができる。初期保持回転速度は、バルブタイミング調整装置1に想定される不感帯の変動を考慮して設定された固定値であって、製造初期の遊星歯車機構8における不感帯領域の最低保持回転速度と同一又はやや高い目標回転速度に相当する値である。そして、内燃機関の長期間の使用によれば、各構成間に生じる摩擦等に起因して、不感帯は、拡張することとなる。故に、通電制御回路部7は、現在の最低保持回転速度を探し出すことにより、当該最低保持回転速度にて、記憶している保持回転速度を更新するのである。尚、探し出された最低保持回転速度がそのまま保持回転速度として設定されてもよく、又は探し出された最低保持回転速度が補正されて保持回転速度として設定されてもよい。
(特徴的構成)
次に、バルブタイミング調整装置1の特徴的構成を、図4〜図9に基づいて詳細に説明する。以下の説明では、図4に示すように、軸方向に沿ってアクチュエータ4側からカム軸2側に向かう方向を特定方向SDといい、軸方向に沿ってカム軸2側からアクチュエータ4側に向かう方向を反対方向CDという。また図5に示すように、遊星キャリア40と従動回転体20との間における軸方向の隙間を第一隙間g1とする。加えて、図6に示すように、遊星歯車50と従動回転体20との間における軸方向の隙間を第二隙間g2とし、歯車部材12と従動回転体20との間における軸方向の隙間を第三隙間g3とする。
まず、第一隙間g1について、図5に基づいて詳細に説明する。遊星キャリア40は、従動回転体20の固定部21に接触する接触面部48を有している。接触面部48は、遊星キャリア40の軸方向における両端面のうち、特定方向SDに位置する一方に形成されている。固定部21において、接触面部48の特定方向SDに位置し、当該方向SDにて接触面部48と対向している壁面部が、対向面部27である。以上の対向面部27及び接触面部48の間に、上述の第一隙間g1が形成されている。
次に、第二隙間g2及び第三隙間g3について、図6に基づいて詳細に説明する。従動回転体20は、反対方向CDを向く円環状の従動端面部28を有している。一方で、遊星歯車50は、駆動側外歯車部52及び従動側外歯車部54間における径方向の段差を形成し、反対方向CDにおいて従動端面部28と対向する円環状の段差面部57を有している。以上の従動端面部28及び段差面部57の間に、上述の第二隙間g2が形成されている。また、歯車部材12は、段差面部57の外周側に位置して、特定方向SDを向く円環状の駆動端面部15を有している。一方で、従動回転体20の従動端面部28は、歯車部材12と特定方向SDにおいて対向している。以上の駆動端面部15及び従動端面部28の間に、上述の第三隙間g3が形成されている。
図5,6に示すように、第一隙間g1は、第二隙間g2及び第三隙間g3よりも狭くされている。故に、軸方向における移動を許容された遊星キャリア40及び遊星歯車50が一体的に特定方向SDへ移動すると、第一隙間g1は、第二隙間g2よりも先に消失する。また、軸方向における移動を許容された従動回転体20が反対方向CDへ移動しても、第一隙間g1は、第三隙間g3よりも先に消失する。これらのように、遊星キャリア40及び従動回転体20が互いに近接するよう移動することにより、接触面部48は、対向面部27に接触する。
また、図4に示すように、スプロケット部材13及び筒壁部材14と従動回転体20は、協働で油圧室29を区画している。加えて、従動回転体20は、供給路24,25を形成している。油圧室29は、従動回転体20よりも特定方向SDに位置する円環状の空間である。油圧室29は、カム軸2よりも外周側に形成されており、当該カム軸2から供給される潤滑油を溜めている。
供給路24は、カム軸2においてポンプ9から潤滑油が吐出供給される二つの供給孔3に連通することで、遊星歯車機構8における各構成間の潤滑のために、潤滑流体である内燃機関用の潤滑油を回転体10、20の内部空間へ導入する。供給路24は、固定部21に円環状に形成された導入溝23から反対方向CDに延びており、反対方向CDに向かうに従って外周側に傾斜している。供給路24は、複数形成されており、導入溝23の周方向において互いに等しい間隔を開けて並んでいる。供給路25は、供給路24の外周側に位置するように、複数設けられている。供給路25は、従動回転体20の底壁部と周壁部との間から油圧室29まで延びており、特定方向SDに向かうに従って外周側に傾斜している。
以上の各供給路24,25の形態により、カム軸2から導入溝23に供給される潤滑油は、当該潤滑油に作用している圧力及び遠心力にて供給路24及び供給路25を順に流通し、外周側に移動する。こうして、油圧室29に供給された潤滑油の圧力(以下、「油圧」という)OPは、スプロケット部材13に対し従動回転体20を反対方向CDに押す。油圧OPの作用によって反対方向CDに移動する従動回転体20は、対向面部27を接触面部48に押し付ける。
また、駆動側内歯車部18及び従動側内歯車部22に噛み合う駆動側外歯車部52及び従動側外歯車部54には、動力の伝達に際し、内周側へのラジアル荷重Fr1,Fr2が作用する。故に、例えばカム軸2に大きなカムトルクが入力されたとき等、各歯車部の各噛み合い部分にて生じる各ラジアル荷重Fr1,Fr2の差が増大すると、遊星キャリア40及び遊星歯車50の一体要素には、当該一体要素40,50を傾動させるモーメントMが作用する。こうしたモーメントMの作用によって特定方向SDのスラスト力を受けて特定方向SDに移動する一体要素40,50は、接触面部48を対向面部27に押し付ける。
ここまで説明した第一実施形態によれば、対向面部27及び接触面部48を敢えて接触させることで、従動回転体20から遊星キャリア40には、当該キャリア40の従動回転体20に対する相対回転を妨げる制動トルクが作用する。遊星歯車機構8によって遊星キャリア40の回転速度が減速されているので、従動回転体20及び遊星キャリア40の回転速度の差は、非常に大きくなる。故に、接触面部48及び対向面部27の接触により、高い制動トルクが遊星キャリア40に作用し続ける。
以上により、各回転体10,20の相対位相を保持するために必要な保持トルクにおいて、制動トルクの占める割合を高めることが可能となる。よって、相対位相を保持する際に、アクチュエータ4から遊星キャリア40に入力される入力トルクは、低く抑えられる。したがって、バルブタイミング調整装置1は、構成の複雑化を回避されつつ、相対位相の保持のためにアクチュエータ4にて消費される電力を低減することができる。
また、図7に示すように、カム軸2に作用するカムトルクの平均は、クランク軸の回転速度に係わらず、ほぼ一定となる。故に、カムトルクと釣り合うように回転軸6に入力される入力トルクも、クランク軸の回転速度に係わらず、ほぼ一定となる。ここで、アクチュエータ4による仕事は、回転軸6に入力する入力トルクと、回転軸6の回転速度との積である。故に、図8に示すように、各回転体10,20の相対位相を保持するためにアクチュエータ4がすべき仕事は、クランク軸の回転速度に比例して増加する。
そこで、第一実施形態では、油圧を使用して対向面部27を接触面部48に押し付ける構成とする。内燃機関にて潤滑油を圧送しているポンプ9がクランク軸によって駆動さることによれば、図9に示すように、ポンプ9によって供給される潤滑油の圧力は、クランク軸の回転速度に比例して増加する。以上により、クランク軸の回転速度の上昇に従って対向面部27が接触面部48に強く押し付けられるので、これらの間に生じる摩擦力の増加によって遊星キャリア40に作用する制動トルクは、高くなる。
以上のように、クランク軸の回転速度の増加に合わせて制動トルクが高くなることにより、回転速度の上昇に伴うアクチュエータ4の仕事の増加は、抑制されることとなる。したがって、消費電力の高まる内燃機関の高速運転時においても、アクチュエータ4にて消費される電力は、低減可能となる。
加えて第一実施形態のようなバルブタイミング調整装置1は、内燃機関の全長短縮に寄与するため、軸方向に短くなるよう構成されている。故に、遊星キャリア40の軸方向の端面に接触面部48を形成することで、当該接触面部48の面積は、確保され易くなる。以上により、接触面部48にて生じる摩擦力を増加させ易くなるので、遊星キャリア40に作用する制動トルクは向上し得る。
さらに、各構成間に生じている各隙間g1〜g3の大きさを調整することで、対向面部27に接触面部48を接触させる作動が、確実となり得る。以上により、接触面部48にて発生する制動トルクを保持トルクとして用いることが可能となるので、アクチュエータ4にて消費される電力を低減する効果発揮の確実性は、さらに向上するのである。
また加えて目標回転速度として最低保持回転速度が設定される第一実施形態では、遊星キャリア40の回転速度を不必要に上げるようとするアクチュエータ4の作動が回避される。故に、アクチュエータ4にて消費される電力は、相対位相を保持可能としたうえで、低減され得る。こうした制御による消費電力の低減効果が、制動トルクの作用による構造的な消費電力の低減効果と相俟って発揮されることにより、アクチュエータ4にて消費電力は、さらに低減可能となるのである。
尚、第一実施形態において、通電制御回路部7が特許請求の範囲に記載の「記憶手段」及び「制御手段」に相当し、駆動回転体10が特許請求の範囲に記載の「他方の回転体」に相当し、従動回転体20が特許請求の範囲に記載の「一方の回転体」に相当し、対向面部27が特許請求の範囲に記載の「第一対向部」に相当し、従動端面部28が特許請求の範囲に記載の「第三対向部」に相当し、油圧室29が特許請求の範囲に記載の「流体室」に相当し、接触面部48が特許請求の範囲に記載の「接触部」に相当し、段差面部57が特許請求の範囲に記載の「第二対向部」に相当する。
(第二実施形態)
図10に示すように、本発明の第二実施形態は第一実施形態の変形例である。以下の説明では、軸方向に沿ってカム軸2側からアクチュエータ4側に向かう方向を特定方向SDといい、軸方向に沿ってアクチュエータ4側からカム軸2側に向かう方向を反対方向CDという。また、遊星キャリア240と歯車部材12との間における軸方向の隙間を第一隙間g1とし、遊星歯車50と歯車部材12との間における軸方向の隙間を第二隙間g2とする。
まず、第一隙間g1について説明する。第一隙間g1は、接触面部248及び対向面部217の間に形成されている。接触面部248は、遊星キャリア240の軸方向における両端面のうち、特定方向SDに位置する一方に形成されている。一方で、対向面部217は、歯車部材12の底壁部において接触面部248の特定方向SDに位置する領域に形成されている。第一隙間g1は、第二隙間g2よりも狭くされている。
次に、第二隙間g2について説明する。第二隙間g2は、駆動支持端面部216a及び遊星支持端面部256aの間に形成されている。駆動支持端面部216aは、歯車部材12において転がり軸受260によって支持されている内周壁部216に設けられている。駆動支持端面部216aは、内周壁部216の軸方向における両端面のうち、反対方向CDに位置する一方に形成されている。一方で、遊星支持端面部256aは、遊星歯車50において中心孔51を形成している内周壁部256に設けられている。遊星支持端面部256aは、内周壁部256の軸方向における両端部のうち、特定方向SDに位置する一方に形成されている。
以上の構成では、遊星キャリア240及び遊星歯車50が一体的に特定方向SDへ移動すると、第一隙間g1は、第二隙間g2よりも先に消失する。故に、接触面部248は、対向面部217に確実に接触し得る。以上により、第二実施形態においても、遊星キャリア240の駆動回転体10に対する相対回転を妨げる制動トルクが、当該キャリア240に作用することとなる。こうした制動トルクの作用によって遊星キャリア240に入力される入力トルクが低く抑えられるので、相対位相の保持のためにアクチュエータ4にて消費される電力は、低減されるのである。
尚、第二実施形態において、駆動回転体10が特許請求の範囲に記載の「一方の回転体」に相当し、対向面部217が特許請求の範囲に記載の「第一対向部」に相当し、接触面部248が特許請求の範囲に記載の「接触部」に相当し、遊星支持端面部256aが特許請求の範囲に記載の「第二対向部」に相当する。
(第三実施形態)
図11に示すように、本発明の第三実施形態は第二実施形態の変形例である。第三実施形態における第一隙間g1は、接触面部348及び駆動支持端面部216aの間に形成されている。接触面部348は、遊星キャリア340に設けられた鍔部349に形成されている。鍔部349は、転がり軸受60及び転がり軸受260の間にて、偏心支持部46から外周側に円盤状に突出している。接触面部348は、鍔部349の軸方向における両面のうち、特定方向SDに位置する一方に形成されている。接触面部348は、駆動支持端面部216aの反対方向CDにて、当該端面部216aと対向している。
以上の構成では、遊星キャリア340及び遊星歯車50が一体的に特定方向SDへ移動すると、接触面部348は、駆動支持端面部216aに接触する。以上により、第三実施形態においても、駆動回転体10に対する遊星キャリア340の相対回転を妨げる制動トルクを、当該キャリア340に作用させることが可能となる。こうした制動トルクによって遊星キャリア340に入力される入力トルクが低く抑えられるので、相対位相の保持のためにアクチュエータ4にて消費される電力は、低減されるのである。
尚、第三実施形態において、駆動支持端面部216aが特許請求の範囲に記載の「第一対向部」に相当し、接触面部348が特許請求の範囲に記載の「接触部」に相当する。
(他の実施形態)
以上、本発明による複数の実施形態について説明したが、本発明は、上記実施形態に限定して解釈されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々の実施形態及び組み合わせに適用することができる。
上記実施形態において、「接触部」は、遊星キャリアに設けられた軸方向を向く端面に形成されていた。しかし、「接触部」の向き、形状、及び位置等は、適宜変更されていてよい。例えば「接触部」は、外周側に向かうに従って特定方向SDに傾斜する傾斜面部であってもよく、又は周方向に延びる外周面部であってもよい。さらに、複数の「接触部」が、遊星キャリアに設けられていてもよい。
上記実施形態における「第二隙間」及び「第三隙間」の位置は、適宜変更されてよい。遊星歯車と一方の回転体との間に生じる軸方向の隙間のうちで最も狭いものが、「第二隙間」となる。また、駆動回転体と従動回転体との間に生じる軸方向の隙間のうちで最も狭いものが、「第三隙間」となる。
上記実施形態において、通電制御回路部7は、現在の最低保持回転速度を探し出すことにより、当該最低保持回転速度にて保持回転速度を更新していた。このような最低保持回転速度を探し出す処理は、例えば目標値としての保持回転速度を徐々に減少させ、相対位相が遅角を開始したときの目標値を、最低保持回転速度として検出するものであってもよい。又は、当該処理は、目標値としての保持回転速度を徐々に増加させ、相対位相が遅角を停止したときの目標値を、最低保持回転速度として検出するものであってもよい。バルブタイミング調整装置1は、特許文献6に記載の処理を通電制御回路部7にて実施することにより、アクチュエータ4にて消費される電力をさらに低減できるのである。
尚、通電制御回路部7に予め記憶された初期の保持回転速度は、更新されなくてもよい。また、保持回転速度が更新される形態においても、更新される保持回転速度は、不感帯領域のうちで中間よりも低い回転速度領域に属する保持回転速度であれば、最低保持回転速度でなくてもよい。
そして、本発明は、吸気弁のバルブタイミングを調整する装置以外にも、「動弁」としての排気弁のバルブタイミングを調整する装置や、吸気弁及び排気弁の双方のバルブタイミングを調整する装置に適用できる。
1 バルブタイミング調整装置、2 カム軸、3 供給孔、4 アクチュエータ、6 回転軸、7 通電制御回路部(更新手段,制御手段)、8 遊星歯車機構、9 ポンプ、10 駆動回転体(他方の回転体,一方の回転体)、12 歯車部材、13 スプロケット部材、14 筒壁部材、15 駆動端面部、216a 駆動支持端面部(第一対向部)、217 対向面部(第一対向部)、20 従動回転体(一方の回転体)、24,25 供給路、27 対向面部(第一対向部)、28 従動端面部(第三対向部)、29 油圧室(流体室)、40,240,340 遊星キャリア、46 偏心支持部、48,248,348 接触面部(接触部)、349 鍔部、50 遊星歯車、256a 遊星支持端面部(第二対向部)、57 段差面部(第二対向部)、60,260 転がり軸受、Fr1,Fr2 ラジアル荷重、g1 第一隙間、g2 第二隙間、g3 第三隙間、SD 特定方向、CD 反対方向

Claims (6)

  1. 内燃機関においてクランク軸からのトルク伝達によりカム軸が開閉する動弁のバルブタイミングを調整するバルブタイミング調整装置であって、
    前記クランク軸と連動回転する駆動回転体と、
    前記カム軸と連動回転する従動回転体と、
    遊星キャリアを有し、前記遊星キャリアに入力する入力トルクを発生するアクチュエータと、
    前記遊星キャリアに支持されて前記駆動回転体及び前記従動回転体に連繋し、前記遊星キャリアの回転を遊星運動により減速して、前記駆動回転体及び前記従動回転体間の相対位相を変化させる遊星歯車と、を備え、
    前記遊星キャリアは、前記駆動回転体及び前記従動回転体のいずれか一方の回転体に接触する接触部、を形成することを特徴とするバルブタイミング調整装置。
  2. 前記接触部は、前記遊星キャリアの軸方向における両端面のいずれか一方に形成されることを特徴とする請求項1に記載のバルブタイミング調整装置。
  3. 前記遊星キャリアは、軸方向に沿う特定方向への移動を許容され、
    前記一方の回転体は、前記特定方向において前記接触部と対向することにより、当該接触部との間にて第一隙間を形成する第一対向部、を有し、
    前記遊星歯車は、前記特定方向とは反対の反対方向において前記一方の回転体と対向することにより、当該回転体との間にて第二隙間を形成する第二対向部、を有し、
    前記第一隙間は、前記第二隙間よりも狭いことを特徴とする請求項2に記載のバルブタイミング調整装置。
  4. 前記一方の回転体は、前記反対方向への移動を許容され、前記駆動回転体及び前記従動回転体のうち他方の回転体と前記特定方向において対向することにより、当該他方の回転体との間にて第三隙間を形成する第三対向部、を有し、
    前記第一隙間は、前記第三隙間よりも狭いことを特徴とする請求項3に記載のバルブタイミング調整装置。
  5. 前記カム軸から各構成間を潤滑する潤滑流体が供給されるバルブタイミング調整装置であって、
    前記駆動回転体及び前記従動回転体は、前記一方の回転体よりも前記特定方向に位置して前記潤滑流体を溜める流体室、を区画し、
    前記従動回転体は、前記潤滑流体を前記流体室に供給する供給路、を形成することを特徴とする請求項3又は4に記載のバルブタイミング調整装置。
  6. 前記アクチュエータにおいて前記遊星キャリアの回転速度を制御する目標値が変化しても前記相対位相の保持される当該目標値の領域を不感帯領域とすると、当該不感帯領域のうちで中間よりも低い回転速度領域に属する保持値を記憶する記憶手段と、
    前記記憶手段に記憶された前記保持値を前記目標値として、前記遊星キャリアの回転速度が当該保持値となるように前記アクチュエータを制御する制御手段と、
    をさらに備えることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載のバルブタイミング調整装置。
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