JP2013083171A - バルブタイミング調整装置 - Google Patents

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JP2013083171A JP2011222146A JP2011222146A JP2013083171A JP 2013083171 A JP2013083171 A JP 2013083171A JP 2011222146 A JP2011222146 A JP 2011222146A JP 2011222146 A JP2011222146 A JP 2011222146A JP 2013083171 A JP2013083171 A JP 2013083171A
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Abstract

【課題】異音及び磨耗の発生を回避するバルブタイミング調整装置の提供。
【解決手段】遊星歯車50は、クランク軸と連動して回転する駆動側内歯車部18と噛み合う駆動側外歯車部52が形成された駆動側歯車部材53と、及びカム軸2と連動して回転する従動側内歯車部22と噛み合う従動側外歯車部54が形成された従動側歯車部材55とに、分割されている。駆動側外歯車部52は、駆動側弾性部材71によって駆動側内歯車部18に付勢される。また、従動側外歯車部54は、従動側弾性部材72によって従動側内歯車部22に付勢される。このような、各弾性部材71,72による個別の付勢が可能とされることにより、各歯車部におけるバックラッシの消滅した状態が維持される。したがって、歯車部同士の衝突が抑制されるので、バルブタイミング調整装置1における異音及び磨耗の発生は、回避される。
【選択図】図1

Description

本発明は、内燃機関においてクランク軸からのトルク伝達によりカム軸が開閉する動弁のバルブタイミングを調整するバルブタイミング調整装置に関する。
従来、クランク軸と連動して回転する回転体及びカム軸と連動して回転する回転体の間を遊星歯車機構により連繋させて、それら回転体間の相対位相に基づきバルブタイミングを調整するようにしたバルブタイミング調整装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
この種のバルブタイミング調整装置では、クランク軸の連動回転体に設けた第一歯車部とカム軸の連動回転体に設けた第二歯車部とに対し、遊星回転体に設けた第三歯車部と第四歯車部とを、それぞれ偏心状態で噛合させている。これにより、コンパクトな設計で大きな減速比を得ることができるので、内燃機関に設置されるバルブタイミング調整装置として好適となるのである。
また、特許文献1のようなバルブタイミング調整装置において、第一歯車部及び第三歯車部の噛合部分と第二歯車部及び第四歯車部の噛合部分とには、製造公差等に起因するバックラッシが不可避的に存在する。こうしたバックラッシは、歯車部同士の衝突による異音や磨耗の発生要因となるため、除去されることが望ましい。そこで、特許文献1のバルブタイミング調整装置では、遊星回転体とこの遊星回転体を支持する遊星キャリアとの間に、遊星回転体を外周側へ付勢する弾性部材が介装されている。
上述の構成において、弾性部材により外周側へ付勢される遊星回転体は、第一歯車部及び第三歯車部の噛み合い部分と第二歯車部及び第四歯車部の噛み合い部分とのうちの一方を支点として、他方の側へ傾動する。これにより、支点側となる噛み合い部分だけでなく、傾動側の噛み合い部分においてもバックラッシが消滅し得る。以上により、歯車部同士の衝突が抑制されることにより、異音及び磨耗の発生は回避可能となる。
特許第4360426号公報
さて、上述のようなバルブタイミング調整装置では、クランク軸の連動回転体とカム軸の連動回転体との間においてトルクが伝達される際に、第三歯車部及び第四歯車部には、これらに噛み合う第一歯車部及び第二歯車部から内周側へラジアル荷重が作用する。故に、例えばカム軸に大きなカムトルクが入力されたとき、各噛み合い部分にて第三歯車部及び第四歯車部に作用するラジアル荷重の差が、増大する。このような各噛み合い部分にて生じるラジアル荷重の差は、遊星回転体を傾動させる。
ここで、特許文献1のバルブタイミング調整装置では、一つの弾性部材が作用させる付勢力によって遊星回転体を傾動させることにより、各噛み合い部分のバックラッシュは、纏めて除去されている。故に、トルク伝達の際に各噛み合い部分にて生じる内周側へのラジアル荷重の差が増大すると、遊星回転体は、弾性部材の付勢力によって付与される傾動の姿勢であって、各噛み合い部分のバックラシを共に除去する姿勢を、維持できなくなる。以上によれば、いずれか一方の噛み合い部分に、異音及び磨耗の原因となるバックラッシが生じ得る。
本発明は、以上説明した問題に鑑みてなされたものであって、その目的は、異音及び磨耗の発生を回避するバルブタイミング調整装置を提供することにある。
上記目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、内燃機関においてクランク軸からのトルク伝達によりカム軸が開閉する動弁のバルブタイミングを調整するバルブタイミング調整装置であって、駆動歯車部を有し、クランク軸と連動して回転する駆動回転体と、駆動歯車部に対し軸方向にずれて配置される従動歯車部を有し、カム軸と連動して回転する従動回転体と、第一遊星歯車部及び第二遊星歯車部を有し、それら第一遊星歯車部及び第二遊星歯車部がそれぞれ駆動歯車部及び従動歯車部に対し偏心して噛み合いつつ一体に遊星運動することにより、駆動回転体及び従動回転体の間の相対位相を変化させる遊星回転体と、遊星回転体を内周側から支持する遊星キャリアと、遊星回転体及び遊星キャリアの間に介装され、遊星回転体を外周側へ付勢する付勢手段と、を備え、遊星回転体は、駆動歯車部と噛み合う第一遊星歯車部が形成される第一遊星部材、及び従動歯車部と噛み合う第二遊星歯車部が形成され、第一遊星部材の径方向への相対変位を許容しつつ当該第一遊星部材と一体に遊星運動する第二遊星部材、を有し、付勢手段は、第一遊星部材及び遊星キャリアの間に介装され、第一遊星歯車部を駆動歯車部へ付勢する第一弾性部材、並びに第二遊星部材及び遊星キャリアの間に介装され、第二遊星歯車部を従動歯車部へ付勢する第二弾性部材、を有するバルブタイミング調整装置とする。
この発明によれば、遊星回転体において、第一遊星部材及び第二遊星部材は一体に遊星運動することができる。故に、遊星回転体の遊星運動により、駆動回転体及び従動回転体の間の相対位相は変化可能となる。また、遊星回転体において、第二遊星部材及び第一遊星部材の間における径方向への相対変位が許容されている。故に、第一遊星部材と遊星キャリアの間に介装された第一弾性部材による第一遊星歯車部の駆動歯車部への付勢と、第二遊星部材及び遊星キャリアの間に介装された第二弾性部材による第二遊星歯車部の従動歯車部への付勢とが、個別に実施可能となる。以上により、第一遊星歯車部及び駆動歯車部の噛み合い部分におけるバックラッシ、並びに第二遊星歯車部及び従動歯車部の間の噛み合い部分におけるバックラッシが、それぞれ消滅し得る。
以上の構成では、トルク伝達の際に各噛み合い部分にて生じる内周側へのラジアル荷重の差が増大しても、第一及び第二弾性部材によって個別に加えられる付勢力により、これらの噛み合い部分のバックラシを共に消滅させた状態は、維持され得る。したがって、歯車部同士の衝突が抑制されるので、バルブタイミング調整装置における異音及び磨耗の発生は、回避される。
請求項2に記載の発明では、遊星回転体は、第一遊星部材及び第二遊星部材のうち一方の部材から突出する突起部と、第一遊星部材及び第二遊星部材のうち他方の部材に設けられ、突起部を径方向に移動可能に収容する孔部と、を有し、第一遊星部材及び第二遊星部材は、孔部内における突起部の移動により径方向への相対変位を許容しつつ、突起部及び孔部の相互の接触により一体で遊星運動することを特徴とする。
この発明では、第一遊星部材及び第二遊星部材のうち一方の部材から突出する突起部が、第一遊星部材及び第二遊星部材のうち他方の部材に設けられる孔部に、遊星回転体の径方向に移動可能な状態にて、収容される。以上の形態では、孔部内における突起部の移動によって、第一遊星部材及び第二遊星部材は、径方向への相対変位を許容される。加えて、第一遊星部材に作用するトルクにより突起部が孔部に相互に接触するので、第一遊星部材及び第二遊星部材は、一体での遊星運動によるトルク伝達が可能となる。したがって、突起部と孔部という簡素な構成により、相対変位を許容しつつ一体で遊星運動する第一遊星部材及び第二遊星部材が、実現可能となる。
請求項3に記載の発明では、第一弾性部材が第一遊星部材に作用させる付勢力の第一作用線は、第二弾性部材が第二遊星部材に作用させる付勢力の第二作用線に対し、ねじれの位置にあることを特徴とする。
この発明によれば、第一弾性部材による付勢力の第一作用線が、第二弾性部材による付勢力の第二作用線に対しねじれの位置にあるので、第一遊星部材に作用する付勢力は、第二遊星部材に作用する付勢力に対して、遊星回転体の周方向にずれた方向に作用する。故に、第一遊星部材及び第二遊星部材のうち一方の部材に設けられた突起部と他方の部材に形成された孔部とは、これら第一遊星部材及び第二遊星部材に対し異なる方向に作用する付勢力によって互いに押し付けられて、接触した状態を維持し得る。したがって、突起部と孔部との衝突に起因する異音及び磨耗の発生が、回避される。
請求項4に記載の発明では、孔部は、第一遊星部材及び第二遊星部材のうち他方の部材に円筒孔状に形成されることを特徴とする。
上述したように、第一遊星部材に作用する付勢力の方向と第二遊星部材に作用する付勢力の方向とを遊星回転体の周方向にずらす構成では、突起部及び孔部は、相互に接触した状態を維持し得る。故に、孔部の形状は、形成の容易な円筒孔状とされることが望ましい。以上の構成によれば、異音及び磨耗の発生を回避可能なバルブタイミング調整装置の提供が、容易となる。
ここで、トルク伝達の際に駆動歯車部から第一遊星歯車部に作用するラジアル荷重は、駆動歯車部に対し偏心する第一遊星歯車部の偏心方向に沿っている。同様に、従動歯車部から第二遊星歯車部に作用するラジアル荷重は、従動歯車部に対し偏心する第二遊星歯車部の偏心方向に沿っている。
そこで、請求項5に記載の発明では、第一弾性部材が第一遊星部材に作用させる付勢力の第一作用線は、第二弾性部材が第二遊星部材に作用させる付勢力の第二作用線に沿い、第一遊星歯車部及び第二遊星歯車部がそれぞれ駆動歯車部及び従動歯車部に対し偏心する偏心方向は、第一作用線及び第二作用線に沿うことを特徴とする。
この発明のように、第二作用線に第一作用線が沿う形態では、偏心方向も、これら第二作用線及び第一作用線の向きに沿う方向とされるのがよい。以上の形態では、第一弾性部材による付勢力は、第一遊星歯車部に作用するラジアル荷重と対向するので、当該ラジアル荷重を打ち消して、駆動歯車部及び第一遊星歯車部の間のバックラッシを効果的に消滅させることができる。また、第二弾性部材による付勢力は、第二遊星歯車部に作用するラジアル荷重と対向するので、当該ラジアル荷重を打ち消して、従動歯車部及び第二遊星歯車部の間のバックラッシを効果的に消滅させることができる。これらにより、各歯車部同士の衝突が抑制されるので、バルブタイミング調整装置における異音及び磨耗の発生は、確実に回避可能となる。
一方で、請求項6に記載の発明では、第一弾性部材が第一遊星部材に作用させる付勢力の第一作用線は、第二弾性部材が第二遊星部材に作用させる付勢力の第二作用線に対し、ねじれの位置にあり、第一遊星歯車部及び第二遊星歯車部がそれぞれ駆動歯車部及び従動歯車部に対し偏心する偏心方向は、遊星回転体の周方向において、第一作用線と第二作用線との間に向かう方向であることを特徴とする。
この発明のように、第二作用線に対し第一作用線がねじれの位置にある形態では、偏心方向は、遊星回転体の周方向において、これら第二作用線と第一作用線との間に向かう方向とされるのがよい。以上の形態では、偏心方向に沿って第一遊星歯車部に作用するラジアル荷重と対向する力の成分を、第一弾性部材による付勢力は有する。故に、第一弾性部材による付勢力は、第一遊星歯車部に作用するラジアル荷重を打ち消して、駆動歯車部及び第一遊星歯車部の間のバックラッシの除去を継続し得る。また、偏心方向に沿って第二遊星歯車部に作用するラジアル荷重と対向する力の成分を、第二弾性部材による付勢力は有する。故に、第二弾性部材による付勢力は、第二遊星歯車部に作用するラジアル荷重を打ち消して、従動歯車部及び第二遊星歯車部の間のバックラッシの除去を継続し得る。これらにより、各歯車部同士の衝突が抑制されるので、バルブタイミング調整装置における異音及び磨耗の発生は、確実に回避可能となる。
請求項7に記載の発明では、遊星回転体は、第一遊星部材及び第二遊星部材のうち一方の部材から突出する突起部と、第一遊星部材及び第二遊星部材のうち他方の部材に設けられ、遊星回転体の周方向において突起部を挟持しつつ、偏心方向に沿って突起部を移動可能に収容する孔部と、を有し、第一遊星部材及び第二遊星部材は、孔部内における突起部の移動により偏心方向への相対変位を許容しつつ、突起部が孔部を挟持した状態にて一体で遊星運動することを特徴とする。
この発明のように、突起部及び孔部という簡素な構成によって、偏心方向への相対変位を許容しつつ一体で遊星運動する第一遊星部材及び第二遊星部材を実現する形態では、周方向に突起部を挟持しつつ偏心方向に沿って突起部を移動可能に収容する孔部が、望ましい。具体的には、突起部を円柱状としたうえで、孔部は、遊星回転体の周方向に沿った内法よりも偏心方向に沿った内法が大きい長孔状とされるのがよい。
以上の構成によれば、第一遊星部材及び第二遊星部材の間における相対変位は、遊星回転体の偏心方向に沿って許容される。故に、第一弾性部材による第一遊星歯車部の付勢と、第二弾性部材による第二遊星歯車部の付勢とが、互いに妨げ合うことなく、個別且つ確実に実施可能となる。以上により、各噛み合い部分におけるバックラッシが共に消滅し得るので、バルブタイミング調整装置における異音及び磨耗を回避する効果は、確実に発揮される。
請求項8に記載の発明では、第一遊星歯車部が駆動歯車部に対し偏心する第一偏心方向は、第二遊星歯車部が従動歯車部に対し偏心する第二偏心方向に対して、遊星回転体の周方向にずれており、第一弾性部材は、第一偏心方向に沿って第一遊星部材に付勢力を作用させ、第二弾性部材は、第二偏心方向に沿って第二遊星部材に付勢力を作用させることを特徴とする。
この発明では、駆動歯車部から第一遊星歯車部に作用するラジアル荷重の向きは、駆動歯車部に対する第一遊星歯車部の第一偏心方向と対向する。故に、第一偏心方向に沿って第一遊星部材に付勢力を作用させることにより、第一弾性部材は、第一遊星歯車部に作用するラジアル荷重を打ち消して、駆動歯車部及び第一遊星歯車部の間のバックラッシを効果的に消滅させることができる。
また、従動歯車部から第二遊星歯車部に作用するラジアル荷重の向きは、従動歯車部に対する第二遊星歯車部の第二偏心方向と対向する。故に、第一偏心方向に沿って第一遊星部材に付勢力を作用させることにより、第二弾性部材は、第二遊星歯車部に作用するラジアル荷重を打ち消して、駆動歯車部及び第一遊星歯車部の間のバックラッシを効果的に消滅させることができる。
これらにより、第一偏心方向と第二偏心方向とが周方向にずれた形態であっても、各弾性部材の付勢力の作用方向を各偏心方向に合わせることにより、各噛み合い部分におけるバックラッシは、共に消滅し得る。以上により、各歯車部同士の衝突が抑制されるので、バルブタイミング調整装置における異音及び磨耗の発生は、確実に回避可能となる。
請求項9に記載の発明では、遊星回転体は、第一遊星部材及び第二遊星部材のうち一方の部材から突出する突起部と、第一遊星部材及び第二遊星部材のうち他方の部材に設けられ、遊星回転体の周方向において突起部を挟持しつつ、第一偏心方向及び第二偏心方向の間に向かう中間方向に沿って突起部を移動可能に収容する孔部と、を有し、第一遊星部材及び第二遊星部材は、孔部内における突起部の移動により中間方向への相対変位を許容しつつ、突起部が孔部を挟持した状態にて一体で遊星運動することを特徴とする。
上述のように、各弾性部材の付勢力の作用方向を各偏心方向に合わせる構成では、孔部は、第一偏心方向及び第二偏心方向の中間方向に沿って突起部を移動可能に収容することが望ましい。以上の構成では、第一偏心方向及び第二偏心方向の間に向かう中間方向に沿った突起部の移動により、第一遊星部材が第二遊星部材に対し第一偏心方向に相対変位可能となると共に、第二遊星部材も第一遊星部材に対して第二偏心方向に相対変位可能となる。故に、第一弾性部材による第一遊星歯車部の付勢と、第二弾性部材による第二遊星歯車部の付勢とが、互いに妨げ合うことなく、個別且つ確実に実施可能となる。以上により、各噛み合い部分におけるバックラッシを共に消滅させることができるので、異音及び磨耗を回避する効果は、確実に発揮される。
請求項10に記載の発明では、遊星回転体は、第一遊星部材及び第二遊星部材のうち一方の部材から突出する突起部と、第一遊星部材及び第二遊星部材のうち他方の部材に設けられ、突起部を移動可能に収容する孔部と、を有し、遊星回転体は、一方の部材に凹部を形成し、凹部に内嵌されることにより、一方の部材から突出して突起部を形成するピン部材、を有することを特徴とする。
この発明のように、孔部内にて移動可能なように形成される突起部には、高い寸法精度が要求される。そこで、第一遊星部材及び第二遊星部材とは別体のピン部材によって突起部を設ける。これにより、突起部の形状の精度、ひいては突起部及び孔部の間のクリアランスの精度が、確保され易くなる。以上により、各遊星部材間の円滑な相対変位が可能となるので、バルブタイミング調整装置における異音及び磨耗の発生回避の確実性は、向上する。
請求項11に記載の発明では、第二遊星歯車部は、遊星回転体において第一遊星歯車部よりも内周側に配置され、第二弾性部材は、第一遊星歯車部を駆動歯車部へ付勢する第一弾性部材の付勢力よりも強い付勢力によって、第二遊星歯車部を従動歯車部へ付勢することを特徴とする。
この発明のように、遊星回転体において、第一遊星歯車部よりも内周側に第二遊星歯車部が配置される形態では、第二遊星歯車部に従動歯車部から作用するラジアル荷重は、第一遊星歯車部に駆動歯車部から作用するラジアル荷重よりも、大きくなる。そこで、第二弾性部材によって第二遊星歯車部を従動歯車部へ付勢する付勢力が、第一弾性部材によって第一遊星歯車部を駆動歯車部へ付勢する付勢力よりも強くされる。以上により、第二遊星歯車部に作用するラジアル荷重が増大しても、第二遊星歯車部及び従動歯車部の間の噛み合い部分におけるバックラッシの消滅した状態は、維持され得る。したがって、バルブタイミング調整装置における異音及び磨耗の発生回避の確実性は、向上する。
本発明の第一実施形態によるバルブタイミング調整装置を示す図であって、図2のI−I線断面図である。 図1のII−II線断面図である。 図1のIII−III線断面図である。 本発明の第一実施形態の特徴部分である遊星歯車の構成を説明するための図であって、図5のIV−IV線断面図である。 駆動側歯車部材の構成を示す部品図であって、図4のV−V線断面図である。 従動側歯車部材の構成を示す部品図であって、図4のVI−VI線断面図である。 従動側歯車部材の要部を拡大して示す拡大図である。 本発明の第二実施形態によるバルブタイミング調整装置を示す図であって、図2の変形例を示す図である。 図3の変形例を示す図である。 図7の変形例を示す図である。 本発明の第三実施形態によるバルブタイミング調整装置を示す図であって、図8の変形例を示す図である。 図9の変形例を示す図である。 図10の変形例を示す図である。 本発明の第四実施形態における従動側歯車部材の要部を拡大して示す拡大図であって、図10の別の変形例を示す図である。
以下、本発明の複数の実施形態を図面に基づいて説明する。尚、各実施形態において対応する構成要素には同一の符号を付すことにより、重複する説明を省略する場合がある。各実施形態において構成の一部分のみを説明している場合、当該構成の他の部分については、先行して説明した他の実施形態の構成を適用することができる。また、各実施形態の説明において明示している構成の組み合わせばかりではなく、特に組み合わせに支障が生じなければ、明示していなくても複数の実施形態の構成同士を部分的に組み合せることができる。
(第一実施形態)
以下、本発明の第一実施形態を図面に基づいて説明する。図1は、本発明の第一実施形態によるバルブタイミング調整装置1を示している。バルブタイミング調整装置1は車両に搭載され、内燃機関のクランク軸(図示しない)からカム軸2へ機関トルクを伝達する伝達系に設置されている。ここで、本実施形態のカム軸2は、内燃機関の動弁のうち吸気弁(図示しない)を機関トルクの伝達により、開閉するものである。したがって、バルブタイミング調整装置1は、クランク軸に対するカム軸2の回転位相としての機関位相を変化させることで、当該吸気弁のバルブタイミングを調整する。
(基本構成)
以下、バルブタイミング調整装置1の基本構成について説明する。バルブタイミング調整装置1は、アクチュエータ4、通電制御回路部7及び遊星歯車機構8等を組み合わせてなる。
アクチュエータ4は、例えばブラシレスモータ等の電動モータであり、内燃機関の固定節に固定されるケース5と、当該ケース5により正逆回転自在に支持される回転軸6とを有している。通電制御回路部7は、例えば駆動ドライバ及びその制御用マイクロコンピュータ等から構成され、ケース5の外部及び/又は内部に配置されてアクチュエータ4と電気的に接続されている。通電制御回路部7は、内燃機関の運転状態に応じたバルブタイミングを実現するための通電をアクチュエータ4に対して行い、回転軸6の回転駆動を制御する。
遊星歯車機構8は、駆動回転体10、従動回転体20、遊星キャリア40、遊星歯車50、及び付勢体70を備えている。
図1〜3に示すように、全体として中空状の駆動回転体10は、遊星歯車機構8の最外郭を形成する要素であって、当該機構8の他の構成要素20,40,50,及び付勢体70を内部空間に収容している。駆動回転体10は、歯車部材12及びスプロケット部材13の間に筒壁部材14を同軸上に共締めすることにより、形成されている。
図1,2に示すように、有底円筒状の歯車部材12は、歯底円の内周側に歯先円を有する駆動側内歯車部18を周壁部に形成している。図1,3に示すように段付円筒状のスプロケット部材13は、周壁部から径方向外側へ突出する複数の歯19を回転方向に等間隔に有している。スプロケット部材13は、それらの歯19とクランク軸の複数の歯との間でタイミングチェーン(図示しない)が掛け渡されることにより、クランク軸と連繋する。かかる連繋により、クランク軸の機関トルクがタイミングチェーンを通じてスプロケット部材13へ伝達されるときには、駆動回転体10はクランク軸と連動して回転する。このとき駆動回転体10の回転方向は、図2の反時計方向及び図3の時計方向となる。
有底円筒状の従動回転体20は、それよりも大径円筒状の筒壁部材14の内周側に同軸上に配置されている。図1に示すように従動回転体20は、カム軸2に同軸上に固定される固定部21を底壁部に形成している。かかる固定形態により従動回転体20は、カム軸2と連動して回転可能且つ駆動回転体10に対して相対回転可能となっている。ここで、従動回転体20の回転方向は、駆動回転体10と同じ図3の時計方向に設定されている。
図1,3に示すように従動回転体20は、歯底円の内周側に歯先円を有する従動側内歯車部22を周壁部に形成している。従動側内歯車部22の内径は駆動側内歯車部18の内径よりも小さく設定され、また従動側内歯車部22の歯数は駆動側内歯車部18の歯数よりも少なく設定されている。従動側内歯車部22は、駆動側内歯車部18に対して軸方向にずれて配置されている。
図1〜3に示すように、全体として筒状の遊星キャリア40は、周壁部のうち回転体10,20及び回転軸6と同軸上に配置される円筒面状の内周面に、連結部41を形成している。連結部41は、回転軸6に設けられた継手部43が嵌合により連結される嵌合溝部42を有している。かかる嵌合形態により遊星キャリア40は、回転軸6と一体に回転可能且つ駆動側内歯車部18に対して相対回転可能となっている。
遊星キャリア40は、周壁部のうち回転体10,20及び回転軸6から偏心して配置される円筒面状の外周面に、偏心支持部46を形成している。偏心支持部46は、転がり軸受60を介して遊星歯車50の中心孔51に嵌合することで当該遊星歯車50を内周側から支持して、この遊星歯車50を遊星運動可能に軸受している。ここで遊星運動とは、遊星歯車50が要素10,20,6に対する偏心支持部46の偏心軸線まわりに自転しつつ、要素40,6の回転軸線まわりに公転する運動をいう。したがって、回転軸6と共に遊星キャリア40が遊星歯車50の公転方向へ回転するときには、当該歯車50が遊星運動することになる。
全体として段付円筒状の遊星歯車50は、転がり軸受60を有しており、歯底円の外周側に歯先円を有する駆動側外歯車部52及び従動側外歯車部54を、それぞれ周壁部の大径部分及び小径部分に形成している。駆動側内歯車部18の内周側に配置される駆動側外歯車部52は、要素10,20,6に対する偏心支持部46の偏心方向EDにて当該内歯車部18と噛合している。駆動側外歯車部52から軸方向にずれて従動側内歯車部22の内周側に配置される従動側外歯車部54は、要素10,20,6に対する偏心支持部46の偏心方向EDにて当該内歯車部22と噛合している。従動側外歯車部54の外径は駆動側外歯車部52の外径よりも小さく設定され、またそれら従動側外歯車部54及び駆動側外歯車部52の歯数は、それぞれ従動側内歯車部22及び駆動側内歯車部18の歯数よりも同数ずつ少なく設定されている。
このように回転体10,20間を歯車連繋してなる遊星歯車機構8は、回転軸6と共に遊星キャリア40がアクチュエータ4により回転駆動されることで、駆動回転体10及び従動回転体20の間の相対位相となる機関位相に応じたバルブタイミングを実現する。具体的には、回転軸6と共に遊星キャリア40が駆動回転体10と同速に回転駆動されるときには、当該キャリア40が駆動側内歯車部18に対して相対回転しないので、遊星歯車50が遊星運動せずに回転体10,20と連れ回りする。その結果、機関位相の変化は生じないので、バルブタイミングが保持されることになる。
一方、回転軸6と共に遊星キャリア40が駆動回転体10よりも高速に回転駆動されるときには、当該キャリア40が駆動側内歯車部18に対して進角側へと相対回転することで、遊星歯車50が遊星運動する。その結果、駆動回転体10に対して従動回転体20が進角側へ相対回転するので、機関位相の進角側への変化が生じてバルブタイミングが進角することになる。
また一方、回転軸6と共に遊星キャリア40が駆動回転体10よりも低速に回転する又は駆動回転体10と反対方向へ回転駆動されるときには、当該キャリア40が駆動側内歯車部18に対して遅角側へと相対回転することで、遊星歯車50が遊星運動する。その結果、駆動回転体10に対して従動回転体20が遅角側へ相対回転するので、機関位相の遅角側への変化が生じてバルブタイミングが遅角することになる。
(特徴的構成)
次に、バルブタイミング調整装置1の特徴的構成を説明する。付勢体70による付勢力が作用していない状態では、駆動側内歯車部18及び駆動側外歯車部52の噛み合い部分、並びに従動側内歯車部22及び従動側外歯車部54の噛合部分には、それぞれバックラッシが生じている。このような各噛み合い部分におけるバックラッシを消滅させるための遊星歯車50及び付勢体70の構成について、以下詳細に説明する。
図1,4に示すように、遊星歯車50は、駆動側歯車部材53と従動側歯車部材55とに分割されている。駆動側歯車部材53及び従動側歯車部材55は、共に円筒状に形成されており、同軸上に配置されている。図1,2に示すように、駆動側歯車部材53の外周壁には、駆動側内歯車部18と噛み合う駆動側外歯車部52が形成されている。また図1,3に示すように、従動側歯車部材55の外周壁には、従動側内歯車部22と噛み合う従動側外歯車部54が形成されている。
図4,5に示すように、駆動側歯車部材53において、従動側歯車部材55と向い合う壁面には、二つの嵌合孔67が形成されている。嵌合孔67は、駆動側歯車部材53の軸方向に沿う円筒孔状である。図2に示すように、嵌合孔67は、駆動側内歯車部18に対する駆動側外歯車部52の偏心方向EDに沿って、当該外歯車部52の中心を挟んで配置されている。これら嵌合孔67には、円柱状に形成された連結ピン65がそれぞれ内嵌されている。図4,5に示されるように、連結ピン65は、金属材料よって形成されており、軸方向における一方の端部が嵌合孔67に圧入されている。連結ピン65の軸方向における他方の端部は、駆動側歯車部材53において嵌合孔67の形成された壁面から突出している。これら連結ピン65の他方の端部によって、軸方向に沿って従動側歯車部材55に向けて突出する円柱状の突起部64が、駆動側歯車部材53に設けられている。
図4,6に示すように、従動側歯車部材55において、駆動側歯車部材53から突出する突起部64と向い合う部分には、当該突起部64を収容する連結孔66が設けられている。図3に示すように、連結孔66は、従動側内歯車部22に対する従動側外歯車部54の偏心方向EDに沿って、当該外歯車部54の中心を挟んで配置されている。図7に示すように、連結孔66は、遊星歯車50の周方向CDに沿った内法よりも、偏心方向EDに沿った内法が大きい長孔状に形成されている。故に、突起部64及び連結孔66の間のクリアランスは、遊星歯車50の周方向CDにおいて実質的にゼロとなり、偏心方向EDにおいて僅かに確保される。以上により、連結孔66は、遊星歯車50の周方向CDにおいて突起部64を挟持しつつ、当該突起部64の偏心方向EDへの移動を可能にしている。
図1に示すように、以上の駆動側歯車部材53及び従動側歯車部材55は、転がり軸受60を介して遊星キャリア40の偏心支持部46に支持されている。転がり軸受60は、駆動側歯車部材53を軸受する駆動側軸受61と、当該駆動側歯車部材53よりもカム軸2側にて従動側歯車部材55を軸受する従動側軸受62を有している。各軸受61,62の内周壁と、遊星キャリア40の偏心支持部46との間には、微小なクリアランスが形成されている。以上の構成によれば、駆動側歯車部材53及び従動側歯車部材55は、各軸受61,62に支持された状態にて、連結孔66内における突起部64の移動により、遊星歯車50の径方向のうち、各歯車部52,54の偏心方向EDにおける互いの相対変位を許容できる。さらに、駆動側歯車部材53及び従動側歯車部材55は、突起部64及び連結孔66の相互の接触により、一体に遊星運動できる。
付勢体70は、遊星キャリア40の偏心支持部46に形成された一対の溝部47に収容されている。一対の溝部47は、偏心支持部46のうち遊星キャリア40の中心に対して偏心方向EDに位置する部分を、周方向に挟むようにして設けられている。各溝部47は、偏心支持部46におけるカム軸2側の端面からアクチュエータ4側に向かって軸方向に沿って伸びており、径方向外側の遊星歯車50に向かって開口している。
付勢体70は、溝部47に収容されることにより、遊星歯車50の転がり軸受60と遊星キャリア40の偏心支持部46との間に介装されて、遊星キャリア40に対し遊星歯車50を外周側へ付勢する。付勢体70は、駆動側弾性部材71及び従動側弾性部材72をそれぞれ一対有している。各溝部47において、駆動側弾性部材71及び従動側弾性部材72が、アクチュエータ4側からこの順で配置されている。駆動側弾性部材71及び従動側弾性部材72は、溝部47に外嵌された円環状のリング部材75によって、当該溝部47からの離脱を防止されている。図2,3に示すように、駆動側弾性部材71及び従動側弾性部材72は、帯状の金属製の部材を湾曲させることにより形成されており、概ねU字状の断面を有する板ばねである。各弾性部材71,72は、帯状の両端部が遊星歯車50の径方向において対向し且つそれら両端部間の開口が遊星歯車50の周方向CDを向くようにして、溝部47に収容されている。
図1,2に示されるように、駆動側弾性部材71は、一端部を溝部47の内底面に接触させると共に、他端部を溝部47の開口から突出させて駆動側軸受61の内周壁に接触させている。このようにして、駆動側弾性部材71は、駆動側歯車部材53の駆動側軸受61及び遊星キャリア40の偏心支持部46の間に介装されている。かかる介装状態において、駆動側弾性部材71は、遊星歯車50の径方向に圧縮されて弾性変形し、駆動側軸受61の内周壁に復元力を作用させる。この復元力の合力が、付勢力F1である。駆動側弾性部材71は、駆動側軸受61及び駆動側歯車部材53を通じて、付勢力F1により駆動側外歯車部52を駆動側内歯車部18へ付勢する。
一方で、図1,3に示されるように、従動側弾性部材72は、一端部を溝部47の内底面に接触させると共に、他端部を溝部47の開口から突出させて従動側軸受62の内周壁に接触させている。このようにして、従動側弾性部材72は、従動側歯車部材55の従動側軸受62及び遊星キャリア40の偏心支持部46の間に介装されている。かかる介装状態において、従動側弾性部材72は、遊星歯車50の径方向に圧縮されて弾性変形し、従動側軸受62の内周壁に復元力を作用させる。この復元力の合力が、付勢力F2である。従動側弾性部材72は、従動側軸受62及び従動側歯車部材55を通じて、付勢力F2により従動側外歯車部54を従動側内歯車部22へ付勢する。従動側弾性部材72による付勢力F2は、図2に示される駆動側弾性部材71による付勢力F1よりも、強くされている。
図1〜3に示されるように、一対の駆動側弾性部材71が駆動側外歯車部52に作用させる付勢力F1の第一作用線LA1は、一対の従動側弾性部材72が従動側外歯車部54に作用させる付勢力F2の第二作用線LA2に沿っている。これら第一作用線LA1及び第二作用線LA2は、共に偏心支持部46の偏心方向EDに沿っている。ここで、第一作用線LA1は、偏心支持部46の径方向に沿って、駆動側外歯車部52及び駆動側内歯車部18の噛み合い部分に駆動側弾性部材71から向かう仮想直線である。また、第二作用線LA2は、偏心支持部46の径方向に沿って、ら従動側外歯車部54及び従動側内歯車部22の噛み合い部分に従動側弾性部材72か向かう仮想直線である。
以上の構成では、トルク伝達の際に、駆動側外歯車部52及び駆動側内歯車部18の噛み合い部分、並びに従動側外歯車部54及び従動側内歯車部22の間の噛み合い部分のそれぞれにて、偏心方向EDに沿って内周側に向かうラジアル荷重が生じる。駆動側弾性部材71が駆動側外歯車部52に作用させる付勢力F1は、当該歯車部52に駆動側内歯車部18から作用するラジアル荷重を打ち消して、これら歯車部18,52の噛み合い部分におけるバックラッシを消滅させる。また、従動側弾性部材72が従動側外歯車部54に作用させる付勢力F2は、従動側内歯車部22から従動側外歯車部54に作用するラジアル荷重を打ち消して、これら歯車部22,54の噛み合い部分におけるバックラッシを消滅させる。
ここまで説明した第一実施形態では、駆動側外歯車部52及び従動側外歯車部54が互いの相対変位を許容することにより、駆動側弾性部材71による付勢と、従動側弾性部材72による付勢とが、個別に実施可能となる。故に、トルク伝達の際に各噛み合い部分に生じるラジアル荷重の差が増大しても、各弾性部材71,72によって個別に加えられる付勢力F1,F2によって、各噛み合い部分のバックラシを共に消滅させた状態は、維持され得る。したがって、歯車部同士の衝突が抑制されるので、バルブタイミング調整装置1における異音及び磨耗の発生は、回避される。
加えて第一実施形態によれば、各弾性部材71,72の付勢によって、遊星歯車50の各歯車部材53,55は、それぞれ偏心方向EDに沿って変位可能である。故に、遊星歯車50は、各回転体10,20に対して傾動し難くなる。以上により、各歯車部の各歯面に生じる面圧の偏りを抑制できるので、各歯車部の磨耗は、いっそう低減される。
さらに第一実施形態によれば、各弾性部材71,72による付勢力F1,F2の向きは、各歯車部52,54に作用するラジアル荷重の向きと対向している。故に、各弾性部材71,72による付勢力F1,F2は、各歯車部52,54に作用するラジアル荷重を打ち消して、各噛み合い部分のバックラッシを効果的に消滅させることができる。
また第一実施形態によれば、駆動側歯車部材53及び従動側歯車部材55の間における相対変位は、偏心方向EDに沿って許容される。故に、駆動側弾性部材71による付勢と、従動側弾性部材72による付勢とが、互いに妨げ合うことなく、個別且つ確実に実施可能となる。以上により、各噛み合い部分におけるバックラッシの消滅は、さらに確実なものとなり得る。
また加えて、駆動側外歯車部52よりも内周側に従動側外歯車部54が配置される第一実施形態では、従動側外歯車部54に作用するラジアル荷重は、駆動側外歯車部52に作用するラジアル荷重よりも、大きくなり易い。故に、従動側弾性部材72による付勢力F2が駆動側弾性部材71による付勢力F1よりも強くされる。以上により、従動側外歯車部54に作用するラジアル荷重が増大しても、歯車部22,54の噛み合い部分におけるバックラッシの消滅した状態は、維持され得る。
さらに加えて第一実施形態では、突起部64と連結孔66という簡素な構成により、相対変位を許容しつつ一体で遊星運動する駆動側歯車部材53及び従動側歯車部材55が、実現されている。さらに、駆動側歯車部材53とは別体の連結ピン65によって突起部64を形成することにより、突起部64の寸法精度、ひいては突起部64と連結孔66との間におけるクリアランスの精度が、高く維持可能となる。以上により、連結孔66にて移動する突起部64の円滑な作動が確保されるので、各弾性部材71,72による付勢が確実に実施されて、各噛み合い部分におけるバックラッシは、さらに確実に消滅し得る。
これらにより、各歯車部同士の衝突がさらに抑制されるので、バルブタイミング調整装置1における異音及び磨耗の発生は、確実に回避可能となる。
尚、本実施形態において、駆動側内歯車部18が特許請求の範囲の「駆動歯車部」に相当し、従動側内歯車部22が特許請求の範囲の「従動歯車部」に相当し、遊星歯車50が特許請求の範囲の「遊星回転体」に相当し、駆動側外歯車部52が特許請求の範囲の「第一遊星歯車部」に相当し、従動側外歯車部54が特許請求の範囲の「第二遊星歯車部」に相当し、駆動側歯車部材53が特許請求の範囲の「第一遊星部材」及び「一方の部材」に相当し、従動側歯車部材55が特許請求の範囲の「第二遊星部材」及び「他方の部材」に相当し、連結ピン65が特許請求の範囲の「ピン部材」に相当し、連結孔66が特許請求の範囲の「孔部」に相当し、嵌合孔67が特許請求の範囲の「凹部」に相当し、付勢体70が特許請求の範囲の「付勢手段」に相当し、駆動側弾性部材71が特許請求の範囲の「第一弾性部材」に相当し、従動側弾性部材72が特許請求の範囲の「第二弾性部材」に相当する。
(第二実施形態)
図8〜10に示されるように、本発明の第二実施形態は第一実施形態の変形例である。図8,9に示されるように、第二実施形態の偏心支持部46には、第一実施形態と実質的に同一の溝部47、及び溝部47よりも軸方向に短い溝部248が形成されている。一方の溝部47には、駆動側弾性部材71及び従動側弾性部材72のうち、駆動側弾性部材71が収容されている。他方の溝部248は、遊星キャリア40のカム軸2(図1参照)側の端面から従動側軸受62の内周側まで伸びている。この溝部248には、駆動側弾性部材71及び従動側弾性部材72のうち、従動側弾性部材72が収容されている。
以上の構成により、駆動側軸受61は、偏心方向EDに対し周方向CDの進角側にずれた向きに、駆動側弾性部材71から付勢力F1を印加される。また、従動側軸受62は、偏心方向EDに対し周方向CDの遅角側にずれた向きに、従動側弾性部材72から付勢力F2を印加される。これらにより、駆動側弾性部材71が駆動側歯車部材53に作用させる付勢力F1の第一作用線LA1は、従動側弾性部材72が従動側歯車部材55に作用させる付勢力F2の第二作用線LA2に対し、ねじれの位置となる。加えて、偏心支持部46の偏心方向EDは、遊星歯車50の周方向CDにおいて、これら第一作用線LA1と第二作用線LA2との間に向かう方向に規定されている。
図10に示されるように、従動側歯車部材55の連結孔66は、円筒孔状に形成されている。連結孔66の内径は、連結ピン65の外径よりも僅かに大きい。故に、連結ピン65によって形成される突起部64は、連結孔66に収容された状態で遊星歯車50の周方向CD及び径方向に移動可能である。
以上の構成では、付勢力F1は、付勢力F2に対して、遊星歯車50の周方向CDにずれた方向に作用している。故に、突起部64と連結孔66とは、異なる方向に作用するこれらの付勢力F1,F2によって互いに押し付けられる。よって、遊星歯車50に伝達されるトルクが変動しても、突起部64及び連結孔66は、互いに接触した状態を維持できる。
加えて、図8に示されるように、付勢力F1は、偏心方向EDに沿って駆動側外歯車部52に作用するラジアル荷重と対向する力の成分を有している。故に、付勢力F1は、駆動側外歯車部52に作用するラジアル荷重を打ち消して、駆動側内歯車部18及び駆動側外歯車部52の間におけるバックラッシの除去を継続し得る。また、図9に示されるように、付勢力F2は、偏心方向EDに沿って従動側外歯車部54に作用するラジアル荷重と対向する力の成分を有している。故に、付勢力F2は、従動側外歯車部54に作用するラジアル荷重を打ち消して、従動側内歯車部22及び従動側外歯車部54の間におけるバックラッシの除去を継続し得る。
ここまで説明した第二実施形態では、各噛み合い部分のバックラシを共に消滅させた状態を維持できるので、歯車部同士の衝突に起因する異音及び磨耗の発生は、回避可能となる。また第二実施形態では、連結孔66が円筒孔状に形成されているので、第一実施形態のように、連結孔66による突起部64の挟持はなされない。しかし、付勢力F1,F2の作用によって、円筒孔状の連結孔66と突起部64との接触状態が維持されるので、各歯車部同士の衝突に加えて、突起部64の連結孔66への衝突が、抑制される。以上によれば、突起部64及び連結孔66の衝突に起因する異音及び磨耗の発生も、回避可能となる。さらに、連結孔66を形成容易な円筒孔状とすることにより、異音及び磨耗の発生を回避可能なバルブタイミング調整装置1(図1参照)を提供する容易性を高めることができる。
(第三実施形態)
図11〜13に示されるように、本発明の第三実施形態は第二実施形態の変形例である。図11,12に示されるように、第三実施形態の遊星キャリア40は、駆動側偏心支持部346及び従動側偏心支持部349を形成している。駆動側偏心支持部346及び従動側偏心支持部349は、回転体10,20等から互いに異なる方向に偏心して配置される遊星キャリア40の円筒面状の外周面によって形成されている。以上の遊星キャリア40の形態により、駆動側外歯車部52は、回転体10,20等に対する駆動側偏心支持部346の第一偏心方向ED1にて、駆動側内歯車部18と噛合している。また、従動側外歯車部54は、回転体10,20等に対する従動側偏心支持部349の第二偏心方向ED2にて、従動側内歯車部22と噛合している。第三実施形態では、偏心方向第一偏心方向ED1は、第二偏心方向ED2に対し進角側にずれた向きに設定されている。
遊星キャリア40に設けられる一方の溝部347は、駆動側偏心支持部346において、遊星キャリア40の中心に対し第一偏心方向ED1に位置する部分に形成されている。この一方の溝部347には、駆動側弾性部材71が収容されている。また、遊星キャリア40に設けられる他方の溝部348は、従動側偏心支持部349において、遊星キャリア40の中心に対し第二偏心方向ED2に位置する部分に形成されている。この他方の溝部348には、従動側弾性部材72が収容されている。
以上の構成により、駆動側軸受61は、第一偏心方向ED1に沿って駆動側弾性部材71から付勢力F1を印加される。駆動側外歯車部52に作用するラジアル荷重の向きが第一偏心方向ED1と対向する方向であるので、駆動側弾性部材71は、当該ラジアル荷重を付勢力F1によって打ち消すことができる。また、従動側軸受62は、第二偏心方向ED2に沿って従動側弾性部材72から付勢力F2を印加される。従動側外歯車部54に作用するラジアル荷重の向きが第二偏心方向ED2と対向する方向であるので、従動側弾性部材72は、当該ラジアル荷重を付勢力F2によって打ち消すことができる。尚、第三実施形態においても、付勢力F1の第一作用線LA1は、付勢力F2の第二作用線LA2に対し、ねじれの位置となる。
図13に示されるように、従動側歯車部材55に形成される連結孔66は、第一実施形態と同様に、遊星歯車50の周方向CDに沿った内法よりも、遊星歯車50の径方向に沿った内法が大きい長孔状である。各連結孔66の長手方向は、第一偏心方向ED1及び第二偏心方向ED2の間に向かう中間方向MDに沿っている。以上により、突起部64及び連結孔66の間のクリアランスは、遊星歯車50の周方向CDにおいて実質的にゼロとなり、中間方向MDにおいて僅かに確保される。したがって、連結孔66は、周方向CDにおいて突起部64を挟持しつつ、当該突起部64を中間方向MDに移動可能に収容できる。
以上の構成では、図11,13に示されるように、連結孔66が突起部64を挟持した状態にて、駆動側歯車部材53及び従動側歯車部材55は、一体で遊星運動する。また、連結孔66内での中間方向MDへの突起部64の移動により、従動側歯車部材55に対する駆動側歯車部材53の第一偏心方向ED1への相対変位と、駆動側歯車部材53に対する従動側歯車部材55の第二偏心方向ED2への相対変位とが、共に許容される。故に、図11,12に示されるように、駆動側弾性部材71による駆動側外歯車部52の付勢と、従動側弾性部材72による従動側外歯車部54の付勢とは、互いに妨げ合い難く、個別且つ確実に実施可能となる。
ここまで説明した第三実施形態では、各付勢力F1,F2の作用する方向が各偏心方向ED1,ED2に合わせられることにより、各噛み合い部分におけるバックラッシは、効果的に消滅し得る。加えて、各弾性部材71,72による付勢が個別且つ確実に実施されるので、各噛み合い部分におけるバックラッシの消滅は、さらに確実なものとなり得る。したがって、各歯車部同士の衝突の抑制により、異音及び磨耗の発生は、確実に回避可能となる。
(第四実施形態)
図14に示されるように、本発明の第四実施形態は第二実施形態の別の変形例である。第四実施形態の従動側歯車部材55に形成される連結孔66は、第一実施形態と同様に、遊星歯車50の周方向CDに沿った内法よりも、偏心方向EDに沿った内法が大きい長孔状である。この連結孔66の長手方向は、偏心方向EDに沿っている。以上により、連結孔66は、遊星歯車50の周方向CDにおいて突起部64を挟持しつつ、当該突起部64を偏心方向EDに沿って移動可能に収容している。
以上の第四実施形態では、突起部64は、連結孔66に挟持されたうえで、さらに付勢力F1,F2によって当該連結孔66に押さえ付けられる。故に、連結孔66と突起部64との接触状態が確実に維持される。以上により、各歯車部同士の衝突に加えて、突起部64の連結孔66への衝突も、さらに抑制される。したがって、バルブタイミング調整装置1(図1参照)における異音及び磨耗の発生回避の確実性が、さらに向上する。
(他の実施形態)
以上、本発明による複数の実施形態について説明したが、本発明は、上記実施形態に限定して解釈されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々の実施形態及び組み合わせに適用することができる。
上記第一実施形態では、付勢力F1,F2は、それぞれ複数の弾性部材71,72による復元力の合力として、各軸受61,62に作用していた。一方で、上記第二〜第四実施形態では、各軸受61,62に作用する付勢力F1,F2は、一つの弾性部材71,72による復元力であった。以上のように、各歯車部52,54を付勢する付勢力は、一つの弾性部材による復元力であってもよく、複数の弾性部材による復元力の合力であってもよい。
上記実施形態では、各弾性部材71,72として、U字状に湾曲した繭ばねが用いられていた。しかし、各軸受と偏心支持部との間に介装されて、各歯車部に付勢力を作用させることができる構成であれば、弾性部材の形状及び材料等は、適宜変更されてよい。
上記実施形態では、駆動側歯車部材53の突起部64を従動側歯車部材55の連結孔66に収容する構造により、各歯車部材53,55は、互いの相対変位を許容しつつ、一体に遊星運動可能とされていた。しかし、これら駆動側歯車部材及び従動側歯車部材を連結する構造は、上記実施形態の構造に限定されない。
上記実施形態において、突起部64の形成される「一方の部材」が駆動側歯車部材53であり、連結孔66の形成される「他方の部材」が従動側歯車部材55であった。しかし、突起部は、従動側歯車部材に形成されていてもよい。また、連結孔は、駆動側歯車部材に形成されていてもよい。さらに、突起部を形成する構成は、嵌合孔67に嵌合された連結ピン65でなくてもよい。例えば、突起部は、駆動側歯車部材と一体で形成されていてもよい。また加えて、突起部の横断面の形状は、円柱状に限定されない。例えば、角柱状の突起部が、一方の部材から突出していてもよい。さらに加えて、駆動側歯車部材及び従動側歯車部材の双方に、突起部及び連結孔がそれぞれ形成されてもよい。
上記実施形態において、突起部64及び連結孔66は、遊星歯車50の径方向に対向するように、それぞれ一対設けられていた。しかし、駆動側歯車部材及び従動側歯車部材における相対変位の許容及び一体での遊星運動が可能であれば、突起部及び連結孔の数及び配置は、適宜変更されてよい。また、連結孔の形状は、円筒孔状及び楕円筒孔状でなくてもよく、突起部の横断面形状に応じて適宜変更されてよい。
上記実施形態において、付勢力F2は、付勢力F1よりも強くされていた。しかし、各弾性部材71,72による付勢力は、各歯車部52,54に作用するラジアル荷重の大きさに対応させて、適宜変更されてよい。さらに、付勢力F1,F2は、互いに同じ強さであってもよい。
そして、回転軸6と共に遊星キャリア40を回転駆動するアクチュエータ4としては、上記実施形態のような電動モータ以外の例えば電動ブレーキ等を採用してもよい。さらに、本発明は、吸気弁のバルブタイミングを調整する装置以外にも、「動弁」としての排気弁のバルブタイミングを調整する装置や、吸気弁及び排気弁の双方のバルブタイミングを調整する装置に適用できる。
1 バルブタイミング調整装置、2 カム軸、4 アクチュエータ、5 ケース、6 回転軸、7 通電制御回路部、8 遊星歯車機構、10 駆動回転体、12 歯車部材、13 スプロケット部材、14 筒壁部材、18 駆動側内歯車部(駆動歯車部)、19 歯、20 従動回転体、21 固定部、22 従動側内歯車部(従動歯車部)、40 遊星キャリア、41 連結部、42 嵌合溝部、43 継手部、46 偏心支持部、346 駆動側偏心支持部、349 従動側偏心支持部、47,248,347,348 溝部、50 遊星歯車(遊星回転体)、51 中心孔、52 駆動側外歯車部(第一遊星歯車部)、53 駆動側歯車部材(第一遊星部材,一方の部材)、54 従動側外歯車部(第二遊星歯車部)、55 従動側歯車部材(第二遊星部材,他方の部材)、60 転がり軸受、61 駆動側軸受、62 従動側軸受、64 突起部、65 連結ピン(ピン部材)、66 連結孔(孔部)、67 嵌合孔(凹部)、70 付勢体(付勢手段)、71 駆動側弾性部材(第一弾性部材)、72 従動側弾性部材(第二弾性部材)、75 リング部材、CD 周方向、ED 偏心方向、ED1 第一偏心方向、ED2 第二偏心方向、MD 中間方向、F1,F2 付勢力、LA1 第一作用線、LA2 第二作用線

Claims (11)

  1. 内燃機関においてクランク軸からのトルク伝達によりカム軸が開閉する動弁のバルブタイミングを調整するバルブタイミング調整装置であって、
    駆動歯車部を有し、前記クランク軸と連動して回転する駆動回転体と、
    前記駆動歯車部に対し軸方向にずれて配置される従動歯車部を有し、前記カム軸と連動して回転する従動回転体と、
    第一遊星歯車部及び第二遊星歯車部を有し、それら第一遊星歯車部及び第二遊星歯車部がそれぞれ前記駆動歯車部及び前記従動歯車部に対し偏心して噛み合いつつ一体に遊星運動することにより、前記駆動回転体及び前記従動回転体の間の相対位相を変化させる遊星回転体と、
    前記遊星回転体を内周側から支持する遊星キャリアと、
    前記遊星回転体及び前記遊星キャリアの間に介装され、前記遊星回転体を外周側へ付勢する付勢手段と、を備え、
    前記遊星回転体は、前記駆動歯車部と噛み合う前記第一遊星歯車部が形成される第一遊星部材、及び前記従動歯車部と噛み合う前記第二遊星歯車部が形成され、前記第一遊星部材の径方向への相対変位を許容しつつ当該第一遊星部材と一体に遊星運動する第二遊星部材、を有し、
    前記付勢手段は、前記第一遊星部材及び前記遊星キャリアの間に介装され、前記第一遊星歯車部を前記駆動歯車部へ付勢する第一弾性部材、並びに前記第二遊星部材及び前記遊星キャリアの間に介装され、前記第二遊星歯車部を前記従動歯車部へ付勢する第二弾性部材、を有することを特徴とするバルブタイミング調整装置。
  2. 前記遊星回転体は、
    前記第一遊星部材及び前記第二遊星部材のうち一方の部材から突出する突起部と、
    前記第一遊星部材及び前記第二遊星部材のうち他方の部材に設けられ、前記突起部を前記径方向に移動可能に収容する孔部と、を有し、
    前記第一遊星部材及び前記第二遊星部材は、前記孔部内における前記突起部の移動により前記径方向への相対変位を許容しつつ、前記突起部及び前記孔部の相互の接触により一体で遊星運動することを特徴とする請求項1に記載のバルブタイミング調整装置。
  3. 前記第一弾性部材が前記第一遊星部材に作用させる付勢力の第一作用線は、前記第二弾性部材が前記第二遊星部材に作用させる付勢力の第二作用線に対し、ねじれの位置にあることを特徴とする請求項2に記載のバルブタイミング調整装置。
  4. 前記孔部は、前記他方の部材に円筒孔状に形成されることを特徴とする請求項3に記載のバルブタイミング調整装置。
  5. 前記第一弾性部材が前記第一遊星部材に作用させる付勢力の第一作用線は、前記第二弾性部材が前記第二遊星部材に作用させる付勢力の第二作用線に沿い、
    前記第一遊星歯車部及び前記第二遊星歯車部がそれぞれ前記駆動歯車部及び前記従動歯車部に対し偏心する偏心方向は、前記第一作用線及び前記第二作用線に沿うことを特徴とする請求項1又は2に記載のバルブタイミング調整装置。
  6. 前記第一弾性部材が前記第一遊星部材に作用させる付勢力の第一作用線は、前記第二弾性部材が前記第二遊星部材に作用させる付勢力の第二作用線に対し、ねじれの位置にあり、
    前記第一遊星歯車部及び前記第二遊星歯車部がそれぞれ前記駆動歯車部及び前記従動歯車部に対し偏心する偏心方向は、前記遊星回転体の周方向において、前記第一作用線と前記第二作用線との間に向かう方向であることを特徴とする請求項1又は2に記載のバルブタイミング調整装置。
  7. 前記遊星回転体は、
    前記第一遊星部材及び前記第二遊星部材のうち一方の部材から突出する突起部と、
    前記第一遊星部材及び前記第二遊星部材のうち他方の部材に設けられ、前記遊星回転体の前記周方向において前記突起部を挟持しつつ、前記偏心方向に沿って前記突起部を移動可能に収容する孔部と、を有し、
    前記第一遊星部材及び前記第二遊星部材は、前記孔部内における前記突起部の移動により前記偏心方向への相対変位を許容しつつ、前記突起部が前記孔部を挟持した状態にて一体で遊星運動することを特徴とする請求項5又は6に記載のバルブタイミング調整装置。
  8. 前記第一遊星歯車部が前記駆動歯車部に対し偏心する第一偏心方向は、前記第二遊星歯車部が前記従動歯車部に対し偏心する第二偏心方向に対して、前記遊星回転体の周方向にずれており、
    前記第一弾性部材は、前記第一偏心方向に沿って前記第一遊星部材に付勢力を作用させ、
    前記第二弾性部材は、前記第二偏心方向に沿って前記第二遊星部材に付勢力を作用させることを特徴とする請求項1又は2に記載のバルブタイミング調整装置。
  9. 前記遊星回転体は、
    前記第一遊星部材及び前記第二遊星部材のうち一方の部材から突出する突起部と、
    前記第一遊星部材及び前記第二遊星部材のうち他方の部材に設けられ、前記遊星回転体の前記周方向において前記突起部を挟持しつつ、前記第一偏心方向及び前記第二偏心方向の間に向かう中間方向に沿って前記突起部を移動可能に収容する孔部と、を有し、
    前記第一遊星部材及び前記第二遊星部材は、前記孔部内における前記突起部の移動により前記中間方向への相対変位を許容しつつ、前記突起部が前記孔部を挟持した状態にて一体で遊星運動することを特徴とする請求項8に記載のバルブタイミング調整装置。
  10. 前記遊星回転体は、
    前記第一遊星部材及び前記第二遊星部材のうち一方の部材から突出する突起部と、
    前記第一遊星部材及び前記第二遊星部材のうち他方の部材に設けられ、前記突起部を移動可能に収容する孔部と、を有し、
    前記遊星回転体は、
    前記一方の部材に凹部を形成し、
    前記凹部に内嵌されることにより、前記一方の部材から突出して前記突起部を形成するピン部材、を有することを特徴とする請求項1〜9のいずれか一項に記載のバルブタイミング調整装置。
  11. 前記第二遊星歯車部は、前記遊星回転体において前記第一遊星歯車部よりも内周側に配置され、
    前記第二弾性部材は、前記第一遊星歯車部を前記駆動歯車部へ付勢する前記第一弾性部材の付勢力よりも強い付勢力によって、前記第二遊星歯車部を前記従動歯車部へ付勢することを特徴とする請求項1〜10のいずれか一項に記載のバルブタイミング調整装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2017172656A (ja) * 2016-03-23 2017-09-28 株式会社Soken 遊星歯車装置
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